JP4482964B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真用感光体に関するものである。詳しくは、耐オゾン性および耐光性に優れた安定性、耐久性に優れた電子写真用感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真用感光体には、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、シリコン等の無機系光導電性物質が広く用いられてきた。これらの無機物質は多くの長所を持っていると同時に、種々の欠点も有していた。例えばセレンは製造する条件が難しく、熱や機械的衝撃で結晶化しやすいという欠点があり、酸化亜鉛や硫化カドミウムは耐湿性や機械的強度に問題があり、また増感剤として添加した色素により帯電や露光の劣化が起こり、耐久性に欠ける等の欠点がある。シリコンも製造する条件が難しい事と刺激性の強いガスを使用するためコストが高く、湿度に敏感であるため取り扱いに注意を要する。さらにセレンや硫化カドミウムには毒性の問題もある。
【0003】
近年、これらの無機感光体の有する欠点を克服する目的で種々の有機化合物を用いた有機感光体が研究され、広く使用されるに至っている。有機感光体には電荷発生剤と電荷輸送剤を結着樹脂中に分散させた単層感光体と、電荷発生層と電荷輸送層に機能を分離した積層感光体がある。機能分離型と称されているこのような感光体の特徴はそれぞれの機能に適した材料を広い範囲から選択できることであり、任意の性能を有する感光体を容易に作製し得ることから多くの研究が進められてきた。
【0004】
以上述べたように、電子写真用感光体に求められる基本的な性能や高い耐久性などの要求を満足させるため、新規な材料の開発やそれらの組み合わせ等、種々の改良が成されてきたが、未だ十分なものが得られていないのが現状である。
【0005】
一つの大きな問題として、感光体を複写機中で使用した場合、電子写真プロセスで発生する熱、光、オゾンなどが原因で強い酸化作用を受けることが上げられる。有機材料からなる感光体はこの酸化作用を受けやすく、例えば感度の低下、帯電電位の低下、残留電位の上昇、表面抵抗の低下等がみられ、その結果著しい画像の低下、感光体の短寿命化が生じている。
【0006】
その対策としてこれまでに、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定剤を感光体に添加し、劣化を防止する研究が数多く行われてきたが、感光体作製時の高温での乾燥により、これらの添加剤が揮散し、その機能が十分に発揮されないという問題があった。この対策としては、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定剤に嵩高い側鎖を付加して高分子量化を行う改善がなされたが、単なる高分子量化による対策では性能を発揮する機能構造部の濃度低下が避けられず、さらに添加量を増加させると感光体の耐摩耗性が低下してしまうという新たな問題が発生する。一方、光安定剤および酸化防止剤の機能を兼ね備えたベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物が開示され(特開平10−175963号公報)、種々の樹脂に対して該化合物を添加し、光安定化効果試験と耐熱性試験を行った結果それらの樹脂の変色や着色が防止されたことが報告されている。しかし樹脂以外の分野、例えば電子写真用感光体の分野における適用例の記述は無く、低分子の電荷輸送剤のような化合物に対する添加の具体的な記述も無い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは電子写真用感光体において、ベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物の感光体への添加の可否や、種々電荷輸送剤に対する光劣化や酸化劣化の防止等について検討したところ、分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤に対して顕著な安定化を示すことを見い出した。
【0008】
本発明は、電子写真用感光体において分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤を使用した場合に、帯電電位の低下の防止された、残留電位の上昇の抑制された、さらに繰り返し安定性にも優れた電子写真用感光体を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電性支持体上に下記一般式[1]
【0010】
【化8】
【0011】
〔式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基またはアルキルアリール基を表し、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアラルキル基を表し、R2は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す、R3およびR4は同一でも異なってもよく、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基を表す〕で表されるベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物の1種または2種以上と、分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤の1種または2種以上を含有する感光層を有することを特徴とする電子写真用感光体である。
【0012】
また、本発明は分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤が下記一般式[2]、[3]または[4]
【0013】
【化9】
【0014】
【化10】
【0015】
【化11】
【0016】
〔式[2]、式[3]、式[4]において、Zは2価基−O−、−S−または−N(R10)−を表す。R5およびR6は同一でも異なってもよく、それぞれ無置換もしくは置換基を有する炭素原子数1ないし12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、無置換もしくは置換基を有する炭素原子数7ないし20の直鎖状もしくは分岐状のアラルキル基、または無置換もしくは置換基を有する環数1ないし4のアリール基を表す。R7、R8、R9およびR11はそれぞれ水素原子、無置換もしくは置換基を有する炭素原子数1ないし12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、無置換もしくは置換基を有する炭素原子数7ないし20の直鎖状もしくは分岐状のアラルキル基、炭素原子数1ないし4の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、炭素原子数2ないし5のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたモノアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたジアルキルアミノ基、またはアミド基を表す。R10は無置換もしくは置換基を有する炭素原子数1ないし12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または無置換もしくは置換基を有する炭素原子数1ないし12の直鎖状もしくは分岐状のアラルキル基を表す。R5ないしR11が置換基を有する場合、置換基としてはハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ジアルキルアミノ基またはアルキルチオ基を表し、R5またはR6がアリール基の場合のみ、さらにアルキル基をも表す。〕で表されるヒ
ドラゾン化合物であり、該ヒドラゾン化合物の1種または2種以上を含有する感光層を有することを特徴とする電子写真用感光体である。
【0017】
また本発明は分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤が下記一般式[5]
【0018】
【化12】
【0019】
〔式[5]においてR12は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表す。mは1または2の整数であり、m=2の場合、双方の基は同一でも異なってもよく、また双方の基は互いに結合してテトラメチレン環またはトリメチレン環を形成してもよい。R13は無置換または置換基を有するフェニル基を表し、この場合の置換基としてアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、フェニル基が挙げられる。R14は水素、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルアミノ基を表す。R15およびR16は同一でも異なってもよく、それぞれ無置換もしくは置換基を有するフェニル基、無置換もしくは置換基を有するナフチル基、無置換もしくは置換基を有するアントリル基、無置換もしくは置換基を有するフルオレニル基または無置換もしくは置換基を有する複素環基を表し、この場合の置換基としてアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、フェニル基が挙げられる。〕で表されるスチリル化合物であり、該スチリル化合物の1種または2種以上を含有する感光層を有することを特徴とする電子写真用感光体である。
【0020】
また本発明は分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤が下記一般式[6]
【0021】
【化13】
【0022】
〔式[6]においてR17は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、R18、R'18、R19およびR'19は同一でも異なってもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表す。nは1または2の整数であり、n=2の場合、同一のフェニル基に置換される二つの基は同一でも異なってもよい。pは1または2の整数であり、p=2の場合、同一のフェニル基に置換される二つの基は同一でも異なってもよい。〕で表されるベンジジン化合物であり、該ベンジジン化合物の1種または2種以上を含有する感光層を有することを特徴とする電子写真用感光体である。
【0023】
また本発明はベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物が下記一般式[7]
【0024】
【化14】
【0025】
前記した一般式[1]で示されるベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物の具体例を示す。本発明に使用される化合物は、これらの化合物に限定されるものではない。
【0026】
【化15】
【0027】
【化16】
【0028】
【化17】
【0029】
【化18】
【0030】
【化19】
【0031】
【化20】
【0032】
【化21】
【0033】
【化22】
【0036】
【化25】
【0037】
【化26】
【0038】
本発明の電子写真用感光体は、分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤の1種または2種以上を含有した感光層を有するものであり、さらに前記のベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物を1種または2種以上含有するものである。本発明で使用するベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物は感光体作製時の高温での乾燥によってもその拡散が抑制され、また、分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤に対する光劣化抑制と酸化防止効果が顕著なので、初期添加時の増し仕込みを要することが無く、添加剤増量に起因する感光体の物性低下特に表面抵抗の低下を防止することができるのである。また、分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤に作用して確実に光劣化の抑制と酸化防止を成し遂げるので、感光体の画像の低下や短寿命化を防止できるものである。
【0039】
【発明の実施の形態】
感光層の形態としては種々のものが存在するが、本発明の電子写真用感光体の感光層としてはそのいずれも採用することができる。代表例として図1〜図5にそれらの感光体を示した。
【0040】
図1の感光体は、導電性支持体1上に、分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤−これらは一般式[2]、[3]、[4]、[5]、[6]で表される特定のアミン化合物であっても良い、増感色素およびベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物、よりなる感光層2を設けたものである。
【0041】
図2の感光体は、導電性支持体1上に分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤−これらは一般式[2]、[3]、[4]、[5]、[6]で表される特定のアミン化合物であっても良い、およびベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物よりなる電荷輸送媒体3の中に、電荷発生剤4を分散せしめた感光層21を設けたものである。本感光体では電荷発生剤が光を吸収することにより電荷担体を発生し、これを電荷輸送媒体が輸送する。この場合、電荷輸送剤は電荷担体を発生させる光に対して透明であることが望ましい。アミン化合物は可視部波長域にほとんど吸収がないので、電荷発生剤と吸収波長域が重ならないという条件を満足している。
【0042】
図3の感光体は、導電性支持体1上に電荷発生剤4を主体とする電荷発生層5と、アリールアミノ基を有する電荷輸送剤−これらは一般式[2]、[3]、[4]、[5]、[6]で表される特定のアミン化合物であっても良い、およびベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物よりなる電荷輸送層3の積層からなる感光層22を設けたものである。本感光体では電荷輸送層3を透過した光が電荷発生層5に到達し、電荷発生剤4に吸収され電荷担体が発生される。この電荷担体は電荷輸送層3に注入され輸送される。
【0043】
図4の感光体は、図3の感光体の電荷発生層5と電荷輸送層3の積層順を逆にした感光層23を設けたものである。上記と同様の機構によって電荷担体の発生と輸送が説明できる。
【0044】
図5の感光体は、機械的強度の向上を目的として図4の感光体の電荷発生層5の上に保護層6を更に積層した感光層24を設けたものである。
【0045】
本発明の感光体は次のようにして常法に従って製造することができる。例えば、前述した一般式[1]で表されるベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物と一般式[2]、[3]、[4]、[5]、[6]で表される特定のアミン化合物とを結着樹脂とともに適当な溶剤中に溶解し、必要に応じて電荷発生物質、増感色素、電子吸引性化合物あるいは、可塑剤、顔料、その他添加剤を添加して塗布液を調製する。この塗布液を導電性支持体上に塗布、乾燥して数μmから数十μmの感光層を形成させることにより、感光体を製造することができる。電荷発生層と電荷輸送層の二層よりなる感光層の場合は、電荷発生層の上に上記塗布液を塗布するか、上記塗布液を塗布して得られる電荷輸送層の上に電荷発生層を形成させることにより製造することができる。また、このようにして製造される感光体には必要に応じて、下引き層、中間層、バリヤー層を設けても良い。
【0046】
前記した塗布液調製用の溶剤としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル等の極性有機溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族有機溶剤、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系炭化水素溶剤等を使用することができる。アミン化合物と結着樹脂に対して溶解性の高い溶剤が好適に使用される。
【0047】
結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルブタジエン等のビニル化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタンセルロースエステル、フェノキシ樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等、ベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物および特定のアミン化合物と相溶性のある各種樹脂があげられる。また、結着樹脂の使用量は、通常アミン化合物に対して0.4〜10重量倍、好ましくは0.5〜5重量倍の範囲である。
【0048】
分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤−これらは一般式[2]、[3]、[4]、[5]、[6]で表される特定のアミン化合物であっても良い、に対して、一般式[1]で表されるベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物の1種または2種以上を、1〜40重量%、好ましくは3〜30重量%添加するのが効果的である。
【0049】
電荷発生剤としては、α型、β型、τ型、X型等の各種結晶型のメタルフリーフタロシアニン、銅フタロシアニン、アルミニウムフタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、α型、β型、Y型オキソチタニルフタロシアニン、コバルトフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロルアルミニウムフタロシアニン、クロルインジウムフタロシアニン、Cu−Kα線(波長1.541 )に対するブラック角2θの9.6°および27.2°に大きなピークを有するチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料。トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、フルオレン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、スチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料、カルバゾール骨格を有するトリスアゾ顔料等のアゾ系顔料。ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミド等のペリレン顔料。アントラキノン誘導体、アンスアンスロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、ビオラントロン誘導体およびイソビオラントロン誘導体等の多環キノン顔料。ジフェニルメタンおよびトリフェニルメタン系顔料。シアニンおよびアゾメチン系顔料。インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、アズレニウム塩、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、ベンゾピリリウム塩、スクエアリリウム塩などがある。これらは、単独または必要に応じて2種以上混合して用いてもよい。
【0050】
増感色素としては、メチルバイオレット、ブリリアントグリーン、クリスタルバイオレット、アシッドバイオレットのようなトリアリールメタン染料、ローダミンB、エオシンS、ローズベンガルのようなキサンテン染料、メチレンブルーのようなチアジン染料、ベンゾピリリウム塩のようなピリリウム染料やチアピリリウム染料、またはシアニン染料等が使用できる。
【0051】
また、アミン化合物と電荷移動錯体を形成する電子吸引性化合物としては、クロラニル、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニトロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン類、4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド類、9−ベンゾイルアントラセン、インダンジオン、3,5−ジニトロベンゾフェノン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン等のケトン類、無水フタル酸、4−クロロナフタル酸無水物等の酸無水物、テトラシアノエチレン、テレフタラルマレノニトリル、9−アントリルメチリデンマレノニトリル等のシアノ化合物、3−ベンザルフタリド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等のフタリド類があげられる。
【0052】
また、本発明の感光層には成膜性、可とう性、機械的強度を向上させる目的で周知の可塑剤を含有させても良い。可塑剤としては、例えばフタル酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィン、メチルナフタリン、エポキシ化合物、塩素化脂肪酸エステル等を使用することができる。
【0053】
本発明の感光層が形成される導電性支持体として、周知の電子写真用感光体に使用されている材料が使用できる。アルミニウム、ステンレス、銅等の金属ドラム、シートあるいはこれらの金属のラミネート物、蒸着物、また金属粉末、カーボンブラック、よう化銅、高分子電解質の導電性物質を適当なバインダーとともに塗布して導電処理したプラスチックフィルム、プラスチックドラム、紙、紙管、あるいは導電性物質を含有させることにより導電性を付与したプラスチックフィルムやプラスチックドラム等を使用することができる。
【0054】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。実施例中の部は重量部を表わし、濃度は%を表す。
【0055】
[実施例1]
電荷発生剤としてX型メタルフリーフタロシアニン(電荷発生剤No.1)
【0056】
【化27】
【0057】
1.5部をポリビニルブチラール樹脂(エスレックBL−S、積水化学工業(株)製)の3%シクロヘキサノン溶液50部に加え、超音波分散機で1時間分散した。得られた分散液を導電性支持体であるアルミ蒸着PETフィルムのアルミ面上にワイヤーバーを用いて塗布し、常圧下110℃で1時間乾燥して膜厚0.4μmの電荷発生層を形成した。一方、添加剤として下記ベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物(添加剤No.1)16部
【0058】
【化28】
【0059】
および電荷輸送剤として下記ヒドラゾン化合物(電荷輸送剤No.1)
【0060】
【化29】
【0061】
144部をポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)の9.0%1,2−ジクロロエタン溶液2000部に加え超音波をかけてベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物およびヒドラゾン化合物を完全に溶解させた。この溶液を前記の電荷発生層上にワイヤーバーで塗布し、常圧下120℃で1時間乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成せしめて、感光体を作製した。
【0062】
[実施例2]
実施例1において電荷輸送剤No.1を用いる代わりに下記ヒドラゾン化合物(電荷輸送剤No.2)
【0063】
【化30】
【0064】
を用いる以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0065】
[実施例3]
実施例1において電荷輸送剤No.1を用いる代わりに下記ベンジジン化合物(電荷輸送剤No.3)
【0066】
【化31】
【0067】
を用いる以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0068】
[実施例4]
実施例1において電荷輸送剤No.1を用いる代わりに下記ベンジジン化合物(電荷輸送剤No.4)
【0069】
【化32】
【0070】
を用いる以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0071】
[比較例1]
実施例2において添加剤No.1を用いる代わりに下記ベンゾトリアゾール化合物(添加剤No.2)
【0072】
【化33】
【0073】
と下記フェノール化合物(添加剤No.3)
【0074】
【化34】
【0075】
の1:1重量比の混合物を用いる以外は実施例2と同様にして比較用感光体を作製した。
[実施例5]
実施例2において電荷発生剤No.1を用いる代わりにτ型メタルフリーフタロシアニン(電荷発生剤No.2)を用いる以外は実施例2と同様にして感光体を作製した。
【0076】
[実施例6]
実施例5において電荷輸送剤No.2を用いる代わりに下記スチリル化合物(電荷輸送剤No.5)
【0077】
【化35】
【0078】
と下記スチリル化合物(電荷輸送剤No.6)
【0079】
【化36】
【0080】
の1:1重量比の混合物を用いる以外は実施例5と同様にして感光体を作製した。
【0081】
[実施例7]
実施例5において電荷輸送剤No.2を用いる代わりにベンジジン化合物(電荷輸送剤No.4)を用いる以外は実施例5と同様にして感光体を作製した。
【0082】
[実施例8]
実施例5において電荷輸送剤No.2を用いる代わりに下記ベンジジン化合物(電荷輸送剤No.7)
【0083】
【化37】
【0084】
を用いる以外は実施例5と同様にして感光体を作製した。
【0085】
[比較例2]
実施例6において添加剤No.1を用いる代わりにベンゾトリアゾール化合物(添加剤No.2)とフェノール化合物(添加剤No.3)の1:1重量比の混合物を用いる以外は実施例6と同様にして比較用感光体を作製した。
【0086】
[実施例9]
実施例2において電荷発生剤No.1を用いる代わりに下記Y型オキソチタニルフタロシアニン(電荷発生剤No.3)
【0087】
【化38】
【0088】
を用いる以外は実施例2と同様にして感光体を作製した。
【0089】
[実施例10]
実施例6において電荷発生剤No.2を用いる代わりにα型オキソチタニルフタロシアニン(電荷発生剤No.4)を用いる以外は実施例6と同様にして感光体を作製した。
【0090】
[比較例3]
実施例10において添加剤No.1を用いる代わりにベンゾトリアゾール化合物(添加剤No.2)とフェノール化合物(添加剤No.3)の1:1重量比の混合物を用いる以外は実施例10と同様にして比較用感光体を作製した。
【0091】
[実施例1〜10、比較例1〜3]
実施例1〜10および比較例1〜3で作製した感光体を感光ドラム特性測定装置(商品名「ELYSIA−II」トレック・ジャパン(株)製)を用いて電子写真特性評価を行った。まず、感光体を暗所で−5.0kVのコロナ放電を行い、続いて50luxのイレースランプを点灯したときの帯電電位V0を測定した。次いで780nm−40μWの単色光で露光し、残留電位Vrを求めた。次に、この感光体を蛍光灯照明下の室内で20ppmのオゾンガス中に5日間暴露した後、暴露前と同様にして、帯電電位V0と残留電位Vrを測定した。結果を[表1]に示す。
【0092】
【表1】
【0093】
[実施例11]
電荷発生剤として下記ビスアゾ顔料(電荷発生剤No.5)
【0094】
【化39】
【0095】
1.0部およびポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡(株)製)の5%テトラヒドロフラン溶液8.6部をテトラヒドロフラン83部に加え、メノウ球入りのメノウポットに入れ、遊星型微粒粉砕機(フリッチュ社製)で1時間回転し、分散した。得られた分散液を導電性支持体であるアルミ蒸着PETフィルムのアルミ面上にワイヤーバーを用いて塗布し、常圧下60℃で2時間乾燥して膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。一方、添加剤としてベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物(添加剤No.1)16部と電荷輸送剤としてヒドラゾン化合物(電荷輸送剤No.1)144部をポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)の9.0%1,2−ジクロロエタン溶液2000部に加え超音波をかけてベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物およびヒドラゾン化合物を完全に溶解させた。この溶液を前記の電荷発生層上にワイヤーバーで塗布し、常圧下120℃で1時間乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成せしめて、感光体を作製した。
【0096】
[実施例12]
実施例11において電荷輸送剤No.1を用いる代わりにスチリル化合物(電荷輸送剤No.6)を用いる以外は実施例11と同様にして感光体を作製した。
【0097】
[実施例13]
実施例11において電荷輸送剤No.1を用いる代わりにスチリル化合物(電荷輸送剤No.5)とスチリル化合物(電荷輸送剤No.6)の1:1重量比の混合物を用いる以外は実施例11と同様にして感光体を作製した。
【0098】
[比較例4]
実施例12において添加剤No.1を用いる代わりにベンゾトリアゾール化合物(添加剤No.2)とフェノール化合物(添加剤No.3)の1:1重量比の混合物を用いる以外は実施例12と同様にして比較用感光体を作製した。
【0099】
[実施例14]
電荷発生剤として下記トリスアゾ顔料(電荷発生剤No.6)
【0100】
【化40】
【0101】
1.0部およびポリビニルブチラール樹脂(エスレックBL−S、積水化学工業(株)製)の5%テトラヒドロフラン溶液8.6部をテトラヒドロフラン83部に加え、メノウ球入りのメノウポットに入れ、遊星型微粒粉砕機(フリッチュ社製)で1時間回転し、分散した。得られた分散液を導電性支持体であるアルミ蒸着PETフィルムのアルミ面上にワイヤーバーを用いて塗布し、常圧下60℃で2時間乾燥して膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。一方、添加剤として下記ベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物(添加剤No.4)
【0102】
【化41】
【0103】
16部と電荷輸送剤として下記スチリル化合物(電荷輸送剤No.8)
【0104】
【化42】
【0105】
144部をポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)の9.0%1,2−ジクロロエタン溶液2000部に加え超音波をかけてベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物およびスチリル化合物を完全に溶解させた。この溶液を前記の電荷発生層上にワイヤーバーで塗布し、常圧下120℃で1時間乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成せしめて、感光体を作製した。
【0106】
[実施例15]
実施例14において電荷輸送剤No.8を用いる代わりに下記ベンジジン化合物(電荷輸送剤No.9)
【0107】
【化43】
【0108】
を用いる以外は実施例14と同様にして感光体を作製した。
【0109】
[比較例5]
実施例15において添加剤No.4を用いる代わりにベンゾトリアゾール化合物(添加剤No.2)とフェノール化合物(添加剤No.3)の1:1重量比の混合物を用いる以外は実施例15と同様にして比較用感光体を作製した。
【0110】
[実施例11〜15、比較例4、5]
実施例11〜15および比較例4、5で作製した感光体を感光ドラム特性測定装置(商品名「ELYSIA−II」トレック・ジャパン(株)製)を用いて電子写真特性評価を行った。まず、感光体を暗所で−5.0kVのコロナ放電を行い、続いて50luxのイレースランプを点灯したときの帯電電位V0を測定した。次いでイメージ露光70luxで露光し、残留電位Vrを求めた。次に、この感光体を蛍光灯照明下の室内で20ppmのオゾンガス中に5日間暴露した後、暴露前と同様にして、帯電電位V0と残留電位Vrを測定した。結果を[表2]に示す。
【0111】
【表2】
【0112】
[表1][表2]の結果から明白なように、添加剤に本発明のベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物を使用した実施例では、オゾンガス暴露後も感光体の帯電電位V0の低下が抑制されており、感光体の残留電位(Vr)の上昇も抑制されていることがわかる。一方、比較例ではオゾンガス暴露後に感光体の帯電電位V0が低下しており、感光体の残留電位(Vr)も上昇していることがわかる。
【0113】
【発明の効果】
本発明の分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤を使用し、ベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物を添加した電子写真用感光体は、オゾンガス暴露後も帯電電位の低下が防止され、残留電位の上昇が抑制される。さらに添加物の添加量が少なくて済むので、電子写真の基本性能をそこなうことなく、繰り返し安定性にも優れた性質を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真用単層感光体の断面図である。
【図2】電荷発生物質を分散させた電子写真用単層感光体の断面図である。
【図3】導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した電子写真用感光体の断面図である。
【図4】導電性支持体上に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した電子写真用感光体の断面図である。
【図5】保護層を設けた電子写真用感光体の断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体
2、21、22、23、24 感光層
3 電荷輸送媒体、電荷輸送層
4 電荷発生物質
5 電荷発生層
6 保護層
Claims (6)
- 導電性支持体上に下記一般式[1]
〔式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基またはアルキルアリール基を表し、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアラルキル基を表し、R2は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す、R3およびR4は同一でも異なってもよく、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基を表す〕で表されるベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物の1種または2種以上と、分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤の1種または2種以上を含有する感光層を有することを特徴とする電子写真用感光体。 - 分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤が下記一般式[2]、[3]または[4]
[2]
〔式[2]、式[3]、式[4]において、Zは2価基−O−、−S−または−N(R10)−を表す。R5およびR6は同一でも異なってもよく、それぞれ無置換もしくは置換基を有する炭素原子数1ないし12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、無置換もしくは置換基を有する炭素原子数7ないし20の直鎖状もしくは分岐状のアラルキル基、または無置換もしくは置換基を有する環数1ないし4のアリール基を表す。R7、R8、R9およびR11はそれぞれ水素原子、無置換もしくは置換基を有する炭素原子数1ないし12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、無置換もしくは置換基を有する炭素原子数7ないし20の直鎖状もしくは分岐状のアラルキル基、炭素原子数1ないし4の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、炭素原子数2ないし5のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたモノアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたジアルキルアミノ基、またはアミド基を表す。R10は無置換もしくは置換基を有する炭素原子数1ないし12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または無置換もしくは置換基を有する炭素原子数1ないし12の直鎖状もしくは分岐状のアラルキル基を表す。R5ないしR11が置換基を有する場合、置換基としてはハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ジアルキルアミノ基またはアルキルチオ基を表し、R5またはR6がアリール基の場合のみ、さらにアルキル基をも表す。〕で表されるヒドラゾン化合物である、該ヒドラゾン化合物の1種または2種以上を含有する感光層を有することを特徴とする請求項1記載の電子写真用感光体。 - 分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤が下記一般式[5]
〔式[5]においてR12は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表す。mは1または2の整数であり、m=2の場合、双方の基は同一でも異なってもよく、また双方の基は互いに結合してテトラメチレン環またはトリメチレン環を形成してもよい。R13は無置換または置換基を有するフェニル基を表し、この場合の置換基としてアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、フェニル基が挙げられる。R14は水素、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルアミノ基を表す。R15およびR16は同一でも異なってもよく、それぞれ無置換もしくは置換基を有するフェニル基、無置換もしくは置換基を有するナフチル基、無置換もしくは置換基を有するアントリル基、無置換もしくは置換基を有するフルオレニル基または無置換もしくは置換基を有する複素環基を表し、この場合の置換基としてアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、フェニル基が挙げられる。〕で表されるスチリル化合物である、該スチリル化合物の1種または2種以上を含有する感光層を有することを特徴とする請求項1記載の電子写真用感光体。 - 分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤が下記一般式[6]
[6]
〔式[6]においてR17は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、R18、R'18、R19およびR'19は同一でも異なってもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表す。nは1または2の整数であり、n=2の場合、同一のフェニル基に置換される二つの基は同一でも異なってもよい。pは1または2の整数であり、p=2の場合、同一のフェニル基に置換される二つの基は同一でも異なってもよい。〕で表されるベンジジン化合物である、該ベンジジン化合物の1種または2種以上を含有する感光層を有することを特徴とする請求項1記載の電子写真用感光体。 - 分子中にアリールアミノ基を有する電荷輸送剤に対して、一般式[1]で表されるベンゾトリアゾール−アルキレンビスフェノール化合物の1種または2種以上を、1〜40重量%添加することを特徴とする請求項1ないし請求項5記載の電子写真用感光体。
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