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JP4483391B2 - スミ肉溶接部超音波検査方法及び装置 - Google Patents
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スミ肉溶接部超音波検査方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、一方の母材に対して斜め方向に他方の母材がスミ肉溶接されたスミ肉溶接部の非破壊検査を行うスミ肉溶接部超音波検査方法及び装置に関する。
例えば、発電プラント等のプラントで使用される大型ファンの翼車は、主板と側板との間に翼板をスミ肉溶接して構成される。図4は大型ファンの翼車の構成図であり、図4(a)は側面図、図4(b)は正面図である。翼車11は円形に形成された主板12と内面が特殊な曲面で形成された側板13a、13bとの間に翼板14をスミ肉溶接し、中央部に軸15を設けて構成される。
図5は、主板12と側板13aとの間の翼板14のスミ肉溶接部の説明図であり、図5(a)は翼車1の一部切欠部分斜視図、図5(b)は翼板14の断面図である。翼板14は側板13aにスミ肉溶接されるとともに平板の主板12とスミ肉溶接され、それぞれスミ肉溶接部16a、16bが形成されている。また、図5(b)に示すように、翼板14は内部が空洞に形成され翼頭14aから翼尾14bにかけて流線形状に形成されている。
このような翼車11において、翼板14は内部が空洞であることから、翼板14の外部から主板12及び側板13a、13bと片側スミ肉溶接で接合されることになる。従って、施工上溶け込み不足が起きやすく、その先端が応力集中部となりき裂が進展するケースが多数発生している。そこで、溶け込み不足先端部のき裂を非破壊検査により検出することが要請されている。
一般に、スミ肉溶接部の内部欠陥検出のための非破壊検査には超音波検査が適用され、垂直探触子による垂直探傷法、斜角探触子による斜角探傷法、または斜角探触子と垂直探触子とを併用した探傷法で欠陥部位の検出が行われている。
垂直探傷法は、垂直探触子から超音波を探傷面に対して垂直に送受して探傷するものであり、被検査体の底面エコーの手前に現れる反射エコーを探して欠陥部位の有無を調べる。斜角探傷法は、斜角探触子を用いて超音波を探傷面に対して斜め方向に送受して探傷するものであり、欠陥部位などの反射源に当たると反射エコーが戻ってくるので、その反射エコーを探して欠陥部位の有無を調べる(例えば、非特許文献1参照)。
新非破壊検査便覧、編者:社団法人日本非破壊検査協会、発行者:藤吉敏生、発行所:日刊工業新聞社、1992年10月15日、P297〜P299
しかし、垂直探傷法や斜角探傷法は被検査体の欠陥の有無を検出するものであるので、スミ肉溶接部の溶け込み不足の大きさを検出することは難しい。図6は垂直探触子17による垂直探傷法で側板13aと翼板14とのスミ肉溶接部16aの溶け込み不足の大きさを検出する場合の説明図である。翼板14は内部が空洞となっていることから外部からの片側スミ肉溶接となり、スミ肉溶接部16a、16a’が形成されるとともに、溶け込み不足部18a、18a’が形成される。いま、溶け込み不足部18aの大きさを検出する場合について説明すると、垂直探触子17は被検査体である側板13aの底面エコーの手前に現れる反射エコーを探して欠陥部位の有無を調べるものであることから、底面エコーより先にある溶け込み不足起点部19を検出することができない。なお、溶け込み不足先端部20より左側では底面エコーが変化するので溶け込み不足先端部20の位置は検出できる。
図7は、斜角探触子21による斜角探傷法で側板13aと翼板14とのスミ肉溶接部16aの溶け込み不足の大きさを検出する場合の説明図である。いま、溶け込み不足部18aの大きさを検出する場合について説明すると、斜角探触子21は欠陥部位からの反射エコーを探して欠陥部位の有無を調べるものであるので、溶け込み不足先端部20からの反射エコーがある場合には、溶け込み不足先端部20を検出することができる。しかし、溶け込み不足先端部20の右側では反射エコーが戻ってこないので、溶け込み不足起点部19を検出することができない。
このように、垂直探触子17による垂直探傷法では、溶け込み不足の有無で反射エコーの波形は変化しないので、溶け込み不足の大きさを検出することができない。また、斜角探触子21による斜角探傷法では、溶け込み不足部18aがあっても、溶け込み不足先端部20からの反射エコーは反射源が小さく検出が難しく、溶け込み不足面や溶け込み不足起点部19は反射源がなく反射エコーが戻らないので、溶け込み不足の大きさを検出することができない。
また、翼車11のスミ肉溶接部16aの形状は、側板13aは翼板14が特殊な曲面で形成されているので、側板13aと翼板14とのなす角度はその曲面に沿って変化する。すなわち、スミ肉溶接部16aの溶接線は直線でなく、溶接ビード形状も均一ではない。このことから探傷できる面が限定される。
本発明の目的は、スミ肉溶接部の溶け込み不足の大きさを検出することができるスミ肉溶接部超音波検査方法及び装置を提供することである。
請求項1の発明に係わるスミ肉溶接部超音波検査方法は、一方の母材に対して斜め方向に他方の母材がスミ肉溶接されたスミ肉溶接部の溶接線と直交方向に点集束斜角探触子及び距離センサを前後操作し、前記スミ肉溶接部の溶け込み不足先端部の反射エコーを検出するとともに他方の母材の異なる2箇所から前記点集束斜角探触子までの距離を測定し、検出した反射エコーの超音波ビーム路程から前記点集束斜角探触子の位置に対する溶け込み不足先端部の位置を求め、他方の母材の異なる2箇所から前記点集束斜角探触子までの距離に基づいて前記一方の母材と他方の母材とがなす角を求め、求めた前記一方の母材と他方の母材とがなす角に基づいて点集束斜角探触子の位置に対する一方の母材と他方の母材との交点の位置を溶け込み不足起点部の位置として求め、溶け込み不足先端部の位置と溶け込み不足起点部の位置とから溶け込み不足の大きさを求めることを特徴とする。
請求項2の発明に係わるスミ肉溶接部超音波検査装置は、一方の母材に対して斜め方向に他方の母材がスミ肉溶接されたスミ肉溶接部の溶接線と直交方向に前後走査され前記スミ肉溶接部の溶け込み不足先端部の反射エコーを検出する点集束斜角探触子と、前記点集束斜角探触子と連動し一方の母材に対して斜め方向にスミ肉溶接された他方の母材の異なる2箇所から前記点集束斜角探触子までの距離を測定する距離センサと、前記点集束斜角探触子で検出した反射エコーの超音波ビーム路程から前記点集束斜角探触子の位置に対する溶け込み不足先端部の位置を求め、前記距離センサで測定した他方の母材の異なる2箇所から前記点集束斜角探触子までの距離に基づいて前記点集束斜角探触子の位置に対する一方の母材と他方の母材との交点の位置を溶け込み不足起点部の位置として求め、溶け込み不足先端部の位置と溶け込み不足起点部の位置とから溶け込み不足の大きさを求める演算装置とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、一方の母材に対して斜め方向に他方の母材がスミ肉溶接されたスミ肉溶接部の溶接線と直交方向に点集束斜角探触子を位置させ、一方の母材と他方の母材とがなす角から点集束斜角探触子の位置に対する溶け込み不足起点部の位置を求めるので、スミ肉溶接部の溶接線が曲線状に変化している場合であっても、点集束斜角探触子の位置に対する溶け込み不足起点部の位置を求めることができる。一方、溶け込み不足先端部の位置を点集束斜角探触子で検出して、溶け込み不足起点部の位置及び溶け込み不足先端部の位置から溶け込み不足の大きさを求めるので、スミ肉溶接部の溶接線が曲線状に変化している場合であっても、スミ肉溶接部の溶け込み不足の大きさを精度よく検出することができる
図1は本発明の実施の形態に係わるスミ肉溶接部超音波検査装置の構成図である。図1では、大型ファンの翼車11の側板13aと翼板14とのスミ肉溶接部16aの溶け込み不足の大きさを検出する場合を示している。翼板14は内部が空洞となっており、側板13aには外部からの片側スミ肉溶接により、スミ肉溶接部16a、16a’が形成されるとともに、溶け込み不足部18a、18a’が形成される。以下、溶け込み不足部18aの大きさを検出する場合について説明する。
点集束斜角探触子22は超音波ビームを絞り込んだ超音波を所定の屈折角θ2で発信し反射エコーを受信するものであり、検査対象部材である側板13a上でスミ肉溶接部16aの溶接線と直交方向に前後走査され、スミ肉溶接部16の溶け込み不足先端部20の反射エコーを検出する。点集束斜角探触子22には距離センサ23が取り付けられており、この距離センサ23は2個の測定子24a、24bを有するシリンダリニアゲージで形成され、検査対象部材である側板13aに対して斜め方向にスミ肉溶接された翼板14の異なる2箇所に接触し、その2箇所から点集束斜角探触子22までの距離を測定する。
点集束斜角探触子22で検出された反射エコー及び距離センサ23で検出された翼板14の異なる2箇所から点集束斜角探触子22までの距離は、演算装置24に入力される。演算装置24は、点集束斜角探触子22で検出された反射エコー及び距離センサ23で検出された距離に基づいて溶け込み不足の大きさFを求め、その求めた溶け込み不足Fやその他必要な情報を表示装置25に表示する。
図2は、演算装置24で溶け込み不足の大きさFを求める際に必要とする各種物理量及び計算値の説明図である。演算装置24は、点集束斜角探触子22で検出した反射エコーの超音波ビーム路程Wから点集束斜角探触子22の位置に対する溶け込み不足先端部20の位置、すなわち、点集束斜角探触子22から溶け込み不足先端部20までの距離Yを下記の(1)式で求める。なお、t2は検査対象部材である側板13aの厚さ、θ2は点集束斜角探触子22の屈折角である。
Y=2・t2・tanθ2 …(1)
次に、距離センサ23で測定した翼板14の異なる2箇所から点集束斜角探触子22までの距離a、bに基づいて、検査対象部材である側板13aと翼板14とがなす角θ1を求める。なお、hbは距離センサ23の2個の測定子24a、24b間の距離である。
θ1=tan−1(b−a)/hb …(2)
そして、検査対象部材である側板13aと翼板14とがなす角θ1を用いて下記(3)式により、点集束斜角探触子22の位置に対する溶け込み不足起点部19の位置、すなわち、点集束斜角探触子22から溶け込み不足起点部19までの距離Xを求める。なお、haは検査対象部材である側板13aと点集束斜角探触子22の距離センサ23の測定子24aとの距離、t1は翼板14の厚さである。
X=a−ha・tanθ1+t1/cosθ1 …(3)
ここで、(3)式において、第2項のha・tanθ1は、図2の距離cに相当し、第3項のt1/cosθ1は図2の距離dに相当することから、正確には検査対象部材である側板13aと翼板14とがなす角はθ1’である。検査対象部材である側板13aと点集束斜角探触子22の距離センサ23の測定子24aとの距離haは、翼板14の大きさに比べて小さいので、θ1’はθ1に近似できる。なお、検査対象部材である側板13aや翼板14の曲率が分かっているときは、予め曲率によってθ1を補正しθ1’の真値に近い値を用いる。
そして、(1)式で求めた点集束斜角探触子22から溶け込み不足先端部20までの距離Yと、(3)式で求めた点集束斜角探触子22から溶け込み不足起点部19までの距離Xとから、下記(4)式により溶け込み不足の大きさFを求める。
F=X−Y …(4)
次に、本発明の実施の形態に係わるスミ肉溶接部超音波検査方法について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係わるスミ肉溶接部超音波検査方法の工程図である。検査対象である側板13aと翼板14とがスミ肉溶接されたスミ肉溶接部16aの溶接線と直交方向に、検査対象である側板13aの表面上で点集束斜角探触子22及び距離センサ23を前後操作する(S1)。
そして、点集束斜角探触子22からの反射エコーを検出するとともに距離センサ23により翼板14の異なる2箇所から点集束斜角探触子22までの距離を測定する(S2)。この場合、点集束斜角探触子22はスミ肉溶接部16の溶け込み不足先端部20の反射エコーを検出することになる。
次に、点集束斜角探触子22からの反射エコーに基づいて溶け込み不足先端部20の位置を求める(S3)。溶け込み不足先端部20の位置は前述の(1)式を用いて求める。
一方、距離センサ23により検出された翼板14の異なる2箇所から点集束斜角探触子22までの距離に基づいて、側板13aと翼板14とがなす角を求め(S4)、側板13aと翼板14とがなす角に基づいて溶け込み不足起点部19の位置を求める(S5)。側板13aと翼板14とがなす角は、前述の(2)式を用いて求め、溶け込み不足起点部19の位置は前述の(3)式を用いて求める。
そして、溶け込み不足先端部20の位置と溶け込み不足起点部19の位置とから溶け込み不足の大きさFを求める(S6)。
このように、側板13aに対して斜め方向に翼板14がスミ肉溶接されたスミ肉溶接部16aの溶接線と直交方向に点集束斜角探触子22を位置させ、側板13aと翼板14とがなす角θ1から点集束斜角探触子22の位置に対する溶け込み不足起点部19の位置を求めるので、スミ肉溶接部16の溶接線が曲線状に変化している場合であっても、点集束斜角探触子22の位置に対する溶け込み不足起点部19の位置を求めることができる。
そして、溶け込み不足先端部20の位置を点集束斜角探触子22で検出して、溶け込み不足起点部19の位置及び溶け込み不足先端部20の位置から溶け込み不足の大きさFを求めるので、スミ肉溶接部16aの溶接線が曲線状に変化している場合であっても、スミ肉溶接部16aの溶け込み不足の大きさを精度よく検出することができる
本発明の実施の形態に係わるスミ肉溶接部超音波検査装置の構成図。 本発明の実施の形態における演算装置で溶け込み不足の大きさを求める際に必要とする各種物理量及び計算値の説明図。 本発明の実施の形態に係わるスミ肉溶接部超音波検査方法の工程図。 大型ファンの翼車の構成図。 大型ファンの翼車の主板と側板との間の翼板のスミ肉溶接部の説明図。 垂直探触子による垂直探傷法で大型ファンの翼車の側板と翼板とのスミ肉溶接部の溶け込み不足の大きさを検出する場合の説明図。 斜角探触子による斜角探傷法で大型ファンの翼車の側板と翼板とのスミ肉溶接部の溶け込み不足の大きさを検出する場合の説明図。
符号の説明
11…翼車、12…主板、13…側板、14…翼板、15…軸、16…スミ肉溶接部、17…垂直探触子、18…溶け込み不足部、19…溶け込み不足起点部、20…溶け込み不足先端部、21…斜角探触子、22…点集束斜角探触子、23…距離センサ、24…測定子、25…表示装置

Claims (2)

  1. 一方の母材に対して斜め方向に他方の母材がスミ肉溶接されたスミ肉溶接部の溶接線と直交方向に点集束斜角探触子及び距離センサを前後操作し、前記スミ肉溶接部の溶け込み不足先端部の反射エコーを検出するとともに他方の母材の異なる2箇所から前記点集束斜角探触子までの距離を測定し、検出した反射エコーの超音波ビーム路程から前記点集束斜角探触子の位置に対する溶け込み不足先端部の位置を求め、他方の母材の異なる2箇所から前記点集束斜角探触子までの距離に基づいて前記一方の母材と他方の母材とがなす角を求め、求めた前記一方の母材と他方の母材とがなす角に基づいて点集束斜角探触子の位置に対する一方の母材と他方の母材との交点の位置を溶け込み不足起点部の位置として求め、溶け込み不足先端部の位置と溶け込み不足起点部の位置とから溶け込み不足の大きさを求めることを特徴とするスミ肉溶接部超音波検査方法。
  2. 一方の母材に対して斜め方向に他方の母材がスミ肉溶接されたスミ肉溶接部の溶接線と直交方向に前後走査され前記スミ肉溶接部の溶け込み不足先端部の反射エコーを検出する点集束斜角探触子と、前記点集束斜角探触子と連動し一方の母材に対して斜め方向にスミ肉溶接された他方の母材の異なる2箇所から前記点集束斜角探触子までの距離を測定する距離センサと、前記点集束斜角探触子で検出した反射エコーの超音波ビーム路程から前記点集束斜角探触子の位置に対する溶け込み不足先端部の位置を求め、前記距離センサで測定した他方の母材の異なる2箇所から前記点集束斜角探触子までの距離に基づいて前記点集束斜角探触子の位置に対する一方の母材と他方の母材との交点の位置を溶け込み不足起点部の位置として求め、溶け込み不足先端部の位置と溶け込み不足起点部の位置とから溶け込み不足の大きさを求める演算装置とを備えたことを特徴とするスミ肉溶接部超音波検査装置。
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