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JP4489323B2 - 数値制御装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、数値制御装置に係り、特に、指定領域を設定して加工する機能を備えたNC工作機械(数値制御工作機械)に関する。
【0002】
【従来の技術】
数値制御装置を使用した加工においては、領域により加工内容を変えることがある。例えば、金型加工においては、上下の金型が互いに接する部分と接しない部分が存在するが、これらの金型が互いに接する部分は必ずしも全面とはならず、部分的にのみ接する場合がある。これらの互いに接する部分と接しない部分のそれぞれの領域に対して最適な加工を行う技術として、特開平9−230920号に開示されたような数値制御装置が提案されている。
【0003】
この数値制御装置では、指定領域データを設定する領域指定部と、前記領域指定部により指定された前記指定領域データ及び加工プログラムを記憶する加工プログラム記憶部と、予め設定された切り込み変化量を記憶する切り込みパラメータ記憶部と、前記加工プログラム記憶部に記憶された前記加工プログラムの各命令が、前記指定領域の領域内か領域外かを判別し、その判別結果に応じて、前記各命令を前記切り込みパラメータ記憶部の前記切り込み変化量により補正する補正制御部と、前記補正制御部により補正された前記加工プログラムに従って加工を行なう駆動部とを備える。
【0004】
このような数値制御装置においては、NC工作機械に予め設定した領域に対して、工具の切り込み量を変化させることにより、特定の領域だけの加工を行う。ここで、例えば、加工領域の指定は、工具に垂直な平面(例えば、XY平面)で指定し、工具の切り込み量は、工具の方向の軸(例えば、Z軸)に対して変化させる。Z軸の切り込み変化量は、例えば、最大0.5mm程度であり、パラメータとして設定する。そして、加工時にはこの設定値を加算又は減算して、領域内外の切り込み量を変える。
【0005】
典型的な例として、図5に、荒引き工程及び仕上げ工程において、Z軸切り込み量を変化させるようにした加工の一例を示す。すなわち、(1)荒引き工程においては、図5(a)に示すように、工具3のZ軸切り込み変化量を制御することにより、下型2の指定領域外では深く切り込み、領域内では浅く切り込むように変化させることができる。具体的には、領域外では実際の加工プログラムより深く(−ΔZ)切り込み、領域内では実際の加工プログラムにより切り込むようにする。このようにすると、(2)仕上げ工程においては、図5(b)に示すように、実際の加工プログラムを実行すると、指定領域外は工具3が下型2に接しなくなり、領域内では工具3が下型2に接して加工できるように設定することができる。
【0006】
このように、領域加工の場合、領域外から領域内へ移行する際にZ切り込み量を変化させるようにする。
【0007】
したがって、この数値制御装置では、領域指定機能を利用して、指定領域内の移動に対して予め設定された切り込み変化量で補正し、指定した領域内だけを切削することができる。たとえば、磨き工程では、領域外の部分は上型と下型が接しないので本来磨きを必要としないが、領域指定機能を有する数値制御装置では、領域内の接する部分を磨くだけで良くなり、磨き時間を短縮し、工具寿命を延ばすことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ある領域の内部のみを切削しようとする場合、従来の領域加工機能では加減速処理を行った機械座標に対して領域の内外の判定およびZ切り込み量の補正を行っているため、領域外から領域内に移動するときには図7の実線のように領域内でZ切り込み量の高さ移動が行われ、一方、領域内から領域外に移動するときには図7の破線のように領域外でZ切り込み量のない状態になるように高さ移動が行われる。この結果、図7に記載のZ切り込み量が多い場合には領域内から領域外への移動の場合と領域外から領域内への移動の場合とでずれが生じてしまうという問題がある。
【0009】
また、金型加工に特有な機能として、NCプログラムを先読みして加工中の経路の全体を認識し、その経路の各部分に最適な加減速を行う機能がある。しかしながら、前述したように領域加工については、図8に示すように加減速処理後の機械座標に対して分配ごとにその領域に対するZ切り込み変化量で補正するようにしているので、境界経路に対する速度調整はできず、前述したずれを解決することはできなかった。
【0010】
本発明は、最適な領域補正処理を行うことのできる領域加工可能な制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
本発明によれば、指定領域データを設定する領域指定部と、前記領域指定部により指定された前記指定領域データ及び加工プログラムを記憶する加工プログラム記憶部と、前記領域の内外に対して予め設定された切り込み変化量を記憶する切り込みパラメータ記憶部と、前記加工プログラム記憶部に記憶された前記加工プログラムの各命令を解析する加工プログラム解析部と、この加工プログラム解析部の解析結果に基づいて、加工が前記領域指定部により指定された領域の内または外で行われかを決定する領域判別部と、この領域判別部での判別結果に基づいて領域の内外で切り込み変化量を補正する切り込み補正処理部と、前記領域判別部での判別結果および前記切り込み補正処理部での補正結果に基づいて加工領域と非加工領域の境界を表す境界点を結んだ境界経路を生成する境界経路生成部と、前記境界経路の形状を認識する形状認識部と、前記境界経路生成部で生成された境界経路に対して前記形状認識部により認識された形状により各経路に対する最適な加減速処理を行う加減速処理部と、加減速処理を行った前記境界経路について機械座標上の補正を行う補正処理部と、前記補正処理部により補正された前記加工プログラムに従って駆動部の制御を行う出力制御部とを備えた数値制御装置が提供される。
【0012】
前記加工プログラム解析部と前記領域判別部との間に、加工プログラムから領域の内外の概略を暫定的に決定する仮分配部を設けたことを特徴とする
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
本発明の数値制御装置においては、前述したように、NC工作機械に予め設定した領域に対して、工具の切り込み量を変化させることにより、特定の領域だけの加工を行うことが前提である。
【0015】
図1に本発明による実施の一形態にかかる数値制御装置の構成図を、図2に本発明の数値制御装置による経路生成の様子をそれぞれ示す。
【0016】
入力装置11は、キーボード、マウス等周知の入力装置であり、領域指定部101及びNC加工プログラム指定部102を含む。領域指定部101は、加工領域の指定を行う。指定領域としては、任意の多角形、円(一周)、円弧等を含む任意の形状を指定することができる。例えば、直線の両端の端点として、複数の直線及び端点による多角形を指定することができる。この際、直線の数又は端点の数について、最大値(例えば30点等)を設定し、その範囲で定めることもできる。上述のような図形の他、文字パターン(例、A,B,C等)、特定パターン(例、#、☆、◎、▽等)も指定することができる。
【0017】
NC加工プログラム指定部102は、実際の加工プログラムを指定する。また、入力装置11は、各種設定値、メインテナンス、障害対策等のための入力も行うことができる。
【0018】
数値制御装置12は、NC加工プログラム記憶部103、NC加工プログラム解析部104、表示処理部105、表示部106、仮分配部107、領域テーブル記憶部108、領域判別部109、記憶バッファ110、切り込み補正処理部111、切り込みパラメータ記憶部112、境界経路生成部113、形状認識部114、加減速処理部115、分配部116、補正処理部117、出力制御部118を備えている。
【0019】
NC加工プログラム記憶部103は、入力装置11の領域指定部101及びNC加工プログラム指定部102によりそれぞれ設定された、加工領域データ及び加工プログラムを記憶する。加工プログラムとしては、例えば、1ブロック毎に機械の動作を命令する情報である加工プログラムデータがある。これらの加工プログラムデータは、通常は、JIS B 6311で規定されたISOコードとEIAコードのいずれかが用いられる。例えば、NC工作装置の加工プログラムデータとしては、G機能(制御機能、準備機能)、M機能(補助機能)、F機能(送り機能)、寸法語X、Y、Z(X軸、Y軸、Z軸の運動ディメンジョン)等がある。
【0020】
NC加工プログラム解析部104は、マイクロコンピュータ等で構成され、NC加工プログラム記憶部103に記憶された加工プログラムの指令データを1ブロックずつ順次読み出し解析するが、先読み機能も有しており、加工プログラムのうちの加工領域に関する情報を解析して仮分配部107に送る。図2の段階1はこの先読み機能を表しており、加工を行おうとする経路全体について経路の始点A、終点F、変曲点B、C、D、Eが認識されている。また、加工領域データにより、表示処理部105に対して表示命令を出力し、これを制御する。
【0021】
表示処理部105は、この表示命令により、表示部106に出力表示するとともに、指定領域をビットパターンに変換して、領域テーブル記憶部108にビットパターンを出力する。また、入力装置11又は他に設けられている入力手段により、適宜、指定領域の修正・指定・選択等を行うことができる。例えば、描画確認及び修正時に、切り込み変化量を与える部分が領域の内側又は外側かを指定・選択することができる。
【0022】
表示部106は、CRT、液晶ディスプレー等の表示装置により構成され、各種のデータ、プログラム等を表示できる。登録された指定領域は、画面上で描画確認及び修正が可能である。また、2次元又は3次元のグラフィック機能を備えることにより、全体加工図又は部分加工図等により、必要に応じて加工範囲、加工状況等を表示することができる。
【0023】
領域テーブル記憶部108には、表示処理部105で設定・変換されたビットパターンが記憶される。
【0024】
仮分配部107はNC加工プログラム解析部104で解釈された加工プログラムに含まれる領域情報から前述した始点、終点、変曲点間の点を仮に分配する。例えば、図2の段階2に示されるように始点Aと変曲点B間にはa1、a2、a3の3点が分配されており、以下同様に仮分配点について図示のような符号付けが行われている。
【0025】
この仮に分配された各点について領域判別部109で加工領域の内外を厳密に判定される。この判定は領域外、境界、領域内について行われ、図2の段階3に示された例では、点b1およびd2が領域を出た直後の境界点となり、境界点よりも外側の点は領域外、境界点よりも内側の点は領域内と判定される。領域内の点は加工が行われる点であって黒丸で表現され、それ以外の点は白丸で表現されている。
【0026】
そして、領域判別部109は、領域情報を領域外移動、境界移動、領域内移動の3つの態様に分けて記憶バッファ110に対して出力する。境界移動は後述するように境界点について行われる垂直に下降する移動である。
【0027】
次に、切り込みパラメータ記憶部112には、切り込み変化量(ΔZ)が記憶されている。荒引き、中引き、仕上げ等の各工程において、それぞれ異なる切り込み変化量を複数設定することも可能である。また、領域外と領域内とで異なる変化量をそれぞれ設定することもできる。ここで、この値を「0」に設定すると通常の加工プログラムの実行と同等となる。これらの設定値は、入力装置11又は他に設けられている入力手段により、適宜入力することができる。
【0028】
切り込み補正処理部111では、NC加工プログラム解析部104から出力された加工プログラムを、切り込みパラメータ記憶部112から出力された切り込み変化量で補正し、出力する。領域外に対する経路設定は不要であるので、切り込み補正処理部111では前述した領域判別部109による領域内外判定にしたがってそのままとするが、境界点b1およびd2、並びに領域外の各点については切り込み量Zだけ下降させる補正を行う。この降下した点については切り込み量Zだけ下降させる補正を行う。この降下した点については、図2の段階4ではいずれも符号’を付けてる。そして境界経路生成部113で点b1−b1’間およびd2−d2’間を結ぶ境界経路を生成する。
【0029】
続いて、加工形状、特に境界経路を形状認識部114で認識し、この認識結果を用いて加減速処理部115で各経路に対して最適な加減速を付加する。
【0030】
この加減速処理の様子を図3および図4を参照して説明する。
図3のように、領域外移動▲1▼ から境界経路▲2▼でZ切り込み量だけ下降した上で領域内移動▲3▼を行う単純な下降考える。この場合、境界経路▲2▼については図4に示すように、速度を低下させるようにする。すなわち、境界経路▲2▼に移行する直前の領域外移動▲1▼ において減速を行い、境界経路▲2▼では中央部で最大速になるように加速および減速を行い、領域内経路▲3▼に移行してから加速を行うようにしている。なお、境界経路▲2▼における最大速度は領域外移動速度および領域内移動速度よりも小さい速度となっている。
【0031】
このように、境界領域で速度を低下させることにより、境界領域内でオーバシュート等を生じることなくZ軸方向の移動が可能となるので、経路のずれは著しく減少する。
【0032】
なお、この例では境界経路は単純な垂直線であったが、曲率半径の小さい曲面の加工等では境界経路が曲線になったり、階段状になることもある。このような場合、形状認識部114の認識結果を用いて加減速処理部115が最適な加減速パターンを選択することになる。
【0033】
続いて、各経路に対する分配が分配部116で行われる。前述した境界経路の移動については前述した加減速処理部115における処理結果が補正処理部117に与えられ、補正処理が行われた後、出力制御部118に与えられる。この補正処理は、図2の段階5に示されるように、境界経路の分配はプログラム座標ではなく、機械座標に対して行われる。
【0034】
一方、境界経路以外の領域内経路、領域外経路については切り込み補正処理部で補正された値が分配され、出力制御部118に与えられる。
【0035】
出力制御部118は切り込み補正処理部111および補正処理部117からの指令により、送りモータ等によるNC工作機の回転部又は移動部等から構成される駆動装置(図示せず)に回転数、回転角度、回転速度、移動幅、移動速度等を指示する。この駆動装置は、通常、サーボ機構を有し、複数の駆動装置により構成されており、出力制御部118を介して送られてきた指令信号により駆動され、NC工作機の位置決め、移動幅、移動速度又は回転速度等が制御される。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる数値制御装置によれば、先読み機能を用いて境界領域の経路に対しては最適な加減速を行うようにしているので、境界領域における領域内から領域外への移動と領域外から領域内への移動の間でずれを生ずることなく、高精度の加工を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる数値制御装置の構成図である。
【図2】本発明の数値制御装置による境界領域の経路生成の様子を段階を追って示す説明図である。
【図3】領域外経路、Z切り込み量の移動を行う境界領域経路、領域内経路をそれぞれ示す説明図である。
【図4】境界領域に対して速度補正を行う様子を示すグラフである。
【図5】従来提案されている領域加工を荒引き工程及び仕上げ工程においてZ軸切り込み量を変化させるように適用した様子を示す説明図である。
【図6】領域の内外を説明する説明図である。
【図7】従来の領域加工における補正の様子を示す説明図である。
【図8】従来の機械座標に対する分配毎の切り込み量補正を示す説明図である。
【符号の説明】
11 入力装置
12 数値制御装置
101 領域指定部
102 NC加工プログラム指定部
103 NC加工プログラム記憶部
104 NC加工プログラム解析部
105 表示処理部
106 表示部
107 仮分配部
108 領域テーブル記憶部
109 領域判定部
110 記憶バッファ
111 切り込み補正処理部
112 切り込みパラメータ記憶部
113 境界経路生成部
114 形状認識部
115 加減速処理部
116 分配部
117 補正処理部
118 出力制御部

Claims (2)

  1. 指定領域データを設定する領域指定部と、
    前記領域指定部により指定された前記指定領域データ及び加工プログラムを記憶する加工プログラム記憶部と、
    前記領域の内外に対して予め設定された切り込み変化量を記憶する切り込みパラメータ記憶部と、
    前記加工プログラム記憶部に記憶された前記加工プログラムの各命令を解析する加工プログラム解析部と、
    この加工プログラム解析部の解析結果に基づいて、加工が前記領域指定部により指定された領域の内または外で行われかを決定する領域判別部と、
    この領域判別部での判別結果に基づいて領域の内外で切り込み変化量を補正する切り込み補正処理部と、
    前記領域判別部での判別結果および前記切り込み補正処理部での補正結果に基づいて加工領域と非加工領域の境界を表す境界点を結んだ境界経路を生成する境界経路生成部と、
    前記境界経路の形状を認識する形状認識部と、
    前記境界経路生成部で生成された境界経路に対して前記形状認識部により認識された形状により各経路に対する最適な加減速処理を行う加減速処理部と、
    加減速処理を行った前記境界経路について機械座標上の補正を行う補正処理部と、
    前記補正処理部により補正された前記加工プログラムに従って駆動部の制御を行う出力制御部とを備えた数値制御装置。
  2. 前記加工プログラム解析部と前記領域判別部の間に、前記加工プログラムから領域の内外の概略を暫定的に決定する仮分配部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
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