上記の本発明について以下に図面等を用いてさらに詳しく説明する。まず、本発明にかかる紙カップを構成する積層体等の構成について例を示して図面を用いて説明すると、図1は、本発明にかかる紙カップの一部切り欠け正面図であり、図2、図3、および図4は、本発明にかかる紙カップを構成する積層体についてその一に例の層構成を示す概略的断面図である。つぎに、本発明にかかる紙カップの構成についてその一例を示して図面を用いて説明すると、図5、図6、図7、図8、および図9は、上記に示す積層体を使用し、本発明にかかる紙カップについてその紙カップ成形工程における紙カップの構成を示す概略的構成図である。
本発明の紙カップAは、図1に示すように、筒状の胴部材1となる略扇状の胴部材ブランク10と底部材2となる円形状の底部材ブランク20から形成され、胴貼りで胴部材ブランク10の両縁を貼り合わせて筒状とし、その胴部材1の下部を内側に折り込み、底部材ブランク20の周縁を円周に沿って下方に折り曲げた屈曲部21を挟み込んで、胴部材1と底部材2を接合している。そして、上方開口縁を外向きにカールしてトップカール部11を形成している。
本発明にかかる紙カップAを構成する胴部材1に使用する胴部材用積層体100としては、図2―aに示すように、少なくとも、主材料である紙基材層101とポリエチレン樹脂の最内層102からなる構成を基本構造とし、底部材2に使用する底部材用積層体200としては、図2−bに示すように、主材料である紙基材層201とシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の最内層202からなる構成を基本構造とするものである。
つぎに、本発明にかかる紙カップAの胴部材1に使用する胴部材用積層体100と底部材2に使用する底部材用積層体200について、具体例を例示すると、胴部材1に使用する胴部材用積層体100Aが、図3−aに示すように、主材料である紙基材層101、ポリエチレン樹脂の最内層102、そして、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂の最外層103からなる構成であり、底部材2に使用する底部材用積層体200Aが、図3−bに示すように、主材料である紙基材層201、シングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の最内層202、そして、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂の最外層203からなる構成である組み合わせを例示することができる。
つぎに、本発明にかかる紙カップAの胴部材1に使用する胴部材用積層体100と底部材2に使用する底部材用積層体200について、もう一つの具体例を例示すると、胴部材1の胴部材用積層体100Bが、図4−aに示すように、主材料である紙基材層101、ポリエチレン樹脂の最内層102、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂の最外層103、そして、紙基材層101と最内層102の間に設けたバリア層104からなる構成であり、底部材2に使用する底部材用積層体200Aが、図4−bに示すように、主材料である紙基材層201、シングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の最内層202、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂の最外層203、そして、紙基材層201と最内層202の間に設けたバリア層104からなる構成である組み合わせを例示することができる。
上記の例示は、本発明にかかる紙カップAに使用する底部材用積層体についてその例を例示したものであり、これによって本発明は限定されるものではない。例えば、本発明の紙カップAおいては、包装目的、充填包装する内容物、その使用目的・用途等によって、さらに、他の基材を任意に積層して、種々の形態からなる底部材用積層体を設計して製造することができるものである。
つぎに、本発明にかかる紙カップの製造方法についてその一例を示して説明すると、上記の胴部材1に使用する胴部材用積層体100と底部材2に使用する底部材用積層体200を使用した例で説明すると、まず、図5に示すように、上記の胴部材用積層体100を紙カップAの円錐台形の胴部材1を作るのに必要な所定の形状である略扇形に打ち抜き加工において打ち抜いて、胴部材ブランク10を作製する。この打ち抜き加工は、公知の抜き型を使用した公知の打ち抜き機により行うことができる。つぎに、この胴部材ブランク10を筒状に巻いてその両側端部を部分的に重ね合わせ、その重合部分にフレーム処理、あるいは、ホットエアー処理等の加熱処理を行い、上記の重合部分に存在する最内層102、あるいは、最内層102と最外層103とを構成する樹脂層を加熱溶融し、ついで、熱板等によって押圧して胴貼りを行って胴シール部11を形成して、紙カップAを構成する筒状の胴部材1を製造する。他方、図6に示すように、上記の底部材用積層体200を紙カップ成形機内の工程で、円形状に打ち抜き、底部材2を構成する底部材ブランク20を製造し、ついで、この底部材ブランク20の外周部を筒状に起立成形して、屈曲部21を有する底部材2を製造する。
つぎに、上記で製造した筒状の胴部材1に、同じく上記で製造した底部材2を挿入し、しかる後、図7に示すように、その筒状の胴部材1と底部材2とを、その接合部分にホットエアー装置Pから熱風を吹きつけてその接合部分の胴部材1の内面の最内層102および底部材2の内面の最内層202を加熱溶融する。ついで、図8−aに示すように、カール用型Qにより筒状の胴部材1の下端部12を内方に折り曲げて、上記の底部材2の屈曲部21にかぶせて、さらに、図8−bに示すように、上記の筒状の胴部材1の下端部12と底部材2の屈曲部21との重合部分を内径側からローレットRによりローレットがけすることにより、上記の筒状の胴部材1と底部材2とを熱接着させて接合部3を形成して、上記の筒状の胴部材1と底部材2とからなる紙カップ底部を形成する。
しかる後、図9に示すように、上記の筒状の胴部材1の底部材2を密接着させて接合した側と反対側の上端部13を、上記と同様にカール用型により外方に折り曲げながらカールさせて、上端にトップカール部14を形成して、本発明にかかる紙カップAを製造する。
そして、図示しないが、上記で製造した紙カップAを内容物を充填するメーカー等に納入し、ついで、該紙カップAを内容物充填機に供給し、しかる後、紙カップA内に、その上端の開口部から内容物を充填し、つぎに、紙カップAのトップカール部14に蓋材等を密接着させてその開口部を密閉して、内容物を充填包装した紙カップ包装体を製造するものである。なお、図示しないが、通常、内容物の浸透、液漏れ等を防止するために、筒状の胴部材1の胴シール部11の内側端面には、例えば、スカイブ・ヘミング処理等を施して端面処理が行われている。
上記の例示は、本発明にかかる紙カップについてその一例を示したものであり、これによって本発明は限定されるものではない。勿論、本明においては、上記の図3および図4に示す底部材用積層体を使用し、上記と同様にして、上記と同様な紙カップを製造することができる。
つぎに、本発明にかかる紙カップAを構成する胴部材1に使用する胴部材用積層体100および底部材2に用いる底部材用積層体200の各層の材料ついて、さらに詳しく説明すると、まず、胴部材用積層体100の紙基材層101および底部材用積層体200の紙基材層201としては、これが紙カップを構成する基本素材となることから、賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものを使用することができ、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙等の各種の紙を使用することができる。また、本発明において、上記の紙基材層101および紙基材層201としては、坪量約80〜600g/m2の範囲のもの、好ましくは、坪量約100〜500g/m2の範囲の紙を使用することができる。なお、本発明において、上記の紙基材層101および紙基材層201には、例えば、文字、図形、絵柄、記号、等の所望の印刷絵柄を通常の印刷方式にて任意に形成することができるものである。
つぎに、本発明にかかる紙カップを構成する胴部材1に用いる胴部材用積層体100の最内層102の材料について説明すると、かかる最内層102としては、熱によって溶融し相互に融着し得る各種のヒートシール性を有するポリエチレン樹脂、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン等の樹脂を使用することができる。本発明においては、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これを押出機等を用いて溶融押出して、例えば、アンカーコート剤層等を介して、溶融押出樹脂層を溶融押出し積層することにより、あるいは、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を使用し、予め、これから樹脂のフィルムないしシートを製造し、その樹脂のフィルムないしシートを、ラミネート用接着剤層等を介してドライラミネート積層することにより、最内層102を形成することができる。このように最内層102を積層する時には、紙基材層101等の被積層面に、予め最内層102との密接着性を高めるために、所望の表面処理を施すことが好ましく、この表面処理として、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、フレーム処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理等が挙げられる。
また、本発明においては、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これらを共押出機等を用いて溶融共押出した2層以上からなる共押出し積層樹脂層としても使用することができ、この場合には、無機酸化物の蒸着膜のクラック等の発生を防止することから、内容物と接する側の樹脂層の膜厚を厚くし、その他方の樹脂層の膜厚を薄くすることが好ましく、その他方の樹脂層の膜厚を10〜30μmの範囲、好ましくは、20μm前後にすることが望ましいものである。さらに、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜のクラック等の発生を防止するため、上記の最内層102を構成する樹脂を用いて、可能な限り膜厚を薄くして溶融押出樹脂層を設けた後、その上に、上記の最内層を構成する樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これを共押出機等を用いて共押出樹脂層を設けて、最内層102を構成することができる。なお、本発明において、最内層102の厚さとしては、5〜200μmの範囲、好ましくは、10〜100μmの範囲が望ましいものである。
つぎに、本発明にかかる紙カップを構成する底部材2に用いる底部材用積層体200の最内層202の材料について説明すると、かかる最内層202としては、通常、熱によって溶融し相互に融着し得る樹脂、具体的には、低密度ポリエチレン、あるいは、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂を使用して構成するものであるが、その場合には、低密度ポリエチレン、あるいは、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂層によるシール温度が、320〜350℃の範囲であり、極めて高いシール温度であることからピンホールを発生し、シール不良、液漏れ等を起こす原因となり易いものである。そのため、本発明においては、低温シール性を有するメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体に着目し、それによる最内層202を形成し、250〜300℃の範囲の低温シールを可能とし、底部材2の屈曲部21を形成した時に発生するシワの部分を埋めて漏れを防止し、ピンホールの発生を防止し、シール不良、液漏れ等を回避することができるものである。さらに、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体は、粘着性を有することから破断の伝搬が少なく耐衝撃性を向上させるという利点があるものであり、また、最内層202は常時内容物に接触していることから、耐環境ストレスクラッキング性の劣化を防止するためにも有効なものである。また、本発明においては、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体に他の樹脂をブレンドすることもでき、例えば、エチレン−ブテン共重合体等をブレンドすることにより、若干、耐熱性に劣り高温環境下ではシール安定性が劣化する傾向があるものの、引き裂き性が向上し、易開封性に寄与するという利点がある。
上記のメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体としては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して、エチレンとα・オレフィンとを共重合してなるエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。上記のメタロセン触媒は、現行の触媒が、活性点が不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一であることからシングルサイト触媒とも呼ばれているものである(以下、メタロセン触媒は、シングルサイト触媒と同等の意味である。)。具体的には、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体としては、三菱化学株式会社製の商品名「カーネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エボリュー」、米国、エクソン・ケミカル(EXXONCHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフィニティー(AFFINITY)、商品名「エンゲージ(ENGAGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体を使用することができる。
本発明において、最内層202としてメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を積層する時に、被積層面に、予め最内層202との密接着性を高めるために、所望の表面処理を施すことが好ましく、この表面処理として、例えば、アンカーコート処理、コロナ放電処理、フレーム処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理等が挙げられる。また、最内層202の膜厚としては、10〜300μmの範囲、好ましくは、20〜100μmの範囲が望ましい。
上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体についてさらに詳述すると、具体的には、例えば、メタロセン系遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物との組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒(いわゆるカミンスキー触媒を含む)を使用し、エチレンとα・オレフィンとを共重合させてなるエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。なお、上記のメタロセン触媒は、無機物に担持されて使用されることもある。上記において、メタロセン系遷移金属化合物としては、例えば、IVB族から選ばれる遷移金属、具体的には、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)に、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラヒドロインデニル基、フルオニル基またと置換フルオニル基が1ないし2個結合しているか、あるいは、これらのうちの二つの基が共有結合で架橋したものが結合しており、他に水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アセチルアセトナート基、カルボニル基、窒素分子、酸素分子、ルイス塩基、ケイ素原子を含む置換基、不飽和炭化水素等の配位子を有するものを使用することができる。また、上記において、有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウム、または鎖状あるいは環状アルミノキサン等を使用することができる。ここで、アルキルアルミニウムとしては、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロリド等を使用することができる。また、鎖状あるいは環状アルミノキサンとしては、例えば、アルキルアルミニウムと水を接触させて生成することができる。例えば、重合時に、アルキルアルミニウムを加えておき、後に水を添加するか、あるいは、錯塩の結晶水または有機・無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることで生成することができる。つぎにまた、上記において、メタロセン触媒を担持させる無機物としては、例えば、シリカゲル、ゼオライト、珪素土等を使用することができる。
つぎに、上記において、重合方法としては、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、気相重合等の各種の重合方法で行なうことができる。また、上記の重合は、バッチ式あるいは連続式等のいずれの方法でもよい。上記において、重合条件としては、重合温度、−100〜250℃、重合時間、5分〜10時間、反応圧力、常圧〜300kg/m2の範囲である。さらに、本発明において、エチレンと共重合されるコモノマーであるα・オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、デセン等を使用することができる。上記のα・オレフフィンは、単独で使用してもよく、また、2以上を組み合わせて使用することもできる。また、上記のα・オレフフィンの混合比率は、例えば、1〜50重量%、望ましくは、10〜30重量%とすることが好ましい。
すなわち、本発明において好適に使用できるメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の物性については、密度が0.88〜0.92g/cm3の範囲がであり、好ましくは0.90〜0.915g/cm3の範囲のがものを使用する。密度が0・88g/cm3の未満の場合には、紙カップ成形機で底部材ブランク20を円形に打ち抜く加工適性が悪くなり、一方、0・92を越えた場合には、胴部材1と接合する熱シール性が悪くなる。また、メルトフローレート(MFR)は0.1〜50g/10分の範囲、融点(Tm)は80〜120℃の範囲が好ましい。
なお、本発明においては、上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体には、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、難燃化剤、無機ないし有機充填剤、染料、顔料等を任意に添加して使用することができる。
さらに、本発明におけるメタロセン触媒により重合されたエチレン−α・オレフィン共重合体を含む樹脂層からなる最内層202としては、メタロセン触媒により重合されたエチレン−α・オレフィン系共重合体を単独で積層する方法以外に、メタロセン触媒により重合されたエチレン−α・オレフィン系共重合体と、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂との共押出しで積層し、そして、該共押出しで積層した層を構成するメタロセン触媒により重合したエチレン−α・オレフィン系樹脂層を最内側として共押出しする方法で最内層202を積層することができる。上記において、共押出し積層樹脂層を形成する方法としては、Tダイ共押出し方式等を用いて行うことができ、また、その層構成は、2層あるいはそれ以上の層からなる共押出し積層樹脂層からなり、さらにまた、その各樹脂層の厚さとしては、2〜30μmの範囲内で任意に調整することが望ましく、厚み比率(シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン‐αオレフィン共重合体樹脂層/低密度ポリエチレン樹脂層)は、0.05〜1.50の範囲であり、好ましくは0.2〜1.0の範囲である。この比率が0.05未満の場合、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン‐αオレフィン共重合体樹脂の低温シール性、ピンホール防止等の効果を得ることが出来なく、1.5を超えた場合、コストが高くなる。
つぎに、本発明にかかる紙カップを構成する胴部材1に使用する胴部材用積層体100の最外層103および底部材2に使用する底部材用積層体200の最外層203としては、熱によって溶融し相互に融着し得る各種のヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂等を使用することができる。具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の樹脂を使用することができる。また、本発明においては、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これを押出機等を用いて溶融押出して、例えば、紙基材の一方の面に、アンカーコート剤層等を介して、溶融押出樹脂層を溶融押出し積層することにより、あるいは、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を使用し、予め、これから樹脂のフィルムないしシートを製造し、その樹脂のフィルムないしシートを、紙基材の一方の面にラミネート用接着剤層等を介してドライラミネート積層することにより、最外層103および最外層203を形成することができる。このように最外層103および最外層203を積層する時には、紙基材層101等の被積層面に、予め最外層103および最外層203との密接着性を高めるために、所望の表面処理を施すことが好ましく、この表面処理として、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、フレーム処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理等が挙げられる。なお、本発明において、最外層の厚さとしては、5〜200μmの範囲、好ましくは、10〜100μmの範囲が望ましいものである。
つぎに、本発明にかかる紙カップを構成する胴部材1に用いる胴部材用積層体100のバリア層104および底部材2に用いる底部材用積層体200のバリア層204について説明すると、バリア層104およびバリア層204は、金属箔、樹脂層、あるいは、基材フィルムの一方の面に金属の蒸着膜あるいは無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けた構成からなっている。
まず、金属箔としては、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、亜鉛、金、銀、銅、並びにその合金からなる箔であり、アルミニウムが主に使用され、その厚さは6〜25μmの範囲が望ましいものである。
つぎに、樹脂層として、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等の各種の樹脂を使用することができる。中でもエチレンビニルアルコール共重合体またはポリアミド樹脂が好適に使用することができる。
また、金属の蒸着膜あるいは無機酸化物の蒸着膜を形成するための基材フィルムとしては、機械的、物理的、化学的等において優れた性質を有し、特に、強度を有して強靱であり、かつ、耐熱性を有する樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。具体的には、基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等の各種の樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。なお、無機酸化物の蒸着膜を設ける場合、特に、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシートを使用することが好ましいものである。
本発明において、上記の各種の樹脂をフィルムないしシートとして使用することができ、例えば、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、押出法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、あるいは、2種以上の各種の樹脂を使用して多層共押出製膜化する方法、さらには、2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等により、各種の樹脂のフィルムないしシートを製造し、さらに、要すれば、例えば、テンター方式、あるいは、チューブラー方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸してなる各種の樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。本発明において、各種の樹脂のフィルムないしシートの膜厚としては、6〜100μmの範囲、より好ましくは、9〜50μmの範囲が望ましい。
なお、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤等を使用することができ、さらには、改質用樹脂等も使用することがてきる。
金属蒸着層は、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、金及び銀並びにその合金からなる群から選択された1種の素材からなる蒸着層である。
また、本発明において、上記の各種の樹脂のフィルムないしシートの表面には、金属の蒸着膜、あるいは後述する無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を向上させるために、必要に応じて、予め、所望の表面処理層を設けることが好ましく、上記の表面処理層として、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理等の前処理を任意に施して、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層等を設けることができる。上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィルムないしシートと後述する無機酸化物の蒸着膜との接着性等を改善するための方法として実施するものであるが、上記の接着性を改善する方法として、その他、例えば、各種の樹脂のフィルムないしシートの表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。上記の前処理のコート剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
つぎに、本発明にかかるバリア層104およびバリア層204を構成する無機酸化物の蒸着膜について詳しく説明すると、かかる無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、化学気相成長法、または、物理気相成長法、あるいは、その両者を併用して、無機酸化物の蒸着膜の1層からなる単層膜あるいは2層以上からなる多層膜または複合膜を形成して製造することができるものである。
上記の化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜についてさらに説明すると、かかる化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を用いて無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。本発明においては、具体的には、基材フィルムの一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガスを原料とし、キャリヤーガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、さらに、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することがてき、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
上記において、無機酸化物の蒸着膜としては、基本的に金属の酸化物を蒸着した薄膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物の蒸着膜を使用することができる。而して、好ましいものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着膜を挙げることができる。而して、上記の金属の酸化物の蒸着膜は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOX 、AlOX 、MgOX 等のようにMOX (ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。また、上記のXの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとることができる。上記において、X=0の場合、完全な金属であり、透明ではなく全く使用することができない、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。本発明において、一般的に、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)以外は、使用される例に乏しく、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0の範囲、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。本発明において、上記のような無機酸化物の蒸着膜の膜厚としては、使用する金属、または金属の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜2000Åの範囲、好ましくは、100〜1000Åの範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。また、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、使用する金属、または金属の酸化物としては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
ところで、本発明において、本発明にかかる紙カップ等を構成する無機酸化物の蒸着膜として、例えば、物理気相成長法と化学気相成長法の両者を併用して異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜を形成して使用することもできるものである。而して、上記の異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜としては、まず、基材フィルムの上に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る無機酸化物の蒸着膜を設け、次いで、該無機酸化物の蒸着膜の上に、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる無機酸化物の蒸着膜を構成することが望ましいものである。勿論、本発明においては、上記とは逆くに、基材フィルムの上に、先に、物理気相成長法により、無機酸化物の蒸着膜を設け、次に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る無機酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる無機酸化物の蒸着膜を構成することもできるものである。
次に、本発明において、本発明にかかるバリア性層を構成するガスバリア性塗布膜について説明すると、かかるガスバリア性塗布膜としては、少なくとも、ポリビニルアルコ−ル系樹脂〔以下(A)成分という。〕と、一般式R1 m M(OR2 )n ・・・・(1)(式中、Mは、金属原子を表し、R1 は、同一または異なり、炭素数1〜8の有機基を表し、R2 は、同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基もしくはフェニル基を表し、mおよびnは、それぞれ0以上の整数を表し、m+nは、Mの原子価を表す。)で表される金属アルコレ−ト、該金属アルコレ−トの加水分解物、該金属アルコレ−トの縮合物、該金属アルコレ−トのキレ−ト化合物、該キレ−ト化合物の加水分解物および金属アシレ−トの群から選ばれた少なくとも1種〔以下(B)成分という。〕とを含有するガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を使用することができる。上記において、ガスバリア性組成物中には、含窒素有機溶剤を含有することが好ましく、また、無機微粒子〔以下(C)成分という。〕を含有することも好ましいものである。また、上記において、(B)成分としては、(B)成分を水または水と親水性有機溶媒を含む混合溶媒中で加水分解した後、(A)成分と混合してガスバリア性組成物を調製することができるものである。
なお、本発明のガスバリア性組成物には、得られる塗膜の着色、厚膜化、下地への紫外線透過防止、防蝕性の付与、耐熱性などの諸特性を発現させるために、別途、充填材を添加・分散させることも可能である。ただし、充填材は、上記(C)成分を除く。充填材としては、例えば、有機顔料、無機顔料などの非水溶性の顔料または顔料以外の、粒子状、繊維状もしくは鱗片状の金属および合金ならびにこれらの酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙げられる。この充填材の具体例としては、粒子状、繊維状もしくは鱗片状の、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェライト、カーボンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、合成ムライト、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケイソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、ピグメントグリーン、岩群青、コバルト青、セルリアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサージ、ピグメントイエロー、亜酸化銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボーン黒、ダイヤモンドブラック、サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデンなどが挙げられる。
これらの充填材の平均粒径または平均長さは、通常、50〜50000nmの範囲、好ましくは100〜5000nmの範囲である。充填材の組成物中の割合は、充填材以外の成分の全固形分100重量部に対し、好ましくは、0.1〜300重量部の範囲、さらに好ましくは、1〜200重量部の範囲である。
なお、本発明のガスバリア性組成物には、そのほか、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエトキシシランなどの公知の脱水剤、各種の界面活性剤、上記以外の、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、染料、分散剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を配合することもできる。
而して、本発明においては、上記で調製したガスバリア性組成物を使用し、これを、前述の無機酸化物の蒸着膜の上に塗布することにより、ガスバリア性塗布膜を形成することができる。本発明においては、無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とが、例えば、加水分解・共縮合反応による化学結合、水素結合、あるいは、配位結合などを形成し、無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜との密着性が向上し、その2層の相乗効果により、より良好なガスバリア性の効果を発揮し得るものである。上記の本発明のガスバリア性組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケータなどの塗装手段により、1回あるいは複数回の塗装で、乾燥膜厚が0.01〜30μmの範囲、好ましくは、0.1〜10μmの範囲の本発明のガスバリア性塗布膜を形成することができ、通常の環境下、50〜300℃の範囲、好ましくは70〜200℃の範囲の温度で、0.005〜60分間の範囲、好ましくは、0.01〜10分間の範囲で加熱・乾燥することにより、縮合が行われ、本発明のガスバリア性塗布膜を形成することができる。また、必要ならば、本発明のガスバリア性組成物を塗布する際に、予め、無機酸化物の蒸着膜の上に、プライマ−剤等を塗布することもできるものである。
つぎに、本発明にかかる紙カップを構成する胴部材1に用いる胴部材用積層体100および底部材2に用いる底部材用積層体200を形成するいずれかの層間に所望の印刷模様層を形成することができるものである。上記の印刷模様層としては、例えば、最外層103、203あるいは紙基材層101、201の表面に、通常のグラビアインキ組成物、オフセットインキ組成物、凸版インキ組成物、スクリーンインキ組成物、その他のインキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、シルクスクリーン印刷方式、その他の印刷方式を使用し、例えば、文字、図形、絵柄、記号、その他からなる所望の印刷絵柄を形成することにより構成することができる。上記インキ組成物について、インキ組成物を構成するビヒクルとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化型ポリ(メタ)アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルオキシエチルセルロースなどの繊維素系樹脂、塩化ゴム、環化ゴムなどのゴム系樹脂、石油系樹脂、ロジン、カゼインなどの天然樹脂、アマニ油、大豆油などの油脂類、その他の樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。本発明において、上記のようなビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、染料・顔料などの着色剤の1種ないし2種以上を加え、さらに必要ならば、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤、その他の添加剤を任意に添加し、溶剤、希釈剤などで充分に混練してなる各種の形態からなるインキ組成物を使用することができる。
なお、本発明において、上記のような材料を使用して胴部材用積層体および底部材用積層体を製造する方法について説明すると、かかる方法としては、通常の包装材料をラミネートする方法、例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ押し出し成形法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法、共押し出しインフレーション法、その他等で行うことができる。而して、本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、その他等の前処理を任意に施すことができ、また、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等のアンカーコート剤、あるいは、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他等のラミネート用接着剤等の公知のアンカーコート剤、ラミネート用接着剤等を任意に使用することができる。
本発明において、本発明にかかる胴部材用積層体および底部材用積層体を製造する方法について、具体的に述べると、例えば、ラミネート用接着剤によるラミネート用接着剤層を介して積層するドライラミネーション法、あるいは、溶融押し出し接着性樹脂による溶融押し出し樹脂層を介して積層する押し出しラミネーション法などで行うことができる。上記において、ラミネート用接着剤としては、例えば、1液、あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他などの溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型などのラミネート用接着剤を使用することができる。上記ラミネート用接着剤のコーティング法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。そのコーティング量としては、好ましくは0.1〜10g/m2(乾燥状態)の範囲、より好ましくは1〜5g/m2(乾燥状態)の範囲である。なお、上記ラミネート用接着剤には、例えば、シランカップリング剤などの接着促進剤を任意に添加することができる。
また、上記において、溶融押し出し接着性樹脂としては、前述のヒートシール性樹脂層を形成するヒートシール性樹脂を同様に使用することができ、低密度ポリエチレン、特に、線状低密度ポリエチレン、酸変性ポリエチレンを使用することが好ましい。上記の溶融押し出し接着性樹脂による溶融押し出し樹脂層の膜厚は、好ましくは5〜100μmの範囲、さらに好ましくは、10〜50μmの範囲である。なお、本発明において、上記の積層を行う際に、より強固な接着強度を得る必要がある場合には、アンカーコート剤などの接着改良剤などをコートすることもできる。上記アンカーコート剤としては、例えば、アルキルチタネートなどの有機チタン系アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、ポリブタジエン系アンカーコート剤、その他の水性または油性の各種のアンカーコート剤を使用することができる。本発明においては、上記アンカーコート剤を、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレイコート、その他のコーティング法でコーティングし、溶剤、希釈剤などを乾燥して、アンカーコート剤層を形成することができる。上記アンカーコート剤の塗布量としては、0.1〜5g/m2(乾燥状態)の範囲が好ましい。
つぎに、本発明にかかる紙カップとしては、例えば、その形状としては、三角形、四角形、五角形、六角形、その他等の角形形状、あるいは、丸形等の円筒形状の紙缶等のいずれのものでも製造することができる。さらに、本発明において、本発明にかかる紙かっぷには、例えば、各種の飲食品、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医薬品等の雑貨品、その他等の種々の物品を充填包装することができるものである。而して、本発明において、本発明にかかる液体紙容器は、特に、例えば、酒、果汁飲料等のジュ−ス、ミネラルウオ−タ−、醤油、ソ−ス、ス−プ等の液体調味料、あるいは、カレ−、シチュ−、ス−プ、その他等の種々の液体飲食物を充填包装する包装用容器として有用なものである。