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JP4490683B2 - 自発光安全用品 - Google Patents
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JP4490683B2 - 自発光安全用品 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池を用いて、主に道路またはその周縁に設置され、運転者に対して視線誘導を行ったり、道路情報や地域情報を提供したりする自発光型の安全用品に関するものである。
従来から、太陽電池によって発電し、その電力を用いて発光体を点灯または点滅させる自発光タイプの道路安全用品はよく知られており、現在でも汎用的に道路に設置されている。(例えば、特許公報1)
これは、結晶系、アモルファス系、化合物系などの太陽電池が道路鋲に日光が当たるように取り付けられ、それにより昼間に発電した電力を蓄電池や電気二重層コンデンサなどの充電装置に蓄えて、夜間に発光体を点灯、点滅させたりするようになされている。
このような安全用品には様々なものがあり、たとえば、道路鋲、視線誘導標、案内標識、交通標識、情報表示板などが挙げられる。例えば道路鋲は、中央線や車線分離線、歩車道の分離線、また縁石や中央分離帯などのブロックの上に取り付けられて、道路線形を運転者に伝えたり視線誘導を促したりしている。また、交差点中央や停止線に取り付けたり埋め込んだりして、注意喚起のための自発光鋲として用いられたり様々に用いられている。
視線誘導標は、例えば支柱に発光体を有する標示部が取り付けられたものが、急カーブ地点やT字路などの見通しの利かない道路に、車両の走行方向に向かって設置されたりしている。
案内標識や交通標識は、運転者に地域情報や交通規制情報、交通支援情報を伝えるもので、例えば支柱に標識標示部が取り付けられたものが道路周縁に設置されて、その標示部に発光体が取り付けられて、運転者に標識の存在を認識させたり、標示部が透光性になっているとともに照明が内蔵されて夜間でも視認しやすいようになされてたりしている。
情報表示板は、道路情報を運転者に伝えるもので、例えば、複数のLEDなどの発光体の点灯の組み合わせにより文字や図柄を標示させて、気温や凍結注意、対向車の有無、渋滞の有無、その他情報などを伝えるものがある。
また近年、太陽電池として、色素増感型の太陽電池が注目を浴びている。色素増感太陽電池は一般に、ガラスや樹脂からなる基材上にITOやFTOなどの導電性の薄膜上に酸化チタンなどの金属酸化物半導体層を設けてこの半導体表面に光エネルギーを吸収して電子を半導体に供与する色素を吸着させて作用電極とし、この作用電極に相対向して導電性薄膜からなる対電極を設ける。またさらに、この電極間に電解質層を設け、電子の授受を可能として、電池となされているものである。
色素増感太陽電池は基材を樹脂とすることもでき、その表面に薄層を形成させて太陽電池とするので、その形状も自由に決めることができたり、電池を形成したあとに曲げ加工を施すことも可能であるなど、非常に形状に対して自由度が高い。また軽量化も図ることができる。
また、用いる材料も比較的安価であり、製造過程においてもシリコン系の太陽電池ではシリコンの精製などに莫大なエネルギーを必要とするが、色素増感太陽電池ではそのような過程はなく製造コストも比較的小さいため、コスト的にも優れている。
また、色素増感型太陽電池はシリコン系の太陽電池などに比べ、曇天時や室内使用時などの低照度時においても発電量の低下が小さい特長もあり、日照不足による発電量の不足などの心配もない。
特開平8−232216号公報 特開2002−212922号公報 特開平7−129108号公報 特開平1−220380号公報
これまで自発光安全用品に用いられている太陽電池は、おもにシリコン系の太陽電池を用いたものが多く、色素増感型太陽電池を用いたものはなかった。従来の太陽電池を用いた自発光安全用品は主に、シリコン系太陽電池セルを用いてモジュールを作成し、そのモジュールを製品に組み込んだり、モジュールを別体として安全用品の上方に取り付けたり、モジュールを外面に貼り付けたりして、太陽電池を安全用品に取り付け、その電力を発光体に供給していた。そのため、モジュールを外付けにして本体とモジュールが別構成となってしまって、装置が大掛かりになってしまったり、内部に組み込むためにモジュールの大きさや形状の制約があったりしていた。また、太陽電池モジュールと安全用品本体が別個のものであるため、部品点数も多くなったり、組み立て工程が複雑であったりした。
また、シリコン系太陽電池セルを製造する過程では、そのシリコンの精製などに一般に非常に大きなエネルギーを必要とする。また電圧を向上させるためにセルを細分割したり、道路鋲にあわせた形状とするので、その際にカットロスが多く出るなど、安全用品などの小型製品にシリコン系太陽電池を用いることは、材料的にもコスト的にも非効率であった。
また、道路鋲などにシリコン系の太陽電池モジュール組み込む場合、太陽電池の小型のモジュールを作成し、そのモジュールを所定の位置にはめ込み、樹脂でポッティングして固定化していた。しかし、ポッティング時に気泡が入るなどの不具合も多かったため、改善が望まれていた。
また、従来一般に用いられているシリコンの太陽電池は、曇天などの低照度時において発電効率が低下するという問題があり、雨天が長く続いたときなどに、電力不足に陥る危険性もあった。
そこで本発明は上記の如き問題点に鑑みてなされたものであり、色素増感型太陽電池を自発光安全用品の部材に直接形成させることによって、部品点数も少なく、構造も簡単かつ製造工程も簡便で、コストも比較的安価であるとともに、低照度時にも発電効率の低下が少ない自発光安全用品を提供せんとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。すなわち本発明に係る自発光安全用品は、太陽電池によって発電した電力で発光体を点灯または点滅させる自発光安全用品であって、前記太陽電池に色素増感型太陽電池が用いられると共に、前面に標示部を有し、側面、上面、背面の少なくとも一つが内面上に色素増感型太陽電池が直接形成された透明体からなり、そしてその色素増感型太陽電池が内面上に直接形成された透明体は、該透明体の内面上に直接導電性薄膜を形成した後、該導電性薄膜上に金属酸化物半導体を設けると共に、該金属酸化物半導体の表面に色素を吸着させて作用電極となし、この作用電極に相対向するように対電極を重ね、前記作用電極と対電極との間に、電解質を含んだ電解質材料を充填させることにより形成されるものであることを特徴とするものである。
又本発明に係る自発光安全用品は、太陽電池によって発電した電力で発光体を点灯または点滅させる自発光安全用品であって、前記太陽電池に色素増感型太陽電池が用いられると共に、標示部の少なくとも一部が透明体からなり、該透明体の内面上に色素増感型太陽電池が直接形成され、そしてその色素増感型太陽電池が内面上に直接形成された透明体は、該透明体の内面上に直接導電性薄膜を形成した後、該導電性薄膜上に金属酸化物半導体を設けると共に、該金属酸化物半導体の表面に色素を吸着させて作用電極となし、この作用電極に相対向するように対電極を重ね、前記作用電極と対電極との間に、電解質を含んだ電解質材料を充填させることにより形成されるものであることを特徴とするものである。
又本発明に係る自発光安全用品は、太陽電池によって発電した電力で発光体を点灯または点滅させる自発光安全用品であって、前記太陽電池に色素増感型太陽電池が用いられると共に、上部にカバー状の透明体を有し、該透明体の内面上に色素増感型太陽電池が直接形成されるとともに該透明体の下方に発光体が収納され、太陽光が透明体を透過して色素増感型太陽電池に入射され、発光体の光が透明体を透過して外部に放出されるようになされ、そしてその色素増感型太陽電池が内面上に直接形成された透明体は、該透明体の内面上に直接導電性薄膜を形成した後、該導電性薄膜上に金属酸化物半導体を設けると共に、該金属酸化物半導体の表面に色素を吸着させて作用電極となし、この作用電極に相対向するように対電極を重ね、前記作用電極と対電極との間に、電解質を含んだ電解質材料を充填させることにより形成されるものであることを特徴とするものである。
色素増感太陽電池は、透光性の導電性薄膜上に酸化チタンなどの金属酸化物半導体を設けるとともにその金属酸化物半導体の表面に光を吸収して半導体に電子を与えることのできる色素を付着させて作用電極とし、この作用電極に相対向して導電性膜からなる対電極を設け、この電極間に電子の授受を行うための電解質を含有する電解質材料を充填してなるものである。
色素増感太陽電池に、光が照射されると、金属酸化物半導体表面に付着している色素が励起され、この励起によって発生した電子が金属酸化物半導体に移動し、さらに電子は導電膜へ移動し、外部回路を通って発光体や充電装置に送られる。そして、電子は対電極側に戻り、対電極で電解質を還元して太陽電池系内に戻る。一方、半導体に電子が移動した色素は、酸化状態になっているが、電解質溶液から還元されて電子をもらい、元の状態に戻る。
本発明に用いる色素増感型太陽電池の製造方法としては主に、まず透明体上にITOやFTOなどの導電性薄膜を形成する。その後、前記導電性薄膜上に塗装や吹き付け、蒸着、圧着などの方法によって金属酸化物半導体を設ける。次に含浸などにより金属酸化物半導体の表面に色素を吸着させて作用電極が完成する。その上からもう一方の薄膜状の対電極を重ねて、電極間に電解質を含んだ電解質材料を充填させて、太陽電池となる。このとき、電極間に設けられた金属酸化物半導体に太陽光が照射されるように、基材および作用電極は透光性を有している。
透明体は、太陽電池の各層を積層でき、透光性を有するものであればよく、基材の材料や形状を選ばず基材上に直接太陽電池を形成することができるため、様々な形状のモジュールを作成できたり、直接部材の一部に太陽電池もを形成させることが可能である。また、基材を樹脂製にすることにより、曲げや穴空けなどの後加工も可能である。また、基材に樹脂を用いることによって、モジュール自体の軽量化を図ることも可能である。
色素増感型太陽電池を取り付ける場所は、安全用品の種類によって異なるが、太陽光が当たり、運転者の視認性に悪影響を及ぼさない場所であれば特に限定されるものではない。たとえば、従来のように平板状にモジュール化して、標識や表示板などの上方に外付けとして取り付けてもよい。また標識や表示板を支える支柱に取り付けてもよい。このとき基材として樹脂を用いれば従来のガラスモジュールに比べ格段に軽量化をすることができるため、取り付け構造を簡略化できたり、比較的大面積のモジュールを取り付けることもできる。また、基材を樹脂とすることで、曲げ加工等も可能であり、取り付け場所に合わせて形状を変形させることもできる。また、電極を透光性にすれば、両面から受光可能な太陽電池とすることも可能であり、垂直面などにも発電効率を低下させることなく取り付けが可能である。
基材を樹脂として、取り付け場所に合わせて形状を最適にすることができることを利用すれば、安全用品の内部や外部のはめ込みたい部分の形に合わせて太陽電池を作成し、はめ込んだり埋め込んだりすることもできる。
また、色素増感太陽電池は曇天時などの低照度においても発電量の低下が少ないという特長もあるため、例えば梅雨時などの曇天や雨天が多い時期においても電力不足で発光できないような不具合を回避できる。
自発光安全用品は、太陽電池で発電した電力を日照時に充電装置に蓄え、その電力を夜間に発光体に送って、点灯させるようになされている。
自発光安全用品にはさらに、発光体に充電装置から送られる電力を所定電圧にして供給させる放電定電圧回路や、夜間に発光体を点灯させる昼夜判別回路や、発光体を点滅発光させる発光パターン制御回路などが設けられていてもよい。
本発明に使用する発光体は、電力によって発光するものであれば、特に限定されるものではないが、低い電力消費量と発光輝度を考えると発光ダイオードが好ましい。
また、太陽電池で発電した電力を蓄える充電装置は、電力を蓄えておくことのできるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば電気二重層コンデンサや、二次電池であるNi−Cd蓄電池や鉛蓄電池などを用いることができる。ただし、Ni−Cd蓄電池は電池容量が使用とともに減少していく問題があったり、鉛蓄電池は過充電によって電極に硫酸亜鉛が析出して再充電ができなくなる問題などがあるため、電気二重層コンデンサを用いるのがよい。
また、前面に標示部を有し、側面、上面、背面の少なくとも一つが内面に色素増感型太陽電池が被着された透明体からなることを特徴とするものである。
色素増感型太陽電池を製品の一部材に直接形成させることも可能であり、例えば、標識や表示板の側面や背面、上面などを透明体で形成し、その透明体の内面に、前記の色素増感型太陽電池を形成すれば、安全用品に太陽電池が一体化した自発光型安全用品とすることができる。
太陽電池は太陽が当たる位置であれば、標示部以外の本体部分のどこに設けられていてもよく、発光体を動作させるために必要な電力から必要な面積を計算すればよい。例えば、前面にLEDなどの発光体が取り付けられて運転者に道路線形や視線誘導を行う視線誘導標識や中央分離帯警戒灯、路側を知らせる矢羽根、止まれや横断歩道ありなどを示す交通標識、道路情報や地域情報を運転者に知らせる案内標識などの安全用品のケースや背面板の一部や全部を透明体として、その内側に色素増感型太陽電池を形成するようにすれば、側面や上面、背面に太陽電池が一体となった、安全用品を提供することができる。
また、透光性の標示部を有して発光体が内部に内蔵された内照式の標識や、標示部に複数の発光体が設けられ、その発光体によって文字や図柄を運転者に知らせる表示板などのケースの一部や全部を透明体で形成してその内面に太陽電池を被着させた安全用品を提供することもできる。
また、標示部の少なくとも一部が透明体からなり、該透明体の内面に色素増感型太陽電池が被着されたことを特徴とするものである。
標識や表示板の標示面自身を太陽電池とすることもできる。このとき、表示板の全面を透明体で形成して太陽電池としてもよいし、その一部でもよく、発光体を取り付ける部分や再帰反射体を取り付ける部分等を残して太陽電池とするとよい。また、色素増感太陽電池は、透光性とすることができたり、用いる色素を選ぶことによってその色も選択できる。この性質を利用して太陽電池自身を標示部とすることもできる。また、そのとき標識を内照式とすれば、太陽電池部分自身を光が透過する安全用品を提供することができる。
また、上部にカバー状の透明体を有し、該透明体の内面に色素増感型太陽電池が被着されるとともに該透明体の下方に発光体が収納され、太陽光が透明体を透過して色素増感型太陽電池に入射され、発光体の光が透明体を透過して外部に放出されるようになされたことを特徴とするものである。
発光体は、安全用品の内部に内蔵され、安全用品の上部が透明体からなるカバーで覆われており、そのカバーの内面に色素増感型太陽電池が被着されている。太陽光は、このカバー状の透明体から入射して太陽電池に照射される。太陽電池で発電した電力は、内蔵された発光体を点灯させ、その光はこの透明カバーを通して、外部に照射され、運転者に届く。
このような製品には例えば自発光道路鋲などがある。道路鋲には、中央線や車線などに取り付けられて運転者に道路線形を教えたり視線誘導を行ったりする道路鋲、縁石などに取り付けられる縁石鋲、交差点の中央部や停止線に取り付けられて運転者に注意喚起を促すものなど様々なものがある。
この道路鋲を構成する部材、例えば透光性を有するカバー材に、色素増感型の太陽電池を一体に形成する。通常道路鋲の表層は透光性の樹脂またはガラスからなり、このカバー材に直接、導電性薄膜、色素吸着金属酸化物半導体層、導電性対電極を積層し、その間に電解質を注入し、封止すればよい。
このようにすることで、従来では太陽電池を組み込むために、小型のモジュールを別途作成して道路鋲に組み込んでいたものが、道路鋲と一体化されて部品点数も少なくすることができる。
これまでの自発光型の道路鋲は、シリコン系の太陽電池を用いて小型の太陽電池モジュールを作成し、それを道路鋲の表層カバー層にポッティングして固定化しているものが一般的であった。このとき小型の太陽電池を作成するためにシリコン結晶をカットする必要があり端材が多く出たりするので材料的にも効率が悪く、コストが比較的高くなってしまう不利がある。それに対して色素増感型の太陽電池を用いることにより、道路鋲の部材に合わせて異形の太陽電池モジュールを形成したり、直接太陽電池を道路鋲の部材に直接形成したりすることができる。
このように道路鋲に色素増感型太陽電池を組み込む場合、その方法は特に限定されるものではないが、例えば、予め道路鋲の太陽電池設置部分に合うようにつくられた太陽電池モジュールをはめ込むようにしてもよいし、表層のカバー層に直接太陽電池構成層を形成させてもよい。
予め道路鋲の太陽電池設置部分に合うようにつくられた太陽電池モジュールをはめ込む場合、色素増感太陽電池を用いているので、湾曲形状や異形のモジュールも作成することができ、はめ込む場所に合わせて、モジュールの大きさや形状を自由に決定することができ、従来のようにポッティングをする必要もなく、工程も簡略化できる。
本発明によれば、太陽電池によって発電した電力で発光体を点灯または点滅させる自発光安全用品の太陽電池に色素増感型太陽電池を用いることにより、直接部材の一部に太陽電池を形成させることが可能であったり、太陽電池モジュールを軽量化させることが出来たり、低照度時においても発電量が低下しないようにできる。
また、自発光安全用品の側面や上面、背面などのケースの一部自身を太陽電池としたり、標識や表示板の標示面自身を太陽電池とすることもでき、これにより、太陽電池が一体となった、安全用品を提供することができる。
本発明に係わる実施の形態について、図面に基づき以下に具体的に説明する。図1は、色素増感型太陽電池の基本構造を示した模式図である。色素増感型太陽電池2は、透明体1上に相対向するように作用電極21と対電極22とが設けられている。作用電極は、導電性薄膜211上に金属酸化物半導体212が設けられて、その金属酸化物電極の表面には色素213を付着させてある。また、対電極22には電解質の還元を助けるカソードとしての触媒機能を有するとともに電解質に侵されない導電性物質221を導電性薄膜222上に形成させたものを用いる。この相対向する作用電極21と対電極間22には電解質を含有する電解質材料24が充填されている。
太陽光は、透明体1を透過して、表面に色素213が付着した金属酸化物半導体212に照射される。色素に太陽光が照射されると、色素はその光エネルギーを吸収して励起して電子を発生させる。この電子は半導体に移動し、外部回路へ送り出される。外部回路を通った電子は対電極22に戻り、カソードとしての触媒機能を有する物質上で、電解質を還元して太陽電池系内へ電子が戻る。このようにして一連の電気回路が出来上がる。一方、半導体に電子が移動した色素は、酸化状態になっているが、電解質溶液から還元されて電子をもらい、元の状態に戻る。
本発明に用いる色素増感型太陽電池の製造方法としては主に、まず透光性の基材上にITOやFTOなどの導電性薄膜211を形成する。その後、前記導電性薄膜上に塗装や吹き付け、蒸着、圧着などの方法によって金属酸化物半導体212を設ける。次に含浸などにより金属酸化物半導体の表面に色素213を吸着させて作用電極となる。この作用電極に相対向するように対電極を重ね、二つの電極間に電解質を含んだ電解質材料を充填させればよい。
導電性の膜は、例えばITO膜やFTO膜、酸化亜鉛膜などの透明で導電性の薄膜が好適に用いられる。ITO膜は、透明でかつ導電性を有している。これは酸化インジウムと少量の酸化スズとからなる薄膜で、In3+の位置に置換したSn4+がキャリア電子を発生して導電性を示すものである。FTOは、酸化スズにフッ素をドープしたものである。また、酸化亜鉛膜は、酸化亜鉛に酸化アルミニウムや酸化ガリウムを添加したもので、若干抵抗は大きいが透明膜を形成できる。これらの膜を直接カバー層上に形成させてもいいし、ITO膜やFTO膜が形成されたフィルムをカバーに貼り付けてもよい。上記の膜を形成させる方法としては、例えば真空蒸着、スパッタリング、ゾル・ゲル法、クラスタービームによる蒸着などが挙げられる。
上記のようにして形成された導電性薄膜上に金属酸化物半導体層を形成させる。金属酸化物半導体は、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ストロンチウム、酸化インジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブテン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銀などや、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムなど、またこれらの混合物を用いることができ、化学安定性やコスト、発電の起電力を考慮すると酸化チタンを用いるのが好ましい。
またこのとき、酸化チタンは、その活性の高いアナターゼ型の酸化チタンが好ましい。導電性薄膜上の酸化チタンは、微粒子が積層されているとよく、このようになされていることによって、表面積が大きくなり、光の照射される面積が広いとともに、電解質との電子の授受も好適に行われる。このとき、酸化チタンは数十nm〜数百nm程度の微粒子であるとよい。また、粒径の異なる2種類以上の粒子を混在させてもよく、入射した光を好適に散乱させて効率良く光を吸収することが出来る。また、微粒子状でなく、直径が数nm〜数十nmの筒状のナノチューブ型酸化チタンを用いても表面積が広いため効率を上げることができる。
導電性薄膜上に酸化チタンの金属酸化物半導体を形成させる方法は、特に限定されるものではないが、たとえば酸化チタン微粉末を適当な溶媒に分散させて薄膜上に塗布して焼付けてもよいし、酸化チタン微粉末を高圧プレスにより融着させてもよい。またゾルーゲル法により、チタンアルコキシドを原料としたコーティング溶液を作成して塗布して焼付けすることによって成膜作成したり、チタンアルコキシドを原料としたゾル−ゲル溶液を霧化するとともに熱をかけて、気中で微粒化し、それを電極に吹き付けて固定化させてもよい。また、金属酸化物半導体を形成させる対象物を予め加熱しておき、酸化チタン原料を含む溶液を噴霧して加熱基板上で酸化チタンを析出させるスプレー熱分解法(SPD法)を用いてもよい。
上記のように金属酸化物半導体層を形成した後、その金属酸化物半導体の表面に色素を吸着させる。吸着させる色素は、様々な色素が色素増感太陽電池用に提案されており、それらを用いることができる。例えば、金属錯体系ではルテニウム錯体系、コバルト錯体系、有機系色素ではシアニン系、メロシアニン系、フタロシアニン系、クマリン系、リボフラビン系、キサンテン系、トリフェニルメタン系などのものがよく知られており、これらを用いることができ、特に金属錯体系であればルテニウム錯体、有機系ではメロシアニン系が好ましい。
電解質も、様々な色素増感太陽電池用に提案されており、これらを用いることができる。一般なものとしては、ヨウ化リチウムとヨウ素と常温溶融塩のイミダゾリウム塩であるDMPImIを電解質とし、これらをメトキシアセトニトリルの溶媒に溶解させ、添加剤として電圧調整のための4−tert−ブチルピリジンを加えたものを電解質材料として用いられている。このほか、溶剤としてエチレンカーボネート等を配合しても良く、また、常温溶融塩として、MPrImIやMBuImIなどを用いてもよい。また、さらに希釈剤としてMEImBF4−を添加してもよい。
また、上記の電解質材料にポリマー化剤を加えゲル化させるようにすると、太陽電池からの電解質材料の液もれなどの事故を未然に防ぐことができる。 また、電解質材料として、固体電解質材料であるCuIを用いることもできる。
対電極は、電解質の還元を助けるカソードとしての触媒機能を有するとともに電解質に侵されない導電性ものであればよく、例えば先に示したITOやFTO膜上に白金やカーボン、カーボンナノチューブなどを付着させたものが好適に用いられる。
次に安全用品に色素増感型太陽電池を適用した例を示す。図1は本発明の自発光安全用品の具体的な一例で自発光道路鋲の実施の一形態を示すもので、製品の構造を示した断面の説明図である。
図2は、道路に埋め込み式の自発光道路鋲を表したものである。図2に示すように密閉された鋲本体3の中に、充電装置31、発光体32、制御装置33などが組み込まれて、上部に透明体のカバー34が取り付けられている。カバーは、太陽光が当たる面にあり、透光性の材料からできている。このカバー34の内面35に色素増感型太陽電池が直接形成されている。
昼間の間、太陽光は、透明体からなるカバーを通してそのかばーの内面に設けられている太陽電池に当たる。そこで電気が発電され、発電された電気は充電装置31に蓄電される。夜になると、昼間に発電され充電装置に蓄えられていた電気は、発光体32に供給され、発光体が点灯する。このとき制御装置33などによって、発光パターンを変えることもでき、例えば一定期間で点滅させるようにすると、さらに視認性が高まる。図2では、発光体の取付部分の透明体カバーが三角状に突起36しており、この突起にちょうど発光体の光が入射するようになされていることにより、発光した光が透明体カバーにスムーズに入射するとともに、運転者に視認しやすいような角度で放出されるようになされている(矢印a)。
太陽電池は、できるだけ広い受光面積としたほうがよく、発光体の透光部分は透光性を十分に確保するために太陽電池を形成しなくてもよいが、内面に被着された太陽電池を透光性にすることで、部分カバー内面の全面に形成されるようにしてもよい。また、十分な発電電圧や電力を確保するために、複数区域に分割したり、太陽電池を複数重ねて設けてもよい。
カバーの材質は、透光性を有するとともに太陽電池を積層することができ、かつ、密着性を十分に確保できるものであれば、特に限定されるものではないが、ポリカーボネート樹脂や、強化ガラス、アクリル樹脂、PET樹脂、PEN樹脂などが好適に用いられる。
また、充電装置は、電力を蓄えておくことのできるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば電気二重層コンデンサや、二次電池であるNi−Cd蓄電池や鉛蓄電池などを用いることができる。ただし、Ni−Cd蓄電池は電池容量が使用とともに減少していく問題があったり、鉛蓄電池は過充電によって電極に硫酸亜鉛が析出して再充電ができなくなる問題などがあるため、電気二重層コンデンサを用いるのがよい。
また、発光体は電力によって発光するものであれば、特に限定されるものではないが、低い電力消費量と発光輝度を考えると発光ダイオードが好ましい。
上記のように作成された自発光道路鋲は、例えば中央線や車線分離線、歩車道の分離線などに取り付けたり埋め込んだり、また縁石や中央分離帯などのブロックの上に取り付けて縁石鋲として用いたり、交差点中央や停止線に取り付ける注意喚起のための自発光鋲として用いたり、様々に用いることができる。
次に図3、4には、自発光安全用品が交通標識の場合の一例を示す。図3には、止まれの標識板4が支柱45に取り付けられている。図3は標識の斜視図であり、標示面41には、再帰反射シートにより止まれの文字と、その標識板の周縁に沿って発光体42が取り付けられている。このとき、この標識4の側面板43と上面板44が透明体からなり、この側面板の斜線部分の透明体の内面に色素増感太陽電池が設けられている。図示されていないが、背面板も透明体から形成してその内面に太陽電池を形成してもよい。昼間に太陽光が照射されると、側面板や背面板に設けられた太陽電池により発電され、内蔵された充電装置に電気が蓄電される。夜間になると、充電装置に蓄えられた電気は、発光体に送られて発光体が点灯し、運転者に標識があることを知らせて注意喚起を行ことができる。このとき、内部に制御装置をいれておき、発光体を点滅させるようにしておくことで、更に注意喚起を促すことができるとともに、消費電力も抑えることができる。また、車両感知センサと連動することによって、車が接近した場合のみ、発光するようにしてもよく、このとき、この感知センサの電源も本太陽電池とすることができる。
図4は、横断歩道を示す標識板5が、道路上に張り出した支柱54に取り付けられた一例である。図4に示す標識は内照式の標識であり、標示部51が透光性の部材でできている。この標識の内部に発光が設けられ、透光性の標示部を発光した光が透過して運転者に横断歩道があることを知らせている。この標識の側面部52が透明体で形成されており、この内面に色素増感型太陽電池が被着されている(斜線部)。また、他の実施例として、この透光性の標示部51を色素増感型太陽電池が被着された透明体で形成してもよい。色素増感型太陽電池は透光性とすることができるとともに、用いる色素を適当に選ぶことによって所望の色とすることができ、標示部そのものを太陽電池とすることができる。昼間に太陽光が照射されると、側面板や背面板に設けられた太陽電池により発電され、内蔵された充電装置に電気が蓄電される。夜間になると、充電装置に蓄えられた電気は、発光体に送られて発光体が点灯し、運転者に標識があることを知らせて注意喚起を行ことができる。また、横断歩道標識は、標識の下部にスポットライト53をとりつけ、歩行者の感知センサーと組み合わせることにより、歩行者が来るとスポットライトが点灯し、安全に歩行者が横断歩道をわたれるようにしておくとよい。
図5、図6は、カーブやT字路などで運転者の視線誘導を促す視線誘導標識の一例である。視線誘導標識には、図5のように標示部61に矢印が図示されるとともに矢印状62に発光体63が複数配列されたものや、図6のように円形の視線誘導標識6に再帰反射材料64と発光体63とを組み合わせたものなど、様々な形態のものがある。このような視線誘導標識6の側面65や上面66、また背面(図示せず)の少なくとも1部を透明体で形成し、その内面に色素増感型太陽電池を被着させればよい。また、標示部61の一部を透明体で形成してその内面に太陽電池を被着させてもよく、例えば図5の標示部の矢印以外の部分67を透明体とし、太陽電池を設けるようにするとよい。昼間に太陽光が照射されると、側面板や背面板に設けられた太陽電池により発電され、内蔵された充電装置に電気が蓄電される。夜間になると、充電装置に蓄えられた電気は、発光体に送られて発光体が点灯し、運転者に標識があることを知らせて注意喚起を行ことができる。このとき、内部に制御装置をいれておき、発光体を点滅させるようにしておくことで、更に注意喚起を促すことができるとともに、消費電力も抑えることができる。
また、図7は、道路上部に張り出した支柱73上に取り付けられ、道路幅を運転者に知らせるための自発光矢羽根7である。矢羽根の標示部71は、一般に赤色と白色の再帰反射シートにより下向きに矢印が形成されており、さらに複数の発光体72により矢印を形成している。この矢羽根の背面(図示せず)を透明体で形成してその内面に色素増感型太陽電池を被着するようにすることができる。また、前記の標識板の標示部のように、標示部自身を太陽電池で形成することもでき、そのときは、色素を適当に選び、組み合わせることによって2色の太陽電池兼標示部を有した矢羽根とすることができる。昼間に太陽光が照射されると、側面板や背面板に設けられた太陽電池により発電され、内蔵された充電装置に電気が蓄電される。夜間になると、充電装置に蓄えられた電気は、発光体に送られて発光体が点灯し、運転者に標識があることを知らせて注意喚起を行ことができる。このとき、内部に制御装置をいれておき、発光体を点滅させるようにしておくことで、更に注意喚起を促すことができるとともに、消費電力も抑えることができる。
また、図8の実施例は、運転者に対して道路情報を表示する表示板を示している。図8の表示板は、標示部81に複数の発光体82が取り付けられており、この発光体の配列によって、文字や図柄を表示するものである。この表示板の側面83や上面84、背面(図示せず)の少なくとも1部を透明体で形成し、その内面に色素増感型太陽電池を被着させればよい。
図3〜8に示した標識板や表示板の透明体の材質は、透光性を有するとともに太陽電池を積層することができ、かつ、密着性を十分に確保できるものであれば、特に限定されるものではないが、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂、PET樹脂、ガラスなどが好適に用いられる。
また、充電装置は、電力を蓄えておくことのできるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば電気二重層コンデンサや、二次電池であるNi−Cd蓄電池や鉛蓄電池などを用いることができる。ただし、Ni−Cd蓄電池は電池容量が使用とともに減少していく問題があったり、鉛蓄電池は過充電によって電極に硫酸亜鉛が析出して再充電ができなくなる問題などがあるため、電気二重層コンデンサを用いるのがよい。また、発光体は電力によって発光するものであれば、特に限定されるものではないが、低い電力消費量と発光輝度を考えると発光ダイオードが好ましい。
本発明に用いる太陽電池の基本構成の一例を示す模式図である。 本発明の実施の一例である道路鋲の構造を示す断面の説明図である。 本発明の実施の一例である標識板の説明図である。 本発明の実施の一例である標識板の説明図である。 本発明の実施の一例である視線誘導標識の説明図である。 本発明の実施の一例である視線誘導標識の説明図である。 本発明の実施の一例である自発光矢羽根断面の説明図である。 本発明の実施の一例である表示板の説明図である。
符号の説明
1 透明体
2 色素増感型太陽電池
21 作用電極
211 導電性薄膜
212 金属酸化物半導体
213 色素
22 対電極
221 導電性物質
222 導電性薄膜
24 電解質材料
3 道路鋲
31 充電装置
32 発光体
33 制御装置
34 カバー
35 カバー内面
4 標識板
41 標示面
42 発光体
43 側面板
44 上面板
45 支柱
5 標識板
51 標示部
52 側面部
53 スポットライト
54 支柱
6 視線誘導標
61 標示部
62 矢印
63 発光体
64 再帰反射シート
65 側面
66 上面
67 矢印以外の部分
68 支柱
7 自発光矢羽根
71 標示部
72 発光体
73 支柱
8 表示板
81 標示部
82 発光体
83 側面
84 上面

Claims (3)

  1. 太陽電池によって発電した電力で発光体を点灯または点滅させる自発光安全用品であって、前記太陽電池に色素増感型太陽電池が用いられると共に、前面に標示部を有し、側面、上面、背面の少なくとも一つが内面上に色素増感型太陽電池が直接形成された透明体からなり、そしてその色素増感型太陽電池が内面上に直接形成された透明体は、該透明体の内面上に直接導電性薄膜を形成した後、該導電性薄膜上に金属酸化物半導体を設けると共に、該金属酸化物半導体の表面に色素を吸着させて作用電極となし、この作用電極に相対向するように対電極を重ね、前記作用電極と対電極との間に、電解質を含んだ電解質材料を充填させることにより形成されるものであることを特徴とする自発光安全用品。
  2. 太陽電池によって発電した電力で発光体を点灯または点滅させる自発光安全用品であって、前記太陽電池に色素増感型太陽電池が用いられると共に、標示部の少なくとも一部が透明体からなり、該透明体の内面上に色素増感型太陽電池が直接形成され、そしてその色素増感型太陽電池が内面上に直接形成された透明体は、該透明体の内面上に直接導電性薄膜を形成した後、該導電性薄膜上に金属酸化物半導体を設けると共に、該金属酸化物半導体の表面に色素を吸着させて作用電極となし、この作用電極に相対向するように対電極を重ね、前記作用電極と対電極との間に、電解質を含んだ電解質材料を充填させることにより形成されるものであることを特徴とする自発光安全用品。
  3. 太陽電池によって発電した電力で発光体を点灯または点滅させる自発光安全用品であって、前記太陽電池に色素増感型太陽電池が用いられると共に、上部にカバー状の透明体を有し、該透明体の内面上に色素増感型太陽電池が直接形成されるとともに該透明体の下方に発光体が収納され、太陽光が透明体を透過して色素増感型太陽電池に入射され、発光体の光が透明体を透過して外部に放出されるようになされ、そしてその色素増感型太陽電池が内面上に直接形成された透明体は、該透明体の内面上に直接導電性薄膜を形成した後、該導電性薄膜上に金属酸化物半導体を設けると共に、該金属酸化物半導体の表面に色素を吸着させて作用電極となし、この作用電極に相対向するように対電極を重ね、前記作用電極と対電極との間に、電解質を含んだ電解質材料を充填させることにより形成されるものであることを特徴とする自発光安全用品。
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