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JP4490866B2 - 電気化学キャパシタ用電極、それに用いる組成物及び前記電極の製造方法、並びに該電極を用いた電気化学キャパシタ - Google Patents
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JP4490866B2 - 電気化学キャパシタ用電極、それに用いる組成物及び前記電極の製造方法、並びに該電極を用いた電気化学キャパシタ - Google Patents

電気化学キャパシタ用電極、それに用いる組成物及び前記電極の製造方法、並びに該電極を用いた電気化学キャパシタ Download PDF

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Description

本発明は電気化学キャパシタ用電極及びその製造方法に関し、特に、接着性に優れる特殊なバインダーを用いることを特徴とする、耐熱性及び耐電解液性に優れた電極、その製造方法及び該電極に使用する組成物並びに該電極を用いた電気化学キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタやレドックスキャパシタ、ハイブリッドキャパシタ等の電気化学キャパシタは、二次電池に比べて長寿命であり、高サイクル特性や瞬時の充放電特性に優れている。特に電気二重層キャパシタは、メモリのバックアップ電源として近年急速に需要が伸びている。またこの電気化学キャパシタは、車載バッテリーやモーター等の補助電源等の用途として注目されており、大容量の電気化学キャパシタの開発が進められている。
例えば、電気二重層キャパシタの構造は、一対の集電体上に形成された分極性電極間にセパレータを介在させたものを、積層もしくは巻回し、電解液を含浸させた状態で、ケースに収納した構造をとっている。このうち電極は、活性炭のような炭素系粉末とポリテトラフルオロエチレンからなるバインダーとを添加して混合した材料を、薄くシート状に形成して構成されていた。
電気二重層は電解液と導電性材料との界面で生じるため、導電性材料の表面積が大きいほどキャパシタの容量は大きくなることが知られている。実際、導電性材料の表面積を大きくするために導電性材料の細孔を小さくし、表面積を大きくするほどキャパシタの容量は大きくなる。しかしながら、細孔を小さくすると電解液の移動度が小さくなり、キャパシタの内部抵抗が上昇するという欠点がある。そこで、内部抵抗が小さいだけでなく大容量でもある、電気二重層キャパシタを製造することは非常に困難である。
電気二重層キャパシタの容量を大きくするため、あるいは内部抵抗を減らす観点から、種々の導電性材料の改良が報告されている。導電性材料自体が酸化還元反応により蓄電するレドックス型キャパシタや、電極の一方にファラデー反応を伴う電極を使用したハイブリッドキャパシタ等が提案されている(非特許文献1)。
「大容量キャパシタ技術と材料 II−電気二重層キャパシタとスーパーキャパシタの最新動向−、株式会社シーエムシー、2003年1月発行」
一方、電極を構成するもう一つの成分であるバインダーは、耐電解液性、電気化学的な安定性、及び耐熱性を有する材料である必要があり、具体的にはポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデン等の樹脂が使用されている。
しかしながら、バインダーの使用量を多くすると電極の内部抵抗が高くなるという悪影響が生じるので、内部抵抗を減らすためにはバインダーの使用量を少なくすることが好ましい。一方、バインダーの使用量を少なくすると電極と集電体との接着性が不十分となるので、却って内部抵抗が高くなるという欠点があった。
最近、電極と集電体との接着性が良好で、耐熱性、耐薬品性に優れるバインダー組成物として、熱硬化型のポリイミドシリコーン樹脂組成物が開示されているが(特許文献1)、この組成物をバインダーに使用した場合には、耐薬品性はあるものの電解液に浸漬すると膨潤するという欠点があった。
特開2002−289196公報
また、電極と集電体とを接着する接着層のバインダーとして、ポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂を使用することが提案されているが(特許文献2)、これらの樹脂は耐熱性や耐薬品性は高いものの、金属やポリテトラフルオロエチレン等の有機樹脂との接着性が十分ではない。
特開2004−48055公報
従って、本発明の第1の目的は、耐熱性及び耐電解液性に優れると共に、集電体と強力に接着された電気化学キャパシタ用の電極を提供することである。
本発明の第2の目的は、耐熱性及び耐電解液性に優れた電極を集電体と強力に接着するための、電気化学キャパシタ用の電極に用いる組成物を提供することである。
本発明の第3の目的は、耐熱性及び耐電解液性に優れた電気化学キャパシタ用の電極の製造方法を提供する事にある。
更に、本発明の第4の目的は、耐熱性及び耐電解液性に優れると共に、高容量で安定性が高い電気化学キャパシタを提供することである。
本発明者等は、上記の諸目的を達成するために鋭意検討を行った結果、電極を導電性材料と、特定のポリイミドシリコーンを含有するバインダーによって構成することにより、集電体との接着性、耐熱性、耐電解液性に優れた電気化学キャパシタ用の電極が得られること、更に、この電気化学キャパシタ電極を集電体、電解液及びセパレータと組み合わせることにより高容量で安定な電気化学キャパシタが得られることを見出し、本発明に至った。
即ち本発明は、電極、集電体、電解液及びセパレータからなる電気化学キャパシタ用の電極であって、該電極が、少なくとも、導電性材料、及び下記一般式(1)で表されると共に平均分子量が5,000〜150,000のポリイミドシリコーンを含有することを特徴とする電気化学キャパシタ用電極である。
一般式(1)
Figure 0004490866
ただし、Xは下記(2)〜(7)の式で表される4価の有機基から選択された少なくとも1種、Yは下記式(8)、(9)の何れかで表されるエーテル結合を有する有機基であり、Zは、後記一般式(15)で表わされるシロキサンジアミン残基であると共に、該一般式(15)で表わされるシロキサンジアミン残基が一般式(1)で表されるポリイミドシリコーンに占める割合は、10質量%以下である。
(2)
Figure 0004490866
(3)
Figure 0004490866

(4)
Figure 0004490866
(5)
Figure 0004490866
(6)
Figure 0004490866
(7)
Figure 0004490866

(8)
Figure 0004490866
(9)
Figure 0004490866
ただし、前記(8)式中のBは下記式(10)〜(14)のいずれかで表わされる2価の有機基である。
(10)
Figure 0004490866
(11)
Figure 0004490866
(12)
Figure 0004490866
(13)
Figure 0004490866
(14)
Figure 0004490866
前記一般式(15):
Figure 0004490866
上記(15)式中のaは1〜20の整数である。
また、前記一般式(1)中のm及びnは、0.8≦m/(m+n)≦0.99、0.01≦n/(m+n)≦0.2を満足する数である。
本発明の電極は、集電体と強力に接着しており、耐熱性、耐電解液性に優れているので、集電体、電解液及びセパレータと組み合わせる事により、高容量で安定性の高い電気化学キャパシタを得ることができる。
先ず、本発明の電気化学キャパシタ用電極について説明する。
本発明の電気化学キャパシタ用電極は、少なくとも、導電性材料及び平均分子量が5,000から150,000であるポリイミドシリコーンを含有し、該ポリイミドシリコーンが下記一般式(1)で表されることを特徴とする。即ち、該ポリイミドシリコーンがバインダーとして機能し、電極と集電体とを接着する。平均分子量が5,000未満では、電極の強度が十分ではなく、また150,000を超えると、ポリイミドシリコーンや電極の製造時の作業性が悪くなる。
一般式(1)
Figure 0004490866
前記一般式(1)中、Xは下記式(2)〜(7)で表される4価の有機基から選択された少なくとも1種の基である。本発明に使用するポリイミドシリコーンは、Xが1種のみからなるものでも、2種以上からなるものでもよい。
(2)
Figure 0004490866
(3)
Figure 0004490866
(4)
Figure 0004490866
(5)
Figure 0004490866
(6)
Figure 0004490866
(7)
Figure 0004490866
前記一般式(1)中、Yは下記式(8)、(9)の何れかで表されるエーテル結合を有する有機基である。本発明に使用するポリイミドシリコーンは、Yが1種のみからなるものでも、2種からなるものでもよい。
(8)
Figure 0004490866
(9)
Figure 0004490866
上記(8)式中のBは下記式(10)〜(14)のいずれかで表わされる2価の有機基である。本発明に使用するポリイミドシリコーンは、Bが1種のみからなるものでも、2種以上からなるものでもよい。
(10)
Figure 0004490866
(11)
Figure 0004490866
(12)
Figure 0004490866
(13)
Figure 0004490866
(14)
Figure 0004490866
前記一般式(1)中のZは、下記一般式(15)で表わされるシロキサンジアミン残基である。
一般式(15)
Figure 0004490866
上記(15)式中、( )内はシロキサンの繰り返し単位であり、aはその繰り返しの数である。aは1〜20の整数であることが必要であり、好ましくは1〜10の整数である。aが20を超えると集電体への接着性が低下する。
また、前記一般式(15)で表わされるシロキサンジアミン残基が、前記一般式(1)で表されるポリイミドシリコーンに占める割合は10質量%以下であることが必要である。10%を超えると良好な耐電解液性及び集電体への接着性を示さない。
前記一般式(1)中のm、nは以下の関係式を満足する必要がある。
0.8≦m/(m+n)≦0.99
0.01≦n/(m+n)≦0.2
より好ましくは、
0.9≦m/(m+n)≦0.99
0.01≦n/(m+n)≦0.1
を満足する。
n/(m+n)の値が0.01より少ないと集電体への接着性が悪くなり、0.2より多いと良好な耐電解液性を示さない。
なお、本発明の電気化学キャパシタ用の電極には、ポリイミドシリコーン中に、上記単位以外の他のポリイミドの繰り返しユニットが含有されていてもよい。この場合でも、上記の関係が満たされている事が必要である。
前記ポリイミドシリコーンに導電性材料を混合し、電気化学キャパシタ用の電極とする。導電性材料は、電極の面積を大きくし、キャパシタの蓄電能力を大きくするという観点から、炭素材料や遷移金属複合酸化物等を用いることが好ましい。炭素材料としては、例えば、球状あるいは繊維状の人造黒鉛、コークス等の易黒鉛化性炭素、またはフェノール樹脂焼成体等の難黒鉛化性炭素等を、アルカリ金属水酸化物や水蒸気によって賦活処理した、高比表面積の活性炭を用いることができる。遷移金属複合酸化物としては、例えば、MnO、V、LiCoO、LiNiO等を用いることができ、更にアセチレンブラック、黒鉛等の導電性付与剤を必要に応じて混合しても良い。
導電性材料とポリイミドシリコーンの質量比は99:1〜80:20であることが好ましく、99:1〜85:15であることがより好ましい。ポリイミドシリコーンの比率を20より多くすると電気化学キャパシタの内部抵抗が大きくなり、ポリイミドシリコーンの比率を1より少なくすると集電体への接着性が悪くなる。
次に、本発明の電気化学キャパシタ用電極に用いる組成物について説明する。
本発明の電気化学キャパシタ用電極に使用するポリイミドシリコーンは溶剤に不溶であり、予め硬化させた電極を集電体に接着することはできない。従って、本発明の電気化学キャパシタ用電極の製造においては、ポリイミドシリコーンの前駆体であるポリアミック酸と導電性材料を混合した組成物を用いる。即ち、該組成物を集電体に塗布し、その後熱処理することにより、組成物が硬化すると共に集電体に接着するので、本発明の電気化学キャパシタ用電極が得られる。
本発明で使用するポリイミドシリコーンの前駆体であるポリアミック酸は、下記一般式(16)で表される。
一般式(16)
Figure 0004490866
上記(16)式中のX、Y、Z、m及びnは前述した一般式(1)のものと同じである。
本発明で使用するポリアミック酸は、公知の方法により合成される。即ち、テトラカルボン酸二無水物成分と芳香族ジアミン及びジアミノシロキサンとをNメチル2ピロリドン等の溶剤に溶解し、0〜50℃程度で反応させることにより、容易にポリアミック酸が合成される。
テトラカルボン酸二無水物成分に対するジアミン成分の割合は、目標とするポリイミドシリコーン樹脂の分子量の調整等の観点から適宜決められる。通常は、モル比で0.95〜1.05、好ましくは0.98〜1.02の範囲である。
得られたポリアミック酸溶液と導電性材料を混合することにより、本発明の電気化学キャパシタ用電極に用いる組成物が得られる。導電性材料については前述したとおりである。導電性材料とポリアミック酸都の混合比は99:1〜80:20であることが好ましく、99:1〜85:15であることがより好ましい。ポリアミック酸の比率を20より多くすると電気化学キャパシタの内部抵抗が大きくなり、ポリアミック酸の比率を1より少なくすると集電体への接着性が悪くなる。また、熱処理後のポリイミドシリコーン樹脂の分子量を調整するために、無水フタル酸やアニリン等の官能基含有原料を添加することも可能である。この場合の添加量は、目的収量のポリイミドシリコーン樹脂の量に対して5モル%以下であることが好ましい。
次に、本発明の電気化学キャパシタ用電極の製造方法について説明する。電気化学キャパシタ用電極の製造方法は、前記した本発明の電気化学キャパシタ用電極に用いる組成物を集電体表面に塗布する工程、次いで、前記ポリアミック酸を硬化させると共に電極と集電体を接着させる熱処理工程からなる。
集電体はアルミニウム、銅、ニッケル、ステンレススチール等からなるメッシュメタル、パンチメタル、箔等、公知のものの中から適宜選択して使用することができる。
電気化学キャパシタ用電極に用いる組成物を集電体に塗布する際には、必要に応じて、混合物を溶剤で希釈しても、増粘剤を添加して増粘させてもよい。塗布後、熱処理によりポリアミック酸の酸アミド部とカルボキシル基の脱水閉環反応を進行させ、ポリイミドシリコーンとする。この反応により、上記混合物からなる組成物が硬化して電極となると共に集電体に強力に接着するので、電極と集電体との間の接触不良を抑制することができる。
熱処理の温度範囲は、通常200℃以上600℃以下、好ましくは250℃以上500℃以下である。200℃未満では閉環反応が進行しにくくなるので好ましくない。600℃以上では、ポリイミドシリコーン樹脂が熱分解するので好ましくない。
次に、本発明の電気化学キャパシタについて説明する。
本発明の電気化学キャパシタは、本発明の電気化学キャパシタ用電極、集電体、電解液、及びセパレータからなる。前述したとおり、本発明において、電気化学キャパシタ用電極は集電体に接着した状態で提供される。
セパレータは公知のものの中から適宜選択して使用することができるが、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエステル等からなる微多孔膜を使用することが好ましい。
電解液は公知のものの中から適宜選択して使用する。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート類やスルホラン等のスルホラン類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類などから選ばれる一種または二種以上の有機溶媒に、テトラエチルアンモニウムテトラフロロボレート、テトラメチルアンモニウムテトラフロロボレート、テトラプロピルアンモニウムテトラフロロボレート等のアンモニウムテトラフロロボレート類や、テトラエチルアンモニウムパークロレートのようなアンモニウム過塩素酸塩類、テトラエチルアンモニウムヘキサフロロホスフェートのようなアンモニウムヘキサフロロホスフェート類等の電解質を、0.5モル/リットル〜5モル/リットル含有させた溶液を用いれば良い。また、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオンなどの有機陽イオンと、BF 、CFSO などの陰イオンからなる、常温溶融塩であるいわゆるイオン性液体を用いてもよい。
本発明の電気化学キャパシタは、公知の態様とすることができる。例えば、一対の集電体上に形成されたポリイミドシリコーン及び導電性材料からなる電極間にセパレータを介在させたものを、積層もしくは巻回し、電解液を含浸させた状態で、ケースに収納すればよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、合成例、実施例及び比較例に使用した物質名を下記のように略記する。また、下記の例において「部」は「質量部」を示す。
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物:BTDA
3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物:DSDA
4,4’−ジアミノフェニルエーテル:DPE
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン:APB
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン:BAPP
3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル:HAB
N,N−ジグリシジル−4−グリシジロキシアニリン:GGA
[合成例1](ポリアミック酸溶液(I)の合成)
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えたフラスコ内に、BTDA96.6g(0.30モル)及びN−メチル−2−ピロリドン300gを仕込んだ。次いで、DPE54.0g(0.27モル)及び下記一般式(17)で表されるジアミノシロキサン7.5g(a=1、0.03モル)をN−メチル−2−ピロリドン174.3gに溶解した溶液を、反応系の温度が50℃を超えないように調節しながら、上記フラスコ内に滴下した。滴下終了後、更に室温で10時間撹拌し、25質量%のポリアミック酸樹脂の溶液を得た。テトラヒドロフランを溶媒とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、該樹脂の質量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ17,000であった。この樹脂溶液(樹脂中のシロキサン部分は4.1質量%)を「ポリアミック酸溶液(I)」とし、実施例に供した。
(17)
Figure 0004490866
[合成例2](ポリアミック酸溶液(II)の合成)
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えたフラスコ内に、BTDA96.6g(0.30モル)及びN−メチル−2−ピロリドン300gを仕込んだ。次いで、APB78.8g(0.27モル)及び前記一般式(17)で表されるジアミノシロキサン7.5g(a=1、0.03モル)をN−メチル−2−ピロリドン248.7gに溶解した溶液を、反応系の温度が50℃を超えないように調節しながら、上記フラスコ内に滴下した。滴下終了後、更に室温で10時間撹拌し、25質量%のポリアミック酸樹脂の溶液を得た。テトラヒドロフランを溶媒とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、該樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ19,000であった。この樹脂溶液(樹脂中のシロキサン部分は3.6質量%)を「ポリアミック酸溶液(II)」とし、実施例に供した。
[合成例3](ポリアミック酸溶液(III)の合成)
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えたフラスコ内に、BTDA96.6g(0.30モル)及びN−メチル−2−ピロリドン300gを仕込んだ。次いで、BAPP110.9g(0.27モル)及び前記一般式(17)で表されるジアミノシロキサン7.5g(a=1、0.03モル)をN−メチル−2−ピロリドン345gに溶解した溶液を、反応系の温度が50℃を超えないように調節しながら、上記フラスコ内に滴下した。滴下終了後、更に室温で10時間撹拌し、25質量%のポリアミック酸樹脂の溶液を得た。テトラヒドロフランを溶媒とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、該樹脂の質量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ23,000であった。この樹脂溶液(樹脂中のシロキサン部分は3.0質量%)を「ポリアミック酸溶液(III)」とし、実施例に供した。
[合成例4](ポリアミック酸溶液(IV)の合成)
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えたフラスコ内に、BTDA96.6g(0.30モル)及びN−メチル−2−ピロリドン300gを仕込んだ。次いで、DPE57.0g(0.285モル)及び前記一般式(17)で表されるジアミノシロキサン45.9g(aの平均は39、0.015モル)をN−メチル−2−ピロリドン298.5gに溶解した溶液を、反応系の温度が50℃を超えないように調節しながら、上記フラスコ内に滴下した。滴下終了後、更に室温で10時間撹拌し、25質量%のポリアミック酸樹脂の溶液を得た。テトラヒドロフランを溶媒とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、該樹脂の質量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ36,000であった。この樹脂溶液(樹脂中のシロキサン部分は22.8質量%)を「ポリアミック酸溶液(IV)」とし、比較例に供した。
[合成例5](ポリイミドシリコーン(V)の合成)
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えたフラスコ内に、DSDA107.4g(0.30モル)及びシクロヘキサノン400gを仕込んだ。次いで、前記式(17)で表されるジアミノシロキサン51.6g(aの平均は9.3、0.06モル)、HAB32.7g(0.15モル)及びBAPP36.9g(0.09モル)をシクロヘキサノン100gに溶解した溶液を、反応系の温度が50℃を超えないように調節しながら上記フラスコ内に滴下した。滴下終了後、更に室温で10時間撹拌した。
次に、該フラスコに水分受容器付き還流冷却器を取り付けた後、トルエン60gを加え150℃まで昇温し、6時間保持したところ褐色の溶液が得られた。これをメタノール中に投入して固形分を取り出し、乾燥したところ、褐色の樹脂が得られた。得られた樹脂の赤外吸光スペクトルを測定したところ、未反応の官能基があることを示すポリアミック酸に基づく吸収は現れず、1780cm−1及び1720cm−1に、イミド基に基づく吸収を確認した。テトラヒドロフランを溶媒とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、該樹脂の質量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ15,000であった。またフェノール当量は762g/molであった。この樹脂溶液(樹脂中のシロキサン部分は22.3質量%)を「ポリイミドシリコーン(V)」とし、比較例に供した。
バインダー成分として、合成例1で得られた25質量%のポリアミック酸溶液(I)20部に対し、導電性材料として活性炭粉末(比表面積1700m/g、平均粒径10μm)95部を混練し、ポリアミック酸と活性炭の質量比が1:19のキャパシタ電極用組成物とした。
集電体として、エッチング処理を施した厚さ0.1mmのアルミニウム箔を用い、その表面に前記キャパシタ電極用組成物を塗布し、150℃/30分、次いで300℃/1時間の熱処理を行って熱硬化させ、アルミニウム箔集電体に電極が接着された、シート状の試験片を作製した。
得られた試験片の耐熱接着性及び耐電解液性の試験を、以下の方法によって行った。結果を表2に示す。
[耐熱接着性]
初期接着性及び240℃/240時間後の屈曲追従接着性を、以下の方法によって評価した。
マンドレル(2mmφ)を用いて屈曲した後、皮膜のアルミニウム箔からの剥離、皮膜のクラック発生を目視にて観察した。
[耐電解液性]
1モル/リットルのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートを含むプロピレンカーボネート溶液に、試験片を60℃/96時間浸漬し、溶液を吸収したことによる試験片の質量の増加率を測定することにより、耐電解液性を評価した。
[電気化学キャパシタの性能試験]
直径15mmの円形状の試験片に、電解液として1モル/リットルのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートを含むプロピレンカーボネート溶液を含浸させ、ポリプロピレン繊維の不織布からなるセパレータを両電極間に挟んで対向させ、電気化学キャパシタを組み立てた。
得られた電気化学キャパシタの初期の放電容量及び内部抵抗を測定し、更に60℃の恒温槽中で、0〜2.8Vの間で3mA/cmの定電流による充放電を1サイクルとし、500サイクル繰り返し使用した後の放電容量及び内部抵抗を測定した。このようにして使用前後の性能変化を観察することにより、電気化学キャパシタの長期的使用に対する加速試験を行い、安定性を評価した。
[実施例2、3]
ポリアミック酸溶液(I)に代えて、ポリアミック酸溶液(II)、(III)を用いて実施例1と同様にして試験片を作製し、その特性を評価した。
[比較例1]
バインダー成分としてポリテトラフルオロエチレン(平均粒径500μm)5部に対し、活性炭粉末(比表面積1700m/g、平均粒径10μm)を95部及びエタノール30部を加えて混練し、バインダーと活性炭の質量比が1:19の混合物を得た。この混合物をアルミニウム板(厚さ0.1mm)上に塗布し、100℃/1時間の熱処理を行って試験片を作製した。得られた試験片を用い、実施例1と同様にしてその特性を評価した。
[比較例2]
バインダー成分としてシリコーンの入っていないポリアミック酸20質量%溶液(リカコートSN−20 新日本理化社製)25部に対し、活性炭粉末(比表面積1700m/g、平均粒径10μm)95部を加えて混練し、バインダーと活性炭の質量比が1:19の混合物を得た。この混合物をアルミニウム板(厚さ0.1mm)上に塗布し、150℃/30分、次いで350℃/1時間の熱処理を行い、試験片を作製した。得られた試験片を用いて実施例1と同様にしてその特性を評価した。
[比較例3]
バインダー成分として合成例4で得られた25質量%のポリアミック酸溶液(IV)20部に対し、活性炭粉末(比表面積1700m/g、平均粒径10μm)95部を混練し、ポリアミック酸と活性炭の質量比が1:19の混合物を得た。この混合物を、エッチング処理を施した厚さ0.1mmのアルミニウム箔の表面に塗布し、150℃/30分、次いで300℃/1時間の熱処理を行って熱硬化させ、アルミニウム箔集電体に強引に接着させ、試験片を作製した。得られた試験片を用いて実施例1と同様にしてその特性を評価した。
[比較例4]
合成例5で得られたポリイミドシリコーン樹脂(V)5部及びエポキシ化合物GGA0.6部をシクロヘキサノン30部で均一に溶解し、バインダー成分とした。このバインダーに対し、活性炭粉末(比表面積1700m/g、平均粒径10μm)111.4部を混練し、バインダーと活性炭の質量比が1:19の混合物を得た。この混合物をアルミニウム板(厚さ0.1mm)上に塗布し、105℃/30分、次いで150℃/1時間の熱処理を行って熱硬化させ、アルミニウム箔と接着して試験片を得た。得られた試験片を用いて実施例1と同様にしてその特性を評価した。
各実施例及び比較例の電極の成分を表1に、試験結果を表2にそれぞれ示す。
Figure 0004490866
PTFE:ポリテトラフルオロエチレン
PI:ポリイミド樹脂
Figure 0004490866
○:被膜剥離もクラックもなく良好
×:被膜剥離又はクラックあり
表2に示された結果より、以下の2点が確認された。
(1)本実施例による試験片は、いずれの場合も皮膜のアルミニウム箔からの剥離、皮膜のクラック発生が見られなかったことから、本発明の電気化学キャパシタ電極は、耐熱接着性が良好である。また、耐電解液性についても、溶剤の滲みこみによる質量増加は無く、耐電解液性は良好である。
(2)本発明の電極を用いた電気化学キャパシタは、高容量であると共に、500サイクル使用後における容量の減少及び内部抵抗の増加が共に少ないことから安定性も高い。
本発明の電気化学キャパシタ用電極は、耐熱性、耐電解液性に優れると共に集電体との接着性も良好であり、これを用いた本発明の電気化学キャパシタは高容量で安定性も優れているため、電気製品の部品として利用価値が高い。

Claims (9)

  1. 電極、集電体、電解液及びセパレータからなる電気化学キャパシタ用の電極であって、該電極が、少なくとも、導電性材料、及び下記一般式(1)で表されると共に平均分子量が5,000〜150,000のポリイミドシリコーンを含有することを特徴とする電気化学キャパシタ用電極;
    一般式(1)
    Figure 0004490866
    ただし、Xは下記(2)〜(7)の式で表される4価の有機基から選択された少なくとも1種、Yは下記式(8)、(9)の何れかで表されるエーテル結合を有する有機基であり、Zは、後記一般式(15)で表わされるシロキサンジアミン残基であると共に、該一般式(15)で表わされるシロキサンジアミン残基が一般式(1)で表されるポリイミドシリコーンに占める割合は、10質量%以下である。
    (2)
    Figure 0004490866
    (3)
    Figure 0004490866
    (4)
    Figure 0004490866
    (5)
    Figure 0004490866
    (6)
    Figure 0004490866
    (7)
    Figure 0004490866
    (8)
    Figure 0004490866
    (9)
    Figure 0004490866
    ただし、前記(8)式中のBは下記式(10)〜(14)のいずれかで表わされる2価の有機基である。
    (10)
    Figure 0004490866
    (11)
    Figure 0004490866
    (12)
    Figure 0004490866
    (13)
    Figure 0004490866
    (14)
    Figure 0004490866
    前記一般式(15):
    Figure 0004490866
    上記(15)式中のaは1〜20の整数である。
    また、前記一般式(1)中のm及びnは、0.8≦m/(m+n)≦0.99、0.01≦n/(m+n)≦0.2を満足する数である。
  2. 前記導電性材料が、炭素材料及び/又は遷移金属複合酸化物である、請求項1に記載された電気化学キャパシタ用電極。
  3. 前記導電性材料と前記ポリイミドシリコーンの質量比が99:1〜80:20である、請求項1又は2に記載された電気化学キャパシタ用電極
  4. 電極、集電体、電解液及びセパレータからなる電気化学キャパシタ用の電極に用いる組成物であって、該組成物が、少なくとも、導電性材料及び下記一般式(16)で表されるポリアミック酸を混合してなることを特徴とする、電気化学キャパシタ用電極に用いる組成物;
    一般式(16)
    Figure 0004490866
    ただし、Xは下記式(2)〜(7)で表される4価の有機基のから選択される少なくとも1種、Yは下記式(8)、(9)の何れかで表されるエーテル結合を有する有機基であり、Zは、後記一般式(15)で表わされるシロキサンジアミン残基であると共に、該一般式(15)で表わされるシロキサンジアミン残基が前記一般式(16)で表されるポリイミドシリコーンに占める割合は、10質量%以下である。
    (2)
    Figure 0004490866
    (3)
    Figure 0004490866
    (4)
    Figure 0004490866
    (5)
    Figure 0004490866
    (6)
    Figure 0004490866
    (7)
    Figure 0004490866
    (8)
    Figure 0004490866
    (9)
    Figure 0004490866
    ただし、前記(8)式中のBは下記式(10)〜(14)のいずれかで表わされる2価の有機基である。
    (10)
    Figure 0004490866
    (11)
    Figure 0004490866
    (12)
    Figure 0004490866
    (13)
    Figure 0004490866
    (14)
    Figure 0004490866
    前記一般式(15):
    Figure 0004490866
    上記(15)式中のaは1〜20の整数である。
    また、一般式(1)中のm及びnは、0.8≦m/(m+n)≦0.99、0.01≦n/(m+n)≦0.2を満足する数である。
  5. 前記導電性材料が、炭素材料及び/又は遷移金属複合酸化物である、請求項4に記載された電気化学キャパシタ用の電極に用いる組成物。
  6. 前記導電性と材料前記ポリアミック酸の質量比が99:1〜80:20である、請求項4又は5に記載された電気化学キャパシタ用の電極に用いる組成物。
  7. 請求項4〜6の何れかに記載された電気化学キャパシタ用の電極に用いる組成物を集電体表面に塗布する工程、次いで、前記ポリアミック酸を硬化させると共に電極と集電体を接着するための熱処理工程を含むことを特徴とする、電気化学キャパシタ電極の製造方法。
  8. 前記熱処理の温度が200℃以上600℃以下である、請求項7に記載された電気化学キャパシタ電極の製造方法。
  9. 電極、集電体、電解液、セパレータからなる電気化学キャパシタであって、該電極が請求項1〜3の何れかに記載された電極であることを特徴とする電気化学キャパシタ。

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