以下で、本発明の建設機械の遠隔操作システムの最良の実施の形態について図を用いて説明する。
図1は本発明の建設機械の遠隔操作システムの最良の実施形態の外観を示す図、図2は図1に示される無線リモコン装置の概略を示すブロック図、図3は図1に示す機械側装置の概略を示すブロック図である。
本実施形態は、図1に示す建設機械、すなわち油圧ショベル1を、遠隔操作の対象としている。この油圧ショベル1は、自身の走行を可能にする走行体2と、この走行体2上に旋回可能に設けられる旋回体3と、この旋回体3の前部に設けられブーム5、アーム6及びバケット7を回動可能に連結してなる作業機4とを備えている。
また、油圧ショベル1は、走行体2、旋回体3及び作業機4を駆動する油圧制御装置を備えている。この油圧駆動装置は、複数の油圧アクチュエータ、すなわち、走行体2を駆動する1対の走行モータ(図示しない)、旋回体3を駆動する旋回モータ(図示じない)、ブーム5を駆動する1対のブームシリンダ(図1に一方のブームシリンダ8のみ示す)、アーム6を駆動するアームシリンダ9、及び、バケット7を駆動するバケットシリンダ10を備えている。また、これらの油圧アクチュエータに供給する圧油を吐出するメインポンプ11を備えている。さらに、このメインポンプ11を駆動するエンジン、エンジン制御機器及びエンジン制御機器を制御するエンジン用コントローラがまとまったエンジンユニット12とを備えている。
また、油圧駆動装置は、メインポンプ11から複数の油圧アクチュエータのそれぞれに供給する圧油の流れを制御する油圧制御回路(図示しない)を備えている。油圧制御回路は、複数のメインコントロールバルブ、すなわち、走行モータ制御用メインコントロールバルブ、旋回モータ制御用メインコントロールバルブ、ブームシリンダ制御用メインコントロールバルブ、アームシリンダ制御用メインコントロールバルブ及びバケットシリンダ制御用メインコントロールバルブを備えている。また、これらのメインコントロールバルブに与えるパイロット圧の油圧源となるパイロットポンプ(図示しない)と、各メインコントロールバルブに対応して複数設けられパイロットポンプの吐出圧を一次圧としてパイロット圧を生成し出力する比例電磁弁を備えている。また、これらの比例電磁弁とパイロットポンプを初期位置で連通させ、作動位置で遮断する電磁式のON/OFF弁を備えている。図1における13は、前記複数のメインコントロールバルブと、前記複数の電磁比例弁と、前記ON/OFF弁とを一体化したメインコントロールバルブユニットである。
また、油圧ショベル1は、旋回体3の後部の左右側部のそれぞれに、旋回体3が旋回することを報知する黄色回転灯14,15を備えている。また、運転室3aの前部の左上側に、遠隔操作が行われていることを報知する青色回転灯16を備えている。また、運転室3aの前部の右上側に、油圧ショベル1が非常停止した状態であることを報知する赤色回転灯17を備えている。
本実施形態は、このように構成された油圧ショベル1の遠隔操作に適用されるものであて、同図1に示すように、操作者が油圧ショベル1の外部で操作する無線リモコン装置20と、油圧ショベル1に設けられる機械側装置40とを備えている。
図2に示すように、無線リモコン装置20は、起動スイッチ21、エンジンスイッチ22、非常停止スイッチ23、アーム・旋回操作装置24、ブーム・バケット操作装置25、近距離モードスイッチ26、及び遠距離モードスイッチ27と、これらからの操作信号に応じて、予め設定された処理を行うコンピュータ28とを備えている。
起動スイッチ21は、操作ボタン21aの押圧操作に伴って押圧操作信号を出力するようになっている。コンピュータ28は、電源投入後の最初の押圧操作信号に応じてシステムを起動させ、その次の押圧操作信号に応じてシステムを終了させるように設定されている。つまり、コンピュータ28は、起動スイッチ21から押圧操作信号を与えられる度に交互にシステムの起動と終了を行うようになっている。また、コンピュータ28は、自身の記憶装置(図示しない)から、前回設定されていた通信モード(後述する近距離モード及び遠距離モード)を読み出して、その通信モードへの設定を指令する通信モード設定信号を出力するように設定されている。
エンジンスイッチ22は、操作ボタン22aの押圧操作に伴って押圧操作信号を出力するようになっている。コンピュータ28は、システムの起動後に初めてエンジンスイッチ22から与えられる押圧操作信号に応じて、エンジン始動指令信号を出力するように設定されていて、その次にエンジンスイッチ22から与えられる押圧操作信号に応じて、エンジン停止指令信号を出力するように設定されている。つまり、コンピュータ28はエンジンスイッチ22から押圧操作信号を与えられる度に交互にエンジン始動指令信号とエンジン停止指令信号を出力するようになっている。
非常停止スイッチ23は、操作ボタン23aの押圧操作に伴って押圧操作信号を出力するようになっている。コンピュータ28は、非常停止スイッチ23からの押圧操作信号に応じて、油圧ショベル1の非常停止を指定する非常停止指令信号を出力するようになっている。
アーム・旋回操作装置24は、運転室3aの前後方向における操作レバー24aの傾倒角度に相応する前後操作信号、及び、同左右方向における操作レバー24aの傾倒角度に相応する左右操作信号を出力するようになっている。コンピュータ28は、アーム・旋回操作装置24からの前後操作信号に対応するアーム指令信号、及び、同操作装置24からの左右操作信号に対応する旋回指令信号を出力するようになっている。アーム指令信号はアーム6の回動方向及び回動速度を指令する信号であり、旋回指令信号は旋回体3の旋回方向及び旋回速度を指令する信号である。
ブーム・バケット操作装置25は、運転室3aの前後方向における操作レバー25aの傾倒角度に相応する前後操作信号、及び、同左右方向における操作レバー25aの傾倒角度に相応する左右操作信号を出力するようになっている。コンピュータ28は、ブーム・バケット操作装置25からの前後操作信号に対応するブーム指令信号、及び、同操作装置25からの左右操作信号に対応するバケット指令信号を出力するようになっている。ブーム指令信号はブーム5の回動方向及び回動速度を指令する信号であり、バケット指令信号はバケット7の回動方向及び回動速度を指令する信号である。
なお、無線リモコン装置20は、操作装置24,25の他にも、油圧ショベル1の走行方向や走行速度を指令するための操作装置や、エンジン回転数を指令するための操作装置を備えているが、それらの操作装置の説明については省略する。
近距離モードスイッチ26は、操作ボタン26aの押圧操作に伴って押圧操作信号を出力するようになっている。コンピュータ28は、近距離モードスイッチ26からの押圧操作信号を与えられると、信号の変調方式をFSK方式に設定すること、すなわち、通信モードを近距離モードに設定することを指令する近距離モード設定信号を出力するように設定されている。
遠距離モードスイッチ27は、操作ボタン27aの押圧操作に伴って押圧操作信号を出力するようになっている。コンピュータ28は、遠距離モードスイッチ27からの押圧操作信号を与えられると、信号の変調方式をMSK方式に設定すること、すなわち、通信モードを遠距離モードに設定することを指令する遠距離モード設定信号を出力するように設定されている。
また、無線リモコン装置20は、送信器29、FSK変調器30、MSK変調器31、切換器32を備えている。送信器29は、コンピュータ28が出力する指令信号を、電波の形で送信する無線送信器である。指令信号は送信器29から電波の形で送信される前に、FSK変調器30やMSK変調器31によって変調されるようになっている。FSK変調器30は、指令信号の変調を、近距離通信に適した近距離通信用変調方式、すなわちFSK方式で行う変調器である。MSK変調器31は、指令信号の変調を、遠距離通信に適した遠距離通信用変調方式、すなわちMSK方式で行う変調器である。
切換器32は、指令信号の変調に使用する変調器を、前記近距離モード設定信号や前記遠距離モード設定信号に応じて、FSK変調器30及びMSK変調器31の一方に切換えるリレーであり、FSK変調器30に接続された固定接点32aと、MSK変調器31に接続された固定接点32bと、一端がコンピュータ28に接続されていて他端を固定接点32a,32bに選択的に接触させることが可能な可動接点32cと、この可動接点32cを駆動する接点駆動部32dとを備えている。接点駆動部32dは、近距離モード設定信号を与えられることによってFSK変調器30側の固定接点32aに向けて可動接点32cを駆動するようになっていて、遠距離モード設定信号を与えられることによってMSK変調器31側の固定接点32bに向けて可動接点32cを駆動するようになっている。
つまり、無線リモコン装置20は、近距離モードスイッチ26、遠距離モードスイッチ27、コンピュータ28、切換器32、FSK変調器30、及びMSK変調器31によって、機械側装置40へ送信する指令信号に施す変調の方式を、FSK方式とMSK方式のうちから選択可能になっている。
図1に戻り、機械側装置40は、受信装置50、コントローラ60を備えている。受信装置50は、作業機4による電波の遮断が生じにくい位置、例えば運転室3aの右側壁の上部の後部に取り付けられている。コントローラ60は運転室3aの下部に設置されている。
図3に示すように、受信装置50は、無線リモコン装置20からの電波を受信する受信器51と、FSK方式で変調された指令信号を復調して、無線リモコン装置20のコンピュータ28から出力された当初と同じ状態に戻すFSK復調器52と、MSK方式で変調された指令信号を復調して、無線リモコン装置20のコンピュータ28から出力された当初と同じ状態に戻すMSK復調器53と、受信器51が受信した指令信号に対して施された変調の方式に応じて、コントローラ60に接続する復調器を、FSK復調器52及びMSK復調器53の一方に切換える切換器54とを備えている。
切換器54は、FSK復調器52に接続された固定接点54aと、MSK復調器53に接続された固定接点54bと、一端がコントローラ60に接続されていて他端を固定接点54a,47bに選択的に接触させることが可能な可動接点54cと、この可動接点54cを駆動する接点駆動部54dとを備えている。
接点駆動部54dはFSK復調器52とMSK復調器53との両方に接続されているが、MSK復調器53はFSK方式で変調された信号の復調しか行わないので、受信器51により受信された電波がFSK方式で変調された信号であれば、FSK復調器52が復調を行うことになる。逆に、FSK復調器52はMSK方式で変調された信号の復調しか行わないので、受信器51により受信された電波がMSK方式で変調された信号であれば、MSK復調器53が復調を行うことになる。
FSK復調器52は信号の復調を行う際、近距離モード設定信号を、接点駆動部54dとコントローラ60とへ出力するようになっている。接点駆動部54dは近距離モード設定信号を与えられることにより、FSK復調器52側の固定接点54aに向けて可動接点54cを駆動するようになっている。コントローラ60は近距離離通信モード設定信号応じて近距離モードになるように設定されている。
MSK復調器53は信号の復調を行う際、遠距離モード設定信号を、接点駆動部54dとコントローラ60とへ出力するようになっている。接点駆動部54dは遠距離モード設定信号を与えられることにより、MSK復調器53側の固定接点54bに向けて可動接点54cを駆動するようになっている。コントローラ60は遠距離モード設定信号に応じて遠距離モードになるように設定されている。
また、コントローラ60は起動スイッチ61を備えている。この起動スイッチ61は、操作ボタン61aの押圧操作に伴って押圧操作信号を出力するようになっている。コントローラ60は、電源投入後の最初の押圧操作信号に応じてシステムを起動させ、その次の押圧操作信号に応じてシステムを終了するように設定されている。つまり、コントローラ60は、起動スイッチ61から押圧操作信号を与えられる度に交互にシステムの起動と終了を行うようになっている。
同図3に示すように、コントローラ60は、切換器54からの指令信号に応じて、油圧ショベル1の前記油圧駆動装置を制御するコンピュータである。図3に1点鎖線で囲んで示した70が、油圧ショベル1の油圧駆動装置である。この油圧駆動装置70の図では、前記走行モータ、前記旋回モータ、前記ブームシリンダ等の複数の油圧アクチュエータ、前記複数のメインコントロールバルブ、前記複数の比例電磁弁をそれぞれまとめて71,72,73に簡略化してある。また、74,75,76はそれぞれ前記ON/OFF弁、前記エンジン用コントローラ、前記エンジン制御機器である。
コントローラ60は、前記エンジン始動指令信号に応じて、エンジン始動のための動作をエンジン制御機器76に行わせることを指令する指令信号を、エンジン用コントローラ75に出力するように設定されている。また、前記エンジン停止指令信号に応じて、エンジンを停止させる動作をエンジン制御機器76に行わせることを指令する指令信号を、エンジン用コントローラ75に出力するように設定されている。
また、コントローラ60は、前記非常停止指令信号に応じて、油圧ショベル1を非常停止させる非常停止制御を行うように設定されている。非常停止制御は、エンジン停止のための動作をエンジン制御機器76に行わせることを指令する指令信号を、エンジン用コントローラ75に出力する処理と、コントローラ60が以後のエンジン始動指令信号を無効なものとして処理する状態になる処理と、ON/OFF弁74を作動させる弁作動制御信号を出力する処理とから。
また、コントローラ60は、アームシリンダ制御用メインコントロールバルブに対応する比例電磁弁を制御するアーム制御信号を、アーム指令信号に応じて出力するように設定されている。同様に、旋回モータ制御用メインコントロールバルブに対応する比例電磁弁を制御する旋回制御信号を、旋回指令信号に応じて出力するように設定されている。同様に、ブームシリンダ制御用メインコントロールバルブに対応する比例電磁弁を制御するブーム制御信号を、ブーム指令信号に応じて出力するように設定されている。同様に、バケットシリンダ制御用メインコントロールバルブに対応する比例電磁弁を制御するバケット制御信号を、バケット指令信号に応じて出力するように設定されている。
特に本実施形態では、機械側装置40は、近距離通信時非常停止制御手段60aと、遠距離通信時非常停止制御手段60bとを備えている。近距離通信時非常停止制御手段60aは、FSK方式による油圧ショベル1の遠隔操作時、すなわち近距離モード時において、電波の異常の発生頻度が予め設定された第1設定頻度に達した場合に、非常停止制御を行うようにコントローラ60を設定することで構成されている。遠距離通信時非常停止制御手段60bは、MSK方式による建設機械の遠隔操作時、すなわち遠距離モード時において、電波の異常の発生頻度が第1設定頻度よりも高く予め設定された第2設定頻度に達した場合に、非常停止制御を行うようにコントローラ60を設定することで構成されている。
ここで、コントローラ60が近距離通信時非常停止制御手段60aや遠距離通信時非常停止制御手段60bとして機能するための具体的な設定について、図4を用いて説明する。図4は、電波に異常が発生する頻度と非常停止との関係の示す図である。
図4(a)に示すように、コントローラ60に送られてくる指令信号の受信データには、正常なフレーム(受信データ正常)と、電波断等により異常となったフレーム(受信データ異常)とが混在する。コントローラ60は、受信データのフレームを入力する度に、そのフレームが正常か異常かの判定を行うように設定されている。
同図4(b)に示すように、近距離モードとなったコントローラ60は、受信データのフレームを、予め設定されたフレーム数、例えば10フレーム連続して正常と判定したときに、受信を確立するように設定されている。
そして、コントローラ60は近距離通信時非常停止手段として機能するために、アーム指令信号、旋回指令信号、ブーム指令信号、及びバケット指令信号のそれぞれの受信確立後に、受信データのフレームを、予め設定されたフレーム数(前記第1設定頻度に相当)、例えば2フレーム連続して異常と判定したときに、非常停止制御を行うように設定されている。
同図4(c)に示すように、遠距離モードのコントローラ60は、指令信号の受信データのフレームを、近距離モード時よりも少なく予め設定されたフレーム数、例えば2フレーム連続して正常と判定したときに、受信を確立するように設定されている。
そして、コントローラ60は遠距離通信時非常停止手段として機能するために、アーム指令信号、旋回指令信号、ブーム指令信号、及びバケット指令信号のそれぞれの受信確立後に、受信データのフレームを、近距離モード時よりも多く予め設定されたフレーム数(前記第2設定頻度に相当)、例えば10フレーム連続して異常と判定したときに、非常停止制御を行うように設定されている。
また特に本実施形態では、無線リモコン装置20は、油圧ショベル1の非常停止状態の解除を指令する解除指令信号を、所定の操作部材の操作に応じて出力する非常停止解除指令手段28aを備えている。所定の操作部材は、例えば起動スイッチ21の操作ボタン21aである。非常停止解除指令手段28aは、起動スイッチ21からの押圧操作信号に応じてシステムを起動させるときに、コンピュータ28が解除指令信号を出力するように設定することで構成されている。
そして、機械側装置40は、解除指令信号に応じて油圧ショベル1の非常停止状態を解除する非常停止解除制御を行う非常停止解除制御手段60cを備えている。この非常停止解除制御手段60cは、コントローラ60が解除指令信号に応じて非常停止解除制御を行うように設定することで構成されている。非常停止解除制御は、以後のエンジン始動指令信号を有効な指令信号として処理する状態にコントローラ○が戻る処理と、ON/OFF弁74を初期位置に復帰させる弁復帰制御信号を出力する処理とからなる。
また特に本実施形態では、機械側装置40は、一時停止制御手段60dを備えている。この一時停止制御手段60は、MSK方式による油圧ショベル1の遠隔操作中、電波に異常がある場合に、その異常から電波が復帰するまでの間、油圧ショベル1を一時停止させる一時停止制御を行うようにコントローラ60を設定することで構成されている。一時停止制御は、受信確立後にフレームを異常と判定した場合に弁作動制御信号を出力する処理と、異常判定後に再び受信確立に必要な数と同数(2フレーム)連続して正常と判定したときに、すなわち電波が復帰したときに、弁復帰制御信号を出力する処理とからなる。
また、コントローラ60は、エンジン始動のための動作をエンジン制御機器76に行わせる指令信号を、エンジン用コントローラ75に出力することと並行して、青色回転灯16を作動させる青灯作動制御信号を出力するように設定されている。また、コントローラ60は非常停止処理を行うことと並行して、青色回転灯16を停止させる青灯停止制御信号と、赤色回転灯17を作動させる赤灯作動制御信号とを出力するように設定されている。また、旋回制御信号を出力することと並行して、黄色回転灯14,15を作動させる黄灯作動制御信号を出力するように設定されている。
このように構成した本実施形態は次のように動作する。
<近距離モード>
油圧ショベル1の近傍で遠隔操作を行う場合の本実施形態の動作について図5を用いて説明する。図5は近距離モードで油圧ショベルの遠隔操作を行う場合の機械側装置のコントローラの状態の遷移を説明する図である。
操作者が機械側装置40の起動スイッチ61の操作ボタン61aを押圧操作すると、起動スイッチ61からコントローラ60へ押圧操作信号が出力される。コントローラ60はこの押圧操作信号に応じてシステムを起動させ、指令信号を入力可能な待機状態Aとなる。
また、操作者が無線リモコン装置20の起動スイッチ21の操作ボタン21aを押圧操作すると、起動スイッチ21からコンピュータ28へ押圧操作信号が出力される。コンピュータ28はこの押圧操作信号に応じてシステムを起動させる。このとき、このコンピュータ28は、前回設定されていた通信モード、例えば遠距離モードを自身の記憶装置から読み出して、遠距離モード設定信号を切換器32の接点駆動部32dへ出力する。接点駆動部32dはこの遠距離モード設定信号に応じて、可動接点32cをMSK変調器31側の固定接点32bに向けて駆動し、これによりMSK変調器31が可動接点32c及び固定接点32bを介してコンピュータ28に接続される。つまり、無線リモコン装置20は遠距離モードとなる。
今は油圧ショベル1の近傍で遠隔操作を行うので、操作者は近距離モードスイッチ26の操作ボタン26aを押圧操作する。これに伴い、近距離モードスイッチ26からコンピュータ28に押圧操作信号が出力される。コンピュータ28はこの押圧操作信号に応じて近距離モード設定信号を切換器32の接点駆動部32dへ出力する。接点駆動部32dはこの近距離モード設定信号に応じて、MSK変調器31側の固定接点32bからFSK変調器30側の固定接点32aに向けて可動接点32cを駆動し、これによりFSK変調器30が可動接点32c及び固定接点32aを介してコンピュータ28に接続される。つまり、無線リモコン装置20は遠距離モードから近距離モードに切換わる。
その後、操作者がエンジンスイッチ22の操作ボタン22aを押圧操作すると、エンジンスイッチ22からコンピュータ28へ押圧操作信号が出力される。コンピュータ28はこの押圧操作信号に応じてエンジン始動指令信号を出力する。このエンジン始動指令信号は切換器32の可動接点32c及び固定接点32aを介してFSK変調器30に送られ、このFSK変調器30によりFSK方式で変調された後、送信器29により電波の形で機械側装置40へ送信される。
機械側装置40の受信装置50では、送信器29からのエンジン始動指令信号が受信器51により受信され、FSK復調器52とMSK復調器53との両方へ送られる。今はエンジン始動指令信号がFSK方式で変調された信号であるので、FSK復調器52がエンジン始動指令信号の復調を行う。
このFSK復調器52はエンジン始動指令信号の復調と並行して、コントローラ60と切換器54の接点駆動部54dとへ近距離モード設定信号を出力する。コントローラ60はこの近距離モード設定信号に応じて近距離モードになる。接点駆動部54dはこの近距離モード設定信号に応じて可動接点54cを固定接点54aに向けて駆動し、これによりFSK復調器52が、可動接点54c及び固定接点54aを介してコントローラ60に接続される。つまり、コントローラ60は近距離モードとなって、エンジン始動指令信号の入力を開始する。
そして、コントローラ60は、エンジン始動指令信号の受信データのフレームを入力する度に、そのフレームが正常か異常かの判定を行う。そして、10フレーム連続して正常と判定したときに受信を確立し(リモコン運転ON)、エンジン始動指令信号に応じて、エンジン始動のための動作をエンジン制御機器76に行わせることを指令する指令信号を、エンジン用コントローラ75へ出力する(待機状態A→リモコン運転ON→動作状態B1)。また、コントローラ60は、エンジン用コントローラ75への指令信号の出力と並行して、青灯作動制御信号を青色回転灯16へ出力する。その後、予め設定した時間が経過する間に、無線リモコン装置20からの別の指令信号がコントローラ60に送られてこなければ、コントローラ60は待機状態Aに戻る(動作状態B1→リモコン運転OFF→待機状態A)。
エンジン始動後、作業機4で作業を行うために、操作者が無線リモコン装置20のアーム・旋回操作装置24の操作レバー24aを前後方向や左右方向へ傾倒操作したり、ブーム・バケット操作装置25の操作レバー25aを前後方向や左右方向へ傾倒操作したりする。例えばアーム・旋回操作装置24の操作レバー24aを左右方向へ傾倒操作すると、アーム・旋回操作装置24からコンピュータ28へ左右操作信号が出力されて、コンピュータ28がこの左右操作信号に対応する旋回指令信号を出力する。
この旋回指令信号は、コンピュータ28から切換器32を介してFSK変調器30に送られ、このFSK変調器30により変調された後、送信器29により電波の形で機械側装置40へ送信される。
機械側装置40では、送信器29からの旋回指令信号が受信器51により受信され、FSK復調器52により復調される。また、このFSK復調器52は旋回指令信号の復調と並行して、コントローラ60と切換器54の接点駆動部54dとへ近距離モード設定信号を出力する。コントローラ60は、待機状態Aとなっていた場合、この近距離モード設定信号に応じて再び近距離モードとなる。接点駆動部54dは、この近距離モード設定信号に応じて、固定接点54aに向けて可動接点54cを再び駆動し、これによりFSK復調器52が、可動接点54c及び固定接点54aを介してコントローラ60に再び接続される。つまり、コントローラ60は再び近距離モードとなって、旋回指令信号の入力を開始する。
そして、コントローラ60は、旋回指令信号の受信データのフレームを入力する度に、そのフレームが正常か異常かの判定を行う。そして、10フレーム連続して正常と判定したときに受信を確立し(リモコン運転ON)、旋回指令信号に対応する旋回制御信号を、旋回モータ制御用メインコントロールバルブに対応する比例電磁弁へ出力する(待機状態A→リモコン運転ON→動作状態B1)。
また、コントローラ60は旋回制御信号の出力と並行して、黄灯作動制御信号を黄色回転灯14,15へ出力する。
その後、予め設定した時間が経過する間に、無線リモコン装置20からの別の指令信号がコントローラ60に送られてこなければ、コントローラ60は待機状態Aに戻る(動作状態B1→リモコン運転OFF→待機状態A)。
なお、操作者がアーム・旋回操作装置24の操作レバー24aを前後方向へ傾倒操作した場合、ブーム・バケット操作装置25の操作レバー25aを前後方向へ傾倒操作した場合、及び、同操作レバー25aを左右方向へ傾倒操作した場合のそれぞれにおける本実施形態の動作も、前述したアーム・旋回操作装置24の操作レバー24aを左右方向へ傾倒操作した場合と同様のなで、それらの動作については説明を省略する。
また、操作者がエンジンスイッチ22の操作ボタン22aを再度押圧操作して、エンジンスイッチ22からコンピュータ28へ押圧操作信号が再度出力されると、コンピュータ28はこの押圧操作信号に応じて、エンジン始動信号ではなくエンジン停止指令信号を出力する。このエンジン停止指令信号はエンジン始動指令信号や旋回指令信号の場合と同様に、切換器32の可動接点32c及び固定接点32a、FSK変調器30、送信器29、受信器51、FSK復調器52、切換器54の可動接点54c及び固定接点54aを介して、コントローラ60に送られる。コントローラ60はこのエンジン停止指令信号に応じて、エンジン停止のための動作をエンジン制御機器76に行わせることを指定する指令信号を、エンジン用コントローラ75に出力する。
その後、予め設定した時間が経過する間に、無線リモコン装置20からの別の指令信号がコントローラ60に送られてこなければ、コントローラ60は待機状態Aに戻る(動作状態B1→リモコン運転OFF→待機状態A)。
また、操作者が非常停止スイッチ23の操作ボタン23aを押圧操作して、非常停止スイッチ23からコンピュータ28へ押圧操作信号が出力されると、コンピュータ28はこの押圧信号に応じて非常停止指令信号を出力する。この非常停止指令信号もエンジン始動指令信号や旋回指令信号の場合と同様に、切換器32の可動接点32c及び固定接点32a、FSK変調器30、送信器29、受信器51、FSK復調器52、切換器54の可動接点54c及び固定接点54aを介して、コントローラ60に送られる。そして、コントローラ60は非常停止指令信号に応じて非常停止制御を行う(動作状態B1→非常停止スイッチON→非常停止状態C)。
また、コントローラ60は非常停止制御と並行して、青灯停止制御信号を青色回転灯16へ出力するとともに赤灯作動制御信号を赤色回転灯17へ出力する。
また、コントローラ60は、前述したようにアーム・旋回操作装置24やブーム・バケット操作装置25の操作に応じて、近距離モードで油圧駆動装置70を制御する一方で、近距離通信時非常停止制御手段60aとしても機能する。つまり、アーム指令信号や旋回指令信号等に電波断が生じ、この電波断に伴って遠距離通信時非常停止手段60bが受信データのフレームを2フレーム連続して異常と判定したときに、非常停止制御を行う(動作状態B1→電波断で非常停止ON→非常停止状態C)。
このときも、コントローラ60は非常停止制御と並行して、青灯停止制御信号を青色回転灯16へ出力するとともに赤灯作動制御信号を赤色回転灯17へ出力する。
油圧ショベル1が非常停止した場合、操作者は無線リモコン装置20の起動スイッチ21の操作ボタン21aを押圧操作してコンピュータ28のシステムを終了させ、再び操作ボタン21aを押圧操作してコンピュータ28のシステムを起動させる。このとき、コンピュータ28は解除指令信号を出力する。この解除指令信号もエンジン始動指令信号や旋回指令信号の場合と同様に、切換器32の可動接点32c及び固定接点32a、FSK変調器30、送信器29、受信器51、FSK復調器52、切換器54の可動接点54c及び固定接点54aを介して、コントローラ60に送られる。そして、コントローラ60は解除指令信号に応じて非常停止解除制御手段60cとして機能し、つまり非常停止解除制御を行い、非常停止解除制御終了後に待機状態Aに戻る(非常停止状態C→非常停止解除ON→待機状態A)。
<遠距離モード>
油圧ショベル1から遠く離れた位置で遠隔操作を行う場合の本実施形態の動作について図6を用いて説明する。図6は遠距離モードで油圧ショベルの遠隔操作を行う場合の機械側装置のコントローラの状態の遷移を説明する図である。
前述したように、操作者が機械側装置40の起動スイッチ61の操作ボタン61aを押圧操作すると、コントローラ60はシステムを起動させ、指令信号を入力可能な待機状態Aとなる。
また、前述したように、操作者が無線リモコン装置20の起動スイッチ21の操作ボタン21aを押圧操作すると、コンピュータ28はシステムを起動させるとともに、前回設定されていた通信モードを自身の記憶装置から読み出して、通信モード設定信号を切換器32の接点駆動部32dへ出力する。例えば近距離モード設定信号を接点駆動部32dへ出力したとする。接点駆動部32dは近距離モード設定信号に応じて、可動接点32cをFSK変調器30側の固定接点32aに向けて駆動し、これによりFSK変調器30が可動接点32c及び固定接点32aを介してコンピュータ28に接続される。つまり、無線リモコン装置20は近距離モードとなる。
今は油圧ショベル1から遠く離れた位置で遠隔操作を行うので、操作者は遠距離モードスイッチ27の操作ボタン27aを押圧操作する。これに伴い、遠距離モードスイッチ27からコンピュータ28へ押圧操作信号が出力される。コンピュータ28はこの押圧操作信号に応じて遠距離モード設定信号を切換器32の接点駆動部32dへ出力する。接点駆動部32dはこの遠距離モード設定信号に応じて、FSK変調器30側の固定接点32aからMSK変調器31側の固定接点32bに向けて可動接点32cを駆動し、これによりMSK変調器31が可動接点32c及び固定接点32bを介してコンピュータ28に接続される。つまり、無線リモコン装置20は、近距離モードから遠距離モードに切換わる。
その後、操作者がエンジンスイッチ22の操作ボタン22aを押圧操作すると、前述したように、コンピュータ28がエンジン始動指令信号を出力する。このエンジン始動指令信号は切換器32の可動接点32c及び固定接点32bを介してMSK変調器31に送られ、このMSK変調器31によりMSK方式で変調された後、送信器29により電波の形で機械側装置40へ送信される。
機械側装置40の受信装置50では、送信器29からのエンジン始動指令信号が受信器51により受信され、FSK復調器52とMSK復調器53との両方へ送られる。今はエンジン始動指令信号がMSK方式で変調された信号であるので、MSK復調器53がエンジン始動指令信号の復調を行う。
このMSK復調器53はエンジン始動指令信号の復調と並行して、コントローラ60と切換器54の接点駆動部54dとへ遠距離モード設定信号を出力する。コントローラ60はこの遠距離モード設定信号に応じて遠距離モードになる。接点駆動部54dはこの遠距離モード設定信号に応じて可動接点54cを固定接点54bに向けて駆動し、これによりMSK復調器53が、可動接点54c及び固定接点54bを介してコントローラ60に接続される。つまり、コントローラ60は遠距離モードとなって、エンジン始動指令信号の入力を開始する。
そして、コントローラ60は、エンジン始動指令信号の受信データのフレームを入力する度に、そのフレームが正常か異常かの判定を行う。そして、2フレーム連続して正常と判定したときに受信を確立し(リモコン運転ON)、エンジン始動指令信号に応じて、エンジン始動のための動作をエンジン制御機器76に行わせることを指令する指令信号を、エンジン用コントローラ75へ出力する(待機状態A→リモコン運転ON→動作状態B2)。
また、コントローラ60はエンジン用コントローラ75への指令信号の出力と並行して、青灯作動制御信号を青色回転灯16へ出力する。
その後、予め設定した時間が経過する間に無線リモコン装置20からの別の指令信号がコントローラ60に送られてこなければ、コントローラ60は待機状態Aに戻る(動作状態B2→リモコン運転OFF→待機状態A)。
エンジン始動後、作業機4で作業を行うために、操作者が無線リモコン装置20のアーム・旋回操作装置24の操作レバー24aを前後方向や左右方向へ傾倒操作したり、ブーム・バケット操作装置25の操作レバー25aを前後方向や左右方向へ傾倒操作したりする。前述したように、例えばアーム・旋回操作装置24の操作レバー24aを左右方向へ傾倒操作すると、コンピュータ28は旋回指令信号を出力する。
この旋回指令信号はコンピュータ28から切換器32を介してMSK変調器31に送られ、このMSK変調器31により変調された後、送信器29により電波の形で機械側装置40へ送信される。
機械側装置40では、送信器29からの旋回指令信号が受信器51により受信され、MSK復調器53により復調される。また、このMSK復調器53は旋回指令信号の復調と並行して、コントローラ60と切換器54の接点駆動部54dとへ遠距離モード設定信号を出力する。コントローラ60はこの遠距離モード設定信号に応じて遠距離モードとなる。接点駆動部54dはこの遠距離モード設定信号に応じて、可動接点54cを固定接点54bに向けて再び駆動し、これによりMSK復調器53が可動接点54c及び固定接点54bを介してコントローラ60に再び接続される。つまり、コントローラ60は再び遠距離モードとなって、旋回指令信号の入力を開始する。
そして、コントローラ60は、旋回指令信号の受信データのフレームを入力する度に、そのフレームが正常か異常かの判定を行う。そして、2フレーム連続して正常と判定したときに受信を確立し(リモコン運転ON)、旋回指令信号に対応する旋回制御信号を、旋回モータ制御用メインコントロールバルブに対応する比例電磁弁へ出力する(待機状態A→リモコン運転ON→動作状態B2)。
また、コントローラ60は旋回制御信号の出力と並行して、黄灯作動制御信号を黄色回転灯14,15へ出力する。その後、予め設定した時間が経過する間に、無線リモコン装置20からの別の指令信号がコントローラ60に送られてこなければ、待機状態Aに戻る(動作状態B2→リモコン運転OFF→待機状態A)。
なお、操作者がアーム・旋回操作装置24の操作レバー24aを前後方向へ傾倒操作した場合、ブーム・バケット操作装置25の操作レバー25aを前後方向へ傾倒操作した場合、及び、同操作レバー25aを左右方向へ傾倒操作した場合のそれぞれにおける本実施形態の動作も、アーム・旋回操作装置24の操作レバー24aを左右方向へ傾倒操作した場合と同様なので、それらの動作については説明を省略する。
また、操作者がエンジンスイッチ22の操作ボタン22aを再度押圧操作して、エンジンスイッチ22からコンピュータ28へ押圧操作信号が再度与えられると、コンピュータ28はエンジン始動信号ではなくエンジン停止指令信号を出力する。このエンジン停止指令信号はエンジン始動指令信号や旋回指令信号の場合と同様に、切換器32の可動接点32c及び固定接点32b、MSK変調器31、送信器29、受信器51、MSK復調器53、切換器54の可動接点54c及び固定接点54bを介して、コントローラ60に送られる。そして、前述したようにコントローラ60は、エンジン停止指令信号に応じて、エンジン停止のための動作をエンジン制御機器76に行わせる指令信号を、エンジン用コントローラ75に出力する。その後、予め設定した時間が経過する間に、無線リモコン装置20からの別の指令信号がコントローラ60に送られてこなければ、コントローラ60は待機状態Aに戻る(動作状態B2→リモコン運転OFF→待機状態A)。
また、操作者が非常停止スイッチ23の操作ボタン23aを押圧操作して、非常停止スイッチ23からコンピュータ28へ押圧操作信号がえられると、コンピュータ28は非常停止指令信号を出力する。この非常停止指令信号もエンジン始動指令信号や旋回指令信号の場合と同様に、切換器32の可動接点32c及び固定接点32b、MSK変調器31、送信器29、受信器51、MSK復調器53、切換器54の可動接点54c及び固定接点54bを介して、コントローラ60に送られる。そして、前述したようにコントローラ60は、非常停止指令信号に応じて非常停止制御を行う(動作状態B2→非常停止スイッチON→非常停止状態C)。
また、コントローラ60は非常停止制御と並行して、青灯停止制御信号を青色回転灯16へ出力するとともに赤灯作動制御信号を赤色回転灯17へ出力する。
また、コントローラ60は、アーム・旋回操作装置24やブーム・バケット操作装置25の操作に応じて、遠距離モードで油圧駆動装置70を制御する一方で、遠距離通信時非常停止制御手段60bとしても機能する。つまり、アーム指令信号や旋回指令信号等に電波断が生じ、この電波断に伴って遠距離通信時非常停止手段60bが受信データのフレームを10フレーム連続して異常と判定したときに、非常停止制御を行う(動作状態B2→電波断で非常停止ON→非常停止状態C)。
また、コントローラ60は、アーム・旋回操作装置24やブーム・バケット操作装置25のそれぞれの操作に応じて、遠距離モードで油圧駆動装置70を制御する一方で、一時停止制御手段60dとしても機能する。つまり、アーム指令信号、旋回指令信号、ブーム指令信号、及びバケット指令信号のそれぞれの受信確立後、受信データのフレームを異常と判定したとき、一時停止制御を行う(動作状態B2→一時停止ON→一時停止状態D)。
一時停止状態Dとなったコントローラ60は、受信データのフレームを再び2フレーム連続して正常と判定したときに、すなわち、電波が復帰したときに、弁復帰制御信号をON/OFF弁74へ出力し、動作状態B2に戻る(一時停止状態D→電波復帰→動作状態B2)。
また、コントローラ60は、遠距離通信時非常停止制御手段60bとしても機能するので、一時停止制御状態Dとなってからも連続してフレームを異常と判定し、10フレーム連続して異常と判定することとなったときには、すなわち、電波が復帰しなかったときには、非常停止制御を行う(一時停止状態D→電復帰せず非常停止ON→非常停止状態C)。
このときも、コントローラ60は非常停止制御と並行して、青灯停止制御信号を青色回転灯16へ出力するとともに赤灯作動制御信号を赤色回転灯17へ出力する。
油圧ショベル1が非常停止した場合、前述したように操作者は無線リモコン装置20の起動スイッチ21の操作ボタン21aを押圧操作してコンピュータ28のシステムを終了させ、再び操作ボタン21aを押圧操作してコンピュータ28のシステムを起動させる。つまり、コンピュータ28から解除指令信号を出力させる。この解除指令信号もエンジン始動指令信号や旋回指令信号の場合と同様に、切換器32の可動接点32c及び固定接点32b、MSK変調器31、送信器29、受信器51、MSK復調器53、切換器54の可動接点54c及び固定接点54bを介して、コントローラ60に送られる。そして、前述したようにコントローラ60は、解除指令信号に応じて非常停止解除制御手段60cとして機能し、つまり非常停止解除制御を行い、非常停止解除制御終了後に待機状態Aに戻る(非常停止状態C→非常停止解除ON→待機状態A)。
本実施形態によれば次の効果を得られる。
本実施形態では、FSK方式による油圧ショベル1の遠隔操作中に、電波の異常の発生頻度が第1設定頻度に達した場合に、つまり受信データのフレームが2フレーム連続して異常であった場合に、コントローラ60が近距離通信時非常停止制御手段60aとして非常停止制御を行う。また、MSK方式による油圧ショベル1の遠隔操作中に、電波の異常の発生頻度が第1設定頻度よりも高い第2設定頻度に達した場合に、つまり受信データのフレームが10フレーム連続して異常であった場合に、コントローラ60が遠距離通信時非常停止制御手段60bとして非常停止制御を行う。これらにより、油圧ショベル1の近傍で遠隔操作を行うときに油圧ショベル1を非常停止させる厳重度よりも、油圧ショベル1から遠く離れた位置で遠隔操作を行うときに油圧ショベル1を非常停止させる厳重度を低くすることができる。この結果、油圧ショベル1の近傍で遠隔操作を行う際の安全性を確保でき、また、油圧ショベル1から遠く離れた位置で遠隔操作を行う際の作業能率の向上に貢献できる。
また、本実施形態では、機械側装置40のコントローラ60が非常停止解除制御手段60cとして、無線リモコン装置20からの解除指令信号に応じて非常停止解除制御を行う。また、無線リモコン装置20のコンピュータ28のシステム起動時に解除指令信号が出力されるようになっている。これらのことから、起動スイッチ21の操作ボタン21aをコンピュータ28が再起動するように操作しなければ油圧ショベル1の非常停止状態Cを解除できないようにすることができる。
また、本実施形態では、MSK方式による油圧ショベル1の遠隔操中に電波に異常が発生すると、コントローラ60が一時停止制御手段60dとして一時停止制御を行い、その後、異常の発生頻度が第2設定頻度に達することなく電波が異常から復帰すれば、復帰した電波から得られる指令信号に応じた油圧ショベル1の制御を再開させる。これにより、油圧ショベル1から遠く離れた位置で遠隔操作を行う際に作業能率の向上に貢献できる。