JP4495982B2 - 立体画像表示装置および光偏向素子 - Google Patents
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Description
また、特殊な眼鏡を用いない立体表示装置では、ストライプ光源(例えば、特許文献2 参照。)、パララックスバリア、レンチキュラーレンズ(例えば、特許文献3、4 参照。)等を用いて両眼視差を有する画像をそれぞれ左右の目に分離して呈示することにより、立体視を実現する投射型立体表示装置あるいは直視型立体表示装置が提案されている。
これらの問題点を改善するため本出願人は、特願2003−115766において、特殊な眼鏡を用いることなく立体画像を表示する画像表示装置として、画像表示手段に表示する画像を左右方向に1画素分振動的にシフトさせ、左右画像分離手段を通過した光を光偏向手段により上記画像の振動的なシフトに同期させて左右方向へ偏向させることにより視認させる立体画像表示方法および装置を提案した。
ただし、上記先願においては、画像の観察できる位置は限られた範囲内の一箇所のみであり複数箇所で良好な立体画像を観察することはできなかった。
本発明は、高精細画像を複数名で鑑賞できる立体画像表示方法を提供することを目的とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の立体画像表示装置において、前記画像表示手段上の各分割領域の幅をdとしたとき、前記画像分離手段がピッチDs=L×dにて周期的に形状、または屈折率、または透過率が変化する構造であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記複数の視点に対応して形成された入力画像をn枚とするとき、n=L×mの関係にあることを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記光偏向手段により偏向方向を切り換えるタイミングが、前記画像表示手段の画像書き換えタイミングに同期させてあることを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記画像表示手段の主走査方向が縦方向であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記光偏向手段は、少なくとも一方の内面側が光偏向方向に対応して傾斜してなる領域を有する一対の基板と、両基板間に挟まれたスメクチックC相またはネマティック相よりなる液晶層と、該液晶層に電圧を印加する電極と、を有する光偏向素子よりなることを特徴とする。
請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の立体画像表示装置において、前記傾斜してなる領域は、鋸歯状に形成された鋸歯形状基板であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明では、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記画像表示手段が直視型液晶表示装置であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明では、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記画像表示手段がLCOSよりなる投影型液晶表示装置であることを特徴とする。
請求項14に記載の発明では、請求項13に記載の立体画像表示装置において、前記開口制御部が画素毎に設けられたマイクロレンズであることを特徴とする。
請求項15に記載の発明では、請求項1ないし14のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記画像分離手段は、レンチキュラーレンズであることを特徴とする。
請求項16に記載の発明では、請求項8に記載の立体画像表示装置における前記光偏向素子は、前記一対の基板双方の内面側断面が鋸歯状で、その傾斜面は前記液晶層に関して互いに対称な方向に傾斜してなり、一方の基板の屈折率が前記液晶層の常光屈折率と、他方の基板の屈折率が異常光屈折率と等しく設定されてなることを特徴とする。
同図において符号aは人の眼幅、P、Qは物体、Dは物体距離、Sは表示面、Zは観察者をそれぞれ示す。
立体表示システムの表示原理について、図に基づき説明する。
同図(a)に示すように観察者Zの右眼の前方にある物体Pを観察者Zが見ると、同図(b)に示すように左右眼の離隔距離aに基づき、右眼の網膜上には物体Pが網膜の中心位置であるFRと同一のPR’の位置に捉えられ、左眼の網膜上には物体Pが網膜の中心位置であるFLから少しずれたPL’の位置に捉えられる。つまり、右眼ではまっすぐ前方に位置するように見えるが、左眼では右眼側に寄った位置にあるように見える。また、同図(a)に示すように左眼の前方にある物体Qを観察者Zが見ると、同図(b)に示すように左右眼の距離aに基づき、左眼の網膜上には物体QがQL’の位置に捉えられ、右眼の網膜上には物体QがQR’の位置に捉えられる。つまり、左眼ではまっすぐ前方に位置するように見えるが、右眼では左眼側に寄った位置にあるように見える。即ち、左右眼の網膜上にできる物体像の位置にズレが生じる。このズレの量を両眼視差という。
図3は左右の目で異なる画像を見るための方法の他の例を示す図である。
両図において(a)は画像表示手段と観察者の位置関係を示す模式図、(b)は左右それぞれの目が観察できる画素を示す図である。いずれも、画素の部分は誇張して示してある。
同図において符号DISPは表示手段、SBはスリット状バリア、LLはレンチキュラーレンズをそれぞれ示す。
図2に示すように、左右用画像を生成、表示する画像表示手段DISPと観測者Zの間に、遮光部と開口部をもつスリット状のバリアSBを設置するような構成がある。画像表示手段DISPは表示する左右の画像を短冊状に交互に表示する。観察者Zは表示面Sからある特定の距離D0離れた位置から観察する。表示面Sの前に設置したバリアSBは左右の画像がそれぞれ左右の目で視認されるように設置されているため、観察者Zは両眼視差により立体像として認知する。ここで右画像はrn、左画像はln、n=1、2、3・・・とする。同図(b)において、画素r1とl1を同じ位置に示したのは、左右それぞれの目がr1とl1を同じ位置にあると視認することを示しているからである。このように、画像全体を見ることのできる位置(同図の左右の目の位置)をここでは視点と呼ぶことにする。この例では視点が2個示されている。
スリットバリアSBを用いる方式の場合、解像度は基本的には開口部のピッチで決まるが、バリアである遮光部に遮られている領域は画像としては何も見えない領域であるから、左右の目のそれぞれが視認する画像は断続的であり、その水平方向の解像度は実際より低く感じる。
また、図3(a)のようにスリットバリアSBの代わりにシリンドリカルレンズを短冊状に配列したレンチキュラーレンズLLを用いて左右画像をそれぞれ左右の目に視認する構成もある。これらの構成において、立体表示するためには画像表示手段が表示する左右画像は短冊状に交互に表示する必要がある。本方式の場合は、レンチキュラーレンズLLにより画像が左右方向に拡大されるので、一見隣接のレンズからの画像と連続しているように見せることができる。したがって、解像度はレンチキュラーレンズLLのピッチで決まる。
図5は図4の表示の繰り返しにより左右の目に視認される画素を説明するための図である。
図4において符号LCは光偏向手段を示す。
スリットバリア方式において、光を偏向することにより上記解像度の低下を改善することができる。図4(a)において、光偏向手段LCを図示の位置に設置し、光偏向手段LCを作用させない状態で表示手段DISPに同図のような画像Oを表示する。
次に、光偏向手段LCを作用させて画像光の方向を図4(b)のように切り替えることにより、左右の目のそれぞれが視認する画素が変化する。ここで視認する画像が左右反対にならないよう、光偏向手段LCの切り替え時に、バリアSBで見えなかった位置にある画像O’(この画像を仮に隠れ画像と呼ぶ)を表示し、左右の目に入れる画像の位置を入れ替える。ただし、隠れ画像を作製する場合は、画像の内容としては同図の左方向に1画素分シフトすることになる。こうすることにより、画像Oを見ているときには遮光部で見えなかった画像O’があたかも遮光部の位置にあるかのように見える。
即ち、光偏向の切り替えを高速で行ない、その切り替え時に画像Oと隠れ画像O’を切り換え且つ、左右の表示画像の表示位置を入れ替えて表示することで、左右の目がそれぞれ視認する画像は図5のように連続した高精細な画像が視認され、認識される立体表示画像も高精細になる。
この方法において、隠れ画像O’を用いずに、初めの画像Oをそのまま左方向へ1画素分シフトさせたときは、画像の解像度は高くならず、図3(b)に示したような画像が認識される。
同図において符号Lは画素、Obは視点をそれぞれ示す。
次に複数の視点に対応し形成された複数枚の入力画像を、複数の観察位置において観察ならしめる立体画像の表示方法について説明する。
4箇所の視点をOb.1〜4とし、それぞれの位置の間隔は図1のaにほぼ等しく設定される。各視点から、レンチキュラーレンズのある1箇所の凸部(レンズ部)を観察した場合、それぞれの視点に対応した画像表示手段の画像(L1〜L4)が観察される。例えばOb.1位置からはL1の画像が観察される。L1からL4の画像は各視点に対応し形成されるものである。例えば、Ob.1の位置に右目がOb.2の位置に左目が位置するようにすればL1とL2で形成される立体画像が観察される。同様にOb.2とOb.3、Ob3.とOb.4においてもそれぞれL2とL3、L3とL4で形成される立体画像が認識され、3ヵ所の観察位置からの立体画像観察が行なえる。それぞれの観察位置から見える画像は図3(b)に示した状態と同様である。
同図において符号Cはカメラを示す。
入力画像としては、例えば図7に示すように4台のカメラ(C1〜C4)を所定間隔で配置し、各カメラで撮影した画像を加工して用いることができる。このカメラの位置が、観察段階における視点に対応する。同図において被写体を撮影する4台のカメラでそれぞれImage1〜Image4の画像が形成されるが、それらの画像はレンチキュラーレンズのピッチと空間的分割数(この場合は4)で決められる分割幅dで分割された後、順送りに配置され同図の画像表示手段の入力画像となる。
観察位置が多いほど、多数の観察者が同時に利用でき利便性が増し、また視点を移動した時に被写体の観察角度もそれに対応して変化することから、より自然で立体的な画像として認識できるようになる。しかし逆に観察位置が多いほど実質的な解像度が低下する。同図においては画像表示手段の有する解像度の1/4が、各観察者が感じる解像度となる。したがってより多くの観察位置を設定でき、解像度低下のない立体画像表示方法と立体画像表示装置は重要である。
図9は図8に示す立体画像の作成方法を説明するための概念図である。
図10は図8に示す表示装置に画像を表示するタイミングチャートである。
本発明の立体画像表示装置は、図3に示した表示装置の前面に光偏向手段を追加した構成になっている。本構成は、複数の視点に対応し形成された複数枚の入力画像が、空間的時間的に分割表示される画像表示手段と、この画像表示手段の手前側(観察者側)に配置した画像分離手段と、画像分離手段を透過した画像光を複数観察位置に対応して偏向させる光偏向手段を有する。
ここでいう空間分割数とは、画像表示手段の表示単位、すなわち図6における一つのレンズ部に相当する範囲を分割する数であり、図6では4となる。また時間分割数とは、ある所定時間を分割し複数枚の画像を表示する際の枚数である。図8では空間分割数Lを2、時間分割数mを2とした例を示す。入力画像は4枚である。
以上の操作によって、図3に示した従来の構成に光偏向手段を追加しただけの簡易的な構成で、同じ解像度でありながら、2倍の視点を有する立体画像表示装置が可能となる。t1、t2は観察者がチラツキを感じない程度の短い間隔とするのが好ましく、たとえばt1=t2=16.7ms(30Hz表示相当)とすればよい。
集光点、すなわち観察距離としては、画像表示装置の画面の大きさや想定する観察者数によって適宜設定すれば良いが、概ね0.5mから5m程度がよい。周期的な構造としては、形成時の制御性の良さと光利用効率の良さからレンチキュラーレンズタイプが特に優れている。
図8を用いた説明では光偏向させる位置の数は2(Ob.RをOb.1とOb.2に振り分ける、またはOb.LをOb.3とOb.4に振り分ける)であったが、さらに多くの位置を設けることもできる。すなわち図11に示すように、光偏向手段をもう一段重ね、光偏向角±θ/2とすることで、間隔をほぼ保ったまま視点を4つに倍増させることができる。この場合立体画像の観察位置は、L1〜L8に対応して(Ob.1/Ob.2)、(Ob.2/Ob.3)・・・(Ob.7/Ob.8)に両眼をそれぞれ合わせることで、合計7位置得られる。図示はしないが、さらに光偏向手段を重ねて光偏向角を±θ/4とすることで、間隔をほぼ保ったまま視点の数をさらに倍増させることができる。すなわちそれぞれの光偏向素子の偏向角が、最も偏向角の大きな光偏向素子の偏向角θ0を基準に、追加する光偏向素子の枚数をkとするとき、j番目の光偏向素子の偏向角θjは、θ0の(1/2)j倍(j=1,2・・k)とすることで、ほぼ間隔を保ったまま視点を倍増させることができる。 ただし、光偏向素子を重ねる順番は必ずしも偏向角の大きさの順でなくとも良い。
立体画像の観察位置を増加させる為には、上記時間分割数を増加させるだけでなく空間分割数を増加させる事も有効である。図8ではL1〜L4の4枚の画像を2分割画像2枚に構成した例を示した。 空間分割数Lを図6に示すように4とし、時間分割数mを2とする場合、観察位置は最大で8とすることができる。観察位置をm×Lに設定する事が、最も効率的に観察位置を多く確保する条件であり、このときの入力画像nはm×L枚用意することになる。ここでm、Lは特に偶数である必要はない。
また図11においては、(Ob.1/Ob.2)、(Ob.2/Ob.3)・・・(Ob.7/Ob.8)に両眼をそれぞれ合わせることで7つの立体画像観察位置が得られることを示したが、全く同じ装置構成で、図12に示す通り画像表示装置からの観察者までの距離を変化させることも可能である。この場合の観察位置は(Ob.9/Ob.10)、(Ob.10/Ob.11)、(Ob.11/Ob.12)および(Ob.13/Ob.14)、(Ob.14/Ob.15)、(Ob.15/Ob.16)の6箇所となる。
この構成を用いる場合、画像を図11の構成に適した画像のまま用いると、立体感が強調されて不自然に見える。それを避けるためには、図11の画像に比べて2倍の密度で画像を取り込む必要がある。具体的には、カメラの設置台数は同じであるが、カメラ相互の間隔を2分の1にする。こうすることによって、Ob.9/Ob.10の観察位置における画像が正常な立体画像として見える。そして、観察位置を眼幅aの半分移動しただけで別の立体画像が見えるようになり、観察位置の分解能が高まることになる。
光偏向手段により偏向させるタイミングとしては、図10に示す通り、画像表示手段の画像書換えタイミングに同期させることで、光偏向時の画像ぶれが低減できるため極めて有効である。
画像表示手段の画像書き換えに関しては、すべての画素で一括してなされることが望ましい。線順次に書き換える方法では、書き換えの最初の画素が書き換わってから最後の画素が書き換わるまでの時間が長くかかってしまう。そのため、例えば、光偏向のタイミングを書き換えの最初の画素に合わせた場合は最後の画素が、逆に最後の画素に合わせた場合は最初の画素がぶれてしまうからである。また線順次書き換えの画像表示手段を用いる際は、主走査方向が縦方向、すなわち光偏向する方向と垂直な方向であるのが望ましい。
その場合、例えば副走査方向が左から右に向かってなされる場合は、光偏向も同期して左から右になされる様構成することで、上記画像ぶれを低減する効果がある。
画像表示手段としては液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の直視型表示装置や投影型液晶表示装置やDLP等の投影型ディスプレイを用いることができる。特に直視型表示装置では、液晶ディスプレイが好適である。なぜなら、画像表示手段の各画像分割領域と、画像分離集光の位置合わせを容易に行なえ、他の直視型表示技術と比較して高解像度のものが市販されているため、立体画像形成時も高解像度化が図れるからである。
同図において符号42は光源、43はスクリーン、44は拡散板、45はコンデンサレンズ、46は画像表示手段としてのLCOS、47は投影レンズ、48は光源ドライブ部、49はLCOSドライブ部、50は偏光ビームスプリッタをそれぞれ示す。
投影型表示装置では、書換え速度が比較的速く高解像度化に有利なLCOS(Liquid Crystal On Silicon)を用いた表示手段が優れている。画像表示手段として単板式の投影型表示装置を用いて立体画像表示装置を構成する。同図 において、光源42はLEDを2次元アレイ状に配列した光源であり、この光源42からスクリーン43に向けて発せられる光の進行方向には拡散板44、コンデンサレンズ45、偏光ビームスプリッタ50、画像表示素子としてのLCOS46、画像パターンを観察するための光学部材としての投影レンズ47が順に配設されている。
光源ドライブ部48で制御されて光源42から放出された照明光は、拡散板44により均一化された照明光となり、コンデンサレンズ45により液晶ドライブ部49で照明光源と同期して制御されてLCOS46をクリティカル照明する。このLCOS46で空間光変調された照明光は、画像光として投影レンズ47で拡大されスクリーン43上に投影される。スクリーン43の観察者側には画像分離手段、光偏向手段が備わり、前述の通り立体画像が形成される.
図8においてL3、L4を表示する画像表示手段内の画像分割領域に着目すると、この画像分割領域からの出射光がすべて対応する画像分離手段のレンズに入射すればよいが、一部隣接するレンズに入射した場合、ゴースト像が発生する。これを防止するためには、あらかじめ画像表示手段の画素ごとに開口制御部を設けることが効果的である。この開口制御部としては図15に示すようにLCOS内に設けられたマイクロレンズ、マイクロミラーなどによって構成することが可能である。特に従来のLCOSの回路部をそのまま利用することが可能なマイクロレンズによって構成することが好ましい。
図17は印加電圧の変化による液晶の挙動を説明するための図である。同図(a)は光路の説明模式図、同図(b)は液晶分子の変化を示す模式図である。
図18は光偏向素子への垂直入射光が偏向する様子を示す図である。
光偏向手段の構成について説明する。
少なくとも一方の基板に鋸歯形状が形成されている一対の透明基板と、一対の基板間にキラルスメクチックC相またはネマティック相よりなる液晶層と、液晶層へ電界を印加する透明電極と、透明電極への電圧印加状態を変化させる電圧印加手段(図示せず)とを有している。形成される鋸歯の形状は、所望の偏向量、偏向方向になるように形成される。前記液晶は電圧印加条件によって配向状態が変化するので、電圧印加条件を設定することによって、図17に示すように液晶分子は2つの配向状態をとり得る。
このような構成の光偏向素子の特徴は、入射光に対する出射光が液晶ダイレクタの制御によって、回転移動可能な点である。従って、当該光偏向素子と観察位置との距離を適切に選ぶことで所望の偏向量を得ることができる。
このような光偏向手段の構成では基板間に電圧を印加すればよいため、低電圧で高速に光偏向手段を駆動することができる。
光偏向素子を形成する双方の基板(鋸歯形状基板a、鋸歯形状基板b)の内面側断面が鋸歯状に形成され、その傾斜面は液晶層に関して互いに対称な方向に傾斜してなり、一方の基板の屈折率、ここでは鋸歯形状基板aの屈折率が該液晶層の常光屈折率noと等しく、他方の基板(鋸歯形状基板b)の屈折率が異常光屈折率neと等しく設定されてなる。同図において、入射光は紙面に平行な方向に振動する電界ベクトルよりなる直線偏光である。分子長軸を上下方向に向けた状態(図17の第1の配向状態に相当)の液晶に入射する際は、鋸歯形状基板aと液晶層との界面では屈折率が異なり、液晶層と鋸歯形状基板bとの界面では屈折率が等しくなる。その為鋸歯形状基板aと液晶層との界面において偏向が生じ、液晶層と鋸歯形状基板bとの界面ではその方向を維持したまま直進する。一方分子長軸を横方向に向けた状態(図17の第2の配向状態に相当)の液晶に入射する際は、鋸歯形状基板aと液晶層との界面では屈折率が等しく、液晶層と鋸歯形状基板bとの界面では屈折率が異なる。その為鋸歯形状基板aと液晶層との界面においては偏向することなく直進し、液晶層と鋸歯形状基板bとの界面において偏向する。上記2つの偏向方向は光軸に対して対称な方向となる。
石英ガラス基板をドライエッチングして、傾き角が約0.5°、ピッチ500μmの鋸歯形状を形成した後、鋸歯状面にITOを2000Åの厚さにスパッタした。次にポリイミド配向剤AL3046を約800Åの厚さに塗布し、その基板表面を、ホモジニアス方向の安定方向が傾斜領域の傾斜方向に垂直な方向(鋸歯の刻線方向)になるような条件でラビング法により配向処理を行った。平滑な面のITO付きガラス基板を対向基板として、液晶層厚の小さい部分が1.5μmになるようにビーズを混入した接着剤を用いて貼り合わせた。基板を90度に加熱した状態で2枚の基板間に強誘電性液晶(クラリアント製R5002)を毛管法で注入方向が鋸歯形状に沿う様に注入し、70℃から55℃までを20V/μmの直流電圧を印加した状態で冷却後に封止し、図16に示す光偏向素子を作製した。
次に、作製した光偏向素子に電圧を印加して動作させる。印加電圧はファンクションジェネレイターを用いて±10Vの電圧を印加した。入力波形は矩形波とし、電圧値はテスターで確認した。素子への入射光は約1mm径の白色レーザー光を用い、波長選択フィルター(588nm)を通過させて入射光の波長を設定した。さらに素子とレーザー装置の間に偏光板を設置し、直線偏光の方向を鋸歯刻線方向に設定し、鋸歯形状アレイ位置へ入射させた。
このようにして素子を動作させ、素子を通過する透過光をCCDカメラにより観察した。CCDカメラは素子から1m離した距離に設置した。その結果、電圧によって透過光が偏向することが確認できた。
上記光偏向素子を用いて、図8に示す立体画像表示装置を作製し、レンチキュラーレンズと観察位置間に光偏向手段として前記した構成の光偏向素子を設置した。画像表示手段には直視型液晶パネル(1024×768画素)を用いた。レンチキュラーレンズのピッチは1.6mmとし、画像表示装置から約2mの距離で立体画像が観察されるようレンチキュラーレンズの曲率を選んだ。それぞれの観察位置(Ob.1〜Ob.4)の間隔は約65mmに設定した。液晶パネルへの入力画像は図7に示す方法で行った。各カメラは9cm間隔で配置した。液晶パネルへの入力信号、光偏向素子駆動のタイミングは図10と同様にした。光偏向素子を駆動して表示画像を観察したところ、高精細な立体表示画像が観察できた。視点を移動することで3ヵ所からの立体画像観察が行なえた。
図3に示す構成で立体画像表示装置を作製した。画像表示手段は実施例1と同じ解像度の液晶パネルを用いた。この液晶パネルには左右用の画像信号を入力して画像を表示させた。次に左右画像分離手段としてレンチキュラーレンズを用いた。このレンチキュラーレンズの開口部間隔は0.2mm程度のものを用いた。この液晶パネルとレンチキュラーレンズの距離を1.6mm離して設置し、1m程度離れた位置より、表示画像を観察したところ立体画像が観察できた。しかし実施例1では3ヵ所で立体画像が観察できたが、本比較例では1ヵ所のみの観察となった。
このような単板式の投射型画像表示手段から投射される表示画像において、極めて高速な画像書換えがなされるため実施例1、2に示す画像よりさらに高精細で、ボケの少ない立体表示画像が観察できた。
このような単板式の投影型画像表示手段から投影される表示画像において、スクリーン上の各画素が縮小され表示されるため、立体画像形成時にゴーストが低減し、実施例3に示す画像よりさらに高精細の立体表示画像が観察できた。
43 スクリーン
46 画像表示手段
Claims (16)
- 複数の視点から所定距離離して配置される画像表示手段と、該画像表示手段に対し、前記視点側に配される画像分離手段と、該画像分離手段を透過した画像光を前記複数の視点に対応して偏向させる光偏向手段とを有し、前記画像表示手段は前記複数の視点に対応し形成された複数枚の入力画像が、m、Lをそれぞれ2以上の整数として、空間分割数L、時間分割数mとなるよう空間的時間的に分割され表示されることを特徴とする立体画像表示装置。
- 請求項1に記載の立体画像表示装置において、前記画像表示手段上の各分割領域の幅をdとしたとき、前記画像分離手段がピッチDs=L×dにて周期的に形状、または屈折率、または透過率が変化する構造であることを特徴とする立体画像表示装置。
- 請求項1または2に記載の立体画像表示装置において、前記光偏向手段により偏向させる位置の数もmであることを特徴とする立体画像表示装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記複数の視点に対応して形成された入力画像をn枚とするとき、n=L×mの関係にあることを特徴とする立体画像表示装置。
- 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記光偏向手段により偏向方向を切り換えるタイミングが、前記画像表示手段の画像書き換えタイミングに同期させてあることを特徴とする立体画像表示装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記画像表示手段の主走査方向が縦方向であることを特徴とする立体画像表示装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記画像表示手段の画像書き換えタイミングがすべての画素で一括してなされることを特徴とする立体画像表示装置。
- 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記光偏向手段は、少なくとも一方の内面側が光偏向方向に対応して傾斜してなる領域を有する一対の基板と、両基板間に挟まれたスメクチックC相またはネマティック相よりなる液晶層と、該液晶層に電圧を印加する電極と、を有する光偏向素子よりなることを特徴とする立体画像表示装置。
- 請求項8に記載の立体画像表示装置において、前記傾斜してなる領域は、鋸歯状に形成された鋸歯形状基板であることを特徴とする立体画像表示装置。
- 請求項1ないし9のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記光偏向素子は複数あり、それぞれの光偏向素子の偏向角は、最も偏向角の大きな光偏向素子を基準としてその偏向角をθ0とし、追加する光偏向素子の個数をk個(k≧1)とするとき、j番目の光偏向素子の偏向角をθjとすると、θj=θ0×(1/2) j (j=1、・・k)であることを特徴とする立体画像表示装置。
- 請求項1ないし10のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記画像表示手段が直視型液晶表示装置であることを特徴とする立体画像表示装置。
- 請求項1ないし10のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記画像表示手段がLCOSよりなる投影型液晶表示装置であることを特徴とする立体画像表示装置。
- 請求項1ないし10のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記画像表示手段が投影型液晶表示装置であって、ライトバルブ内に、投影する画素の大きさを画素ピッチ以下に制限するための開口制御部を有することを特徴とする立体画像表示装置。
- 請求項13に記載の立体画像表示装置において、前記開口制御部が画素毎に設けられたマイクロレンズであることを特徴とする立体画像表示装置。
- 請求項1ないし14のいずれか1つに記載の立体画像表示装置において、前記画像分離手段は、レンチキュラーレンズであることを特徴とする立体画像表示装置。
- 請求項8に記載の立体画像表示装置における前記光偏向素子は、前記一対の基板双方の内面側断面が鋸歯状で、その傾斜面は前記液晶層に関して互いに対称な方向に傾斜してなり、一方の基板の屈折率が前記液晶層の常光屈折率と、他方の基板の屈折率が異常光屈折率と等しく設定されてなることを特徴とする光偏向素子。
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