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JP4497141B2 - Ptc素子および電池保護システム - Google Patents
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JP4497141B2 - Ptc素子および電池保護システム - Google Patents

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Description

本発明は、電池や電子回路を過電流から保護すること等を目的として使用されるPTC素子と、そのPTC素子を有する電池保護システムとに関する。
PTC(positive temperature coefficient)素子は、所定の温度領域において、素子の温度が上昇すると、素子の抵抗値が増加する特性を有する。特に、PTC素子の温度がキュリー温度に達すると、PTC素子の抵抗が急激に増加する。このような性質はPTC特性と呼ばれる。
PTC素子は、電子機器等の電気回路に組み込まれる。電子機器の使用中に、何らかの理由によって回路に過剰電流が流れた場合、電子機器の温度が上昇し、それに伴いPTC素子自体の温度も上昇する。そして、PTC素子の温度がキュリー温度に達すると、PTC素子の抵抗値が急激に増加する。その結果、電気回路において、PTC素子が過剰電流を遮断する。よって、電気機器が過剰電流によって故障することを未然に防止できる。
このように、PTC素子は、過熱、過剰電流に対する安全保護装置として使用される。具体的には、PTC素子は、携帯電話の電源である2次電池を過剰電流から保護するための回路(保護回路)に組み込まれたりする。2次電池の充電中または放電中に過剰電流が流れた場合、PTC素子は電流を遮断して2次電池を保護する。
このようなPTC素子の一例としては、ポリマー材料(結晶性重合体)に導電性粒子を分散させた素子本体(重合体正温度係数抵抗体)を、電極板(あるいは金属箔)で挟んだ構造を有する、ポリマーPTC素子が知られている(特許文献1参照)。
ポリマーPTC素子は、従来、以下のような方法によって製造される。まず、金属粒子、カーボンブラック等の導電性フィラーを含む高分子(高密度ポリエチレン等)を押出成形し、素子本体を形成する。次に、素子本体の表裏面に、電極板を熱圧着することによって、ポリマーPTC素子が完成する。
このポリマーPTC素子を所定の保護回路に組み込む際は、ポリマーPTC素子の電極板を、保護回路と電気的に接続された端子板へ接合する。この接合は、従来、ハンダ付け、溶接等により実施される。
ハンダ付け、溶接等を行う場合、電極板および端子板の少なくとも一部分を高温に加熱する必要がある。ポリマーPTC素子の電極板(あるいは金属箔)は非常に薄いため、ハンダ付け、溶接の際に電極板へ加わる熱が、直ちに素子本体に伝導する。その結果、素子本体が高温になり、熱劣化(軟化または溶融)することがある。素子本体が軟化または溶融すると、ポリマー中の導電性粒子の分散性が不均一となる。このような熱履歴を経たポリマーPTC素子においては、室温での抵抗値(室温抵抗値)がこの熱履歴前に比べて大きく増大してしまう。
さらには、このようなポリマーPTC素子に対して、温度の上昇、下降を繰り返すと、ポリマーPTC素子の室温抵抗値がますます高くなってしまう。このように室温抵抗値の高くなったポリマーPTC素子においては、消費電力が増加してしまう。
こように、電極板と端子板とを接合する際の加熱に起因するポリマーPTC素子の室温抵抗値の増大は、携帯電話などの小型機器に搭載する場合に、電力浪費、あるいは電池の短寿命化などの問題につながる。
国際公開 WO2004/023499
本発明の目的は、電極板と端子板とを溶接等によって接合する際に、素子本体が熱劣化することを防止できるPTC素子を提供することである。また、本発明の別の目的は、過剰な電流が流れた場合に、電池を有効に保護することができる電池保護システムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るPTC素子は、
所定の温度領域において温度上昇に伴い抵抗値が増加する素子本体と、
前記素子本体の表裏面に接合された2つの電極板と、を有するPTC素子であって、
前記電極板のうち少なくとも一方が、該電極板と前記素子本体とが重複する一部分において、所定回路と接続するための端子板との接合部を有し、
前記接合部が該電極板の表面から突出し、
突出した前記接合部の表面(端子板と接合する面)が平坦化されていることを特徴とする。
好ましくは、前記素子本体が、正の温度係数を持つ導電性ポリマーである。
電極板と端子板とを接合する際に、端子板において接合部の上に重なる部位のみに、スポット溶接用電極棒を接触させる。その結果、溶接時に流れる電流が接合部近辺に集中する。よって、接合部近傍においてのみ、ジュール熱が発生する。その結果、溶接時に発生するジュール熱を必要最小限に抑えることができる。そのため、溶接部位から素子本体への熱伝導が抑制され、熱伝導による素子本体の熱劣化を防止することができる。
また、接合部が電極板の表面から突出しているため、溶接時に、端子板と電極板の表面(接合部以外の部分)との間に隙間が生じる。溶接時に溶接部位(接合部)で発生したジュール熱は、この隙間から放熱される。その結果、素子本体への熱伝導が抑制され、素子本体の熱劣化を防止することができる。
さらに、溶接ポイントを接合部のみに限定し、かつ、接合部表面を平坦化することによって、溶接効率を向上させることができる。溶接ポイントである接合部表面が粗面であると溶接しにくいが、接合部表面を平坦化すると、接合部と端子板とが密着するため、溶接しやすくなる。
好ましくは、前記接合部を有する前記電極板の表面において、前記接合部以外の部分が粗面化されている。
電極板の表面において、接合部以外の部分(以下、粗面化部位と記す)を粗面化することによって、接合部以外の部分の実質的な表面積が、粗面化しない場合に比べて大きくなる。従って、電極板の表面を粗面化することにより、溶接時に発生した熱を、電極板表面から放熱させる効果を向上させることができる。その結果、熱伝導による素子本体の熱劣化を防止することができる。
好ましくは、2つの前記電極板のうち、前記接合部を有する前記電極板とは別の電極板に、クラッド板が接合されている。
好ましくは、前記端子板が、Niを主として含むNi端子板で構成される。
Niを主成分とする端子板を用いることによって、Niを主成分とする電極板とのスポット溶接の強度を向上させることができる。
好ましくは、前記素子本体の表面のうち外部に露出した面上に、保護膜が形成されている。
素子本体の表面のうち外部に露出した面上に、保護膜を形成することによって、大気中の酸素による素子本体の酸化を抑制し、素子本体の劣化を防止することができる。
本願発明に係る電池保護システムは、
前記PTC素子と、
前記PTC素子の有する電極板の一方に電気的に接続される保護回路と、
前記PTC素子の有する電極板のうち前記保護回路に接続されていないもう一方の電極板に電気的に接続される電池とを有する。
電池保護システムが、熱劣化がなく室温抵抗値の小さいPTC素子を有することによって、電池保護システム、および電池保護システムを有する電子機器全体の消費電力を減少させることができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るポリマーPTC素子、2次電池、および保護回路の接続関係を示す概略図、
図2は、本発明の一実施形態に係るポリマーPTC素子の概略断面図、
図3は、図2に示す接合部、およびその近傍における第1電極板の表面(粗面化部位)の拡大概略図、
図4は、本発明の一実施形態に係るポリマーPTC素子を、図2のIV方向に見た外観図であって、電極板、接合部、および端子板の位置関係を示す概略図、
図5は、本発明の一実施形態に係るポリマーPTC素子を、図4のV方向に見た断面概略図であって、ポリマーPTC素子の製造工程における電極板の接合部、端子板、およびスポット溶接用電極棒の位置関係を示す概略図、
図6、図7は、本発明の別の実施形態に係るポリマーPTC素子の概略断面図である。
ポリマーPTC素子の全体構成
まず、本発明に係るPTC素子の一実施形態として、携帯電話の電源として用いられる2次電池セルを保護するためのポリマーPTC素子について説明する。
図1に示すように、ポリマーPTC素子2は、携帯電話の電源である2次電池セル32の上に形成してあるスペーサ36の上に配置される。ポリマーPTC素子2は、2次電池セル32と、その2次電池セル32を過電流から保護するための保護回路30(所定回路)との間に組み込まれる。ポリマーPTC素子2は、保護回路30によっても制御しきれない過電流が2次電池セル32の充電中または放電中に流れた場合、保護回路30と2次電池セル32との間の電流を遮断して2次電池セル32を保護する。
以下では、ポリマーPTC素子の全体構成について説明する。
図2に示すポリマーPTC素子2は、正の抵抗温度特性(PTC特性)を有する素子本体4を備えている。この素子本体4は、表裏面(互いに対向した第1面6および第2面8)を有する。第1面6、第2面8には、それぞれ第1電極板10、第2電極板12が接合されている。したがって、素子本体4は、第1電極板10と第2電極板12との間に挟まれるように配置される。
素子本体4の形状は、特に限定されず、直方体型、円柱型等が例示される。素子本体4の形状が直方体の場合、素子本体4の寸法は、縦L1(3.0〜1.0)mm×横W1(2.0〜6.0)mm×厚さH1(0.2〜1.0)mm程度である(図2、図5参照)。
第1電極板10は、第1電極板10と素子本体4とが重複する一部分において、接合部14を有する。接合部14は、第1電極板10の表面から突出している。突出した接合部14の表面は平坦化されている。接合部14において、第1電極板10と、端子板16とが接合している。
素子本体4の表面のうち外部に露出した面上には、必要に応じて保護膜3が形成されている。保護膜3を形成することで、大気中の酸素による素子本体4の酸化を抑制し、素子本体4の劣化を防止することができる。保護膜3の種類としては、酸素を遮蔽する機能を有するものであれば特に限定されないが、エポキシ樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂等が例示される。なお、保護膜3は、必ずしも形成されていなくても良い。
好ましくは、第1電極板10の表面において、接合部14以外の部分(粗面化部位24)が粗面化されている。すなわち、粗面化部位24の表面には、意図的に凹凸が形成されている。
粗面化部位24の凹凸差(表面粗さRy)は、特に限定されないが、好ましくは、100〜200μm程度である。表面粗さRyをこの範囲内とすることによって、粗面化部位24の実質的な表面積が、粗面化しない場合に比べて適度に大きくなる。その結果、第1電極板10と端子板16とのスポット溶接時に発生したジュール熱を、第1電極板10(粗面化部位24)の表面から放熱させる効果を向上させることができる。
なお、表面粗さRy(最大高さ)は、以下に示すように、JIS規格に準拠して求められる。表面粗さRyの測定においては、図3に示すように、接合部14と、その近傍に位置する第1電極板10の一部を含む基準長さL に収まる領域を、測定領域とする。そして、測定領域内の粗面化部位24において、平均線Laverageから、平均線Laverageに対して最も高い部位(頂上部5)までの距離Ypを求める。また、平均線Laverageから、平均線Laverageに対して最も低い部位(谷部7)までの距離Yvを求める。表面粗さRy(最大高さ)は、式Ry=Yp+Yvによって算出される。
本願発明において、図2の接合部14が第1電極板10の表面から突出していることは、図3に示す接合部14の突出高さHが、H>Ry=Yp+Yvを満たすことと同義である。また、接合部14の突出高さHは、特に限定されないが、好ましくは、図3の谷部7に対して、250〜500μm程度である。接合部14の突出高さHをこの範囲内とすることによって、粗面化部位24の凹凸に妨げられることなく、接合部14の平坦化された表面と、端子板16をとが密着し、接合すること(スポット溶接されること)が可能となる。さらには、スポット溶接において、粗面化部位24と、端子板16との間に、適度な間隔が生じ、この間隔から、溶接時に発生するジュール熱を大気中に放熱させることができる。その結果、溶接部から素子本体4への熱伝導を抑制し、素子本体4の熱劣化を防止できる。
第2電極板12には、クラッド板18が接合されている。
第1電極板10および第2電極板12の材質としては、導電材であれば特に限定されないが、Ni、Cu、およびNiメッキを施したCu箔等が例示される。好ましくは、第1電極板10および第2電極板12として、Ni板を用いる。各電極板としてNi板を用いることによって、Niを主成分とする端子板とのスポット溶接の強度を向上させることができる。第1電極板10、第2電極板12それぞれの厚みは、特に限定されないが、通常、100〜500μm程度である。
端子板16の材質としては、導電材であれば特に限定されないが、好ましくは、端子板16が主としてNiを含む。また、端子板16の厚さは、特に限定されないが、通常100〜300μm程度である。端子板16の長さL2は、特に限定されず、用途に応じて自由に設計される。
クラッド板18としては、特に限定されないが、好ましくは、クラッド板18が、ニッケル層20と、アルミニウム層22とから構成される。ニッケル層20は、第2電極板12と接合される。また、アルミニウム層22は、図1に示すように、2次電池セル32の電極端子34と接合される。クラッド板18の厚さは、特に限定されないが、通常、100〜500μm程度である。クラッド板18の長さL3は、特に限定されず、用途に応じて自由に設計される。
ポリマーPTC素子2の製造方法
次に、ポリマーPTC素子2の製造方法について説明する。
(素子本体4の形成)
図2の素子本体4は、通常、主成分である重合体(熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の高分子化合物)および導電性粒子を含む樹脂組成物(導電性ポリマー)から構成される。なお、素子本体4が、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との両方を含んでもよい。
素子本体4の形成においては、まず、高分子化合物(熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等)、導電性粒子(金属粉、カーボンブラック等)、低分子有機化合物および、高分子化合物同士を架橋反応させるための反応開始剤等を秤量、混練し、PTC組成物を調整する。混練の方法としては、特に限定されないが、ニーダ、押出機、ミル等が例示される。また、PTC組成物に含有させる導電性粒子としては、ふるい機等によって所定の粒径をもつ導電性粒子のみを分級し、これを用いる。次に、このPTC組成物を成形し、素子本体4を得る。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂及びフェノール樹脂等が挙げられる。好ましくは、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる。エポキシ樹脂を用いることによって、ポリマーPTC素子が、十分な抵抗変化量及び耐熱性を有することができる。熱硬化性樹脂の分子量は、通常、重量平均分子量Mwが300〜10000程度である。上記の熱硬化性樹脂は単独で用いてもよく、また複数種の樹脂を用いてもよい。また、異なる種類の熱硬化性樹脂同士が架橋された構造を有する化合物を用いてもよい。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、好ましくは、結晶性ポリマーをを用いる。熱可塑性樹脂の融点は、特に限定されないが、好ましくは、70〜200℃程度である。融点がこの範囲にある樹脂を用いることによって、ポリマーPTC素子動作時における熱可塑性樹脂の融解、流動、素子本体の変形を防止することができる。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニルコポリマ−等のコポリマ−、ポリビニルクロライド、ポリビニルフルオライド、ポリビニリデンフルオライド等のハロゲン化ビニルおよびビニリデンポリマ−、12−ナイロン等のポリアミド、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、熱可塑性エラストマ−、ポリエチレンオキサイド、ポリアセタ−ル、熱可塑性変性セルロ−ス、ポリスルホン類、ポリメチル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の重量平均分子量Mwは、特に限定されないが、好ましくは、10000〜5000000である。これらの熱可塑性樹脂は単独で用いてもよく、また複数種の樹脂を用いてもよい。また、異なる種類の熱可塑性樹脂同士が架橋された構造を有する化合物を用いてもよい。
素子本体4に含まれる導電性粒子としては、特に限定されないが、金属粉、カーボンブラック等が例示される。好ましくは、導電性粒子として金属粉を用いる。この金属粉としては、好ましくは、ニッケルを主成分とするものを用いる。金属粉の平均粒径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5〜4.0μm程度である。
素子本体4において、樹脂組成物中の導電性粒子の含有量は、樹脂組成物全体に対して、好ましくは、20〜80質量%である。導電性粒子の含有量をこの範囲内とすることによって、非動作時の室温抵抗値を十分に低くすることができ、また、大きな抵抗変化量を得ることができる。さらには、素子抵抗のバラツキを十分に減少させることができる。
素子本体4を構成する樹脂組成物は、上記の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、および導電性粒子以外に、例えば、ワックス、油脂、脂肪酸、高級アルコ−ル等の低分子有機化合物を更に含んでもよい。その結果、素子本体4の温度上昇に伴う抵抗変化量を増大させることができる。
素子本体4は、内部に空隙を有し、この空隙に上記樹脂組成物を充填することが可能な基材を含んでもよい。このような基材としては、上記の役割を果たすことが可能なものであれば特に制限されず、織布、不織布、連続多孔質体等が例示される。
(第1金属板10および第2電極板12の形成)
第1金属板10および第2金属板12は、所定厚みのニッケル金属板あるいはニッケル合金板等を打ち抜き成型して形成される。
(接合部14および粗面化部位24の形成)
次に、第1電極板10の表面(後に端子板16が接合される面)に接合部14を形成する。接合部14の形成においては、接合部14を第1電極板10の表面から突出させ、かつ、突出した接合部14の表面を平坦化する。さらには、接合部14を有する第1電極板10の表面において、接合部14以外の部分が粗面化される。すなわち、粗面化部位24が形成される。以下では、図4を用いて、接合部14の形成、粗面化部位24の粗面化について説明する。
まず、第1電極板10の表面全体を平坦化する。
次に、第1電極板10の表面において、第1電極板板10と素子本体4とが重複する一部分に位置し、かつ、後に端子板16を接合することになる2つの部位(接合部14)にマスキングを施す。
次に、マスキングを施さなかった領域(粗面化部位24)に対して、粗面化処理を施す。その結果、粗面化部位24の表面のみが粗面化される。粗面化処理の方法としては、特に限定されないが、酸による表面処理、切削、ブラスト、あるいはエッチング等が挙げられる。
次に、マスキングを除去することによって、表面が平坦化した接合部14が形成される。
なお、粗面化処理の結果、接合部14が、第1電極板10の表面(すなわち粗面化部位24)から突出する。換言すれば、粗面化処理の結果、接合部14の突出高さHと、粗面化部位24の表面粗さRyとの間に、H>Ryの関係が成り立つことになる(図3参照)。
(第1金属板10および第2電極板12の熱圧着)
次に、第1電極板10および第2電極板12を、素子本体4の表裏面(第1面6および第2面8)に、熱プレス機等により接合する。
なお、第1電極板10および第2電極板12を、熱プレス機等により、素子本体4へ熱圧着する際の加熱温度は、素子本体4の材質にもよるが、好ましくは、130〜200℃程度である。また、熱圧着時の圧力は、好ましくは0.1〜2.5MPa程度である。
なお、熱圧着時には、圧力により素子本体4が厚み方向に多少潰れて、電極板10および12の側方に多少はみ出すこともあるが、不要部分は、容易に除去することができる。
好ましくは、第1金属板10および第2電極板12において、素子本体4へ接合される面が粗面化されている。具体的には、第1金属板10および第2電極板10の素子本体への接合面には、節瘤(瘤頂上部に対して瘤中間部乃至基部が、凹凸差5〜15μm程度にくびれている形状)が多数形成されていることが好ましい。その結果、第1金属板10および第2電極板10と素子本体4との接合強度を向上させることができる。第1金属板10および第2電極板12の表面を粗面化する方法(節瘤を形成する方法)としては、特に限定されないが、第1金属板10および第2電極板12と同じ組成の金属(Ni、Cu等)による電気メッキ、または化学メッキ等が例示される。
なお、第1金属板10において、素子本体4の第1面6へ接合される表面に対する粗面化処理(節瘤の形成)を、前述の接合部14および粗面化部位24の形成の前に行ってもよく、後に行ってもよい。あるいは、節瘤の形成と、粗面化部位24の形成を、同様の方法で同時に行っても良い。また、粗面化部位24の形成は、第1金属板10を素子本体4に対して熱圧着する前に行ったが、熱圧着した後に行っても良い。
(架橋反応)
次に、第1電極板10および第2電極板12が形成された素子本体4に電子線照射を行う。この電子線照射によって、反応開始剤が機能し、高分子同士の架橋反応が促進される。架橋反応のエネルギー源としては、電子線に限定されず、ガンマ線、紫外線、熱等も用いられる。照射する電子線の加速電圧及び電子線照射量は、素子本体4に含まれる高分子化合物の種類、あるいは素子本体の寸法等に応じて、適宜調整すればよい。なお、電子線照射は、第1電極板10および第2電極板12の接合前であっても良い。
(クラッド板18の接合)
次に、第2電極板12に対して、クラッド板18を接合する。接合の方法としては、特に限定されないが、スポット溶接等が例示される。
(保護膜3の形成)
次に、素子本体4の表面のうち外部に露出した面上に、保護膜3を形成する。保護膜3の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、前述の樹脂を塗布することによって、保護膜3を形成する。
このようにして、本実施形態に係るポリマーPTC素子2が完成する。
ポリマーPTC素子2の組み付け方法(電池保護システム1の形成)
(第2電極板12とクラッド基板18との接合)
ポリマーPTC素子2は、図1に示すように、2次電池セル32と、保護回路30との間に組み込まれる。ポリマーPTC素子2を、図1に示すように接続するために、たとえば、まず、ポリマーPTC素子2における第2金属板12の先端を、クラッド板18のニッケル層20側に対してスポット溶接する。
(クラッド基板18と2次電池セル32との接合)
次に、あるいは、その前後に、クラッド板18におけるアルミニウム層22を、2次電池セル32の電極端子34と接触してスポット溶接する。ポリマーPTC素子2と2次電池セル32との間に隙間が形成される場合には、スペーサ36などを、ポリマーPTC素子2と2次電池セル32との間に配置させる。
(接合部14と端子板16との接合)
次に、接合部14と端子板16とを接合する。接合部14と端子板16とを接合する方法としては、特に限定されないが、好ましくは、スポット溶接(抵抗溶接)を用いる。
スポット溶接では、まず、図4に示すように、2つの接合部14の上方に、端子板16を重ねる。
次に、図5に示すように、1対のスポット溶接用電極棒52,54を、端子板16の上方に押し当てる。このとき、図5に示すように、1対のスポット溶接用電極棒52,54はそれぞれ、端子板16を介して、2つの接合部14の真上に位置する。
次に、端子板16を接合部14に対して圧着しつつ、1対のスポット溶接用電極棒52,54に電流Iを流す。その結果、電流Iが流れた接合部14と、端子板16において接合部14に接する部位とが、発生したジュール熱によって溶解し、接合される。すなわち、接合部14において、第1電極板10と端子板16とが接合される。
なお、スポット溶接においては、接合部14の表面の面積、端子板16の厚さ等の条件に合わせて、電流、通電時間、および端子板16に対する加圧力等を適宜調整することによって、適切な溶接強度を得ることができる。
このようにして、ポリマーPTC素子2は、図1に示すように、2次電池セル32と、保護回路30との間に組み込まれ、電池保護システム1が完成する。
本実施形態においては、上述のように、第1電極板10と端子板16とを接合する際に、端子板16において接合部14と重なる部位のみに、スポット溶接用電極棒52,54を接触させる。その結果、溶接時に流れる電流が接合部近辺に集中する。よって、接合部14の近傍においてのみ、ジュール熱が発生する。したがって、溶接時に発生するシュール熱を必要最小限に抑えることができる。その結果、溶接部位から素子本体4への熱伝導が抑制され、熱伝導による素子本体4の熱劣化を防止することができる。
また、接合部14が第1電極板10の表面から突出しているため、溶接時に、端子板16と第1電極板10の表面(接合部14以外の部分)との間に隙間が生じる。溶接時に発生したジュール熱は、この隙間から放熱される。その結果、溶接部位から素子本体4への熱伝導が抑制され、熱伝導による素子本体4の熱劣化を防止することができる。
さらに、溶接ポイントを接合部14のみに限定し、かつ、接合部14の表面を平坦化することによって、溶接効率を向上させることができる。溶接ポイントである接合部14の表面が粗面であると端子板を溶接しにくいが、接合部14の表面を平坦化すると、接合部14の表面と端子板16とが密着し、互いに溶接しやすくなる。
本実施形態においては、第1電極板10の表面において、粗面化部位24(接合部14以外の部分)を粗面化することによって、粗面化部位24の実質的な表面積が、粗面化しない場合に比べて大きくなる。従って、粗面化部位24の粗面化によって、スポット溶接時に発生したジュール熱を、第1電極板10の表面(粗面化部位24)から放熱させる効果を向上させることができる。その結果、熱伝導による素子本体4の熱劣化を防止することができる。
本実施形態においては、ポリマーPTC素子2と、保護回路30と、2次電池セル32とを有する電池保護システム1(図1)では、過剰な電流が流れた場合でも、電池を有効に保護することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
例えば、図6に示すように、ポリマーPTC素子2において、クラッド板18のニッケル層20が、素子本体4の第2面8に直接接合されても良い。すなわち、図6に示すポリマーPTC素子2においては、クラッド板18が第2電極板の機能を兼ね備えるため、第2電極板が不要となる。この場合においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、図7に示すように、素子本体4(導電性ポリマー単独から成るポリマー層)の表裏面に、金属箔60が形成されていてもよい。この素子本体4は、例えば、シート状のポリマー層の両面に金属箔60を熱プレスした後に、これを所定の寸法に打ち抜くことによって形成することができる。第1電極板10およびクラッド板18のニッケル層20と、金属箔60とは、はんだ層62を介して接合されている。この場合においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。金属箔60の厚みは、第1電極板10およびクラッド板18の厚みよりも薄く、一般的には、25〜30μm程度である。
また、図2に示す粗面化部位24を粗面化する方法としては、前述の方法の他に、めっき法等が挙げられる。
また、本発明に係るポリマーPTC素子2は、過電流保護素子としてのみならず、自己制御型発熱体、温度センサー、限流素子、過電流保護素子等としても使用される。
また、本発明では、ポリマーPTC素子2の製造方法は、特に限定されない。たとえば上述した実施形態のように、素子本体4、第1電極板10、第2電極板12を、それぞれ単独の状態で互いに接合することなく、以下のようにしてポリマーPTC素子2を製造しても良い。すなわち、切断後に素子本体4を構成するシート状素子本体と、切断後に第1電極板10および第2電極板をそれぞれ構成することになる一対のシート状電極とを、熱圧着した後に、不要部分をプレスで打ち抜くことによって個別のポリマーPTC素子2を形成しても良い。その場合には、ポリマーPTC素子2を構成する部品の集合体同士を、一度に接合することによって、ポリマーPTC素子2の製造工程の効率を向上することできる。
図1は、本発明の一実施形態に係るポリマーPTC素子、2次電池、および保護回路の接続関係を示す概略図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るポリマーPTC素子の概略断面図である。 図3は、図2に示す接合部、およびその近傍における第1電極板の表面(粗面化部位)の拡大概略図である。 図4は、本発明の一実施形態に係るポリマーPTC素子を、図2のIV方向に見た外観図であって、電極板、接合部、および端子板の位置関係を示す概略図である。 図5は、本発明の一実施形態に係るポリマーPTC素子を、図4のV方向に見た断面概略図であって、ポリマーPTC素子の製造工程における電極板の接合部、端子板、およびスポット溶接用電極棒の位置関係を示す概略図である。 図6は、本発明の別の実施形態に係るポリマーPTC素子の概略断面図である。 図7は、本発明の別の実施形態に係るポリマーPTC素子の概略断面図である。
符号の説明
1… 電池保護システム
2… ポリマーPTC素子
3… 保護膜
4… 素子本体
10… 第1電極板
12… 第2電極板
14… 接合部
16… 端子板
18… クラッド板
30… 保護回路
24… 粗面化部位
32… 2次電池セル
34… 電極端子

Claims (7)

  1. 所定の温度領域において温度上昇に伴い抵抗値が増加する素子本体と、
    前記素子本体の表裏面に接合された2つの電極板と、を有するPTC素子であって、
    前記電極板のうち少なくとも一方が、該電極板と前記素子本体とが重複する一部分において、所定回路と接続するための端子板とのスポット溶接用接合部を、前記電極板の表面であって、前記素子本体と反対側の表面から突出するように少なくとも2つ有し、
    突出した前記スポット溶接用接合部の表面が平坦化されていることを特徴とするPTC素子。
  2. 前記素子本体が、正の温度係数を持つ導電性ポリマーである請求項1に記載のPTC素子。
  3. 前記スポット溶接用接合部を有する前記電極板の表面において、前記スポット溶接用接合部以外の部分が粗面化されており、前記粗面化部分の表面粗さRyが100〜200μmであり、前記表面粗さRyと前記接合部の突出高さHoとの関係が、Ho>Ryであることを特徴とする請求項1または2に記載のPTC素子。
  4. 2つの前記電極板のうち、前記接合部を有する前記電極板とは別の電極板に、クラッド板が接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のPTC素子。
  5. 前記端子板が、Niを主として含むNi端子板で構成される請求項1〜4のいずれかに記載のPTC素子。
  6. 前記素子本体の表面のうち外部に露出した面上に、保護膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のPTC素子。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のPTC素子と、
    前記PTC素子の有する電極板の一方に電気的に接続される保護回路と、
    前記PTC素子の有する電極板のうち前記保護回路に接続されていないもう一方の電極板に電気的に接続される電池とを有する電池保護システム。
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