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JP4498189B2 - 歪み補償器 - Google Patents
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本発明は、例えば放送用送信機の電力増幅器等の歪み補償対象機器で生じる歪み成分を補償する歪み補償器に係り、特にその出力レベル変動を所定範囲内に制限する技術に関する。
周知のように、放送用送信機には、電力増幅器の出力特性変動、例えば線形/非線形特性の変動、位相雑音等の増大を極力抑えるために、入力信号に出力特性変動分とは逆の特性を与えて歪み成分を打ち消し抑圧する歪み補償器が付加されている。
ところで、従来の歪み補償器は、後段の装置の破損防止のために出力リミッタ回路を備えている。この出力リミッタ回路は、補償器出力レベルを監視し、運用中の送信機の出力特性が変動して監視レベルが基準値に達すると、歪み補償動作を停止させ、出力レベルを予め設定された制限値で固定する機能を有する。
しかしながら、上記のような従来の出力リミッタ回路は、補償器出力レベルのみを監視する機能であるため、一度停止した歪み補償動作を解除する制御情報を得ることができず、電力増幅器の特性が安定した場合でも、歪み補償動作を自動復帰させることができなかった。
尚、増幅装置に適用される歪み補償器については、特許文献1,2に従来の構成が示されている。
特開2003−110372号公報 特開2002−043861号公報
以上述べたように、従来の歪み補償器では、歪み補償対象機器の出力変動によって出力リミッタ回路が作動すると、歪み補償動作を停止させ、出力レベルを予め設定された制限値で固定するようになされているため、歪み補償対象機器の出力が安定した場合でも、歪み補償動作を自動復帰させることができず、手動で復帰させているのが現状である。
本発明は上記の問題を解決し、歪み補償動作の停止制御/停止解除制御を自動的に行ない、出力レベル変動を範囲内に制限することができ、これによって安定した補償動作を行なうことができる歪み補償器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る歪み補償器は、以下のように構成される。
(1)被歪み補償対象機器の入力信号と前記対象機器の出力モニタ信号とを取り込んで両者を比較し、その比較結果から前記対象機器で生じる歪み成分を検出する歪み検出手段と、前記歪み検出手段の検出結果に基づいて前記対象機器の入力信号に歪み補償特性を与える補償手段と、前記補償手段の出力を許容範囲の閾値と比較し、閾値を越えるときに前記補償手段の補償処理を停止させる補償停止手段と、前記対象機器の出力モニタ信号を解除閾値と比較し、前記出力モニタ信号レベルを前記補償処理の停止中に前記解除閾値を越えるときに前記補償処理の停止を解除する補償停止解除手段とを具備して構成される。
(2)前記補償停止手段は、前記補償手段の出力レベルを監視し、変動許容範囲の上限閾値より大きくなった場合に、補償動作を停止させる制御信号を前記補償手段に送って補償動作を停止させ、当該補償手段の出力レベルを上限閾値に固定させるようにし、
前記補償停止解除手段は、出力モニタ信号の入力レベルを監視し、解除上限閾値と比較し、この閾値よりも大きくなった場合に、前記補償動作停止を解除する制御信号を前記補償手段に送って補償動作を再開させることを特徴とする。
(3)また、前記補償停止手段は、前記補償手段の出力レベルを監視し、変動許容範囲の下限閾値より小さくなった場合に、補償動作を停止させる制御信号を前記補償手段に送って補償動作を停止させ、当該補償手段の出力レベルを下限閾値に固定させるようにし、前記補償停止解除手段は、出力モニタ信号の入力レベルを監視し、解除下限閾値と比較し、この閾値よりも小さくなった場合に、前記補償動作停止を解除する制御信号を前記補償手段に送って補償動作を再開させることを特徴とする。
本発明に係る歪み補償器の構成では、入出力レベルを監視し、歪み補償動作の停止制御/停止解除制御を自動的に行なうことで、ひずみ補償器の出力レベル変動を範囲内に制限し、安定した補償動作を行なうことができる。
以上のことから、本発明によれば、歪み補償動作の停止制御/停止解除制御を自動的に行ない、出力レベル変動を範囲内に制限することができ、これによって安定した補償動作を行なうことができる歪み補償器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る一実施形態として、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)方式を用いた地上デジタル放送用送信機の歪み補償器に本発明を適用した場合の構成を示すブロック回路図である。図1において、OFDM変調器11から出力されるIF帯のOFDM信号A1は、本発明に係る歪み補償器12で歪み補償特性が与えられ、アップコンバータ(U/C)13で送信周波数に変換された後、電力増幅器14で電力増幅されて、送信機出力としてアンテナ装置(図示せず)に送られる。この電力増幅器14の出力レベルはモニタ装置15で監視されており、そのモニタ出力はダウンコンバータ(D/C)16でIF帯のOFDM信号B1に変換された後、歪み補償器12にフィードバックされる。
上記歪み補償器12において、入力OFDM信号A1と出力OFDM信号B1は、歪み検出回路121にて、歪み成分を検出し、補償テーブルデータC1を生成し、歪み補償回路122に出力する。ひずみ補償回路122は、入力OFDM信号A1と補償テーブルデータC1に基づいて歪み補償を行ない、補償済OFDM信号D1を出力する。また、出力レベル変動範囲制限回路123は、補償済OFDM信号D1の信号レベルを監視して制限値E1と比較し、その比較結果に基づいて補償テーブル更新停止制御信号C2を生成し、出力OFDM信号B1の信号レベルを監視して制限値E2と比較し、その比較結果に基づいて補償テーブル更新停止解除制御信号C3を生成し、それぞれ歪み補償回路122に出力する。
上記構成において、出力レベル変動範囲制限回路123の処理動作について、図2を参照して説明する。
まず、図2(a)に示すように、例えばRSフリップフロップを利用して、歪み補償回路122の出力信号D1の出力レベルを監視し、変動許容範囲の上限閾値E1より大きくなった場合に、補償テーブル更新を停止させる制御信号C2を歪み補償回路122に送って補償動作を停止させ、歪み補償回路122の出力レベルを上限閾値E1に固定させる。また、電力増幅器14のモニタ出力信号B1の入力レベルを監視して解除閾値E2と比較し、この閾値E2よりも大きくなった場合に、補償テーブル更新停止を解除する制御信号C3を歪み補償回路122に送って補償動作を再開させる。
一方、図2(b)に示すように、例えばRSフリップフロップを利用して、ひずみ補償回路122の出力信号D1の出力レベルを監視し、変動許容範囲の下限閾値E1′より小さい場合に、補償テーブル更新を停止させる制御信号C2を歪み補償回路122に送って補償動作を停止させ、歪み補償回路122の出力レベルを下限閾値E1′に固定させる。また、電力増幅器14のモニタ出力信号B1の入力レベルを監視して解除閾値E2′と比較し、この閾値E2′よりも小さくなった場合に、補償テーブル更新停止を解除する制御信号C3を歪み補償回路122に送って補償動作を再開させる。
図3は補償動作停止、及び補償動作停止解除のタイミング関係を示す波形図(縦軸はレベル、横軸は時間)であり、(a)は補償動作停止側(セット動作)、(b)は補償動作停止解除側(リセット動作)を示している。各波形の信号変化について、順を追って説明する。
(1)まず、補償器後段の装置の特性変動、例えば電力増幅器14の故障が生じたとする。このとき、フィードバック信号(歪み信号)レベルB1が低下するため、そのレベル低下を抑制するように補償器出力D1が上昇する。
(2)補償器出力D1の上昇が続き、補償動作停止閾値(上限)E1に達すると、補償動作停止制御が実行される。このとき、補償器出力D1は停止閾値による上限値E1に固定され、電力増幅器14の入力はその特性にかかわらず制限される。
(3)補償器後段の装置の特性変動、例えば電力増幅器14が復帰したとする。このとき、フィードバック信号(歪み信号)レベルB1が上昇する。
(4)フィードバック信号B1が停止解除閾値E2を越えたとき、補償動作停止を解除する。補償動作停止解除後、補償動作復帰により補償器出力レベルD1は定格値に近づき、フィードバック信号(歪み信号)レベルB1も定格値に近づく。
(5)以上の処理により、通常動作となる。
したがって、上記構成による歪み補償器は、入出力レベルを監視し、ひずみ補償動作の停止制御/停止解除制御を自動的に行なうことで、ひずみ補償出力レベルの変動を許容範囲内に制限しつつ、自動復帰が可能となり、安定した補償動作を行なうことができる。
尚、上記実施形態では、地上デジタル放送用送信機に用いられる歪み補償器の場合について説明したが、勿論他の被歪み補償対象機器についても同様に適用可能である。
以上、本発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
発明に係る一実施形態として、OFDM方式を用いた地上デジタル放送用送信機の歪み補償器に本発明を適用した場合の構成を示すブロック回路図。 同実施形態の出力レベル変動範囲制限回路123の処理動作を説明するための図。 同実施形態の補償動作停止、及び補償動作停止解除のタイミング関係を示す波形図。
符号の説明
11…OFDM変調器、
12…歪み補償器、
121…歪み検出回路、
122…歪み補償回路、
123…出力レベル変動範囲制限回路、
13…アップコンバータ(U/C)、
14…電力増幅器、
15…モニタ装置、
16…ダウンコンバータ(D/C)。

Claims (3)

  1. 被歪み補償対象機器の入力信号と前記対象機器の出力モニタ信号とを取り込んで両者を比較し、その比較結果から前記対象機器で生じる歪み成分を検出する歪み検出手段と、
    前記歪み検出手段の検出結果に基づいて前記対象機器の入力信号に歪み補償特性を与える補償手段と、
    前記補償手段の出力を許容範囲の閾値と比較し、閾値を越えるときに前記補償手段の補償処理を停止させる補償停止手段と、
    前記対象機器の出力モニタ信号を解除閾値と比較し、前記出力モニタ信号レベルを前記補償処理の停止中に前記解除閾値を越えるときに前記補償処理の停止を解除する補償停止解除手段とを具備することを特徴とする歪み補償器。
  2. 前記補償停止手段は、前記補償手段の出力レベルを監視し、変動許容範囲の上限閾値より大きくなった場合に、補償動作を停止させる制御信号を前記補償手段に送って補償動作を停止させ、当該補償手段の出力レベルを上限閾値に固定させるようにし、
    前記補償停止解除手段は、出力モニタ信号の入力レベルを監視し、解除上限閾値と比較し、この閾値よりも大きくなった場合に、前記補償動作停止を解除する制御信号を前記補償手段に送って補償動作を再開させることを特徴とする請求項1記載の歪み補償器。
  3. 前記補償停止手段は、前記補償手段の出力レベルを監視し、変動許容範囲の下限閾値より小さくなった場合に、補償動作を停止させる制御信号を前記補償手段に送って補償動作を停止させ、当該補償手段の出力レベルを下限閾値に固定させるようにし、
    前記補償停止解除手段は、出力モニタ信号の入力レベルを監視し、解除下限閾値と比較し、この閾値よりも小さくなった場合に、前記補償動作停止を解除する制御信号を前記補償手段に送って補償動作を再開させることを特徴とする請求項1記載の歪み補償器。
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