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JP4498779B2 - X線イオンチャンバ検出器およびx線検出装置 - Google Patents
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X線イオンチャンバ検出器およびx線検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、医療分野における一般のX線診断用やCTスキャン用のX線検出器などに用いられているX線マルチイオンチャンバ検出器に関し、特に低エネルギーX線を検出するX線マルチイオンチャンバ検出器に関する。
X線イオンチャンバ検出器は、X線吸収係数の大きいキセノンガスなどの不活性ガスを封入した金属容器内に、高電圧電極と信号電極を対置したもので、X線が侵入すると封入ガスが電離して高電圧電極と信号電極の間に電流が流れるので、X線を検出することができる。
X線マルチチャンネルイオンチャンバ検出器は、高電圧電極と信号電極の対を多数隣接して配置したもので、信号電極に検出される電流により、X線が入射した位置を知ることができる。
X線マルチイオンチャンバ検出器は、医療診断用のX線検出器として普通のX線診断用検出器やCT(コンピュータトモグラフィ)用のX線検出器などに利用されている。
たとえば、特許文献1と特許文献2には、X線CT装置やコンピュータラジオグラフィなどに用いる検出器で、平行に対置された1対の絶縁板に複数の電極板を装着した多チャンネル電離箱型放射線検出器が記載されている。
本文献に記載されたマルチチャンネルイオンチャンバ検出器は、電極間ピッチが0.5mm〜1.5mmと狭いのに検出部の長さが約800mmにも達する。そこで、本文献記載の発明は、多数の電極板対を装着したセラミック製の短い絶縁板を複数合体して長い検出器を形成すると、絶縁板毎に微妙に加工精度が異なるため合体により許容誤差を超える大きな誤差が生じて精度の高い検出器を得ることができないので、絶縁板ブロックを一体化した後に電極板を嵌め込む溝を加工することにより精度を向上させたものである。このようにして形成した断面長方形の電極ブロックを、X線吸収率が小さいアルミニウムなどの軽金属で形成したチャンバの内法断面が長方形の鞘に挿入してXeガスを満たしたものである。
なお、特許文献2では、X線を入射させる部分の壁を薄くするため溝を形成した上、溝部を跨いで引張り強度の大きい繊維強化プラスチックを当てることにより容器の変形を抑制するようにしたものである。
また、非特許文献1には、X線源とX線検出器を同期して移動させ、線源と検出器の間に立った患者のX線像を取得するX線装置が開示されている。このX線装置で使用されるX線イオンチャンバ検出器は、図に示すように、高圧電極板とプリント基板上に形成された線状の信号電極を対向配置して10気圧のキセノンガスを充填したものである。なお、チャンバ容器は十分な厚さを有するアルミニウム製の角形ボックスで外部からのX線侵入を防止するものであるが、電極の間にX線を取り込むためにX線入射部分に溝を形成して薄肉化してある。
高圧電極板と線状信号電極の間に2kVの高電圧を印加しておくと、侵入したX線でキセノンガスが電離して発生する電荷がX線侵入位置にある信号電極に捕捉されるので、チャンバ容器内に設置したマルチプレクサで各信号電極の蓄積電荷を順次読み出すことによりX線入射位置を検出することができる。
線状信号電極はそれぞれ0.4mm幅800mm長で、X線入射方向に垂直に配置される直線状のプリント基板上でX線源位置を中心とする放射線上に1024本が展開されているが、プリント基板製造技術を活用するため比較的簡単に精度良く形成することができる。
特公平6−90289号公報 特開平6−111758号公報 E.A. Babichev et al. "Photon counting and integrating analog gaseous detectors for digital scanning radiography" Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A 419(1998) pp.290-294
従来のイオンチャンバ検出器は、計測目的外の方向から入射するX線を十分遮断し目的とするX線は十分透過するように、容器をアルミニウムなどの軽金属で製作してX線を対向電極に取り込む位置の容器壁の肉厚を部分的に薄くすることによって検出効率を向上させる構造を有する。しかし、イオンチャンバ検出器では高圧の希ガスを封入するので、肉厚を薄くすることに限界があり、低エネルギー側のX線については軽金属でも透過しにくく検出効率が著しく低下する。
そのため、特に40keV以下の低いエネルギーにおけるX線像を観察したいときには、従来の検出器では十分ではない。
さらに、従来のイオンチャンバ検出器では、組立時における電極部や信号処理部の位置調整や取付工作を目視できない状態で行う必要があり容易でない。また、電極板を3次元的に動かして向きを調整するので組立が容易でなかった。このため、容易に調整や工作ができる方策が求められていた。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、低エネルギーX線の検出効率が高いX線マルチチャンネルイオンチャンバ検出器およびX線検出装置を提供することであり、また、組立調整が容易なイオンチャンバ検出器およびX線検出装置を提供することである。
上記課題を解決するため本発明のX線イオンチャンバ検出器は、密封可能な外筺容器とこの外筺容器に出し入れ可能な中子とで構成され、中子には対向配置した1対の電極板と信号読み出し回路を固定し、外筺容器は低エネルギーX線を透過しやすい繊維強化プラスチックにより成型したもので中子を挿入した後に密封して感応ガスを封入し、1対の電極の間に高電圧を掛けて電極板に挟まれた空間に侵入するX線を検出することを特徴とする。
本発明のX線イオンチャンバ検出器は、外筺容器を繊維強化プラスチックで形成するので、加圧状態で充填するキセノンガスなどの感応ガスの圧力にも十分耐え、しかも成分が炭素と水素が主体で原子番号の大きな元素を含まないため低エネルギーX線の透過率も高い。
特に、外筺容器を炭素繊維強化プラスチックで形成すると、炭素主体のため単位厚さ当たりの低エネルギーX線の減衰が少ないばかりか、筐体の強度が大きいので容器の壁を薄く形成することができるため、総合的な低エネルギーX線の検出効率が著しく向上するので好ましい。
また、本発明のX線イオンチャンバ検出器の中子は、金属製の担体に電極板や信号読み出し回路を搭載したものであって、担体には1対の電極板に挟まれた空間にX線を取り込む部分に開口を有するものであることが好ましい。さらに、外筺容器を円筒状に形成し、中子の外側を円柱形に形成して、中子が外筺容器内で回転できるようにしてもよい。
中子の担体にX線の通路になる開口を設けることにより、X線の減衰量をさらに抑制することができる。なお、検出器の強度は繊維強化プラスチック製の外筺容器により十分持たせることができる。また、中子に開口を設けてX線の通路にする場合は、中子の材質にX線の透過率を考慮する必要がないため、軽金属に限らず適当な金属その他の材料を用いることができる。
さらに、中子が回転するようにしてある場合は、電極板に挟まれた空間の向きをX線の入射方向に簡単に合わせることができる。さらに、電極板の位置を中子の開口位置に対して決めれば、中子をプラスチック製の外筺容器に挿入して開口位置に頼りながら電極板の位置決めすることが簡単にできる。
なお、中子に搭載する1対の電極板のうち一方は1枚の高電圧電極板で他方は複数の線状の信号電極を軸方向に並べて形成した信号電極板であってもよい。
信号電極板は0.1mm水準の寸法間隔で配設されるが、たとえばプリント基板製造技術を利用することにより簡単に正確な寸法精度を得ることができる。
信号読み出し回路は、信号電極に接続された切り替え器を備え、切り替え器により各信号電極を切り替えて信号電極に蓄積された電荷を順次読み出すことによりX線の一次元像を与えるものである。
信号読み出し回路は信号電極のそれぞれと結線されている必要があるが、中子に一緒に搭載するようにしたため、検出器と外部回路装置の間に多数の信号線を結線する必要がなく、信号読み出し回路で変換して総合化した信号を外部回路に供給する信号線があればよい。
本発明のX線検出装置は、上記各態様のX線イオンチャンバ検出器を利用したものであって、低エネルギーX線についても検出効率が高く、また電極版などを容易に位置調整できるという利点がある。
以下、実施例を用いて本発明のX線イオンチャンバ検出器を詳細に説明する。
本実施例のX線イオンチャンバ(電離箱)検出器は、多数の信号電極を備えて順次読み出しをして入射位置検出やエネルギー測定を行うことができる、いわゆるマルチチャンネル式のもので、1次元X線透過像を測定する。したがって、形成する部位を連続的に移動することにより2次元のX線像を作成するための検出器や、種々の方向からX線照射した画像を処理して立体像を得るCT(コンピュータトモグラフィ)用の検出器として利用することができる。
図1は本発明の1実施例に係るX線マルチチャンネルイオンチャンバ検出器の断面図、図2はその組立分解図、図3はアルミニウム材料と炭素繊維強化プラスチックス材料の厚さとX線透過率の関係を示す線図である。
本実施例のX線マルチチャンネルイオンチャンバ検出器は、図2の分解組立図から分かるように、軸方向に長い検出領域を有する円柱状の検出器であって、円柱状の中子1を円筒状の外筐容器2に挿入して、蓋3で密封してキセノンガスなどの希ガスを加圧下で注入したものである。
中子1には、高電圧電極板11と線状に多数形成された信号電極12と信号電極に蓄積された電荷を順次読み出すマルチプレクサ回路13が搭載されている。
高電圧電極板11は中子に対応する長さを有する金属板であり、信号電極12はプリント基板上に多数形成された線状の電極片である。信号電極12は高電圧電極板11と狭い空間を挟んで対向して配置される。
外部から侵入してきたX線は、キセノン原子に衝突して電子とイオンに解離させる。解離した電子は、印加された高電圧の作用で再結合しないうちに近くの信号電極に集められて蓄積する。並列に並んだたとえば1024個の信号電極12に集められた電荷は、マルチプレクサ13がスキャンして読み出し、外部の信号処理装置に順次伝送する。図外の外部信号処理装置は、入力された検出信号から1次元X線像を生成し、さらに2次元に展開することにより2次元X線透過像を形成したり、CT用の高度な処理を行ってトモグラフィを得たりする。
電極片の大きさや間隔は測定対象の要求精度により異なるが、たとえばX線像診断装置に用いるものでは0.5mm幅80mm長の電極片を800mmの間に1024個並列に配置したものなどが用いられる。このように極めて精密な構造もプリント基板製造技術を適用することによって比較的容易に製作することができる。
マルチプレクサ回路13は集積回路で構成したもので、信号電極12の蓄積電荷を読み出すため、各電極ごとに信号線を接続しなければならないので、信号電極12の直ぐ後ろに配置して接続する信号線が短く整理されるようにしてある。
中子1は、信号電極12とマルチプレクサ回路13を支持する基礎架台14を備えても良い。信号電極12と所定の距離を隔てて高電圧電極板11が支持されている。高電圧電極板11は天井から垂下した電線15に接続されていて、数kVの高電圧が電線15を介して印加される。なお、電線15は金属棒であっても良い。
中子1には壁に開口16が設けられていて、この開口16から侵入するX線が電極間の空間に導かれ、位置とX線エネルギーに応じて電離された量の電気信号の積算が測定されることになる。
このように構成された中子1を外筺容器2に設けられた穴に挿入し位置を固定した後に蓋を締めて容器を密封し、真空に引いた後で数100kPaから数MPaの希ガスを封入する。
外筺溶器2は、繊維強化プラスチックで形成される。繊維強化プラスチックは炭素を主成分とするため、アルミニウムなどの軽金属と比較してもX線透過率が大きい。特に低エネルギーX線の透過率を比較すると差が顕著であるので、X線透過部分を形成するのに適している。しかも、引張り強度など材料の強度も軽金属より大きいので、高圧ガスを封入するX線イオンチャンバ検出器の容器として使用することができる。
繊維強化プラスチックの強度は、強化用繊維とマトリックスの混合比率から複合則で算出することができるが、強化用繊維としてカーボン繊維を用いマトリックス樹脂にエポキシ樹脂を用いた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)では、引張り強度200MPa程度のアルミニウムと比較して10倍の2000MPa以上の引張り強度を持たせることができる。したがって、CFRP製の外筺容器であれば、アルミニウム製の容器より薄い肉厚でも十分に高圧ガスに耐えることができる。
また、CFRPは炭素を主成分としナトリウムやカリウムなどの金属原子を含まないため、アルミニウムなどと比較してX線の吸収が小さくX線透過率が高い。図3は、アルミニウムとCFRPについて、20keVX線の透過率を材料の厚さに対してプロットしたグラフである。これから、アルミニウムでは肉厚が0.5mmでも透過率が0.6程度に低下するのに対して、CFRPでは4mm程度の肉厚でもX線透過率が0.8程度までしか低下しない。したがって、CFRP製の外筺容器を用いることにより、X線導入口を薄肉化しなくても十分にX線を検出するような検出器を構成することができる。
なお、繊維強化プラスチックのマトリックスにはエポキシ樹脂の他にも、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂など、種々の合成樹脂が利用できる。また、強化用繊維としてアラミド繊維などの高張力合成繊維を使用しても低エネルギーX線の透過率が高く、同様の効果を得ることができる。
なお、本実施例のX線イオンチャンバ検出器は、外筺容器で内圧を支持し、かつ中子の円柱体ではX線射入用の開口を備えてX線を自由に透過させる。したがって、中子の材質には制約がなく、金属であってもよい。
本実施例のX線イオンチャンバ検出器は、電極と信号取り出し回路を中子に搭載して、中子を外筺容器に挿入して構成する。X線イオンチャンバ検出器ではX線の入射位置と電極板の位置調整が検出効率を左右する重要な要素となる。
従来技術の検出器であれば、アルミニウム製容器の中の電極板を目に見えない状態で位置調整するため高度な技術が必要であるが、本実施例のX線イオンチャンバ検出器では、中子を円筒状の外筺容器に挿入する前に電極板等を中子に固定するので、中子の開口から電極板の位置を確認しながら位置調整作業をすることができる。さらに、電極板等を開口に対して所定の位置に固設した中子を外筺容器に挿入して左右に軽く回転し、外筺容器の表面に印された目印と中子に印された目印を合わせることにより、簡単に所定位置に納まる。
こうして組み立てる方式では、熟練者でなくとも容易に正確な位置合せをすることができる。また、メンテナンス時の再組立でも簡単に正しい位置に収納することができる。
なお、上記では、外筺容器や中子について断面形状が円形である場合について説明したが、互いに嵌合できればその他の形状であってもよいことは言うまでもない。
本発明の1実施例に係るX線イオンチャンバ検出器の断面図である。 本実施例のX線イオンチャンバ検出器の組立分解図である。 本実施例に使用する繊維強化プラスチックとアルミニウムのX線透過率を表すグラフである。 従来のX線イオンチャンバ検出器の立面断面図と平面断面図である。
符号の説明
1 中子
2 外筐容器
3 蓋
11 高電圧電極板
12 信号電極
13 マルチプレクサ回路
14 基礎架台
15 電線
16 開口

Claims (6)

  1. 密封可能な円筒状の外筺と、該外筐と同軸の円柱状の金属製担体を備えた中子で構成されたX線イオンチャンバ検出器であって、前記担体は前記外筺の内壁側面に嵌合して軸方向への出し入れおよび軸の周りの回転が可能な外壁側面を有し、対向配置した1対の電極板と信号読み出し回路が固定され、該1対の電極板の間にX線を導く開口を有し、前記外筺は低エネルギーX線を透過しやすい繊維強化プラスチックにより成型したもので前記中子を挿入した後に密封して感応ガスを封入したもので、前記1対の電極の間に高電圧を掛けて該電極板の間の空間に侵入するX線を検出することを特徴とするX線イオンチャンバ検出器。
  2. 前記1対の電極板は、該1対の電極板のうち一方は1枚の高電圧電極板で他方は複数の線状の信号電極を軸方向に並べて形成した信号電極板であることを特徴とする請求項1記載のX線イオンチャンバ検出器。
  3. 前記外筺は炭素繊維強化プラスチックで形成することを特徴とする請求項1または2に記載のX線イオンチャンバ検出器。
  4. 前記中子は金属製の担体に前記電極板や信号読み出し回路を搭載したもので、前記担体は前記1対の電極板の間にX線を案内する部分に開口を有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のX線イオンチャンバ検出器。
  5. 前記信号読み出し回路は前記信号電極に接続された切り替え器を備え、該切り替え器により各信号電極を切り替えて該信号電極に蓄積された電荷を順次切り替えて読み出すことによりX線の一次元像を与えることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のX線イオンチャンバ検出器。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載のX線イオンチャンバ検出器を利用したX線検出装置。
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