JP4499394B2 - ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びこれを用いた型内成形体 - Google Patents
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Description
上記ポリプロピレン系樹脂組成物としては,その発泡適性等の面から,主としてプロピレンにエチレンや1−ブテン等のα−オレフィンを共重合させたプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体等が用いられている。しかし,これらは共重合体であるがゆえに,重合体そのものの力学物性が低い。
そこで,上記ポリプロピレン系樹脂組成物の力学物性を向上させるために,共重合体中のコモノマー含量を低くする方法や,あるいはプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体に直鎖状ポリエチレンを混合する方法(特許文献1参照)が提案されていた。しかし,このような方法によっても,成形体の力学物性を向上させるには限界があった。
しかし,シンジオタクチック構造を有するポリプロピレンは,アイソタクチック構造を有するポリプロピレンに比較して融点が低く,機械的物性が劣るという問題があった。
この場合には,発泡粒子の気泡径が比較的均一となるという特徴があるが,かかる発泡粒子を用いて得られる成形体は圧縮永久歪が大きいという問題があり,更なる改良が望まれていた。
プロピレン系重合体[A]:下記の要件(a)及び(b)を有するプロピレン系重合体。
(a)プロピレンから得られる構造単位が100〜85モル%,エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる構造単位が0〜15モル%存在すること(ただし,プロピレンから得られる構造単位と,エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる構造単位との合計量は100モル%である)。
(b)13C−NMRにて測定したときの,全プロピレン挿入中のプロピレンモノマー単位の2,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.5〜2.0%であり,かつプロピレンモノマー単位の1,3−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.005〜0.4%であること。
プロピレン系重合体[B]:上記要件(a)及び(b)のうち要件(a)だけを有するプロピレン系重合体。
即ち,プロピレン系重合体[A]とプロピレン系重合体[B]の合計量を100重量部とした場合,他のポリマー成分の添加量は40重量部以下にすることが好ましい。より好ましくは,30重量部以下がよく,さらに好ましくは15重量部以下がよい。また,もっとも好ましくは5重量部以下がよい。
また,プロピレン系重合体[A]とプロピレン系重合体[B]の合計量を100重量部とした場合,上記添加物の添加量(発泡剤のように最終的に気散してなくなるものは除く)は,添加物の使用目的にもよるが40重量部以下が好ましい。より好ましくは,30重量部以下がよく,さらに好ましくは0〜15重量部がよい。
かつ上記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子は,上記第1の発明のものを用いてなることを特徴とする型内成形体にある(請求項5)。
そのため,上記型内成形体は,圧縮強度,引張強度等の機械的物性に優れていると共に,平滑性,光沢性のような表面外観にも優れるものとなる。
尚,上記型内成形体の密度とは,JIS K7222(1999年)で定義される見掛け全体密度を意味する。
ここで,プロピレンから得られる構造単位と,エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる構造単位との合計量は100モル%である。
したがって,要件(a)を満たすプロピレン系重合体としては,プロピレン単独重合体(100モル%)よりなるもの,或いはプロピレンと,エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体よりなるものがある。
そして,このようなプロピレン系重合体を含有してなる上記ポリプロピレン系樹脂組成物は,発泡粒子を製造するための基材樹脂として用いることができる。
この要件(b)はプロピレン系重合体の位置不規則単位の割合に関するものであり,かかる不規則単位は,プロピレン系重合体の結晶性を低下させる作用を有し,発泡適性を高める効果を示す。
13C−NMRスペクトルの測定法は,例えば下記の通りである。
即ち,直径10mmφのNMR用サンプル管内に,350〜500mg程度の試料を入れ,溶媒としてo−ジクロロベンゼン約2.0ml及びロック用に重水素化ベンゼン約0.5mlを用いて完全に溶解させた後,130℃にてプロトン完全デカップル条件下に測定した。
なお,13C−NMR法での位置不規則単位の検出感度は,通常0.01%程度であるが,積算回数を増加することにより,これを高めることが可能である。
即ち,プロピレンモノマーは,通常,メチレン側が触媒中の金属成分と結合する方式,すなわち,いわゆる「1,2−挿入」にて反応するが,希には,「2,1−挿入」や「1,3−挿入」を起こすことがある。「2,1−挿入」は,「1,2−挿入」とは付加方向が逆となる反応形式であり,ポリマー鎖中に上記の部分構造(Ι)で表される構造単位を形成する。
微粒子状担体に金属錯体成分を担持させる場合,金属錯体成分の担持量は,担体1gあたり0.001〜10mmolであることが好ましく,より好ましくは,0.001〜5mmolであることがよい。
また,上記メタロセン系触媒の中でも,ジルコニウムジクロリド型の錯体が好適に使用されるが,その中でも,特に架橋型錯体を用いることが好ましい。
具体的には,メチレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,メチレンビス{1,1’−(2−エチル−4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,メチレンビス{1,1’−(4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,メチレンビス{1,1’−(4−ナフチルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,エチレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,エチレンビス{1,1’−(2−エチル−4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,エチレンビス{1,1’−(4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,エチレンビス{1,1’−(4−ナフチルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデンビス{1,1’−(2−エチル−4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデンビス{1,1’−(4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデンビス{1,1’−(4−ナフチルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−エチル−4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス{1,1’−(4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,ジメチルシリレンビス{1,1’−(4−ナフチルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,ジフェニルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,ジフェニルシリレンビス{1,1’−(2−エチル−4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,ジフェニルシリレンビス{1,1’−(4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,ジフェニルシリレンビス{1,1’−(4−ナフチルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,等が例示できる。
これらの中でも特に,ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド,及びジメチルシリレンビス{1,1’−(2−エチル−4−フェニルジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドを用いることが好ましい。この場合には,上記の各位置不規則単位の割合を容易に本発明の範囲内にコントロールすることができると共に,後述する要件(d)を満足する(アイソタクチックトリアッド分率が97%以上の)プロピレン重合体を容易に得ることができる。
また,全プロピレン挿入に対する2,1−挿入したプロピレンの割合,及び1,3−挿入したプロピレンの割合は,下記の式で計算した。
(−0.20)・Tm+35≦Y≦(−0.33)・Tm+60・・式(1)
また,ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法としては,樹脂粒子を水に分散させつつ発泡剤を含浸させた後,高温高圧下から低圧下に放出して発泡粒子化する方法が一般的であるが,この際,適度の水蒸気透過性は,樹脂粒子への水及び発泡剤の浸透を行いやすくする。その結果,樹脂粒子内における水及び発泡剤の分散が均一となり,得られる発泡粒子の気泡径を均一にし,また,発泡倍率を向上させることができる。
上記水蒸気透過度(Y)がプロピレン系重合体の融点(Tm)との関係で表現されているのは,発泡粒子の製造時の発泡温度や型内成形時の飽和スチーム温度が,一般的に基材樹脂であるプロピレン系重合体の融点(Tm)が高いほど高くなり,融点(Tm)が低いほど低くなることに基づいている。
尚,上記融点(Tm)は,JIS K7121(1987年)に記載の「一定の熱処理を行った後,融解温度を測定する場合」を採用し(試験片の状態調節における加熱速度と冷却速度は,いずれも,毎分10℃を採用),熱流束DSC装置を使用し,加熱速度毎分10℃にてDSC曲線を描かせ,得られたDSC曲線上の融解ピークの頂点が採用される。尚,複数の頂点が観測された場合には,高温側のベースラインを基準に融解ピークの頂点が最も高いものが採用され,最も高い融解ピークの頂点が複数ある場合はそれらの相加平均値が採用される。
上記プロピレン系重合体[B]は,上記の要件(a)及び(b)のうち要件(a)だけを有するプロピレン系重合体である。即ち,上記プロピレン系重合体[B]は,プロピレンから得られる構造単位が100〜85モル%,エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる構造単位が0〜15モル%存在するという要件(a)を満たし,上記要件(b)については満足しないものである。上記プロピレン系重合体[B]は,通常,上記(1)式も満足しない。このようなプロピレン系重合体[B]は,例えばチーグラー/ナッタ触媒等を用いて得ることができる。
上記要件(a)は,上記プロピレン系重合体[A]の要件[a]と同様である。
すなわち,上記プロピレン系重合体[A]は,一般に狭い分子量分布を有し,一方,上記プロピレン系重合体[B]は,一般に広い分子量分布を有する。したがって,上記プロピレン系重合体[A]に対して,上記プロピレン系重合体[B]を混合してなる樹脂組成物は広い分子量分布を有するものとなる。
そして,一般に分子量分布が広い場合には,それが狭い場合に比べて配向される度合が低い。このことから,上記プロピレン系重合体[A]に対して,上記プロピレン系重合体[B]を混合してなる樹脂組成物を用いて得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子は,上記プロピレン系重合体[A]を単独で用いて得られる樹脂発泡粒子に比して,二次発泡力が高くなるものと推定される。
プロピレン系重合体[A]の配合比が5重量%未満である場合には,プロピレン系重合体[B]が主たる成分であるために,得られる発泡粒子中の気泡径が小さなものとなる傾向があり,その力学特性が不十分となるおそれがある。また,かかる発泡樹脂粒子を型内成形するには高温の水蒸気が必要となるおそれがある。
一方,プロピレン系重合体[A]の配合比が95重量%を越える場合には,得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子は,その二次発泡性が不十分となるおそれがある。
(d)頭−尾結合からなるプロピレン単位連鎖部における,13C−NMRで測定したときのアイソタクチックトリアッド分率は97%以上であること。
この場合には,上記ポリプロピレン系樹脂組成物を基材樹脂として用いて得られる発泡粒子中の気泡径の均一性が,より高くなるという効果を得ることができる。
なお,更に好ましくは,上記mm分率は98%以上である。
(e)メルトフローレートが0.5〜100g/10分であること。
「示差走査熱量計による測定で,実質上単独の融解ピークを示す」とは,上記融点(Tm)を測定する方法と同じ方法にて上記ポリプロピレン系樹脂組成物の融点を測定した場合において,1つの融解ピークとして観察されることを意味する場合のみならず,複数の融解ピークが観察された場合であっても,隣合う融解ピークの頂点間の温度差(高温側融解ピークの頂点−低温側融解ピークの頂点)が7℃以内の場合をも包含するが,その温度差は5℃以内であることが好ましく,3℃以内であることがより好ましい。
上記の隣合う融解ピークの頂点間の温度差が小さいほど,上記プロピレン系重合体[A]と上記プロピレン系重合体[B]とが相互に高いレベルで溶解していることを意味し,樹脂組成物としての均一性が高いことを示す。その結果,かかるポリプロピレン系樹脂組成物を基材樹脂として用いて得られる発泡樹脂粒子においては,型内成形時の二次発泡性に優れるものとなる。
尚,本発明において,上記プロピレン系重合体[B]の融点は,使用される上記プロピレン系重合体[A]の融点と同じであっても構わないが,両重合体の融点は2℃以上離れていることが好ましく,3℃以上離れていることが好ましく,5〜30℃離れていることがより好ましい。
(f)上記発泡剤の臨界温度をTc[℃]とした場合に,Tcが下記の式(2)を満足すること。
−90℃≦Tc≦400℃ 式(2)
一方,400℃を越える場合には,高倍率,例えば嵩密度が0.1g/cm3以下のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得ることが極めて困難となるおそれがある。
0℃≦Tc≦300℃ 式(3)
30℃≦Tc≦200℃ 式(4)
なお,上記発泡剤は,単独で使用してもよいし,また複数の発泡剤を組み合わせて用いてもよい。
上記発泡核剤としては,タルク,炭酸カルシウム,シリカ,酸化チタン,石膏,ゼオライト,ホウ砂,ホウ酸亜鉛,水酸化アルミニウム等の無機化合物の他,カーボン,リン酸系核剤,フェノール系核剤,アミン系核剤等の有機系核剤が挙げられる。これら各種添加剤の添加量は,その添加目的により異なるが,上記基材樹脂100重量部に対して15重量部以下であり,好ましくは8重量部以下,更には5重量部以下が最も好ましい。
また,一般に,樹脂粒子1個の重量が0.1〜20mgであれば発泡粒子の製造に支障はない。樹脂粒子1個の重量が0.2〜10mgの範囲にあって,更に粒子間の重量のばらつきが少であれば,発泡粒子の製造が容易になり,得られる発泡粒子の密度ばらつきも小となり,成形型内等への発泡樹脂粒子の充填性が良好となる。
上記分解型発泡剤としては,樹脂粒子の発泡温度で分解してガスを発生するものであれば使用することができる。具体的には,たとえば重炭酸ナトリウム,炭酸アンモニウム,アジド化合物,アゾ化合物等が挙げられる。
このような分散強化剤としては,40℃の水100ccに対して少なくとも1mg以上溶解し得る無機物質であって,該化合物の陰イオンまたは陽イオンの少なくとも一方が2価または3価のものを用いることができる。このような無機物質としては,たとえば,塩化マグネシウム,硝酸マグネシウム,硫酸マグネシウム,塩化アルミニウム,硝酸アルミニウム,硫酸アルミニウム,塩化鉄,硫酸鉄,硝酸鉄等が例示される。
一方,密度が0.008g/cm3よりも小さくなると,独立気泡率が小さくなる傾向にあり,曲げ強度,圧縮強度等の機械的物性が不充分となるおそれがある。
本発明の型内成形体は,例えば包装容器,玩具,自動車部品,ヘルメット芯材,緩衝包装材等に好適である。
まず,ポリプロピレン系樹脂組成物を構成するプロピレン系重合体[A]及び[B]を,下記の製造例1〜8に示す方法で合成した。
(i)[ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド]の合成
以下の反応は全て不活性ガス雰囲気で行い,また,反応には予め乾燥精製した溶媒を用いた。
特開昭62−207232号公報に記載の方法に従って合成した2−メチルアズレン2.22gをヘキサン30mLに溶解し,フェニルリチウムのシクロヘキサン−ジエチルエーテル溶液15.6mL(1.0当量)を0℃にて少量ずつ添加した。
この溶液を室温で1時間撹拌した後,−78℃に冷却し,テトラヒドロフラン30mLを加えた。
上記で得られたビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)ジメチルシラン786mgをジエチルエーテル15mLに溶解し,−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.68mol/L)1.98mLを滴加し,徐々に室温に昇温し,その後室温にて12時間撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた固体をヘキサンで洗浄し,減圧乾固した。
得られた溶液を減圧下に濃縮し,ヘキサンを加えて再沈殿させることにより,ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドよりなる,ラセミ/メソ混合物150mgを得た。
上記の反応を繰り返して得たラセミ/メソ混合物887mgをガラス容器に入れ,ジクロロメタン30mLに溶解し,高圧水銀ランプで30分間光照射した。その後ジクロロメタンを減圧下に留去し,黄色固体を得た。
この固体にトルエン7mLを添加して撹拌後,静置することにより,黄色固体が沈殿として分離した。上澄みを除去し,固体を減圧乾固して,ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドよりなる,ラセミ体を437mg得た。
(a)触媒担体の処理
脱塩水135mLと硫酸マグネシウム16gをガラス製容器に入れ,撹拌し溶液とした。この溶液にモンモリロナイト(クニミネ工業製「クニピア−F」)22.2gを加えた後,昇温し,80℃で1時間保持した。
次いで,脱塩水300mLを加えた後に濾過により,固形分を分離した。この固形分に,脱塩水46mLと硫酸23.4g及び硫酸マグネシウム29.2gを加えた後,昇温し,加熱還流下に2時間処理した後,脱塩水200mLを加え,濾過した。
更に脱塩水400mLを加えて濾過する,という操作を2回実施した。その後,固体を100℃で乾燥し,触媒担体としての化学処理モンモリロナイトを得た。
内容積1リットルの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後,脱水ヘプタン230mLを導入し,系内温度を40℃に保持した。
ここに,上記にて調製した,触媒担体としての化学処理モンモリロナイト10gを200mLのトルエンに懸濁させて添加した。
内容積200Lの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後,十分に脱水した液化プロピレン45kgを導入した。これに,トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液500mL(0.12mol),及び水素(3NL)を導入し,オートクレーブ内を70℃に昇温した。
その後,上記固体触媒成分(1.7g)をアルゴンで圧入して重合を開始させ,3時間重合反応を行った。
このポリマーは,プロピレンから得られる構造単位が100モル%であり,即ちプロピレン単独重合体である。これは上記要件(a)を満たす。
以下,ここで得られたポリプロピレン系重合体を「ポリマー1」と称する。
上記で得られたポリマー1を厚み25ミクロンのフィルムに成形し,JIS K7129に記載の方法に従って水蒸気透過度Yを測定した(以下の製造例も同じ)結果,10.5(g/m2/24hr)であった。
なお,ポリマー1は,上記のように融点Tmが146℃であるため,上記式(1)からYは5.8≦Y≦11.8の範囲内にあるべきところ,その範囲内に入っていた。
内容積200Lの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後,十分に脱水した液化プロピレン45kgを導入した。これに,トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液500mL(0.12mol),及び水素(3NL)を導入し,オートクレーブ内を40℃に昇温した。
その後,上記固体触媒成分(3.0g)をアルゴンで圧入して重合を開始させ,3時間重合反応を行った。
このポリマーは,プロピレンから得られる構造単位が100モル%であり,即ちプロピレン単独重合体である。これは,上記要件(a)を満たす。
以下,ここで得られた重合体を「ポリマー2」と称する。
なお,ポリマー2は,上記のように融点Tmが152℃であるため,上記式(1)からYは4.6≦Y≦9.8の範囲内にあるべきところ,その範囲内に入っていた。
内容積200Lの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後,精製したn−ヘプタン60Lを導入し,トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液500mL(0.12mol)を添加し,オートクレーブ内を70℃に昇温した。その後,上記固体触媒成分(9.0g)を添加し,プロピレンとエチレンの混合ガス(プロピレン:エチレン=97.5:2.5;但し重量比)を圧力が0.7MPaとなるように導入して重合を開始させ,本条件下に3時間重合反応を行った。
このポリマーには,プロピレンから得られる構造単位が97.0モル%,エチレンから得られる構造単位が3.0モル%存在している。これは,上記要件(a)を満たす。
以下,ここで得られた重合体を「ポリマー3」と称する。
なお,ポリマー3は,上記のように融点Tmが141℃であるため,上記式(1)からYは6.8≦Y≦13.5の範囲内にあるべきところ,その範囲内に入っていた。
内容積200Lの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後,精製したn−ヘプタン60Lを導入し,トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液500mL(0.12mol)を添加し,オートクレーブ内を70℃に昇温した。その後,上記固体触媒成分(9.0g)を添加し,プロピレンと1−ブテンの混合ガス(プロピレン:1−ブテン=90:10)を圧力が0.6MPaとなるように導入して重合を開始させ,本条件下に3時間重合反応を行った。
このポリマーには,プロピレンから得られる構造単位が95.4モル%,1−ブテンから得られる構造単位が4.6モル%存在している。これは上記要件(a)を満たしている。
なお,ポリマー4は,上記のように融点Tmが142℃であるため,上記式(1)からYは6.6≦Y≦13.1の範囲内にあるべきところ,その範囲内に入っていた。
内容積200Lの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後,精製したn−ヘプタン60Lを導入し,ジエチルアルミニウムクロリド(45g),丸紅ソルベー社製三塩化チタン触媒11.5gをプロピレン雰囲気下に導入した。更に気相部の水素濃度を7.0容量%に保持しながら,オートクレーブ内温60℃にて,プロピレンを9kg/hrの速度にて4時間にわたり,オートクレーブ内に導入した。
このポリマーは,プロピレンから得られる構造単位が100モル%であり,即ちプロピレン単独重合体である。これは,上記要件(a)を満たす。
即ち,このものは,上記要件(b)を満足しないものである。
なお,ポリマー5は,上記のように融点Tmが165℃であるため,上記式(1)からYは2.0≦Y≦5.6の範囲内にあるべきところ,その範囲内に入っていない。
内容積200Lの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後,精製したn−ヘプタン60Lを導入し,ジエチルアルミニウムクロリド(40g),丸紅ソルベー社製三塩化チタン触媒7.5gをプロピレン雰囲気下に導入した。更に気相部の水素濃度を7.0容量%に保持しながら,オートクレーブ内温60℃にて,プロピレンとエチレンの混合ガス(プロピレン:エチレン=97.5:2.5;但し重量比)を圧力が0.7MPaとなるように導入した。
このポリマーには,プロピレンから得られる構造単位が96.1モル%,エチレンから得られる構造単位が3.9モル%存在している。これは,上記要件(a)を満たす。
即ち,ポリマー6は,上記要件(b)を満足しないものである。
なお,ポリマー6は,融点Tmが146℃であるため,上記式(1)からYは5.8≦Y≦11.8の範囲内にあるべきところ,その範囲内に入っていない。
特開平6−240041号公報の実施例中の[基材樹脂の製造1]に記載の方法を適用して実施した。
すなわち,内容積200Lの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後,精製したn−ヘプタン60Lを導入し,東ソーアクゾ社製のメチルアルモキサン(平均オリゴマー度16)を120g,特開平4−268307号公報に記載の方法で合成したrac−ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド(150mg)をプロピレン雰囲気下に導入した。更に気相部の水素濃度を0.5容量%に保持しながら,オートクレーブ内温40℃にて,プロピレンを7kg/hrの速度にて3時間にわたり,オートクレーブ内に導入した。
このポリマー7は,MFR=9,融点(Tm)150℃,アイソタクチックトリアッド分率が94.4%,2,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.25%,1,3−挿入に基づく位置不規則単位の割合は検出限界以下,すなわち0.005%未満であった。即ち,このものは,上記要件(b)を満足しないものである。
なお,後述する表2においては,ポリマー7の1,3挿入に基づく位置不規則単位の割合は0%として表記した。
なお,このポリマー7は,融点Tmが150℃であるため,上記式(1)からYは5.0≦Y≦10.5の範囲内にあるべきところ,その範囲外であった。
内容積200Lの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後,精製したn−ヘプタン60Lを導入し,東ソーアクゾ社製のメチルアルモキサン(平均オリゴマー度16)を120g,公知の方法[エイチ.ヤマザキ他(H.Yamazaki et.al),「ケミストリー レターズ」(“Chemistry Letters”),日本国,1989年,第18巻,p.1853]で合成したrac−ジメチルシリレンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(100mg)をプロピレン雰囲気下に導入した。更に気相部の水素濃度を0.5容量%に保持しながら,オートクレーブ内温40℃にて,プロピレンを7kg/hrの速度にて3時間にわたり,オートクレーブ内に導入した。
このポリマー8は,MFR=20,融点141℃,アイソタクチックトリアッド分率が91.5%,2,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合が2.1%,1,3−挿入に基づく位置不規則単位の割合は0.45%であった。
即ち,このものは,上記要件(b)を満足しないものである。
なお,このポリマー8は,融点Tmが141℃であるため,上記式(1)からYは6.8≦Y≦13.5の範囲内にあるべきところ,その範囲外であった。
以上の製造例1〜8の結果を表1及び表2に示す。
一方,表2より,ポリマー5〜ポリマー8は,上記要件(a)を満たしているが,上記要件(b)を満足していないことが分かる。即ち,ポリマー5〜ポリマー8は,上記プロピレン系重合体[B]に相当するものである。
製造例1で得たポリマー1(プロピレン系重合体[A])と製造例5で得たポリマー5(プロピレン系重合体[B])とを90:10(重量比)で混合し,この混合物に酸化防止剤(吉富製薬(株)製 商品名「ヨシノックスBHT」0.05wt%,及びチバガイギー製 商品名「イルガノックス1010」0.10wt%)を加えて65mmφ単軸押出機で直径1mmのストランド状に押し出し,水槽にて冷却後,長さ2mmにカットして,ポリプロピレン系樹脂組成物の細粒ペレットを得た。
まず,ペレット状のポリプロピレン系樹脂組成物1000gを水2500g,第三リン酸カルシウム200g,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2gと共に内容積5リットルのオートクレーブに入れ,更に上記発泡剤としてのイソブタン120gを加えて,140℃迄60分間で昇温した後,この温度で30分間保持した。
以上の操作によりポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得た。
また,このポリプロピレン系樹脂発泡粒子を乾燥後,嵩密度を測定したところ,42g/Lであった。また,ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の気泡は,その平均径が250μmであり,非常に均一なものであった。
まず,上記で得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子をホッパーにより圧縮空気を用いて逐次的にアルミニウム製の成形用金型に圧縮しながら充填した。その後,金型のチャンバにゲージ圧0.30MPaのスチーム(下記の表中では「成形蒸気圧」と表示)を通じて加熱成形し,型内成形体を得た。
単位体積当たりのエネルギー吸収量(kgf/cm/cm3)=50%歪時の応力(kgf/cm2)×50%歪時までのエネルギー吸収効率×0.5(cm/cm)・・・式(5)
尚,式(5)中の「50%歪時までのエネルギー吸収効率」とは,図1中の「OABの面積(斜線部の面積)/四角形OABCの面積」で表される面積割合である。
これらの結果を下記の表3に示す。
次に,ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の基材樹脂として用いるポリプロピレン系樹脂組成物の組成を変え,他は実施例1と同様にして,ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及び型内成形体を作製した。
基材樹脂としては,上記製造例1〜8で得た「ポリマー1」〜「ポリマー8」を表3又は表4に記載の組成にて配合したポリプロピレン系樹脂組成物を使用した。
その他は,実施例1と同様にして,上記ポリピロピレン系樹脂組成物を用いてポリプロピレン系樹脂発泡粒子及び型内成形体を作製し,これらの評価を行った。
その結果を表3及び表4に示した。尚,表3〜表5における成形体外観の評価基準は次の通りである。
○ 表面の間隙が少なく,凹凸も無い表面外観が優れた成形体。
△ 表面の間隙がやや認められる又は表面凹凸がやや認められる表面外観が多少劣る成形体。
× 表面の間隙が多い又は表面凹凸が多い表面外観不良の成形体。
製造例3で得たポリマー3(プロピレン系重合体[A])と製造例5で得たポリマー5(プロピレン系重合体[B])とを65:35(重量比)で混合し,他は実施例1と同様にして,ポリプロピレン系樹脂組成物の細粒ペレットを得た。
まず,ペレット状のポリプロピレン系樹脂組成物100kgを,水220L,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)5g,カオリン(分散剤)300g,粉末硫酸アルミニウム10g(分散強化剤)と共に内容積400Lのオートクレーブに入れて密閉した。続いて,発泡剤としての炭酸ガスをオートクレーブ内圧力が0.49MPa(ゲージ圧)となるように圧入した後,攪拌しながら162℃まで昇温した。
また,得られた発泡粒子について実施例1と同様にして気泡径を測定した。これらの結果を表5に示す。
また,発泡剤としてイソブタンを使用した実施例8と二酸化炭素を使用した実施例9との比較より,両者は同じ組成物を使用して同じ密度の成形体を得たものであるが,二酸化炭素を使用した実施例9の方が得られた成形体のエネルギー吸収量に優れていることが分かる。
また,上記製造例5により得たポリマー5を単独で用いた場合には,得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子は,気泡のバラツキが大きく,そのポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いて成形した型内成形体は,内部の融着度が低く,更に型内成形体の表面外観が悪く,圧縮強度(50%圧縮時の応力)についても不十分なものであった(比較例4)。
また,ポリマー8とポリマー5とを混合してなる比較例2は,プロピレン重合体[A]を含有しないため,得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子には,粗大気泡が存在した。そして,このポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いて成形した型内成形体は,表面外観がやや悪く,圧縮強度(50%圧縮時の応力)についても不十分なものであった。
また,製造例5及び6は,メタロセン系重合触媒とは異なるチーグラー/ナッタ触媒を使用したことにより,得られたプロピレン系重合体に位置不規則単位が形成されなかった例を示すものである。
また,製造例8は,製造例1及び製造例7とは異なるメタロセン系重合触媒を使用してプロピレン単独重合体を製造した例を示すが,使用されたメタロセン系重合触媒の金属錯体成分が適当でなかったため各位置不規則単位の割合が本発明の範囲を上回ったものである。
Claims (5)
- 下記のプロピレン系重合体[A]5〜95重量%と,下記のプロピレン系重合体[B]95〜5重量%(ただし,プロピレン系重合体[A]とプロピレン系重合体[B]との合計量は100重量%である)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物を基材樹脂として含有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
プロピレン系重合体[A]:下記の要件(a)及び(b)を有するプロピレン系重合体。
(a)プロピレンから得られる構造単位が100〜85モル%,エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる構造単位が0〜15モル%存在すること(ただし,プロピレンから得られる構造単位と,エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる構造単位との合計量は100モル%である)。
(b)13C−NMRにて測定したときの,全プロピレン挿入中のプロピレンモノマー単位の2,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.5〜2.0%であり,かつプロピレンモノマー単位の1,3−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.005〜0.4%であること。
プロピレン系重合体[B]:上記要件(a)及び(b)のうち要件(a)だけを有するプロピレン系重合体。 - 請求項1において,上記プロピレン系重合体[A]は,更に下記の要件(d)を有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
(d)頭−尾結合からなるプロピレン単位連鎖部における,13C−NMRで測定したときのアイソタクチックトリアッド分率は97%以上であること。 - 請求項1又は2において,上記プロピレン系重合体[A]は,更に下記の要件(e)を有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
(e)メルトフローレートが0.5〜100g/10分であること。 - 請求項1〜3のいずれか一項において,上記ポリプロピレン系樹脂組成物は,示差走査熱量計による測定で,実質上単独の融解ピークを示すことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
- ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を成形型内において成形してなり,密度0.008〜0.5g/cm 3 を有する型内成形体であって,
かつ上記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子は,上記請求項1〜4のいずれか一項に記載のものを用いてなることを特徴とする型内成形体。
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