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JP4499550B2 - 往復動型圧縮機 - Google Patents
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JP4499550B2 - 往復動型圧縮機 - Google Patents

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本発明は、例えば空気等の流体を圧縮するのに用いて好適な往復動型圧縮機に関する。
一般に、空気等を圧縮する往復動型圧縮機は、クランクケースと、該クランクケース内に回転可能に支持されたクランク軸と、基端側が前記クランクケースに取付けられたシリンダと、該シリンダ内に往復動可能に挿嵌され、ロッドを介して前記クランク軸と連結されたピストンと、該ピストンとの間に圧縮室を画成するように前記シリンダの先端側に取付けられ、吸入行程で開弁する吸込弁体と吐出行程で開弁する吐出弁体を有する空気弁とにより大略構成されている。また、シリンダの先端側には、空気弁を覆うようにシリンダヘッドが設けられている。
ここで、シリンダをクランクケースに取付ける場合には、例えばクランクケースとシリンダヘッドとの間にシリンダを挟み、この状態でシリンダヘッドに挿通したボルトの先端側をクランクケースに螺着することにより、クランクケースに取付けることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−42462号公報
ここで、往復動型圧縮機は、上死点に配置されたピストンと空気弁との間にトップクリアランスと呼ばれる隙間を有し、このトップクリアランスは、ピストンが空気弁に干渉しない範囲でなるべく小さくすることにより、圧縮空気の吐出効率を高めることができる。しかし、圧縮機を構成する各部品には、それぞれに個体差があるから、トップクリアランスは圧縮機毎に調整しなくてはならない。
そこで、従来技術では、例えばクランクケースとシリンダとの間にスペーサを挟み、その厚さや枚数を変えることでトップクリアランスを調整している。また、トップクリアランスを調整後には、吐出圧力、吐出流量を測定し、これらの値が規定の範囲に入るまでトップクリアランスを調整する。
一方、他の往復動型圧縮機には、クランクケースに設けた雌ねじ部にシリンダの基端側外周に設けた雄ねじ部を螺着することによりクランクケースにシリンダを固定し、シリンダの先端側外周に設けた雄ねじ部にシリンダヘッドに設けた雌ねじ部を螺着することによりシリンダにシリンダヘッドを固定する構成としたものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−9142号公報
また、他の往復動型圧縮機は、クランクケースとシリンダとの間のトップクリアランスを調整する場合、例えば各ねじ部を締付けるときの締付力を加減することにより調整している。
ところで、上述した特許文献1による往復動型圧縮機では、クランクケースとシリンダとの間にスペーサを挟み、その厚さや枚数を変えることによりトップクリアランスを調整している。このため、規定の吐出圧力、吐出流量が得られない場合には、ボルトを緩めてシリンダヘッド、シリンダを取外し、厚さの異なる他のスペーサに交換したり、スペーサの枚数を増減したりしなくてはならない。これにより、トップクリアランスの調整作業に手間と時間を要してしまうという問題がある。
また、往復動型圧縮機のシリンダは、クランク軸の軸線に対して直交するように配置する必要がある。このため、クランクケースのシリンダ取付面とシリンダのクランクケース取付面には、それぞれ切削加工等の仕上加工を施さなくてはならず、製造コストが嵩むという問題がある。
一方、特許文献2による他の往復動型圧縮機は、クランクケース、シリンダおよびシリンダヘッドに設けたテーパねじからなるねじ部を適宜に螺着する構成としている。ここで、テーパねじからなる各ねじ部は、締め代が少ないためにトップクリアランスの調整範囲が狭く、調整作業が難しいという問題がある。しかも、締付量を変えたときにはシリンダヘッドの位置が回転方向にずれてしまうから、シリンダヘッドに取付けられるエアクリーナ等の取付位置が定まらないという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ピストンと気体弁との間のクリアランスを正確かつ簡単に調整することにより、組立作業性等を向上できるようにした往復動型圧縮機を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、クランクケースとシリンダに別途仕上加工を施すことなく、シリンダをクランク軸の軸線に対して直交して配置できるようにした往復動型圧縮機を提供することにある。
本発明による往復動型圧縮機は、内部にクランク軸を支持するクランクケースと、基端側が該クランクケースに取付けられたシリンダと、該シリンダ内に挿嵌されロッドを介して前記クランク軸と連結されたピストンと、該ピストンとの間に圧縮室を画成するように前記シリンダの先端側に取付けられ少なくとも前記圧縮室で圧縮された気体を吐出する吐出弁体を有する気体弁とを備えている。
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記クランクケースのシリンダ取付面と前記シリンダのクランクケース取付面のうち一方の取付面には、押付力に応じて潰れ量が変化する複数個の突起を高圧鋳型鋳造によって前記クランクケースまたは前記シリンダと共に設け、前記ピストンと気体弁との間のクリアランスを前記各突起の潰れ量により調整する構成としたことにある。
請求項2の発明によると、前記各突起は、高さ寸法が異なる複数種類の突起により構成したことにある。
請求項3の発明によると、前記クランクケースとシリンダとは複数の締結部材を用いて締結する構成とし、前記複数の締結部材の締付トルクを調整することにより前記各突起の周方向の潰れ量を調整することにある。
請求項1の発明によれば、例えばシリンダをクランクケースに取付けるときに、シリンダの押付力を加減することにより、各突起の潰れ量を適宜に変化させることができる。これにより、組立作業時に、シリンダの押付力を加減して各突起の潰れ量を適宜に変化させることにより、シリンダ等を分解することなく、ピストンと気体弁との間のクリアランスを正確かつ簡単に調整することができる。この結果、往復動型圧縮機の組立作業、検査作業等の作業性を向上することができる。
一方、各突起は、潰れ量の分だけピストンと気体弁との間のクリアランスを調整することができるから、クリアランスの調整範囲を広くすることができる。しかも、各突起の潰れ量を周方向の位置で適宜に調整することにより、シリンダをクランク軸の軸線に対して直交した位置に配置することができる。これにより、クランクケースとシリンダとの取付面の仕上加工を省略することができるから、これらの部品の製造コストを低減することができる。
さらに、各突起は、クランクケースまたはシリンダを高圧鋳型鋳造によって成形するときに、これらクランクケースまたはシリンダに一緒に設けることができるから、加工工数を増やすことなく各突起を安価に設けることができる。
請求項2の発明によれば、高さ寸法が異なる複数種類の突起は、高い突起から順番に潰れるから、押付力を段階的に変化させることができる。これにより、押付力の変化を正確に知ることができ、クリアランスの調整作業をより正確に行うことができる。
請求項3の発明によれば、クランクケースとシリンダとを締結するときに、締結部材の締付力を加減するだけで各突起の潰れ量を変化させることができ、ピストンと気体弁との間のクリアランスを簡単に調整することができる。
この場合、複数の締結部材の締付トルクを調整し、各突起の潰れ量を周方向の位置で適宜に調整することにより、シリンダをクランク軸の軸線に対して直交した位置に配置することができるので、クランクケースとシリンダとの取付面の仕上加工を省略することができる。
以下、本発明の実施の形態による往復動型圧縮機を添付図面に従って詳細に説明する。
まず、図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、往復動型圧縮機としてロッキングピストン型圧縮機を例に挙げて説明する。
図1において、1は空気圧縮機の外形をなすクランクケースで、該クランクケース1は、例えばアルミニウム材料等の金属材料を用い、高圧鋳型鋳造(ダイキャスト)等の手段を用いて成形されている。また、クランクケース1は、図2に示す如く、後述の円筒ケース部2、シリンダ取付座3等により大略構成されている。
2はクランクケース1の本体部分を構成する円筒ケース部を示している。この円筒ケース部2は、図3に示すように、軸方向の一端側が開口した筒部2Aと、該筒部2Aの他端側を閉塞するように設けられた底部2Bとにより有底円筒状に形成されている。また、筒部2Aには、後述のピストンロッド8を通すためのU字状の切欠部2Cが一側に開口するように設けられ、該切欠部2Cの周囲は後述のシリンダ取付座3となっている。
3は円筒ケース部2の筒部2Aに設けられたシリンダ取付座で、該シリンダ取付座3は、後述のシリンダ7を取付けるための台座を構成している。そして、シリンダ取付座3は、図3、図4に示す如く、切欠部2Cを取囲むようにほぼコ字状に形成されている。また、シリンダ取付座3には、円弧状の段差部3Aが形成され、該段差部3Aの内側で1段下がった位置には、シリンダ7のクランクケース取付面7Aが対面するC字状のシリンダ取付面3Bが設けられている。さらに、シリンダ取付座3の四隅には、後述のボルト21が螺着するボルト穴3Cがそれぞれ形成されている。
4はクランクケース1を構成するシリンダ取付座3のシリンダ取付面3Bに一体的に突設された複数個の突起を示している。これらの突起4は、図5に示すように、例えば上向きに突出する円柱状体として形成されている。また、各突起4は、クランクケース1を鋳造するときに一体成形されるもので、アルミニウム材料等の金属材料により形成されている。
これにより、各突起4は、それぞれの先端面4Aに後述するシリンダ7のクランクケース取付面7Aを当接させることにより、このシリンダ7を支持することができる。しかも、各突起4は、後述のボルト21を強く締付けてシリンダ7の押付力を大きくしたときには、図6に示す如く、高さ方向に潰れて変形することができ、このときの潰れ量に応じて後述するトップクリアランスCを調整することができる。
5はクランクケース1の円筒ケース部2内に回転可能に設けられたクランク軸(図1中に図示)を示している。このクランク軸5は、後述する回転軸26の出力軸部26Aを含んで構成され、該クランク軸5にはバランスウエイト6が一体的に形成されている。そして、クランク軸5は、回転軸26の回転軸線O1−O1に対して偏心径rだけ偏心した偏心軸線O2−O2を有し、後述のピストン10をシリンダ7内で偏心径rの2倍の距離だけ上,下方向に往復動させるものである。
7は基端側がクランクケース1のシリンダ取付座3に取付けられたシリンダ(図1、図2参照)で、該シリンダ7は、円筒状に形成され、回転軸線O1−O1に対して直交するように垂直方向に配設されている。また、シリンダ7は、基端部がシリンダ取付座3に対面するクランクケース取付面7Aとなり、先端部が弁板取付面7Bとなっている。
8は基端側が軸受9を介してクランク軸5に回転可能に連結されたピストンロッドで、該ピストンロッド8の先端側は、シリンダ7内に進入し、その先端部に設けられた後述のピストン10をシリンダ7内で揺動しつつ往復動させるものである。
10はシリンダ7内に摺動可能に設けられたピストンで、該ピストン10は、回転軸線O1−O1と直交するようにシリンダ7内で往復動するものである。また、ピストン10は、下側に位置して下面中央にピストンロッド8の先端部が一体的に取付けられたピストン本体10Aと、該ピストン本体10Aの上面側に取付けられたリテーナ10Bとにより所謂ロッキングピストンとして構成されている。また、ピストン10を構成するピストン本体10Aとリテーナ10Bとの間には、シリンダ7の内周面に摺接し、該シリンダ7とピストン10との間を気密にシールする環状のリップシール11が配設されている。
12はピストン10に設けられた気体弁としての吸気弁で、該吸気弁12は、後述の圧縮室Aに外気を流入させ、逆向きの流れを阻止するチェック弁として構成されている。また、吸気弁12は、ピストン10のリテーナ10Bに設けられた弁体収容穴13と、該弁体収容穴13に開口するようにピストン10に設けられた吸気穴14と、前記弁体収容穴13内に設けられ、該吸気穴14を開閉する吸気弁体15とにより大略構成されている。
そして、吸気弁12は、ピストン10の吸入行程で吸気弁体15を開弁させて吸気穴14から圧縮室Aに空気を流入させる。一方、吐出行程(圧縮行程)では吸気穴14を閉弁している。
16はシリンダ7の先端側に設けられた気体弁としての吐出弁で、該吐出弁16は、シリンダ7の先端側に取付けられ、ピストン10との間に圧縮室Aを画成した弁板17と、該弁板17に設けられ圧縮室Aと後述の吐出室Bとを連通する吐出穴18と、該吐出穴18の吐出室B側に位置して前記弁板17に設けられ、該吐出穴18を開閉する吐出弁体19とにより大略構成されている。
そして、吐出弁16は、ピストン10の吸入行程で吐出穴18を閉弁している。一方、吐出行程では圧縮室A内が所定の圧力値を超えたときに開弁し、圧縮室Aと吐出室Bとを連通する。
即ち、ピストン10が下向きに変位する吸入行程では、吸気弁12が開弁して外部から圧縮室Aに空気を流入させる。そして、ピストン10が上向きに変位する吐出行程(圧縮行程)では、吸入した空気を圧縮室A内で圧縮し、この圧縮空気により吐出弁16を開弁させ、吐出室Bから外部の空気タンク(図示せず)等に圧縮空気を供給する。
20はシリンダ7の先端側に吐出弁16の弁板17を介して設けられたシリンダヘッドを示している。このシリンダヘッド20は、弁板17との間に吐出室Bを画成している。また、シリンダヘッド20には、圧縮した空気を吐出室Bから外部に向けて吐出する外部吐出口20Aが設けられている。一方、シリンダヘッド20は、上側からみてほぼ正方形状に形成され、その四隅にはシリンダ取付座3のボルト穴3Cに対応する位置に後述のボルト21を通すためのボルト挿通孔(図示せず)が設けられている。
21はシリンダ7、シリンダヘッド20等をクランクケース1に取付ける締結部材としての4本のボルトを示している。これらのボルト21は、シリンダ取付座3とシリンダヘッド20との間にシリンダ7を配置した状態で、該シリンダヘッド20のボルト挿通孔に上側から挿通し、その先端側をシリンダ取付座3のボルト穴3Cに螺着するものである。これにより、シリンダ7をシリンダ取付座3とシリンダヘッド20との間に挟持しつつ、クランクケース1に対してシリンダ7、シリンダヘッド20等を固定することができる。
ここで、往復動型空気圧縮機の吐出圧力、吐出流量は、図1に示すように、上死点に配置されたピストン10を構成するリテーナ10Bの上面と吐出弁16を構成する弁板17の下面との間に形成された隙間であるトップクリアランスCによって設定される。このトップクリアランスCは、ピストン10のリテーナ10Bが吐出弁16の弁板17に干渉しない範囲でなるべく小さくすることにより、高い吐出圧力、大きな吐出流量を得ることができる。そこで、このトップクリアランスCの調整方法について説明する。
まず、上述したように、4本のボルト21を用いてクランクケース1にシリンダ7、シリンダヘッド20等を組付ける。このときに、シリンダ7は、図6に示す如く、そのクランクケース取付面7Aをシリンダ取付座3のシリンダ取付面3Bに突設された各突起4の先端面4Aに当接させる。この状態で、ボルト21を締付けると、ボルト21の締付力がシリンダ7の押付力となり、この押付力に応じて各突起4が、図6中に二点鎖線で示すように潰れて変形する。このように各突起4を変形させることにより、ピストン10上面と吐出弁16の弁板17下面との間のトップクリアランスCを調整することができる。
しかも、ボルト21の締付トルクと各突起4の変形に伴うトップクリアランスCとの関係は、図7に示す特性線のようになる。そこで、図7の特性線に基づいて、各ボルト21の締付トルクを加減することによりトップクリアランスCを小さな値に簡単に調整することができる。
次に、22はクランクケース1を構成する円筒ケース部2の底部2B側に取付けられた電動モータで、該電動モータ22は、例えば直流ブラシレスモータ等により構成されている。また、電動モータ22は、外形をなす有蓋円筒状のモータハウジング23と、該モータハウジング23の内周側に固定されたステータ24と、該ステータ24の内周側に設けられたロータ25と、該ロータ25の中心部に固着され、該ロータ25と一緒に回転軸線O1−O1を中心に回転駆動する回転軸26とにより大略構成されている。また、回転軸26は、円筒ケース部2の底部2Bに軸受27を介して回転可能に支持されている。さらに、回転軸26の一端側は、円筒ケース部2内に突出して出力軸部26Aとなり、クランク軸5に一体的に挿嵌されている。
また、28は円筒ケース部2の一端側に取付けられた円筒状のファンケースを示している。さらに、29はファンケース28内に位置して回転軸26の出力軸部26A先端に取付けられた冷却ファンを示している。
第1の実施の形態による往復動型空気圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
まず、電動モータ22によって回転軸26を回転駆動すると、該回転軸26の出力軸部26Aおよびクランク軸5の回転が軸受9、ピストンロッド8を介してピストン10に伝えられ、該ピストン10はシリンダ7内を揺動しつつクランク軸5の偏心径rの2倍の距離だけ上,下方向に往復動する。
そして、ピストン10がシリンダ7内で往復動することにより、ピストン10が上死点から下死点へと達する吸入行程では、圧縮室A内が負圧になるから、吸気弁12が開弁して圧縮室A内に空気を吸入させることができる。また、ピストン10がシリンダ7内で下死点から上死点へと達する圧縮行程では、圧縮室A内の空気を圧縮することによって吐出弁16が開弁するから、圧縮空気を吐出室Bを介して吐出し、外部の空気タンク等に貯留することができる。
ここで、圧縮空気の吐出圧力、吐出流量は、ピストン10と吐出弁16の弁板17との間のトップクリアランスCによって設定される。しかし、トップクリアランスCは、目視しながら調整することができないため、正確に調整するのが難しく、手間や時間も要してしまう。
然るに、第1の実施の形態によれば、クランクケース1を構成するシリンダ取付座3のシリンダ取付面3Bには、クランクケース1に対してシリンダ7、シリンダヘッド20を固定するボルト21の締付トルク(シリンダ7の押付力)に応じて潰れ量が変化する複数個の突起4を設けている。従って、各ボルト21を締付けるときのトルク(締付力)を加減することにより、各突起4の潰れ量を適宜に変化させることができる。これにより、シリンダ取付座3のシリンダ取付面3Bから吐出弁16の弁板17までの距離、即ち、ピストン10のリテーナ10B上面と吐出弁16の弁板17下面との間のトップクリアランスCを調整することができる。
しかも、各ボルト21の締付トルクとトップクリアランスCとの関係は、図7に示す特性線のようになるから、この特性線に基づいて各ボルト21の締付トルクを加減することにより、目視することができないトップクリアランスCを適正な値に簡単に調整することができる。
この結果、往復動型空気圧縮機を組立てるときに、トップクリアランスCを1回で適正な値に調整することができるから、クリアランス調整のためのシリンダ7、シリンダヘッド20等の分解作業を省略することができ、往復動型圧縮機の組立作業、検査作業等の作業性を向上することができる。
また、各突起4は、クランクケース1を高圧鋳型鋳造によって成形するときに一緒に設けることができるから、加工工数を増やすことなく各突起4を安価に設けることができる。
また、各突起4は、潰れ量の分だけトップクリアランスCを調整することができるから、従来技術で述べたテーパねじに比較して、クリアランスCの調整範囲を広くすることができる。
さらに、4本のボルト21の締付トルクを適宜に調整することにより、シリンダ7をクランク軸5の軸線O1−O1に対して直交した位置に配置することができる。従って、従来技術では必要であったクランクケースとシリンダとの取付面の仕上加工を省略することができ、これらの部品の製造コストを低減することができる。
次に、図8は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、各突起を高さ寸法が異なる複数種類の突起により構成したことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図8において、31はシリンダ取付座3のシリンダ取付面3Bに一体的に突設された第2の実施の形態による複数個の突起を示している。これらの突起31は、前述した第1の実施の形態による突起4とほぼ同様に、上向きに突出する円柱状の突起として形成されている。しかし、第2の実施の形態による突起31は、高さ寸法が異なる複数種類の突起31A〜31Dにより構成されている点で、第1の実施の形態による突起4と相違している。
即ち、各突起31は、例えば高さ寸法H1の突起31Aと、高さ寸法H2の突起31Bと、高さ寸法H3の突起31Cと、高さ寸法H4の突起31Dとの4種類を混在して配置する構成としている。
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、高さ寸法H1〜H4となる4種類の突起31A〜31Dにより突起31を構成しているから、各ボルト21を締付けたときには、高い突起H1から順番に潰すことができ、締付トルクを段階的に変化させることができる。この結果、締付トルクの変化を明確に計測でき、また工具を通じて感じ取ることができるから、トップクリアランスCの調整作業を容易に行うことができる。
次に、図9は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、シリンダのクランクケース取付面に複数個の突起を設ける構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図9において、41は第3の実施の形態によるシリンダで、該シリンダ41は、例えばアルミニウム材料等の金属材料を用い、高圧鋳型鋳造(ダイキャスト)等の手段を用いて円筒状に成形されている。また、シリンダ41のクランクケース取付面41Aには、後述の各突起42が一体成形されている。
42はシリンダ41のクランクケース取付面41Aに一体的に突設された第3の実施の形態による複数個の突起で、該各突起42は、前述した第1の実施の形態による突起4とほぼ同様に、下向きに突出する円柱状の突起として形成されている。ここで、各突起42は、突起4が廃止されて平坦になったシリンダ取付座3のシリンダ取付面3Bに当接するものである。
かくして、このように構成された第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態によれば、単純な円筒形状のシリンダ41に各突起42を設ける構成としているから、各突起42を成形するための鋳型を安価に製造することができ、コストを低減することができる。
次に、図10は本発明の第4の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、往復動型圧縮機としてシリンダ内でピストンが往復動するピストン型圧縮機に適用したことにある。なお、第4の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図10において、51は基端側がクランク軸5に連結され、先端側がシリンダ7内に進入したコネクティングロッドを示している。また、52はシリンダ7内に往復動可能に挿嵌されたピストンで、該ピストン52は、連結ピン53を介してコネクティングロッド51の先端部に連結されている。
54はシリンダ7の先端側に設けられた第4の実施の形態による気体弁としての空気弁を示している。この空気弁54は、吸気口55Aと吐出口55Bが設けられた弁板55と、該弁板55の下面側に位置して吸気口55Aを開閉する吸気弁体56と、前記弁板55の上面側に位置して吐出口55Bを開閉する吐出弁体57とにより構成されている。
また、58は空気弁54を覆うように設けられた第4の実施の形態によるシリンダヘッドを示している。このシリンダヘッド58は、吸気室Dと吐出室Eとを有し、吸気室Dには外気吸入口58Aが設けられ、吐出室Eには外部吐出口58Bが設けられている。
なお、第4の実施の形態による空気弁54は、ロッキングピストン型圧縮機として例示した第1の実施の形態にも同様に適用することができるものである。即ち、第1の実施の形態において、ピストン10に設けられた吸気弁12を廃止し、この吸気弁12を吐出弁16と共に弁板17内に設ける構成としてもよい。
かくして、このように構成された第4の実施の形態においても、前述した各実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。即ち、第4の実施の形態によれば、各ボルト21の締付トルクを加減することにより、各突起4の潰れ量を変化させて、ピストン52の上面と空気弁54の弁板55の下面との間のトップクリアランスCを調整することができる。
なお、第1の実施の形態では、シリンダ7をクランクケース1のシリンダ取付座3とシリンダヘッド20との間に配置し、シリンダヘッド20のボルト挿通孔に上側から挿通したボルト21の先端側をシリンダ取付座3のボルト穴3Cに螺着することにより、シリンダ7とシリンダヘッド20とを一緒にクランクケース1に取付けた場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限らず、例えば図11に示す変形例のように、シリンダ61の両端部にそれぞれフランジ部61A,61Bを設け、下側フランジ部61Aの四隅にはボルト挿通孔61Cを設け、上側フランジ部61Bの四隅にはボルト穴61Dを設ける構成としてもよい。
この場合、下側フランジ部61Aのボルト挿通孔61Cに締結部材としてのボルト62を挿通し、その先端部をシリンダ取付座3のボルト穴3Cに螺着することにより、シリンダ61だけをクランクケース1に取付けることができる。このときには、各ボルト62の締付トルクを加減することにより、突起4を潰してトップクリアランスCを調整することができる。
また、シリンダヘッド20のボルト挿通孔に上側から挿通したボルト63の先端側を上側フランジ部61Bのボルト穴61Dに螺着することにより、シリンダ61にシリンダヘッド20を取付けることができる。この構成は、他の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
また、第1の実施の形態では、突起4は、円柱状の突起として形成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば突起4は、角柱状、筒状、円錐台状等の他の形状としてもよい。この構成は、他の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
また、第1の実施の形態では、クランクケース1と突起4とは、アルミニウム材料等の金属材料を高圧鋳型鋳造等の手段を用いて成形する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば銅合金等の金属材料、高機能プラスチック等の樹脂材料等を用いてクランクケース1と突起4を成形する構成としてもよい。この構成は、他の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
一方、第2の実施の形態では、高さ寸法がH1〜H4まで4段階に異なる4種類の突起31A〜31Dにより突起31を構成した場合を例示した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば各突起31を高さ寸法が異なる2種類、3種類または5種類以上の突起によって構成してもよい。
さらに、各実施の形態では、往復動型圧縮機として往復動型空気圧縮機を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等にも広く適用できるものである。
本発明の第1の実施の形態による往復動型圧縮機としてのロッキングピストン型圧縮機を示す縦断面図である。 クランクケースからシリンダとシリンダヘッドを分離した状態を示す分解斜視図である。 クランクケースを単体で拡大して示す外観斜視図である。 クランクケースのシリンダ取付座と突起を示す要部拡大斜視図である。 シリンダ取付座と突起の一部をさらに拡大して示す拡大斜視図である。 突起の変形状態を示す要部拡大の縦断面図である。 締付トルクとトップクリアランスとの関係を示す特性線図である。 本発明の第2の実施の形態として高さ寸法が異なる突起をシリンダ取付座に設けた状態を示す要部拡大斜視図である。 本発明の第3の実施の形態としてシリンダのクランクケース取付面に突起を設けた状態を示す要部拡大斜視図である。 本発明の第4の実施の形態による往復動型圧縮機としてのピストン型圧縮機を示す縦断面図である。 本発明の変形例としてクランクケースに直接的にシリンダを取付けた状態を示す分解斜視図である。
符号の説明
1 クランクケース
3 シリンダ取付座
3A 段差部
3B シリンダ取付面
3C ボルト穴
4,31(31A〜31D),42 突起
5 クランク軸
7,41,61 シリンダ
7A,41A クランクケース取付面
7B 弁板取付面
8 ピストンロッド
10,52 ピストン
12 吸気弁
15,56 吸気弁体
16 吐出弁
17,55 弁板
19,57 吐出弁体
21,62 ボルト(締結部材)
51 コネクティングロッド
H1〜H4 突起の高さ寸法

Claims (3)

  1. 内部にクランク軸を支持するクランクケースと、基端側が該クランクケースに取付けられたシリンダと、該シリンダ内に挿嵌されロッドを介して前記クランク軸と連結されたピストンと、該ピストンとの間に圧縮室を画成するように前記シリンダの先端側に取付けられ少なくとも前記圧縮室で圧縮された気体を吐出する吐出弁体を有する気体弁とを備えてなる往復動型圧縮機において、
    前記クランクケースのシリンダ取付面と前記シリンダのクランクケース取付面のうち一方の取付面には、押付力に応じて潰れ量が変化する複数個の突起を高圧鋳型鋳造によって前記クランクケースまたは前記シリンダと共に設け、前記ピストンと気体弁との間のクリアランスを前記各突起の潰れ量により調整する構成としたことを特徴とする往復動型圧縮機。
  2. 前記各突起は、高さ寸法が異なる複数種類の突起により構成してなる請求項1に記載の往復動型圧縮機。
  3. 前記クランクケースとシリンダとは複数の締結部材を用いて締結する構成とし、前記複数の締結部材の締付トルクを調整することにより前記各突起の周方向の潰れ量を調整する請求項1または2に記載の往復動型圧縮機。
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