JP4501302B2 - 薬容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上蓋の開閉、あるいは収容された薬の取り出しを、光センサーにより検出し、検出した時間を記録する機能を有する薬容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
病気の治療方法の一つとして、薬を継続的に服用することにより回復を図る、薬物療法が普及している。薬物療法が効果を奏するには、医師が処方する薬を、患者が正しく服用することが重要である。しかし、服用量の誤りや、飲み忘れ等、患者の服用行為が適正でないため、医師の期待する効果が得られないことがある。
【0003】
薬物療法の効果が挙がらなかった患者のうち、どの程度が不適正な服用行為によるものかを明らかにするために行われた研究において、マイクロチップを装着した薬容器を用いた試験についての報告が公表されている(JAMA〔日本語版〕、1999年9月号、29〜31頁)。この薬容器は、患者が薬を服用した時間、回数を把握するために、容器が開閉されるたびに、その日時を記録する機能を有するものであり、この薬容器から得られた記録により、患者の服用状況が明らかになると共に、服用状況と患者の回復具合との間には、有意な相関関係があることが示された。
【0004】
また、薬物療法においては、毎日定時に数種類の薬を服用することが多いのだが、ある薬については朝、昼、晩毎に服用し、他の薬については昼のみ服用する等、服用頻度が薬の種類毎に異なる場合は、患者は各薬の服用時間や回数を間違い易い。こうした服用行為の間違いを防止するための従来技術として、特開平9−286425号公報に開示された薬容器がある。
【0005】
この薬容器は、容器の上部が一列をなす複数の室に区画され、下部に一室を備え、前記上部各室及び下部の一室は、それぞれ同一方向に開く蓋を備えた、胸ポケットに入る大きさの容器である。
【0006】
この薬容器にあっては、容器の上部が、例えば、4室に区画されている場合、各室にそれぞれ朝、昼、晩、就寝前に服用する薬を予め分別収容すること、及び、容器の前後は蓋が開く向きから自然に判別できるので、容器の端から1つ目の室が朝、その次が昼等として、服用時間に対応する各室の位置を誤りなく選択できること、により服用行為の間違いを防止できるようにしている。
【0007】
ところで、患者がこの薬容器を使用した場合において、実際に、患者が分別収容した薬を正しく服用したか否かを、医師が把握するには、薬容器に薬を服用した事実を記録する機能を付加する等の方法を講じなければならないのだが、その方法の1つとして、前記のマイクロチップを装着した薬容器の技術を併用することが考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、複数の室に区画され、各室がそれぞれ蓋を備えた薬容器に、マイクロチップを装着して、蓋が開閉されるたびに日時を記録する機能を併用した場合には、全ての蓋についての開閉日時を一括して記録することができるだけであるので、患者が各室に分別収容した薬を正しく服用したか否かを、医師が把握することができない、という問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題を解消すべく創案されたもので、薬を収容する室が複数ある薬容器において、各室に分別収容した薬毎に服用データを得ることができるようにすることを技術的課題とし、もって、患者の服用行為が適正に成されたか否かを医師が把握し、患者への服用指導や治療効果の確認等に役立てることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、
隔壁により複数の室に区画され、各室毎に各々独立に開閉可能な上蓋を備える有底の容器本体と、容器本体に下方から組付く深皿状の下蓋とから構成し、遮光性のプラスチックにより成形される容器であること、
容器本体の底壁に、各室毎に小孔を開設し、この小孔の下に、小孔から入射する光だけを受光するように光センサーを各々配設すること、
各光センサーと接続線で接続され、各光センサー毎に、受光による検出信号を読み出し可能に、経時に沿って記録するメモリー部を有するセンサー体を、下蓋の底面に組付けること、
にある。
【0011】
本発明の薬容器において、患者は、薬を分別収容している複数の室の中から、服用しようとする薬が入っている室の上蓋を開け、室から薬を取り出して服用するのだが、患者が上蓋を開けた時、あるいは薬を取り出した時、今まで上蓋、さらには薬によって遮光されていた小孔が露出され、その下に配設された光センサーは、小孔から入射する光を受光する。受光した光により、光センサーは検出信号を発生し、この検出信号は接続線を通じてセンサー体に入力され、センサー体内部のメモリー部に時間データとして、各室毎に記録される。
【0012】
また、メモリー部は各データを、経時に沿って記録できるように設定されており、したがって、各室毎のデータは時間順に記録される。
【0013】
医師は、定期的に容器を回収し、センサー体に入力された各室別のデータを読み取り装置を用いてメモリー部から読み出して、各室に分別収容した薬が服用された時間を知ることができ、もって、患者の服用行為が適正に成されたか否かを把握し、患者への服用指導や治療効果の確認等に役立てることができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、センサー体に、薬の服用に関する事項を知らせる報知部を付加した、ことを加えたものである。
【0015】
この請求項2記載の発明にあっては、患者は、報知部が知らせる薬の服用に関する事項、例えば服用時間、に従って薬を服用することにより、服用行為の間違いを防止することができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の報知部を、センサー体の外側から見える面に設けられた表示パネルで構成したものである。
【0017】
この請求項3記載の発明にあっては、患者は表示パネルを見ることにより、薬の服用に関する事項、例えば何時に、どの室の薬を、いくつ服用するか、を知ることができ、この表示に従って薬を服用することにより、服用行為の間違いを防止することができる。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明の報知部を、警告音を発するブザーを有する構成としたものである。
【0019】
この請求項4記載の発明にあっては、薬の服用時間になると、センサー体に備えたブザーが警告音を発して、患者に時間を知らせることにより、薬の飲み忘れを確実に防止することができる。また、請求項3記載の発明に示した表示パネルと併用しても、同様の効果を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
容器1は、細長有底角筒状の容器本体2と、この容器本体2に下方から組付く深皿状の下蓋3とから構成され、容器本体2、及び下蓋3共に遮光性のプラスチックにより形成されており、内部に光が透過するのを防止する。
【0021】
容器本体2は、隔壁6により7個の室4に横一列状に区画されており、各室4毎に各々独立に開閉可能な上蓋5を備え、その底壁8には、各室4毎に円形の小孔9が開設され、この小孔9の周辺の下面に、短円筒片状の嵌着片15が垂下設されている。
【0022】
上蓋5は、その後端部が容器本体2の後壁7の上端に、ヒンジ12を介して一体に連結されており、その下面に室4の開口部に密に嵌入する短角筒片状のシール片13を有し、このシール片13には、閉蓋状態で室4の壁面に係止する係止手段14が設けられ、またその前端縁にに、開蓋のための指掛け片23を突設している。
【0023】
下蓋3は、その筒壁の上端部を、容器本体2の下半分に外嵌させて組付き、その底面の中央部を矩形状に上げ底され、センサー体17を嵌着固定して収納する窪み部10を形成し、この窪み部10の略中央には円形の接続孔11が開設されている。
【0024】
光センサー16は、嵌着片15に嵌着固定されて、底壁8の下面に接設し、センサー体17から接続孔11を通って導出された接続線18が接続されている。
【0025】
図示の実施例では、容器1の室4と光センサー16の数を各々7個としているので、例えば、1種類の薬を、服用頻度を1日1回とし、1週間分を収容する場合に適しているが、各患者に処方された薬の種類、服用頻度等に適した室数、及び光センサー数を備えた容器を選択するべきことは言うまでもない。
【0026】
複数の種類の薬を各室4毎に収容した場合、薬の服用に関する事項を知らせる報知部20の指示に従って薬を服用することにより、患者は服用行為の間違いを防止することができる。図4に図示する実施例は、報知部20として、センサー体17の底面に設けられた表示パネル21と、警告音を発するブザー22を併用したものである。
【0027】
この場合、表示パネル21には、例えば、左から順に次の薬を服用する時間を示す年月日時分、服用する薬が収容された室4の番号、及び服用する薬の個数が表示される。図示の表示パネル21は「2001年3月6日12時30分」に「室番号3に収容された薬」を「2個服用する」、ことを表している。
【0028】
そして、1回に服用する薬が複数種類ある場合には、1種類の薬の服用が終わると、逐次、他の種類の薬に対応する室番号及び服用個数の表示に切り換わるように設定されているので、患者は表示に従って服用していけば良い。
【0029】
表示パネル21の左側に設けられたブザー22は、服用時間になると警告音を発し、患者に時間を知らせるので、患者が次の薬の服用時間を忘れていても、そのままやり過ごすことなく、薬を服用することができる。
【0030】
また、医師は、返却された容器のメモリー部に記録されたデータを読み出して、その患者の服用状態をほぼ正確に知ることができるので、この服用状態を参考にして、患者に対する薬の服用指導を適正に行うことができることになる。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、薬を分別収容した室毎に、服用の際の上蓋を開ける等の状況を光センサーが検出して、その検出信号が各光センサー別に、センサー体内部のメモリー部に時間データとして時間順に記録されるので、各室に分別収容した薬毎に服用データを得ることができ、もって、患者の服用行為が適正に成されたか否かを医師が把握し、患者への服用指導や治療効果の確認等に有効に役立てることができる。
【0032】
請求項2記載の発明にあっては、報知部が薬の服用に関する事項、例えば服用時間、を知らせるので、患者は報知部の指示に従って薬を服用することにより、服用行為の間違いを防止することができる。
【0033】
請求項3記載の発明にあっては、センサー体の外側から見える面に設けられた表示パネルが薬の服用に関する事項、例えば何時に、どの室の薬を、いくつ服用するか、を表示するので、患者はこの表示に従って薬を服用することにより、服用行為の間違いを防止することができる。
【0034】
請求項4記載の発明にあっては、薬の服用時間になると、センサー体に備えたブザーが警告音を発し、時間を知らせるので、患者は薬の飲み忘れを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、薬容器の平面図。
【図2】図1のA−A縦断面図。
【図3】図1のB−B縦断面図。
【図4】報知部として表示パネルとブザーを併用した実施例を示す、センサー体の底面図。
【符号の説明】
1 ; 容器
2 ; 容器本体
3 ; 下蓋
4 ; 室
5 ; 上蓋
5´; 上蓋(開蓋時)
6 ; 隔壁
7 ; 後壁
8 ; 底壁
9 ; 小孔
10; 窪み部
11; 接続孔
12; ヒンジ
13; シール片
14; 係止手段
15; 嵌着片
16; 光センサー
17; センサー体
18; 接続線
19; 薬
20; 報知部
21; 表示パネル
22; ブザー
23; 指掛け片
Claims (4)
- 隔壁(6)により複数の室(4)に区画され、該各室(4)毎に各々独立に開閉可能な上蓋(5)を備える有底の容器本体(2)と、該容器本体(2)に下方から組付く深皿状の下蓋(3)とから構成され、遮光性のプラスチックにより形成される容器(1)であって、前記容器本体(2)の底壁(8)に、前記各室(4)毎に小孔(9)を開設し、該小孔(9)の下に、該小孔(9)から入射する光だけを受光するように光センサー(16)が各々配設され、該各光センサー(16)と接続線(18)で接続され、前記各光センサー(16)毎に、受光による検出信号を読み出し可能に、経時に沿って記録するメモリー部を有するセンサー体(17)を、前記下蓋(3)の底面に組付けたことを特徴とする薬容器。
- センサー体(17)に、薬の服用に関する事項を知らせる報知部(20)を付加したことを特徴とする請求項1記載の薬容器。
- 報知部(20)を、センサー体(17)の外側から見える面に設けられた表示パネル(21)で構成したことを特徴とする請求項2記載の薬容器。
- 報知部(20)を、警告音を発するブザー(22)を有する構成としたことを特徴とする請求項2または3記載の薬容器。
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