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JP4501770B2 - 精子濃縮洗浄用チューブと保持具とを含むセット - Google Patents
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Description

本発明は、生殖補助医療(ART)において人工授精等の不妊治療として用いられる精子濃縮用容器に関する。
不妊症の治療において、男性因子による不妊症の場合には、人工授精や体外受精といったARTが行われるのが通常である。その理由としては、男性因子の不妊症の原因が、運動精子が少ないなどの精液所見不良症によるものが多く、この精液所見不良症の場合では、薬物治療の効果が高いとは言えないため、人工的な受精による治療がてきしているからである。
具体的には、精液を子宮腔内へ直接注入して精子の移動を補助するのが人工授精であり、卵と精子を取り出してきて受精させるのが体外受精である。これらの方法においては、受精が達成される可能性をより高めるために、精子濃度を高めた精子濃縮液を作製し、人工授精であればそれを子宮へ注入し、体外受精であればその濃縮液で卵との受精を試みたり、さらに運動性に優る精子を篩い分けにより採取し顕微授精に使用したりする。
精子を濃縮する行程の意義としては、できるだけ精子密度を高めた方が、受精機会が増えその確率が高くなるのみならず、受精に障害となる精漿や雑菌を除去する効果もある。加えて本品は、採取層のみを容器ごと折り切ることで、上層に性感染症病原体が存在した場合でもその感染回避も可能である特徴もある。
このような精子濃縮液の調製方法としては、精液と培養液との混合液を遠心分離する方法と、パーコール(Percoll)と精液とを用いて精子を下に沈殿させる方法とがある。前記のパーコールを用いた方法としては、後端部の開口部にゴム製キャップを供え、先端側に形成された細径部に脆弱部を具備したチューブを用い、遠心分離によりパーコールを濃縮精液から分離する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。この分離方法は、パーコールのエンドトキシンレベルが一般に高いことから、精子が濃縮された沈殿部分からパーコールを分離するのを意図している。
特開2000−288082
しかし、上述の先端側に形成された細径部に脆弱部を具備したチューブ(遠心管)は、遠心分離をすることにより細径部が折れやすい。しかも、ガラス製の細径部の脆弱部を、折切りを容易にするために、細径部の周方向に連通した脆弱部を形成した場合には、遠心分離の際に、前記遠心管の細径部に当接する円筒状の保持具を用いて3000rpmで遠心分離すると、該細径部は遠心分離によって折れる場合が生じて、精子の損失をしてしまう。かかる損失は、治療時の作業効率の低下のみならず、精子提供者の負担ともなる。
本発明の目的は、遠心分離によっても細径部が脆弱部から折れることがなく、遠心分離によっても濃縮された精子の損失を生じることがない精子濃縮容器と精子濃縮容器用の保持具とを含むセットを提供することにある。
そこで、本発明者らは、精子濃縮容器と精子濃縮容器用の保持具とを含むセットであって、該精子濃縮容器は、胴体部と細径部とを含む精子濃縮容器であって、該胴体部は、開口端部を具備した略筒状の形状を有し、該細径部は、該胴体部と比べて径が細い略管状の形状を有し、且つ底部を有し、該細径部には、該細径部の周方向に連通した脆弱部が形成され、該保持具は、開口部及び傾斜部を具備し、該保持具の内側に該細径部を収納することができる細径部収容空間が形成され、該傾斜部は開口部に向けて徐々に空間が広がるように形成され、該細径部収容空間は、該細径部を該細径部収容空間の内側に収納したときに、該脆弱部よりも底部側の該細径部が該保持具と接触することがないことを特徴とする精子濃縮容器と保持具とを含むセット、を用いることにより、遠心分離において精子を濃縮できる程度の回転速度で遠心分離を行っても、精子濃縮容器が脆弱部から折れることが無いことを見出し、本願発明に至った。
本発明の精子濃縮容器と保持具とのセットは、上述のように、安全で、しかも精子提供者に負担をかけることなく精子濃縮液を得ることができるので、補助生殖医療に好適に用いることができる。
以下、図を用いて本発明の精子濃縮容器と保持具とを含むセットを説明する。しかし、本願発明は、これら図面に記載した実施態様例に限定されるものではない。
図1は、本発明の精子濃縮容器と保持具とのセットについての一実施態様例の縦断面図である。図2は、図1のセットに用いられる精子濃縮容器の縦断面図である。図3(a)は、本発明のセットに用いられる保持具について、図1に記載したセットに用いられた実施態様例における縦断面図である。図3(b)及び図3(c)は、本発明の保持具についての他の実施態様例の縦断面図である。
図1に示された前記セットは、精子濃縮容器1と保持具11との組み合わせからなる。前記精子濃縮容器1の細径部2は、保持具11の管状部12により形成された細径部収容空間13に収容される。保持具11は、開口部14を具備する。さらに、管状部が図1の上方からみた場合に円形の開口部14のほぼ中央に位置するように、開口部14と管状部12の上端部とをつなぐ傾斜部16が形成されている。
精子濃縮容器1は、細径部2が保持具11の開口端部により形成された口から挿入することで保持具上に置かれて、保持具と組み合わせた状態で遠心分離機に装着されて遠心分離操作に用いられる。精子濃縮容器1は、保持具2の上に置かれた際に、中間部3において開口端部14と接触している。さらに、精子濃縮容器1は、精子濃縮容器1の脆弱部4よりも上において、傾斜部の端部15と接触している。脆弱部4の上方において端部15が精子濃縮容器と接触することで、精子濃縮容器が横方向に対して保持されることとなる。従って、精子濃縮容器は、開口端部14で縦方向に保持され、端部15で横方向に保持されることから、保持具11によって安定に保持される。開口部14と端部15とにおいて、保持具11は、精子濃縮容器の周で接することにより、それぞれの部位において一地点で接する場合に比べて、精子濃縮容器を保持具により安定に保持することができる。また、精子濃縮容器1は、保持具11とは、脆弱部4よりも下側、すなわち脆弱部よりも底部側で接触することが無いために、脆弱部に力がかからないので、脆弱部において折れることが無い。
図1の精子濃縮容器1は、図2で示すように、開口端部5を具備した略筒状の胴体部6、先端に底部7を具備した細径部2、及び中間部3で構成されている。中間部3は、胴体部6と細径部2とをつなぐ部分であり、径が徐々に細くなるように形成され、精子濃縮容器の内側方向へなめらかな凸状となるように形成されている。前記中間部は、胴体部から略直角に内側へ曲がって細径部とつながる形態であっても良く、段差として形成された形状であっても良い。また、前記傾斜部は、縦断面において、直線上の傾斜が形成されても良く、緩やかな弧を描く形状であっても良い。なお、前記中間部は、図2で示すように、精子濃縮容器の内側方向へなめらかな凸状となるように形成であることが、精子濃縮容器を保持具で保持した際に、複数の地点で精子濃縮容器と保持具とが接し、精子濃縮容器の一地点に力が加わることが無いために、精子濃縮容器が割れにくいために好ましい。
精子濃縮容器1は、図1において、細径部2に脆弱部4が形成されている。前記精子濃縮容器は、底部側の細径部を精子濃縮容器の胴体側から分離するために、脆弱部で折り切られる。前記脆弱部は、遠心分離後において、底部付近に存在する精子が濃縮された液を所望の量だけ得られるようにするために、底部から脆弱部までの距離dは、0.2〜100mmでればよいが、操作の面からは5〜50mmであることが好ましい。
また、図1の実施態様例においては、精子濃縮容器1は、遠心分離としての効果を発揮するために、長さ方向が内径の方向に比べて長くなるように形成されている。そのため、精子濃縮容器1は、精子濃縮洗浄用チューブとして用いることができる。前記精子濃縮容器は、遠心分離操作において割れにくい材質であれば良く、ガラス、又は、ポリプロピレン及びポリカーボネートなどの硬質プラスチックを用いることができるが、滅菌操作が容易な熱による滅菌でも変形がし難いことから、ガラス製の精子濃縮容器であることが好ましい。なお、精子濃縮容器と共に用いられる保持具は、材質について特に限定されるものではないが、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどの合成樹脂製の保持具であることが、成型が容易であり、遠心分離において精子濃縮容器が割れ難いために、好ましい。
図1においては、細径部の形状は、前記胴体部に比べて外径が細く、断面円形の管状である。しかし、細径部の形状は、断面が円形の管状であっても、断面が多角形状の管状であっても良い。細径部の形状が多角形状である場合には、製造の容易性のために中間部及び胴体部を多角形状とすることが望ましいので、精子濃縮容器が全体的に多角形状とするのが通常である。精子濃縮容器全体が多角形状となった場合には、精子濃縮容器を保持具との接触が特定の角で生じるので、遠心分離の際に精子濃縮容器が割れ割れ易くなる。したがって、細径部は、断面が円形の管状であることが好ましい。前記細径部の容積は、特に限定されるものではないが、所望の量の精子濃縮液を得られるように0.01〜0.30mLであれば良い。
前記脆弱部は、細径部の周方向に連通して形成されていれば、削ることなどによる公知の形成方法で形成されていれば良い。前記脆弱部は、折り切りが容易であれば、幅や深さが特に限定されるものではない。また、前記脆弱部は、図1及び図2においては、一本の輪状として形成されている。しかし、その本数が限定されるものではなく、脆弱部の形成の容易性のために1本であっても良く、折り切りをより容易とするために2本形成されても良い。
図1の実施態様例において用いられた保持具11は、図3(a)に示すように、開口部14及び傾斜部16を具備する。さらに保持具11は、内側に細径部収容空間13が形成されている。細径部収容空間13は、管状部12によって、精子濃縮容器の細径部が収容できるように形成されている。細径部収容空間13に精子濃縮容器の細径部が挿入された場合には、脆弱部よりも先端側の細径部が前記保持具と接触することが無いために、遠心分離を実施した際に、前記精子濃縮容器が割れることがない。
傾斜部16は、縦断面において略台形状の空間が形成されており、管状部方向から開口部に向けて徐々に空間が広がるように形成されている。傾斜部16は、縦断面図においては直線状に形成されているが、開口部に向けて徐々に空間が広がるように形成されて傾斜面の部分として形成されていれば特に限定されるものではない。前記傾斜部は、例えば、精子濃縮容器と面する方向に凸状若しくは凹状となって緩やかな円弧状の形状として形成することができる。
本発明の保持具は、精子濃縮容器の縦方向においての複数地点で接すれば、特に管状部を設けなくても良い。図3(a)〜図3(c)は、開口部と傾斜部の端部とで精子濃縮容器と接することができるような保持具の実施態様例である。図3(a)においては、管状部12が形成されているが、図3(b)の実施態様例においては、保持具21は管状部を具備していない。また、開口部24と傾斜部の端部25とにおいて精子濃縮容器と、それぞれ周で接するので、精子濃縮容器を安定に保持する。ただし、管状部が無い分だけ保持具の重心が高くなるので、倒れる心配が無いことから管状部を有する保持具の方が好ましい。
図3(c)の実施態様例は、保持具31の壁部32により細径部収容空間33が形成されている実施態様例である。保持具31においても、開口部34と端部35との2地点で精子濃縮容器と接するので、安定的に保持具31が精子濃縮容器を保持することができる。なお、図3(c)の実施態様例においては開口部と傾斜部の端部とが精子濃縮容器と接触することにより精子濃縮容器を保持する態様を示したが、管状部の端部35付近に4個以上の突起部を設けて、開口部と該突起とで精子濃縮容器を安定に保持することもできる。
上述の精子濃縮容器と保持具とのセットを用いて、精子濃縮液を得る方法としては、公知の方法を用いることができる。前記方法としては、例えば、まず、精子濃縮容器に精液を入れ、次いで培養液等を入れた後に精液濃縮容器に蓋をした後に、公知の遠心分離機に設置して、所定の条件(例えば、3000rpm、20分間)で遠心分離を行う。遠心分離の操作が行われた精子濃縮容器においては、細径部の管底の液は精子が濃縮された状態となる。このとき脆弱部において折ることで、分離された細径部内に精子濃縮液を容易に得ることができる。また、前記蓋は、精子濃縮容器の開口部を閉塞するものであれば特に限定されるものでは無いが、精液及び培養液等を入れた後の精液濃縮容器に生じる空間を減圧状態とすることができる蓋であることが好ましい。減圧状態とすることにより、底部側の細径部を脆弱部から折り切ったのちに胴体部側の液が外部に流出し難くなるからである。前記空間を減圧とすることができる蓋としては、特に限定されるものではないが、ゴム製の袋状部を具備する蓋であって、精子濃縮容器の開口端部に該蓋を設置したさいに該袋状部の内側が精子濃縮容器の内側空間と連通する様に袋状部が形成された蓋を用いることが、好ましい。すなわち本発明の精子濃縮容器と保持具とを含むセットとしては、ゴム製の袋状部を具備する蓋を含むセットであっても良い。
本発明の精子濃縮容器と保持具とのセットは、上述のように、安全で、しかも精子提供者に負担をかけることなく精子濃縮液を得ることができるので、補助生殖医療に好適に用いることができる。
本発明の精子濃縮容器と保持具とのセットについての一実施態様例の縦断面図。 図1のセットに用いられる精子濃縮容器の縦断面図である。 (a)図1に記載したセットに用いられた実施態様例における縦断面図。 (b)本発明の精子濃縮容器と保持具とのセットに用いられる他の実施態様例における縦断面図。 (c)本発明の精子濃縮容器と保持具とのセットに用いられるさらに他の実施態様例における縦断面図。
符号の説明
1 精子濃縮容器
2 細径部
3 中間部
4 脆弱部
5 開口端部
6 胴体部
7 底部
11 保持具
12 管状部
13 細径部収容空間
14 開口部
15 傾斜部の端部
16 傾斜部
21 保持具
24 開口部
25 傾斜部の端部
31 保持具
32 壁部
33 細径部収容空間
34 開口部
35 傾斜部の端部
36 傾斜部

Claims (2)

  1. 精子濃縮容器と精子濃縮容器用の保持具とを含むセットであって、
    該精子濃縮容器は、
    胴体部と細径部と、胴体部と細径部とをつなぐ中間部とを含む精子濃縮容器であって、
    該胴体部は、開口端部を具備した略筒状の形状を有し、
    該細径部は、該胴体部と比べて径が細い略管状の形状を有し、且つ底部を有し、
    該細径部には、該細径部の周方向に連通した脆弱部が形成され、
    該保持具は、
    開口部及び傾斜部を具備し、
    該保持具の内側に該細径部を収納することができる細径部収容空間が形成され、
    該傾斜部は開口部に向けて徐々に空間が広がるように形成され、
    該細径部収容空間は、該細径部を該細径部収容空間の内側に収納したときに、該精子濃縮容器の中間部が該保持具の開口部及び傾斜部と接することによって、該脆弱部よりも底部側の該細径部が該保持具と接触することがないこと
    を特徴とする精子濃縮容器と保持具とを含むセット。
  2. 前記細径部収容空間が管状部により形成され、該細径部を該細径部収容空間内側に収納したときに、前記細径部と該管状部との間に、0.1〜10mmの隙間が生じるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の精子濃縮容器と保持具とを含むセット。

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