以下、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るイオン整水器の側面図であり、図2は、そのA−A′断面図であり、図3は、イオン整水器の概略構成を示す図であり、図4は、制御系を示す概略ブロック図である。
図示するように、本発明のイオン整水器10の外枠を構成する整水器本体11内には、内部で水道水が電離されてアルカリイオン水と酸性イオン水とが生成される複数の電解槽12が保持されている。また、整水器本体11には、原水側の水道管110Aからの水道水を内部に導入する水道水導入口11aと、電解槽12内で生成されたアルカリイオン水及び酸性水の何れか一方を吐水する吐水口11bと、アルカリイオン水又は酸性イオン水の他方を排出する排出口11cとを具備する。
具体的には、整水器本体11の水道水導入口11aと連通して水道水供給路を有する水道水供給パイプ13が各電解槽12の下端部側に接続され、また電解槽12の上端部側には、吐水口11bと連通する吐水パイプ14と、排出口11cと連通する排出パイプ15とがそれぞれ接続されている。そして、これらの各パイプ13、14、15が整水器本体11に固定されることで、各電解槽12が整水器本体11内に保持されている。
各電解槽12内には、それぞれイオン交換膜16が固定されており、このイオン交換膜16によって電解槽12内が2つの空間12a、12bに区切られている。また、電解槽12内のイオン交換膜16に対向する領域には、一対の電極17a、17bがそれぞれ設けられており、各電極17a、17bは、整水器本体11に設けられた端子部18と接続配線19によって接続されている。本実施形態では、これらの各電極17a、17bは、例えば、メッシュ状のプラスチックシート等からなりイオン交換膜16と同等の大きさを有する固定部材20の一方の面にそれぞれ取り付けられている。そして、これらの固定部材20が、各空間12a、12bにイオン交換膜16を挟持するように配置されることで、イオン交換膜16に対向する領域に電極17a、17bが設けられている。
このような電解槽12の少なくともイオン交換膜16に対向する領域の一部、本実施形態では、電解槽12全体が所定の柔軟性を有する可撓膜によって形成されている。例えば、本実施形態では、電解槽12が、厚さが0.3mm程度のプラスチックシートによって形成されている。
また、このような複数の電解槽12が保持された整水器本体11内、すなわち、各電解槽12と整水器本体11との間の空間には水道水が供給され、整水器本体11内に貯まった水道水(貯留水)21中に各電解槽12が保持されている。また、整水器本体11内には、電解槽12に接触しない領域の一部、例えば、本実施形態では、排出パイプ15の上部に空気が残留している空気部22が存在する。このように内部に水道水が供給される整水器本体11は、水道水の水圧に耐えられる程度の剛性を有する材料、例えば、ステンレス鋼等で形成する必要がある。
また、貯留水21は、本実施形態では、整水器本体11の水道水導入口11aからの水道水が電解槽12と共に整水器本体11内に供給されたものである。すなわち、水道水供給パイプ13の先端部に、整水器本体11内に連通する微小な連通孔23が設けられており、この連通孔23を介して整水器本体11内に水道水(貯留水21)が供給されている。そして、本実施形態では、排出パイプ15の先端部にも、整水器本体11内に連通する微小な連通孔24が設けられており、貯留水21はこの連通孔24を介して排出パイプ15に排出されるようになっている。このため、本実施形態では、整水器本体11内の排出パイプ15の上部、すなわち、連通孔24の上部側は、空気が残留している空気部22となっている。
なお、本実施形態では、連通孔24を介して貯留水21を排出パイプ15から破棄するアルカリイオン水又は酸性イオン水と共に外部に排出するようにしたが、勿論、貯留水21を外部に排出する水道水排出路を整水器本体11に設け、排出するアルカリイオン水又は酸性イオン水とは別に外部に排出するようにしてもよい。
このようなイオン整水器10は、図3に示すように、水道水供給パイプ13が、原水側の水道管110Aに接続され、吐水パイプ14が、蛇口100側の水道管110Bに接続される。そして、蛇口100に設けられた水栓101の開閉量によって蛇口100から吐水される吐水量が調整されるようになっている。また、排出パイプ15の一端は、電解槽12によって生成されたアルカリイオン水又は酸性イオン水が排出される排出口120と接続される。なお、本実施形態では、水道水供給パイプ13の内部が水道水を供給する水道水供給路となっており、吐水パイプ13、吐水パイプ13に接続された水道管110B及び蛇口100が一方の整水を吐水する吐水路となっている。また、排出パイプ15及び排出口120が他方の整水を排出する排出路となっている。
また、イオン整水器10の吐水路の途中、本実施形態では、吐水パイプ14と水道管110Bとの接続部分に蛇口100からの吐水量を検出する吐水量検出手段40が設けられている。なお、吐水量検出手段40としては、例えば、羽根車のシャフトに取り付けたマグネットの回転を検出して水量を測定する流量センサ等が挙げられる。
さらに、イオン整水器10の排出路の途中、本実施形態では、排出パイプ15の途中には、排出口120からの排出量を調整する排出量調整手段30が設けられている。なお、排出量調整手段30としては、例えば、モータ等の駆動によりボールバルブを開閉させることで流量を調整する流量調整バルブ等が挙げられる。そして、これらの吐水量検出手段40が検出した流量は、制御装置60に送られると共に、検出結果によって制御装置60が排出量調整手段30を制御するようになっている。
ここで制御装置60は、整水器本体11の外部に設けられおり、制御装置60には図4に示すように、電源50が電気的に接続されると共に整水器本体11に設けられた端子部18と図示しない接続配線を介して電気的に接続されており、制御装置60によって電極17a、17bに所定の電圧が印加されるようになっている。
また、制御装置60は、電極17a、17bに印加する電圧の極性を反転させる選択手段61と、吐水量検出手段40が検出した検出結果に応じて排出量調整手段30を制御して吐水量に対する排出量を所定の割合とする流量制御手段62とを具備する。
選択手段61は、制御装置60が電極17a、17bに印加する電圧の極性を反転させることにより、蛇口100からアルカリイオン水及び酸性イオン水の何れか一方の整水を選択的に吐水させるものである。すなわち、選択手段61は、電極17aが正極、電極17bが陰極となるように電圧を印加することで、空間12bでアルカリイオン水を生成して、吐水口11bを介して吐水パイプ14からアルカリイオン水を供給すると共に空間12aで酸性イオン水を生成して排出口11cを介して排出パイプ15から酸性イオン水を排出させる。また、選択手段61が電極17a、17bに印加する電圧の極性を反転、すなわち電極17aが陰極、電極17bが正極となるように電圧を印加することで、空間12aで酸性イオン水を生成して吐水口11bを介して吐水パイプ14から酸性イオン水を供給することができる。
このように、選択手段61が電極17a、17bに印加する電圧の極性を反転させることで、同一の蛇口100(吐水路)からアルカリイオン水及び酸性イオン水の何れか一方の整水を選択的に吐水させることができるため、使用者の用途に合わせて所望の整水を容易に且つ簡便に供給することができる。すなわち、利用者は、水栓101を開閉するだけで、蛇口100からアルカリイオン水又は酸性イオン水を選択的に得ることができる。
また、選択手段61が電極17a、17bに印加する電圧の極性を反転させることで、通常の使用方法に比べて各機能をバランスよく維持することができ、電極17a、17b及びイオン交換膜16の寿命を延命させると共に、整水能力を長期間に亘り維持させることが可能となる。なお、このような選択手段61としては、例えば、切替スイッチや切替回路等を用いることができる。選択手段61として切替スイッチを用いた場合には、利用者が直接切替スイッチを切り替えることで、電極17a、17bに印加する電圧の極性を反転させるようにしてもよく、また、利用者が操作パネル等で入力することにより、選択手段61に電圧の極性の切替を行わせるようにしてもよい。
一方、制御装置60の流量制御手段62は、吐水量検出手段40が検出した蛇口101からの実際の吐水量を取得し、取得した吐水量に対して排出口120から排出される排出量が所定の割合となるように排出量調整手段30を制御するようになっている。すなわち、排出量調整手段30は、流量制御手段62によって制御されることにより、排出パイプ15の内部(排出路)の開口面積を変化させて排出口120からの排出量を調整するようになっている。
なお、本実施形態の流量制御手段62は、蛇口100から吐水させる一方の整水の吐水量に対する排出口120から排出させる他方の整水の排出量の割合を変更自在に制御することができるようになっている。例えば、本実施形態のイオン整水器10では、蛇口100からアルカリイオン水を吐水させる場合、蛇口100からアルカリイオン水を所定の整水濃度(例えば、pH9)以上で吐水させながら、排出口120からの酸性イオン水の排出量を最小限とすることができる酸性イオン水量は、アルカリイオン水量に対して約20%となる。このため、流量制御手段62はアルカリイオン水量に対して酸性イオン水量が20%以上となるように排出量調整手段30を制御することができる。このような流量制御手段62による吐水量に対する排出量の割合の制御は、図示しない入力手段等を介して使用者の指示により可変できるようにすればよい。なお、流量制御手段61は、蛇口100から吐水される一方の整水に対して排出口120から排出される他方の整水が常に所定の割合となるように排出量調整手段30を制御するようにしてもよい。何れにしても、本実施形態のイオン整水器10は、電解槽12を可撓膜で形成しているため、詳しくは後述するが、電解槽12の空間12aと空間12bとの流量を変えることで圧力差が生じたとしても可撓膜が変形することでこの圧力差が吸収されるため、イオン交換膜16の変形による破壊を防止することができる。
また、このような選択手段61及び流量制御手段62を有する制御装置60としては、入力信号に基づいて演算可能であり、その演算結果に基づいて信号を出力する機能を持つものであれば、その構成は問わない。また、制御装置60は、整水器本体11の外部に設置されているが、整水器本体11の内部に保持させるようにしてもよい。
以下、このようなイオン整水器の動作について説明する。
上述したように、イオン整水器10は水道管110の途中に配設されているため、電解槽12内には水道水供給パイプ13から水道水が常に所定の圧力で供給されている。そして、利用者が蛇口100部分に設けられた水栓101を開くと、電解槽12内で生成されたアルカリイオン水又は酸性イオン水の一方の整水が吐水パイプ14を介して蛇口100から所定の流量で吐水され始める。また同時に、吐水パイプ14と水道管110Bとの間に設けられた吐水量検出手段40が、吐水パイプ14を一方の整水が流れ始めたことを検出し、この吐水量検出手段40からの信号に基づいて、制御装置60によって電解槽12内の電極17a、17b間に所定の電圧が印加される。さらに、流量制御手段62が排出パイプ15の途中に設けられた排出量調整手段30を駆動することにより、排出口120から他方の整水が排出されると共に排出口120からの排出量が調整される。すなわち、図4に示す一例のように、制御装置60は、吐水量検出手段40が検出した一方の整水の吐水量を取得し、排出する他方の整水の排出量が一方の整水の吐水量に対して小さな割合となるように演算して排出量調整手段30を駆動する。
ここで、水道水供給パイプ13を介して電解槽12の下端部側から電解槽12内に供給された水道水は、イオン交換膜16で区切られた両側の空間12a、12bにそれぞれ流れ込む。そして、両電極17a、17b間には制御装置60によって所定の電圧が印加されているため、電解槽12内、すなわち、イオン交換膜16と各電極17a、17bとの間を通過する際に、水道水中は水素イオンH+と水酸イオンOH−とに電離し、水素イオンH+がイオン交換膜16を介して一方の空間に集まることで、アルカリイオン水と酸性イオン水とが生成される。また、このとき、例えば選択手段61が電極17aを正極、電極17bを陰極となるように電圧を印加させると、2つの空間のうちの−電極(陰極)17b側の空間12bでは、イオン交換膜16を通過して水素イオンH+が集まり、水道水(2H2O)は、電子(2e-)によりH2+2OH-に整水され、アルカリイオン水が生成される。一方、+電極(陽極)17a側の空間12aでは、水道水(2H2O)は、O2+4H++4e-に整水され、酸性イオン水が生成される。このように水道水は、この電解槽12を通過する際に連続的に電離され、これにより生成されたアルカリイオン水が蛇口100から吐水されると共に、酸性イオン水が排出口120から排出される。
また、逆に、選択手段61が、電極17aが陰極、電極17bが正極となるように電圧を反転して印加させると、電極17b側の空間12bに酸性イオン水が生成されて、酸性イオン水が蛇口100から吐水される。一方、電極17a側の空間12aにはアルカリイオン水が生成されて、アルカリイオン水が排出口120から排出される。
このように、選択手段61が電極17a、17bの極性が反転するように電圧を印加することにより、同一の蛇口100からアルカリイオン水又は酸性イオン水を選択的に供給することができる。
また、利用者は整水を得るために水栓101を調整して吐水量を調整するため、流量制御手段62が排出量調整手段30を制御することによって、蛇口100からの吐水量に対する排出口120からの排出量が所定の割合となるように調整するようになっている。この流量制御手段62による吐水量に対する排出量の割合の調整は、上述のように、利用者の要望に応じて変更自在となっており、常に排出量が吐水量に対して小さな割合となるように設定することができる。
すなわち、利用者がアルカリイオン水だけを利用したい場合には、選択手段61が蛇口100からアルカリイオン水が吐水されるように電極17a、17bに印加される電圧の極性を制御すると共に、流量制御手段62はアルカリイオン水に対する酸性イオン水の水量が約20%となるように排出量調整手段30を制御する。これにより酸性イオン水の排出量を低減させて、効率よくアルカリイオン水を供給することができる。
また、利用者が酸性イオン水だけを利用したい場合には、選択手段61が蛇口100から酸性イオン水が吐水されるように電極17a、17bに印加される電圧の極性を制御すると共に、流量制御手段62が酸性イオン水に対するアルカリイオン水の水量が約20%となるように流量調整手段30を制御する。これによりアルカリイオン水の排出量を低減させて、効率よく酸性イオン水を供給することができる。
このように、流量制御手段62が、蛇口100からの吐水量に対する排出口120からの排出量が所定の割合となるように変更自在に制御すると共に、選択手段61が電極17a、17bに印加される電圧の極性を反転させることで、利用者の要望に合わせてアルカリイオン水又は酸性イオン水を同一の蛇口100(吐水路)から選択的に供給することができる。また、流量制御手段62は、吐水量に対する排出量の割合を一定の比率となるように制御することができるため、一方の整水の吐水量に対する排出量を最小限に抑えることができる。さらに、蛇口100からの吐水量に対する排出口120からの排出量の割合を調整することによって、蛇口100から吐水されるアルカリイオン水又は酸性イオン水の整水濃度を制御することができる。
そして、利用者が水栓101を閉めることでアルカリイオン水及び酸性イオン水の何れか一方の整水の供給が停止され、これに伴い吐水パイプ14内の流れが止まると、吐水量検出手段40の信号によって排出パイプ15の途中に設けられた排出量調整手段30が駆動し、排出口120からの他方の整水の排出が停止される。
ここで、水栓101の開閉により供給パイプ14内の流れが発生又は停止する時刻と、吐水量検出手段40がそれを感知して排出量調整手段30が開閉される時刻とは、若干のタイムラグが存在する。このタイムラグによって生じる流水の慣性作用により、電解槽12内のアルカリイオン水側の空間12bと酸性イオン水側の空間12aとの内部圧力に差が生じてしまう。さらに、排出する酸性イオン水量を常にアルカリイオン水量の20%前後に制御すると、電解槽12が破損し易くなる。すなわち、アルカリイオン水量と酸性イオン水量が10対2の排出割合に保持されることにより、電解槽12内では、アルカリイオン水側の空間12bと酸性イオン水側の空間12aとの内部圧力に差が生じてしまう。イオン交換膜16は、例えば、膜厚が12μm程度であるため、この圧力差によってイオン交換膜16が変形して破損する虞がある。
しかしながら、本実施形態では電解槽12が可撓膜で形成されているため、例えば、上述のように水栓101を開ける際に2つの空間12a、12bに圧力差が生じたとしても、図5に示すように、電解槽12自体が内側に変形することでこの圧力差が吸収されるため、イオン交換膜16の変形による破損を防止することができる。なお、水栓101を閉じた際には、電解槽12自体が外側に変形することで内部の圧力差が吸収される。したがって、上述のようにアルカリイオン水量と酸性イオン水量の排出割合を10対2に保持することによって生じる圧力差についても、比較的容易に吸収することができる。
また、電解槽12内には、上述したように、その内面の電極17a、17bとイオン交換膜16との間に挟持されるように固定部材20が設けられている。すなわち、これらの固定部材20によってイオン交換膜16が挟持されている。したがって、これらの固定部材20によってもイオン交換膜16の変形が抑えられ、電解槽12の内部圧力差によるイオン交換膜16の破損をより確実に防止することができる。なお、本実施形態では、電解槽12全体が可撓膜で形成されているが、勿論、電解槽12内の圧力差を吸収できれば、可撓膜からなる可撓部を電解槽12のイオン交換膜16に対向する領域の一部に設けるようにしてもよい。
また、電解槽12の変形によって2つの空間12a、12bの圧力差を吸収するためには、電解槽12は、比較的高い柔軟性を有する必要があり、例えば、イオン交換膜16よりも柔軟性を有することが好ましい。この条件を満たすために、電解槽12は、比較的膜厚の薄いプラスチックフィルムからなる可撓膜で形成されている。このため、電解槽12は、それ自体では水道水供給パイプ13を介して電解槽12内に供給される水道水の圧力、例えば、1〜6kg/cm2程度の圧力に耐えられず破壊されてしまう虞がある。
しかしながら、本実施形態では、水道水供給パイプ13を介して電解槽12内に水道水が供給される際、水道水供給パイプ13の先端部の連通孔23から整水器本体11内にも水道水が供給され、整水器本体11内に貯まった貯留水21内に各電解槽12が保持されている。このため、整水器本体11内の貯留水21の圧力は、電解槽12内に供給された水道水と略同一の圧力に保持され、電解槽12の外面にも、その内面と略同一の水圧がかかる。したがって、電解槽12内に供給される水道水によって電解槽12の内面に比較的高い圧力がかかった場合でも、電解層12の外面にも略同一の圧力がかかることになり、電解槽12自体も水圧の変化に伴う変形によって破損することはない。
また、本実施形態では、貯留水21は、排出パイプ15に設けられた連通孔24から排出口120から排出される整水と共に外部に排出されるようになっている。すなわち、整水器本体11内には水道水が満充填されておらず、連通孔24の上部側には空気が残留している空気部22が存在する。このため、上述した電解槽12内の圧力差に伴う電解槽12の変形が貯留水21によって妨げられることがなく、イオン交換膜16の破損を防止することができる。
すなわち、上述したように電解槽12内の圧力差により電解槽12が変形した場合、整水器本体11内の容積が変化する。このとき、貯留水21自体は実質的に容積変化しないため、整水器本体11内に貯留水21が満充填されていると、貯留水21によって電解槽12の変形が妨げられる。しかしながら、本実施形態では、整水器本体11内に空気部22が存在し、電解槽12が変形した場合にこの空気部22が容積変化するため、電解槽12の変形が妨げられることがない。したがって、整水器本体11内に空気部22を設けておくことで、イオン交換膜16の破損をより確実に防止することができる。
なお、このような空気部22の容積は、特に限定されないが、整水器本体11内の容積の20〜30%程度の大きさであることが好ましい。
このように本実施形態のイオン整水器10では、水道水を比較的高い水圧で供給してもイオン交換膜16及び電解槽12が破損することがないため、所定数の電解槽12を並設することで、水道水と同等の流量、例えば、一般家庭用では20〜30(L/分)程度、業務用では100(L/分)程度の流量でアルカリイオン水又は酸性イオン水を利用者に供給することができる。
したがって、このようなイオン整水器10によって生成したアルカリイオン水を電気温水器等の給湯器に供給して温水として利用者に提供することもでき、アルカリイオン水を飲料用や料理用としてだけではなく、例えば、入浴やシャワーに利用することができる。また、本実施形態では、選択手段61によって蛇口100から大量の酸性イオン水を供給することができるため、このようなイオン整水器10によって生成した酸性イオン水は家庭用及び業務用の消毒、殺菌、洗顔等の美容などに利用することができる。
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2に係るイオン整水器の断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図6に示すように、電解槽12Aには、イオン交換膜16と、イオン交換膜16に対向するように、一対の電極17a、17bが設けられている。また、電解槽12Aは、上述した実施形態と同様に、全体が所定の柔軟性を有する可撓膜によって形成されている。
各電極17a、17bのそれぞれは、電解槽12Aの内面に設けられた4つの固定部材20Aによって固定されている。この固定部材20Aは、電解槽12Aの内面と電極17a、17bとの間に設けられて、例えば、1mmの隙間を形成する円筒形状を有するスペーサ20aと、スペーサ20aとの間で電極17a、17bを挟持する円筒形状を有するスリーブ20bと、スペーサ20a及びスリーブ20bを挿通して一端が電解槽12Aに固定されたリベット20cとで構成されている。
また、イオン交換膜16は、電極17aを保持するスリーブ20bと電極17bを保持するスリーブ20bとの間で挟持されている。すなわち、イオン交換膜16は、各電極17a、17bを固定するスリーブ20bによって4箇所で挟持されている。このとき、各電極17a、17bとイオン交換膜16間は、例えば、それぞれ3mmの隙間となるように構成すればよい。
このような電解槽12Aは、イオン交換膜16が4つの固定部材20Aによって点で挟持されていても、水栓101の開閉により圧力差が生じた際に、可撓膜によって圧力差を吸収することができるため、イオン交換膜16を破損するのを防止することができる。
すなわち、上述した実施形態1では、メッシュ状の固定部材20によってイオン交換膜16を挟持することで、イオン交換膜16の破損を防止していたが、電解槽12Aの全体を可撓膜で形成することによって、可撓膜により圧力差を吸収することができるため、イオン交換膜16が4つの固定部材20Aによって点で挟持されていても、イオン交換膜16の破損を防止することができる。
(実施形態3)
図7は、本発明の実施形態3に係るイオン整水器の概略構成を示す図であり、図8は、本発明の実施形態3に係るイオン整水器の制御系を示す概略ブロック図である。なお、上述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図7に示すように、実施形態3のイオン整水器10Aの外枠を構成する整水器本体11内には、複数の電解槽12が保持されており、吐水口11bと接続された吐水パイプ14には、水道管110Bとの接続部分に蛇口100からの吐水量を検出する吐水量検出手段40が設けられている。
また、排出パイプ15には、排出口120からの排出量を調整する排出量調整手段30が設けられており、また、排出量調整手段30よりも下流側の排出パイプ15には、排出口120からの排出量を検出する排出量検出手段41が設けられている。
そして、図8に示すように、イオン整水器10Aの制御装置60Aは、電極17a、17bに印加する電圧の極性を反転させる選択手段61と、吐水量調整手段40が検出した蛇口100からの吐水量に対する排出口120からの排出量が所定の割合となるように排出量調整手段30を制御する流量制御手段62Aを具備する。
流量制御手段62Aは、吐水量検出手段40が検出した蛇口100からの吐水量を取得し、排出口120からの排出量が所定の割合となるように排出量調整手段30を制御する。また、本実施形態の流量制御手段62Aは、排出パイプ15に設けられた排出量検出手段41が検出する排出口120からの実際の排出量を取得し、この排出量に基づいて排出量調整手段30をフィードバック制御している。これにより、流量制御手段62Aは、蛇口100からの吐水量に対する排出口120からの排出量の割合を実際の流量から制御することができ、吐水量と排出量との割合を高精度に制御することができる。
なお、本実施形態の流量制御手段62Aは、上述した実施形態1と同様に、蛇口100からの吐水量に対する排出口120からの排出量の割合を変更自在となるように排出量調整手段30を制御するようにしてもよく、また、蛇口100からの吐水量に対する排出口120からの排出量の割合が常に一定となるように排出量調整手段30を制御するようにしてもよい。何れにしても、流量制御手段62Aによる排出口120からの排出量は、蛇口100からの吐水量に対して小さな割合となるように設定すれば、排出口120から排出される整水の水量を減少させて、水道水の無駄な消費を低減し、効率よく蛇口100から整水を供給することができる。
なお、本実施形態では、流量制御手段62が排出量検出手段41の検出した排出量を取得し、排出量調整手段30をフィードバック制御するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、排出量制御手段62が、吐水量検出手段40及び排出量検出手段41の流量を取得し、これに基づいて両者の比が所定の範囲となるように排出量調整手段30を制御するようにしてもよい。
(実施形態4)
図9は、本発明の実施形態4に係るイオン整水器の断面図である。なお、上述した実施形態1と同様の部材には、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図9に示すように、本実施形態のイオン整水器10Bは、上述した実施形態1と同様の電解槽12が内部に複数保持された整水器本体11を有する。また、本実施形態の電解槽12の電極17a、17bには常に同一の極性の電圧が印加されるようになっており、電解槽12内で水道水を電解することにより、空間12bでアルカリイオン水を生成すると共に空間12aで酸性イオン水を生成するものである。
また、電解槽12の空間12bに連通する吐水パイプ14には、空間12bと蛇口100側の水道管110Bとを連結して第1の流路を構成する第1の連結パイプ70が設けられている。また、電解槽12の空間12aに連通する排出パイプ15Aには、空間12aと排出口120側の排出パイプ15Bとを連結して第2の流路を構成する第2の連結パイプ71が設けられている。
また、第1の連結パイプ70には、その上流側から分岐して第2の連結パイプ71に連結して第3の流路を構成する第3の連結パイプ72が設けられており、第2の連結パイプ71には、その上流側から分岐して第1の連結パイプ70に連通して第4の流路を構成する第4の連結パイプ73が設けられている。
さらに、これら第1〜第4の連結パイプ70〜73の途中には、第1〜第4の流量調整手段31〜34がそれぞれ設けられており、電解槽12の空間12a及び空間12bと蛇口100及び排出口120とは、これら第1〜第4の流量調整手段31〜34の開閉によって相互に接続されるようになっている。なお、第1の流量調整手段31は、第1の連結パイプ70上の第3の連結パイプ72の分岐部より下流側で第4の連結パイプ73の連通部より上流側に設けられている。また、第2の流量調整手段32は、第2の連結パイプ71上の第4の連結パイプ73の分岐部より下流側で第3の連結パイプ72の連通部より上流側に設けられている。また、第3の流量調整手段33は、第3の連結パイプ72上に設けられ、第4の流量調整手段34は、第4の連結パイプ73上に設けられている。また、これら第1〜第4の流量調整手段31〜34は、例えば、電磁石の駆動により流路を開閉させることができる電磁バルブ等を挙げることができる。
ここで、本実施形態では、蛇口100及びこれに接続された水道管110Bが吐水路となり、排出口120及びこれに接続された排出パイプ15Bが排出路となっており、第1〜第4のパイプ70〜73が、電解槽12の空間12a及び空間12bと吐水路及び排出路とを相互に接続する接続流路を構成している。そして、接続流路である第1〜第4の連結パイプ70〜73に設けられた第1〜第4の流量調整手段31〜34が反転手段を構成しており、この反転手段の開閉によって電解槽12の空間12a及び空間12bが蛇口100に選択的に接続されるようになっている。
また、本実施形態では、上述した実施形態1と同様に、第1の連結パイプ70と蛇口100側の水道管110Bとの接続部分には、蛇口100からの吐水量を検出する吐水量検出手段40が設けられており、また、第2の連結パイプ71と排出口120側の水道管排出パイプ15Bとの接続部分には、排出口120からの排出量を調整する排出量調整手段30が設けられている。
ここで、このようなイオン整水器10Bの制御系について説明する。なお、図10は、イオン整水器の制御系を示す概略ブロック図である。
図10に示すように、制御装置60Bには、反転手段を制御して蛇口100からアルカリイオン水又は酸性イオン水を選択的に吐水させる選択手段61Aと、吐水量検出手段40が検出した検出結果に応じて排出量調整手段30を制御して吐水量に対する排出量を所定の割合とする流量制御手段62とを具備する。
選択手段61Aは、第1〜第4の流量調整手段31〜34をそれぞれ選択的に開閉させることで、電解槽12の空間12a及び空間12bと蛇口100及び排出路120とを相互に接続する第1〜4の連結パイプ70〜73で構成される接続流路を切り替えて、蛇口100からアルカリイオン水又は酸性イオン水を選択的に吐水させるものである。
具体的には、選択手段61Aが第1及び第2の流量調整手段31、32を開くと共に、第3及び第4の流量調整手段33、34を閉じることで、電解槽12の空間12bと蛇口100とを第1の連結パイプ70で連通させると共に電解槽12の空間12aと排出口120とを第2の連結パイプ71で連通させる。本実施形態では、この状態を第1の切替状態としている。そして、この第1の切替状態では、電解槽12の空間12bで生成されたアルカリイオン水が第1の連結パイプ70を介して蛇口100から吐水される。また、このとき、電解槽12の空間12aで生成された酸性イオン水が第2の連結パイプ71を介して排出口120から排出される。
また、選択手段61Aが第1及び第2の流量調整手段31、32を閉じると共に、第3及び第4の流量調整手段33、34を開くことで、電解槽12の空間12aと蛇口100とを第4の連結パイプ73で連通させると共に電解槽12の空間12bと排出口120とを第3の連結パイプ72で連通させる。本実施形態では、この状態を第2の切替状態としている。そして、この第2の切替状態では、電解槽12の空間12aで生成された酸性イオン水が第1の連結パイプ70を介して蛇口100から吐水される。また、このとき、電解槽12の空間12bで生成されたアルカリイオン水が第3の連結パイプ72を介して排出口120から排出される。
このように、選択手段61Aは、第1〜第4の流量調整手段31〜34で構成された反転手段を制御することによって、反転手段を第1の切替状態と第2の切替状態とにさせて、蛇口100からアルカリイオン水又は酸性イオン水を選択的に吐水させることができる。そして、選択手段61Aが蛇口100からアルカリイオン水及び酸性イオン水の何れか一方の整水を選択的に吐水させると共に、流量制御手段61が他方の整水の排出量を減少させることができる。
すなわち、本実施形態では、水道管110Bと蛇口100とがアルカリイオン水及び酸性イオン水の何れか一方の整水を吐水して、この一方の整水を利用者に利用させる吐水路となっていると共に、排出口120と排出口120側の排出パイプ15Bとが他方の整水を排出する排出路となっている。
なお、本実施形態では、第2の連結パイプ71と排出口120側の排出パイプ15Bとの間に排出口120からの排出量を調整する排出量調整手段30を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、第1〜第4の流量調整手段31〜34を、第1〜第4の連結パイプ70〜73の流量を調整できる流量調整バルブとして、流量制御手段61が第1〜第4の流量調整手段31〜34を制御するようにしてもよい。すなわち、選択手段61Aが反転手段を第1の切替状態とした場合には、流量制御手段61が第2の流量調整手段32を制御することで排出口120からの排出量を調整することができる。また、選択手段61Aが反転手段を第2の切替状態とした場合には、流量制御手段61が第3の流量調整手段33を制御することで排出口120からの排出量を調整することができる。
また、本実施形態では、選択手段61Aが電極17a、17bに印加する電圧の極性を反転させずに、第1〜4の流量調整手段31〜34で構成された反転手段の第1の切替状態と第2の切替状態とを反転させるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、選択手段が電極17a、17bに印加する電圧の極性を反転させると共に反転手段の第1の切替状態と第2の切替状態とを反転させるようにしてもよい。すなわち、蛇口100からアルカリイオン水及び酸性イオン水の何れか一方の整水を吐水させた状態から、選択手段が電極17a、17bに印加する電圧の極性を反転させると共に、反転手段を第1の切替状態から第2の切替状態に反転させることで、蛇口100から引き続き一方の整水が吐水される。これは、例えば、所定の周期で電圧の反転と流路の反転とを同時に行うことで、通常の使用方法に比べて各機能をバランスよく維持することができ、電極17a、17b及びイオン交換膜16の寿命を延命させると共に、整水能力を長期間に亘り維持させることが可能となる。
(実施形態5)
図11は、本発明の実施形態5に係るイオン整水器の要部断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本実施形態の電解槽12の電極17a、17bには常に同一の極性の電圧が印加されるようになっており、電解槽12内で水道水を電解することにより、空間12bでアルカリイオン水を生成すると共に空間12aで酸性イオン水を生成するものである。
そして、図11に示すように、本実施形態では、電解槽12の空間12bに連通する吐水パイプ14及び電解槽12の空間12aに連通する排出パイプ15Aの2系統の流路と、蛇口100側の水道管110B及び排出口120側の排出パイプ15Bとの2系統の流路とを接続する2入力2出力の切替弁からなる反転手段300を具備する。
反転手段300は、2つの入力口301、302と、2つの出力口303、304とを有し、2つの入力口301及び302には、吐水パイプ14及び排出パイプ15Aがそれぞれ接続されると共に、2つの出力口303及び304には、蛇口100側の水道管110B及び排出口120側の排出パイプ15Bがそれぞれ接続されている。
この反転手段300は、位置決め回転することにより2つの入力口301及び302と、2つの出力口303及び304をとの接続状態を反転することができる切替流路311〜314を有する回転弁310を具備し、回転弁310の回転位置により図11に示す2つの接続状態を具備する。すなわち、入力口301と出力口303とが流路311を介して連通すると共に入力口302と出力口304とが流路312を介して連通する状態(第1の切替状態)と、入力口301と出力口304とが流路313を介して連通すると共に
入力口302と出力口303とが流路314を介して連通する状態(第2の切替状態)とが切り替えられるようになっている。例えば、本実施形態では、図11(a)が第1の切替状態であり、図11(b)が第2の切替状態である。
このような反転手段300としては、電気的に駆動されることで流体の方向を他の方向に切り替えることができる機能を持つ物であれば、回転弁310に限定されるものではなく、その構成は問わない。
そして、図示しない選択手段が反転手段300を制御することで、第1の切替状態と第2の切替状態とを反転させて、蛇口100からアルカリイオン水又は酸性イオン水を選択的に吐水させることができる。
(実施形態6)
図12は、本発明の実施形態6に係るイオン整水器の概略構成を示す図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図12に示すように、本実施形態の電解槽12の電極17a、17bには常に同一の極性の電圧が印加されるようになっており、電解槽12内で水道水を電解することにより、空間12bでアルカリイオン水を生成すると共に空間12aで酸性イオン水を生成するものである。
また、電解槽12の空間12bに連通する吐水パイプ14には、吐水パイプ14内の流量を検出する吐水量検出手段40と、吐水量検出手段41よりも上流側に吐水パイプ14の流量を調整する吐水量調整手段35とが設けられている。
さらに、電解槽12の空間12aに連通する排出パイプ15には、排出パイプ15内の流量を検出する排出量検出手段41と、排出量検出手段41よりも上流側に排出パイプ15の流量を調整する排出量調整手段30とが設けられている。
なお、本実施形態では、吐水パイプ14が電解槽12の空間12aに連通する第1の連通流路となり、排出パイプ15が電解槽12の空間12bに連通する第2の連通流路となっている。また、吐水パイプ14に設けられた吐水量検出手段40が第1の連通流量検出手段となり、吐水量調整手段35が第1の連通流量調整手段となっている。さらに、排出パイプ15に設けられた排出量検出手段41が第2の連通流量検出手段となり、排出量調整手段30が第2の連通流量調整手段となっている。
また、本実施形態の整水器本体11には、内部の貯留水21を外部に排出する図示しない水道水排出路が設けられている。この水道水排出路は、吐水パイプ14及び排出パイプ15と連通せずに独立して貯留水21を外部に排出させるものである。
ここで、このようなイオン整水器10Cの制御系を図13に示す。なお、図13は、イオン整水器の制御系を示す概略ブロック図である。
図13に示すように、制御装置60Cには、吐水量検出手段40と排出量検出手段41が検出した検出結果に応じて吐水量調整手段35及び排出量調整手段30を制御して、吐水パイプ14からの吐水量と排出パイプ15からの排出量との割合を制御する流量制御手段62Bが設けられている。
この流量制御手段62Bは、吐水量検出手段40が検出した吐水パイプ14の流量と、排出量検出手段41が検出した排出パイプ15の流量とを取得し、吐水量調整手段35及び排出量調整手段30を制御することにより、吐水パイプ14からの流量と排出パイプ15からの流量とを調整するものであり、本実施形態の流量制御手段62Bが選択手段として機能するようになっている。
具体的には、電解槽12の空間12bで生成されたアルカリイオン水を主として供給する場合には、流量制御手段62Bが、吐水量調整手段35を全開にすると共に、吐水パイプ14の流量に対する排出パイプ15からの流量が小さな割合となるように排出量調整手段30を制御する。これにより、吐水パイプ14を吐水路として、吐水パイプ14からアルカリイオン水を供給すると共に、排出パイプ15を排出路として排出パイプ15から酸性イオン水を排出する。
なお、このとき流量制御手段62Bは、排出パイプ15に設けられた排出量検出手段41が検出する排出パイプ15の実際の流量を検出し、この流量に基づいて排出量検出手段30をフィードバック制御している。これにより、流量制御手段62Bは、吐水パイプ14からのアルカリイオン水量に対する排出パイプ15からの酸性イオン水量の割合を実際の流量から制御することができ、アルカリイオン水量と酸性イオン水量との割合を高精度に制御することができる。
逆に、電解槽12の空間12aで生成された酸性イオン水を主に供給する場合には、流量制御手段62Bが、排出量調整手段30を全開にすると共に、排出パイプ15の流量に対する吐水パイプ14の流量が小さな割合となるように吐水量調整手段30を制御する。これにより、排出パイプ15を吐水路として、排出パイプ15から酸性イオン水を供給すると共に、吐水パイプ14を排出路として吐水パイプ14からアルカリイオン水を排出する。
なお、このとき流量制御手段62Bは、吐水パイプ14に設けられた吐水量検出手段40が検出する吐水パイプ14の実際の流量を検出し、この流量に基づいて吐水量検出手段35をフィードバック制御している。これにより、流量制御手段62Bは、排出パイプ15からの酸性イオン水量に対する吐水パイプ14からのアルカリイオン水量の割合を実際の流量から制御することができ、酸性イオン水量とアルカリイオン水量との割合を高精度に制御することができる。
なお、本実施形態では、流量制御手段62Bが選択手段として機能するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、上述した実施形態3及び4のように選択手段と反転手段とを設けるようにしてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態1〜6では、排出パイプ15、15Bに電磁バルブ等の排出量調整手段30を設け、流量制御手段62が排出用調整バルブ30を制御することで排出量を変更できるようにしたが、排出量調整手段30は電磁バルブに限定されるものではなく、例えば、排出パイプ15、15Bの排出路を開閉するだけの開閉バルブとしてもよい。
また、流量制御手段62が行う排出量調整手段30の駆動は、連続的な駆動ではなく、段階的な駆動であってもよい。すなわち、排出口120から排出される整水の排出量は、吐水量を複数のレベルに設定しておき、そのレベルに合わせて段階的に制御させるものであってもよい。
さらに、上述した実施形態1〜6では、複数の電解槽12、12Aが、整水器本体11内に所定の間隔で並設されるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、隣接する各電解槽12の間に間隔を空けずに、外周面が接触するように並設するようにしてもよい。このように隣接する各電解槽12に間隔を空けずに、並設するようにしても、接触していない可撓膜によって電解槽内の圧力差の吸収を行わせることができると共に、小型化することができる。
また、上述した実施形態1〜6では、6つの電解槽12、12Aのそれぞれに電解溶液を導入し、各電解槽12、12Aが生成したアルカリイオン水及び酸性イオン水の何れか一方の整水が直接蛇口100から吐水されると共に、他方の整水が排出口120から排出されるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、電解槽12から生成された一方の整水をさらに他の電解槽で電解するようにしてもよい。ここで、このような例を図14に示す。なお、図14は、電解槽の配置を示す概略図である。
図14に示すように、上述した実施形態1と同様の6つの電解槽12が並設されており、右側5つの電解槽12が主電解槽12Bであり、左側1つの電解槽12が補助電解槽12Cである。右側5つの電解槽12、すなわち、主電解槽12Bは、その下流側が水道水供給パイプ13と連通しており下流側から水道水が供給されるようになっていると共に、上流側が吐水パイプ14Aと連通しており主電解槽12B内で生成された一方の整水が吐水されるようになっている。さらに、主電解槽12Bは、上流側が排出パイプ15Bと連通しており主電解槽12B内で生成された他方の整水が排出されるようになっている。
また、左側1つの電解槽12、すなわち、補助電解槽12Cは、排出パイプ15Bの途中に設けられており、当該補助電解槽12Cの下流側から内部へ他方の整水が供給されるようになっていると共に、上流側に吐水パイプ14Aと連通する補助吐水パイプ14Bが設けられており、補助電解槽12C内で生成された一方の整水が吐水されるようになっている。
このような接続構成においては、水道水供給パイプ13を介して水道水が主電解槽12B、すなわち、右側5つの電解槽12の全てに供給される。そして、供給された水道水は、それぞれの主電解槽12B内でアルカリイオン水と酸性イオン水とに電気分解される。そして、それぞれの主電解槽12B内で生成された一方の整水は、吐水パイプ14Aを経て蛇口100から吐水される。一方で、主電解槽12B内で生成された他方の整水は、排出パイプ15Bの途中に設けられた補助電解槽12Cに供給される。そして、供給された他方の整水は、補助電解槽12C内で再びアルカリイオン水と酸性イオン水とに電気分解される。
ここで、補助電解槽12C内で生成された一方の整水は、補助吐水パイプ14Bから吐水パイプ14Aを経て蛇口100から吐水される。一方で、補助電解槽12C内で生成された他方の整水は、排出パイプ15Cを経て排出口120から排出される。以上のような接続構成とすることで、最終的に排出口120から排出させる他方の整水の排出量を低減させることができる。例えば、本実施形態の電解槽の構成では、蛇口100からアルカリイオン水を吐水させる場合、アルカリイオン水のpHを維持した状態で排出口120からの酸性イオン水の排出量を最小とすることができる、酸性イオン水の水量は、アルカリイオン水に対して約3%となる。このような構成としても、上述した実施形態1〜3と同様に、選択手段61によって全ての電解槽12の電極17a、17bに印加する電圧の極性を同時に反転させることにより、蛇口100からアルカリイオン水又は酸性イオン水を選択的に供給することができる。また、吐水パイプ14Aと排出パイプ15Cとに上述した実施形態4と同様に、第1〜第4の連結パイプ31〜34からなる接続流路と、第1〜第4の流量調整手段70〜74の反転手段とを設け、選択手段61Aによって反転手段を制御するようにしても、蛇口100からアルカリイオン水又は酸性イオン水を選択的に供給することができる。さらに、吐水パイプ14Aと排出パイプ15Cとに上述した実施形態5と同様に、反転手段300を設け、選択手段61Aによって反転手段を制御するようにしても、蛇口100からアルカリイオン水又は酸性イオン水を選択的に供給することができる。
また、上述した実施形態1〜5では、電解槽12〜12Bに水道水供給パイプ13を介して水道水を供給するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、水道水供給パイプ13の途中に、水道水に乳酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム等の食品添加物として認められた安全性の高いカルシウム化合物を添加するカルシウム添加手段を設けるようにしてもよい。このようにカルシウム添加手段によって水道水にカルシウムを添加することで水道水の導電性を高めて、各地の水道水の水質にバラツキがあっても電解槽で確実に電離を行うようにすると共に、アルカリイオン水にカルシウムイオンを添加して、利用者がカルシウムを効率よく得ることができ、且つ酸性イオン水を美容目的などで利用することができる。
また、水道水供給パイプ13の途中に、水道水に塩化ナトリウムや希塩酸等の補助電解剤を添加して電解溶液を生成した後、この電解溶液を正負の電極間にイオン交換膜を介在させた電解槽内で電解することで強アルカリ性水及び強酸性水からなる強電解水を生成させるようにしてもよい。