JP4507488B2 - 接合材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は接着性及び熱伝導性に優れた接合材料に関する。さらに詳しくはIC、LSI等の半導体素子をリードフレーム、セラミック配線板、ガラスエポキシ配線板、ポリイミド配線板等の基板に接着するのに好適な接合材料及びこれを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置を製造する際、半導体素子とリードフレーム(支持部材)とを接着させる方法としては、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂などの樹脂に銀粉等の充填剤を分散させてペースト状(例えば、銀ペースト)として、これを接合材料として使用する方法がある。この方法では、ディスペンサーやスタンピングマシン等を用いて、ペースト状接合材料をリードフレームのダイパッドに塗布した後、半導体素子をダイボンディングし、加熱硬化により接着させ半導体装置とする。
【0003】
この半導体装置は更に、封止材によって外部が封止され半導体パッケージされた後、配線基盤上に半田付けされて実装される。最近の実装は、高密度及び高効率が要求されるので、半田実装は半導体装置のリードフレームを基板に直接半田付けする面実装法が主流である。この表面実装には、基板全体を赤外線などで加熱するリフローソルダリングが用いられ、パッケージは200℃以上の高温に加熱される。この時、パッケージの内部、特に接合材料層中に水分が存在すると、この水分が気化してダイパッドと封止材の間に回り込み、パッケージにクラック(リフロークラック)が発生する。このリフロークラックは半導体装置の信頼性を著しく低下させるため、深刻な問題・技術課題となっており、半導体素子と半導体支持部材との接着に多く用いられている接合材料には、高温時の接着力を始めとした信頼性が求められてきた。
【0004】
さらに、近年、半導体素子の高速化、高集積化が進むに伴い、従来から求められてきた接着力等の信頼性に加えて、半導体装置の動作安定性を確保するために高放熱特性が求められるようになった。即ち、前記課題を解決するためには、放熱部材と半導体素子を接合する接合材料に用いられる、高い接着力と高熱伝導性を兼ね備える接合材料が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高い接着力と高熱伝導性をバランスよく兼ね備える接合材料が存在しなかったため、前記課題を解決することが困難であった。
【0006】
そこで、前記接合材料の熱伝導率を上げる解決手段として、接合材料中の金属フィラーの量を増加する方法が提案された。
【0007】
ところが、接合材料中の金属フィラー量を増加すると熱伝導率は向上するものの、接着性に関与する樹脂の相対的混合量が低下するために接着性が低下するという問題があった。
【0008】
また、接合材料の形態をペースト状とした場合、金属フィラーの量が増加するほどペーストの粘度が必要以上に上昇し、作業性が低下していた。そして、この作業性の低下を補うために溶剤を多量に混合すると、硬化後の接着層中に溶剤が残存することに起因して、ボイドが発生しやすくなり放熱特性の低下につながっていた。
【0009】
従って、上記課題を解決すべく、本発明は所定の接着強度を維持しつつ、熱伝導率の向上を図ることが可能な接合材料を提供することを目的とする。また、本発明は、前記接合材料を用いた半導体装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、第一の態様として、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、フィラーを含有してなる接合材料であり、フィラーの平均粒径が1.0μm以上2.0μm以下であって、フィラーを構成する化合物単体の真密度に対するタップ密度の比(タップ密度/真密度)が0.20以上0.50以下であり、かつ比表面積が0.5m2/g以上3.5m2/g以下であり、フィラーを構成する化合物単体の熱伝導率が50W/mK以上2500W/mK以下であり、接合材料の不揮発分中のフィラー含有量が60vol%を超え70vol%以下であり、消費電力1.7W以上のパワー半導体素子を前記接合材料を介して支持部材に接合させるために用いられる接合材料が提供される。
第二の態様として、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、フィラーを含有してなる接合材料であり、フィラーの平均粒径が1.0μm以上2.0μm以下であって、フィラーを構成する化合物単体の真密度に対するタップ密度の比(タップ密度/真密度)が0.20以上0.50以下であり、かつ比表面積が0.5m2/g以上3.5m2/g以下であり、フィラーを構成する化合物単体の熱伝導率が50W/mK以上2500W/mK以下であり、接合材料の不揮発分中のフィラー含有量が50vol%を超え60vol%以下であり、消費電力1.7W以上のパワー半導体素子を前記接合材料を介して支持部材に接合させるために用いられる接合材料が提供される。
第三の態様として、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、フィラーを含有してなる接合材料であり、フィラーの平均粒径が1.0μm以上2.0μm以下であって、フィラーを構成する化合物単体の真密度に対するタップ密度の比(タップ密度/真密度)が0.20以上0.50以下であり、かつ比表面積が0.5m2/g以上3.5m2/g以下であり、フィラーを構成する化合物単体の熱伝導率が50W/mK以上2500W/mK以下であり、接合材料の不揮発分中のフィラー含有量が40vol%を超え50vol%以下であり、消費電力1.7W以上のパワー半導体素子を前記接合材料を介して支持部材に接合させるために用いられる接合材料が提供される。
【0011】
さらに詳しくは、本発明によれば、以下の(1)〜(4)の接合材料が提供される。
(1)前記接合材料の不揮発成分中のフィラー含有量が60vol%を超え70vol%以下であり、かつ前記接合材料の硬化物の熱伝導率が15W/mK以上、より詳しくは前記熱伝導率が15W/mK以上100W/mK以下であることを特徴とする前記接合材料、(2)前記接合材料の不揮発成分中のフィラー含有量が50vol%を超え60vol%以下であり、かつ前記接合材料の硬化物の熱伝導率が10W/mK以上、より詳しくは前記熱伝導率が10W/mK以上100W/mK以下であることを特徴とする前記接合材料、(3)前記接合材料の不揮発成分中のフィラー含有量が40vol%を超え50vol%以下であり、かつ前記接合材料の硬化物の熱伝導率が5W/mK以上、より詳しくは前記熱伝導率が5W/mK以上100W/mK以下であることを特徴とする前記接合材料、(4)前記接合材料の不揮発成分中のフィラー含有量が30vol%を超え40vol%以下であり、かつ前記接合材料の硬化物の熱伝導率が2W/mK以上、より詳しくは前記熱伝導率が2W/mK以上100W/mK以下であることを特徴とする前記接合材料。これらの接合材料はそれぞれ後に説明する用途に用いることができる。
【0012】
なお、本発明において「接合材料」とは、複数の被着体を接合するために用いる材料を示し、例えば、乾燥硬化型ボンドのように被着体を強固に固定(接着)するもの、粘着テープのように剥離可能な程度に被着体を固定(接合)するものの両方を含む。
【0013】
この場合、前記フィラーの平均粒径が0.1μm以上5.0μm以下であって、前記フィラーを構成する化合物単体の真密度に対するタップ密度の比(タップ密度/真密度)が0.20以上0.50以下であり、かつ比表面積が0.5m2/g以上3.5m2/g以下であることが好ましい。
【0014】
また、前記フィラーを構成する化合物単体の熱伝導率が50W/mK以上2500W/mK以下であることが好ましい。
【0015】
さらに、前記フィラーがダイヤモンド、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、金、白金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、パラジウムからなる群より選ばれる一種又は二種類以上の混合物であることが好ましい。
【0016】
また、本発明によれば、前記接合材料が、熱硬化性樹脂を含有してなることを特徴とする前記接合材料が提供される。この場合、前記熱硬化性樹脂が(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤を含有していることが好ましい。
【0017】
第2の態様として、本発明によれば、使用する際に接合材料を本硬化させることからなるフィルム状接合材料であって、係る接合材料として前記接合材料を用いることを特徴とするフィルム状接合材料が提供される。
【0018】
この場合、接合材料をフィルムの形態で予備硬化し、使用する際に前記予備硬化された接合材料を本硬化させることができる。
【0019】
また、前記フィルム状接合材料を基材フィルムの片面又は両面に、直接又は他の層を介して積層した構造を有してなることを特徴とする基材付きフィルム状接合材料が提供される。
【0020】
第3の態様として、本発明によれば、(I)前記接合材料の原料組成物のワニスを基材フィルム状に塗布する行程と、(II)前記原料組成物のワニスを乾燥させ、フィルムを形成する行程と、を含むことを特徴とするフィルム状接合材料の製造方法が提供される。
【0021】
この場合、さらに、(III)前記基材フィルムをはがし、単層のフィルム状接合材料を得る行程を含むことが好ましい。
【0022】
第4の態様として、本発明によれば、前記接合材料を用いて半導体素子と半導体支持部材とを接着した構造を有してなることを特徴とする半導体装置が提供される。
【0023】
この場合、好ましくは、前記フィルム状接合材料の接合材料層を介して半導体素子と半導体支持部材とを接着した構造を有してなることを特徴とする半導体装置が提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の接合材料は、樹脂及びフィラーを必須成分とし、フィラーの含有量は接合材料の総体積に対して30vol%以上70vol%以下とする。フィラーの含有量が30vol%未満の場合、充分な熱伝導率が得られないため半導体素子の高い熱放散性が期待できず、また70vol%を超えるとペーストの粘度が高くなるため溶剤が過剰に必要となり、そのため加熱硬化中にボイドが発生しやすくなり、接着力及び熱放散性が低下する。さらに作業性確保のために溶剤を過剰に使用した場合、加熱硬化中にボイドが発生しやすくなり、接着力及び熱放散性が低下する。
【0025】
本発明の接合材料は、接着力に優れ、かつ熱伝導率にも優れたものである。接着力と高熱伝導率を高いレベルで両立するためにはフィラー含有量が60vol%を超え70vol%以下の場合は硬化物の熱伝導率が15W/mK以上であり、フィラー含有量が50vol%を超え60vol%以下の場合は硬化物の熱伝導率が10W/mK以上であり、フィラー含有量が40vol%を超え50vol%以下の場合は硬化物の熱伝導率が5W/mK以上であり、フィラー含有量が30vol%を超え40vol%以下の場合は硬化物の熱伝導率が2W/mK以上である必要がある。
【0026】
本発明の接合材料は、フィラーの含有量を増やすことにより熱伝導率が高くなり、一方、樹脂の含有量を増やすとより接着力が増加する傾向がある。従って、次に述べるような用途、求められる特性に応じて、フィラー含量及び樹脂含有量を調節し、所望する熱伝導率及び接着力とすることによって信頼性の高い半導体製品を得ることができる。
【0027】
例えば、消費電力0.5W以上のトランジスタ分野の接合材料として充分な放熱特性を得るためには、熱伝導率は2W/mK以上であることが必要であるため、本発明の接合材料が好適に使用することができる。
【0028】
また、消費電力1.7W以上である、例えば、パワートランジスタ、パワーIC分野等の接合材料としては、本発明の接合材料のうち、熱伝導率が5W/mK以上のものが、充分な放熱特性が得られる点で、より好適に使用することができる。
【0029】
また、消費電力3.4W以上のPC用MPU分野等に用いられる接合材料としては、ある程度の接着力と高い熱伝導性を有するものが求められるため、本発明の接合材料の中でも熱伝導率が10W/mK以上のものが、充分な放熱特性が得られる点で、より好適に使用することができる。
【0030】
消費電力5W以上の高速ロジック分野等に用いられる接合材料としては、接着力を維持しながら上記よりもさらに高い熱伝導率を有するものが求められるため、本発明の接合材料の中でも熱伝導率が15W/mK以上のものが、充分な放熱特性が得られる点で、より好適に使用することができる。
【0031】
熱伝導率が2W/mK未満の場合、消費電力500mW以上のトランジスタ分野の接合材料として充分な放熱特性が得られない。また5W/mK未満では消費電力1.7W以上のパワートランジスタ、パワーIC分野の接合材料として充分な放熱特性が得られない傾向があり、10W/mK未満では消費電力3.4W以上のPC用MPU分野の接合材料として充分な放熱特性が得られない傾向があり、15W/mK未満では消費電力5W以上の高速ロジック分野の接合材料として充分な放熱特性が得られない傾向がある。しかし、例えば、本発明の接合材料のうち、熱伝導率が15W/mKのものより10W/mKのものの方が接着力に関しては優れているため、例えば、消費電力5W以上の高速ロジック分野においても他の放熱手段と組み合わせること等により、熱伝導率が15W/mK未満である接合材料を接合材料として使用することもできる。
【0032】
本発明の接合材料に使用するフィラーの平均粒径としては、0.1μm以上5.0μm以下が、粘度と接触確率のバランスの面で好ましい。平均粒径の下限としては0.5μm以上がより好ましく、1.0μm以上が特に好ましい。また上限としては3.0μm以下がより好ましく、2.0μm以下が特に好ましい。平均粒径が0.1μm未満の場合、ペーストの粘度が高くなる傾向があり、その場合溶剤が過剰に必要になるため、加熱硬化中にボイドが発生し、接着力及び熱放散性が低下する傾向がある。また平均粒径が5.0μmを超えるとフィラー同士の接触確率が低下し充分な熱伝導率が確保できなくなる傾向がある。
【0033】
本発明の接着剤組成物に使用するフィラーのタップ密度としては、フィラーを構成する化合物の真密度に対し20%以上50%以下であること、即ちフィラーを構成する化合物単体の真密度に対するタップ密度の比(タップ密度/真密度)が0.20以上0.50以下であることが、取り扱いやすい粘度が得られフィラーが沈降しにくい面で好ましい。上記真密度は20%以上45%以下であることがより好ましく、20%以上40%以下であることが特に好ましい。真密度に対する割合が20%未満であると、ペーストの粘度が高くなる傾向があり、その場合、溶剤が過剰に必要となるため加熱硬化中にボイドが発生し、接着力及び熱放散性が低下する傾向がある。また75%を超えるとペースト保存時にフィラーが沈降し樹脂と分離する傾向がある。
【0034】
本発明の接着剤組成物に使用するフィラーの比表面積としては、3.5cm2/g以下が粘度とフィラーの接触確率のバランスの面で好ましく、3.0cm2/g以下がより好ましく、2.5cm2/g以下が特に好ましい。3.5cm2/gを超えると、熱伝導率の面だけに着目すれば向上するが、同時にペーストの粘度が高くなるため溶剤が過剰に必要となり、そのため加熱硬化中にボイドが発生し接着力及び熱放散性が低下する傾向が高くなる。
【0035】
本発明の接合材料に使用するフィラーは、フィラー単体の熱伝導率が50〜2500W/mKであることが好ましい。50W/mK未満であると硬化物において十分な熱伝導率が得られない傾向があり、2500WmKを超えるものは入手が困難で、生産性に劣る傾向がある。
【0036】
本発明に用いられるフィラーとしては、特に制限はなく、各種公知のものを使用することができる。本発明に用いられるフィラーとしては、例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、鉄、アルミニウム、ステンレス等の導電性の粉体、酸化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼素、硼酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ダイヤモンド等の非導電性の粉体などが挙げられ、中でも、ダイヤモンド、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、金、白金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、パラジウムが高熱伝導性の確保及び入手が容易である点で好ましい。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。中でも特に銀が耐酸化性、価格、特性の面で好ましい。
【0037】
本発明の接合材料の樹脂成分は、有機高分子化合物又はその前駆体を含み、必要に応じて、反応性希釈剤、硬化剤、硬化性を向上させるための硬化促進剤、応力緩和のための可撓剤、作業性向上のための希釈剤、接着力向上剤、濡れ性向上剤、消泡剤及び低粘度化のための反応性希釈剤の一つ以上を含んでもよい。なお、本発明の接合材料は、ここに列挙した以外の成分を含んでいても構わない。
【0038】
上記有機高分子化合物又はその前駆体としては、特に制限はなく、例えば、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれも使用可能でその前駆体が併用されていてもよい。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、フェノキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフテレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフタレート等の耐熱性樹脂や、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、SBR、NBR等の共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレンブタジエンブロック共重合体、スチレンイソプレンブロック共重合体等のブロック共重合体およびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロロヒドリンゴム、シリーコンゴム、エチレンプロピレン共重合体等が挙げられる。また熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂又はその前駆体、不飽和二重結合を有する反応性モノマー等が挙げられる。これらのうちエポキシ樹脂およびアクリル樹脂が、耐熱性、接着性に優れ、かつ適宜溶剤を使用することにより液状にできるため作業性に優れる点で好ましい。上記樹脂は単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0039】
上記熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合、硬化剤、硬化促進剤を併用することが好ましい。
【0040】
上記エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が好ましく、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールADなどとエピクロクヒドリドンとから誘導されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
【0041】
このような化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるAER−X8501(旭化成工業(株)製、商品名)、R−301(油化シェルエポキシ(株)製、商品名)、YL−980(油化シェルエポキシ(株)製、商品名)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂であるYDF−170(東都化成(株)製、商品名)、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂であるR−1710(三井石油化学工業(株)製、商品名)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(N−730S(大日本インキ化学工業(株製)、商品名)、Quatrex−2010(ダウ・ケミカル社製、商品名)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂であるYDCN−702S(東都化成(株)製、商品名)、EOCN−100(日本化薬(株)製、商品名)、多官能エポキシ樹脂であるEPPN−501(日本化薬(株)製、商品名)、TACTIX−742(ダウ・ケミカル社製、商品名)、VG−3010(三井石油化学工業(株)製、商品名)、1032S(油化シェルエポキシ(株)製、商品名)、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂であるHP−4032(大日本インキ化学工業(株)製、商品名)、脂環式エポキシ樹脂であるEHPE−3150、CELー3000(共にダイセル化学工業(株)製、商品名)、DME−100(新日本理化(株)製、商品名)、EX−216L(ナガセ化成工業(株)製、商品名)、脂肪族エポキシ樹脂であるW−100(新日本理化(株)、商品名)、アミン型エポキシ樹脂であるELM−100(住友化学工業(株)製、商品名)、YH−434L(東都化成(株)製、商品名)、TETRAD−X、TETRAC−C(共に三菱瓦斯化学(株)、商品名)、レゾルシン型エポキシ樹脂であるデナコールEX−201(ナガセ化成工業(株)製、商品名)、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂であるデナコールEX−211(ナガセ化成工業(株)製、商品名)、ヘキサンディネルグリコール型エポキシ樹脂であるデナコールEX−212(ナガセ化成工業(株)製、商品名)、エチレン・プロピレングリコール型エポキシ樹脂であるデナコールEXシリーズ(EX−810、811、850、851、821、830、832、841、861(いずれもナガセ化成工業(株)製、商品名))、下記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂E−XL−24、E−XL−3L(共に三井東圧化学(株)製、商品名))
【化1】
等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0042】
また、エポキシ樹脂として、1分子中にエポキシ基を1個だけ有するエポキシ化合物(反応性希釈剤)を含んでもよい。このようなエポキシ化合物は、本発明の接合材料の特性を阻害しない範囲で使用されるが、エポキシ樹脂全量に対して0〜30重量%の範囲で使用することが好ましい。このようなエポキシ化合物の市販品としては、PGE(日本化薬(株)製、商品名)、PP−101(東都化成(株)製、商品名)、ED−502、ED−509、ED−509S(旭電化工業(株)製、商品名)、YED−122(油化シェルエポキシ(株)製、商品名)、KBM−403(信越化学工業(株)製、商品名)、TSL−8350、TSL−8355、TSL−9905(東芝シリコーン(株)製、商品名)等が挙げられる。
【0043】
また、上記硬化剤としては、特に制限はないが、例えば、フェノールノボラック樹脂であるH−1(明和化成(株)製、商品名)、VR−9300(三井東圧化学(株)製、商品名)、フェノールアラルキル樹脂であるXL−225(三井東圧化学(株)製、商品名)、下記一般式(II)で表されるp−クレゾールノボラック樹脂MTPC(本州化学工業(株)製、商品名)、又はアリル化フェノールノボラック樹脂であるAL−VR−9300(三井東圧化学(株)製、商品名)、下記一般式(III)で表される特殊フェノール樹脂PP−700−300(日本石油化学(株)製、商品名)等が挙げられる。
【0044】
【化2】
(ただし、式中、Rはメチル基、アリル基などの炭化水素基、mは1〜5の整数を示し、R1はメチル基、エチル基等のアルキル基、R2は水素又は炭化水素基、nは2〜4の整数を示し、R3はm−フェニレン基、p−フェニレン基等の2価の芳香族基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す)
硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1.0当量に対して、硬化剤中の反応活性基の総量が0.3〜1.2当量であることが好ましく、0.4〜1.0当量であることがより好ましく、0.5〜1.0当量であることが特に好ましい。0.2当量未満であると、耐リフロークラック性が低下する傾向があり、1.2当量を超えると組成物の粘度が上昇し、作業性が低下する傾向がある。上記反応活性基は、エポキシ樹脂と反応活性を有する置換基のことであり、例えば、フェノール性水酸基等が挙げられる。
【0045】
硬化促進剤としては、特に制限はないが、例えば、ジシアンジアミド、下記一般式(IV)
【化3】
(式中、R1はm−フェニレン基、p−フェニレン基等の2価の芳香族基、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す)
で表される二塩基酸ジヒドラジドであるADH、PDH、SDH(いずれも日本ヒドラジン工業(株)製、商品名)、エポキシ樹脂とアミン化合物の反応物からなるマイクロカプセル型硬化剤であるノバキュア(旭化成工業(株)製、商品名)等が挙げられる。またこれらの硬化剤を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0046】
硬化促進剤の使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜90重量部が好ましく、0.1〜50重量部がより好ましい。硬化促進剤の使用量が0.01重量部未満であると硬化性が低下する傾向があり、90重量部を超えると粘度が増大し、接合材料の作業性が低下する傾向がある。
【0047】
また、上記硬化促進剤としては、例えば、有機ボロン塩化合物であるEMZ・K、TPPK(共に北興化学工業(株)製、商品名)、三級アミン類又はその塩であるDBU、U−CAT102、106、830、840、5002(いずれもサンアプロ社製、商品名)、イミダゾール類であるキュアゾール、2P4MHZ、C17Z、2PZ−OK(いずれも四国化成(株)製、商品名)等が挙げられる。
【0048】
硬化剤及び必要に応じて添加される硬化促進剤は、それぞれ単独で用いてもよく、また、複数種の硬化剤及び硬化促進剤を適宜組み合わせて用いてもよい。硬化促進剤の使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対して20重量部以下が好ましい。
【0049】
可撓剤の例としては、液状ポリブタジエン(宇部興産社製「CTBN−1300×31」、「CTBN−1300×9」、日本曹達社製「NISSO−PB−C−2000」)などが挙げられる。可撓剤は、半導体素子とリードフレームとを接着したことによって発生する応力を緩和する効果がある。可撓剤は、通常、有機高分子化合物及びその前駆体の総量を100重量部とするとき、0〜500重量部添加される。
【0050】
本発明の接合材料には、接着力向上の目的で、シランカップリング剤(信越化学(株)製「KBM−573」等)や、チタンカップリング剤等を使用することができる。また、濡れ性を向上する目的で、アニオン系界面活性剤やフッ素系界面活性剤等を使用することができる。さらに、消泡剤としてシリコーン油等を使用することができる。上記接着力向上剤、濡れ性向上剤、消泡剤は、それぞれ単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができ、その使用量としては、フィラー100重量部に対して0〜10重量部が好ましい。
【0051】
また、目的に応じてエポキシ樹脂を上述の反応性希釈剤に溶解して用いてもよい。本発明の接合材料には、ペースト組成物の作成時の作業性及び使用時の塗布作業性をより良好ならしめるため、必要に応じて希釈剤を添加することができる。これらの希釈剤としては、ブチルセロソルブ、カルビトール、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸カルビトール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、αーテルピネオール等の比較的沸点の高い有機溶剤が好ましい。その使用量は接合材料全体に対して0〜30重量部の範囲で使用することが好ましい。
【0052】
本発明の接合材料には、さらに必要に応じてウレタンアクリレート等の靭性改良剤、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の吸湿剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、酸無水物等の接着力向上剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の濡れ向上剤、シリコーン油等の消泡剤、無機イオン交換体等のイオントラップ剤等を適宜添加することができる。
【0053】
本発明の接合材料は、樹脂、フィラー及び必要に応じて添加される硬化剤、硬化促進剤、希釈剤及び各種添加剤等とともに、一括又は分割して撹拌器、らいかい器、3本ロール、プラネタリーミキサー等の分散・溶解装置を適宜組み合わせ、必要に応じて加熱して混合、溶解、解粒混練又は分散する等して均一なペースト状として得ることができる。
【0054】
なお、本発明の接合材料の形態は、ペースト状に限られず、液状、フィルム状等、必要に応じて適宜形態を選択することができる。液状であれば少量の塗布がしやすい等の効果があり、フィルム状であれば、あらかじめ接着したい部分の大きさに打ち抜く等して、接合材料のはみ出しなく接着することができることができる。また、半導体ウェハ裏面に貼り付けてからダイシングする等の方法により、生産性良く接合材料付き半導体素子を得ることができる等の利点がある。
【0055】
本発明の接合材料を液状として得る場合には、例えば、溶媒や反応性希釈剤の量を増やす等して粘度を調整することによって得ることができる。
【0056】
また、フィルム状として得る場合には、例えば、樹脂、フィラー及び必要に応じて添加される成分を有機溶媒に溶解し、一括又は数回に分けて撹拌器、らいかい器、3本ロール、プラネタリーミキサー等の分散・溶解装置を適宜組み合わせ、必要に応じて加熱ながら混合、溶解、解粒混練又は分散する等して得られたワニスを、基材フィルム上に塗布、乾燥する等して基材付きフィルム状接合材料を得ることができる。この際、接合材料をBステージ状態とし、自己支持性をもたせること等によって、基材フィルムを剥離し、フィルム状接合材料単体として得ることもできる。
【0057】
上記フィルム状接合材料の製造の際に用いる基材フィルムとしては、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルムなどのプラスチックフィルムを使用することができ、これらプラスチックフィルムは表面を離型処理して使用することもできる。基材フィルムは、使用時に剥離して接合材料層のみを使用することもできるし、基材フィルムと共に使用し、後に除去することもできる。基材フィルムへのワニスの塗布方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
【0058】
上記フィルム状接合材料の製造の際に用いる有機溶媒は、材料を均一に溶解、混練又は分散できるものであれば特に制限はなく、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン等が挙げられる。
【0059】
上記フィルム状接合材料の製造の際における加熱、乾燥条件は、使用した溶媒が充分に揮散する条件であればよい。乾燥温度は60℃〜200℃の範囲が好ましく、乾燥時間は0.1〜90分間が好ましい。
【0060】
次に本発明の接合材料の使用方法について説明する。図1は本発明の接合材料を使用した半導体装置の一例である。
【0061】
半導体素子11はその回路形成面を下に向け、アンダーフィル12中の半田バンプ13を介して、配線基板14に電気的に接続されており、さらに半田ボール15を介して外部基板に接続されている。さらにヒートスプレッダ17が通称TIM2(Thermal Interface Material)と呼ばれる高熱伝導性接合材料16を介して半導体素子11と接着され、ヒートシンク19は通称TIM1と呼ばれる高熱伝導性接合材料18によってヒートスプレッダ17に接合されている。このような構造の半導体装置においては、半導体素子が発する熱を効率的に外部に発散する必要があるため、その接合材料であるTIM1およびTIM2の熱伝導率は高い方が好ましい。
【0062】
本発明の接合材料は上記TIM1およびTIM2として用いることができる。TIM1は封止、実装後の電子部品と放熱器を接合するためのものであり、接着力よりむしろ引張り強さ、成型加工性が要求され、一般的にはゴムと充填材で構成されることを特徴とする。またTIM2は接着後、封止、実装の高温過熱過程を経るため、熱時の接着性が要求され、一般的には耐熱性熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または両者を併用した樹脂組成物と充填材で構成されることを特徴とする。
【0063】
図2に本発明の接合材料を使用した半導体装置の一例を示す。半導体素子21は半導体接合材料22を介してダイパッド23の上に載置された構造を有している。半導体素子21は金ワイヤ24によって外部接続端子25に電気的に接続され、必要に応じて封止材26によって封止され、半導体装置となる。
【0064】
本発明の接合材料はこのように、半導体素子を、例えば、42Aリードフレーム、銅リードフレーム等のリードフレーム、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等のプラスチックフィルム、ガラス不繊布等の基材にポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等のプラスチックを含浸・硬化させたもの、アルミナ等のセラミックス、有機配線基板などの半導体支持部材に接着する半導体用接着材料(又はダイボンド材)として使用することもできる。
【0065】
本発明の接合材料を用いて半導体素子を、上記リードフレーム等の支持部材に接着させるには、まず支持部材上に接合材料をディスペンス法、スクリーン印刷法、スタンピング法等により塗布した後、半導体素子を圧着し、その後オーブン又はヒートブロック等の加熱装置を用いて加熱硬化することにより行うことができる。加熱温度は100〜300℃が好ましく、加熱時間は0.1〜300秒間が好ましい。さらに、所望する半導体装置の構造に応じて、ワイヤボンド工程、封止行程等を経た後、完成された半導体装置とすることができる。
【0066】
また、本発明のフィルム状接合材料を用いて半導体素子をリードフレーム等の支持部材に接着させるには、半導体素子と支持部材との間に本発明のフィルム状接合材料を挾み、加熱圧着して、両者を接着させる。加熱温度は100〜300℃が好ましく、加熱時間は0.1〜300秒間が好ましい。その後、所望する半導体装置の構造に応じて、ワイヤボンド工程、封止行程等を経た後、完成された半導体装置とすることができる。
【0067】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって制限されるものではない。
【0068】
実施例及び比較例で用いた材料は、下記の方法で作製したもの、あるいは入手したものである。
(1)エポキシ樹脂の調製
YDFー170(東都化成(株)製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の商品名、エポキシ当量=170)10.0重量部及びYL−980(油化シェルエポキシ(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の商品名、エポキシ当量=185)10.0重量部を80℃に加熱し、1時間撹拌を続け、均一なエポキシ樹脂溶液を得た。
(2)フェノール樹脂溶液の調製
H−1(明和化成(株)製、フェノールノボラック樹脂の商品名、水酸基当量=106)2.0重量部及び希釈剤としてPP−101(東都化成(株)製、アルキルフェニルグリシジルエーテルの商品名、エポキシ当量=230)4.0重量部を100℃に加熱し、1時間撹拌を続け、均一なフェノール樹脂溶液を得た。
(3)接着剤組成物Aの調製
前記(1)で調製したエポキシ樹脂溶液20.0重量部、PP−101(東都化成(株)製、アルキルフェニルグリシジルエーテルの商品名、エポキシ当量=230)8.0重量部と、前記(2)で調製したフェノール樹脂溶液3.0重量部と、2P4MHZ(四国化成(株)製、イミダゾール化合物の商品名)1.0重量部とを混合し、3本ロールを用いて混練してペースト状の接着剤組成物Aを調製した。
(4)接着剤組成物Bの調製
PKHH((株)巴工業製、フェノキシ樹脂の商品名)100g、ESCN195((株)住友化学製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の商品名、エポキシ当量=200)20g、H−1((株)明和化成製、フェノールノボラックの商品名、水酸基当量=106)及び2P4MHZ((株)四国化成製、イミダゾール化合物の商品名)にジメチルアセトアミド280gを加えて溶解させて接着剤組成物Bを得た。
【0069】
(実施例1、3、4、6〜10および比較例2〜5)
表1に示す配合割合で、前記(3)で調製した接着剤組成物A、溶剤及びフィラーを混合し、3本ロールを用いて混練した後、5トル(Torr)以下で10分間脱泡処理を行い、ペースト状接合材料を得た。
【0070】
(実施例2、5および比較例1)
表1に示す配合割合で、前記(4)で調製した接着剤組成物Bに、フィラーを加え良く撹拌し、均一に分散させて塗工用ワニスとした。この塗工ワニスをキャリアフィルム(OPPフィルム:二軸延伸ポリプロピレン)上に塗工し、熱風循環式乾燥機の中で加熱して、溶媒を揮発乾燥させてフィルム状接合材料を得た。
【0071】
前記フィラーの特性、並びに前記実施例1〜10及び比較例1〜5に係る組成物の特性を下記の方法で測定した。その結果を表1にまとめて示す。
(1)平均粒子径:試料を少量試験管に取り、水又はイソプロピルアルコールで分散させた後、レーザー回折・散乱法(マスターサイザー2000、マルバーン社製)で粒径を測定し、50vol%時の粒径を平均粒径とした。
(2)タップ密度:JIS Z−2504に従い測定した。試料100gを精秤後、ロートでメスシリンダー入れ、落差20mm60回/minの速さで600回タップした時の試料の容積を測定した。
(3)比表面積:BET法により算出した。
(4)接合材料硬化物熱伝導率:上記接合材料を180℃、5時間加熱処理し10x10x0.5mmの試験片を得た。この試験片の熱拡散率をレーザーフラッシュ法(真空理工製TC−7000)で測定し、さらにこの熱拡散率と、示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー製 Pyris1)で得られた比熱容量とアルキメデス法で得られた比重の積より接合材料硬化物熱伝導率を算出した。
(5)接着強度:ペースト状接合材料をAgめっき付き銅リードフレーム上に約3.2mg塗布し、この上に8×8mmのSiチップ(厚さ約0.4mm)を圧着し、さらに180℃まで30分で昇温し、180℃で2時間加熱して硬化し、接着した。また8×8mmのフィルム状有機ダイボンディング材をAgめっき付き銅リードフレーム上に160℃で加熱して貼付け、フィルム状有機ダイボンディング材を貼り付けたリードフレームへ、温度300℃、圧力0.12MPa、時間5秒で、半導体素子をマウントし、180℃で2時間加熱して硬化し、接着した。これを図1に示すような自動接着力試験装置(日立化成工業(株)製)を用い、260℃における引き剥がし強さ(Pa)を測定した。
【0072】
【表1】
表1の実施例1と比較例2とを比較すると、接着剤組成物Aとフィラーの配合量が同一で、かつ前記フィラー単体の熱伝導率がほぼ同一であるにもかかわらず、実施例1のペースト状接合材料のほうが比較例1の接合材料よりも接合材料硬化物熱伝導率が優れていた。このことよりフィラーAが接合材料硬化物熱伝導率の向上に寄与することが分かった。
【0073】
4.8W/mKの接合材料硬化物熱伝導率が必要な場合、フィラーC系(比較例2〜5)ではフィラーの含有量が50.7vol%必要であるが、フィラーA系(実施例1〜7)では37.5vol%で5.6W/mKであった。
また、信頼性の指標となる260℃での接着強度はフィラーC系が7.1×104Paであるのに対し、フィラーA系は12.4×104Pa以上であった。このことから、フィラーA系の接合材料のほうが耐リフロー性などの信頼性の面で優れているものと期待される。
【0074】
また、実施例4、6、7と比較例3、4、5とを比較した場合においても前記と同様にフィラーAを含有する接合材料のほうが、接合材料硬化物熱伝導率が優れていた。
さらに、同じフィラーAを含有する接合材料であっても、接着剤組成物Bを用いたほうが、接着強度が向上することが、実施例1と実施例2、及び実施例4と実施例5の結果から分かった。
【0075】
フィラーBを用いたことを除いて、前記実施例6及び7と同様の組成を有する実施例9、10について、比較例4、5と比較したところ、前記と同様にフィラーBを含有する接合材料のほうが、接合材料硬化物熱伝導率が優れていた。
【0076】
次に、フィラーが熱伝導率に与える影響を確認するべく、前記実施例1、4、6、7及び比較例2〜5の実験結果を基に、フィラーの含有量に対する熱伝導率の変化を示すグラフを作成した。それを図4に示す。
図4中、「●」はフィラーA系の実施例の熱伝導率を表わし、「■」はフィラーB系の実施例の熱伝導率を表わし、「▲」はフィラーC系の比較例の熱伝導率を表わしている。
【0077】
グラフから、フィラーAやフィラーBを用いたほうがフィラーCを用いるよりも、少ないフィラー含有量で熱伝導率が効率的に向上していることが確認された。特に、フィラーAを用いたほうがフィラーBを用いるよりも少ないフィラー含有量で熱伝導率が効率的に向上することが確認された。
【0078】
次に、熱伝導率と接着強度の関係を明確にする目的で、前記実施例1,4,6,7及び比較例2〜5の実験結果を基に、フィラーの含有量に対する熱伝導率及び接着強度の変化を示すグラフを作成した。それを図5に示す。
図5中、「●」は実施例の熱伝導率を表わし、「■」は実施例の接着強度を表わし、「◆」は比較例の熱伝導率を表わし、「▲」は比較例の接着強度を表わしている。
グラフから、本発明に係る接合材料は、従来と同様の接着強度を維持しながら、熱伝導率が従来よりも飛躍的に向上していることが確認された。
【0079】
以上、本発明について説明してきたが、本発明に係る接合材料によれば、所定の接着強度を維持しつつ、熱伝導率の向上を図ることが可能となる。そのため、熱放散性が要求されるような用途、例えば、半導体装置のダイボンディング材として本発明に係る接合材料を使用した場合、従来品より少ないフィラー含有量で良好な熱放散性が得られる。
さらに、本発明に係る接合材料は従来品より少ないフィラー含有量で、バランスよく良好な熱伝導率と接着強度を得ることが可能となるため、製品の信頼性を高めることができる。
【0080】
(実施例11、12および比較例6〜11)
次に表2に示す配合割合で、前記(3)で調製した接着剤組成物A、溶剤及びフィラーを混合し、3本ロールを用いて混練した後、5トル(Torr)以下で10分間脱泡処理を行い、ペースト状接合材料を得た。
【表2】
【0081】
表2より、フィラーの平均粒径、タップ密度及び比表面積のすべてがある一定の条件を満たしているフィラーを用いた場合は、熱伝導率に優れ、同時にピール強度も使用に耐える強度を有していることが分かった。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、所定の接着強度を維持しつつ、熱伝導率の向上を図ることが可能な接合材料が提供される。
また、本発明によれば、銀ペーストの作業性(濡れ拡がり性に優れ、ボイド発生が抑えられる。)及び接着強度を維持しつつ、熱伝導率の向上を図ることが可能な接合材料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接合部材を使用した半導体装置の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の接合部材を使用した半導体装置の一例を示す模式図である。
【図3】自動接着力試験装置とこれを用いた引き剥がし強さ測定方法を示す模式図である。
【図4】フィラーの含有量に対する熱伝導率の変化を示すグラフ図である。
【図5】フィラーの含有量に対する熱伝導率及び接着強度の変化を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 自動接着力試験装置
2 本発明の接合材料
3、11、21 半導体素子
4 半導体支持部材
5 支え
6 熱板
7 支え
12 アンダーフィル
13 半田バンプ
14 配線基板
15 半田ボール
16 TIM2
17 ヒートスプレッダ
18 TIM1
19 ヒートシンク
22 半導体接合材料
23 ダイパッド
24 金ワイヤ
25 外部接続端子
26 封止材
Claims (6)
- エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、フィラーを含有してなる接合材料であり、
前記フィラーの平均粒径が1.0μm以上2.0μm以下であって、前記フィラーを構成する化合物単体の真密度に対するタップ密度の比(タップ密度/真密度)が0.20以上0.50以下であり、かつ比表面積が0.5m2/g以上3.5m2/g以下であり、
前記フィラーを構成する化合物単体の熱伝導率が50W/mK以上2500W/mK以下であり、
接合材料の不揮発分中のフィラー含有量が60vol%を超え70vol%以下であり、硬化物の熱伝導率が15W/mK以上であり、
消費電力1.7W以上のパワー半導体素子を前記接合材料を介して支持部材に接合させるために用いられるものであることを特徴とする接合材料。 - エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、フィラーを含有してなる接合材料であり、
前記フィラーの平均粒径が1.0μm以上2.0μm以下であって、前記フィラーを構成する化合物単体の真密度に対するタップ密度の比(タップ密度/真密度)が0.20以上0.50以下であり、かつ比表面積が0.5m2/g以上3.5m2/g以下であり、
前記フィラーを構成する化合物単体の熱伝導率が50W/mK以上2500W/mK以下であり、
接合材料の不揮発分中のフィラー含有量が50vol%を超え60vol%以下であり、硬化物の熱伝導率が10W/mK以上であり、
消費電力1.7W以上のパワー半導体素子を前記接合材料を介して支持部材に接合させるために用いられるものであることを特徴とする接合材料。 - エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、フィラーを含有してなる接合材料であり、
前記フィラーの平均粒径が1.0μm以上2.0μm以下であって、前記フィラーを構成する化合物単体の真密度に対するタップ密度の比(タップ密度/真密度)が0.20以上0.50以下であり、かつ比表面積が0.5m2/g以上3.5m2/g以下であり、
前記フィラーを構成する化合物単体の熱伝導率が50W/mK以上2500W/mK以下であり、
接合材料の不揮発分中のフィラー含有量が40vol%を超え50vol%以下であり、硬化物の熱伝導率が5W/mK以上であり、
消費電力1.7W以上のパワー半導体素子を前記接合材料を介して支持部材に接合させるために用いられるものであることを特徴とする接合材料。 - 前記エポキシ樹脂が、ビスフェノールF型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の接合材料。
- 前記エポキシ樹脂が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の接合材料。
- 前記フィラーがダイヤモンド、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、金、白金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、パラジウム、黒鉛からなる群より選ばれる一種又は二種類以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の接合材料。
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