JP4507586B2 - 故障モード影響解析システム及び記録媒体 - Google Patents
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Description
従来より、この組立ミスに対しては、組立作業者の基礎教育や作業標準書に基づく作業者教育の実施に加え、「工程を改善して不良品ができないようにする」という品質管理の思想を実践してきた。
一般に、生産準備のアウトプットは、生産を行うための設備を準備すると同時に製造品質を作り込むことであるが、この品質の作り込みの質を測る指標がなく、その活動は過去の不具合の再発防止を常に最善を尽くして盛り込むことに主眼を置いて進めてきた。
一方、組立ミスの対策の抽出手法として、例えば非特許文献1を応用し、故障モード影響解析システムを手順化して使用するものが提案されつつある。
しかしながら、このような故障モード影響解析(FMEA:Failure Mode and Effects Analysis)システムを用いたとしても、実効が上がっていないのが現状である。
その理由として、以下のような理由が挙げられる。
(1)手順書の作成時間の割に効果的施策抽出のヒット率が低い。
(2)現状の手順書では過去の知識/知見がない担当者は有効に手順書を作成できない。
(3)組立ミス(ヒューマンエラー)を防ぐには作業者教育に委ねることであり、生産準備とは別物であるとの考えが主流となっている。
以上のように、グローバル生産の量拡大に向けた組立ミス防止策の検討のための新たな手法の研究が急務となる。
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、過去の経験/知見がなくても故障モード影響解析リストを容易に作成可能とした故障モード影響解析システム及びこれに用いられるプログラムを記録した記録媒体を提供するものである。
また、A国,B国の両国で、複写機やプリンタ等の製品の組立ミスの内容を分析したところ、図18に示す結果が得られた。同図によれば、組立ミスの種類及びその発生頻度順位は同様であることが判明した。
これらの結果によれば、本発明者は、組立ミスについて整理でき、しかも、これらには一定の発生条件があり、これらを体系化することも可能であるという考えに到達し、これらの組立ミス事例を過去の知識/知見としてデータベースとすれば、経験の浅い技術者でも組立ミスの発生レベルを容易に想定できるシステムを構築することが可能である、という知見を得た。
特に、本発明は、プログラム媒体2にて制御可能な制御処理手段1を備え、期間当たりの処理台数が変化する製品の組立ミスに基づく故障モードの影響を解析するために前記制御処理手段1にて各作業区分5に応じた故障モード影響解析リスト(FMEAリスト)6を作成する故障モード影響解析システムであって、前記制御処理手段1には、各作業区分5に応じた故障モードを選択された作業区分5毎に対応して抽出する故障モード抽出部3と、この故障モード抽出部3にて抽出された故障モードの影響を解析するモード影響解析部4とを備え、前記モード影響解析部4には、対象故障モード毎にレベル付けされた発生条件レベルに応じた発生度、対象故障モードの存在がどの段階で検出可能かをレベル別に設定した流出度、及び、対象故障モードが原因となり起こる故障のまま出荷された場合のユーザーに与える影響をレベル別に設定した影響度を用いて対象故障モード毎の影響解析結果としての重要度が積算算出される重要度算出部と、前記重要度に対する対策のランク付けが表示可能で且つ前記対策のランク付けが期間当たりの製品の処理台数に応じて重み付けされた対策ランク表示部9とを具備させたことを特徴とするものである。
また、本件は、「プログラム媒体2にて制御可能な制御処理手段1」を備えているシステムを前提とした。FMEAリスト6を作成することを手作業で行うことは可能かも知れないが、通常はコンピュータ等のワークステーションを使用すると考えられることによる。但し、本件は、全てを自動化するという趣旨ではなく、FMEAリスト6の一部を手作業で作成することは当然に含まれる。
更に、本件は、FMEAリスト6を作成するものであればよく、必ずしもシートに出力することは要せず、電子情報として単に表示されるものも含まれる。
ここで、モード影響解析部4としては、故障モードの影響を解析するものであれば任意のアルゴリズムを用いて差し支えないが、その代表的態様としては、モード影響解析部4は、発生条件レベルに応じた発生度と、故障モードの存在がどの段階で検出可能かをレベル別に設定した流出度と、故障モードが原因となり起こる故障のまま出荷された場合のユーザーに与える影響をレベル別に設定した影響度とを用い、例えばこれらを積算することで影響解析するものが挙げられる。このように、「発生度×流出度×影響度」を用いることにより、より正確に影響解析を行うことができる。
ここで、対策ランク表示部9の好ましい態様としては、期間当たりの製品の処理台数に応じて重み付けされる態様が挙げられる。このように、製品の処理台数(例えば日産台数や日産検査台数など)を考慮して重み付けするため、処理台数により対策ランクをより細かく解析することができる。
尚、故障モードの意義、故障モード抽出部3、モード影響解析部4の基本的構成については先に述べた態様の発明と略同様である。このことは以下の態様においても同様である。
本態様は、故障モード抽出部3に関連付け表示部8を備えたものであり、このような関連付け表示部8を備えていれば、過去の経験や知見がなくても、作業区分5に応じて故障モードを故障区分と共に正確に把握することができ、故障モードの抽出をより正確に行うことができる。
特に、本態様では、故障モード抽出部3に特徴的な機能部として発生条件選択部7を備えるようにしたものである。
ここで、発生条件選択部7としては、故障モード(例えば組立ミス)毎にレベル付けされた発生条件が予め格納されたファイルを有し、これから選択可能とすればよい。
本態様によれば、過去の経験や知見がなくても、故障モード毎の発生条件を正確に選定することが可能であり、発生条件のレベル付けから故障モードの発生の可能性(発生度)を細かく判定することができる。
本態様は、モード影響解析部4に対策候補表示部10を備えたものであり、このような対策候補表示部10を設けることにより、過去の経験や知見がなくても、対策を容易且つ正確に選定することができる。
この場合において、対策候補表示部10としては、適宜選定して差し支えないが、例えば故障モード毎の対策例を予め抽出しておき、これに基づいて例えば故障モード別に対策候補が格納された対策案ファイルを作成し、この対策案ファイルを検索することで抽出された故障モード毎の対策候補を表示するようにすればよい。
本態様によれば、FMEAリスト6の作成を対話形式などを採りながら自動的に行うことが可能になり、その分、FMEAリスト6を簡単に作成することができる。
これは、システムにインストールされる前段階の記録媒体の取引を考慮したものである。
更に、本発明に係る故障モード影響解析システムにおいて、故障モード抽出部の工夫(発生条件選択部,関連付け表示部)により、故障モードの発生条件を簡単に選択可能としたり、あるいは、故障モードを故障区分と共に関連付けて表示したりするようにすれば、過去の経験や知見がなくても、故障モードの抽出をより正確に行うことができる。
また、本発明に係る故障モード影響解析システムにおいて、モード影響解析部の工夫(対策候補表示部)により、対策候補を予め表示したりするようにすれば、過去の経験や知見がなくても、更に、故障モードの影響解析を正確且つ簡単に行うことができる。
更に、本発明に係る故障モード影響解析システムにおいて、故障モード抽出部及びモード影響解析部に自動処理可能な作業環境を付与するようにすれば、故障モードの抽出や故障モードの影響解析を自動的に行うことができ、故障モード影響解析リスト(FMEAリスト)を効率的に作成することができる。
また、本発明に係る記録媒体によれば、システムにインストールするだけで上述した故障モード影響解析システムを簡単に構築することができる。
◎実施の形態1
図2及び図3は本発明が適用された故障モード影響解析システム(以下必要に応じてFMEAシステムと表記する)の実施の形態1を示す。
同図において、FMEAシステム20は、複写機やプリンタ等の製品の組立ミス未然防止システムに適用されたものであり、パーソナルコンピュータのメモリ内に組立ミス未然防止用のプログラム媒体(図示せず)をインストールし、このプログラム媒体を実行することにより一連の組立ミスの未然防止用のFMEAリスト30を得るものである。
FMEAシステム20において、符号21はElement No.及び作業名をリストアップした作業リストであり、この作業リスト21は、ワークシートを開いた後に「作業リスト作成」を選択し、その場で作成してもよいし、あるいは、工程図や作業名等が記載された製品生産準備資料31を用い、手入力又は転記にて作成するようにしてもよい。
また、符号22は作業行為別故障モード/発生条件レベルファイルであり、過去の組立ミス事例分析資料32に基づいて、不具合内容や原因/発生条件を初期のワークシート作成時にファイル化したものである。
更に、符号23は現状の確認体制の中で故障の存在がどの段階で検出可能かの程度(流出度)を示す流出度評価表であり、工程の後になるほどポイントが高くなるものである。
更にまた、符号24はその故障のまま出荷された場合のユーザー(OEM顧客も含む)に与える問題の程度(影響度)を示す影響度評価表である。
また、符号25は「発生度」(詳細は後述する)、「流出度」、「影響度」の積算ポイント(重要度)による対策の確実性(対策ランク)を示す対策ランク表である。
以下、図2〜4に基づいてFMEAシステム20の処理内容を順次説明する。
FMEAシステム20では、まず、ワークシートを開く。このとき、作業リスト21が既に作成されていると仮定すれば、ワークシートは例えば図5に示すように表示される。
この状態において、ワークシートの作業区分指定部は、例えば図6に示すように、「機種/SUB(サブシステム)表示部」、「作成年月日表示部」、「Model選択部」、「作成者表示部」、「日産台数表示部(台/日)」、「ワークNo.表示部」、「Element No.表示部」、「作業名表示部」、「作業行為選択部」などを備えている。
ここで、ワークNo.(作業区分)を例えば「001」と入力指定すると、図6に示すように、作業リスト21に基づいて作業名及びElement No.が表示される。
この後、作業行為選択部にて作業行為を選択する。図6では、例えば「ラベル/スポンジ貼り」が選択されている。
図7では、故障モードとしては、「貼り付けず」、「セット位置違い」、「表裏/逆付け」、「同種部品違い」、「押さえ時間不足」が表示され、また、各故障モードに対して、発生条件レベルが6段階にレベル付けされた状態で表示される。このレベル付けは絶対発生しない条件(0ポイント)から容易に発生に至る条件(5ポイント)を作業ミスの起きやすさで定量的(又は定性的)に表す。この発生条件のレベルは作業者が考える(又は気を使う)ステップが多い程ポイントを高くすることになり、収集事例の原因系を元に検討することが必要である。
本実施の形態では、発生条件レベル選択部には、夫々選択用のボタン(◎)が設けられており、各故障モードに応じてもっとも合致する発生条件レベルが対話形式にて選択可能になっている。
本例では、図7に示すように、例えば以下のものが選択されている。
故障モード 発生条件レベル
「貼り付けず」 「2:異なる貼付品が複数同一面に有る」
「セット位置違い」 「1:二方向以上突き当てが有る」
「表裏/逆付け」 「0:貼付作業無又は表裏/逆付け出来ず」
「押さえ時間不足」 「4:押さえ時間指示が無い」
尚、故障モード「同種部品違い」については、発生条件レベルの選択がなされておらず、この状態のときには、「未確認」のボタン(◎)が選択されるようになっている。
そして、発生条件レベルが選択されると、夫々のレベル値が「発生度(O)」としてシステム内に保存される(図3,図4参照)。
例えば故障モード「貼り付けず」は、故障区分「作業忘れ」の一環で生ずるものであることが把握できるため、経験の浅い技術者であっても、故障区分「貼り付けず」について正確に認識することができる。
本例において、流出度評価表23は、図5及び図9に示すように、故障の検出場所として例えば4段階「自工程で可」、「検査工程前で可」、「検査工程/場内で可」、「場内で不可」に分け、一方、検出の可能性の程度として例えば3段階「a 検出の可能性はほぼ確実」、「b 検出する可能性は中程度」、「c 検出の可能性が低い」に分け、両者のマトリクス枠に選択ボタン(◎)を設け、いずれかを選択するようにしている。尚、工程が後になる程ポイント数が大きく設定されており、また、未確認ボタン(◎)が設けられている。
本例において、例えば「検査工程/場内で可」×「a 検出の可能性はほぼ確実」を選択すると、図12に示すように、例えば故障モード「押さえ時間不足」の場合を例に挙げれば、その該当ポイント数「3」が「流出度(D)」としてシステム内に保存される。
本例において、影響度評価表24は、図5及び図10に示すように、故障の影響の対象を例えば3つの分類「機能/外観障害」、「保守作業障害」、「安全性障害」に分け、夫々に選択ボタン(◎)を設けると共に、夫々の影響度合をレベル分けする一方、故障による影響の発生頻度として3段階「a 可能性は極小」、「b 可能性がある程度有」、「c 確実に発生」に分け、両者のマトリクス枠に選択ボタン(◎)を設け、いずれかを選択するようにしている。尚、ポイント数が大きい程影響度合が大きいことを意味する。また、未確認ボタン(◎)が設けられている。
本例において、「機能/外観障害」を選択したと仮定すると、その影響の対象が「基本機が使用不可、修理が確実に必要」で、かつ、発生頻度が「c 確実に発生」であれば、図10に示すように、マトリクス枠の両者の交差部の選択ボタン(◎)を選択すればよく、この場合、例えば図12に示すように、その該当ポイント数「4」が対象故障モードの「影響度(S)」としてシステム内に保存される。
この後、各故障モードに対する「発生度(O)」、「流出度(D)」、「影響度(S)」が算出されると、夫々のポイント数を掛け合わせる「O×D×S」という「重要度計算」が行なわれ、「重要度」が算出されてシステム内に保存される。
特に、本実施の形態では、品質損失コストのインパクトを考慮し、生産量(例えば日産台数)毎に対策ランクが重み付けされている。
すなわち、生産量が多い場合には、ハードウエアの対策又は検査作業項目の追加などのより確実な対策を採用することが必要である。従って、発生度(O)、流出度(D)、影響度(S)を積算した重要度のポイントが同じでも、生産量が多いほど品質損失コストの最小化のために対策の確実性が要求される。
本実施の形態では、対策ランク表25は、例えば図11に示すように、日産台数と対策ランクとのマトリクス枠に重要度の数値範囲が示されており、作業区分指定部(図6参照)の日産台数に数値を入力すると、対策ランク設定処理が行われる。この対策ランク設定処理は、対策ランク表25を検索し、該当する対策ランクを選択してシステム内に保存し、対策のランク欄に自動的に表示するものである。
FMEAリスト30の作成例を図13に示す。
特に、本実施の形態では、FMEAリスト30は対策の管理表としても使用可能とするために、FMEAリスト30には更に対策欄や、結果の再評価欄が追加されている。
図14は本発明が適用された故障モード影響解析システムの実施の形態2の要部を示す。
同図において、故障モード影響解析システムは、実施の形態1と略同様に構成される製品(複写機、プリンタ)の組立ミス未然防止システムであるが、実施の形態1と異なり、FMEAリスト30に対策候補を自動的に表示可能としたものである。
本実施の形態において、故障モード影響解析システムは、図3及び図14に示すように、実施の形態1の構成要素に加えて更に故障モード別対策案ファイル26を備えている。
この故障モード別対策案ファイル26は、例えば過去の組立ミス事例分析資料32に基づいて予め組立ミス(故障モード)別対策案などからなる組立ミス防止策33を抽出し、これに基づいて故障モード別対策案ファイル26を構築する。
ここで、組立ミス防止策33としては、例えば図16に示すように、作業区分に応じた故障モード(及び故障区分)毎の対策1(不具合が起きない対策)、対策2(不具合に気づく対策)が対策候補として抽出される。
具体的には、実施の形態1と略同様に、対策ランク設定まで行われた後、更に、故障モード別対策案ファイル26に基づいて対策案抽出処理が行われ、例えば図16に示すように、故障モードに応じた対策案(対策1及び対策2)をシステム内に保存し、FMEAリスト30に対策案を対策候補として表示する。
本態様によれば、対策案まで自動的に表示可能であるため、実施の形態1に比べて、FMEAリスト30の自動作成範囲をより拡大することができ、FMEAリスト30の作成をより充実させることができる。
Claims (6)
- プログラム媒体にて制御可能な制御処理手段を備え、期間当たりの処理台数が変化する製品の組立ミスに基づく故障モードの影響を解析するために前記制御処理手段にて各作業区分に応じた故障モード影響解析リストを作成する故障モード影響解析システムであって、
前記制御処理手段には、各作業区分に応じた故障モードを選択された作業区分毎に対応して抽出する故障モード抽出部と、この故障モード抽出部にて抽出された故障モードの影響を解析するモード影響解析部とを備え、
前記モード影響解析部には、対象故障モード毎にレベル付けされた発生条件レベルに応じた発生度、対象故障モードの存在がどの段階で検出可能かをレベル別に設定した流出度、及び、対象故障モードが原因となり起こる故障のまま出荷された場合のユーザーに与える影響をレベル別に設定した影響度を用いて対象故障モード毎の影響解析結果としての重要度が積算算出される重要度算出部と、前記重要度に対する対策のランク付けが表示可能で且つ前記対策のランク付けが期間当たりの製品の処理台数に応じて重み付けされた対策ランク表示部とを具備させたことを特徴とする故障モード影響解析システム。 - 請求項1記載の故障モード影響解析システムにおいて、
前記故障モード抽出部には故障モード毎にレベル付けされた発生条件が選択可能な発生条件選択部を具備させたことを特徴とする故障モード影響解析システム。 - 請求項1記載の故障モード影響解析システムにおいて、
前記故障モード抽出部には指定した作業区分に応じた故障区分及び各故障区分の故障モードが関連付けられて表示可能な関連付け表示部を具備させたことを特徴とする故障モード影響解析システム。 - 請求項1記載の故障モード影響解析システムにおいて、
前記モード影響解析部には対策候補が表示可能な対策候補表示部を具備させたことを特徴とする故障モード影響解析システム。 - 請求項1ないし4いずれかに記載の故障モード影響解析システムにおいて、
故障モード抽出部及びモード影響解析部は、必要な情報が複数のワークシートに分割されて表示され且つ相互に関連付け可能に連動する自動処理作業環境を備えていることを特徴とする故障モード影響解析システム。 - コンピュータを請求項1ないし5いずれかに記載の故障モード影響解析システムとして機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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