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JP4516221B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は立体画像を取り扱うことが可能な撮像装置に関し、特に多眼式ステレオ画像の撮像に好適な撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像を立体的情報を含んで撮影記録し、これを再生観察する方式には多種多様な提案がある。その中でも、左右両眼の視点に対応する視差を持った2画像を記録し、これを左右両眼に対してそれぞれ提示するいわゆる2眼式ステレオ方式は、構成が最も簡単で安価な割に効果が大きいため、旧くから今日に至るまで利用されている。
【0003】
この2眼式ステレオにおいても提示方式にはまた各種あり、例えば大画面による多人数同時観察を行なう場合には、偏光メガネを併用した偏光投影方式や、シャッタメガネを併用した時分割提示方式が使用されているが、これらはいずれも大がかりで高価なシステムを必要とするため特殊な業務用途以外には使用されることは少ない。そこでいわゆるパーソナルユースに対しては、同時には1人しか観察できないという制約はあるものの、最も基本的かつ古典的な方法であるステレオペア画像を用いる方式が、極めて安価にまた鮮明な画像を観察できる方式として、今日なお広く使用されている。
【0004】
このステレオペア画像について詳述すれば、左眼視点対応画像であるL画像と右眼視点対応画像であるR画像とが、通常僅かな隙間を介して2枚並列に並べられて1つの画像を構成している。この種の画像の最も手軽な撮影装置として普及している35ミリ1眼レフカメラ+ステレオアダプタのシステム上の制約等のため、LR画像は実際には1つの標準横位置画像(横3:縦2)を縦に2分割した形で構成されており、従って各画像すなわち観察される立体画像は縦位置(横縦比約3:4程度)になっているのが一般的である。
【0005】
本明細書に於いては、このようにLRの2画像が空間的に(画像平面上に)併置されて1つの画像を構成しているものをステレオペア画像と称する。なお、上記した具体的な構成(数値等)は一例に過ぎないが、説明を簡明にするために、特記しない場合は上記具体例のものが例として取り上げられていることを前提に説明する。
【0006】
このステレオペア画像は、
(1)記録、印画、伝送、印刷等に際して何らの特殊なシステムを要しない。
(2)適切な条件を満たせば直接立体観察できる。即ち、左右像の融合が何らの装置を用いることなくできる。
という極めて優れた特長を有している。
【0007】
特に(2)に関して詳述すれば、LR画像が正しく左右眼によって捉えられ、2つの異なる画像では無く一つの立体画像として認識される状態を左右像の融合と称するが、例えば適当な大きさ(具体的には横幅が眼幅の2倍よりやや小さい程度=10〜13cm)に印画された「平行配置」(Lを左、Rを右に配置)のものであれば、観察に際しても視線を平行に向けるいわゆる「平行法」(人によっては若干の練習を要するが)を用いることで融合可能である。またこれとは左右の画像を入れ替えた「交差配置」も使用され、こちらは印画サイズの制約が無く、視線を交差させる「交差法」によってやはり直接立体視観察できるが、観察時の眼の疲労と立体観察時の不自然さ(箱庭現象)がやや大きいため、上記平行配置の方がより普及しているものである。
【0008】
いずれにせよこのように(1)システムを選ばず(2)直接観察も可能であるという2つの大きな特長をもつステレオペア画像は、特にインターネットやデジタルカメラの普及などいわゆるメディアミックス化が進めば進むほどその不朽の価値が見直され、利用され続けるものと予想される。
【0009】
そこで、本出願人は先にステレオアダプタを通常の単眼撮像光学系に装着し、これによって得られる複数の視差画像を元に電子的なステレオペア画像たるSPM(Stereo Pear in Multimedia)を生成し、これを所定フォーマットの電子画像ファイルSGM(Stereo Gram in Multimedia)として記録する撮像装置を提案している(特願2000−259489号)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常の単眼カメラの撮像系に外付けのステレオアダプタを追加した場合には、ステレオアダプタの光学系を理想的に設定した場合であっても、LR画像のオーバーラップやケラレなどの不具合現象が生じる。この現象はカメラ側の絞りの値にも依存し、例えば、図6(a)のようにF値が小さい(開放側の)場合はLR画像のオーバーラップが大きくなり、また図6(b)のようにF値が大きい(絞り込み側の)場合はLR画像間に生じる暗黒のケラレ領域が大きくなる、という現象が生じる。ここでケラレ領域とは一般の光学系でのケラレと同義であり、ここではステレオアダプタによって十分な光が到達しない領域を意味することになる。オーバーラップやケラレはLR画像の境界部のみならず、ステレオアダプタの光学系の特性等によっては撮像画枠の周囲部にも生じる現象である。
【0011】
上記先願の撮像装置では、画像ケラレやオーバーラップの問題に対して、撮像画像信号に対して適当な領域トリミングを行なうことによって高画質なステレオ画像の記録を実現している。この場合マニュアルホワイトバランス制御のカメラでは特に問題となることは少ないが、自動ホワイトバランス(AWB)制御のカメラの場合には以下のような不具合が生じる。
【0012】
すなわち従来のカメラと同様のAWB制御を行なった場合は画像のケラレ部分は常に暗黒となるからホワイトバランス情報としては妨害(情報SNの劣化原因)となり、その結果AWB制御の精度が悪くなる傾向があった。
【0013】
また、ケラレ部分以外に関しても通常撮影モードでのホワイトバランスエリアはステレオ撮像領域に対して最適化されたものではないため、例えば、ステレオ撮像領域内の極一部の情報しかホワイトバランス制御に利用されない等の不具合が生じる場合もあり、望ましいホワイトバランス制御結果が得られないおそれが高いものであった。
【0014】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、ステレオアダプタを用いたステレオ撮像の場合にも適正な色バランス制御が可能な撮像装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明は、撮像光学系と、前記撮像光学系により結像された被写体像を光電変換する撮像素子と、該撮像素子の出力に基づいて被写体画像信号を得る撮像手段と、前記被写体画像信号を解析して所定の測色エリアに関する測色情報を算出する測色手段と、前記測色手段における測色エリアを設定する測色エリア設定手段と、前記被写体画像信号に対して、被写体像を所定の視差を有した複数の並列被写体像に分離するステレオアダプタが前記撮像光学系の入力部に装着された状態に対応した所定のトリミングを行なうことで、前記撮像素子の撮像領域の中に、1つの多眼式ステレオ画像の構成要素である複数のモノキュラ画像に対応した複数の撮影画枠であるステレオ撮像画枠を設定するステレオ撮像画枠設定手段とを具備し、前記測色エリア設定手段は、前記ステレオ撮像画枠設定手段が設定した前記ステレオ撮像画枠を用いて行なわれる撮像であるステレオ撮像時には、前記ステレオ撮像画枠に適した測色エリアを設定するように構成されており、その際の前記測色エリアは、前記撮像素子の撮像領域の中の前記ステレオ撮像画枠外の領域を含んで設定されていることを特徴とする。
【0016】
この撮像装置によれば、ステレオ撮像時には、ケラレやオーバーラップによる問題を回避するためにトリミングによるステレオ撮像画枠の設定が行われると共に、ステレオ撮像画枠に適した測色エリアが設定され、その際の測色エリアは、撮像素子の撮像領域の中のステレオ撮像画枠外の領域を含んで設定されるので、ステレオ撮像時のホワイトバランス性能をより向上することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わる電子カメラの回路構成を示すブロック図である。
【0024】
図中101は各種レンズからなる撮像レンズ系、102はレンズ系101を駆動するためのレンズ駆動機構、103はレンズ系101の絞り及びシャッタ装置を制御するための露出制御機構、104はローパス及び赤外カット用のフィルタ、105は被写体像を光電変換するためのCCDカラー撮像素子、106は撮像素子105を駆動するためのCCDドライバ、107はA/D変換器等を含むプリプロセス回路、108は色信号生成処理,マトリックス変換処理,その他各種のデジタル処理を行うためのデジタルプロセス回路、109はカードインターフェース、110はメモリカード、111はLCD画像表示系を示している。
【0025】
また、図中の112は各部を統括的に制御するためのシステムコントローラ(CPU)、113は各種SWからなる操作スイッチ系、114は操作状態及びモード状態等を表示するための操作表示系、115はレンズ駆動機構102を制御するためのレンズドライバ、116は発光手段としてのストロボ、117は露出制御機構103及びストロボ116を制御するための露出制御ドライバ、118は各種設定情報等を記憶するための不揮発性メモリ(EEPROM)を示している。
【0026】
本実施形態の電子カメラにおいては、システムコントローラ112が全ての制御を統括的に行っており、露出制御機構103とCCDドライバ106によるCCD撮像素子105の駆動を制御して露光(電荷蓄積)及び信号の読み出しを行い、それをプリプロセス回路107を介してデジタルプロセス回路108に取込んで、各種信号処理を施した後にカードインターフェース109を介してメモリカード110に記録するようになっている。
【0027】
ここまでの基本的な構成は従来一般的な電子カメラと同様であるが、本実施形態ではこれに加えて、立体撮影が可能なステレオ撮影モードと通常の単眼撮影を行うための通常撮影モードとを切り替える機能が設けられている。このモード切換えは基本的には後述のステレオアダプタ検出機能によって自動的に行われるものであるが、操作スイッチ系113に設けられたモード切り替えスイッチを用いて手動操作でモードを指定することもできる。また、システムコントローラ112には、撮像エリアのトリミング領域を設定するための画枠設定部112a、モノキュラ画像からSPM画像を合成して得るためのSPM合成部112b、SPM画像からSGM画像データを生成するためのSGM生成部112cが設けられている。さらに、システムコントローラ112には、ステレオアダプタの装着を検出するステレオアダプタ検出部112d、ホワイトバランスエリアに関する被写体画像信号を解析してホワイトバランス調整に必要なホワイトバランス情報を算出するための自動ホワイトバランス(AWB)制御部112e、および上述のホワイトバランスエリアの設定を行うホワイトバランス(WB)エリア設定部112fが設けられている。
【0028】
このWBエリア設定部112fは、通常撮影モード時とステレオ撮影モードとでそれぞれ異なるホワイトバランスエリアを設定する機能を有しており、通常撮影モードおよびステレオ撮影モードそれぞれに最適なホワイトバランスエリアを設定する。通常モード時のホワイトバランスエリアは全撮影範囲と同一の領域(縦横とも100%の矩形ともいい得る)とする。またステレオ撮影モードでは、
1)ステレオアダプタによるケラレ領域やオーバーラップ領域を含まない
2)画枠設定部112aにより設定されるステレオ画像の撮像画枠(L,Rのトリミング領域)に合わせて設定する
という条件に基づいてホワイトバランスエリアが設定される。
【0029】
本実施形態の電子カメラにおいては、図2に示すように、カメラ本体100のレンズ鏡筒にミラー式ステレオアダプタ200が着脱可能となっている。このアダプタ200は、視差程度離れた位置にミラー201,202をそれぞれ配置し、更にこれらのミラー201,202で反射した光をカメラ側に導くためのミラー203,204を配置して構成される。アダプタ200の左眼視用ミラー201に入射した光はミラー203及び撮影レンズ101を介して撮像素子105の領域Lに結像され、右眼視用ミラー202に入射した光はミラー204及び撮影レンズ101を介して撮像素子105の領域Rに結像されるようになっている。
【0030】
レンズ鏡筒にミラー式ステレオアダプタ200が装着されると、それがステレオアダプタ検出部112dによって自動的に検出されることにより、ステレオ撮影モードに切り替えられる。検出方法は任意であるが、例えば次のような方法を用いることができる。
【0031】
・メカニカルスイッチ(電気接点スイッチ)をレンズ系101の鏡筒の適所に設け、メカニカルスイッチからの信号によりアダプタ200の装着の有無を検出する
・異方性導電ゴムによる開接点をレンズ系101の鏡筒の適所に設け、アダプタ200を装着するとアダプタの対応箇所に設けられた導電部(金属板など)によってこの接点が導通するように構成する。接点の導通の有無により、アダプタ200の装着の有無を検出する
ステレオアダプタ検出部112dによってステレオアダプタ200の装着が検出された場合、レンズ系101のズーム位置が所定位置に固定される。所定位置とは左右の像の撮影範囲が等しくなるような位置であり、あらかじめ設計時点で与えられている。本実施形態ではワイド端である。すなわちミラーアダプタの角度設定は、ワイド端で左右像の範囲が等しくなるように為されている。
【0032】
ステレオ撮影モードでは、ステレオアダプタ200を取り付けた状態でシャッタートリガー操作を行うことにより、通常のカメラと全く同様の撮像動作が開始される。
【0033】
すなわち、まず予備トリガー(2段トリガースイッチの1段目)によってホワイトバランス情報の取得を行なう。このホワイトバランス情報の取得処理では、撮像される1画面の色は平均的には白(無彩色)と見なせるという仮定の下にホワイトバランスエリアに関する撮像信号の積分値をホワイトバランス情報として求めるという良く知られた単純積分方式や、各色成分の比較によってホワイトバランスエリアの中の白の部分を推定し、その部分の色情報をホワイトバランス情報として求める方式などが、用いられる。ただし、このとき測色対象となるホワイトバランスエリアはWBエリア設定部112fによってステレオ撮影モード用のエリアに設定される。ステレオ撮影モードにおけるホワイトバランスエリアは、L,Rの各トリミング領域毎に個々に設定し、例えばLRとも各領域(下記90%トリミング)と同一の領域(縦横とも100%の矩形ともいい得る)とする。これは、ケラレ領域を測光エリアから除外し、且つトリミングされるL,R画像それぞれに最適なエリア設定とするためである。
【0034】
続いて本トリガー(2段目)操作が行われると、CCD撮像素子105の本露光および信号読み出しが適正露出制御下で行われる。これにより、CCD撮像素子105の撮像エリアの全領域から画像信号が読み出されるが、ステレオ撮影モードではこの画像信号に対して以下の処理を行う。
【0035】
まず、上述のホワイトバランス情報に基づいて色バランスを調整する演算処理がデジタルプロセス回路108で行われた後、システムコントローラ112に含まれる画枠設定部112aによって撮像画枠の設定が行われ、その撮像画枠からLR個々のモノキュラ画像を切り出すためのトリミング処理がデジタルプロセス回路108において行われる。即ち、図3に示すように、画面を縦に2分割し、左半分をL画像、右半分をR画像と割り当てる(100%トリミング)。なお、100%トリミングで使用することも可能であるが、本実施形態ではオーバーラップやケラレが画像に出るのを防ぐために横幅を90%に制限し、更に(必須ではないが)縦横バランスを整えるために縦幅も同率でトリミングしたものをそれぞれL,R画像に割り当てる。なお、図3のような縦位置のLR画像のみならず、例えば縦幅の制限率を横幅よりも大きく設定することで、横位置のLR画像に対応する画枠設定を行っても良い。また、色バランスの調整はトリミング後に行っても良い。
【0036】
次いで、システムコントローラ112に含まれるSPM合成部112bの制御の下、デジタルプロセス回路108においてSPM画像が生成される。即ち、上記のトリミングにより得られたL,R画像は、図4に示すように合成され、2つの画像が左右に隙間無く並列配置された1つの画像(SPM画像)となる。このとき、境界領域に或いはさらにSPM画像の周囲に1〜数画素幅の枠線(例えばR=G=B=0の黒)を配して、SPM画像であることが視覚的にも明確となるようにすることも好適な変形例である。
【0037】
そして、SPM画像は、システムコントローラ112に含まれるSGM(Stereo Gram in Multimedia)生成部112cによって、ステレオデータがヘッダ部として付加されたJPEG画像データに生成される。即ち、記録や伝送に際して画像情報を圧縮しておくことが好適であり、その際任意の方法を用いることが可能であるが、最も標準的な公知のJPEG圧縮を用いる。その際、例えばヘッダ部のユーザー情報領域の所定のタグにステレオデータを割り当てる。記録する情報は、
a:ステレオであるか否か(デフォルト:Y)
b:ステレオの場合の画像枚数(デフォルト:2)
c:各モノキュラ画像の配置(縦横画素数を含む存在領域)
が基本情報となる。
【0038】
これらの情報があれば、自身或いは他の装置はこの情報を読み取ることによって、元の各モノキュラ画像を分離、再現することができる(画像を伸張した後に数,配置情報に従って各画像を切り出せばよい)。このようなSGMは、1つのステレオ画像の全画像データと、画像データ以外に必要なステレオデータとを1ファイル、即ち取り扱い単位としたものであるから、(狭義の)構造化ステレオ画像の一例である。一般の、例えば汎用PCでの使用やインターネット上での伝送に際しての不可分な取り扱い単位であるから、このうちの一部だけが誤って記録,伝送,消去されるような不具合は生じない。
【0039】
但し、本発明においては、構造化ステレオ画像としては広義のものを対象とする。従って、上記例以外にも、画像データが複数ファイルに分かれているような形でSGMを構成してもよい。即ち、SGMの形式に拘わらず、小型軽量化やアダプタ使用時の不具合回避などの効果が同様に得られることは自明である。なお、このような複数ファイル形式のSGMを構成するためには、上記トリミング(1つの撮像画枠からのL、R各画像の切り出し)が不可欠となる。
【0040】
生成されたSGMは、システムコントローラ112の指示により働くデジタルプロセス回路108内の記録手段でカードインターフェース109を介してメモリカード110に記録される。
【0041】
なお、SGMが記録されたカードは、例えば汎用PC等のスロット等に差し替えて使用される。カメラ本体は他に入出力ポートを持っており、有線又は無線接続により、生成されたSGMを入出力可能である。また、カード(カードインターフェース)経由で、SGMを入出力することも可能である。
【0042】
図5には、通常撮影モード時のホワイトバランスエリアとステレオ撮影モード時のホワイトバランスエリアとの関係が示されている。
【0043】
図5(a)は通常撮影モード時に使用されるホワイトバランスエリアを示しており、上述したように、通常撮影モードでは全撮影範囲と同一の領域(縦横とも100%の矩形)が測色エリアとして設定される(通常WBエリア)。
【0044】
図5(b)はステレオ撮影モードに使用される撮像画枠であり、90%トリミングによってLRの各撮像画枠を設定した場合を示している。図示のように、トリミングによってLRの各撮像画枠はケラレ領域を含まないように設定されるものの、通常WBエリアをそのまま使用すると、WBエリアにケラレ領域が含まれてしまい、またLRの各撮像画枠とWBエリアとの位置関係のずれにより、LRの各撮像画枠内の画像を平均的に測色することができなくなる。
【0045】
図5(c)は本実施形態で使用されるステレオ撮影モード時のWBエリアを示している。上述のようにWBエリアは、L,Rの各撮像画枠と同一の領域(縦横とも100%の矩形)となるように設定される。これにより、L,R境界部のケラレ領域はもとより、撮影範囲周囲に出現するケラレ領域についても測色対象から除外することができる。また、WBエリアの形状(幾つかの画素毎にその代表点を測光する場合は分布)をL,Rの各撮像画枠の形状に合わせているので、バランスよく適切な測色を行うことが可能となる。
【0046】
この点に関して念のため付言すれば、この場合のエリア形状が各画枠に対して左右対称となっているため、実際に撮影される被写体に対してエリアが左右に不均衡となる不自然が生じることが無い。一方上下方向に関しては、撮影時に特にカメラを傾けることの無い通常の撮影姿勢に重きを置く場合には、例えば特に被写体背景部の空(屋外の場合)や天井照明(屋内の場合)の影響を回避するなどの目的で非対称なエリアとすることも好適な場合がある。(一般に、人の対称性欲求は左右方向に強く現れる事実を踏まえて。)ただし、現実にはフレーミングのため撮影時にカメラを(例えば90度)傾けて撮影することも多く、このような場合は上下は左右に転じるから、上述の実施形態においては各画枠に対して上下左右ともに対称なエリア形状をより好適なものとして採用したものである。
【0047】
また、このエリア設定を別の観点から見れば、上述の実施形態におけるステレオ撮像モード時のエリア設定は、「被写体撮影範囲に対する相対的な設定」という意味においては、通常撮影モードの時のエリア設定と同一の基準を採用している点が一つの特徴となっており、これによってモードが切り替えられた場合にもほぼ同一の制御特性を得ることができるので、使い勝手上の混乱を招くことが無いという大きな効果を生じている。この立場からは、エリアの割合設定(撮像画枠の何%とするか)や上述した対称性の採否を含めたエリア形状設定等に関しても、通常撮影モード時の特性に合わせて決定すれば良いということになる。例えば、通常撮影モード時のWBエリアを撮像領域全域ではなく縦横とも70%の同心矩形領域としたときは、ステレオ撮影モード時のそれをLR各撮像画枠の縦横とも70%の各同心矩形領域とすれば良い。
【0048】
AWB制御部112eでは、L,Rの撮像画枠それぞれに対応して設定されたWBエリア全体の撮像画像を解析することにより、色バランス調整に必要なホワイトバランス情報が算出される。
【0049】
なお、ステレオアダプタ200によって得られるLR像は基本的には同一被写体からの光入力であるので、L,Rの撮像画枠のいずれか一方のみにWBエリアを設定しても実用上は十分なホワイトバランス情報を得ることが可能である。この方法を用いることにより解析に必要な情報量を大幅に低減することができる。
【0050】
図5(d)は本実施形態で使用されるステレオ撮影モード時のWBエリアの第2の例を示している。ここでは、L,R境界部のケラレ領域については除外し、且つ少なくともL,Rの撮像画枠外にまで測色範囲が広がるように、WBエリアが設定されている。ホワイトバランス情報の算出方法によっては、実際の撮像範囲以外の情報をも含めて解析した方が白の部分をより推定しやすくなる場合等があるからである。なお、L,R境界部のみならず、周囲にもケラレ領域が存在する場合があるので、このような場合はそのケラレ領域を全て測色範囲から除外することが好ましい。図示破線は周囲4隅にケラレ領域が存在する場合の除外領域の例示である。
【0051】
このように本実施形態によれば、1つの撮像素子105の撮像エリア上にL,Rの各モノキュラ画像に対応した撮像画枠を設定し、これから得た複数のモノキュラ画像によりステレオ画像を得るようにしているので、アダプタ方式特有のオーバーラップやケラレなどの不具合を回避することができる。特に、測色エリアについても撮像画枠に対応させて最適化しているので、ステレオアダプタ200を用いたステレオ撮像の場合にも適正な色バランス制御が可能となる。
【0052】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態においては、SPMやSGM等は静止画の場合を例示したが、これに限られることなく、動画によるSPM、SGMにも全く同様に適用可能である。即ち、上記SPM合成のやり方、SGM生成に際して付加するステレオデータに関しては、静止画動画の別によらない要素しか含まれていないから、従来の動画撮像技術をそのまま使用し、例えば代表的な動画圧縮フォーマットの1つであるMPEGを上記JPEGに代えて用いることによって、全く同様に実施して効果を得ることができるものである。この場合の測色エリアの設定についても本実施形態の方法をそのまま適用することができる。
【0053】
また、本実施形態で使用したステレオアダプタは平面鏡を組み合わせたミラー式アダプタであったが、これに替えて任意の形式のアダプタを使用可能であり、例えばカメラの視野方向(視線)を偏向させる楔形プリズムを対向させて左右に配置したプリズム式ステレオアダプタの使用も好適な一例である。
【0054】
また、本実施形態では撮像エリアに2つの画枠を設定したが、例えば、公知のレンチキュラー方式(レンチキュラーシートプリントやレンチキュラースクリーンを用いたマルチプロジェクション方式など)に用いられる一般の多眼式立体画像を得るべく、3眼以上のステレオアダプタとこれに対応した3つ以上の画枠設定を使用しても良い。
【0055】
また、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ステレオアダプタを用いたステレオ撮像の場合にも適正な色バランス制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる電子カメラの構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の電子カメラに装着するミラー式ステレオアダプタの構成を示す図。
【図3】同実施形態において撮像エリアに設定される画枠を示す図。
【図4】同実施形態においてL,R画像を合成してSPM画像を生成し、更にSGMを生成する様子を示す図。
【図5】同実施形態における測色エリアの設定を説明するための図。
【図6】従来の問題点であるアダプタ方式特有のオーバーラップとケラレを示す図。
【符号の説明】
100…カメラ本体
101…レンズ系
102…レンズ駆動機構
103…露出制御機構
104…フィルタ系
105…CCDカラー撮像素子
106…CCDドライバ
107…プリプロセス部
108…デジタルプロセス部
109…カードインターフェース
110…メモリカード
111…LCD画像表示系
112…システムコントローラ(CPU)
112a…画枠設定部
112b…SPM合成部
112c…SGM生成部
112d…ステレオアダプタ検出部
112e…AWB制御部
112f…WBエリア設定部
200…ミラー式ステレオアダプタ
201〜204…ミラー

Claims (7)

  1. 撮像光学系と、前記撮像光学系により結像された被写体像を光電変換する撮像素子と、該撮像素子の出力に基づいて被写体画像信号を得る撮像手段と、前記被写体画像信号を解析して所定の測色エリアに関する測色情報を算出する測色手段と、前記測色手段における測色エリアを設定する測色エリア設定手段と、前記被写体画像信号に対して、被写体像を所定の視差を有した複数の並列被写体像に分離するステレオアダプタが前記撮像光学系の入力部に装着された状態に対応した所定のトリミングを行なうことで、前記撮像素子の撮像領域の中に、1つの多眼式ステレオ画像の構成要素である複数のモノキュラ画像に対応した複数の撮影画枠であるステレオ撮像画枠を設定するステレオ撮像画枠設定手段とを具備し、
    前記測色エリア設定手段は、前記ステレオ撮像画枠設定手段が設定した前記ステレオ撮像画枠を用いて行なわれる撮像であるステレオ撮像時には、前記ステレオ撮像画枠に適した測色エリアを設定するように構成されており、その際の前記測色エリアは、前記撮像素子の撮像領域の中の前記ステレオ撮像画枠外の領域を含んで設定されていることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記測色エリアは、さらに前記ステレオアダプタを装着したことによって被写体像のケラレやオーバーラップを生じるケラレ領域を含まないように設定されていることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  3. 前記測色エリアは、さらに前記ステレオ撮影画枠を全て含むように設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の撮像装置。
  4. 前記測色エリアは、さらに前記ケラレ領域を除く前記撮像素子の撮像領域全域に設定されていることを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
  5. 前記ステレオアダプタの装着を検出するステレオアダプタ検出手段を具備し、当該ステレオアダプタの装着が検出されている場合に前記ステレオ撮像を行なうように構成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の撮像装置。
  6. 立体撮像が可能なステレオ撮影モードおよび通常の単眼撮影を行なうための通常撮影モードとを選択的に切換えるモード設定手段とを具備し、当該ステレオ撮影モードが選択されている場合に前記ステレオ撮像を行なうように構成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の撮像装置。
  7. 前記ステレオ撮像によって得られた複数のモノキュラ画像に基づいて、所定のステレオ画像取扱いフォーマットに従った構造化ステレオ画像を生成するステレオ画像生成手段と、該ステレオ画像生成手段が生成した構造化ステレオ画像を記録する記録手段とを有したことを特徴とする請求項乃至6のいずれか1項記載の撮像装置。
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