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JP4516807B2 - 回転工具タレットを備えたタレット旋盤 - Google Patents
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JP4516807B2 - 回転工具タレットを備えたタレット旋盤 - Google Patents

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この発明は、回転工具を装着可能なタレットを備えた旋盤に関するもので、特に機械の熱変形による加工誤差の補正手段に特徴があるタレット旋盤に関するものである。
旋盤でワークを加工するとき、高速回転する主軸の軸受部やワークの加工部で熱が発生する。主軸軸受部の発熱は、主軸や主軸台に伝達され、ワーク加工部の発熱は、切削油を介してベッドや刃物台に伝達される。そのため、工作機械の運転に伴って機械温度が局部的に、また全体的に上昇して、この温度上昇による機械自体の熱変形がワークの加工誤差となって現れてくるようになる。
そこで機械及びワークの熱変形による加工誤差を補正するために、機械各部の例えば主軸台や刃物台の温度を計測して、これらの機械温度とワークに生ずる加工誤差との関係を予め計測し、この計測値から機械温度による加工誤差の補正式を求めてNC装置に登録しておき、実際にワークを加工するときの機械温度を前記補正式に代入して補正値を求め、NC装置から出力される指令値を当該補正値で補正して刃物台の位置を設定することにより、加工精度を向上させることが行われている。
旋盤における主要な発熱源は、主軸の軸受部、ワーク加工位置、油圧ポンプなどである。また、ベッドは、寸法が大きいので熱変形も大きく、室温の影響も大きく受ける。そこで従来の旋盤では、図6に示すように、室温センサs0及び旋盤のベッド1、主軸台2、刃物台3などの要所に取り付けた温度センサs1、s2、s3・・・の検出値t0、t1、t2、t3・・・に乗ずる係数α0、α1、α2、α3・・・と定数βとを試験加工により決定してNC装置12の演算手段13に登録しておき、実際にワークを加工するときの検出温度に基づいて、
δ=α00+α11+α22+α33+・・・+αnn+β
で補正値(原点設定値)δを求め、加工プログラム15の指令値をこの補正値δで補正して、刃物台2の位置を設定するというような方法が採用されている。ここでnは、機械に取付けた温度センサの数である。
一方、マシニングセンタ等においては、主軸の回転履歴から補正値を求めてワークの加工誤差を補正することも行われている。例えば図7に示すように、サンプリング周期dで検出した直前のm+1個の主軸回転数wm、wm-1・・・w0を用いて主軸回転による補正項δs
δs=εmm+εm-1m-1+・・・+ε00
で求めて補正するというものである。ここでεm、εm-1・・・ε0は、試験加工等により求めた補正係数であり、mはNC装置のメモリに記憶した履歴数で、現在をmとして0まで遡って演算を行っていることを示している。
特開2003‐285244号公報
タレット旋盤のタレットには、バイトや中心孔を加工する固定のドリルなどの旋削工具のみしか装着できないもの(固定工具タレット)と工具駆動軸を内蔵してワーク周面の孔加工や溝加工、平面加工などを可能にしたもの(回転工具タレット)とがあり、1台の機械に固定工具タレットと回転工具タレットとを備えた旋盤も用いられている。従来、回転工具タレットを備えた旋盤に対しても、固定工具タレットを備えた旋盤と同様な方法で加工誤差の補正が行われていた。すなわち、タレットのどの工具ステーションにどのような工具が取り付けられているかに無関係に、総ての工具ステーションに取り付けた工具に対して同じ補正式で演算した補正値で加工誤差の補正を行っていた。
回転工具タレットに装着される回転工具が比較的小型で使用頻度も小さいときは、上記のような従来方法で加工誤差の補正をすることが可能である。しかし、装着する工具が大型になり、かつ使用頻度も高くなると、加工時に使用する工具ステーションによって加工誤差にばらつきが生ずるという問題が発生し、従来方法では、このばらつきを適切に補正することができなかった。
この発明は、回転工具タレットを備えた旋盤における機械の熱変形による加工誤差を、より高精度に補正することが可能な技術手段を得ることを課題としている。
この発明は、回転工具タレットを備えた旋盤においては、当該回転工具タレットの各工具ステーション毎に補正値を演算することにより、上記課題を解決している。工具ステーション毎に異なる補正値を演算するためには、タレットの円周方向の温度分布を検出するか、各工具取付ステーション毎の発熱量を検出することが必要である。そこで、この発明では、タレットの各工具ステーションにおける工具の回転履歴を個別に検出して、各工具ステーション毎に異なる補正値を演算する方法と、タレットの円周方向に等間隔に温度センサを設置して、タレットの周方向の温度分布から各タレット毎の補正値を演算する方法とを提案している。
本願の請求項1の発明に係るタレット旋盤は、回転工具を装着する複数の工具ステーションT1、T2・・・を備えたタレット4と、機械の所定箇所に装着した温度センサs1、s2・・・と、これらの温度センサの検出値t1、t2・・・に基づいて加工誤差の補正値δを演算する演算手段13とを備えた旋盤において、前記タレットの各工具ステーションT1、T2・・・毎に工具の回転履歴を記憶する回転履歴記憶手段14を備え、前記演算手段が当該回転履歴記憶手段の記憶値を用いて当該タレットの各工具ステーション毎に加工誤差の補正値δ1、δ2・・・を演算することを特徴とするものである。
ある工具ステーションTiの熱変形量は、当該工具ステーションの回転履歴に最も大きく影響され、次いでこれに隣接する工具ステーションTi-1、Ti+1の回転履歴に影響を受け、その次にその更に隣の工具ステーションの回転履歴に影響を受けるというように、周辺の工具ステーションの回転履歴の影響を受け、更に時間的に近い回転履歴の影響を最も大きく受ける。従って、各工具ステーションの補正値を演算するには、その工具ステーションの回転履歴に加えて、少なくとも隣接する複数個の工具ステーションの回転履歴を、その隣接の程度と経過時間とにより重み付けして演算することとなる。
本願の請求項2の発明に係るタレット旋盤は、回転工具を装着する複数の工具ステーションT1、T2・・・を備えたタレット4と、機械の所定箇所に装着した温度センサs1、s2・・・と、これらの温度センサの検出値に基づいて加工誤差の補正値を演算する演算手段13とを備えた旋盤において、前記タレットの円周方向に等間隔に装着された複数の温度センサC1、C2・・・を備え、前記演算手段が当該タレットに装着された温度センサの検出値を用いて当該タレットの各工具ステーション毎に加工誤差の補正値δ1、δ2・・・を演算することを特徴とするものである。
請求項2の発明の場合には、回転工具タレットの各工具ステーションにおける補正値をタレットに取り付けた温度センサC1、C2・・・の検出値τ1、τ2・・・のそれぞれに乗ずる係数η1、η2・・・を各工具ステーション毎に求めることにより実現できる。
この発明によれば、回転工具タレットの各工具ステーション毎に加工誤差の補正値が演算されるので、タレットに取り付けた複数の回転工具の使用頻度や加工負荷のばらつきにより、タレット4に不均一な熱変形が生じた場合でも、工具ステーションによる誤差のばらつきがなくなり、より高い加工精度を実現することができる。
特にこの発明は、重加工を可能にした大型の回転工具タレットを備えた旋盤(複合旋盤)に有効で、種々の形状のワークを同一機械上で高精度に加工することが可能な複合旋盤を提供することができるという効果がある。
図1ないし図3は、この発明の第1実施形態を説明した図で、回転履歴を用いる方法を説明するための図である。旋盤10を制御するNC装置12の演算手段13には、従来装置と同様に、室温センサs0の検出温度t0、主軸台1、刃物台2、ベッド3などの機械の要所に設けた温度センサs1、s2、s3・・・の検出温度t1、t2、t3・・・がインタフェイス11を介して入力されている。
刃物台2は、回転工具タレット4を備えており、この回転工具タレットを割り出す割出モータ5と、工具駆動モータ6とが設けられている。割出モータ5は、加工プログラム15からの工具選択指令によって回転駆動され、工具駆動モータ6は、加工プログラム15からの工具回転指令によって回転駆動されるので、加工に使用されている工具ステーションT1及びその工具ステーションに装着されている工具の回転数wは、NC装置12によって認識できる。従って、工具ステーション毎のメモリ領域を設け、所定のサンプリング周期毎の工具回転数をそのとき使用している工具ステーションに対応するメモリ領域に記憶することにより、各工具ステーション毎の回転履歴がNC装置のメモリ14に記憶される。なお記憶した回転履歴は、新しいデータを加えて最も古いデータを消去するという手続きで、最新の所定期間のものを記憶する。
タレット4が図2に示すように、12ステーションのタレットであるとすると、その各工具ステーションTi(i=1,2・・・12)における工具の回転履歴は、工具駆動モータ6の回転履歴を図3(a)としたとき、図7で示したと同様なサンプリング周期dごとの検出回転数wm、wm-1・・・w0を、それが検出されたときに割り出されていた工具タレットT1、T2・・・T12に割り振ることによって求められる。すなわち、工具駆動モータ6の回転履歴が図3(a)のようであり、各回転時に割り出されていた工具ステーションがT1、T3、T1・・・であったとすると、第1ステーションT1の回転履歴は図3の(b)、第3ステーションT3の回転履歴が同図(c)のようになる。
ある工具ステーションTiでの回転工具駆動による補正量δTi(i=1,2・・・12)をδTi=εmim+εm-1im-1+・・・ε0i0
で定義し、係数εm、εm-1・・・ε0が総ての工具ステーションにおいて同じ値を採るとすると、例えば第1ステーションT1の補正量δT1は、当該工具ステーションが割り出されているときの回転履歴のみ、すなわち図3(b)における回転履歴のみをw1m、w1m-1・・・w10に代入する(他の工具ステーションが選択されている時刻におけるw1は0である。)ことによって求められることになる。第3ステーションT3の補正量δT3は、図3(c)に示された回転履歴を用いて同様に計算され、他の工具ステーションについても同様である。なお、当然のことながら、固定工具が装着された工具ステーションT2やT12の補正量δT2やδT12は0になる。
ある工具ステーションTiにおける熱変形は、当該工具ステーションでの発熱のみでなく、その周囲の工具ステーションにおける発熱によっても影響される。今、総ての工具ステーションの影響を受けるとすると、工具ステーションTiの工具を用いて加工を行うときの補正量δiは、
δi=δa×E+γi1δT1+γi2δT2・・・γi12δT12で与えられる。ここでδaは、従来と同様な式
δa=α00+α11+α22+α33・・・αnn+β
で与えられる機械全体の熱変形による補正量である。但し、係数α0、α1、α2・・・αnは、必ずしも従来と同一になるとは限らない。
一方、γi1δT1+γi2δT2+・・・+γi12δT12は、タレット4の熱変形による補正項で、γij(i,j=1〜12)は、第jステーションTjの回転履歴が第iステーションTiの補正値に影響する係数で、γijの値は、総て異なる値として定義される(γij=γjiと定義することものできる)。式中のEは、タレットの変形に対する機械全体の変形の重み係数である。
上記のように定義される係数εm、εm-1・・・ε0、α0、α1、α2・・・αn及びβ、γij(i,j=1〜12)並びにEを試験加工や実際のワーク加工時の誤差の計測値のデータから求めて、NC装置の演算手段13に登録しておくことにより、上記式を用いて、ある工具ステーションTiが割り出されたときの補正値δiを、各タレット毎に個別の値として演算することができるから、当該補正値で原点設定値を補正することにより、従来方法では不可能であった工具ステーションの相違による加工誤差のばらつきを補正することが可能になり、より高い精度の加工を実現することができる。
図4及び図5は、この発明の第2実施形態を示す説明図で、図中、第1実施形態と同一の部材ないし値には、同一の符号を用いている。以下、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
この第2実施形態は、第1実施形態の工具の回転履歴の代わりにタレット4に装着した温度センサC1、C2・・・Ck(kはタレットに装着した温度センサの数。図示のものでは6。)の検出値を用いるもので、温度センサC1、C2・・・C6は、図5に示すように、タレットの背面に円周方向に同一の間隔で装着されている。この温度センサCk(k=1・・・6)の検出温度τkは、無線受信装置7で受信され、インタフェース11に送られて、他の温度t0、t1・・・tnと共に演算手段13に入力される。
演算手段13には、各工具ステーションTi毎の補正値δiを演算する、
δi=δa×E+ηi1τ1+ηi2τ2+・・・ηi6τ6
ただし、δa=α00+α11+α22+α33・・・αnn+β、i=1〜12
という演算式とこれらの係数α0、α1、・・・β及びη11、η12・・・ηik・・・η126が登録されており、これらの係数と検出された温度とに基づいて、各工具ステーション毎の補正値δi(i=1〜12)を演算する。ここでδaは機械全体の変形による補正量を、ηi1τ1+ηi2τ2+・・・ηi6τ6は、タレット4の変形による工具ステーションTiについての補正量を示し、このタレットの変形による補正量の係数ηik(iは工具ステーションの番号、kはタレットに装着された温度センサの番号)は、各工具ステーション毎に異なる値として求められる(工具ステーションとセンサとの位置関係を考慮して、それらの幾つかを統一の値として定義してもよい。例えば、図5の例では、工具ステーションT1に対するセンサC1、C2の位置関係と、工具ステーションT3に対するセンサC2、C3の位置関係とは同じであるので、工具ステーションT1に対するセンサC1、C2の検出温度τ1、τ2の係数η11、η12をそれぞれ工具ステーションT3の補正量を演算するときのセンサC2、C3の影響を考慮した補正係数η32、η33と同じ値と定義することもできる。)。
以上のように定義した式におけるα0、α1、α2・・・αn、β及びη11、η12・・・η126を試験加工や実際のワークを加工したときの誤差の計測値から求めて、演算手段13に登録しておくことにより、第1実施形態と同様にタレット4の熱変形を考慮した補正値を、その各工具ステーション毎に求めることができ、高い加工精度を実現することが可能になる。
第1実施形態の例を示すブロック図 回転工具タレットの工具ステーションの番号を示す図 回転履歴の工具ステーションへの分配を示す説明図 第2実施形態の例を示すブロック図 タレットに配置した温度センサを示す図 従来手段を示すブロック図 主軸の回転履歴の例を示す線図
符号の説明
4 タレット
13 演算手段
14 回転履歴記憶手段
1、C2・・・ タレットに装着された温度センサ
1、T2・・・ 工具ステーション
1、t2・・・ 検出値
1、s2・・・ 温度センサ
δ 補正値

Claims (2)

  1. 回転工具を装着する複数の工具ステーション(T1,T2 ・・・)を備えたタレット(4)と、機械の所定箇所に装着した温度センサ(s1,s2 ・・・)の検出値(t1,t2 ・・・)に基づいて加工誤差の補正値(δ)を演算する演算手段(13)とを備えた旋盤において、
    サンプリング周期毎の工具回転数をそのとき加工に使用している工具を装着した工具ステーションに対応するメモリ領域に記憶することにより前記タレットの各工具ステーション(T1、T2 ・・・)毎に工具の回転履歴を記憶する回転履歴記憶手段(14)を備え、
    前記演算手段が当該回転履歴記憶手段の記憶値を用いて当該タレットの各工具ステーション毎に加工誤差の補正値(δ12 ・・・)を演算する
    ことを特徴とする、タレット旋盤。
  2. 回転工具を装着する複数の工具ステーション(T1,T2 ・・・)を備えたタレット(4)と、機械の所定箇所に装着した複数の温度センサ(s1,s2 ・・・)の検出値に基づいて加工誤差の補正値を演算する演算手段(13)とを備えた旋盤において、
    前記温度センサが、前記タレットの円周方向に等間隔に装着された複数の温度センサ(C1,C2 ・・・)を含み、前記演算手段が、前記タレットの各工具ステーション毎に加工誤差の補正値(δ12 ・・・)を演算することを特徴とする、タレット旋盤。
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