JP4517897B2 - 車高調整装置 - Google Patents
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Description
なお、車両の状態は、オーバーシュートが起きる可能性の高さや、オーバーシュート量等を推定可能な状態であり、例えば、乗員、荷物等の積載状態等が該当する。
前記アクチュエータ制御装置が、前記車高調整アクチュエータを車高調整が開始される際の車両の状態に基づいて制御することにより、車両の状態に基づく制御が行われない場合に比較してオーバーシュートに起因する実際の車高の目標車高からの隔たりを小さくするオーバシュート対処制御部を含むことを特徴とする車高調整装置。
(2)前記アクチュエータ制御装置が、車高調整が開始される際の車両の状態に基づいて、オーバーシュートに起因する実際の車高の目標車高からの隔たりを小さくする必要性が高いか否かを取得するオーバーシュート対処制御必要判定部を含み、前記オーバーシュート対処制御部が、前記オーバーシュート対処制御必要判定部によってオーバーシュートに起因する実際の車高の目標車高からの隔たりを小さくする必要性が高いと取得された場合に作動し、そうでない場合に作動しない選択的制御部を含む(1)項に記載の車高調整装置。
オーバーシュート対処制御部による車高調整アクチュエータの制御は、車高調整が行われる場合に常に行われるようにすることもできるが、オーバーシュートに起因する実車高の目標車高からの隔たりを小さくすることの必要性が高いと判定された場合に行われ、必要性が低いと判定された場合に行われないようにすることができる。
例えば、(a)オーバーシュートが起きる可能性が高い場合、(b)オーバーシュート量が大きいと推定される場合、(c)オーバーシュートに起因する実際の車高の目標車高からの隔
たりを修正することが困難な場合のうちの1つ以上が成立した場合等にオーバーシュート対処制御を行うことの必要性が高いと判定されるようにすることができる。
(3)前記アクチュエータ制御装置が、高速で車高調整を行う高速車高調整部と、低速で行う低速車高調整部とを含み、前記オーバーシュート対処制御部が、前記高速車高調整部によって車高調整が行われる場合に作動し、前記低速車高調整部によって車高調整が行われる場合に作動しない選択的制御部を含む(1)項または(2)項に記載の車高調整装置。
車両の積載質量等が同じ場合において、車高調整速度が早い場合は遅い場合よりオーバーシュートが起きる可能性が高く、オーバーシュート対処制御の必要性が高いとすることができる。したがって、高速車高調整が行われる場合にオーバーシュート対処制御が行われるようにすることは妥当なことである。
(4)前記オーバーシュート対処制御部が、(i)車両の積載質量を取得する積載質量取得部と、(ii)前記アクチュエータ制御装置によって前記車高調整アクチュエータが車高が減少する向きに制御される場合と前記積載質量取得部によって取得された積載質量が設定質量以上である場合との少なくとも一方の場合に作動し、それ以外の場合には作動しない選択的制御部とを含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の車高調整装置。
車高を減少させる場合において、積載質量が大きい場合は小さい場合より慣性力が大きくなるため、オーバーシュートが起きる可能性が高いと予測される。また、積載質量が大きい場合は小さい場合よりオーバーシュート量が大きいと予測される。そのため、積載質量が大きい場合は小さい場合よりオーバーシュート対処制御の必要性が高いとすることができる。したがって、積載質量が設定質量以上の場合にオーバーシュート対処制御が行われるようにすることは妥当なことである。
積載質量取得部は、積載質量の大きさ自体を直接検出する積載質量検出部を含むものと
しても、乗員の数、ラッゲージルーム内の荷物の有無、ルーフキャリッジに荷物が取り付けられているか否か等を検出し、それらの検出結果に基づいて積載質量を推定する(積載質量を間接的に取得する)積載質量推定部を含むものとしてもよい。
(5)前記オーバーシュート対処制御部が、車両のメインスイッチのOFF状態において車高調整が行われる場合に作動し、ON状態において車高調整が行われる場合には作動しない選択的制御部を含む(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の車高調整装置。
メインスイッチのON状態においては、実車高を目標車高に近づけるために電力を消費しても問題はないため、オーバーシュート対処制御の必要性が低いと考えることができる。それに対して、メインスイッチのOFF状態においては、消費電力をできる限り少なくすることが望ましい。オーバーシュートに起因する実際の車高の目標車高からの隔たりを修正することが困難な場合に該当し、オーバーシュート対処制御の必要性が高いとされる。したがって、メインスイッチのOFF状態においてオーバーシュート対処制御が行われるようにすることは妥当なことである。
(6)前記車高調整アクチュエータが、車両の車輪に対応して、その車輪を保持する車輪保持装置と車体との間に設けられた懸架シリンダであり、前記アクチュエータ制御装置が、(a)低圧源と、(b)その低圧源と前記懸架シリンダとの間に設けられた個別制御弁とを含み、オーバシュート対応制御部が、(c)前記車両の積載質量を取得する積載質量取得部と、(d)その積載質量取得部によって取得された前記車両の積載質量で決まる終了条件が満たされた場合に、前記個別制御弁を開状態から閉状態に切り換えて車高調整を終了することにより、その車両の積載質量に基づく制御が行われない場合に比較してオーバーシュートに起因する実際の車高の目標車高からの隔たりを小さくするオーバーシュート対応終了部とを含むとともに、そのオーバーシュート対応終了部が、車高を減少させる制御において、実際の車高がダウン側終了しきい値より小さくなった場合に前記終了条件が満たされたとするとともに、そのダウン側終了しきい値を、前記車両の積載質量が大きい場合は小さい場合より大きい値に決定する終了条件決定部を含む(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の車高調整装置。
車高調整アクチュエータの制御が、車高調整が開始される際の車両の状態で決まる終了条件が満たされた場合に終了されることによってオーバーシュートに起因する実際の車高の目標車高からの隔たりが小さくされる。
(7)前記オーバーシュート対応終了部が、(i)車高調整が開始される際の前記車両の状態に基づいて、起きると予測されるオーバーシュートの大きさを推定するオーバーシュート量推定部と、(ii)前記終了条件を、前記オーバーシュート量推定部によって推定されるオーバーシュート量が大きい場合は小さい場合より早く終了する条件とする終了条件決定部とを含む(6)項に記載の車高調整装置。
推定されるオーバーシュート量が大きい場合は小さい場合より早く終了する条件とすれば、車高調整の終了後にオーバーシュートが起きるが、その後の実際の車高の目標車高からの隔たりを小さくすることができる。
(8)前記アクチュエータ制御装置が、実際の車高が、第1保持領域内に入った場合に前記車高調整アクチュエータの制御を終了する制御終了部を含み、前記オーバーシュート対応終了部が、車高調整が開始される場合の車両の状態に基づいて、前記目標車高と前記第1保持領域との少なくとも一方を決定する終了条件決定部を含む(6)項または(7)項に記載の車高調整装置。
第1保持領域は、例えば、目標車高の両側にあるダウン側終了しきい値とアップ側終了しきい値との間の領域とすることができる。そして、実際の車高が、第1保持領域外から第1保持領域内に入った場合に、車高調整アクチュエータの制御が終了される。例えば、車高を減少させる制御において、実際の車高がダウン側終了しきい値より小さくなった場合に制御が終了され、車高を増加させる制御において、実際の車高がアップ側終了しきい値より大きくなった場合に制御が終了される。したがって、ダウン側終了しきい値を大きくしたり、アップ側終了しきい値を小さくしたりすれば、車高調整が早く終わるようにすることができる。
また、目標車高と、ダウン側終了しきい値およびアップ側終了しきい値との関係が予め決まっている場合には、目標車高を変更すると、それに伴って、ダウン側終了しきい値、アップ側終了しきい値も変更することになる。車高を減少させる制御において、目標車高を大きくすれば(車高調整開始時の実際の車高に近づければ)、ダウン側終了しきい値も
大きくなる。実際の車高がより早くダウン側終了しきい値より小さくなり、より早く車高調整が終了する。また、車高を増加させる制御において、目標車高を小さくすれば(車高調整開始時の実際の車高に近づければ)、アップ側終了しきい値も小さくなる。実際の車高がより早くアップ側終了しきい値より大きくなり、より早く車高調整が終了する。
(9)前記アクチュエータ制御装置が、実際の車高が、前記第1保持領域より広い第2保持領域から外れた場合に前記車高調整アクチュエータの制御を開始する制御開始部を含み、前記オーバーシュート対応終了部が、前記第2保持領域を車高調整が開始される場合の車両の状態に基づいて決定する開始しきい値等決定部を含む(8)項に記載の車高調整装置。
第2保持領域は、例えば、目標車高の両側にあるダウン側開始しきい値とアップ側開始しきい値との間の領域とすることができる。第2保持領域を広く(ダウン側開始しきい値を大きくする場合、アップ側開始しきい値を小さくする場合、それらの両方のいずれかによる)すれば、オーバーシュートが起きても、制御が再開される確率を低くすることができ、ハンチングが生じ難くすることができる。
(10)前記オーバーシュート対処制御部が、車高調整が終了される場合に、その車高調整が開始される際の車両の状態で決まる車高調整速度パターンで前記車高調整アクチュエータを制御することによりオーバーシュートを抑制する軟着陸部を含む(1)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の車高調整装置。
車高調整が終了される場合の車高調整速度を小さくすれば、オーバーシュートを抑制することができ、実際の車高の目標車高からの隔たりを小さくすることができる。本項に記載の車高調整装置においては、オーバーシュートが起き難くされたり、オーバーシュート量が小さくされたりする。
車高調整パターンは、車高を段階的に減少させる場合の、その減少後の車高調整速度と減速時点とで決まる場合や、車高調整速度を漸減させる場合の、減速開始時点と減速度とで決まる場合等がある。
(11)前記軟着陸部が、(i)車高調整が開始される際の車両の状態に基づいて、起きると予測されるオーバーシュートの大きさを推定するオーバーシュート量推定部と、(ii)前記車高調整速度パターンを、車高調整の終了時点の車高調整速度が、前記オーバーシュート量推定部によって推定されたオーバーシュート量が大きい場合は小さい場合より小さくなるパターンとするパターン決定部とを含む(10)項に記載の車高調整装置。
推定されるオーバーシュート量が大きい場合に小さい場合より車高調整終了時点の車高調整速度が小さくされれば、オーバーシュートを良好に抑制することができる。
(12)前記軟着陸部が、(i)前記車両の積載質量を取得する積載質量取得部と、(ii)前記車高調整速度パターンを、車高調整の終了時点の車高調整速度が、前記積載質量取得部によって取得された積載質量が大きい場合は小さい場合より小さくなるパターンとするパターン決定部とを含む(10)項または(11)項に記載の車高調整装置。
積載質量が大きい場合は小さい場合より、オーバーシュート量が大きくなると推定されるため、車高調整終了時点の車高調整速度が小さくされることが望ましい。
(13)前記軟着陸部が、車高調整が終了される場合に、車高調整速度を漸減する速度漸減部を含む(10)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の車高調整装置。
(14)前記軟着陸部が、前記車高調整速度の減速開始時期と減速度との少なくとも一方を車高調整が開始される際の車両の状態に基づいて決定するパターン決定部を含む(13)項に記載の車高調整装置。
車高調整速度の減速開始時期が同じである場合には、減速度が大きい場合は小さい場合より車高調整終了時点の車高調整速度を小さくすることができる。また、減速度が同じである場合には、減速開始時期が早い場合は遅い場合より終了時点の車高調整速度を小さくすることができる。したがって、車高調整開始時の車両の状態に基づいて車高調整速度の減速開始時期と減速度との少なくとも一方が決定されるようにすることは妥当なことである。
(15)前記アクチュエータ制御装置が、車高調整時間が予め定められた設定時間を越えた場合に、前記車高調整アクチュエータの制御を終了する強制終了部を含む(1)項ないし(14)項のいずれか1つに記載の車高調整装置。
車高調整時間が予め定められた設定時間を超えた場合には、制御ハンチングが生じている可能性が高い。そこで、車高調整時間が設定時間を超えた場合には、車高調整が終了されるようにすることが望ましい。
この場合に、設定時間を超えた場合に、車高調整アクチュエータの制御を直ちに終了しても、実際の車高が目標車高から設定値以上隔たっている場合には、実際の車高を目標車高に近づけた後に、終了してもよい。
本サスペンション装置において、図1に示すように、前後左右輪4FL、FR、RL、RRを保持する車輪保持装置6FL、FR、RL、RRと車体8との間に、それぞれ、車高調整アクチュエータとしての懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRが、図示しないサスペンションスプリングとともに設けられる。懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRは流体としての作動液により作動させられるものである。以下、懸架シリンダ10等を区別する必要がある場合に、車輪位置を表す符号FL、FR、RL、RRを付して使用し、区別する必要がない場合に符号を付さないで使用する。
懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRは、互いに構造が同じものであり、それぞれ、ハウジング11と、ハウジング11の内部に相対移動可能に嵌合されたピストン12と、ピストンロッド14とを含み、ピストンロッド14が車輪保持装置6に、ハウジング11が車体8に、それぞれ上下方向に相対移動不能に連結される。ピストン12には、そのピストン12により仕切られた2つの液室16,18を連通させる絞り機能を有する連通路20が設けられる。絞り機能により、ピストン12のハウジング11に対する相対移動速度(絞りを流れる作動液の流速)に応じた減衰力が発生させられる。懸架シリンダ10はショックアブソーバとして機能する。
個別通路22FL、FR、RL、RRの各々には、懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRの各々に対応して、互いに並列にアキュムレータ24FL、FR、RL、RRとアキュムレータ26FL、FR、RL、RRとが接続される。また、懸架シリンダ10FL、FR、RL、RR(個別通路22FL、FR、RL、RR)とアキュムレータ26FL、FR、RL、RRとを接続する接続通路27FL、FR、RL、RRには、それぞればね定数切換弁28FL、FR、RL、RRが設けられる。
これらアキュムレータ24、26は、いずれもばねとしての機能を有するものであり、例えば、ハウジングとそのハウジングの内側を仕切る仕切部材とを含み、その仕切部材の一方の容積変化室に個別通路22が連通させられ、他方の容積変化室に弾性体が設けられたものであり、一方の容積変化室の容積の増加に起因して他方の容積変化室の容積が減少し、それによって弾性力を発生させるものとすることができる。アキュムレータ24,26は、ベローズ式のものとしたり、ブラダ式のものとしたり、ピストン式のものとしたりすること等ができる。
本実施例においては、アキュムレータ24の方がアキュムレータ26よりばね定数が大きいものとされており、以下、アキュムレータ24を高圧アキュムレータと称し、アキュムレータ26を低圧アキュムレータと称する。
本実施例においては、旋回中、制動あるいは駆動中にはばね定数が大きい状態とされ、直進定速走行中(前後加速度、横加速度がそれぞれ設定値以下の状態で、前後加速度が0,横加速度が0の状態に限らない)にはばね定数が小さい状態とされる。また、後述するように、高速車高調整中においてもばね定数切換弁28が閉状態とされる。
可変絞り30により個別通路22の流路面積が小さくされた場合には、サスペンションの硬さがハード(車輪と車体との上下方向の相対移動速度が同じ場合の減衰力が大きくなる状態)とされ、流路面積が大きくされた場合にはソフト(相対移動速度が同じ場合の減衰力が小さくなる状態)とされる。これらは、運転者によるモード選択スイッチの状態に応じて制御されるが、車両の走行状態に基づいて制御されるようにすることもできる。本実施例においては、旋回状態にある場合、制動・駆動状態(減速・加速状態)にある場合にハードとされ、走行安定性の低下が抑制される。
高圧源56は、ポンプ61とポンプモータ62とを備えたポンプ装置64、蓄圧用アキュムレータ66等を含む。ポンプ装置64,蓄圧用アキュムレータ66等は制御通路68に設けられる。ポンプ61によってリザーバ58の作動液が汲み上げられて吐出され、蓄圧用アキュムレータ66において加圧した状態で蓄えられる。蓄圧用アキュムレータ66は常閉の電磁開閉弁である蓄圧制御弁70を介して制御通路68に接続される。制御通路68には流体源圧センサ72が設けられる。流体源圧センサ72によれば、ポンプ61の吐出圧やアキュムレータ圧を検出することができる。
制御通路68のポンプ61の吐出側には、逆止弁74,消音用アキュムレータ76が設けられる。また、ポンプ61の高圧側と低圧側とを接続する流出通路84が設けられ、流出通路84に流出制御弁86が設けられる。流出制御弁86は、ポンプ61の吐出圧をパイロット圧として機械的に開閉させられるパイロット式開閉弁であり、ポンプ61が作動状態にあり、作動液が吐出される間、閉状態とされ、ポンプ61が非作動状態にある間、開状態とされる。本実施例においては、高圧源56、リザーバ58等によって流体源としての液圧源88が構成される。
個別制御弁装置60は、個別通路22FL、FR、RL、RRに設けられた個別制御弁90FL、FR、RL、RRを含む。また、個別通路22FL、FRを接続する前輪側左右連通路91に左右連通弁92が設けられ、個別通路22RL、RRを接続する後輪側左右連通路93に左右連通弁94が設けられる。
これら個別制御弁90FL、FR、RL、RR、左右連通弁92,94は、常閉の電磁開閉弁であり、左右連通弁92,94の閉状態において個別制御弁90FL、FR、RL、RRを個別に制御することにより、各車輪4FL、FR、RL、RRの各々において、車輪保持装置6FL、FR、RL、RRとそれに対応する車体8の部分(懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRに対応する部分)との間の距離である車高が独立に制御可能とされる。
また、記憶部104には、図3のフローチャートで表される車高調整プログラム、図2のマップで表される制御テーブル等が記憶されている。
車高調整モード選択スイッチ124は、運転者によって操作されるものであり、スイッチ124の操作により、自動モードとマニュアルモードとのいずれか一方が選択される。自動モードが選択された場合には、予め定められた条件が満たされた場合にそれに応じて車高が変化させられ、マニュアルモードが選択された場合には、車高調整指示スイッチ126の指示に応じて変化させられる。
車高調整指示スイッチ126は、車高を増大させる場合、車高を減少させる場合等に操作されるスイッチで、運転者のマニュアル操作によって切り換えられる。車高を増大させる操作が行われた場合には、車高が予め定められた設定量だけ(1段階)増大させられ、車高を減少させる操作が行われた場合には、車高が予め定められた設定量だけ(1段階)減少させられる。
例えば、一人当たりの乗員質量をMh、荷物質量をMpと予め決めておき、着座センサ、シートベルバックルスイッチ等の状態から乗員の数がNであると検出され、ラッゲージルームランプスイッチのON・OFFにより荷物がラッゲージルームに積載されていると推定された場合には、当該車両の積載質量Mは、式
M=Mh×N+Mp
に従って推定される。
なお、積載質量取得装置134は荷重センサを含むものとすることができる。荷重センサにより各シートに加わる荷重がそれぞれ直接検出され、これらの和が積載質量とされる。
例えば、シートの各々に加えられる質量をMhFL,MhFR,MhRL,MhRRとするとともに、荷物が積載されている場合には、車両の積載質量Mは、式
M=MhFL+MhFR+MhRL+MhRR+Mp
に従って推定することができる。
通信装置136において、携帯機142から送信された情報を受信した場合に、その情報に含まれる識別情報に基づき、自車両に送信されたものであるか否かを判定する。自車両に送信されたものであるとされた場合には、携帯機142からの指示に応じて車高調整が開始される。また、携帯機142から車高調整指示を表す情報が送信されなくても、予め定められた設定領域内に携帯機142が入ったことが検出された場合に、車高調整(車高を低くすること)が開始される場合もある。
懸架シリンダ10における作動液の流出・流入は車高調整装置50により制御され、それによって車高が調整される。車高調整は、図2に示すマップで表される制御テーブルに従って行われる。
例えば、左前輪4FLについて、車輪保持装置6FLと車体8の左前輪4FLに対応する部分との間の距離である車高を減少させる場合は、個別制御弁90FLが開状態とされ、懸架シリンダ10FLからリザーバ58に作動液が流出させられる。この制御をダウン制御と略称する。本実施例においては、図2に示すように、実際の車高H*がダウン側終了しきい値HDEより小さくなると(実際の車高H*が目標車高Hrefに基づいて決まる第1保持領域R1内に入った場合に)、個別制御弁90FLが閉状態とされる。
車高を増大させる場合には、ポンプ装置64が作動させられるとともに蓄圧用制御弁70が開状態とされ、個別制御弁90FLが開状態とされる。流出制御弁86が閉状態とされ、蓄圧用アキュムレータ66とポンプ装置64との両方から懸架シリンダ10FLに作動液が供給される。この制御をアップ制御と略称する。図2に示すように、車高が増加させられ、実際の車高H*がアップ側終了しきい値HUEを越えると(実際の車高H*が目標車高Hrefに基づいて決まる第1保持領域R1内に入った場合に)、個別制御弁90FLが閉状態とされ、ポンプ装置64の作動が停止させられ、蓄圧制御弁70が閉状態に切り換えられる。
例えば、ダウン制御において、実車高H*が減少し、ダウン側終了しきい値HDEより小さくなると、個別制御弁90が閉状態とされる(保持制御)。その後、実車高H*がさらに減少し、アップ側開始しきい値HUSより小さくなると個別制御弁90が開状態されるとともにポンプ装置64等が作動される(アップ制御)。それによって、実車高H*が増加し、アップ側終了しきい値HUEより大きくなると、個別制御弁90が閉状態とされて、ポンプ装置64の作動等が停止させられる(保持制御)。また、実車高H*がダウン側開始しきい値HDSより増加すると、個別制御弁90が開状態とされて、ダウン制御が開始される。
それに対して、オーバーシュート量が大きい場合は、たとえ、第1保持領域R1内に保たれても、実車高H*の目標車高Hrefからの隔たりが大きくなる。
また、オーバーシュートに起因して実車高H*がアップ側開始しきい値HUSより小さくなって、第2保持領域R2から外れるとアップ制御が開始される。アップ制御により、実車高H*が増大してアップ側終了しきい値HUEより大きくなると(第1保持領域R1内に入ると)保持制御が行われ、実車高H*がダウン側開始しきい値より大きくなると、再びダウン制御が開始される等制御ハンチングが生じる可能性がある。
本実施例においては、(a)携帯機142からの情報を受信した場合、(b)マニュアルモードにおいて車高調整指示スイッチ126が操作された場合、(c)自動モードにおいて予め定められた条件が満たされた場合等に高速車高調整が行われる。
イグニッションスイッチ128のON状態において、マニュアルモードにおいて車高調整指示スイッチ126の操作により、「車高を低くする指示」が出力された場合には、車高が低くされる。また、自動モードにおいて、走行していた車両が停止した後、パーキングブレーキが作動させられたことと、シフト位置がドライブ位置からパーキング位置に切り換えられたこととの少なくとも一方が満たされた場合には、人が降車する可能性があると考えられるため、車高が自動で低くされる。車両の走行中においては、標準高さにあるため、人が降車し易い高さまで低くされるのである。なお、走行していた車両が停止した後、予め定められた設定時間が経過しても、上述の条件が満たされない場合にも車高が低くされる。
これらの場合には、高速車高減少要求が満たされて高速ダウン制御が行われる。
なお、高速車高調整、低速車高調整のいずれにおいても個別制御弁90が全開とされ、高速車高調整においては、ばね定数切換弁28を閉状態とし、低速車高調整においては、開状態とすることもできる。
一方、オーバーシュートは、低速車高調整が行われる場合より高速車高調整が行われる場合の方が起き易い。また、車高を増加させる場合より車高を減少させる場合の方が起き易い。特に、車両の積載質量が大きい場合は小さい場合より慣性力が大きくなるため、オーバーシュート量が大きくなると推定される。
そこで、本実施例においては、イグニッションスイッチ128のOFF状態において、高速ダウン制御が行われる場合に、オーバーシュートが生じる可能性が高く、かつ、オーバーシュートに起因する実車高の目標車高からの隔たりを小さくする必要性が高いとされて、オーバーシュート対処車高調整が行われる。それ以外の場合にはオーバーシュート対処車高調整は行われない。
なお、車高を減少させる場合において、実際の車高H*がダウン側終了しきい値HDEより小さくなったことが、請求項に記載の終了条件が満たされたことに対応し、ダウン側終了しきい値HDE、目標車高Href等を積載状態に基づいて設定することが、請求項に記載の終了条件の決定に対応する。本実施例における終了処理条件には終了条件が含まれる。
また、車高調整が開始されてからの経過時間が第1設定時間より長い第2設定時間を超えた場合には、その車高調整が強制的に終了させられる。オーバーシュートに起因して制御ハンチングが生じ、車高調整がなかなか終了しない状態にある可能性があるからである。車高調整が開始されてからの経過時間が第2設定時間を超えた場合に、直ちに、車高調整が終了させられるようにしても(終了処理が行われるようにしても)、実車高H*が目標車高Hrefから設定値以上隔たっている場合に、実車高H*を目標車高Hrefに近づけた後に、終了処理が行われるようにしてもよい。
第1設定時間は、車高が第1保持領域内に保たれた状態にあると考えられる時間に設定され、第2設定時間は、車高調整が終了するはずの時間やハンチングが生じていると考えられる時間等に基づいて決定される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、高速車高調整要求が満たされるか否か判定され、S2において、低速車高調整要求が満たされるか否かが判定される。低速車高調整要求が満たされた場合には、S3において、低速車高調整が行われる。
高速車高調整要求が満たされた場合には、S4において、イグニッションスイッチ128がOFF状態か否かが判定され、S5において、車高を減少させる要求であるか否かが判定される。イグニッションスイッチ128がON状態にある場合には、S4の判定がNOとなり、S6において、通常の高速車高調整が行われる。また、イグニッションスイッチ128がOFF状態にあっても、車高を増加させる要求である場合には、S5の判定がNOとなり、S6において高速車高調整が行われる。
それに対して、イグニッションスイッチ128がOFF状態にあり、かつ、車高を減少させる要求である場合には、S7において、オーバーシュート対処車高調整が行われる。
以下、高速ダウン制御について予め定められた目標車高(積載状態に基づいて変更される前の)を真の目標車高Hrefと称する。真の目標車高Hrefはデフォルト値でもある。また、積載状態に基づいて決定された目標車高をオーバーシュート対応目標車高EHrefと称する。また、前述のように、目標車高Hrefが変更されると、それに伴って目標車高Hrefとの関係を維持したまま、各しきい値HDE、HDS、HUS、HUS等もシフトする。シフトした後のしきい値は、オーバーシュート対応しきい値EHDE、EHDS、EHUS、EHUSと称し、符号Eを最初に付して区別する。
S71において、前回の車高調整が高速ダウン制御であったか否かが判定される。今回イグニッションスイッチ128がOFF状態とされる以前のON状態において(前回)、高速ダウン制御が行われたか否かが判定されるのである。前回、乗員が降車するために、高速ダウン制御が行われた場合には、既に、車体が充分に低い位置にあるため、これ以上車体を低くする必要はない。また、これ以上低くするとストッパに当接するおそれがある。そこで、本実施例においては、2回連続して高速ダウン制御が行われないようにされているのであり、2回連続して高速車高減少要求が満たされても、高速ダウン制御は2回目には行われない。
連続して2回高速車高減少要求が満たされる場合としては、例えば、イグニッションスイッチ128のON状態において高速ダウン制御が行われた後、見栄え制御等により車高が標準高さまで増加させられる以前に、運転者が降車して、携帯機142が操作等された場合がある。この場合には、今回の高速ダウン制御は行われない。それに対して、イグニッションスイッチ128のON状態において高速ダウン制御が行われても、その後に、見栄え制御等により車高が標準車高まで高くされた後に、運転者の携帯機142の操作等により、高速車高減少要求が満たされた場合等には、S71の判定がNOとなり、S72において、車両の積載状態が検出される。
S73において、S72において取得された積載状態に基づいてオーバーシュート対応目標車高EHrefが決定される。
例えば、車両の乗員の数がNで、荷物が積載されている場合には、オーバーシュート対応目標車高EHrefは、式
EHref=f(Href、Mh×N、Mp)
に従って決定される。このオーバーシュート対応目標車高EHrefは、目標車高のデフォルト値Hrefが同じ場合に、積載質量(M=Mh×N+Mp)が大きい場合は小さい場合より大きい値とされる。
第2設定時間を経過する以前においては、S77において、前述の制御テーブルに従って車高調整が行われ、S78において、終了処理条件が満たされたか否かが判定される。
実際の車高H*がダウン側終了しきい値HDEより小さくなると、個別制御弁90が閉状態とされるが、個別制御弁90が継続して閉状態にある時間が第1設定時間を越えると終了処理条件が満たされたとされる。
また、一旦、個別制御弁90が閉状態とされた後に、実車高H*が第2保持領域R2から外れ、個別制御弁90が開状態とされて、アップ制御やダウン制御が行われる場合があっても、その後に、個別制御弁90が継続して閉状態にある時間が第1設定時間を越えれば終了処理条件が満たされたとされる。
終了処理条件が満たされた場合には、S79において終了処理が行われる。それに対して、終了処理条件が満たされる以前に高速ダウン制御が開始されてからの経過時間が第2設定時間を超えた場合には、S80において、強制終了処理が行われた後、S79において、終了処理が行われる。
この場合のオーバーシュート量は積載質量が大きい場合は小さい場合より大きくなるが、オーバーシュート対応目標車高EHrefは、積載質量が大きい場合は小さい場合より大きい値に決定される(積載質量が大きい場合は小さい場合より、真の目標車高Hrefからの隔たりが大きくされる)ため、オーバーシュートに起因して実際の車高H*が真の目標車高Hrefから大きく外れることを良好に回避することができる。
また、車高調整開始から第2設定時間が経過すると強制的に終了させられるようにされているため、仮に、ハンチングが生じて、長時間に渡って車高調整が継続することを回避することができる。
以上のように、本実施例においては、車高調整装置50およびサスペンションECU100の図3のフローチャートで表される車高調整プログラムを記憶する部分、実行する部分等によりアクチュエータ制御装置が構成され、そのうちの、図3のフローチャートのS7(図4のフローチャートで表されるルーチン)を記憶する部分、実行する部分等によりオーバーシュート対処制御部が構成される。オーバーシュート対処制御部は、選択的制御部でもある。また、オーバーシュート対処制御部のうち、S72,73,77,78を記憶する部分、実行する部分等によりオーバーシュート対応終了部が構成され、そのうちの、S72,73を記憶する部分、実行する部分等により終了条件決定部が構成される。
EHDE=g(HDE,Mh×N,Mp)
に従って決定されるようにするのであり、積載質量(Mh×N+Mp)が大きい場合は小さい場合より大きい値となるようにすることができる。
また、目標車高EHrefは積載質量Mに基づいて段階的に変更されるようにすることができる。例えば、積載質量Mが設定荷重以上である場合に設定値だけ大きくするのである。
S91において、S72において検出された積載状態に基づいて減速開始車高Hgsが、式
Hgs=h(Href、Mh×N,Mp)
に従って決定される。減速開始時の車高Hgsは積載質量が大きい場合は小さい場合より大きい値とされる。
一定の減速度で車高調整速度が漸減させられる場合には、減速開始車高が大きい場合は小さい場合より、個別制御弁90が閉状態とされる時点の車高調整速度が小さくなる。
以上のように、本実施例においては、図6のフローチャートのルーチンを記憶する部分、実行する部分等によりオーバーシュート対処制御部が構成される。そのうちの、S72,91,92,93等により軟着陸部が構成され、そのうちの、S72,91を記憶する部分、実行する部分等によりパターン決定部が構成される。
さらに、上記実施例においては、高速ダウン制御が行われる場合にオーバーシュート対処車高調整が行われる場合について説明したが、オーバーシュート対処車高調整は、低速ダウン制御が行われる場合、車高アップ制御が行われる場合にも行われるようにすることもできる。車高アップ制御が行われる場合には、積載質量が小さい場合は大きい場合よりオーバーシュートが生じ易いとされる。また、イグニッションスイッチ128のON状態において高速ダウン制御が行われる場合に、オーバーシュート対処車高調整が行われるようにしてもよい。
さらに、上記各実施例においては、高速ダウン制御が行われる場合に、オーバーシュート対処車高調整の必要性が高い場合であると判定されるようにされていたが、高速ダウン制御が行われ、かつ、積載質量が設定荷重以上である場合に、オーバーシュート対処車高調整の必要性が高い場合であると判定されるようにすることもできる。
また、積載質量に基づいて終了条件を決定するとともに車高調整速度パターンを決定し、図4のルーチンと図6のルーチンとを組み合わせたオーバシュート対処車高調整が行われるようにすることもできる。
さらに、ハンチングを防止するためには、ダウン側開始しきい値EHDS、アップ側開始しきい値EHUSを大きくすることも有効である。
さらに、車高調整が、前輪側、後輪側で別個に行われる場合には、ラッゲージルームに積載された荷物の有無、乗員の位置等に基づいて、前輪に加わる質量と後輪に加わる質量とが別個に取得されるようにすることもできる。
本発明は、前述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
Claims (5)
- (i)車両の車輪に対応して、その車輪を保持する車輪保持装置と車体との間に設けられた車高調整アクチュエータとしての懸架シリンダと、(ii)(a)低圧源と、(b)その低圧源と前記懸架シリンダとの間に設けられた個別制御弁とを含み、前記個別制御弁を制御することにより前記懸架シリンダを制御して、実際の車高を目標車高に近づけるアクチュエータ制御装置とを含む車高調整装置であって、
前記アクチュエータ制御装置が、(c)前記車両の積載質量を取得する積載質量取得部と、(d)その積載質量取得部によって取得された前記車両の積載質量で決まる終了条件が満たされた場合に、前記個別制御弁を開状態から閉状態に切り換えて車高調整を終了することにより、その車両の積載質量に基づく制御が行われない場合に比較してオーバーシュートに起因する実際の車高の目標車高からの隔たりを小さくするオーバーシュート対応終了部とを含むとともに、そのオーバーシュート対応終了部が、車高を減少させる制御において、実際の車高がダウン側終了しきい値より小さくなった場合に前記終了条件が満たされたとするとともに、そのダウン側終了しきい値を、前記車両の積載質量が大きい場合は小さい場合より大きい値に決定する終了条件決定部を含むことを特徴とする車高調整装置。 - 前記アクチュエータ制御装置が、車高調整時間が予め定められた設定時間を越えた場合に、前記車高調整アクチュエータの制御を終了する強制終了部を含む請求項1に記載の車高調整装置。
- 前記アクチュエータ制御装置が、高速で車高調整を行う高速車高調整部と、低速で行う低速車高調整部とを含み、前記オーバーシュート対応終了部が、前記高速車高調整部によって車高調整が行われる場合に作動し、前記低速車高調整部によって車高調整が行われる場合に作動しないものである請求項1または2に記載の車高調整装置。
- 前記オーバーシュート対応終了部が、車両のメインスイッチのOFF状態において車高調整が行われる場合に作動し、ON状態において車高調整が行われる場合には作動しないものである請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車高調整装置。
- 前記アクチュエータ制御装置が、さらに、前記車両の積載質量で決まる車高調整速度パターンで前記懸架シリンダを制御することにより、その車両の積載質量に基づく制御が行われない場合に比較してオーバーシュートに起因する実際の車高の目標車高からの隔たりを小さくする軟着陸部を含むとともに、その軟着陸部が、前記車高調整速度パターンを、車高調整が終了される場合の車高調整速度が、前記車両の積載質量が大きい場合は小さい場合より小さくなるパターンとするパターン決定部を含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車高調整装置。
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