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JP4520188B2 - 電線の導体欠陥箇所検知方法 - Google Patents
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JP4520188B2 - 電線の導体欠陥箇所検知方法 - Google Patents

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本発明は電線の導体欠陥箇所を検知する方法に使用するセンサに関し、電線の導体の断線、傷、不導体化ならびに応力腐食割れ等の劣化といった不良(欠陥)を検知するのに有用である。
断線、傷、不導体化ならびに応力腐食割れ等の劣化といった不良ならびに欠陥を検知する方法の一つとして、実際に流れている負荷電流が欠陥部分で乱れを生じ、それによって発生する磁場の変化を検出する方法が知られている。
前記欠陥が発生すると、その箇所の導体断面の輪郭が非円形化され、同断面の電流路中心がずれ、導体電流に基づく周回路磁界の分布が変化する。この事実に着目して欠陥箇所を検知することが提案されている。(特許文献1、非特許文献1)
特開平10−73631号公報 野中崇、他2名,「電線の非破壊磁気探傷に関する基礎的検討」T,IEEjapan,Vol,121−A,No.3,2001,p282−287
特許文献1では、図11に示す、電線の周囲にサーチコイル1o,1o'を180°隔てた対の複数対にて電線中心から等距離の位置に配設し、サーチコイルのコア方向と電線同心円の接線方向とを一致させ、各対の両サーチコイルの出力の差をセンサ出力としている。
図11において、撚線導体の電流路断面の中心の変位がゼロ、すなわち周回路磁界分布変化が無い場合、両コイルの出力が等しくセンサ出力が0となり欠陥無しとされる。周回路磁界分布変化が生じている場合、両コイルの出力が等しくならずにセンサ出力が発生し、欠陥有りと判定される。
非特許文献1では、図12に示すように電流路断面の中心C1(Cx1,Cy1)が任意座標点p1(x1,y1)及びp2(x2,y2)とそれら任意座標点p1(x1,y1)及びp2(x2,y2)での磁束密度(Bx1,By1)及び(Bx2,By2)から次式で与えられることから
Figure 0004520188
任意座標点p1(x1,y1)における磁束密度(Bx1,By1)及びp2(x2,y2)における磁束密度(Bx2,By2)をサーチコイルにより測定し、これらの測定値から電流路断面の中心座標C1(Cx1,Cy1)を計算し、この中心座標の変位から撚線導体の欠陥箇所を評価している。
しかしながら、上記従来例では磁気センサを電線に沿って移動させる間、電線の軸心に対する磁気センサのぶれが避けられず、このぶれが上記導体の電流路断面の中心のずれを相対的に生じることになるから、導体の欠陥箇所の正確な検知は困難である。
導体電流をIとすると、導体中心から距離rにおける磁界強度Hは、
H=I/(2πr)
で与えられる。
架線された電線には、数10A〜数100Aの電流が通電されており、電線外周上での磁束密度は極めて高い。例えば、電流値を150A、電線半径を15mmとすると、電線表面での磁束密度は1600A/mもの高磁束密度となる。磁界センサには、測定限度があり1600A/mもの高磁界を測定することは困難である。
しかるに、上記従来例では、サーチコイルをその感磁方向を電線の周回路磁界の方向に向けて配設しており、150Aもの高導体電流に対しては、レンジ上、サーチコイルを電線中心からかなり隔てた位置に配置する必要があり、センサの大型化が避けられない。
更に、特許文献1記載の従来例では、電線の周囲にサーチコイルを180°隔てた対で電線中心から等距離を隔てた位置に2箇配設し、撚線導体の導電路断面の電流中心がずれたときの両サーチコイルの出力差をセンサ出力としているが、ずれΔLに対する周囲磁界強度Hの変化ΔHは、ΔH=HΔL/rで与えられ、サーチコイルを電線中心からかなり隔てた位置に配置してrを大きくすると、それだけ両サーチコイルの出力差が小さくなってセンサ出力が低下し、充分な検出感度を保証し難い。
近来、高い磁界検出分解能、微小寸法の磁界センサ素子として磁気インピーダンス効果素子が開発されている。
本発明の目的は、電線の導体の欠陥箇所での電流乱れに起因して生じる電線長手方向磁界成分を利用して電線における欠陥箇所を小型の磁気センサで容易に充分に高い精度で検知することを可能にする。
請求項1に係る電線の導体欠陥箇所検知方法は、アモルファスワイヤを使用した二本の磁気インピーダンス効果素子をその感磁方向と電線の長手方向が平行になるように該電線を中央に挾んで電線周方向に180°の角度を隔てて配設し、前記両素子を電線の長手方向に沿って移動させることにより、電線導体の欠陥に基づく電線長手方向検出用磁界の正負反転点を検知すると共に、この移動中の前記両素子の検出出力を、欠陥導体素線と健全導体素線との電流差に基づき電線回周磁界が導体素線撚りのためにうねり変動して生じる正弦波状の電線長手方向磁界成分を打ち消すように差動増幅または減算することを特徴とする。
電線導体の欠陥箇所では、導体断面が偏って減少され、その導体断面での図1の(イ)に示すような電流の絞り込みのために、図1の(ロ)に示すように±の電流ポールp、p’を仮想できる。この±電流ポールに基づく磁界の電線長手方向の経路a−a’に沿っての電線長手方向磁界成分は図1の(ハ)のように、欠陥箇所eを境にして波高が逆極性に急変するパターンとなる。
本発明においては、この急変点を検出して導体の欠陥箇所eを見出しており、±電流ポールの電流値が導体電流に較べて極めて小さいために、その±電流ポールに基づく電線長手方向磁界成分が小であって磁気センサの限界レンジ内におさめ得、かつその電線長手方向磁界成分の分布パターンが図1の(ハ)のように欠陥箇所eを境にして正負に急峻に反転するパターンであり、このパターンは磁気センサが多少ぶれても充分に保持されることから、電線の欠陥箇所を正確に容易に見出し得る。
また、磁気インピーダンス効果素子の感磁方向を電線長手方向に向け、磁気インピーダンス効果素子を電線の表面に近接させた磁気センサを使用でき、磁気インピーダンス効果型センサの小型・高感度のために検知作業を容易に、高感度で行なうことができる。
また、電線の通電電流に基づき発生する周回路磁界が導体の撚りの影響でうねり変動することに起因して生じる正弦波状の電線長手方向磁界成分を、前記磁気インピーダンス効果素子を二本とし両素子の出力を差動増幅もしくは減算する方式で打ち消してノイズとなるのを排除できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図2は本発明において使用する磁気センサの基本的構成を示している。
図2において、1は磁気インピーダンス効果素子であり、自発磁化の方向がワイヤ周方向に対し互いに逆方向の磁区が交互に磁壁で隔てられた構成の外殻部を有する、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス合金ワイヤが使用されている。かかる零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス磁性ワイヤに高周波励磁電流を流したときに発生するワイヤ両端間出力電圧中のインダクタンス電圧分は、ワイヤの横断面内に生じる円周方向磁束によって上記の円周方向に易磁化性の外殻部が円周方向に磁化されることに起因して発生する。従って、周方向透磁率μθは同外殻部の円周方向の磁化に依存する。而るに、この通電中のアモルファスワイヤの軸方向(最大感磁方向)に被検出磁界を作用させると、上記通電による円周方向磁束と被検出磁界磁束との合成により、上記円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が円周方向からずれ、それだけ円周方向への磁化が生じ難くなり、上記周方向透磁率μθが変化し、上記インダクタンス電圧分が変動することになる。この変動現象は磁気インダクタンス効果と称され、これは上記高周波励磁電流(搬送波)が被検出波(信号波)で変調される現象ということができる。更に、上記通電電流の周波数がMHzオ−ダになると、高周波表皮効果が大きく現れ、表皮深さδ=(2ρ/wμθ1/2(μθは前記した通り円周方向透磁率、ρは電気抵抗率、wは角周波数をそれぞれ示す)がμθにより変化し、このμθが前記した通り、被検出磁界によって変化するので、ワイヤ両端間出力電圧中の抵抗電圧分も被検出磁界で変動するようになる。この変動現象は磁気インピーダンス効果と称され、これは上記高周波励磁電流(搬送波)が被検出波(信号波)で変調される現象ということができる。
図2において、2は磁気インピーダンス効果素子に高周波励磁電流を加えるための高周波電源、3は磁気インピーダンス効果素子の軸方向に作用する被検出磁界(信号波)で前記高周波励磁電流(搬送波)を変調させた被変調波を復調する復調回路、4は復調波を増幅する増幅回路、5は出力端、6は負帰還用コイル、7はバイアス磁界用コイルである。磁気インピーダンス効果素子1には、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファスワイヤの外、アモルファスリボン、アモルファススパッタ膜等も使用できる。
磁気インピーダンス効果素子においては、前記した通り励磁電流に基づく円周方向磁束と被検出磁界による軸方向磁束との合成により、円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が円周方向からずれされるために、周方向透磁率μθが変化し、インダクタンスが変動され、この円周方向透磁率μθの高周波表皮効果の表皮深さの変化でインピーダンスが変動される。従って、被検出磁界の±により上記合成磁界による周方向ずれφも±φになるが、周方向の磁界の減少倍率cos(±φ)は変わらず、従ってμθの減少度は被検出磁界の方向の正負によっては変化されない。従って、被検出磁界−出力特性は、図3の(イ)のように被検出磁界をx軸に、出力をy軸にとると、y軸に対してほぼ左右対称となる。この被検出磁界−出力特性は非線形である。非線形特性では、高感度の測定が困難である。そこで、負帰還用コイル6で負帰還をかけて図3の(ロ)に示すように特性を直線化している。図3の(ロ)において、Δwは、負帰還無しのときの利得Aが非常に大きく帰還率βのみにより利得が定まるリニア範囲である。しかし、この出力特性では、被検出磁界の極性判別を行ない得ないので、バイアス用コイル7でバイアス磁界をかけ、図3の(ハ)に示すように極性判別可能としている。すなわち、図3の(ロ)の特性を、バイアス磁界によりx軸のマイナス方向に移動させ、被検出磁界の最大範囲−Hmax〜+Hmaxを単斜め線領域の範囲内に納めている。更に、図3の(ニ)に示すように0点調整により原点を通る直線特性としている。従って、図3の(ニ)において被検出磁界を+Heとすると出力が+Eoとなり、被検出磁界を−Heとすると出力が−Eoとなって被検出磁界を極性判別のもとで正確に測定できる。
前記極性判別可能なリニア出力特性を得るのに図4に示すように、出力より反転入力端子に負帰還をかけた演算増幅器Q(負帰還路挿入インピーダンスZ、入力側挿入インピーダンスZ)を使用することもできる。この場合、負帰還用コイルに挿入した抵抗をR、同コイルの巻数をn、長さをL、復調増幅部34の利得をA、被検出磁界をHex、出力をEoutとすると、
A≫ZRL/(Zn)
のもとで
Eout=RLZHex/(nZ)+VccZR/〔Z(Z+R)〕
が成立し、この出力特性を諸定数(Z,Z,抵抗R,コイル巻数n等)の調整によりx軸の±方向にシフトさせることができ、その調整により極性判別可能な斜め直線部を最大被検出磁界の範囲±Hmax内に位置させることが可能となり、更にy軸方向の0点調整により図3の(ニ)に示すような極性判別可能な直線性の出力特性を得ることができる。
本発明に係る電線の導体欠陥箇所検知方法により導体の欠陥箇所を検知するには、磁気センサの感磁方向を電線の長手方向に向けて磁気センサを電線に沿い移動させていく。この場合、電線を抱挾む車輪を磁気センサに取付け、磁気センサをワイヤで牽引することができる。
磁気センサが導体の欠陥箇所を通過する際、前記欠陥箇所の電流乱れに基づく発生磁界の電線長手方向Hxを被検出磁界として、前記被検出磁界−出力特性(比例係数をkとする)に基づき、Eout=kHxが出力され、この出力kHxの検出により欠陥箇所であることを知り得る。
前記欠陥箇所の電流乱れに基づく発生磁界の電線長手方向のパターンについて考察すると、図5において、磁気センサ素子、例えば磁気インピーダンス効果素子の電線長手方向移動経路a−a’と欠陥箇所eとの距離dが大となるほど、波高値が小となるが、パターン自体は殆ど変わらない。
而るに、感磁方向を電線長手方向に向ける磁気センサ素子、例えば、磁気インピーダンス効果素子を電線を挾んで配設すれば、通常一方の磁気インピーダンス効果素子が他方の磁気インピーダンス効果素子よりも欠陥箇所との距離が近い電線長手方向経路をとることになり、一方の磁気インピーダンス効果素子側の出力が他方の磁気インピーダンス効果素子側の出力より大きくなり、かつ両出力が正負逆極性となるから、両出力を差動増幅または減算してセンサ出力とすれば、波高値の高いセンサ出力を得ることができる。
本発明者の鋭意検討結果によれば、電線の撚合導体に欠陥が生じると、欠陥素線と健全素線とに流れる電流に差が生じ、導体通電電流に基づく周回路磁界が導体の撚りの影響でうねり変動し、その結果、正弦波状に変化する電線長手方向磁界成分を発生することがある(導体の撚りに対し高調波状になり、ピッチは撚りピッチの数分の1となる)。
而るに、前記した電線を挾む二本の磁気インピーダンス効果素子を使用し、両素子の出力信号を差動増幅または減算してセンサ出力とする方式では、前記の正弦波状の電線長手方向磁界成分を打ち消し得る。
磁気センサ素子、例えば磁気インピーダンス効果素子の長さは、前記正弦波状の電線長手方向磁界成分のピッチに較べて僅小であり、二本の磁気インピーダンス効果素子をその磁気インピーダンス効果素子の数倍以下の距離で電線の長手方向にずらせて差動増幅または減算によりセンサ出力を得るようにしても、前記の正弦波状の電線長手方向磁界成分を充分に打ち消し得る。
本発明に係る電線の導体欠陥箇所検知方法では、磁気センサとして磁気インピーダンス効果型センサ以外に、磁気抵抗素子、またはホール素子を使用した磁気センサ或いはフラックスゲートセンサを使用することも可能である。
次に、本発明に係る電線の導体欠陥箇所検知用磁気センサの実施例について説明する。
図6の(イ)は本発明に係る磁気センサの一実施例とその使用状態を示す図面であり、Seはセンサ、Caは電線、Mは地上計測器である。センサには、電線抱挾車輪が取り付けられ、ワイヤの牽引でセンサが移動されるが、これらの構成は図示されていない。
図6の(ロ)は同上センサSeの回路図である。
図6において、Pは基板である。1は磁気インピーダンス効果素子であり、出力特性をリニア特性とするための負帰還用コイル6及び出力特性を極性判別可能とするためのバイアス用コイル7を付設してある。
図7はそのコイル付き磁気インピーダンス効果素子の一例を示す側面図、図7の(ロ)は同じく底面図、図7の(ハ)は図7の(ロ)におけるハ−ハ断面図である。
図7において、100は基板チツプであり、例えばセラミックス板を使用できる。101は基板片の片面に設けた電極であり、エレメント接続用突部102を備えている。この電極は導電ペースト、例えば銀ペーストの印刷・焼付けにより設けることができる。1xは電極101,101の突部102,102間にはんだ付けや溶接により接続した磁気インピーダンス効果素子であり、前記した通り零磁歪乃至負磁歪のアモルファスワイヤ、アモルファスリボン、スパッタ膜等を使用できる。103はC型鉄芯、6xはC型鉄芯に巻装した負帰還用コイル、7xは同じくバイアス磁界用コイルであり、磁気インピーダンス効果素子1xとC型鉄芯103とでループ磁気回路を構成するように、C型鉄芯103の両端を基板片100の他面に接着剤等で固定してある。鉄芯材料としては、残留磁束密度の小さい磁性体であればよく、例えば、パーマロイ、フェライト、鉄、アモルファス磁性合金の他、磁性体粉末混合プラスチック等を挙げることができる。104,104は電極102,102に溶接等により接合したリード導体である。
図6において、uはコイル付き磁気インピーダンス効果素子である。Pは基板であり、コイル付き磁気インピーダンス効果素子uをリード導体104において支持し、磁気インピーダンス効果素子の感磁方向(軸方向)を電線の長手方向に向けるようにリード導体104を折り曲げてある。
2は磁気インピーダンス効果素子1を励磁するための高周波電流源であり、被検出磁界(導体の欠陥箇所での電流乱れに基づき発生する磁界の電線長手方向成分)を信号波とし、高周波励磁電流を搬送波とする被変調波が磁気インピーダンス効果素子1の出力端に現れる。3は復調回路であり、前記被変調波が復調されて前記の信号波が出力される。4は増幅器であり、出力が負帰還用コイル6を経て磁気インピーダンス効果素子1に負帰還されて出力が直線化される。また+Vcc電源でバイアス用コイル7を経て磁気インピーダンス効果素子1にバイアス磁界がかけられて出力特性が極性判別可能とされる。
上記の高周波電流源2、復調回路3及び増幅器4は基板Pに搭載されている。
図8の(イ)は本発明に係る磁気センサの別実施例とその使用状態を示す図面であり、Seはセンサ、Caは電線、Mは地上計測器である。センサには、電線抱挾車輪が取り付けられ、ワイヤの牽引でセンサが移動されるが、これらの構成は図示されていない。
図8の(ロ)は同上センサSeの回路図である。
図8において、Pは基板であり、電線挿通用切欠部hを設けてある。u,uは二本のコイル付き磁気インピーダンス効果素子であり、図7に示したものを使用でき、電線Caを挾み、感磁方向を電線Caの長手方向に向けるようにリード導体104を折り曲げて基板Pに支持してある。2は両磁気インピーダンス効果素子を励磁するための高周波電流源、3a,3bは各磁気インピーダンス効果素子1a,1bの出力端に接続した復調回路、4dは差動増幅器であり、これらは基板Pに搭載してある。
前記二本の磁気インピーダンス効果素子は電線を中央に挾んで180°の角度で隔てられており、図9に示すように導体の欠陥箇所eの電流乱れに基づき発生する磁場を、例えば一方の磁気インピーダンス効果素子1aが電線長手方向経路a−a’で、他方の磁気インピーダンス効果素子1bがその電線長手方向経路a−a’に対しほぼ電線の半周の距離w/2を隔てた電線長手方向経路b−b’で移動される。これら両経路に沿っての被検出磁界(電線長手方向磁界成分)は、極性が正負逆でかつ波高値が異なる点を除けば実質的に同パターンの波形であると推定でき、差動増幅のために両磁気インピーダンス効果素子の検出信号の絶対値が加算されてセンサ出力とされる。
既述した通り、電線の導体に欠陥が発生すると、欠陥導体素線と健全素線との間に電流差が生じ、導体電流に基づく周回路磁界が撚合導体の撚りの影響でうねり変動され、正弦波状の電線長手方向磁界成分が発生する。その正弦波は導体の撚りに対し高調波状とみなし得、そのピッチは撚合導体の撚りピッチより短いが磁気インピーダンス効果素子の長さに較べて極めて長い。従って、前記正弦波状の電線長手方向磁界成分は両磁気インピーダンス効果素子に対し、実質的に同一値磁界として作用し、差動増幅のために打ち消されてセンサ出力としては現れない。また、各復調回路等に温度等の影響で発生する内部ノイズも、差動増幅のために打ち消されてセンサ出力としては現れない。
実施例2のように、増幅を差動増幅により行なう場合、図10に示すように一方の磁気インピーダンス効果素子にかけるバイアス磁界Hbの方向と他方の磁気インピーダンス効果素子にかけるバイアス磁界Hbの方向とが逆方向とされ、互いに逆相の復調出力(磁界検出信号)がE+、E−で表わされ、その差がE±で示すように直線に近づくので、負帰還を省略することも可能である。
実施例1及び2において、高周波励磁電流としては、例えば連続正弦波、パスル波、三角波等の通常の高周波を使用でき、高周波励磁電流源としては、例えばハートレー発振回路、コルピッツ発振回路、コレクタ同調発振回路、ベース同調発振回路のような通常の発振回路の外、水晶発振器の矩形波出力を直流分カットコンデンサを経て積分回路で積分しこの積分出力の三角波を増幅回路で増幅する三角波発生器、COMS−ICを発振部として使用した三角波発生器等を使用できる。
復調回路としては、例えば被変調波を演算増幅回路で半波整流しこの半波整流波を並列RC回路またはRCローパスフィルターで処理して半波整流波の包絡線出力を得る構成、被変調波をダイオードで半波整流しこの半波整流波を並列RC回路またはRCローパスフィルターで処理して半波整流波の包絡線出力を得る構成等を使用できる。
上記の実施例では、被変調波の復調によって被検出量を取り出しているが、これに限定されず、磁気インピーダンス効果素子に作用する被検出磁界による磁界検出信号から被検出磁界に相当する被検出量を取り出し得るものであれば、適宜の回路構成を使用できる。
本発明に係る電線の導体欠陥箇所検知方法の効果の説明に使用した図面である。 本発明において使用する磁気インピーダンス効果型センサを示す図面である。 本発明において使用する磁気インピーダンス効果型センサの出力特性を示す図面である。 本発明において使用する磁気インピーダンス効果型センサの別例を示す図面である。 本発明に係る電線の導体欠陥箇所検知方法の一実施例におけるセンサの移動経路を示す図面である。 本発明に係るセンサの一実施例を示す図面である。 図5のセンサにおけるコイル付き磁気インピーダンス効果素子を示す 本発明に係るセンサの別実施例を示す図面である。 本発明に係る電線の導体欠陥箇所検知方法の別実施例におけるセンサの移動経路を示す図面である。 本発明に係るセンサの別実施例の要部を説明するために使用した図面である。 従来例を示す図面である。 上記とは別の従来例を示す図面である。
1 磁気インピーダンス効果素子
1a 磁気インピーダンス効果素子
1b 磁気インピーダンス効果素子
2 高周波励磁用電流源
3 復調回路
3a 復調回路
3b 復調回路
4 増幅器
4d 差動増幅器
Ca 電線
e 導体の欠陥箇所

Claims (1)

  1. アモルファスワイヤを使用した二本の磁気インピーダンス効果素子をその感磁方向と電線の長手方向が平行になるように該電線を中央に挾んで電線周方向に180°の角度を隔てて配設し、前記両素子を電線の長手方向に沿って移動させることにより、電線導体の欠陥に基づく電線長手方向検出用磁界の正負反転点を検知すると共に、この移動中の前記両素子の検出出力を、欠陥導体素線と健全導体素線との電流差に基づき電線回周磁界が導体素線撚りのためにうねり変動して生じる正弦波状の電線長手方向磁界成分を打ち消すように差動増幅または減算することを特徴とする電線の導体欠陥箇所検知方法。
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