JP4523830B2 - ポリカーボネート樹脂、その製造方法及びそれを用いた光学材料 - Google Patents
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Description
一方、光ファイバーや光導波路では、波長が1300nm付近あるいは1500nm付近の光が使用されているが、通常の炭化水素系樹脂は、その波長領域に吸収があるため、光損失が大きくなるという問題がある。そこで、紫外領域や近赤外領域での透明性に優れるとの理由で、エポキシ基やアクリル基を有する熱硬化型シロキサン系樹脂やUV(紫外線)硬化型のシロキサン系樹脂、あるいは非晶性のフッ素樹脂の適用が検討されている(例えば、特許文献1参照)。これらの樹脂は、透明性や耐光性に優れるものであるが、素子において要求される他の特性、例えば耐熱性、機械的強度及び密着性などがより向上した樹脂が求められている。
すなわち、本発明は、以下のポリカーボネート樹脂、その製造方法及びそれを用いた光学材料を提供するものである。
1. 下記一般式(1)
2. ポリカーボネート樹脂が、さらに下記一般式(2)
で表される繰り返し単位を有する上記1に記載のポリカーボネート樹脂。
3. 一般式(2)で表される繰り返し単位が、下記構造式(3)、(4)及び(5)
4. 下記一般式(1)で表される繰り返し単位と下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂を製造するにあたり、下記一般式(6)で表されるフルオロアダマンタンジオールと、下記一般式(7)で表されるビスフェノール化合物と、炭酸エステル形成性化合物とを反応させることを特徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法。
6. 上記1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を用いてなる光学部品。
7. 上記1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を用いてなる光半導体用の封止材料又は接着材料。
本発明のPC樹脂は、上記一般式(1)で表される繰り返し単位に加えて、さらに下記一般式(2)
で表される繰り返し単位を有するものであってもよい。
置換又は無置換の炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、トリフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。置換又は無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基としては、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基などが挙げられる。炭素数1〜12のフルオロアルキル基としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。R1又はR2としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル基が好ましいものとして挙げられる。
Xのうちの置換又は無置換の炭素数6〜12のシクロアルキリデン基としては、シクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基、シクロオクチリデン基などが挙げられる。置換又は無置換の炭素数6〜12のアリーレン基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)基、1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)基などが挙げられる。
上記一般式(2)で表される繰り返し単位としては、PC樹脂の耐熱性や機械的強度を優れたものとすることから、下記一般式(2−a)
PC樹脂の耐熱性をより優れたものとする点から、上記一般式(2)及び(2−a)におけるXとしては、−CR3R4−(ただし、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、置換又は無置換のフェニル基及びトリフルオロメチル基から選ばれる基を示す。)、置換又は無置換の炭素数6〜12のシクロアルキリデン基、置換又は無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基が好ましい。上記一般式(2−a)で表される繰り返し単位は、下記構造式(3)、(4)及び(5)
本発明のPC樹脂において、上記一般式(1)で表される繰り返し単位と、上記一般式(2)で表される繰り返し単位の含有割合は、[繰り返し単位(1)/(繰り返し単位(1)+繰り返し単位(2))](モル比)が0.05〜0.99であることが好ましい。このモル比が0.05以上であると、成形性が良好であると共に、耐熱性の向上効果が発揮され、また、0.99以下であると、溶媒に対する溶解性が良好であるため、成形加工性が良好となる。この共重合型のPC樹脂の場合には、繰り返し単位(1)の全繰り返し単位に対するモル比が、0.05〜0.95であるものが耐熱性や機械的強度と成形加工性のバランスが良好で特に好ましい。
上記[A]成分のフルオロアダマンタンジオールの具体例としては、1,3−パーフルオロアダマンタンジオール、2−H−1,3−パーフルオロアダマンタンジオール、2,4−H−1,3−パーフルオロアダマンタンジオールなどが挙げられる。これら[A]成分のフルオロアダマンタンジオールは、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、特に1,3−パーフルオロアダマンタンジオールが好ましい。
なお、得られるPC樹脂の還元粘度[ηsp/c]を、上記範囲にするには、例えば、上記反応条件、分子量調整剤の使用量などを適切に選択すればよい。また、場合により、得られたPC樹脂に適宜物理的処理(混合、分画等)及び/又は化学的処理(ポリマー反応、架橋処理、部分分解処理など)を施すことにより、所定の還元粘度[ηsp/c]のPC樹脂として得ることもできる。
得られた反応生成物(粗生成物)は公知の分離・精製法などの各種の後処理を施して、所望の純度(精製度)のポリカーボネート樹脂として回収することができる。
上記光学材料としては、光ファイバー、レンズ、基板フィルム、光反射材及び光通信用デバイス材料などを例示することができ、光学部品としては、光導波路などを例示することができる。また、上記光半導体としては、例えばLED(発光ダイオード)などが挙げられる。
本発明のPC樹脂を上記の用途に供する場合、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光色素やフォトクロ色素等の色素、屈折率調整剤、無機微粒子などを添加したPC樹脂組成物として使用することができる。
(1)還元粘度
離合社製の自動粘度測定装置VMR−042を用い、自動粘度用ウッベローデ改良型粘度計(RM型)で測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)
セイコー電子社製の測定器DSC220を用い、25℃から350℃まで窒素気流(20ミリリットル/分)下に、昇温速度を10℃/分で加熱した後、直ちに急冷して試料の熱履歴を除去し、さらに昇温速度を10℃/分において、JIS K7121に準拠してガラス転移温度を測定した。
(3)フィルムの透明性
PC樹脂を塩化メチレンに溶解して濃度20質量%の溶液を調製し、この溶液をガラス基板上にキャスト製膜し、室温において半日以上放置した後、ガラス基板上に形成されたフィルムをガラス基板から剥離した。そして、このフィルムを減圧乾燥器中で、70℃において24時間、次いで120℃において12時間加熱することにより、厚さ0.1mmの透明なフィルムを得た。
このフィルムから、長さ40mm、幅40mmの試験片を切り出し、この試験片について、スガ試験機社製のHGM−2DP型ヘイズメーターを用いて、ヘイズ(%)を測定した。
(4)フィルムの屈折率
上記(3)と同様のフィルムから、長さ20mm、幅10mmの試験片を切り出し、この試験片について、アタゴ社製のアッベ屈折率計を用いて、屈折率を測定した。
(5)光損失(ストリーク)
PC樹脂をテトラヒドロフランに溶解して濃度20質量%の溶液を調製し、この溶液を4インチ(101.6mm)のシリコン基板上にキャスト製膜し、室温において半日以上放置した後、ガラス基板上に形成されたフィルムをガラス基板から剥離した。そして、このフィルムを減圧乾燥器中で、70℃において24時間、次いで120℃において12時間加熱することにより、厚さ0.01mmの透明な薄膜層を形成した。この薄膜試料に、プリズムカプラを用いて、830nm、1300nmの波長の光を入射し、薄膜内に光を伝搬させた。その際に、伝搬光に沿ってディスクを走査させて、試料からの散乱光を検出し、その強度の減衰から薄膜伝搬光の光損失を算出した。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン200gを2mol/L濃度の水酸化ナトリウム水溶液920mlに溶解した溶液に、溶媒として塩化メチレン550mlを加えて攪拌しながら、冷却下、この液中にホスゲンガスを800ml/分の割合で30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機層として、重合度が2〜5であり、分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。
そして、得られた塩化メチレン溶液に、さらに塩化メチレンを加えて全量を600mlとした後、これに1,3−パーフルオロアダマンタンジオール70gを2mol/L濃度の水酸化ナトリウム水溶液200mlに溶解した溶液を加え、さらに分子量調節剤としてp−tert−ブチルフェノール1gを加えた。次いで、この混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7質量%濃度のトリエチルアミン水溶液1.0mlを加え、攪拌下に、25℃で1.5 時間反応させた。
反応終了後、得られた反応生成物を塩化メチレン1Lによって希釈し、水1.5Lで2回洗浄した。次いで、0.05mol/L濃度の塩酸により洗浄した後、さらに水1Lで2回洗浄した。そして、得られた有機相をメタノール中に投入して再沈精製することにより、芳香族PC樹脂の粉末を得た。
ここで得られた芳香族PC樹脂は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.4dl/gであった。この芳香族PC樹脂を上記の方法により評価した。結果を表1に示す。また、この芳香族PC樹脂について1H−NMRスペクトル分析による構造確認の結果、その化学構造は下記の繰り返し単位からなるものであると認められた。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン200gを2mol/L濃度の水酸化カリウム水溶液920mlに溶解した溶液に、溶媒として塩化メチレン550mlを加えて攪拌しながら、冷却下、この液中にホスゲンガスを800ml/分の割合で30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機層として、重合度が2〜5であり、分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。
そして、得られた塩化メチレン溶液に、さらに塩化メチレンを加えて全量を600mlとした後、これに1,3−パーフルオロアダマンタンジオール70gを2mol/L濃度の水酸化カリウム水溶液200mlに溶解した溶液を加え、さらに分子量調節剤としてp−tert−ブチルフェノール5gを加えた。次いで、この混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7質量%濃度のトリエチルアミン水溶液1.0mlを加え、攪拌下に、25℃で1.5 時間反応させた。
反応終了後、得られた反応生成物を塩化メチレン1Lによって希釈し、水1.5Lで2回洗浄した。次いで、0.05mol/L濃度の塩酸により洗浄した後、さらに水1Lで2回洗浄した。そして、得られた有機相をメタノール中に投入して再沈精製することにより、芳香族PC樹脂の粉末を得た。
ここで得られた芳香族PC樹脂は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.6dl/gであった。この芳香族PC樹脂を上記の方法により評価した。結果を表1に示す。また、この芳香族PC樹脂について1H−NMRスペクトル分析による構造確認の結果、その化学構造は下記の繰り返し単位からなるものであると認められた。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン200gを2mol/L濃度の水酸化カリウム水溶液920mlに溶解した溶液に、溶媒として塩化メチレン550mlを加えて攪拌しながら、冷却下、この液中にホスゲンガスを800ml/分の割合で30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機層として、重合度が2〜5であり、分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。
そして、得られた塩化メチレン溶液に、さらに塩化メチレンを加えて全量を600mlとした後、これに1,3−パーフルオロアダマンタンジオール65gを2mol/L濃度の水酸化カリウム水溶液200mlに溶解した溶液を加え、さらに分子量調節剤としてp−tert−ブチルフェノール1gを加えた。次いで、この混合液を激しく攪拌しながら、触媒として7質量%濃度のトリエチルアミン水溶液1.0mlを加え、攪拌下に、25℃で1.5 時間反応させた。
反応終了後、得られた反応生成物を塩化メチレン1Lによって希釈し、水1.5Lで2回洗浄した。次いで、0.05mol/L濃度の塩酸により洗浄した後、さらに水1Lで2回洗浄した。そして、得られた有機相をメタノール中に投入して再沈精製することにより、芳香族PC樹脂の粉末を得た。
ここで得られた芳香族PC樹脂は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.5dl/gであった。この芳香族PC樹脂を上記の方法により評価した。結果を表1に示す。また、この芳香族PC樹脂について1H−NMRスペクトル分析による構造確認の結果、その化学構造は下記の繰り返し単位からなるものであると認められた。
Claims (7)
- ポリカーボネート樹脂が、さらに下記一般式(2)
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立にハロゲン原子、置換又は無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換又は無置換の炭素数6〜12のアリール基、置換又は無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基及び炭素数1〜12のフルオロアルキル基から選ばれる基を示す。p及びqは0〜4の整数である。Xは、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR3R4−(ただし、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、置換又は無置換のフェニル基及びトリフルオロメチル基から選ばれる基を示す。)、置換又は無置換の炭素数6〜12のシクロアルキリデン基、2,2−アダマンチル基、1,3−アダマンチル基、置換又は無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換又は無置換の炭素数4〜10のピラジリデン基、置換又は無置換の炭素数6〜12のアリーレン基、及び−C(CH3)2−Ph−C(CH3)2−(Phはフェニレン基を示す。)から選ばれる基を示す。]
で表される繰り返し単位を有する請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。 - 下記一般式(1)で表される繰り返し単位と下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂を製造するにあたり、下記一般式(6)で表されるフルオロアダマンタンジオールと、下記一般式(7)で表されるビスフェノール化合物と、炭酸エステル形成性化合物とを反応させることを特徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法。
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立にハロゲン原子、置換又は無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換又は無置換の炭素数6〜12のアリール基、置換又は無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基及び炭素数1〜12のフルオロアルキル基から選ばれる基を示す。nは1〜14の整数、p及びqは0〜4の整数である。Xは、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR3R4−(ただし、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、置換又は無置換のフェニル基及びトリフルオロメチル基から選ばれる基を示す。)、置換又は無置換の炭素数6〜12のシクロアルキリデン基、2,2−アダマンチル基、1,3−アダマンチル基、置換又は無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換又は無置換の炭素数4〜10のピラジリデン基、置換又は無置換の炭素数6〜12のアリーレン基、及び−C(CH3)2−Ph−C(CH3)2−(Phはフェニレン基を示す。)から選ばれる基を示す。] - 請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を用いてなる光学材料。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を用いてなる光学部品。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂を用いてなる光半導体用の封止材料又は接着材料。
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