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JP4524966B2 - ディーゼル機関の制御システム - Google Patents
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JP4524966B2 - ディーゼル機関の制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼル機関の制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル機関の排ガスには、CO、HC、NOx、黒煙等が含まれている。
NOxは、ディーゼル機関の筒内温度が高い程生成され易く、黒煙は燃料が低酸素濃度域で高温下に晒されることで生成される。そのため、筒内の空気密度の高いところでは、急激な燃焼が生じるために高温となってNOxが生成され、空気密度の低いところでは、燃料の脱水素反応が生じて黒煙が生成される。
【0003】
NOxの低減には、EGRを行うことが主流であるが、EGRを実施すると酸素濃度が減少するため、EGR等でNOxを低減させると黒煙が多量に排出される。つまり、NOxと黒煙はトレードオフ関係にあった。
これに対し、特開平8−86251号公報に記載された従来技術では、大量にEGRを行うことでNOxの排出を低減させ、且つ燃料噴射時期を遅角させて筒内の燃焼ピーク温度を下げることにより、NOxと黒煙の同時低減を可能としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の従来技術では、燃料噴射時期を遅角させることで筒内の燃焼が緩慢になるため、筒内の燃焼ピーク温度を下げるために遅角量を闇雲に大きくすると、ディーゼル機関の失火限界を超える(つまり失火する)虞があった。
その結果、例えば低温始動時の燃焼安定性が悪くなるといった問題が発生する。また、加速時には、燃焼速度の遅さから加速が緩慢になるため、所望の加速を得ようとして運転者がアクセルを踏み過ぎると、エミッション及び燃費が悪化するといった問題も生じる。
【0005】
なお、通常は、加速時に燃料噴射時期を遅角させることはなく、加速感を得るために進角させることが一般的である。しかし、燃料噴射時期を進角させると、NOxと黒煙の増加を招くため、所望の加速感を得ながらNOxと黒煙の同時低減を実現することは困難であった。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、ディーゼル機関を失火させることなく、NOxと黒煙の同時低減を実現できる制御システムを提供することにある。また、ディーゼル機関を加速運転する際に、所望の加速感を得ながらNOxと黒煙の同時低減を実現できる制御システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
本発明は、ディーゼル機関の運転状態から燃料噴射時期を算出する噴射時期算出手段と、ディーゼル機関の筒内酸素濃度を推定する筒内酸素濃度推定手段と、この筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度に基づいて、噴射時期算出手段で算出された燃料噴射時期を遅角させる噴射時期制御手段とを備えている。
また、筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を行う。
【0007】
燃料噴射時期の遅角量を大きくしていくと、筒内の燃焼速度が緩慢になり、何れは失火限界に達する。この失火限界に達する遅角量は、筒内酸素濃度(筒内の空燃比)に応じて異なる。つまり、筒内酸素濃度が大きい程、失火限界に達するまでの遅角量を大きく設定できる。従って、筒内酸素濃度に基づいて燃料噴射時期の遅角量を制御することにより、ディーゼル機関が失火に至ることなく、NOxと黒煙の同時低減を実現できる。
また、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を実行すると、筒内の圧縮端温度が上昇して着火遅れを短くできる。その結果、ディーゼル機関の失火を防止でき、NOxと黒煙の同時低減を実現できる。
【0008】
(請求項2の発明)
請求項1に記載したディーゼル機関の制御システムにおいて、
噴射時期制御手段は、ディーゼル機関を加速運転する時に、燃料噴射量に応じて燃料噴射時期の遅角量を制御する。
加速運転する時は、燃料噴射量が変化(増加)するため、それに伴って筒内酸素濃度も変化する(小さくなる)。従って、燃料噴射量に応じて燃料噴射時期の遅角量を制御することにより、ディーゼル機関が失火に至ることなく、NOxと黒煙の同時低減を実現できる。
【0009】
(請求項3の発明)
本発明は、ディーゼル機関の運転状態から燃料噴射時期を算出する噴射時期算出手段と、ディーゼル機関の筒内酸素濃度を推定する筒内酸素濃度推定手段と、ディーゼル機関を加速運転する時に、筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度に基づいて、噴射時期算出手段で算出された燃料噴射時期を遅角させる噴射時期制御手段とを備えている。
また、筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を行う。
【0010】
加速時は、燃料が増量噴射されるため、筒内のピーク温度は上昇する。この加速時に燃料噴射時期を遅角させると、上死点を過ぎた後、筒内圧力が低下し、温度が低下した筒内に燃料噴射するため、燃焼による筒内温度の上昇が比較的小さく、NOx及び黒煙の排出を抑制できる。
また、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を実行すると、筒内の圧縮端温度が上昇して着火遅れを短くできる。その結果、ディーゼル機関の失火を防止でき、NOxと黒煙の同時低減を実現できる。
【0011】
(請求項4の発明)
請求項1〜3に記載した何れかのディーゼル機関の制御システムにおいて、
噴射時期制御手段は、筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、燃料噴射時期の遅角量を制限する。
ディーゼル機関の失火限界に達する遅角量は、筒内酸素濃度に応じて異なり、筒内酸素濃度が小さくなる程、少しの遅角量でも失火限界に達する。そこで、筒内酸素濃度が所定値以下の場合は、燃料噴射時期の遅角量を制限することにより、ディーゼル機関の失火を防止でき、NOxと黒煙の同時低減を実現できる。
【0012】
(請求項5の発明)
請求項1〜3に記載した何れかのディーゼル機関の制御システムにおいて、
噴射時期制御手段は、筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、所定値からの偏差分だけ燃料噴射時期を進角させる。
請求項4の発明に記載した様に、筒内酸素濃度が小さくなると、少しの遅角量でも失火限界に達するため、筒内酸素濃度が所定値以下の場合は、燃料噴射時期を進角させる(筒内酸素濃度が所定値の時の燃料噴射時期より進角させる)ことでディーゼル機関の失火を防止でき、NOxと黒煙の同時低減を実現できる。
【0014】
(請求項の発明)
請求項1〜5に記載した何れかのディーゼル機関の制御システムにおいて、所定値は、ディーゼル機関の冷却水温及び機関回転数等の機関運転状態に関する情報によって決定される。これにより、ディーゼル機関の運転状態に最も適した所定値を選択することができる。
【0015】
(請求項7の発明)
本発明は、ディーゼル機関の運転状態から燃料噴射時期を算出する噴射時期算出手段と、ディーゼル機関の筒内酸素濃度を推定する筒内酸素濃度推定手段と、この筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度に基づいて、噴射時期算出手段で算出された燃料噴射時期を遅角させる噴射時期制御手段とを備えている。
また、噴射時期制御手段は、筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、燃料噴射時期の遅角量を制限する。
また、所定値は、ディーゼル機関の冷却水温及び機関回転数等の機関運転状態に関する情報によって決定される。
(請求項8の発明)
本発明は、ディーゼル機関の運転状態から燃料噴射時期を算出する噴射時期算出手段と、ディーゼル機関の筒内酸素濃度を推定する筒内酸素濃度推定手段と、この筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度に基づいて、噴射時期算出手段で算出された燃料噴射時期を遅角させる噴射時期制御手段とを備えている。
また、噴射時期制御手段は、筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、所定値からの偏差分だけ燃料噴射時期を進角させる。
また、所定値は、ディーゼル機関の冷却水温及び機関回転数等の機関運転状態に関する情報によって決定される。
(請求項9の発明)
請求項7または8に記載したディーゼル機関の制御システムにおいて、噴射時期制御手段は、ディーゼル機関を加速運転する時に、燃料噴射量に応じて燃料噴射時期の遅角量を制御する。
(請求項10の発明)
本発明は、ディーゼル機関の運転状態から燃料噴射時期を算出する噴射時期算出手段と、ディーゼル機関の筒内酸素濃度を推定する筒内酸素濃度推定手段と、ディーゼル機関を加速運転する時に、筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度に基づいて、噴射時期算出手段で算出された燃料噴射時期を遅角させる噴射時期制御手段とを備えている。
また、噴射時期制御手段は、筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、燃料噴射時期の遅角量を制限する。
また、所定値は、ディーゼル機関の冷却水温及び機関回転数等の機関運転状態に関する情報によって決定される。
(請求項11の発明)
本発明は、ディーゼル機関の運転状態から燃料噴射時期を算出する噴射時期算出手段と、ディーゼル機関の筒内酸素濃度を推定する筒内酸素濃度推定手段と、ディーゼル機関を加速運転する時に、筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度に基づいて、噴射時期算出手段で算出された燃料噴射時期を遅角させる噴射時期制御手段とを備えている。
また、噴射時期制御手段は、筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、所定値からの偏差分だけ燃料噴射時期を進角させる。
また、所定値は、ディーゼル機関の冷却水温及び機関回転数等の機関運転状態に関する情報によって決定される。
(請求項12の発明)
請求項1〜11に記載した何れかのディーゼル機関の制御システムにおいて、ディーゼル機関から排出される排気の一部を吸気中に戻すEGR手段を具備し、ディーゼル機関の運転状態に応じてEGR量を制御する。EGRはNOxを低減させるために有効であるが、同時に黒煙を生成する要因でもある。これに対し、燃料噴射時期を遅角させると、燃料と空気との混合が促進されるため黒煙の生成を抑制できる。従って、EGRと燃料噴射時期の遅角とを併用することにより、効果的にNOxと黒煙の同時低減を実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1はディーゼル機関の制御システムを示す全体構成図である。
本制御システムは、コモンレール式燃料噴射装置(下述する)を搭載するディーゼル機関(以下エンジン1と呼ぶ)に適用される。
【0017】
コモンレール式燃料噴射装置は、高圧ポンプ2より圧送された燃料を蓄えるコモンレール3と、このコモンレール3に高圧配管4を介して接続されたインジェクタ5(エンジン1の各気筒毎に設置される)とを備え、コモンレール3に蓄圧された高圧燃料がインジェクタ5からエンジン1のシリンダ内(筒内6)に噴射される。なお、高圧ポンプ2は、燃料タンク7から燃料を汲み上げるためのフィードポンプを内蔵している。
【0018】
コモンレール3には、コモンレール3内の燃料圧力を検出する圧力センサ8が取り付けられ、その圧力センサ8で検出された燃料圧力(センサ値)がECU9に出力される。
ECU9は、エンジン1のクランクシャフト10に取り付けられたクランク角センサ11からの信号とカム軸12に取り付けられたカム角センサ13からの信号とに基づいて高圧ポンプ2の燃料圧送期間を算出し、且つ圧力センサ8で検出された燃料圧力に基づいて目標コモンレール圧が得られる様に高圧ポンプ2の燃料吐出量を制御している。
【0019】
また、ECU9は、アクセルセンサ14によって検出されるアクセル開度、クランク角センサ11によって検出されるエンジン回転数、及び水温センサ15によって検出されるエンジン冷却水温等の情報から目標とする燃料噴射量を算出し、その燃料噴射量を達成するために、エンジン1の運転状態毎にコモンレール3内の燃料圧力から算出された開閉指令でインジェクタ5を駆動する。
【0020】
エンジン1の運転中に筒内6で燃焼した排ガスは、排気管16を通り、その排気管16に設置された排気浄化装置17により浄化されて排出される。なお、排気管16には、過給機18(バリアブルノズルターボ)を構成する排気タービン18Aが設けられ、吸気管19にはコンプレッサ18Bが設けられている。この過給機18の制御は、エンジン1の吸気圧を検出する吸気圧センサ20の信号と、過給機18のVNT駆動量を検出するVNT駆動量センサ21の信号とに基づいて行われる。
【0021】
一方、図示しないエアクリーナを通って吸気管19に吸入された吸入空気は、下述のEGR手段によって排気管16から吸気管19へ還流するEGRガスと混合してエンジン1の筒内6へ導かれる。
EGR手段は、吸気管19と排気管16とを連通するEGR通路22、このEGR通路22を還流するEGRガスの流量(EGR量)を調節するEGRバルブ23、EGR通路22に設けられるEGR冷却装置24等より構成される。
【0022】
EGRバルブ23は、エンジン1の運転状態に応じてECU9により制御される。具体的には、吸入空気量を検出するエアフロメータ25、EGRバルブ23の開度を検出するEGRバルブ開度センサ26、及び吸入空気の温度を検出する吸入空気温度センサ27からの信号を基に、最適なEGR量が得られる様にフィードバック制御される。
EGR冷却装置24は、例えば冷却水によってEGRガスを冷却することにより、筒内6へ導入されるEGRガスの充填効率を高めることができる。
なお、吸気管19には、大量のEGRを行う時に、吸入空気量を絞ることによって吸気負圧を増大させる吸気スロットル28が設置されている。
【0023】
次に、本発明に係わる燃料噴射時期の制御について説明する。
ECU9は、図2に示す様に、エンジン1の運転情報から現在の筒内酸素濃度を算出し、その筒内酸素濃度と、エンジン回転数、及びエンジン冷却水温から燃料噴射時期を算出している。この燃料噴射時期は、図3に示す様に、従来システムにて算出される燃料噴射時期(破線で示す位置:筒内酸素濃度を用いていない)より遅角させている。
【0024】
なお、エンジン1の運転情報には、例えばエンジン回転数、エンジン冷却水温、排気酸素濃度、吸気温度、吸気圧力、大気圧力等が含まれる。ここで、筒内酸素濃度は、排気酸素濃度から求めることができる。以下、筒内酸素濃度を排気酸素濃度とする。その排気酸素濃度は、排気管16に設置されたO2 センサ29にて検出される。このO2 センサ29は、公知の限界電流方式のもので、排気中の酸素濃度に応じた限界電流を発生する。
【0025】
a)始動時
エンジン始動時は、O2 センサ29が活性化していないため、予めECU9内で設定している燃料噴射時期にて始動する。O2 センサ29が活性化した後は、エンジン冷却水温、エンジン回転数、及び排気酸素濃度(O2 センサ29の出力)から求められる燃料噴射時期に制御される。なお、この排気酸素濃度等から求められる始動時の燃料噴射時期は、ディーゼル機関の運転状態から算出される燃料噴射時期より遅角したものである。
【0026】
この始動時は、エンジン1が十分に暖機されていないので、エンジン冷却水温が低く、筒内6の圧縮端温度が低い結果、燃料噴射から燃料の自己着火までの時間が長くなり、失火が生じ易い。且つEGRのために筒内酸素濃度が低くなっていると、更に失火し易くなる。そのため、エンジン冷却水温、エンジン回転数、筒内酸素濃度から最適な燃料噴射時期を設定することができる。この場合、図4に示す様に、エンジン冷却水温が低いために着火遅れが大きくなるため、失火防止と燃焼安定性を確保するために、燃料噴射時期は、エンジン暖機後に比べて同一運転条件にて進角することになる。
【0027】
b)定常運転時
エンジン始動後、エンジン冷却水温が所定温度を超えた場合も同様に、エンジン冷却水温、エンジン回転数、排気酸素濃度(O2 センサ29の出力)から最適な燃料噴射時期を設定する。
【0028】
c)加速時
加速時は、運転者が必要なエンジン出力を得るためにアクセルを踏み込む。この時、燃料噴射量は高応答で変化できるが、吸入空気はEGRバルブ23の応答性や過給機18の過給遅れ、及び吸入空気の慣性遅れ等の影響により、約300 〜2000msec遅れる。このため、アクセルを踏み込んだ直後は、空燃比が小さく酸素が少ない状態の筒内6に燃料を多量に噴射することになる。特に、大量のEGRで噴射時期を遅角させて燃焼温度を低下させる制御においては、通常でも空燃比が小さい(酸素濃度が小さい)状態で運転している。
【0029】
そのため、加速直後は、筒内酸素濃度が不足し、燃料が不完全燃焼して必要なエンジン出力が得られなくなる。その結果、運転者が更にアクセルを踏み込むと、更に不完全燃焼が助長されて燃焼が安定せず、最終的には失火に至ることになる(図5参照)。
従って、加速時には、エンジン冷却水温、エンジン回転数、排気酸素濃度(O2 センサ29の出力)から燃料噴射時期を決定することにより、失火することなく、滑らかな加速が可能となる(図6参照)。すなわち、加速時の燃料噴射時期の遅角量を制限することで、従来と比べて濃い空燃比においてもエンジンの失火を回避できる。
【0030】
本実施例に記載した制御システムによれば、筒内酸素濃度(筒内空燃比)を用いて燃料噴射時期を設定しているので、常に燃焼によって生じる筒内ピーク温度を或る所定温度以下に制御できる(図3参照)。その結果、NOxと黒煙の同時低減が可能であり、且つ始動時等の燃焼安定性の確保、及び加速時でのドライバビリティとエミッション低減の両立を精度良く達成することができる。
【0031】
(第2実施例)
第1実施例と異なるところは加速時にある。定常時は、第1実施例と同様に、エンジン回転数、エンジン冷却水温、及び排気酸素濃度(O2 センサ29の出力)から燃料噴射時期を決めている。
加速時は、第1実施例で説明した様に、不完全燃焼が助長されて失火に至る可能性がある。そこで、エンジン回転数毎に限界排気酸素濃度を設定しておき、排気酸素濃度(O2 センサ29の出力)が限界排気酸素濃度以下になった場合には、燃料噴射時期を限界排気酸素濃度以下になる寸前の値に固定する。これにより、失火に至ることなく、滑らかな加速が可能となる。
【0032】
(第3実施例)
第2実施例と異なる点について説明する。
加速時には、エンジン回転数毎に限界排気酸素濃度を設定しておき、排気酸素濃度(O2 センサ29の出力)が限界排気酸素濃度以下になった場合には、その限界排気酸素濃度からの偏差とエンジン回転数とから燃料噴射時期を決定する。
これにより、排気酸素濃度が不足した領域のみ燃料噴射時期を進角できる結果、滑らかな加速が可能となる。
【0033】
(第4実施例)
第2実施例と異なる点について説明する。
加速時には、エンジン回転数毎に限界排気酸素濃度を設定しておき、排気酸素濃度(O2 センサ29の出力)が限界排気酸素濃度以下になった場合には、その限界排気酸素濃度以下になった領域のみ、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を行う。これにより、図7に示す様に、筒内6の圧縮端温度を上昇できるので、同じ燃料噴射時期においても着火時期を早くできる結果、滑らかな加速が可能となる。
【0034】
(第5実施例)
他の実施例と異なる点について説明する。
筒内酸素濃度(筒内6の空燃比)を求める場合に、O2 センサ29の出力を用いないで、吸入空気量、吸気圧、燃料噴射量指令値等のエンジン運転状態に係わる各種情報から演算により求める。この場合、従来のシステムにO2 センサ29を付加することなく、本発明を達成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本制御システムの全体構成図である。
【図2】燃料噴射時期を算出する手順を図式化したブロック図である。
【図3】燃料噴射時期と筒内温度との相関を示す特性図である。
【図4】エンジン冷却水温と着火遅れとの関係を示す特性図である。
【図5】筒内空燃比と着火遅れとの関係を示す特性図である。
【図6】本制御システムのタイムチャートである。
【図7】パイロット噴射を実施した時の筒内温度の変化を示す特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン(ディーゼル機関)
6 筒内
9 ECU
22 EGR通路(EGR手段)
23 EGRバルブ(EGR手段)

Claims (12)

  1. ディーゼル機関の運転状態から燃料噴射時期を算出する噴射時期算出手段と、
    前記ディーゼル機関の筒内酸素濃度を推定する筒内酸素濃度推定手段と、
    この筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度に基づいて、前記噴射時期算出手段で算出された燃料噴射時期を遅角させる噴射時期制御手段とを備え
    前記筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を行うディーゼル機関の制御システム。
  2. 請求項1に記載したディーゼル機関の制御システムにおいて、
    前記噴射時期制御手段は、前記ディーゼル機関を加速運転する時に、燃料噴射量に応じて前記燃料噴射時期の遅角量を制御することを特徴とするディーゼル機関の制御システム。
  3. ディーゼル機関の運転状態から燃料噴射時期を算出する噴射時期算出手段と、
    前記ディーゼル機関の筒内酸素濃度を推定する筒内酸素濃度推定手段と、
    前記ディーゼル機関を加速運転する時に、前記筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度に基づいて、前記噴射時期算出手段で算出された燃料噴射時期を遅角させる噴射時期制御手段とを備え
    前記筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を行うディーゼル機関の制御システム。
  4. 請求項1〜3に記載した何れかのディーゼル機関の制御システムにおいて、
    前記噴射時期制御手段は、前記筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、前記燃料噴射時期の遅角量を制限することを特徴とするディーゼル機関の制御システム。
  5. 請求項1〜3に記載した何れかのディーゼル機関の制御システムにおいて、
    前記噴射時期制御手段は、前記筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、前記所定値からの偏差分だけ前記燃料噴射時期を進角させることを特徴とするディーゼル機関の制御システム。
  6. 請求項1〜5に記載した何れかのディーゼル機関の制御システムにおいて、
    前記所定値は、前記ディーゼル機関の冷却水温及び機関回転数等の機関運転状態に関する情報によって決定されることを特徴とするディーゼル機関の制御システム。
  7. ディーゼル機関の運転状態から燃料噴射時期を算出する噴射時期算出手段と、
    前記ディーゼル機関の筒内酸素濃度を推定する筒内酸素濃度推定手段と、
    この筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度に基づいて、前記噴射時期算出手段で算出された燃料噴射時期を遅角させる噴射時期制御手段とを備え、
    前記噴射時期制御手段は、前記筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、前記燃料噴射時期の遅角量を制限し、
    前記所定値は、前記ディーゼル機関の冷却水温及び機関回転数等の機関運転状態に関する情報によって決定されることを特徴とするディーゼル機関の制御システム。
  8. ディーゼル機関の運転状態から燃料噴射時期を算出する噴射時期算出手段と、
    前記ディーゼル機関の筒内酸素濃度を推定する筒内酸素濃度推定手段と、
    この筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度に基づいて、前記噴射時期算出手段で算出された燃料噴射時期を遅角させる噴射時期制御手段とを備え、
    前記噴射時期制御手段は、前記筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、前記所定値からの偏差分だけ前記燃料噴射時期を進角させ、
    前記所定値は、前記ディーゼル機関の冷却水温及び機関回転数等の機関運転状態に関する情報によって決定されることを特徴とするディーゼル機関の制御システム。
  9. 請求項7または8に記載したディーゼル機関の制御システムにおいて、
    前記噴射時期制御手段は、前記ディーゼル機関を加速運転する時に、燃料噴射量に応じて前記燃料噴射時期の遅角量を制御することを特徴とするディーゼル機関の制御システム。
  10. ディーゼル機関の運転状態から燃料噴射時期を算出する噴射時期算出手段と、
    前記ディーゼル機関の筒内酸素濃度を推定する筒内酸素濃度推定手段と、
    前記ディーゼル機関を加速運転する時に、前記筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度に基づいて、前記噴射時期算出手段で算出された燃料噴射時期を遅角させる噴射時期制御手段とを備え、
    前記噴射時期制御手段は、前記筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、前記燃料噴射時期の遅角量を制限し、
    前記所定値は、前記ディーゼル機関の冷却水温及び機関回転数等の機関運転状態に関する情報によって決定されることを特徴とするディーゼル機関の制御システム。
  11. ディーゼル機関の運転状態から燃料噴射時期を算出する噴射時期算出手段と、
    前記ディーゼル機関の筒内酸素濃度を推定する筒内酸素濃度推定手段と、
    前記ディーゼル機関を加速運転する時に、前記筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度に基づいて、前記噴射時期算出手段で算出された燃料噴射時期を遅角させる噴射時期制御手段とを備え、
    前記噴射時期制御手段は、前記筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、前記所定値からの偏差分だけ前記燃料噴射時期を進角させ、
    前記所定値は、前記ディーゼル機関の冷却水温及び機関回転数等の機関運転状態に関する情報によって決定されることを特徴とするディーゼル機関の制御システム。
  12. 請求項1〜11に記載した何れかのディーゼル機関の制御システムにおいて、
    前記ディーゼル機関から排出される排気の一部を吸気中に戻すEGR手段を具備し、前記ディーゼル機関の運転状態に応じてEGR量を制御することを特徴とするディーゼル機関の制御システム。
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