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JP4528684B2 - シミュレーション手法 - Google Patents
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Description

本発明は、一般的に、シミュレートする対象のシステムの数値近似の、コンピュータにより実施される手法に関し、特に、そのような手法を用いた電磁界の解析に関する。本発明は、マクスウェル方程式を解き、よって、所定の環境及び条件に対する電磁波伝搬の力学のシミュレートし、予測するよう、FD-TD(有限差分時間領域)法を用いた電磁界の解析に、排他的ではないが、特に、適用される。
種々の環境において生じる、電磁波伝搬などの各種の波動現象の影響のシミュレートし、検討する必要性が一層増大している。例えば、液体の伝搬、熱伝導や電磁波の照射の力学をシミュレートできることは、いくつかの産業において大いに効果的である。特に、電磁界のシミュレーションは、電子製品の設計及び開発において重要な役割を演じる。このように急速に変化している技術においては、製品を市場に投入するのに要する時間は、商業上の優位性を維持するうえで重大なものとなり得る。この点で、電磁気のシミュレーションは機器の開発を進めるうえで設計技術者によって大いに効果的なツールを備え得る。電磁気のシミュレーションは、例えば、複雑な電子的物体において発生する表面電流や内部フィールドを近似化するのに用い得る。電磁シミュレーションは、電子機器、特に移動体通信機器によって放出される電磁波の照射を解析してこのような機器に関する健康上や安全上の問題を評価するのに用いられる。更に、電磁散乱の研究は、構造表面の設計及び形状を最適化するために、飛行機などの多くの複雑な構造の設計における中心的な役割を演じている。対流熱伝導のシミュレーションは、電子機器において用いられているものなどの換気(冷却及び/又は暖房)システムの解析及び開発において手助けとなる有用なものとなっている。対流熱伝導のシミュレーションは、電子産業やその他の産業において発生している潜在的な火災危険度を検討しようとする火災シミュレーション手法において用いるのに適したツールも備える。
一般的に言えば、何れかのモデリング手法が包含する主要工程は:
1) 有限グリッド上に境界条件を課す必要性を考慮した、構造化グリッド上での当該システム(すなわち、構造又は環境)の幾何構造、更には、材料特性(例えば、電磁モデリングの場合、誘電率ε、透磁率μ及び導電率σを規定することとする。)を規定する工程;
2) 所定の時点でのグリッド内の各ノードでの当該物理現象に対する数値解を計算する工程;及び
3) 計算の各タイムステップで得られる解を視覚化し、潜在的に操作する手段を備える工程である。
そのようなモデリング手法における使い道を得る周知の手法はFD-TD法である。これは最初に、西暦1966年にYeeによって提案されており、1次元領域内、2次元領域内又は3次元領域内での電磁伝搬の特性を解析する、いくつかの計算シミュレーション・ツールにおいて用いられている。概括的に言えば、この手法は、マクスウェル方程式の微分形式を離散化する、有限差分及び有限時間領域の手法を用いる。この手法によって、マクスウェル方程式が必要とする電界変数の微分と磁界変数の微分が空間的な有限差分によって近似化され、計算は次に、一連のタイムステップにおいて進められる。
FD-TD法によって、シミュレーションが行われることになる、計算領域すなわち「スペース」は、1次元、2次元又は3次元において複数のセルを備える、時間においても空間においても離散化されているデカルト・グリッドによって表す。図4は、3次元のセルを示し、このセルの各点は、整数群(i,j,k)によって表され、i、j及びkは各々、x軸方向、y軸方向及びz軸方向におけるグリッド座標の数字である。セルの各々は、所定の時点での電界及び磁界に対する、いくつかの解の点又はノードを備える。この図では、電界成分は、セル面上で規定され、磁界成分はセル・エッジ上で規定される。FD-TDの原理によれば、電界は、よって、磁界からは空間的にも時間的にもずれている。
計算領域にグリッド構造を用いる、何れかの陽的数値モデリング手法と同様に、安定性を維持するよう、タイムステップΔtへの制約がセル・サイズに対して存在する。FD-TD法においては、このことは:
Figure 0004528684
によって表され、vは自由空間における光の速度である。この、クーラン・フリードリッヒ・レビー(CFL)条件として知られる安定条件は、グリッドのセル寸法との関連でタイムステップΔtのサイズへの制約を課す。
多くの場合、モデリングする対象の物体又は環境は、複雑な幾何構造若しくは小規模の幾何構造又は曲がった境界などのいわゆる不均一性を表す。これらの不均一性の影響を正確にシミュレートし、考慮するためには、計算領域は好ましくは、システムを通じて種々の詳細レベルを数値解手順がキャプチャすることを可能にする。複雑な構造すなわち小規模の構造を十分に分析することが可能でないグリッドを用いて電磁界を解析することは、不正確なシミュレーションにつながり、それは、多くのアプリケーションでは、重大な結果を有し得る。不十分な精度のモデルを得ることは、例えば、移動体通信機器からの電磁放射の人体に対する影響を解析する、人間の安全性が調査されるアプリケーションでは特に受け入れられない。更に、複雑な多次元の状況、例えば、ラップトップ・コンピュータなどの複雑な物体の電磁力学をシミュレートし、予測しようとする場合、ラップトップ内に発生している電磁作用を構成部分レベルで分析し、正確に表すことができることが必要である。
よって、シミュレーションに何れかのグリッド領域において用いるグリッドの寸法(Δx,Δy,Δz)はモデルにおける最小の特徴を正確に表すほど十分に小さくなければならないということが明らかである。当然、細かい幾何特徴は正確に表すには細かいグリッドのセルを必要とし、よって、一様なデカルト・グリッド(すなわち、3次元がΔx=Δy=Δzである矩形グリッド)が領域にわたって用いられる場合、細かい詳細を分析するのに必要な何れかの空間的な精緻化は計算グリッドの次元の大極的な精緻化につながる。同様に、高周波で変動する何れかの波動現象のシミュレーションは、細かいグリッドのセルが経時的に波の伝搬を正確に表すことを必要とする。当該物体又は当該物体の一部が電線などの小規模の幾何構造すなわち複雑な幾何構造である場合、例えば、電流が電線を流れる際に電線の付近において発生するフィールドを正確にモデリングするうえで細かいグリッドが必要であるということは明らかである。同様に、曲がった表面がデカルト・グリッドに合うよう階段形状にされているやり方が理由で、曲がった表面をモデリングする場合に発生するエラーは、グリッドの精緻化のより高いレベルを用いることによって軽減することが可能である。
よって、正確性を達成するよう、細かいグリッドのセルが不可欠である。一様な計算グリッドにおいて細かいグリッドのセルを用いる必要性の明らかな結果として、モデルにおける、セルの数、更には、したがって、解の点の数の増加がある。このことは同様に、メモリの点でも計算時間の点でも計算コストが増加することにつながる。FD-TD法の例では、この問題は、タイムステップΔtをグリッド・サイズに対して、グリッド・セルが細かいほどタイムステップΔtが小さくなるように制限し、それによって計算労力を更に増加させるCFL安定条件によって更に悪化する。3次元の、非常に複雑な、高周波のモデルを解析するよう開発されたソフトウェア・ツールはよって、実行するうえでかなりの時間を要するシミュレーションを行うのに、大容量メモリと、高処理能力の中央処理装置との形態での相当な計算資源を必要とする。
解に到達するよう、集団的計算に利用可能な処理要素のうちでグリッドがパーティション化されている並列処理は、数値近似の計算時間を削減し得る1つの手段を提供する。しかし、この手法は、特に複雑な状況では多くの場合、費用対効果がよくないが、それは、計算時間の削減において得られる効果が、余分な処理要素を追加する相当なコストによって打ち消される場合があるからである。
計算領域全体を細かいセルのグリッドに分割するかわりに、領域にわたって大極的に粗いグリッドを用い、更に、1つ又は複数の細かいグリッドを適用することが知られており、細かいグリッドの各々が、それらが必要な領域において複数の細かいグリッドのセルを有する。粗いグリッドを備え、組み込んだ細かいグリッドを有する領域は図1A及び図1Bに示す。「粗いグリッド」の語は、領域全体に適用され、最低レベルの精緻化を有するグリッドを意味することとして解すこととする。サブグリッドとして知られるこの手法はしたがって、それらが粗いグリッドのモデル内で必要な領域において局所で細かいグリッドを巧みに組み込んで、小規模構造を分析するか曲がった境界のモデリングを改善することによって計算量上の資源の要件を削減することが可能である。メモリにおける削減も計算時間における削減もかなりのものであり得るが、この手法は解の精度を細かいグリッドのモデルによって達成されるものに維持する。
計算領域全体を通して非常に小さいタイムステップを用いる必要がなくてすむようにするこの手法によって達成することが可能なかなりの計算量上の効果にもかかわらず、サブグリッド手法は、粗いグリッドと細かいグリッドとの間の境界で生じる数値的な不安定性が主な理由で、少なくともFD-TDにおいては一般的に適用されていない。数値的な不安定性は、粗いグリッドと細かいグリッドとの間の境界での解の点の数における不連続性の結果として生じる。特に、2つのグリッドの間の境界で情報を伝えるのに必要な時間的補間及び空間的補間によってエラーがもたらされる。前述のサブグリッド手法では、所定の時点での粗いグリッドの解をまず得ることが一般的である。細かいグリッド内の細かいグリッドのセルの解の点は更に、欠けている細かいグリッド値を「埋める」補間手法に続いて粗いグリッドと細かいグリッドとの間の適切な境界から更新される。よって、補間を用いることが必要であることは、解が更新される都度、計算領域内の種々の精緻化レベルのグリッド間の境界全てで数値エラーがもたらされることにつながるということが分かり得る。
図1Aに示す領域の場合、細かいグリッドは、9つの粗いグリッドのセルの中に組み込まれた細かいグリッドのセルの領域を備えるものとして規定されている。よって、細かいグリッドの周囲は粗いグリッドと細かいグリッドとの間の境界を形成する。細かいグリッドはあるいは、例えば、単一の粗いセルの中に組み込まれた細かいグリッドのセルの領域として規定し得る。この場合には、図1Aに示す領域は、9つの隣接する細かいグリッドを有する粗いグリッドを備えることとし得る。同様に、単一の粗いセルの周囲でもある、細かいグリッド各々の周囲は、粗いグリッドと細かいグリッドとの間の境界を規定する。細かいグリッドが1つ又は複数の別の細かいグリッドに隣接する場合、隣接する細かいグリッドの各々の間のいわゆる共通の境界が存在することになる。よって、異なる精緻化レベルの2つのグリッドの間の「境界」の数と、これらの境界の位置は高精緻化レベルのグリッドの周囲が規定される方法によって変わってくることが分かる。明らかに、計算領域内の比較的小さな寸法の複数の細かいグリッドを用いることは、境界全てで必要な補間が理由でもたらされるエラーの増加につながる。
よって、組み込まれたグリッドすなわち細かいグリッドの解の点で得られる解の精度を改善させることが望ましい。
本発明の第1特徴によれば、シミュレートする対象の物理システムの数値近似を得る、コンピュータにより実施される方法を備え、該方法は、複数の粗いグリッドのセルを有する粗いグリッドと、精緻化整数kの複数の1次レベルの細かいグリッドのセルを有する2つ以上の隣接する1次レベルの細かいグリッドとを備える計算領域を利用し、粗いグリッドのセルと細かいグリッドのセルとの各々は、シミュレートする対象の物理システムの物理的数量を表す値を取得し得る1つ又は複数の解の点を有し、時間上の所定の段階で全てのセルの少なくとも1つの解の点の値を得るために計算手順が行われ、計算手順中に、隣接する細かいグリッドに共通の、粗いグリッドと一次レベルの細かいグリッドとの間の境界での1次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での新たな値が、その共通の境界に隣接する1次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での前の値から得られる。
本発明の第2特徴によれば、シミュレートする対象の物理システムの数値近似を得る装置を備え、該装置は:i)複数の粗いグリッドのセルを有する粗いグリッドと、精緻化整数kの複数の1次レベルの細かいグリッドのセルを有する2つ以上の隣接する1次レベルの細かいグリッドとを備える領域を備え、粗いグリッドのセルと細かいグリッドのセルとの各々は、シミュレートする対象の物理システムの物理的数量を表す値を取得し得る1つ又は複数の解の点を保有し、該装置は更にii)時間上での所定の段階でのセル全ての少なくとも1つの解の点での値を取得するために計算手順を行うよう動作可能な計算手段を備え、隣接する細かいグリッドに共通の、粗いグリッドと1次レベルの細かいグリッドとの間の境界での1次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での新たな値は、共通境界に隣接する1次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での前の値から得られる。
本発明の第1特徴の実施例又は第2特徴の実施例によれば、隣接する細かいグリッドの領域の間の共通の境界上に存在している粗いグリッドの境界の値はよって、更新中に利用されるものでない。むしろ、共通の境界での新たな細かいグリッドの解は、共通の境界に隣接する細かいグリッドの解の点からの前の値を用いて得られる。よって、実際には、複数の隣接したグリッドの周囲全体は、隣接する細かいグリッドの間で情報が伝達される方法が理由で単一のエンティティを備えるものとしてみなし得る細かいグリッドの領域の周囲を規定する。
しかし、隣接する細かいグリッド間の共通の境界以外では、細かいグリッド各々の周囲上の細かいグリッドのセルの解は、空間的補間及び時間的補間によって共同配置された粗いグリッドの値からなお得なければならない。「隣接する」の語は、細かいグリッドが少なくとも1つの共同配置された解の点を有するということを意味するものとして解されることとする。
精緻化整数kは、(3次元グリッド構造の場合)x方向、y方向及びz方向の各々にセルが分割された整数である。これは、したがって、粗いグリッドのセルの寸法と細かいグリッドのセルの寸法との比率である。よって、粗いセルが精緻化レベルkの細かいグリッドのセルをその中に組み込ませている場合、各方向にkの細かいグリッドのセルが存在することになる。高レベルの精緻化が低レベルの精緻化を有する細かいグリッド中に埋め込まれている場合がある、いくつかの精緻化レベルを有する領域が想定されるということが分かる。例えば、1次レベルの細かいグリッドが、1つ又は複数の1次レベルの細かいグリッドのセルの中に組み込まれている少なくとも1つの2次レベルの細かいグリッドを有する場合があり、2次レベルの細かいグリッドは精緻化整数lを有し、l>kである(kは1次レベルの細かいグリッドの精緻化整数である。)。すなわち、2次レベルの細かいグリッドは、1次レベルの細かいグリッドに対して精緻化整数l>1を有する。よって、非均一性の特定の特徴又はソースを分析するために、粗いグリッドのかなりの精緻化が必要である場合、精緻化の所要レベルは、一連の精緻化段階において効果的に達成することが可能である。このようにして、粗いグリッドと、所要精緻化レベルの究極のグリッドとの間の不連続性がより漸進的にもたらされ、それによって計算手順により大きな安定レベルがもたらされる。
本発明の第1特徴の好適実施例及び第2特徴の好適実施例は効果的には、先行して提案されたサブグリッド手法よりも少ないエラーを解の処理にもたらすが、それは、値が同じ精緻化レベルの隣接する細かいグリッドの間で伝達されるからである。よって、本発明の第1特徴又は第2特徴を実施する手法は、隣接する細かいグリッドの細かいグリッドのセルの間の空間的な一致を利用し、よって、隣接する細かいグリッド間での共通の境界での空間的補間及び時間的補間を行う必要がなくて済む。
全領域レベルの細かいグリッドの手法よりも計算量上効率的であるが、公知のサブグリッド手法は、小規模の構造又は曲がった境界などの特定の不均一性をシミュレートするのに用いる場合に非効率的なものとしてなお、みなし得る。この理由は、解の点をFD-TDなどの陽的手法によって更新しなければならない方法が理由で、(何れかの精緻化レベルの)規則的な形状の(例えば、矩形の)グリッドを用いることが、そのグリッドの完全な更新を可能にするために必要である。したがって、シミュレートする小規模の構造又は境界の全部を領域が包含するように細かいグリッドの各々の周囲の寸法を選ぶことが必要である。例えば、信号線構造が共通であり、多くの場合、単純な直線経路をたどらない、システム・レベルの電磁シミュレーションの場合を検討する。信号線構造全体を概して含むのに十分なサイズの単一の組み込まれた矩形グリッドを適用することは、シミュレーションの計算コストをかなり増加させ、信号線によって占められる空間が細かいグリッドの空間の軽微な割合に過ぎない場合に非効率的であるものとしてみることが可能である。よって、領域のかなりの部分は細かいグリッドの計算資源が更新することが必要であるが、高レベルの精緻化に価する特徴をなお含まない状況が存在するということがこの例から分かり得る。
よって、本発明の好適実施例は、先行して検討された手法よりも大きな効率で不均一性を分析することによって多次元システムの近似化もしようとする。そのような手法は、FD-TDサブグリッド手法において、更には、デカルト・サブグリッドすなわち非物体適合サブグリッドを用いる数多くの他の計算シミュレーション手順においても特に使い道を見出すことになる。
よって、本発明の好適実施例によれば、細かいグリッドは効果的には、シミュレートする対象のシステムにおいて生じる不均一性のソースを実質的にマッピングするよう領域内に配置される。隣接する細かいグリッドに共通の、粗いグリッドと細かいグリッドとの境界の両端で値が伝達される方法は、不均一性のソースの幾何学的外形線をたどるよう領域内に選択的に配置される複数の細かいグリッドを用いることを補完するが、それは、そのことが、それらの間での共通の境界での補間が何らなくそれらのグリッドが更新されることを可能にするからである。よって、隣接したグリッドは、情報を空間的補間の必要も時間的補間の必要もなくそれらの間で伝達し得るという意味合いで、接続されているといえる。隣接する細かいグリッドはよって事実上、単一のエンティティとなる。隣接する細かいグリッドの周囲は共線でなくてよいので、非矩形の周囲を有する細かいグリッドのエンティティすなわち領域はよって考えられ、小規模構造などの外形線をマッピングし得る有用な手段を備える。
計算領域又は計算領域内の細かいグリッドの領域を配置させてシステムにおいて生じている不均一性のソースを実質的にマッピングすることは効果的には、システム解析を行ううえでのより効率的なツールを備え、よって、より高速のシミュレーションを行うことに寄与する。更に、非矩形の細かいグリッドのエンティティが、大きな矩形グリッドを適用することの代わりとして不均一性のソースを分析するよう想定されているので、細かいグリッドのセルの所要総数が、計算手順を達成するのに必要な計算資源と同様に、削減される。
好ましくは、計算領域はコンピュータ上で実行されるコンピュータ・プログラムによって作成される。システム幾何構造及び材料特性を表す入力データは好ましくはユーザによって入力される。更に、計算手順は好ましくは、インストールされ、コンピュータ上で実行されるコンピュータ・プログラムによって行われる。
本発明の第1特徴及び第2特徴は効果的には、FD-TD(有限差分時間領域)法に基づいた、電磁界の数値近似に用いる場合があり、電界
Figure 0004528684
の解の点が磁界
Figure 0004528684
の解の点に対して直交的にずれている、電磁界の解の点の配置を粗いグリッドのセルと細かいグリッドのセルとの各々が保有し、空間におけるAフィールドの点での(B=H又はEの各々である)Bフィールドの勾配項に対して、所定の時点及び、空間における点での(A=E又はHである)Aフィールド成分の新たな値を規定するFD-TD更新方程式を用いて電磁界の解を得るよう計算手順が行われ、空間におけるAフィールドの点の一方側でのBフィールドの値と空間におけるAフィールドの点の反対側でのBフィールドの点との差異によって勾配項は近似化される。
励起ソースが細かいグリッドで挿入される場合にマルチグリッドFDTD法において人工的な時間的反射が生じる。時間的補間によって境界で得られる中間値が細かいグリッドの中間値と一致しない場合に、励起からの細かいグリッドの中間値が粗いグリッドとの境界に達する際に生じる不一致によってもたらされる。この不一致を取り除くよう、本発明の実施例によれば、粗いグリッドと細かいグリッドとの境界での時間的補間で用いられるように細かいグリッドで励起ソースを挿入するのに用いられる。
所定の時点でフィールドの解を更新するために行われる計算手順の間に、1つ又は複数の細かいグリッドが存在する領域でも粗いグリッド全体を更新することが必要である。このことは、同様に、そのグリッドの更新を完全に完了し、よって、領域全体を通した電磁伝搬を近似化するために特定の精緻化レベルのその矩形グリッドにおける点全てで得ることが可能な値によって変わってくるFD-TD法の陽的特性が理由である。例えば、細かいグリッドが存在した領域において粗いグリッドの解が中止された場合、粗いグリッドには「ホール」が事実上あることになる。その場合、細かいグリッドの領域から所要の粗いグリッドの値が欠けていることになるので、細かいグリッドの付近での解の点での粗いグリッドを更新することが可能でないことになる。更に、公知のFD-TD法で用いられる前述の計算手順では、細かいグリッドの領域における所定のフィールド成分の粗いグリッドの解を得るために、直交フィールド成分の適切な粗いグリッドの値が用いられる。よって、異なる精緻化レベルのグリッドについて得られる解の間に生じる何れかの不一致を永続させることが可能である。
理想的なシナリオでは、例えば粗いグリッドについて得られる数値解は、細かいグリッドの更新中に得られる共同配置された細かいグリッドの解の点で得られるものに一致することになる。しかし、グリッド解間の不一致は必然的なものであり、補間及び境界条件によって解にもたらされるエラーが主たる理由で生じる。よって、共同配置された(すなわち、細かいグリッドの精緻化整数が奇数である)解の点が存在し得るものであっても、2つのグリッド間の数値的結合は乏しい場合がある。実際に、細かいグリッドのセル(すなわち高い精緻化レベルのセル)にも粗いセル(すなわち低い精緻化レベルのセル)にも共通の共同配置されたエッジの周りの不一様な値のフィールドが頻繁に存在するという問題がある。よって、これらの状況で、更には、異なる精緻化レベルのグリッドの間で安定度を達成するよう、多くの場合、数値平滑化手法を行う必要がある。数値的不安定性は、高レベルの細かいグリッドの精緻化整数が偶数である場合に更に悪化するが、それは、共同配置されたエッジに沿って中央値が何ら存在せず、更新計算において必要である適切な粗いグリッドの値を得るうえでの追加の補間が必要であるからである。
前述のように、組み込んだ細かいグリッドを用いることによってコンピュータにより実施されるシミュレーション手法にもたらされる数値的不安定性は、サブグリッド手法が一般的にTD-FD法に適用されていないということを意味している。よって、異なる精緻化レベルのグリッドの間での数値的結合を改善させることが望ましい。
本発明の第3特徴によれば、複数の粗いグリッドのセルを有する粗いグリッドと、精緻化整数kの少なくとも1つの1次レベルの細かいグリッドとを備える領域を利用するFD-TD(有限差分時間領域)法に基づいて電磁界をシミュレートする、コンピュータにより実施される方法を備え、1次レベルの細かいグリッドは複数の1次レベルの細かいグリッドのセルを有し、粗いグリッドのセルと細かいグリッドのセルとの各々は、電界
Figure 0004528684
の解の点が、磁界
Figure 0004528684
の解の点に対してずれている、電磁界の解の点の配置を有し、空間におけるAフィールドの点での(B=H又はEの各々である)Bフィールドの勾配項に対する所定の時点及び空間における位置での(A=E又はHである)Aフィールド成分の新たな値を規定するFD-TDの更新方程式を用いて電磁界の解を得る計算手順が行われ、空間におけるAフィールドの点の一方側でのBフィールドの値と空間におけるAフィールドの点の反対側でのBフィールドの値との差によって近似化され、1次レベルの細かいグリッドの解の点が粗いグリッド上に存在する共同配置されたエッジに隣接する解の点でのAフィールド成分の粗いグリッドを更新するうえで必要な勾配項は、共同配置されたエッジ上の解の点での細かいグリッドのBフィールド値の全ての総和を用いて計算される。
本発明の第4特徴によれば、電磁界をシミュレートする装置を備え、該装置は:
i)複数の粗いグリッドのセルを有する粗いグリッドと、精緻化整数kの少なくとも1つの1次レベルの細かいグリッドとを有する領域を備え、1次レベルの細かいグリッドは複数の1次レベルの細かいグリッドのセルを有し、粗いグリッドのセルと細かいグリッドのセルとの各々は、電界
Figure 0004528684
の解の点が、磁界
Figure 0004528684
の解の点に対してずれている、電磁界の解の点の配置を有し、該装置は更に、
ii)電磁界の解を得るために計算手順を行うよう動作可能な計算手段を備え、計算手段は、空間におけるAフィールドの点での(B=H又はEの各々である)Bフィールドの勾配項に対して所定の時点と空間における位置とでの(A=E又はHである)Aフィールド成分の新たな値を規定するFD-TD更新方程式を用い、勾配項は、空間におけるAフィールドの点の一方側でのBフィールドの値と、空間におけるAフィールドの点での反対側でのBフィールドの値との間の差によって近似化され、1次レベルの細かいグリッドの解の点が粗いグリッド上に存在する共同配置されたエッジに隣接する解の点でのAフィールド成分の粗いグリッドを更新するのに必要な勾配項が、共同配置されたエッジ上の解の点での細かいグリッドのBフィールドの値の全ての総和を用いて計算される。
好ましくは、本発明の第3特徴及び第4特徴によれば、空間位置(g+1)と空間位置(g)との間の成分方向gにおいて必要なBフィールドの勾配は、
Figure 0004528684
によって近似化され、fは、座標位置(g+1)又は座標位置(g)の各々で規定される勾配項を判定するうえで用いる対象のBフィールドの解の点の数を表し、Sは、解の点の各々が成分方向gに直交した方向において規定される表面積を表し、
Figure 0004528684
は単位垂直ベクトルを表し、Vは粗いセルの体積を表す。
本発明の第3特徴及び第4特徴を実施する方法と装置との各々は効果的には、細かいグリッドが存在する領域において得る粗いグリッドの解がより正確であることを備えるが、それは、数量が、高い精緻化レベルのグリッドから低い精緻化レベルのグリッドにマッピングされる場合に、必要な勾配項の近似化が、単に、粗いグリッドの値の対の間の空間差分ではなく、共同配置されたエッジで生じる値全てを利用する。このようにして粗いグリッドの更新中に細かいグリッドの情報を用いることは、異なる精緻化レベルのグリッドについて得られる解の間の数値的「マッチング」を改善する役目を担う。よって、共同配置されたエッジの周りでの数値的平滑化に対する必要性は、軽減されるか、全く必要でない。更に、組み込まれた細かいグリッドが(kが偶数である)偶数の精緻化整数kを有する場合に補間は何ら必要でないので、解の手順において生じ、グラフィカル・シミュレーションに伝達されるエラーは削減される。シミュレーションの数値的な安定性及び精度はしたがって、効果的には改善される。
本発明の第5特徴によれば、コンピュータ上で実行される場合に、シミュレートする対象の物理システムの数値近似をコンピュータが得るようにするコンピュータ・プログラムを備え、該プログラムは:
i)複数の粗いグリッドのセルを有する粗いグリッドを備える領域と、精緻化整数kの複数の1次レベルの細かいグリッドのセルを有する少なくとも2つの隣接する1次レベルの細かいグリッドを備える1次レベルの細かいグリッドの領域とを備える領域を作成する領域作成プログラム部分を備え、粗いグリッドのセルと細かいグリッドのセルとの各々が、シミュレートする対象の物理システムの物理的数量を表す値を取得し得る1つ又は複数の解の点を保有し、該プログラムは更に、
ii)時間における所定の段階での各セルの少なくとも1つの解の点での値を得るために計算手順を行う計算プログラム部分を備え、計算手順中には、隣接する細かいグリッドに共通の、粗いグリッドと、1次レベルの細かいグリッドとの間の境界での1次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での新たな値は、その共通の境界に隣接する1次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での前の値から得られる。
本発明の第6特徴によれば、コンピュータ上で実行される場合にコンピュータに電磁界のシミュレートさせるコンピュータ・プログラムを備え、該プログラムは:
i)複数の粗いグリッドのセルを有する粗いグリッドと、精緻化整数kの複数の1次レベルの細かいグリッドのセルを有する1次レベルの細かいグリッドとを備える領域を作成する領域作成プログラム部分を備え、粗いグリッドのセルと細かいグリッドのセルとの各々が、電界
Figure 0004528684
の解の点が、磁界
Figure 0004528684
の解の点に対してずれている、電磁界の解の点の配置を有し、該プログラムは更に、
ii)電磁気の解を得るために計算手順を行う計算プログラム部分を備え、計算手段は、空間におけるAフィールドの点での(B=H又はEの各々である)Bフィールドの勾配項に対して所定の時点及び空間における点で(A=E又はHである)Aフィールド成分の新たな値を規定するFD-TD更新方程式を用い、勾配項は、空間におけるAフィールドの点の一方側でのBフィールドの値と空間におけるAフィールドの点の反対側でのBフィールドの値との間の差によって近似化され、1次の細かいグリッドの解の点での共同配置されたエッジに隣接する解の点でのAフィールド成分の粗いグリッドを更新するうえで必要な勾配項は、共同配置されたエッジ上の解の点での細かいグリッドのBフィールドの値の全ての総和を用いて計算される。
好ましくは、空間位置(g+1)と空間位置(g)との間の成分方向gにおける所要Bフィールドの勾配は:
Figure 0004528684
によって近似化され、fは、座標位置(g+1)又は座標位置(g)各々で規定される勾配項を判定するうえで用いる対象のBフィールドの解の点の数を表し、Sは、成分方向gに直交した方向において解の点の各々が規定される表面積を表し、
Figure 0004528684
は単位垂直ベクトルを表し、Vは粗いセルの体積を表す。
本発明の実施例は、構造化デカルト・グリッドを備える領域を用いる数値近似法において特に使い道を見出す。
本発明をより良く理解し、同じことを実施する方法を示すよう、次に、例として、添付図面を参照することとする。
図1Aは、2次元で、粗いグリッド20を備え、細かいグリッド21をその中に組み込ませた計算領域の部分を示す。9つの粗いグリッドのセルの部分内に組み込まれている細かいグリッドの周囲は、粗いグリッドと細かいグリッドとの間の境界を形成する。図1Bは、3次元で、粗いグリッド22と、細かいグリッド23をその中に組み込ませた細かいグリッド23とを備える計算領域の部分を示す。
計算領域の部分は図2にも示す。この領域は2つの隣接する細かいグリッド24及び25を備える。線Mによって表す、各グリッドの周囲は、粗いグリッドと、細かいグリッドの各々との間の境界を形成する。したがって、共通の境界26が2つのグリッド間に存在する。本発明の第1特徴の実施例及び第2特徴の実施例によれば、情報がこの共通の境界の両端を伝達される。2つの細かいグリッド24及び25によって形成される細かいグリッドの領域の周りの線Nによって表す周囲を形成する全ての他の境界では、粗いグリッドから細かいグリッドに値をマッピングするために空間的補間及び時間的補間を行う必要がある。1次レベルの細かいグリッドの解の点が粗いグリッド上に存在するいくつかの共同配置されたエッジが存在することになるということが分かり得る。共同配置されたエッジでもある、粗いグリッドと細かいグリッドとの間の境界エッジの全てに加えて、27及び28は細かいグリッド24及び25の各々の中に共同配置されたエッジを備える。本発明の第3特徴及び第4特徴によれば、細かいグリッドの領域における粗いグリッドの更新中に、これらの共同配置されたエッジでのフィールド値は合計され、FD-TD更新ステンシルを用いた電磁シミュレーションに必要な勾配項の近似化に用いられる。
図3Aは、精緻化整数k=4の細かいグリッドの領域2を有する粗いグリッド1を備える2次元の領域を示し、細かいグリッドの領域は6つの隣接する細かいグリッドS1乃至S6から成り、細かいグリッドの各々は単一の粗いグリッド・セル中に組み込まれている。Pは細かいグリッドの領域の周囲を規定し、粗いグリッドと細かいグリッドの領域との間の外部境界eから成る。1次レベルの領域のセルのエッジ又は面が粗いグリッドの領域のセルのエッジ又は面と一致する、細かいグリッド領域2内の各点で共通の境界iが存在する。各グリッド点は、整数対(i,j)によって表す場合があり、i及びjはx軸方向とy軸方向との各々におけるグリッド座標の数字である。セルの各々は、所定の時点で求められる数値近似のいくつかの解の点を備える。よって、グリッド上の数学的な解からシミュレートされるピクチャは、所定の時点nでシミュレートされる物理システムを表す。この図では、細かいグリッドS4について表すように、セル・エッジとセル面との各々で解の点が備えられている。
解の点の各々での値を更新するために、解が所定の時点で、先行する時点での値を参照しながら得られる、いわゆる陽的時間進行解手順が行われる。解はまず、このようにして粗いグリッドについて得られる。通常、計算手順の間に、更には、細かいグリッドの各々の解の点を更新するために、細かいグリッドの領域2内の共通の境界の各々での細かいグリッドの値を、空間的補間及び時間的補間によってその共通の境界で粗いグリッドの解から得たことになる。よって、値a5、a6、a9及びa10を得るために、補間がA3及びA5を用いて行われる。標準的な線形補間関数は、時間的補間にも空間的補間にも一般的に用いられる。特に、時間的補間関数は:T(An,An+1,j)=An+j(An+1−An)によって表し得るものであり、jは欠けている細かいグリッドの時間値である。例えば、図1では、位置A3での欠けている時間値n+1/4は:
Figure 0004528684
によって表される。更に、空間的補間関数は:S(Ai,Aj,d)=Ai+d(Ai−Aj)によって表す場合があり、その場合、i及びjは値Aの粗いグリッドの位置の座標であり、dは、iからjまでの経路に沿ったiから離れた正規化距離である。例えば、図1Aでは、a5の欠けている空間値は、a5=S(A3,A5,d5)である。
細かいグリッドのセルの解の点はこのようにして、欠けている細かいグリッドの値を「埋める」補間法に続く更新の方向に適切な粗いグリッドの境界から更新される。数値エラーはよって、細かいグリッドの領域中の共通の境界全てでもたらされる。前述の細かいグリッドはよって、空間的に接続されていないといえる場合がある。その結果、隣接する細かいグリッド間の時間的スペースは効果的に解放される。
対照的に、本発明の第1特徴又は第2特徴の実施例によれば、隣接する細かいグリッド間の共通の境界上に存在する粗いグリッドの境界の値は更新中には利用されない。むしろ、共通の境界での新たな細かいグリッドの解は、共通の境界に隣接する細かいグリッドの解の点からの前の値を用いて得られる。事実上、複数の隣接するグリッドの周囲全体が、隣接する細かいグリッド間で情報が伝達される方法が理由で単一のエンティティを備えるものとみなし得る、細かいグリッドの領域の周囲を規定する。よって、この2次元領域では、値が、隣接グリッド間で、すなわち、x方向において解の点を更新する場合には、S1とS2との間、S2とS3との間、S4とS5との間及びS5とS6との間で、かつ、y方向において解の点を更新する場合には、S4とS1との間、S5とS2との間、及びS6とS3との間で、共通の境界iの両端を伝達される。
しかし、隣接する細かいグリッド間の共通の境界以外では、細かいグリッド各々の周囲上の細かいグリッドのセルの解は、空間的補間及び時間的補間によって共同配置された粗いグリッド値からなお得なければならないということが分かる。図3Bは、細かいグリッドの領域の当初の境界での値を得るのに必要な補間手順を示すために、図3Aに示す粗いセルC(i,j+1)及び細かいグリッドS4の拡大バージョンを示す。シミュレーションに適切な数値更新ステンシルを用いて粗いグリッドの解の点A1及びA4について解を得る。細かいグリッドの解の点の更新を開始するために、共同配置された粗いグリッドの点A2と少なくとも1つの他の粗いグリッドの値との間の空間的補間及び時間的補間から得なければならない解の点a1乃至a4で空間値が必要である。上記のものなどの標準的な線形補間関数は、解の点a1乃至a4で細かいグリッドの解を得るうえで用いるのに十分である。よって、位置A2での欠けている時間値n+1/4は、
Figure 0004528684
によって表す。更に、空間的補間関数は、S(Ai,Aj,d)=Ai+d(Ai−Aj)によって表され、その場合、i及びjは値Aの粗いグリッドの位置の座標であり、dはiからjまでの経路に沿ったiからの正規化距離である。
本発明の実施例が図4に示すものなどの構造化グリッドを利用するFD-TD法に適用される特定の例を次に表すこととする。図4は、セルの各点を整数(i,j,k)によって表す3次元のセルを示し、その場合、x軸方向、y軸方向及びz軸方向各々におけるグリッド座標数字である。セルの各々は、所定の時点での電磁界のいくつかの解の点又はノードを備える。この図では、電界成分はセル面上で規定され、磁界成分はセルのエッジ上で規定される。FD-TDの原理によれば、電界の解の点はよって、磁界の解の点から空間的にも時間的にもずれている。このことは、同じ時点又は空間における同じ位置で電界と磁界との両方について得られる解は何らないということを意味する。むしろ、電界は、所定の時点、例えば、n=0、1、2…で求められ、磁界は、次の時点、例えば、n=0.5、1.5、2.5…で求められる。このことは図で図5に示しており、この図5は、空間における点全てで初期フィールド条件がゼロである中心ソース点から伝搬している単純な電磁波を示す。
電磁放射をシミュレートするFD−TD法に関連した以下の背景理論は、本発明の理解を助けるうえで有用であるものとみなす。
何れかの電磁界は、マクスウェル方程式によって完全に説明される。
Figure 0004528684
この場合、E=(Ex,Ey,Ez)は電界(V/m)であり、H(Hx,Hy,Hz)は磁界(A/m)であり、εは誘電率(F/m)であり、μは透磁率(H/m)であり、σは導電率(S/m)である。
式(3)及び(4)を成分形式で記述することによって
Figure 0004528684
がもたらされる。
式(3)から、Hフィールドの時間微分はEフィールドの回転(すなわち、空間にわたるEフィールドにおける変化)によって変わってくる。同様に式(4)から、Eフィールドの時間微分は空間にわたるHフィールドにおける変化によって変わってくる。空間における所定の点でのEフィールドの新たな値EN+1は、i)空間における同じ点でのEフィールドの古い値ENと、ii)空間におけるEフィールドの点の一方側でのHフィールドの古い値HN+1/2と空間におけるEフィールドの点の他方側でのHN+1/2の値との間の差によって変わってくる。同様に、Hフィールドの新たな値は、Hフィールドの古い値と、Hフィールドの点の何れかの側にあるEフィールドの古い値の間の差とによって変わってくる。よって、式(5)乃至(10)の空間微分を近似化することによって、電磁界の、以下のFD-TD中心差分更新ステンシルをもたらす。
Figure 0004528684
その場合、
Figure 0004528684
である。計算シミュレーション中に、式(11)及び(16)は、タイムステップΔtだけ時間的にEフィールド及びHフィールドを漸進的に進めるリープフロッグ法で求められる。
図6は、信号線の付近で発生する電磁放射のモデルが必要な信号線構造5を示す。図6Aは、信号線構造の数値近似を得るのに必要な領域に適用される大きな細かいグリッドの領域6を示す。高レベルの精緻化を必要とする特徴を含まないが、細かいグリッドの計算資源が処理することを必要とすることになる、領域のかなりの部分が存在するということが分かり得る。
図6Bは、複数の細かいグリッド7a、7b及び7cを計算領域内に配置させて信号線の幾何学的外形線を実質的にマッピングし得る方法を示す。グリッド領域内に複数の細かいグリッドを備える細かいグリッドの領域を巧みに配置させることによって、システムにおいて生じる不均一性のソースを効率的に処理し、分析することを可能にする。
特に、好適実施例によれば、隣接する細かいグリッドの領域間の共通の境界8a及び8bの各々での1次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での新たな値が、共通の境界に隣接する1次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での前の値から得られる。よって、隣接する細かいグリッドの境界が共線でない場合があっても、計算手順中に、隣接する細かいグリッドの全ては、単一のエンティティであるかのように扱われるが、それは、情報を隣接する細かいグリッド間で伝達し得るからである。
図7は、2次元で、異なる精緻化レベルの2つのグリッドによって保有される解の点の数における不連続性を処理し得る方法を示す。特に、図7A及び7Bは、細かいグリッドが存在する領域における粗いグリッドの解の点を更新する前述の手順を示し、図7C及び7Dは、異なる精緻化レベルのグリッド間の数値的結合を改善させるために本発明の実施例によって粗いグリッドの解の点を更新する手順を示す。
図7A及び7Cは、精緻化整数kを有するグリッド10の2つのセル11及び12を示し、k=1である。セル12内に組み込まれているのは、精緻化整数lのグリッド13であり、l=3である。星14は、値Ey2からの空間的補間及び時間的補間によって判定されなければならず、固定境界条件を形成する、境界上の点を示す。
前述の更新手順では、粗いグリッドの解Hzを得るために、勾配項
Figure 0004528684
のy成分が、(eyb−Ey2)によって得ることが可能なEx+1−Exによって、FD-TD更新方程式によって用いられる空間差分近似によって判定される。しかし、本発明の第2特徴及び第3特徴の実施例によって、細かいグリッドの値が粗いグリッド上で規定される共同配置されたエッジに沿って存在する値全てを検討することによって、勾配項のより正確な近似を達成し得る。よって、粗いグリッドのレベル上の2つの空間位置間の勾配項を得るために、各空間位置での単一の粗いグリッドの値を用いるのではなく、本発明の実施例は、粗いグリッド上に規定される複数のフィールド値を利用する。図7Cに示す例では、勾配項は、本発明の実施例によって、細かいグリッドの値が粗いグリッドのエッジと一致する共同配置されたエッジiに沿って利用可能なものとして存在する複数のフィールド値を合計することによって得ることが可能である。よって、
Figure 0004528684
であり、fは、空間位置(x+1)又は(x)各々でy方向において規定される勾配項の判定において用いる対象の電界の解の点の数を表し、Sは、解の点の各々が成分方向xに直交した方向(すなわち、y方向)で規定される表面積を表し、
Figure 0004528684
は単位垂直ベクトルを表し、Vは粗いセルの体積を表す。
勾配項の他の成分は、同様に、EフィールドについてもHフィールドについても得ることが可能である。
次に、精緻化整数kを有するグリッド15の2つのセル16及び17を示す図7B及び7Dを検討し、k=1である。セル17内に組み込まれているのは、精緻化整数lのグリッド18であり、l=2である。星19は、値Ey2からの空間的補間及び時間的補間によって判定しなければならず、固定境界条件を形成するグリッド・境界上の点を示す。
この場合、前述の手法によって粗いグリッドの解Hzを得るために、勾配項
Figure 0004528684
のy成分がFD-TD更新方程式によって用いられる空間差分近似によって判定される。しかし、FD-TD中心差分法によって必要とされるEフィールド値は値eya及びeybから空間的補間によって得なければならない。よって、細分割の場合でも、領域内に共同配置されたエッジ全てでの粗いグリッドの解の値においてエラーがもたらされる。
細かいグリッドの値が粗いグリッド上で規定される共同配置されたエッジでのフィールド量の総和は、フィールドの発散の体積積分がそのフィールドの面積分に等しい発散の定理を検討することによって正当化し得る。y方向における電界成分についてこのことを数学的に表すと、
Figure 0004528684
となり、V、S及びxは各々、体積、表面積及びx方向を表す。面積分は、
Figure 0004528684
として、セル面でのフィールド量の総和によって近似化することが可能であり、その場合、Fは面の総数を表し、
Figure 0004528684
は面から外へ向かう垂直ベクトルを表す。
よって、Ey
の勾配項すなわち微分項の計算は、
Figure 0004528684
となり、Fは、勾配項の計算において用いる面(すなわち、Ex+1での面f及びExでの面f)の総数である。よって、より一般化された項では、空間位置(g+1)と空間位置(g)との間の成分方向gにおける(B=E又はHである)Bフィールドの所要勾配は:
Figure 0004528684
によって近似化され、fは、座標位置(g+1)又は座標位置(g)各々で規定される勾配項の判定において用いる対象のBフィールドの解の点の数を表し、Sは、成分方向gに直交した方向において解の点の各々が規定される表面積を表し、
Figure 0004528684
は単位垂直ベクトルを表し、Vは粗いセルの体積を表す。
所定の時点と空間における点とにおける(A=E又はHである)Aの新たな値の計算を例として検討する。この計算は、空間におけるAフィールドの点の一方側にある第1点と空間におけるAフィールドの点の反対側にある第2点との間の(B=H又はE各々である)Bフィールドの勾配の近似化を必要とする。図7Dは、A1の粗いグリッドの値を更新するのに必要なBフィールドの勾配を得るよう、細かいグリッドの値が粗いグリッド上で規定される共同配置されたエッジを用い得る方法を示す。
Figure 0004528684
A2の粗いグリッドの値を更新するために、以下の計算を行う。
Figure 0004528684
上記勾配項はよって、
∇Ex、∇Ey、∇Ez、∇Hx、∇Hy及び∇Hz
を得るのに用いることが可能である。
例として、Hx成分を考えれば、
Figure 0004528684
と表される。同様な式を∇Ey、∇Ez、∇Hx、∇Hy及び∇Hzについて得ることが可能である。
シミュレーションを行ううえで関係する手順の例を次に、FD-TD法を用いて電磁界をシミュレートする特定の例を参照しながら説明することとする。
シミュレーションを行う対象の領域は通常、コンピュータ上で実施されるコンピュータ・プログラムによって作成される。シミュレートする対象のシステムの幾何構造は、(ゼロであり得る)初期フィールド条件の詳細、電磁放射の少なくとも1つのソースと、(例えば、誘電率ε、透磁率μ及び導電率σを規定し得る)材料特性とを表す関数とともに、ユーザによる前処理によって規定されなければならない。更に、マクスウェル方程式に対する正確な解をもたらすために、結果は無限空間にわたる解を表すこととする。しかし、コンピュータの能力やメモリの実用的な制約によって、計算グリッドを終了させることを必要とする。何れかのそのような終了法は有限計算グリッド内の計算に影響を及ぼしてはならない。よって、この趣旨での境界条件が、シミュレーションが行われる前に計算領域境界に課される。FD-TD法の陽性が理由で、ディリクレ(固定値)の境界境界条件が、組み込まれた細かいグリッドの境界に最も適切である。
場合によっては変動する精緻化レベルの細かいグリッドの領域が領域内に配置されて、
例えば、小規模の構造又は曲がった境界の幾何学的外形線をマッピングする好適実施例では、ユーザは、細かいグリッドの領域の各々の位置、精緻化レベル及び境界の周囲を、領域内の他の細かいグリッドの領域に対するその接続性とともに規定し得る。
本発明の種々の特徴を実施する解の手順を次に例として表すこととし、E及びHは粗いグリッドの値を表し、e及びhは細かいグリッドのフィールドの値を表す。各例では、時間n=0で、領域における解の点の全てでの値はゼロであるとみなし得る。更に、単純にするよう、ε=1、μ=1及びσ=1であるとみなす。
図9に表す流れ図を参照すれば、本発明の第2特徴及び第3特徴を実施する以下の計算手順は、粗いグリッドの時間間隔ΔTにわたってEnからEn+1まで粗いグリッドと少なくとも1つの細かいグリッドとを備える計算領域上のEフィールドを更新するうえで関係する工程を示す。
工程1:Hn+1/2=Hn-1/2+∇Enとして、粗いグリッドのHフィールドを計算する。組み込まれた領域では、境界での細かいグリッドのセルの面で生じるフィールド量の総和を用いることによって細かいグリッドの境界の値∇En=∇enが得られるので、x方向における更新∇Ex
Figure 0004528684
によって判定することが可能である。
工程2:En+1=En+∇Hn+1/2として、粗いグリッドのEフィールドを計算する。
工程3:En+1での細かいグリッドの解を得る。CFL安定条件が理由で、細かいグリッド内の解は、Δtのタイムステップ間隔で進めなければならず、Δt=ΔT/kである。よって、EnからEn+1まで細かいグリッドの解の点でのEフィールドの解を更新するために、n+1/k、n+2/k…n+k/kで中間解を得なければならない。よって、細かいグリッドのタイム・ステッピング(TS)が、細かいグリッドのタイムステップ間隔Δtを用いて以下のようにTS=1からTS=精緻化整数kまで行われる。
部分工程3.1:hフィールドを計算する。
hn+i=hn+p+∇en+q
であり、その場合、i=(2(TS−1)+1)/2k、p=(2(TS−2)+1)/2k、q=(TS−1)/kである。
部分工程3.2:eフィールドを計算する。
en+j=en+p+∇hn+i
であり、その場合、j=TS/kである。
部分工程3.3:eフィールドの境界の粗いグリッドと細かいグリッドとの境界で時間的補間を行う。
en+j=T(En,En+1,j)であり、T(En,En+1,j)は時間的補間関数である。
部分工程3.4:粗いグリッドと細かいグリッドとの境界で空間的補間を行って欠けているeフィールドの境界値を判定する。
e*:e*=S(en+j)であり、S(en+j)は空間的補間関数である。
部分工程3.5:TSをTS=TS+1として増やすことによって次のタイムステップに進み、TSがkの時間レベルより大きくない場合に段階3.1に戻る。
工程4:nをn=n+1として増やすことによって次の粗いグリッドのタイムステップに進み、更に、段階1に戻る。
よって、粗いグリッドのタイムステップ上のFD-TDの各反復(工程1乃至4)について、細かいグリッドのタイムステップ上のFD-TDのkの反復(工程3.1乃至3.5)を行わなければならない。この結合手順は、Hフィールドを更新するために同様に行い得る。
図10A及び10Bに示す流れ図を参照すれば、本発明の第2特徴及び第3特徴も実施する以下の計算手順は、粗いグリッドと少なくとも1つの細かいグリッドとを備える計算領域上のEフィールドとHフィールドとを更新するうえで関係する工程を示す。
工程1:Hn+1/2=Hn-1/2+∇Enとして、粗いグリッドのHフィールドを計算する。組み込まれた領域では、表面積の総和を用いることによって細かいグリッドの値∇En=∇enが得られるので、X成分については
Figure 0004528684
となる。
工程2:細かいグリッドについて、Hn+1/2の解を得る。よって、細かいグリッドのタイム・ステッピング(TS)が、細かいグリッドのタイムステップ間隔Δtを用いて以下のようにTS=1からTS=Lまで行われる(Lは、最も近い整数に丸められる精緻化整数k/2である、例えば、3/2が最も近い整数に丸められると2である。)。
部分工程2.1:hフィールドを計算する。
hn+i=hn+p+∇en+q
であり、その場合、i=(2(TS−1)+1)/2k、p=(2(TS−2)+1)/2k、q=(TS−1)/kである。
部分工程2.2:hフィールドの境界の粗いグリッドと細かいグリッドとの境界で時間的補間を行う。
hn+i=T(Hn-1/2,Hn+1/2,i)であり、T(Hn-1/2,Hn+1/2,i)は時間的補間関数である。
部分工程2.3:粗いグリッドと細かいグリッドとの境界で空間的補間を行って欠けているhフィールドの境界値を判定する。
h*:h*=S(hn+i)であり、S(hn+i)は空間的補間関数である。
部分工程2.4:eフィールドを計算する。
en+j=en+p+∇hn+i
であり、その場合、j=TS/kである。
部分工程2.5:TSをTS=TS+1として増やすことによって次のタイムステップに進み、TSがLの時間レベルより大きくない場合に部分工程2.1に戻る。
工程3:En+1=En+∇Hn+1/2として、粗いグリッドのEフィールドを計算する。
組み込まれた領域では、表面積の総和を用いて細かいグリッドの値∇Hn+1/2=∇hn+1/2を得るので、x成分については:
Figure 0004528684
である。
工程4:細かいグリッドについてEn+1の解を得る。よって、細かいグリッドのタイム・ステッピング(TS)はTS=L+1からTS=精緻化整数kまで細かいグリッドのタイムステップ間隔Δtを用いて以下のように行われる。
部分工程4.1:eフィールドの境界の粗いグリッドと細かいグリッドとの境界での時間的補間を行う。
en+j=T(En,En+1,j)であり、T(En,En+1,j)は時間的補間関数である。
部分工程4.2:粗いグリッドと細かいグリッドとの境界で空間的補間を行って欠けているeフィールドの境界値を判定する。
e*:e*=S(en+j)であり、S(en+j)は空間的補間関数である。
部分工程4.3:hフィールドを計算する。
hn+i=hn+p+∇en+q
であり、その場合、i=(2(TS−1)+1)/2k、p=(2(TS−2)+1)/2k、q=(TS−1)/kである。
部分工程4.4:eフィールドを計算する。
en+j=en+q+∇hn+i
であり、j=TS/kである。
部分工程4.5:TSをTS=TS+1として増やすことによって次のタイムステップに進み、kの時間レベルより大きくない場合に部分工程4.1に戻る。
よって、この手順によれば、粗いグリッドと細かいグリッドとの間の改善された結合は両方のフィールドについて達成される。しかし、段階3で精緻化分割が偶数である場合、hn+1/2の値は何ら存在しないことになる。例えば、精緻化整数2を検討する。
En Hn+1/2 En+1
en hn+1/4 en+1/2 hn+3/4 en+1
精緻化整数が奇数の場合、そのような問題は存在しない。
En Hn+1/2 En+1
en hn+1/6 en+1/3 hn+1/2 en+2/3 hn+1/6 en+1
この問題には2つの考えられる解が存在する。1つは、T(hn+1/4,hn+3/4,1/2)を用いてhn+1/2の値を得るために時間的補間を行うというものである。この手法は、しかし、新たなエラーをもたらすことになる。
もう1つの別の解は、空間的スペースと時間的スペースとの間で異なる精緻化分割を適用するというものである。例えば、精緻化整数が2である場合、時間的精緻化整数は3であり得る。時間におけるこの奇数の精緻化分割は、補間を行うことなく、hn+1/2の値を得ることを可能にする。この手法によって新たなエラーは何らもたらされないが、別の細かいグリッドのタイムステップが導入されるので計算コストは高くなり得る。
図8は、マルチレベル・グリッドを示し、シミュレートする対象の物理システム内の詳細の異なるレベルを分析するために異なる精緻化レベルの細かいグリッドを計算領域に導入し得る方法を示す。マルチレベルのグリッドを解くうえで考えられる解の手順は、図11に示す流れ図によって示す。
上記のように、励起ソースが細かいグリッドで挿入される場合にマルチグリッドFDTD法における人工的な時間的反射が起こることを、1次レベルの細かいグリッドの領域の周囲での時間的補間に用いられるものと同じ数値的手法を、細かいグリッドでの励起ソースの挿入に用いることによって妨げ得る。
このことを理解するうえでの使い道の例は、細かいグリッドを出入りするステップ波を単純にするように示す図12A乃至図12Dに示す。
図12A及び12Bでは、ステップ波は左の粗いグリッドと細かいグリッドとの境界で細かいグリッドに入り(図12A)、右の粗いグリッドと細かいグリッドとの境界で出る(図12B)。励起ソースは細かいグリッドで何ら挿入されず、線形的な時間的補間によって計算される境界での解は伝搬値に等しい。図12C及び図12Dはしかし、細かいグリッドの中心にステップ波(励起ソース)を挿入する影響を示す。ステップ波が境界に向けて伝搬するにつれ、補間中間値(en+0.5=0.5*(En+En+1)=0.5)と細かいグリッドの伝搬値(en+0.5=1)との間で不一致が生じ、人工的な時間的反射をもたらす。しかし、同じ数値法が励起ソースの挿入にも時間的補間にも用いられる場合、値には差は何ら存在せず、よって反射が何ら存在しないことになる。例えば、ソース値に線形補間を用いることによって、e_sourcen+0.5=0.5*(E_Sourcen+E_Sourcen+1)は反射を何らもたらさない。
上記説明は線形的な時間的補間を用いて表したが、同じ手法が用いられるということを前提として、別の補間手法、例えば二次の手法を用いることが可能でない理由は何ら存在するものでない。特に、用いられる手法が高次であるほど、励起ソースに対する近似化は改善する。
本発明の種々の特徴は、単一の実施例において単独で用い得るか、組み合わせで用い得るということが分かる。
(付記1)複数の粗いグリッドのセルを有する粗いグリッドと、精緻化整数kの複数の1次レベルの細かいグリッドのセルを有する2つ以上の隣接する1次レベルの細かいグリッドを備える1次レベルの細かいグリッドの領域とを備える計算領域を利用し、該粗いグリッドのセルと該細かいグリッドのセルとの各々が、シミュレートする対象の該物理システムの物理的数量を表す値を取得し得る1つ又は複数の解の点を有し、時間における所定の段階でのセル全ての少なくとも1つの解の点の値を得るために計算手順が行われ、該計算手順中に、隣接する細かいグリッドに共通の、該粗いグリッドと該1次レベルの細かいグリッドとの間の境界での1次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での新たな値が該共通の境界に隣接した1次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での前の値から得られることを特徴とする、シミュレートする対象の物理システムの数値近似を得て該物理システムにおいて生じる波伝搬を評価するコンピュータにより実施される方法。
(付記2)
該計算領域がデカルト・タイプのグリッドを備えることを特徴とする付記1記載の方法。
(付記3)
該計算手順中に、解が、該1次レベルの細かいグリッドの領域の周囲で空間的補間及び時間的補間によって判定されることを特徴とする付記1又は2記載の方法。
(付記4)
該1次レベルの細かいグリッドの領域が、該1次レベルの細かいグリッドのセルのうちの1つ又は複数のものの中に少なくとも1つの2次レベルの細かいグリッドの領域を組み込ませており、該2次レベルの細かいグリッドの領域は精緻化整数lを有する複数の2次レベルの細かいグリッドのセルを有する少なくとも2つの隣接する2次レベルの細かいグリッドを備え、l>kであることを特徴とする付記1、2又は3記載の方法。
(付記5)
該計算手順中に、隣接する2次レベルの細かいグリッドに共通の、該1次レベルの細かいグリッドと該2次レベルの細かいグリッドとの間の境界での2次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での新たな値は、該共通の境界に隣接した2次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での前の値から得られることを特徴とする付記4記載の方法。
(付記6)
該計算手順中に、解が、該2次レベルの細かいグリッドの領域の周囲で空間的補間及び時間的補間によって判定されることを特徴とする付記4又は5記載の方法。
(付記7)
該1次レベルの細かいグリッドの領域及び/又は該2次レベルの細かいグリッドの領域が該計算領域内に配置されてシミュレートする対象の該システムにおいて生じる不均一性をマッピングすることを特徴とする付記1乃至6の何れか記載の方法。
(付記8)
該1次レベルの細かいグリッドの領域及び/又は該2次レベルの細かいグリッドの領域の形状が不規則であることを特徴とする付記1乃至7の何れか記載の方法。
(付記9)
該計算領域がコンピュータ上で実行されるコンピュータ・プログラムによって作成されることを特徴とする付記1乃至8の何れか記載の方法。
(付記10)
該計算手順がコンピュータ上で実行されるコンピュータ・プログラムによって行われることを特徴とする付記1乃至9の何れか記載の方法。
(付記11)
FD-TD(有限差分時間領域)法に基づいた、電磁界の該数値近似に用いられ、該粗いグリッドのセルと該細かいグリッドのセルとの各々は、電界
Figure 0004528684
の解の点が、磁界
Figure 0004528684
の解の点に対して直交的にずれている、電磁界の解の点の配置を保有し、空間におけるAフィールドの点での(B=H又はEの各々である)Bフィールドの勾配項に対する、所定の時点と空間における点とでの(A=E又はHである)Aフィールド成分の新たな値を規定するFD-TDの更新方程式を用いて電磁界の解を得るよう計算手順が行われ、該勾配項は、空間における該Aフィールドの点の一方側にある該Bフィールドの値と空間における該Aフィールドの点の反対側にある該Bフィールドの値との間の差によって近似化されることを特徴とする付記1乃至10の何れか記載の方法。
(付記12)
1次レベルの細かいグリッドの解の点が該粗いグリッド上に存在する共同配置されたエッジに隣接した解の点でのAフィールドの成分について該粗いグリッドを更新するのに必要な該勾配項は、該共同配置されたエッジ上の該解の点での該細かいグリッドのBフィールドの値の総和から計算されることを特徴とする付記11記載の方法。
(付記13)
2次レベルの細かいグリッドの解の点が該1次レベルの細かいグリッド上に存在する共同配置されたエッジに隣接した解の点でのAフィールド成分について該1次レベルの細かいグリッドを更新するうえで必要な該勾配項が、該共同配置されたエッジ上での該解の点での該細かいグリッドのBフィールドの値の全ての総和から計算されることを特徴とする付記4、5又は6に添付される場合に付記11又は12記載の方法。
(付記14)
空間位置(g+1)と空間位置(g)との間の成分方向gにおける該必要なBフィールドの勾配が:
Figure 0004528684
によって近似化され、fは、座標位置(g+1)又は(g)各々で規定される該勾配項の判定において用いる対象のBフィールドの解の点の数を表し、Sは、解の点の各々が該成分方向gに直交した方向において規定される表面積を表し、
Figure 0004528684
は単位垂直ベクトルを表し、Vはセルの体積を表すことを特徴とする付記12又は13記載の方法。
(付記15)
該計算手順中に、該1次レベルの細かいグリッドの領域の周囲での時間的補間を得るのに用いる数値的手法は、該細かいグリッドの領域で挿入される励起ソースの解を得るのにも用いられることを特徴とする付記3乃至14の何れか1つに記載の方法。
(付記16)
i)複数の粗いグリッドのセルを有する粗いグリッドと、精緻化整数kの複数の1次レベルの細かいグリッドのセルを有する少なくとも2つの隣接する1次レベルの細かいグリッドを備える1次レベルの細かいグリッドの領域とを備える計算領域を備え、該粗いグリッドのセルと該細かいグリッドのセルとの各々が、シミュレートする対象の該物理システムの物理的数量を表す値を取得し得る1つ又は複数の解の点を保有し、更に、
ii)時間における所定の段階でのセル全ての少なくとも1つの解の点の値を得るために計算手順を行うよう動作可能な計算手段を備え、該計算手順中に、隣接する細かいグリッドに共通の、該粗いグリッドと該1次レベルの細かいグリッドとの間の境界での1次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での新たな値が該共通の境界に隣接した1次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での前の値から得られることを特徴とする、シミュレートする対象の物理システムの数値近似を得て該物理システムにおいて生じる波伝搬を評価する装置。
(付記17)
該1次レベルの細かいグリッドは複数の1次レベルの細かいグリッドのセルを有し、該粗いグリッドのセルと該細かいグリッドのセルとの各々は、電界
Figure 0004528684
の解の点が、磁界
Figure 0004528684
の解の点に対してずれており、空間におけるAフィールドの点での(B=H又はEの各々である)Bフィールドの勾配項に対する、所定の時点と空間における点とでの(A=E又はHである)Aフィールド成分の新たな値を規定するFD-TDの更新方程式を用いて電磁界の解を得るよう計算手順が行われ、該勾配項は、空間における該Aフィールドの点の一方側にある該Bフィールドの値と空間における該Aフィールドの点の反対側にある該Bフィールドの値との間の差によって近似化され、1次レベルの細かいグリッドの解の点が該粗いグリッド上に存在する共同配置されたエッジに隣接した解の点でのAフィールド成分について該粗いグリッドを更新するうえで必要な該勾配項が、該共同配置されたエッジ上の該解の点での該細かいグリッドのBフィールドの値の全ての総和を用いて計算されることを特徴とする、複数の粗いグリッドのセルを有する粗いグリッドと、精緻化整数kの少なくとも1つの1次レベルの細かいグリッドとを備える計算領域を利用する、FD-TD(有限差分時間領域)法に基づいて電磁界をシミュレートする、コンピュータにより実施される方法。
(付記18)
i)複数の粗いグリッドのセルを有する粗いグリッドと、精緻化整数kの少なくとも1つの1次レベルの細かいグリッドとを有する計算領域を備え、該1次レベルの細かいグリッドは複数の1次レベルの細かいグリッドのセルを有し、該粗いグリッドのセルと該細かいグリッドのセルとの各々は、電界
Figure 0004528684
の解の点が、磁界
Figure 0004528684
の解の点に対してずれている、電磁界の解の点の配置を有し、更に、
ii)電磁界の解を得るために計算手順を行うよう動作可能な計算手段を備え、該計算手段は、空間におけるAフィールドの点での(B=H又はEの各々である)Bフィールドの勾配項に対する、所定の時点と空間における点とでの(A=E又はHである)Aフィールドの成分の新たな値を規定するFD-TDの更新方程式を用い、該勾配項は、空間における該Aフィールドの点の一方側にある該Bフィールドの値と空間における該Aフィールドの点の反対側にある該Bフィールドの値との間の差によって近似化され、1次レベルの細かいグリッドの解の点が該粗いグリッド上に存在する共同配置されたエッジに隣接した解の点でのAフィールドの成分について該粗いグリッドを更新するうえで必要な該勾配項が、該共同配置されたエッジ上の該解の点での該細かいグリッドのBフィールドの値の全ての総和を用いて計算されることを特徴とする、電磁界をシミュレートする装置。
(付記19)
コンピュータ上で実行される場合に、付記1乃至15と付記17とのうちの何れか1つに記載の方法を該コンピュータに行わせることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
(付記20)
コンピュータにロードされる場合に、該コンピュータが付記16と付記18とのうちの何れか1つに記載の装置になるようにすることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
(付記21)
該領域がデカルト・タイプのグリッドを備えることを特徴とする付記16記載の装置。
(付記22)
該1次レベルの細かいグリッドの領域が、該1次レベルの細かいグリッドのセルのうちの1つ又は複数のものの中に少なくとも1つの2次レベルの細かいグリッドの領域を組み込ませており、該2次レベルの細かいグリッドの領域は精緻化整数lを有する複数の2次レベルの細かいグリッドのセルを有する少なくとも2つの隣接する2次レベルの細かいグリッドを備え、l>kであることを特徴とする付記16又は21記載の装置。
(付記23)
該計算手段によって行われる該計算手順中に、隣接する2次レベルの細かいグリッドに共通の、該1次レベルの細かいグリッドと該2次レベルの細かいグリッドとの間の境界での2次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での新たな値は、該共通の境界に隣接した2次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での前の値から得られることを特徴とする付記22記載の装置。
(付記24)
該1次レベルの細かいグリッドの領域及び/又は該2次レベルの細かいグリッドの領域が該計算領域内に配置されて、シミュレートする対象の該システムにおいて生じる不均一性をマッピングすることを特徴とする、付記16と付記21乃至23とのうちの何れか1つに記載の装置。
(付記25)
該1次レベルの細かいグリッドの領域及び/又は該2次レベルの細かいグリッドの領域の形状が不規則であることを特徴とする、付記16と付記21乃至24とのうちの何れか1つに記載の装置。
(付記26)
該計算領域がコンピュータ上で実行されるコンピュータ・プログラムによって作成されることを特徴とする、付記16と付記21乃至25とのうちの何れか1つに記載の装置。
(付記27)
該計算手段が、コンピュータ上で実行される場合に該計算手順を行うコンピュータ・プログラムを備えることを特徴とする、付記16と付記21乃至26とのうちの何れか1つに記載の装置。
(付記28)
空間位置(g+1)と空間位置(g)との間の成分方向gにおける該必要なBフィールドの勾配が:
Figure 0004528684
によって近似化され、fは、座標位置(g+1)又は(g)各々で規定される該勾配項の判定において用いる対象のBフィールドの解の点の数を表し、Sは、解の点の各々が成分方向gに直交した方向において規定される表面積を表し、
Figure 0004528684
は単位垂直ベクトルを表し、Vはセルの体積を表すことを特徴とする付記17記載の方法。
(付記29)
該粗いグリッドが、少なくとも2つの隣接する1次レベルの細かいグリッドを備える1次レベルの細かいグリッドの領域を備え、かつ、該計算手順中に、隣接する細かいグリッドに共通の、該粗いグリッドと該1次レベルの細かいグリッドとの間の境界での1次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での新たな値が、該共通の境界に隣接した1次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での前の値から得られることを特徴とする付記17又は28記載の方法。
(付記30)
該1次レベルの細かいグリッドの領域が該領域内に配置されて、シミュレートする対象の該システムにおいて生じる不均一性をマッピングすることを特徴とする付記29記載の方法。
(付記31)
該1次レベルの細かいグリッドの領域の形状が不規則であることを特徴とする付記29又は30記載の方法。
(付記32)
該計算手順中に、解が、該1次レベルの細かいグリッドの領域の周囲で空間的補間及び時間的補間によって判定されることを特徴とする付記29乃至31記載の方法。
(付記33)
該1次レベルの細かいグリッドの少なくとも1つが、該1次レベルの細かいグリッドのセルのうちの1つ又は複数のものの中に少なくとも1つの2次レベルの細かいグリッドを組み込ませており、該2次レベルの細かいグリッドは精緻化整数lを有し、l>kであり、2次レベルの細かいグリッドの解の点が該1次レベルの細かいグリッド上に存在する共同配置されたエッジに隣接した解の点でのAフィールド成分について該1次レベルの細かいグリッドを更新するのに必要な該勾配項は、該共同配置されたエッジ上の該解の点での該細かいグリッドのBフィールドの値の全ての総和から計算されることを特徴とする付記17と付記28乃至32とのうちの何れか1つに記載の方法。
(付記34)
該1次レベルの細かいグリッドが、少なくとも2つの隣接する2次レベルの細かいグリッドを備える2次レベルの細かいグリッドの領域を備え、かつ、該計算手順中に、隣接する2次レベルの細かいグリッドに共通の、該1次レベルの細かいグリッドと該2次レベルの細かいグリッドとの間の境界での2次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での新たな値が、該共通の境界に隣接した2次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での前の値から得られることを特徴とする付記33記載の方法。
(付記35)
該2次レベルの細かいグリッドの領域が該領域内に配置されてシミュレートする対象の該システムにおいて生じる不均一性をマッピングすることを特徴とする付記34記載の方法。
(付記36)
該計算手順中に、該1次レベルの細かいグリッドの領域の周囲での時間的補間を得るのに用いる数値的手法は、該細かいグリッドの領域で挿入される励起ソースの解を得るのにも用いられることを特徴とする付記32乃至35の何れか1つに記載の方法。
(付記37)
該計算領域がデカルト・タイプのグリッドを備えることを特徴とする付記17と付記28乃至36とのうちの何れか1つに記載の方法。
(付記38)
該計算領域がコンピュータ上で実行されるコンピュータ・プログラムによって作成されることを特徴とする付記17と付記28乃至37とのうちの何れか1つに記載の方法。
(付記39)
該計算手順がコンピュータ上で実行されるコンピュータ・プログラムによって行われることを特徴とする付記17と付記28乃至38とのうちの何れか1つに記載の方法。
(付記40)
空間位置(g+1)と空間位置(g)との間の成分方向gにおける該必要なBフィールドの勾配が:
Figure 0004528684
によって近似化され、fは、座標位置(g+1)又は(g)各々で規定される該勾配項の判定において用いる対象のBフィールドの解の点の数を表し、Sは、解の点の各々が成分方向gに直交した方向において規定される表面積を表し、
Figure 0004528684
は単位垂直ベクトルを表し、Vはセルの体積を表すことを特徴とする付記18記載の装置。
(付記41)
該計算領域が、少なくとも2つの隣接する1次レベルの細かいグリッドを備える1次レベルの細かいグリッドの領域を備え、かつ、該計算手段によって行われる該計算手順中に、隣接する細かいグリッドに共通の、該粗いグリッドと該1次レベルの細かいグリッドとの間の境界での1次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での新たな値が、該共通の境界に隣接した1次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での前の値から得られることを特徴とする付記18又は40記載の装置。
(付記42)
該1次レベルの細かいグリッドの領域が該計算領域内に配置されてシミュレートする対象の該システムにおいて生じる不均一性をマッピングすることを特徴とする付記41記載の装置。
(付記43)
該1次レベルの細かいグリッドの領域の形状が不規則であることを特徴とする、付記41又は42記載の装置。
(付記44)
該1次レベルの細かいグリッドの少なくとも1つが、該1次レベルの細かいグリッドのセルのうちの1つ又は複数のものの中に少なくとも1つの2次レベルの細かいグリッドを組み込ませており、該2次レベルの細かいグリッドは精緻化整数lを有し、l>kであり、2次レベルの細かいグリッドの解の点が該1次レベルの細かいグリッド上に存在する共同配置されたエッジに隣接した解の点でのAフィールド成分について該1次レベルの細かいグリッドを更新するのに必要な該勾配項は、該共同配置されたエッジ上の該解の点での該細かいグリッドのBフィールドの値の全ての総和から計算されることを特徴とする付記18と付記40乃至43とのうちの何れか1つに記載の装置。
(付記45)
該1次レベルの細かいグリッドが、少なくとも2つの隣接する2次レベルの細かいグリッドを備える2次レベルの細かいグリッドの領域を備え、かつ、該計算手順中に、隣接する2次レベルの細かいグリッドに共通の、該1次レベルの細かいグリッドと該2次レベルの細かいグリッドとの間の境界での2次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での新たな値が、該共通の境界に隣接した2次レベルの細かいグリッドのセルの解の点での前の値から得られることを特徴とする付記44記載の装置。
(付記46)
担体媒体が担うことを特徴とする付記19又は20記載のコンピュータ・プログラム。
(付記47)
該担体媒体が記録媒体であることを特徴とする付記46記載のコンピュータ・プログラム。
(付記48)
該担体媒体が伝送媒体であることを特徴とする付記47記載のコンピュータ・プログラム。
組み込まれた細かいグリッドを2次元で示す計算領域に適用したものを示す図である。 組み込まれた細かいグリッドを3次元で示す計算領域に適用したものを示す図である。 2つの隣接する細かいグリッドを備える、組み込まれた細かいグリッドの領域を示す図である。 2次元のデカルト・グリッドの領域を示す図である。 図3Aの領域の部分を拡大して示す図である。 FD-TD(有限差分時間領域)法において用いる3次元のセルを示す図である。 中心ソース点から伝搬する、シミュレートされた電磁波を示す図である。 先行技術による、細かいグリッドの領域の信号線構造への適用を示す図である。 本発明の一実施例による、細かいグリッドの領域の信号線構造への適用を示す図である。 共同配置されたエッジで生じる解の点と、共同配置されたエッジに隣接する解の点とを示す図である。 マルチレベル精緻化グリッドを示す図である。 本発明の実施例において用いる計算手順を示すアルゴリズムの流れ図である。 本発明の別の実施例において用いる計算手順を示すアルゴリズムの流れ図である。 本発明の別の実施例において用いる計算手順を示すアルゴリズムの流れ図である。 本発明の別の実施例において用いる計算手順を示すアルゴリズムの流れ図である。 人工的な時間的反射とそれを克服し得る方法とを説明するうえで用いる図である。 人工的な時間的反射とそれを克服し得る方法とを説明するうえで用いる別の図である。 人工的な時間的反射とそれを克服し得る方法とを説明するうえで用いる更に別の図である。 人工的な時間的反射とそれを克服し得る方法とを説明するうえで用いる更に別の図である。
1 粗いグリッド
2 細かいグリッドの領域
5 信号線構造
6 細かいグリッドの領域
7 細かいグリッド
8 共通の境界
10 グリッド
11 セル
12 セル
13 グリッド
14 星
15 グリッド
16 セル
17 セル
18 グリッド
19 星
20 粗いグリッド
21 細かいグリッド
22 粗いグリッド
23 細かいグリッド
24 細かいグリッド
25 細かいグリッド
26 共通の境界
27 共同配置されたエッジ
28 共同配置されたエッジ
A フィールド
A 値
a 値
B フィールド
C 粗いセル
E 電界
e 外部境界
e 値
H 磁界
i 共通の境界
i 座標
i 共同配置されたエッジ
j 座標
k 座標
k 精緻化整数
M 線
N 線
n 時点
P 周囲
S 細かいグリッド
T 時間
TS タイムステッピング
x 軸
y 軸
z 軸

Claims (19)

  1. 計算手段と記憶手段とを有するコンピュータを用いて、シミュレーションする構成要素の幾何学的外形を包含する計算領域を、粗いグリッドによって複数の粗いセルに分割し、該複数の粗いセルのうち隣接する粗いセルそれぞれを、細かいグリッドによって複数の細かいセルに分割し、該粗いセルおよび該細かいセルごとに求めた該物理系の物理量を表す数値により、該物理系において生じる波動伝搬を評価する方法であって、
    前記記憶手段が、
    前記粗いグリッドのデータと、精緻化整数がkである1次レベルの前記細かいグリッドのデータと、該粗いセルと該細かいセルとの各々が有する前記物理量を表す値を求め得る1つ又は複数の解の点のデータとを記憶し
    前記計算手段が、
    時間の一段階においてすべての前記粗いセルおよび前記細かいセルそれぞれについて少なくとも1つの前記解の点に対する前記数値を求めるため計算手順を実行する場合に隣接する該粗いセル間の境界において、一方の粗いセル内の前記細かいセルの解の点における新しい値を、他方の粗いセル内の前記細かいセルの解の点における前記時間の一段階前の段階における数値から求める方法。
  2. 前記計算領域がデカルト・タイプのグリッドを有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記計算手順中に、前記1次レベルの細かいグリッドの領域の周囲において空間的補間及び時間的補間によって解を決定する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記1次レベルの細かいグリッドの領域は前記1次レベルの細かいグリッドのセルのうちの1つ又は複数のセル内に組み込まれた少なくとも1つの2次レベルの細かいグリッドの領域を有し、
    前記2次レベルの細かいグリッドの領域は精緻化整数Iを有する複数の2次レベルの細かいグリッドのセルを有する少なくとも2つの隣接する2次レベルの細かいグリッドを有し、I>kである、請求項1ないし3いずれか一項に記載の方法。
  5. 前記計算手順中に、隣接する2次レベルの細かいグリッドに共通の、前記1次レベルの細かいグリッドと前記2次レベルの細かいグリッドとの間の境界における2次レベルの細かいグリッドのセルの解の点における新しい値を、前記境界に隣接した2次レベルの細かいグリッドのセルの解の点における前記時間の一段階前の段階における数値から求める、請求項4に記載の方法。
  6. 前記計算手順中に、前記2次レベルの細かいグリッドの領域の周囲において空間的補間及び時間的補間によって解を決定する、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記1次レベルの細かいグリッドの領域及び/又は前記2次レベルの細かいグリッドの領域を、シミュレーションする前記物理系の構成要素の幾何学的外形線に合わせて配置する、請求項1乃至6いずれか一項に記載の方法。
  8. 前記計算領域がコンピュータ上で実行されるコンピュータ・プログラムによって作成される、請求項1乃至いずれか一項に記載の方法。
  9. 前記計算手順がコンピュータ上で実行されるコンピュータ・プログラムによって行われる、請求項1乃至8何れか一項に記載の方法。
  10. 請求項1乃至9いずれか一項に記載の方法であって、
    前記コンピュータにより実施される方法であるFD−TD(有限差分時間領域)法に基づく前記物理系である電磁界の数値近似に用いられ、
    前記粗いグリッドのセルと前記細かいグリッドのセルとの各々は、前記物理量に含まれる電界
    Figure 0004528684
    の解の点が、前記物理量に含まれる磁界
    Figure 0004528684
    の解の点に対して直交的にずれている、電磁界の解の点を保有し、
    計算手順を実行して、空間におけるAフィールド(A=EまたはH)の点におけるBフィールド(B=HまたはE)の勾配項に対する、時間の一時点と空間の一点における前記Aフィールドの成分の新しい値を決めるFD−TDの更新方程式を用いて、電磁界の解を求め、空間の前記Aフィールドの点の一方側にある前記Bフィールドの値と空間の前記Aフィールドの点の反対側にある前記Bフィールドの値との間の差によって前記勾配項を近似する方法。
  11. 1次レベルの細かいグリッドの解の点が前記粗いグリッド上に存在する共同配置されたエッジに隣接した解の点でのAフィールドの成分について前記粗いグリッドを更新するのに必要な前記勾配項は、前記共同配置されたエッジ上の前記解の点での前記細かいグリッドのBフィールドの値の総和から計算される、請求項10に記載の方法。
  12. 2次レベルの細かいグリッドの解の点が前記1次レベルの細かいグリッド上に存在する共同配置されたエッジに隣接した解の点でのAフィールド成分について前記1次レベルの細かいグリッドを更新するうえで必要な前記勾配項が、前記共同配置されたエッジ上での前記解の点での前記細かいグリッドのBフィールドの値の全ての総和から計算される、請求項4、5または6を引用する請求項10または11に記載の方法。
  13. 空間位置(g+1)と空間位置(g)との間の成分方向gにおける前記必要なBフィールドの勾配が:
    Figure 0004528684
    によって近似化され、fは、座標位置(g+1)又は(g)各々で規定される前記勾配項の判定において用いる対象のBフィールドの解の点の数を表し、Sは、解の点の各々が前記成分方向gに直交した方向において規定される表面積を表し、
    Figure 0004528684
    は単位垂直ベクトルを表し、Vはセルの体積を表す、請求項11または12記載の方法。
  14. 前記コンピュータは、前記計算手順中に、前記1次レベルの細かいグリッドの領域の周囲での時間的補間を得るのに用いる数値的手法を、前記細かいグリッドの領域で挿入される励起ソースの解を求めるのにも用いる、請求項3乃至13いずれか一項に記載の方法。
  15. シミュレーションする構成要素の幾何学的外形を包含する計算領域を、粗いグリッドによって複数の粗いセルに分割し、該複数の粗いセルのうち隣接する粗いセルそれぞれを、細かいグリッドによって複数の細かいセルに分割し、該粗いセルおよび該細かいセルごとに求めた該物理系の物理量を表す数値により、該物理系において生じる波動伝搬を評価する評価装置であって、
    前記粗いグリッドのデータと、精緻化整数がkである1次レベルの前記細かいグリッドのデータと、該粗いセルと該細かいセルとの各々が有する、前記物理量を表す数値を求め得る1つ又は複数の解の点のデータとを記憶する記憶手段と、
    時間の一段階においてすべての前記粗いセルおよび前記細かいセルそれぞれについて少なくとも1つの前記解の点に対する前記数値を求めるための計算手順を実行する場合に、隣接する該粗いセル間の境界において、一方の粗いセル内の前記細かいセルの解の点における新しい数値を、他方の粗いセル内の前記細かいセルの解の点における前記時間の一段階前の段階における数値から求める計算手段と、
    を備えた評価装置。
  16. 請求項1乃至9いずれか一項に記載の方法であって、
    前記コンピュータにより実施される方法であるFD−TD(有限差分時間領域)法に基づく前記物理系である電磁界の数値近似に用いられ、
    前記粗いグリッドのセルと前記細かいグリッドのセルとの各々は、前記物理量に含まれる電界
    Figure 0004528684
    の解の点が、前記物理量に含まれる磁界
    Figure 0004528684
    の解の点に対してずれており、計算手順を実行して、空間におけるAフィールド(A=EまたはH)の点におけるBフィールド(B=HまたはE)の勾配項に対する、時間の一時点と空間の一点における前記Aフィールドの成分の新しい値を決めるFD−TDの更新方程式を用いて電磁界の解を求め、空間の前記Aフィールドの点の一方側にある前記Bフィールドの値と空間の前記Aフィールドの点の反対側にある前記Bフィールドの値との間の差によって前記勾配項を近似し、1次レベルの細かいグリッドの解の点が前記粗いグリッド上に存在する共同配置されたエッジに隣接した解の点でのAフィールド成分について前記粗いグリッドを更新するうえで必要な前記勾配項を、前記共同配置されたエッジ上の前記解の点での前記細かいグリッドのBフィールドの値の全ての総和を用いて計算する方法。
  17. 請求項15に記載の評価装置であって、
    前記物理系である電磁界をシミュレートし、
    i)前記粗いグリッドのセルと前記細かいグリッドのセルとの各々は、前記物理量に含まれる電界
    Figure 0004528684
    の解の点が、前記物理量に含まれる磁界
    Figure 0004528684
    の解の点に対してずれている、電磁界の解の点の配置を有し、更に、
    ii)前記計算手段は、空間におけるAフィールド(A=EまたはH)の点におけるBフィールド(B=HまたはE)の勾配項に対する、時間の一時点と空間の一点における前記Aフィールドの成分の新しい値を決めるFD−TDの更新方程式を用いて、空間の前記Aフィールドの点の一方側にある前記Bフィールドの値と空間の前記Aフィールドの点の反対側にある前記Bフィールドの値との間の差によって前記勾配項を近似し、1次レベルの細かいグリッドの解の点が前記粗いグリッド上に存在する共同配置されたエッジに隣接した解の点でのAフィールドの成分について前記粗いグリッドを更新するうえで必要な前記勾配項を、前記共同配置されたエッジ上の前記解の点での前記細かいグリッドのBフィールドの値の全ての総和を用いて計算する評価装置。
  18. コンピュータ・プログラムであって、コンピュータ上で実行される場合に、請求項1乃至14と請求項16とのうちの何れか1つに記載の方法を前記コンピュータに行わせることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
  19. コンピュータ・プログラムであって、コンピュータにロードされる場合に、該コンピュータが請求項15と請求項17とのうちの何れか1つに記載の装置になるようにすることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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