JP4528980B2 - 瞳孔検出装置及び瞳孔検出方法 - Google Patents
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図1は明瞳孔が観察されないカメラC,光源L,眼球EBの位置関係の一例を示す光路図である。光源Lから瞳孔に入射する光束を図中1と2で示したラインで示してある。光源LはカメラCの開口部(レンズの有効径)から外れた位置にある。
被験者の目は屈折力を持っており、今、目の焦点が光源Lの位置に一致しているとすると、瞳孔に入射した光束の通る領域の端は1' と2' のラインのように示すことができ、光源の像が網膜上に焦点を結び、網膜上に点のスポットを作る。網膜上では、乱反射をし、いろいろな方向に反射するが、その一部は、瞳孔を通り1'−1と2’−2の経路内を戻る(斜線部)。このとき、網膜上のスポットから発生した光は、光源の位置に焦点を結び、光源Lに大きさが無いと仮定すれば、光源位置を通り過ぎて再び広がる。この目から戻ってきた光はカメラの開口部には入射しないため、カメラからは瞳孔は暗く写る。
この場合、瞳孔に入射した光は、網膜よりも後ろに焦点を結ぶため、網膜上ではピントのずれた大きなスポットとして映る。スポットからの光は網膜を出て目の焦点位置で焦点を結び、1→1’の経路と2→2’の経路の範囲(斜線部)を通る。この経路は、網膜上のスポットが点光源の集まりであると考え、目の焦点位置を考慮すると理解できる。この場合も、瞳孔から戻った光はカメラには入射しない。
言い換えると、瞳孔が大きいときは、光源がカメラ開口部から比較的離れていても瞳孔は光りやすいが、瞳孔が小さいときは、カメラの開口部に極力近い、究極的には開口部内に存在しないと明るくなりにくい。図6に示すように、光源をカメラの光軸に一致させると明瞳孔が得られることになるが、撮像の障害となる。
また、本発明による請求項2記載の瞳孔検出装置は、カメラ,光源,光路形成手段,および演算手段を含み、前記光路形成手段が、被験者の顔面に前記光源からの光を照射し、且つ、前記被験者の瞳孔を含む顔面の像を前記カメラに結像可能に構成され、前記カメラに結像されることにより得られた画像を演算して瞳孔を検出する瞳孔検出装置であって、前記光源は、前記光を前記カメラの開口部内から照射可能に設けられ、被験者の瞳孔内反射が明瞳孔となる第1の波長成分を含む第1の照明光源と、被験者の瞳孔内反射が暗瞳孔となる第2の波長成分を含み、瞳孔以外については前記第1の照明光源と同等の照明効果を呈する第2の照明光源を含み、独立した第1の発光源と第2の発光源をそれぞれの光軸を近接平行に配置しレンズ手段により集光し、さらに前記光路形成手段により近接平行光軸がカメラ手段の光軸に一致するように光路変更して構成され、前記カメラは、前記第1の照明光源による第1の画像データを得る第1の画像データ獲得手段と、前記第2の照明光源による第2の画像データを得る第2の画像データ獲得手段とを含み、前記演算手段は、前記第1の画像データと前記第2の画像データを演算処理して瞳孔を検出する手段である。
本発明による請求項8記載の瞳孔検出方法は、被験者の顔面に光源から光を照射することによって、前記被験者の瞳孔を含む顔面の像をカメラに結像させた後、前記カメラに結像させることにより得られた画像を、演算手段により演算して瞳孔を検出する瞳孔検出方法であって、前記光源により、被験者の瞳孔内反射が明瞳孔となる第1の波長成分と、被験者の瞳孔内反射が暗瞳孔となり、瞳孔以外については前記第1の波長成分と同等の照明効果を呈する第2の波長成分とを、前記カメラの開口部内から照射し、独立した第1の波長成分の光と第2の波長成分の光をそれぞれの光軸を近接平行に配置して集光し、さらに近接平行光軸がカメラ手段の光軸に一致するように光路変更するステップと、前記カメラにより、前記第1の波長成分による第1の画像データを得るステップと、前記カメラにより、前記第2の波長成分による第2の画像データを得るステップと、前記演算手段により、前記第1の画像データと前記第2の画像データを演算処理して瞳孔を検出するステップとを備える。
図7,8は、本発明における明瞳孔検出の原理を説明するための説明図である。
図7に示すようにハーフミラーMを介して光源の光を目に照射し、網膜の反射光を光源自体に妨害されないようにして、カメラの開口部に入射させる。この例は近視状態の場合を示している。図8の例では、無限遠に目の焦点がある場合を示している。これらの例のように、瞳孔面積が小さいときでも、また、目の焦点がどこに合っていても、網膜反射光はカメラの開口部に入射するようになる。
小さな瞳孔において明瞳孔画像を得るためには、光源をカメラ開口部内に設置するのが望ましいが、暗瞳孔画像を得るためにはカメラ開口部からできるだけ離れたところに設置するほうが効果的である。しかし、一方で、明瞳孔画像を得るための光源と暗瞳孔画像を得るための光源が離れていると、前述のように眼鏡反射光や眼鏡フレーム反射光が両画像間で異なる位置に映るために、画像差分によって除去しにくい。また、顔表面においても両者間で輝度差が生じやすい。さらに、顔と背景の境界では、片方の照明においては明るく、もう片方では影になり暗いなどの違いが生じるため、やはり検出がし難くなる。
第1の照明光源は、被験者の瞳孔内反射が明瞳孔となる第1の波長成分を含むものであり、第2の照明光源は、被験者の瞳孔内反射が暗瞳孔となる第2の波長成分を含み、瞳孔以外については前記第1の照明光源と同等の照明効果を呈するものである。
なお、前述した特許文献3記載の発明(特表2002−513176)で述べられているように、850nmと950nmの波長では、網膜反射の反射率が異なるため、基本的に850nmを中心波長としたLEDと950nmを中心波長としたLEDを少なくとも2種類用いる(これらの中心波長は、これらに限定するものではない。950nmの代わりに930nmや970nmなどでもよいし、850nmに代わりに830nmや880nmなどでも良い。およそ900nmを境に網膜の反射率が大きく変化することを利用する。ただし、850nm未満の中心波長のLEDでは、発光源そのものが光って見えるため、用途によっては望ましくない)。
波長が同じ場合には時分割、波長が異なる場合は波長分離により、2つの画像を作り、それらの差分画像から瞳孔を検出しているが、この場合も、差分をする2つの画像における眼鏡反射の位置が異なるため、眼鏡反射除去が難しい。
これに対して本発明では、2つの波長の光源を基本的に共に開口部内に設置し、しかも差分する2つの画像において互いに眼鏡反射光が打ち消し合うように等価的に2つの波長の光源を同じ位置に設置する。
この手法では、瞳孔の動きが素早い場合において瞳孔中心を正確に検出したい場合などは波長分離で行ない、そうでない場合は時分割を使用しても良い。
イ)凹面反射を利用しても同様な光学特性を得ることができる。
ロ)また、Y分岐光ファイバを用いることもできる。分岐ファイバの分岐の片方から2種類のうちの短波長のLEDの光を入射させ、もう片方から長波長のLEDの光を入射させ、これにより、2種類の波長の光を混合し、集光レンズにてカメラの被写角(画角)にあわせて顔に光を照射させることもできる。
ハ)さらに、図16のように、2種類の光源L1 ,L2 にダイクロイックミラーMを利用して、例えば長波長光源からの光のほとんどは反射させ、また、短波長光源からの光のほとんどを透過させることによって、効率よく両者の光を目に照射することができる。場合によってハーフミラーMでも可能である。
その場合、カメラCのイメージセンサの波長−感度曲線や光源のパワーなどを考慮して、両者のバランスを取るように、ハーフミラーMの反射対透過比を適当に選べばよい。このようにして合成された光を図13に示すようにカメラCの光軸に平行になるようにハーフミラーM等で導入する。
(瞳孔検出の第1の実施形態)
中心波長が850nmと950nmの発光源を持つ光源L12によりハーフミラーMを介して被験者の眼球EBに2波長の近赤外光を照射する。この光源L12の光軸とカメラCの光軸とがほぼ一致するように、ハーフミラーM及び光源L12が配置される。
ただし、先述のように約900nmを挟んで、短い波長と長い波長の組み合わせであればよく、前述した特定の波長に限らない。
網膜からの反射光をハーフミラーもしくは約900nmで波長分離するためのダイクロイックミラーMを介してカメラCに入射させる。
ここで、ハーフミラーMを使用する場合は、各カメラC1 ,C2 に発光源とそれぞれ同じ中心波長を持つ帯域通過フィルタF1 ,F2 を配置する。帯域通過フィルタを用いない場合は遮断波長が約900nmである低域通過フィルタFと高域通過フィルタFをカメラの前に配置する。なお中心波長が異なる2つの光をできるだけ分離する。
なお、ここで帯域通過フィルタの代わりに、約900nmを遮断波長とする高域通過フィルタと低域通過フィルタに置き換えてもよい。ただし、その場合、環境光の影響を削減するためにカメラ開口部に可視光遮断フィルタあるいは約800nm〜約1000nmを通過させる広域の帯域通過フィルタを取り付けるのが望ましい。
(瞳孔検出の第2の実施形態)
図13に示すように、2波長LED(L12)中の2つの波長の発光源をカメラ1台の前においたハーフミラーMを介して、2波長光源の各波長の発光源を、フレームごとあるいは、例えばNTSC方式(飛び越し走査方式)のカメラであればフィールド毎に交互に点灯させ、目に光を照射し、各発光源照射により得られた時間的に隣り合う画像を差分した後に瞳孔像を画像処理により検出する。
最も簡易な実現方法の1つは、図11に示した露光信号と、画像入力ボードから出力する発光源選択のための信号とから、図14に示した回路を用いて、各発光源を交互に点灯させるための露光信号を新たに作ればよい。なお、発光源選択信号は、ビデオの垂直同期信号や画像入力ボードからの露光信号などをDフリップフロップに入力し、その出力を用いることもできる。(Dフリップフロップ出力は、入力信号の立ち上がり、または立ち下がりのタイミングで、ハイレベルとローレベルを交互に繰り返す。)
(瞳孔検出と瞳孔の3次元位置計測を行なう第3の実施形態)
瞳孔の3次元位置計測にはステレオ計測をするのが一般的である。したがって、図10、図13、図17等で示した光学系を2系統以上必要とする。具体的には、このような光学系を有する2系統の瞳孔検出装置を、被験者に対向して一定距離離れて、且つ、相互にも一定距離離れた位置に配置する。そして、それぞれの瞳孔検出装置によって検出された瞳孔の2次元位置に基づいてステレオ計測により瞳孔の3次元位置が計測可能に構成される。
その場合、図10及び図17で示した2台のカメラを使用した光学系、もしくは、図13において図15に示したような、隣り合う画素に中心波長がそれぞれ850nm及び950nmの帯域通過フィルタを取り付けたイメージセンサを用いたカメラを1台使用した光学系においては、2系統以上の光学系のそれぞれに取り付けられている2波長光源の2種類の中心波長の光源は同時に発光させた上で、系統ごとに時間的に僅かずつずらして発光させ、発光と同時に各光源が取り付けてあるカメラのシャッタを開けばよい。
Claims (8)
- カメラ,光源,光路形成手段,および演算手段を含み、前記光路形成手段が、被験者の顔面に前記光源からの光を照射し、且つ、前記被験者の瞳孔を含む顔面の像を前記カメラに結像可能に構成され、前記カメラに結像されることにより得られた画像を演算して瞳孔を検出する瞳孔検出装置であって、
前記光源は、
前記光を前記カメラの開口部内から照射可能に設けられ、
被験者の瞳孔内反射が明瞳孔となる第1の波長成分を含む第1の照明光源と、
被験者の瞳孔内反射が暗瞳孔となる第2の波長成分を含み、瞳孔以外については前記第1の照明光源と同等の照明効果を呈する第2の照明光源を含み、
独立した第1の照明光源と第2の照明光源の光軸を、前記光路形成手段により共通の光軸を保つように合成し、さらに前記共通の光軸がカメラ手段の光軸に一致するように光路変更して構成され、
前記カメラは、
前記第1の照明光源による第1の画像データを得る第1の画像データ獲得手段と、
前記第2の照明光源による第2の画像データを得る第2の画像データ獲得手段とを含み、
前記演算手段は、前記第1の画像データと前記第2の画像データを演算処理して瞳孔を検出する手段である瞳孔検出装置。 - カメラ,光源,光路形成手段,および演算手段を含み、前記光路形成手段が、被験者の顔面に前記光源からの光を照射し、且つ、前記被験者の瞳孔を含む顔面の像を前記カメラに結像可能に構成され、前記カメラに結像されることにより得られた画像を演算して瞳孔を検出する瞳孔検出装置であって、
前記光源は、
前記光を前記カメラの開口部内から照射可能に設けられ、
被験者の瞳孔内反射が明瞳孔となる第1の波長成分を含む第1の照明光源と、
被験者の瞳孔内反射が暗瞳孔となる第2の波長成分を含み、瞳孔以外については前記第1の照明光源と同等の照明効果を呈する第2の照明光源を含み、
独立した第1の発光源と第2の発光源をそれぞれの光軸を近接平行に配置しレンズ手段により集光し、さらに前記光路形成手段により近接平行光軸がカメラ手段の光軸に一致するように光路変更して構成され、
前記カメラは、
前記第1の照明光源による第1の画像データを得る第1の画像データ獲得手段と、
前記第2の照明光源による第2の画像データを得る第2の画像データ獲得手段とを含み、
前記演算手段は、前記第1の画像データと前記第2の画像データを演算処理して瞳孔を検出する手段である瞳孔検出装置。 - 前記演算手段は前記第1の画像データと前記第2の画像データの差分演算により瞳孔を検出するように構成されている請求項1又は2記載の瞳孔検出装置。
- 前記カメラ手段は、前記第1の画像データ獲得手段と前記第2の画像データ獲得手段が単一のカメラの同一のイメージセンサの画素群を分割して構成されている請求項1又は2記載の瞳孔検出装置。
- 前記カメラ手段は、前記第1の画像データ獲得手段と前記第2の画像データ獲得手段が別々のカメラにより構成されている請求項1又は2記載の瞳孔検出装置。
- 被験者から一定距離離れ、相互に一定距離離れて配置され、それぞれが瞳孔を検出し、瞳孔の3次元位置を計測するための請求項1〜5記載の一組の瞳孔検出装置。
- 被験者の顔面に光源から光を照射することによって、前記被験者の瞳孔を含む顔面の像をカメラに結像させた後、前記カメラに結像させることにより得られた画像を、演算手段により演算して瞳孔を検出する瞳孔検出方法であって、
前記光源により、被験者の瞳孔内反射が明瞳孔となる第1の波長成分と、被験者の瞳孔内反射が暗瞳孔となり、瞳孔以外については前記第1の波長成分と同等の照明効果を呈する第2の波長成分とを、前記カメラの開口部内から照射し、独立した第1の波長成分の光と第2の波長成分の光の光軸を、共通の光軸を保つように合成し、さらに前記共通の光軸がカメラ手段の光軸に一致するように光路変更するステップと、
前記カメラにより、前記第1の波長成分による第1の画像データを得るステップと、
前記カメラにより、前記第2の波長成分による第2の画像データを得るステップと、
前記演算手段により、前記第1の画像データと前記第2の画像データを演算処理して瞳孔を検出するステップと、
を備える瞳孔検出方法。 - 被験者の顔面に光源から光を照射することによって、前記被験者の瞳孔を含む顔面の像をカメラに結像させた後、前記カメラに結像させることにより得られた画像を、演算手段により演算して瞳孔を検出する瞳孔検出方法であって、
前記光源により、被験者の瞳孔内反射が明瞳孔となる第1の波長成分と、被験者の瞳孔内反射が暗瞳孔となり、瞳孔以外については前記第1の波長成分と同等の照明効果を呈する第2の波長成分とを、前記カメラの開口部内から照射し、独立した第1の波長成分の光と第2の波長成分の光をそれぞれの光軸を近接平行に配置して集光し、さらに近接平行光軸がカメラ手段の光軸に一致するように光路変更するステップと、
前記カメラにより、前記第1の波長成分による第1の画像データを得るステップと、
前記カメラにより、前記第2の波長成分による第2の画像データを得るステップと、
前記演算手段により、前記第1の画像データと前記第2の画像データを演算処理して瞳孔を検出するステップと、
を備える瞳孔検出方法。
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