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JP4530225B2 - ダクト壁構造 - Google Patents
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Description

本発明は、排熱回収ボイラの保温及び防音を目的としたダクト壁構造に係り、特にガスタービン燃焼により生成する650℃程度の高温ガスの保温を図り、ガスタービン燃焼により発生する低周波騒音を外部に漏れなくする保温及び防音用のダクト壁構造に関する。
近年、ガスタービンで生成する燃焼ガスの持つエネルギを回収して蒸気を発生させ、得られた蒸気を用いて蒸気タービンにより発電を行う排熱回収ボイラ(以下、HRSGということがある)に対する需要が高まっている。
図20にHRSG用のダクト壁12を示す。このダクト壁12内には、ガスタービン(図示せず)から、約650℃かつ30m/s程度の高温高流速ガス11が流入し、ダクト壁12の内部に設置された伝熱管群13で熱吸収され、比較的低温になったガスが煙突14から排出される。
図20に示す矢印A方向から見たダクト壁12の側面図を図21に示す。ダクト壁12は、HRSG全体の表面積の大部分を占めており、ダクト壁12の保温性能及び防音性能を優れたものにすることでプラント全体の信頼性も良くなる。
従来のHRSGのダクト壁12のガス流れ方向に平行な方向の断面図を図22〜図24に示す。従来のダクト壁12は、ダクト内部を流れる高温高流速ガス11の保温のため、一般にロックファイバ、セラミックファイバ等の保温部材4がダクト外部側の外板2とダクト内部側の内板3との間に保持された構造のものが用いられている。そして同時に、この保温部材4が有する防音機能を利用して保温部材4は防音材としても用いられる。
図22(図22(a)はダクト壁12のガス流れに平行な方向の断面図、図22(b)は図22(a)の一部拡大図)に示す従来のHRSGのダクト壁12の標準保温構造は、ダクト壁12の外部側の外板(ケーシング)2と高温高流速ガス11が流れるダクト内部側の内板(内部ラギング)3の間に複数の保温部材4を積層状に配置し、外板2と内板3をスタッドボルト5と保温部材4を固定する機能を有するインサレーションピン25で保持し、また外板2に端部が支持されたスタッドボルト5の内板3側に円盤状ワッシャ36およびナット31を設けて内板3を取り付け、保温部材4の各層の接合部にあるインサレーションピン25にはスピードワッシャ26を取り付けて各保温部材4を固定している。
また、図23(ダクト壁12のガス流れ方向に平行な方向の断面図(図23(a))と図23(a)のA−A線矢視図(図23(b))を示す)に示す従来のダクト壁12の構成が知られている。図23に示すダクト壁12は、外板2と内板3の間に中間部材6を設置し、外板2と中間部材6の間をスタッドボルト5Bで連結し、中間部材6と内板3の間をスタッドボルト5Aで連結する二層保温構造である。
また、図24(図24(a)はダクト壁12のガス流れ方向に平行な方向の断面図、図24(b)は図24(a)のA−A線断面図)に示すダクト壁12も知られている。図24に示すダクト壁12は、外板2と内板3の間に中間部材6と中板9を挿入し、外板2と内板3を単一のスタッドボルト5ではなく、外板2と中間部材6の間をスタッドボルト5Bで連結し、中板9と内板3の間をスタッドボルト5Aで連結する二層保温構造を本出願人は開発した。
なお、図23(a)と図24(a)の紙面左端にはダクト内板3と外板2の間の温度分布100も示している。
この図24に示すダクト壁12の構造では、ダクト壁12の内部に流れる高温高流速ガス11の保温のため、内板3と中板9の間及び外板2と中板9の間には、それぞれロックファイバ、セラミックファイバ等でできた保温部材4A、4Bからなる2層の保温部材を配置する構成が一般に用いられる。この保温部材4A、4Bは防音機能を有するので、外板2と内板3との間に保温部材4A、4Bを挟みこんたダクト壁12は防音構造にもなっている。また外板2と内板3は、それらの間に保温部材4A、4Bを挟みこんで、通常スタッドボルト5A、5Bやナット7A、7Bで連結する方法が一般的に用いられている。
しかし、図24に示すダクト壁12の二層保温および吸音構造は、優れた遮音性能を持つ反面、重量増加となり、加工費、施工費、設計費等コスト的なデメリットが多く、新たな低コスト型の保温および防音構造を開発する必要性があった。
ところで、HRSGの内部から外部に抜ける透過音が騒音として測定される。HRSGの内部にサイレンサが設置されない場合、ガスタービン排ガス(高温高流速ガス)の音響エネルギーは減衰されることなく、HRSG内部に存在するため、防音対策としてはHRSG壁面の遮音性能を向上させることが必要である。
ダクト壁12を透過する音は、空気伝搬音と固体伝搬音の二つに分けられるが、ダクト壁12の遮音性能は外板2、内板3及び保温部材4の透過損失によって決まり、透過音のほとんどは内板3→スタッドボルト5→外板2へと伝わる固体伝搬音と考えられる。
図22〜図24に開示したダクト壁構造は、内板3と外板2の間に中間部材6を配置し、内板3と中間部材6の間をスタッドボルト5Aとナット7Aで連結し、外板2と中間部材6の間をボルト5Bとナット7Bで連結することにより、固体伝搬音の経路を長くして固体伝搬音を減衰させる方法であるが、このような構造は、固体伝搬音を遮断する上で一般的であり、同様の構造が、特開昭51−143915号公報、特開平11−351488号公報に開示されている。
また、図2に示す制振材8bを二枚の板材8aで挟み込んだ構造の防振用のワッシャ8は建築物の防振、防音材として知られている。その一般的な例は、特開昭52−92501号公報、特開平9−279717号公報、特開2000−27333号公報等に開示されている。
特開昭51−143915号公報 特開平11−351488号公報 特開昭52−92501号公報 特開平9−279717号公報 特開2000−27333号公報
上記従来技術には以下のような解決すべき問題点があった。
(1)図2に示す防振ワッシャ8をHRSGのダクト壁12の内板3上に配置すると、防振ワッシャ8が配置される内板3の部位は約650℃以上の高温高流速のガス11に直接曝されることになる。防振ワッシャ8は耐熱性が不十分であるためHRSGのダクト壁12の高温高流速ガス11に曝される箇所には使用できない。
(2)図2に示す防振ワッシャ8をダクト壁12の内板3上に配置すると、防振ワッシャ8の側面は直接高流速の高温高流速ガス11に曝されるため、制振材8bが飛散する可能性がある。この制振材8bが飛散してHRSGの内部機器に付着すると、当該機器に重大な損失を与えるおそれがある。
(3)図22に示す一対の円盤状ワッシャ36で内板3を挟み込むダクト壁構造は、ガスタービンとHRSGなどからなるプラントの起動停止時にHRSGの内部温度の変化により、内板3が熱伸縮し、その伸縮による摩擦抵抗により円盤状ワッシャ36に剪断力が発生するので、円盤状ワッシャ36は長期間使用することができない。
(4)また、図2に示す防振ワッシャ8は剪断力に対し非常に弱い。一対の防振ワッシャ8を円盤状ワッシャ36(図22)の代わりに用いて図22に示すダクト壁12の内板3を挟み込んだ場合、剪断力により防振ワッシャ8はワッシャとしての機能を果たさなくなるおそれがある。
(5)特開昭52−92501号公報などに開示された建築物用の防振ワッシャは高分子接着材、ゴム等が制振材として使用されているが、そのままの形で、約650℃かつ約30m/s程度の高温高流速ガス11が流れるHRSGの内部保温構造には適用できない。
そこで、本発明の課題は、前記防振ワッシャと同様な遮音性能を有し、かつHRSGのような高温高流速ガスに曝される厳しい雰囲気下においても使用可能な制振構造体を備えた排熱回収ボイラなどの保温・防音ダクト壁構造を提供することである。
また、本発明の課題は、高温高流速ガス雰囲気中において適用可能であり、良好な防振性能と防音(遮音)性能を発揮できる保温・防音ダクト壁構造と該ダクト壁構造に用いる防振(制振)構造体を提供することである。
ところで、HRSGのダクト壁12の騒音源となるガスタービンの騒音スペクトルの特徴を音源レベルと周波数の関係を示す図25を用いて説明する。一般的なボイラダクトでのファン等の騒音スペクトルgは、500Hz以下の低周波帯域で音源レベルが小さくなるのが一般的であるが、HRSGに用いられるの大口径タービンでの燃焼音は、音源レベルhのように250Hz以下の低周波帯域での音源レベルが高いものが多い。
このような特徴を有するHRSGでは、250Hz以下の低周波音を抑えることが防音上の課題である。上記騒音源であるガスタービンの音響特性のために、従来は、下記の問題点が解決されていない。
(6)固体伝搬音を抑えるため、固体伝搬音の経路を長くし、かつ防振ワッシャ8(図2)を用いてもHRSGダクト内を流れる約650℃、かつ約30m/s程度の高温高流速ガス11のため、グラスファイバ、ロックファイバ、セラミックファイバ等の防振性能が優れた材料の摩耗が発生し、遮音性の劣化のみならず構造的な信頼性を長期に亘って維持することが困難となる。
(7)上記防振ワッシャ8は、250Hz以上の中〜高周波域のみに防音効果があり、その他の低周波帯域では効果が見込めない。従って、250Hz以下の低周波帯域での音源レベルが高いガスタービンで発生する騒音の防音効果が期待できない。
そこで、本発明のさらなる課題は、上記(6)のような構造的な問題がなく、かつ上記(7)の低周波帯域においてレベルの高いガスタービン音源に対して、防音効果が得られる保温・防振ダクト壁構造を提供することにある。
上記本発明の課題は、以下の解決手段により達成される。
請求項1記載の発明は、ガス流路を構成するダクト壁構造であって、ガス流側の内板3と、外気側の外板2と、前記内板3と外板2の中間部に内板3と外板2と平行に、その長手方向が配置される1以上の中間部材6と、前記内板3と中間部材6との間隔保持用に内板3と中間部材6に両端部が固定された複数の第1サポート部材5Aと、前記外板2と中間部材6との間隔保持用に外板2と中間部材6に両端部が固定された複数の第2サポート部材5Bと、前記第2サポート部材5Bの中間部材側の接続部に取り付けられた防振性ワッシャ8と、前記内板3と外板2の間にあって、前記中間部材6と前記第1、第2サポート部材5A、5Bと防振性ワッシャ8の隙間に充填される保温部材4とを備えた保温及び防音用のダクト壁構造である。
請求項1記載の発明によれば、外板2と内板3の間の保温部材内に防振ワッシャ8を配置するので、約650℃、かつ流速30m/s程度の高温高速流ガス11の影響を受けず、防振ワッシャ8の構成材料として防振性能が優れた防振材8bが使用可能となり、防振ワッシャ8のサポート構造の熱伸び対策とダクト壁12の防音性能を良好な状態に維持でき、長期に亘って信頼性の高いダクト構造を維持することができる。
請求項2記載の発明は、前記第1サポート部材5Aと中間部材6との固定位置と前記第2サポート部材5Bと中間部材6との固定位置とはガス流方向に互いにずれている請求項1記載の保温及び防音用のダクト壁構造である。
請求項2記載の発明によれば、外板2と内板3の間の固体伝搬音経路(内板3→サポート部材(スタッドボルト)5A→中間板6→サポート部材(スタッドボルト)5B→外板2)を長くして固体伝搬音を遮断するダクト壁構造とすることができる。
請求項3記載の発明は、防振性ワッシャ8の取り付け位置は400℃以下のダクト壁内の領域に設けられた請求項1又は2記載の保温及び防音用のダクト壁構造である。
請求項4記載の発明は、内板3と外板2の間に充填される保温部材4の全厚さの半分又は該半分より外板2側の位置に防振性ワッシャ8を設置した請求項1ないし3のいずれかに記載の保温及び防音用のダクト壁構造である。
請求項3、4記載の発明によれば、ダクト壁12の保温部材4の全厚さのほぼ半分の位置である温度約350〜400℃、かつ流速0m/sの位置又は保温部材4の全厚さの半分又は該半分より外板2側の位置に防振ワッシャ8を配置すると、高温高速流ガス11の影響を受けずに、防振ワッシャ8の構成材料として防振性能が優れた市販品である防振材8bが使用可能となる。
請求項5記載の発明は、中間部材6と外板2の間に充填される保温部材4Bが、少なくとも外板2の厚さの3倍以上の厚さを有する防振材料又は振動減衰材料からなり、該保温部材4Bを全厚の少なくとも10%の圧縮率で圧縮して外板2に密着させた請求項4記載の保温及び防音用のダクト壁構造である。
請求項5記載の発明によれば、全厚の10%以上の圧縮率で保温部材4を圧縮支持することにより、外板2、保温部材(防音材)4、中間部材6及び中板9の密着性が保持でき、これらの間で構造的なゆるみが生じることなく、ダクト壁12の防振性能が保持できる。また、外板2の板厚に対して、保温部材(防音材)4は少なくとも3倍以上の厚みを有するので、外板2の曲振動により発生する保温部材4の曲げ歪みが大きくなり、十分な振動減衰性能が得られる。
請求項6記載の発明は、中間部材6には、第2サポート部材5Bを通す穴6A、6Bを、中間部材6の長手方向に沿って複数個設けた請求項1ないし5のいずれかに記載の保温及び防音用のダクト壁構造である。
請求項6記載の発明によれば、複数の穴6A、6Bに第2サポート部材5Bを通し、ナット7Bにより一対の防振ワッシャ8を締めつけて中間部材6を固定できるので、中間部材6が保持できる。
請求項7記載の発明は、中間部材6に設けられた第2サポート部材5Bを通す複数個の穴6A、6Bは、中間部材6の長手方向の中央部に配置した防振性ワッシャ8固定用の穴6Aと、該固定用穴6Aを中心に中間部材6の長手方向の対称位置にそれぞれ一組以上配置したルーズ穴6Bを備えた請求項6記載の保温及び防音用のダクト壁構造である。
請求項7記載の発明によれば、中間部材6の中央部には中間部材固定用の穴6Aに第2サポート部材(スタッドボルト)5Bを通して一対の防振ワッシャ8を締めつけて固定しても、ルーズ穴6Bで第2サポート部材(スタッドボルト)5Bが中間部材6を滑り支持するので、中間部材6の熱伸びを吸収でき、また温度条件の異なる箇所に取り付けられる中間部材6であっても同一寸法のルーズ穴6Bで対応可能であるので、画一規格を有する中間部材6を用いることが可能となる。
請求項8記載の発明は、中間部材6を、その長手方向がガス流れに直交する方向に向けて配置し、ガス流れ方向とガス流れに直交する方向にそれぞれ複数個配置された請求項1ないし7のいずれかに記載の保温及び防音用のダクト壁構造である。
請求項8記載の発明によれば、中間部材6が内板3の自重を支持し易くなるので、内板3に作用する荷重として、内板3の自重が支配的である場合には有効であり、防振ワッシャ8を中間部材6で支持することができる。
請求項9記載の発明は、中間部材6を、その長手方向がガス流れに平行な方向に向けて配置し、ガス流れ方向とガス流れに直交する方向にそれぞれ複数個配置された請求項1ないし7のいずれかに記載の保温及び防音用のダクト壁構造である。
請求項9記載の発明によれば、中間部材6が内板3に作用する風荷重を支持し易くなるので、内板3に作用する荷重として風荷重が支配的である場合には有効であり、防振ワッシャ8を中間部材6で支持することができる。
請求項10記載の発明は、内板3が、複数の内板部材3Aを張り合わせて構成され、各内板部材3Aには第1サポート部材5Aを通す複数個の穴H1,H2,・・・を設けた請求項1ないし9いずれかに記載の保温及び防音用のダクト壁構造である。
請求項10記載の発明によれば、内板3を複数の内板部材3Aから形成すると高温高速流ガス11が、内板3と外板2の間の保温部材4の内部に流入することを防止することができる。
請求項11記載の発明は、各内板部材3Aに設けられた第1サポート部材5Aを通す複数個の穴H1,H2,・・・が、内板部材3Aの中央部に配置した防振性ワッシャ8固定用の穴H1と、該固定用穴H1を中心にして内板部材3Aの周辺部の対称位置にそれぞれ一組以上配置したルーズ穴H2,H3,・・・を備えた請求項10記載の保温及び防音用のダクト壁構造である。
請求項11記載の発明によれば、内板部材3Aの中央部では中間部材固定用の穴H1に第1サポート部材(スタッドボルト)5Aを通して固定しても、ルーズ穴H2,H3,・・・では第1サポート部材(スタッドボルト)5Aが内板部材3Aを滑り支持するので、内板部材3Aの熱伸びを吸収でき、また温度条件の異なる箇所に取り付けられる内板部材3Aであっても同一寸法のルーズ穴H2,H3,・・・で対応可能であるので、画一規格を有する内板部材3Aを用いることが可能となる。
請求項12記載の発明は、各内板部材3Aが、隣接する内板部材3Aと一部重ね合わせて配置され、またガス流れの上流側の内板部材3Aが下流側の内板部材3Aの上側に設置され、かつ鉛直方向上側の内板部材3Aが鉛直方向下側の内板部材3Aより上側に設置された請求項10又は11記載の保温及び防音用のダクト壁構造である。
請求項12記載の発明によれば、内板部材3Aの熱伸びがあっても各内板部材3Aで、その熱伸びを吸収でき、また、高温高速流ガス11が内板部材3Aの下部に流入することがなく耐久性が優れた内板構造が得られる。
請求項13記載の発明は、中間部材6の取り付け位置には内板3と外板2の長手方向に沿って保温部材4を二分する中板9を設けた請求項1ないし12のいずれかに記載の保温及び防音用のダクト壁構造である。
請求項13記載の発明によれば、約650℃、かつ流速30m/s程度の高温高速流ガス11の影響を受けず、防振ワッシャ8の構成材料として防振性能が優れた防振材8bが使用可能となり、防振ワッシャ8のサポート構造の熱伸び対策とダクト壁12の防音性能を向上することが両立でき、また中板9を設けたので熱遮断効果および遮音効果が良く、長期に亘って信頼性の高いダクト構造を維持することができる。
請求項14記載の発明は、防振性ワッシャ8として、2枚の板状部材8a,8aで防振材8bを挟んだ構成からなる請求項1ないし13のいずれかに記載の保温及び防音用のダクト壁構造である。
請求項14記載の発明によれば、約650℃、かつ流速30m/s程度の高温高速流ガス11の影響を受けず、市販品の防振ワッシャ8を使用できるので、設備コスト的に有利である。
請求項15記載の発明は、ガスの流路を構成するダクト壁であって、ガス流側の内板3と、外気側の外板2と、内板3と外板2との間隔保持用に内板3と外板2に両端部が固定された複数のサポート部材5と、内板3と外板2の間にある前記サポート部材5の隙間に充填される保温部材4と、ガス流に接する前記サポート部材5の内板3との接続部に取り付けられた盆状に加工された受け皿19、受け皿19に挿入される制振材21及び受け皿19の内径に合わせた上蓋20により構成される防振性ワッシャ(制振材挿入型ワッシャ)18とを備えた保温及び防音用のダクト壁構造である。
請求項16記載の発明は、ガス流側の内板3と外気側の外板2と内板3と外板2との間隔保持用に内板3と外板2に両端部が固定された複数のサポート部材5と前記内板3と外板2の間にあるサポート部材5の隙間に充填される保温部材4と、を備えたガス流路を構成するダクト壁の構成部材であって、
ガス流に接するサポート部材5の内板側の接続部に取り付けられることを特徴とする盆状に加工された受け皿19、受け皿19に挿入される制振材21及び受け皿19の内径に合わせた上蓋20により構成されたことを特徴とする防振性ワッシャ。
請求項15、16記載の発明によれば、防振性ワッシャ(制振材挿入型ワッシャ)18は、従来のHRSGのダクト壁12の標準保温構造の円盤状ワッシャ36(図22参照)の代わりに用いることができ、部品点数の増加とならず、制振材挿入型ワッシャ18に用いられる制振材21は直接ガス11に曝されないため制振材21が飛散するおそれが無く比較的耐久性がある。また、内板3を挟み込む一対の制振材挿入型ワッシャ18は、プラント起動停止時の内部温度の変化により、内板3が伸縮し、その伸縮による摩擦抵抗により制振材挿入型ワッシャ18の断面内に発生する剪断力に耐えることができ、ダクト壁12の防音性能を比較的長期に亘って良好な状態に保ち、信頼性の高いダクト構造を提供することができる。
請求項17記載の発明は、請求項1ないし15のいずれかに記載のダクト壁構造の外板2のさらに外気側に配置した保温部材4Cと、外板2に取付けられたサポート部材5Cにより支持され、外板2から間隔を開けて外板2の長手方向に平行な方向に配置された外装板32と、該外装板32と前記サポート部材5Cとの間に固定される請求項16記載の防振性ワッシャ18とを備えた外部保温構造である。
請求項17記載の発明によれば、防振性ワッシャ(制振材挿入型ワッシャ)18は固体伝搬振動がダクト壁12の外部に漏れ出ることを有効に防止できる。
本発明の実施例1になるHRSGのガス流れ方向に平行な方向のダクト壁の断面図(図1(a))と図1(a)のB−B線矢視図(図1(b))である。 従来から用いられていたHRSGのダクト壁に用いる防振ワッシャの断面構造図(図2(a))と平面図(図2(b))である。 本発明の実施例1になるHRSGのガス流れに直交するダクト壁の断面図(図3(a))と図3(a)のB−B線矢視図(図3(b))である。 本発明の実施例1のダクト壁の中間部材の側面図(図4(a))と図4(a)のC−C線矢視図(図4(b))である。 本発明の実施例1のダクト壁の中間部材の平面図である。 本発明の実施例1のダクト壁の中間部材の平面図である。 本発明の実施例1のダクト壁の中間部材の配置例を示す斜視図である。 本発明の実施例1のダクト壁の中間部材の配置例を示す斜視図である。 本発明の実施例1のダクト壁の内板部材の平面図である。 本発明の実施例1のダクト壁の内板部材の平面図である。 本発明の実施例1のダクト壁の内板部材の平面図である。 本発明の実施例1のダクト壁の内板部材を一部重ね合わせた場合の平面図(図12(a))と図12(a)のE−E線矢視図(図12(b))と図12(a)のF−F線矢視図(図12(c))である。 本発明の実施例1になる防振ワッシャと実施例4の防振材挿入型ワッシャの防振材摩耗量の比較を示す図である。 本発明の実施例2になるHRSGのガス流れ方向に平行な方向のダクト壁の断面図(図14(a))と図14(a)のB−B線矢視図(図14(b))である。 本発明の実施例3になるHRSGのガス流れ方向に平行な方向のダクト壁の断面図(図15(a))と図15(a)のB−B線矢視図(図15(b))である。 従来技術の図23と図24の透過損失dと図14(実施例2)の防振ワッシャを設置した構造の透過損失eと図15(実施例3)の透過損失fを示す図である。 本発明の実施例4、5の防振材挿入型ワッシャの斜視図(図17(a))と断面図(図17(b))である。 本発明の実施例4の制振材挿入型ワッシャを用いたHRSGのガス流れ方向に平行な方向のダクト壁の断面図(図18(a))、図18(a)の一部拡大図(図18(b))、図18(b)のA−A線矢視図(図18(c))である。 本発明の実施例5の制振材挿入型ワッシャを用いたHRSGのガス流れ方向に平行な方向のダクト壁の断面図(図19(a))、図19(a)のA−A線矢視図(図19(b))、図19(b)の一部拡大図(図19(c))である。 HRSGの全体の斜視図である。 図20の矢印A方向からの矢視図である。 従来のHRSGのガス流れ方向に平行な方向のダクト壁の断面図(図22(a))と図22(a)の一部拡大図(図22(b))である。 従来技術になるHRSGのガス流れ方向に平行な方向のダクト壁の断面図(図23(a))と図23(a)のA−A線矢視図(図23(b))である。 従来技術になるHRSGのガス流れ方向に平行な方向のダクト壁の断面図(図24(a))と図24(a)のA−A線矢視図(図24(b))である。 燃焼タービンの騒音スペクトルの音源レベルと周波数の関係を示す図である。
本発明の実施例を図面と共に説明する。
本実施例のHRSGのダクト壁12を図1(a)の高温ガス11の流れ方向に平行な方向の断面図と図1(a)のB−B線矢視図である図1(b)に示す。外気側の外板2とダクト内の高温高流速ガス11が流れる側の内板3との間の略中間部に複数の中間部材6を外板2と内板3に沿って配置し、外板2と内板3と中間部材6の間に保温部材4を配置する。保温部材4はグラスファイバ、ロックファイバ、セラミックファイバ等の防振材あるいは減衰材等の材料からなり、中間部材6と外板2は中間部材6側に設けられた防振ワッシャ8を介してスタッドボルト5Bとナット7Bで締め付けられて固定されている。また内板3と中間部材6とはスタッドボルト5Aと該スタッドボルト5Aの内板3側に設けられたナット7Aで締め付けられて固定されている。なお、スタッドボルト5A、5Bは本発明の請求項のサポート部材5A、5Bである。
また、図1(a)にはダクト内板3と外板2の間の温度分布100も示している。
上記外板2と内板3の間の固体伝搬音経路(内板3→スタッドボルト5A→中間板6→スタッドボルト5B→外板2)を長くして固体伝搬音を遮断する壁構造において、図1のHRSGのダクト壁12は、防振ワッシャ8が保温部材4の全厚さの半分の位置又はそれより外板2側に近い位置に設置されている。
ダクト内部を約650℃、かつ約30m/s程度の高温かつ高流速のガス11が流れるが、この高温高流速ガス11による摩耗の影響を受けないダクト壁12の内部の位置である保温部材4の全厚さの約半分の位置である温度約350〜400℃、かつ流速0m/sの温度領域にあるダクト壁12内の位置、あるいはそれより外側(外板2側)に近い位置に防振ワッシャ8が設置されている。
上記防振ワッシャ8の断面構造は図2(a)に示す通りであり、防振ワッシャ8は図2に示すように2枚の板8aで防振材8bを挟み込む簡素な構造体であっても、ダクト壁12の全厚さのほぼ半分の位置である温度約350〜400℃、かつ流速0m/sの位置、あるいはそれより外板2に近い位置に設置すれば、高温のガス11の影響を受けず、防振ワッシャ8の構成材料としてグラスファイバ、ロックファイバ、セラミックファイバ等の防振性能が優れた防振材8bが使用可能となる。なお、図2(b)には防振ワッシャ8が矩形である場合の平面図を示す。
防振材8bの耐熱温度は、グラスファイバで400℃、ロックファイバで600℃、セラミックファイバで1300℃であり、本実施例のダクト壁12内の位置に防振ワッシャ8を配置する構成により、高温高流速ガス11の影響を受けず、通常市販されているグラスファイバ、ロックファイバ、セラミックファイバ等の防振性能が優れた全ての防振材が使用可能となる。
一旦、高温高流速ガス11による防振ワッシャ8の摩耗が起こり始めると、加速的にその摩耗量が増えるが、本実施例の位置に防振ワッシャ8を設置すると、摩耗の心配が全くない。
また、図2に示す防振ワッシャ8の製作方法としては、2枚の板8aの間に防振材8bを接着剤で接着した構造を、HRSG建設時の前に多量に製作しておくことにより、一定品質で、かつ廉価な防振ワッシャ8を得ることができる。
ダクト壁12のガス流れ方向に直交する方向(炉幅方向)の断面図を図3(a)に示し、図3(a)のB−B線矢視図を図3(b)に示す。
図3に示す構造は、ダクト壁12の外板2の上に、炉幅方向に420mmと560mmの間隔で設置した5本のスタッドボルト5Bで一つの中間部材6を支持し、この中間部材6の上面及び下面に防振ワッシャ8を配置する構造(これを以下周期構造と称する)であり、この周期構造の始点P1から終点P2までの一周期長さPL=2240mmのダクト壁12を表している。従って、実際のダクト壁12は、その炉幅方向には、この周期構造がHRSGのサイズに応じて4〜8個分設けられる。
なお、各周期構造の前記各寸法である420mmと560mm、スタッドボルト5Bの本数は各部材の熱伸びと強度を考慮して決定した。
また、隣接する二つの周期構造同士の端部(始点P1と終点P2)の中間部材6どうしは接続していない状態でHRSGの全体のダクト壁12を構成する。
ダクト壁外板2と中間部材6の連結用のスタッドボルト5Bの取り付け位置とダクト壁内板3と中間部材6を連結するスタッドボルト5Aの取り付け位置とは炉幅方向に互いにずらしている。本実施例では一つの周期構造内に5本のスタッドボルト5Bと4本のスタッドボルト5Aを用いている。
ダクト壁外板2と中間部材6との連結用のスタッドボルト5Bについては、一つの周期構造の炉幅方向の両端部にある各スタッドボルト5Bとその内側のスタッドボルト5Bの間隔を420mmとし、一つの周期構造の炉幅方向の中央部の3本のスタッドボルト5Bの間隔は560mmとしている。ダクト壁12の炉幅方向の一つの周期構造の長さが2240mmであるので、一つの周期構造の炉幅方向の両端部から中央部側の一番近くにあるスタッドボルト5Bまでは140mmの長さがある。
この図3に示すダクト壁12のサポート構造の例では、内板3は9.5mm厚のステンレス製(SUH409)の板、スタッドボルト5Bはステンレス製(SUS304)の直径16mmのネジ切りボルト、中間部材6はステンレス製(SUH409)の縦50mm×横50mm×厚さ3mmのLアングル材を用いた。
図4には、図3に示すダクト壁12の5本のスタッドボルト5Bを用いる一つの中間部材6の具体的な支持方法の例を示す。図4(a)にはダクト壁12の中間部材6部分の断面図を示し、図4(b)は図4(a)のC−C線矢視図を示す。
中間部材6の中央部には直径15mmの中間部材固定用の穴6Aが開けられており、この穴6Aにスタッドボルト5Bを通し、ナット7Bにより一対の防振ワッシャ8を締めつけて固定する。一方、中間部材6には固定用穴6A以外に、一つの中間部材6を滑り支持するために直径15mmの2つの半円と15mm×40mmの長方形を組み合わせた大きさのルーズ穴6Bが固定用穴6Aの両側に2個ずつ、合計4個設けられており、これらのルーズ穴6Bにスタッドボルト5Bを通し、ナット7Bにより防振ワッシャ8を締めつけて滑り支持する。
図4における中間部材6のルーズ穴6Bの寸法は、HRSGダクト壁12における温度条件を考慮して決める。例えば、図20に示す高温高速流ガス11の流入部近傍のHRSGダクト壁12の内面は約650℃となり、これがダクト壁12内における最高温度となるが、この約650℃という温度条件によって図4における中間部材6のルーズ穴6Bの寸法が設計される。また、約650℃より低温部に使用する中間部材6でも、図4に示す中間部材6が使用可能であることから、中間部材6の標準化設計が可能となる。
次に、図4に示す中間部材6の固定用穴6Aの位置に関する設計根拠を説明する。この固定用穴6Aは、一つの周期構造の中間部材6の中央部に設置するので、図5の中間部材6の平面図に示すように中間部材6の両端の熱伸び量δ1が同じになり、固定用穴6Aに関して中間部材6の固定用穴6Aを中心として、その両側に対称的にそれぞれ設置されるルーズ穴6Bの寸法は同じで良く、中間部材6の標準化設計が可能となる。
仮に、図6に示すように中間部材6の固定用の穴6A’を中間部材6の上端側に設置した場合には、中間部材6の熱伸び量は固定用穴6A’の位置ではゼロであるのに対し、中間部材6の下端部の熱伸び量δ2は大きくなる。したがって、ルーズ穴6B’、6C’、6D’、6E’は、穴6A’から遠いほど、その位置での熱伸び量に応じて長い穴とする必要があること、またHRSG設置現場での取り付けが複雑になることから、中間部材6の標準化設計が困難となる。
図7に、HRSGのダクト全領域における標準的な中間部材6の設置方法を示す。通常、ダクト壁12の内板3に作用する荷重として自重及び高温高速流ガス11による風荷重があるが、自重が支配的である。そこで、自重に対する中間部材6の強度を保つため、ダクト壁12の上面部12A、側面部12B及び底面(図示せず)の全面において、高温高速流ガス11の流れ方向に対して垂直方向に長手方向が向くように中間部材6を配置する。例えば、複数の中間部材6を560mmの間隔で高温ガス11の流れ方向に対して垂直に設置する。
このように防振ワッシャ8を中間部材6でサポートする構造にしておけば、中間部材6の熱伸びによりダクト壁構造全体に大きな荷重がかかることがなく、防振ワッシャ8を中間部材6で支持することができる。
一方、通常ダクト内板3に作用する荷重として風荷重が支配的である場合は、図8に示すように、高温ガス11の流れ方向に沿う方向に長手方向が向くように中間部材6を配置してもよい。
次に、この中間部材6を用いて、ダクト壁12の内板3を支持する構造について説明する。
図3に、ダクト内板3の支持構造として、中間部材6にスタッドボルト5Aを設置して、これらのスタッドボルト5Aで内板3を支持する構造の例を示す。
ダクト壁内板3と中間部材6とを連結するスタッドボルト5Aについては、一つの周期構造の炉幅方向の両端部にある各スタッドボルト5Aは一つの周期構造の端から280mmの長さの位置にあり、その内側の3本のスタッドボルト5Aの間隔はそれぞれ560mmである。
この図3に示すサポート構造では、ダクト壁内板3は3mm厚のステンレス製(SUH409)の板、スタッドボルト5Aはステンレス製(SUS304)の直径14mmのネジ切りボルトを用いた。
図9には本実施例の内板3を構成する内板部材3Aの平面図を示す。図12に示すように隣接する同じ大きさの内板部材3Aを一部重ね合わせながら複数枚でHRSGの内壁面全体を構成する内板3とする。
図9には9本のスタッドボルト5Aによる内板部材3Aの具体的な支持方法を示す。内板部材3Aは、例えば1229mm×1229mmの正方形板であり、内板部材3Aの中心部には内板固定用の穴H1として直径14mmの穴が開けられており、この固定用穴H1に図3に記載のスタッドボルト5Aを通し、ナット7Aで内板部材3Aを締めつけて固定する。一方、内板部材3Aには固定用穴H1の周囲に内板部材3Aを滑り支持するために直径36mmのルーズ穴H2が8個設けられており、これらのルーズ穴H2にスタッドボルト5Aを通し、ナット7Aにより内板部材3Aを締めつけて滑り支持する。
図9における内板部材3Aのルーズ穴H2の寸法は、HRSGダクト壁12における温度条件を考慮して設計するものである。例えば、図20に示す高温高速流ガス11の流入部近傍のダクト壁12の内面では、ダクト壁12における最高温度である約650℃となるが、このような温度条件の下で使用される内板部材3Aのルーズ穴H2の寸法を直径36mmとする。また、約650℃より低温部においても図9に示す内板部材3Aが使用可能であることから、内板部材3Aの標準化設計が可能となる。
次に、図9に示す内板部材3Aの固定用穴H1の位置に関する設計根拠を説明する。この固定用穴H1は、内板部材3Aの中央部に設置する。このようにしておけば、図10の内板3を構成する内板部材3Aの平面図に示すように、固定用穴H1を中心にして内板部材3Aの四隅の方向への熱伸び量δ3が同じになり、固定用穴H1を中心として対称位置に配置される複数のルーズ穴H2の寸法は同じで良く、内板部材3Aの標準化設計が可能となる。
仮に、図11に示すように、内板部材3Aの固定用の穴H1’を、図面の左上端のコーナー部に設置した場合、内板部材3Aの熱伸び量は、固定用穴H1’の位置ではゼロであるのに対し、図面左下端と右上端のコーナー部での内板部材3Aの熱伸び量δ4が大きくなり、また図面の右下端のコーナー部での内板部材3Aの熱伸び量δ5はもっと大きくなる。したがって、ルーズ穴H2’、H3’、H4’、H5’及びH6’は、その設置位置の熱伸び量に応じて設計する必要があること、また現場での取付けが複雑になることから、内板部材3Aの標準化設計が困難となる。
図12(図12(a)は平面図、図12(b)は図12(a)のE−E線断面図、図12(c)は図12(a)のF−F線断面図)に、ダクト全領域における複数の内板部材3Aの設置方法を示す。ダクト内を流れる高温高流速のガス11が、内板部材3Aの下部に流入することを防ぐため、上流側の内板部材3Aが下流側の内板部材3Aの上側に設置され、図示した鉛直方向Vの上側の内板部材3Aが鉛直方向Vの下側の内板部材3Aより上側に設置される。また、重ね合わされる二枚の内板部材3A,3A同士の重ね代は、例えば99mmに設定される。このような内板支持構造にしておけば、熱伸びによる構造的な問題が無く、かつダクト内を流れる高温高流速ガス11が、内板部材3Aの下部に流入することがない。
図13には、後述する図17に示す防振材挿入型ワッシャ18を図18に示す様に内板3側の約650℃、かつ約30m/s程度の高温かつ高流速のガス11に接するスタッドボルト5の端部に設置した場合の摩耗量bと、本実施例の図2に示す防振ワッシャ8を図1に示すダクト壁12の全厚さのほぼ半分の位置である温度約350〜400℃、かつ流速0m/sの位置に設置した場合の摩耗量aの比較を示す。
図17に示す防振材挿入型ワッシャ18を図18に示す高温高流速のガス11に接する内板3側のスタッドボルト5の端部に設置した場合の防振材21の摩耗量bは、ガス11の影響で時間とともに増え、摩耗量の許容値cに到達して、その防振性能が無くなり、かつ構造的な信頼性をも失うことになる。
これに対して本実施例による保温部材4A、4Bの内部に防振ワッシャ8を設置した場合、高温高流速ガス11の影響が無く、その摩耗量aが許容値cに達することなく、防振性能及び構造的な信頼性が長期的に維持される。
図1に示すダクト壁12の断面構造に、さらに中板9を中間部材6と共に用いる図14(図14(a)はダクト壁12のガス流れ方向に平行な方向の断面図、図14(b)は図14(a)のB−B線矢視図)に示す構造を採用しても良い。この場合は保温部材4A、4Bを区分けする中間部材6に中板9を重ねて配置し、図2に示す一対の防振ワッシャ8と中板9と中間部材6とスタッドボルト5Bとをナット7Bで締め付ける構成とする。
本実施例の防振ワッシャ8も実施例1記載の防振ワッシャ8と同じく、ダクト内部を流れる高温高流速ガス11側から防振材あるいは減衰材等の材料からなる保温部材4A、4Bの全厚さの半分の位置又はそれより外側の位置に設置する。
この構造の場合にも、図2に示す市販の防振材8bを有する防振ワッシャ8を用いても、その耐熱性と耐摩耗性で十分使用に耐える。また、中板9を設けたので熱遮断効果および遮音効果が良くなり、優れた耐久性を有するダクト壁12が得られる。
なお、図14(a)にはダクト内板3と外板2の間の温度分布100も示している。
図15に本実施例のダクト壁12のガス流れ方向に平行な方向の断面図(図15(a))と図15(a)のB−B線矢視図(図15(b))を示すが、図14に示す構造との相違点は、外板2の板厚に対して、少なくとも3倍以上の厚さを有する防振材料あるいは減衰材料等からなる低温部の保温部材4Bを設置し、この保温部材4Bを外板2と中板9間にスタッドボルト5Bとナット7Bで少なくとも10%の圧縮率で圧縮して支持したことであり、その他の構成は全て実施例2と同じである。このとき、一対の防振ワッシャ8で中間部材6と中板9を挟み込む。
なお、図15(a)にはダクト内板3と外板2の間の温度分布100も示している。
このように10%以上の圧縮率で保温部材4Bを圧縮支持することにより、外板2、保温部材(防音材)4B、中間部材6及び中板9の密着性が保持でき、これらの間で構造的なゆるみが生じることなく、ダクト壁12の防振性能が保持できる。また、外板2の板厚に対して、保温部材(防音材)4Bは少なくとも3倍以上の厚みを有するので、外板2の曲振動により発生する保温部材4Bの曲げ歪みが大きくなり、十分な振動減衰性能が得られる。
このようにして、外板2に保温部材4Bを密着させることで減衰効果を高めると同時に固体伝搬音作用時のダクト壁12の曲振動を抑える。
また、上記のように保温部材4Bを圧縮して取付ける際には、事前にスタッドボルト5A、5Bのネジ切り長を、所定の圧縮率を考慮して作製しておけば、簡単に施工ができる
図16と図25を用いて、実施例3の防振ワッシャ8の性能を説明する。
図25に示すように、HRSGダクト用タービンスペクトルhは250Hz以下の低周波帯域での音が大きく、これがHRSGダクト防音における大きな問題であることは既に述べた通りである。
まず、最初に防振ワッシャ8(図2)を設けていない図23及び図24に示す従来技術のダクト壁構造における透過損失dを図16に示す。
図16には前記透過損失d(従来技術)と図14に示すダクト壁12の透過損失e(実施例2)と図15に示すダクト壁12の透過損失f(実施例3)の周波数と音の透過損失(dB)の関係を示す。
図16に示すように、従来技術である図23と図24に示すダクト壁の透過損失dは、図14に示す防振ワッシャ8を設置したダクト壁12の透過損失e(実施例2)と図15に示す防振ワッシャ8を設置し、かつ低温部の保温部材4Bを圧縮したダクト壁12の透過損失f(実施例3)に比べて小さかった。
図14に示す防振ワッシャ8を設置した実施例2の透過損失eは従来技術の透過損失dより向上するが、さらに図15に示す実施例3の透過損失fは従来技術では未解決であった250Hz以下の低周波帯域の透過損失を向上できる。
以上の実施例1〜3によるダクト構造を用いれば、防振ワッシャ8の摩耗問題が無い状態で、ダクト壁12の耐久性能と防音性能を長期に亘って良好な状態に保ち、信頼性の高いダクト構造を提供することができる。
本実施例ではHRSGのダクト壁12の内部の高温・高流速ガス11の流れる領域に適用する防振ワッシャとして図17(a)の斜視図と図17(b)の断面図に示す構成からなる制振材挿入型ワッシャ18を用いた。
制振材挿入型ワッシャ18は、盆状に加工された受け皿19と、皿19の内径に合わせた蓋20で防振材21を挟む構造を採用している。HRSG内を流れる高温高流速ガス11の影響で約650℃かつ約30m/s程度の高温高流速の条件にさらされ、この悪条件に耐える狙いで、図17のような制振材挿入型ワッシャ18の構成が示されている。
図18に制振材挿入型ワッシャ18を用いた本実施例のHRSGのダクト壁12の構造を示す。図18(a)はダクト壁12のガス流れ方向に平行な方向の断面図、図18(b)は図18(a)の一部拡大図、図18(c)は図18(b)のA−A線矢視図を示す。
制振材挿入型ワッシャ18の蓋20と皿19の間に約650℃の高温かつ高流速のガス11が入り込むため、防振材21の摩耗の問題が発生することから、防振材21として防振ゴムなどの防振性能に優れた材料が使用できずロックファイバ、セラミックファイバ、グラスファイバーや金属繊維物などを用いる。
また、本ワッシャ18は250Hz以上の中〜高周波域についてのみ防音効果があり、その他の低周波域の騒音レベルが高い場合には防音効果が比較的良くない。
従って、制振材挿入型ワッシャ18は図20に示すHRSGのダクト壁12の比較的低温領域(600℃〜400℃付近)にあるガス流路に設置されることが望ましい。
図18に示すように、ダクト壁12の外板2とダクト内部側の内板3の間に複数の保温部材4を積層状に配置し、外板2と内板3をスタッドボルト5と保温部材4を固定する機能を有するインサレーションピン25で保持し、また外板2に端部が支持されたスタッドボルト5の内板3側に一対の制振材挿入型ワッシャ18,18およびナット31,31を設けて、内板3を取り付け、インサレーションピン25の保温部材4の各層の間にスピードワッシャ26を配置して各保温部材4を固定している。
図18に示すように制振材挿入型ワッシャ18は、従来からのHRSGのダクト壁12の標準保温構造の円盤状ワッシャ36(図22参照)の代わりに取付けられ、制振材21による音(振動)の減衰効果により固体伝搬音を減少させるものである。制振材挿入型ワッシャ18の遮音効果以外の特徴を以下に示す。
1)制振材挿入型ワッシャ18自身がワッシャとしての性能を有するため、部品点数の増加とならない。
2)制振材挿入型ワッシャ18に用いられる制振材21は直接ガス11に曝されないため制振材21が飛散するおそれが無い。
3)内板3を挟み込む一対の制振材挿入型ワッシャ18は、プラント起動停止時の内部温度の変化により、内板3が伸縮し、その伸縮による摩擦抵抗により制振材挿入型ワッシャ18の断面内に発生する剪断力に耐えうる構造である。
なお、図18に示す防振ワッシャ18の遮音効果があるのは、図25に示すグラフで250Hz以上の中〜高周波域であり、250Hz以下の低周波帯域の音が大きいタービン音源スペクトルhでは防音効果が期待できない。
上記実施例4によるダクト構造を用いれば、制振材挿入型ワッシャ18を用いるダクト壁構造は防振ワッシャ8をダクト壁内部に組み込む場合に比べて耐久性は劣るがダクト壁12の防音性能を比較的長期に亘って良好な状態に保ち、信頼性の高いダクト構造を提供することができる。
上記実施例4では図17に示す制振材挿入型ワッシャ18をダクト壁12の外板2の内側の保温構造に適用する場合について述べたが、図19(図19(a)は本実施例の制振材挿入型ワッシャ18を用いたHRSGのダクト壁12のガス流れ方向に平行な方向の断面図、図19(b)は図19(a)のA−A線矢視図、図19(c)は図19(b)の一部拡大図)に示す。
この実施例のダクト壁12は前記実施例1〜4記載のダクト壁12又は図22〜図24に示した従来技術のダクト壁12を用いることができ、該ダクト壁12の外板2のさらに外側(外気側)に保温部材4C(保温部材4A、4Bと同一材料からなる)が施工され、外板2に取付けられたスタッドボルト5及びサポートアングル33と外装板32によって構成される外部保温構造にも適用可能である。すなわち、制振材挿入型ワッシャ18はサポートアングル33と外板2との間の防振材として使用し得る。
この場合の制振材挿入型ワッシャ18は固体伝搬振動がダクト壁12の外部に漏れ出ることを有効に防止できる。
HRSG壁面を模擬した試験体に制振材挿入型ワッシャ18を組み込み透過損失を測定した結果、従来構造に比べ中〜高周波帯域において平均5(dB)の遮音性向上を確認した。
実施例5によるダクト構造はダクト壁12の防音性能を比較的長期に亘って良好な状態に保ち、信頼性の高いダクト構造を提供することができる。
なお、実施例2〜5においても、図12に示すように隣接する二枚の内板部材3Aを互いに一部重ね合わて、HRSGの内壁面全体を構成する内板3とする。
本発明のダクト壁構造は、ダクト内部に高温ガスが流れるHRSGのようなダクト構造に利用でき、防振ワッシャのサポート構造の熱伸び対策とダクトの防音性能を良好な状態に維持でき、長期に亘って信頼性の高いダクト構造を維持することができる。
また、本発明のダクト壁構造は、ガスタービンなどの熱機関から排出される高温高流速ガスが流れるダクト等のダクト壁構造だけでなく、各種工業用プラント、焼却プラント、発電プラントなどで使用されるエアや燃焼ガスなどの気体搬送用ダクトの保温及び防音用のダクト壁構造として利用可能性がある。

Claims (17)

  1. ガス流路を構成するダクト壁構造であって、
    ガス流側の内板と、外気側の外板と、前記内板と外板の中間部に内板と外板と平行に、その長手方向が配置される1以上の中間部材と、
    前記内板と中間部材との間隔保持用に内板と中間部材に両端部が固定された複数の第1サポート部材5Aと、
    前記外板と中間部材との間隔保持用に外板と中間部材に両端部が固定された複数の第2サポート部材5Bと、
    前記第2サポート部材5Bの中間部材側の接続部に取り付けられた防振性ワッシャと、
    前記内板と外板の間にあって、前記中間部材と前記第1、第2サポート部材5A、5Bと防振性ワッシャの隙間に充填される保温部材と、
    を備えたことを特徴とする保温及び防音用のダクト壁構造。
  2. 前記第1サポート部材5Aと中間部材との固定位置と前記第2サポート部材5Bと中間部材との固定位置とはガス流方向に互いにずれていることを特徴とする請求項1記載の保温及び防音用のダクト壁構造。
  3. 防振性ワッシャの取り付け位置は400℃以下のダクト壁内の領域に設けらることを特徴とする請求項1又は2記載の保温及び防音用のダクト壁構造。
  4. 内板と外板の間に充填される保温部材の全厚さの半分又は該半分より外板側の位置に防振性ワッシャを設置したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の保温及び防音用のダクト壁構造。
  5. 中間部材と外板の間に充填される保温部材4Bは、少なくとも外板の厚さの3倍以上の厚さを有する防振材料又は振動減衰材料からなり、該保温部材4Bの全厚の少なくとも10%の圧縮率で圧縮して外板に密着させたことを特徴とする請求項4記載の保温及び防音用のダクト壁構造。
  6. 中間部材には、第2サポート部材5Bを通す穴6A、6Bを、中間部材の長手方向に沿って複数個設けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の保温及び防音用のダクト壁構造。
  7. 中間部材に設けられた第2サポート部材5Bを通す複数個の穴6A、6Bは、中間部材の長手方向の中央部に配置した防振性ワッシャ固定用の穴6Aと、該固定用穴6Aを中心に中間部材の長手方向の対称位置にそれぞれ一組以上配置したルーズ穴6Bを備えたことを特徴とする請求項6記載の保温及び防音用のダクト壁構造。
  8. 中間部材は、その長手方向がガス流れに直交する方向に向けて配置し、ガス流れ方向とガス流れに直交する方向にそれぞれ複数個配置されたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の保温及び防音用のダクト壁構造。
  9. 中間部材は、その長手方向がガス流れに平行な方向に向けて配置し、ガス流れ方向とガス流れに直交する方向にそれぞれ複数個配置されたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の保温及び防音用のダクト壁構造。
  10. 内板は、複数の内板部材3Aを張り合わせて構成され、各内板部材3Aには第1サポート部材5Aを通す複数個の穴H1,H2,・・・を設けたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の保温及び防音用のダクト壁構造。
  11. 各内板部材3Aに設けられた第1サポート部材5Aを通す複数個の穴H1,H2,・・・は、内板部材3Aの中央部に配置した防振性ワッシャ固定用の穴H1と、該固定用穴H1を中心にして内板部材3Aの周辺部の対称位置にそれぞれ一組以上配置したルーズ穴H2,H3,・・・を備えたことを特徴とする請求項10記載の保温及び防音用のダクト壁構造。
  12. 各内板部材3Aは、隣接する内板部材3Aと一部重ね合わせて配置され、またガス流れの上流側の内板部材3Aが下流側の内板部材3Aの上側に設置され、かつ鉛直方向上側の内板部材3Aが鉛直方向下側の内板部材3Aより上側に設置されたことを特徴とする請求項10又は11記載の保温及び防音用のダクト壁構造。
  13. 中間部材の取り付け位置には内板と外板の長手方向に沿って保温部材を二分する中板を設けたことを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の保温及び防音用のダクト壁構造。
  14. 防振性ワッシャは、2枚の板状部材8a,8aで防振材8bを挟んだ構成からなることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の保温及び防音用のダクト壁構造。
  15. ガスの流路を構成するダクト壁であって、ガス流側の内板と、外気側の外板と、内板と外板との間隔保持用に内板と外板に両端部が固定された複数のサポート部材と、
    内板と外板の間にある前記サポート部材の隙間に充填される保温部材と、
    ガス流に接する前記サポート部材の内板との接続部に取り付けられた盆状に加工された受け皿19、受け皿19に挿入される制振材21及び受け皿19の内径に合わせた上蓋20により構成される防振性ワッシャ18と、
    を備えたことを特徴とする保温及び防音用のダクト壁構造。
  16. ガス流側の内板外気側の外板内板と外板との間隔保持用に内板と外板に両端部が固定された複数のサポート部材前記内板と外板の間にあるサポート部材の隙間に充填される保温部材、を備えたガス流路を構成するダクト壁の構成部材であって、
    ガス流に接するサポート部材の内板側の接続部に取り付けられることを特徴とする盆状に加工された受け皿19、受け皿19に挿入される制振材21及び受け皿19の内径に合わせた上蓋20により構成されたことを特徴とする防振性ワッシャ。
  17. 請求項1ないし15のいずれかに記載のダクト壁構造の外板のさらに外気側に配置した保温部材4Cと、外板に取付けられたサポート部材5Cにより支持され、外板から間隔を開けて外板の長手方向に平行な方向に配置された外装板32と、該外装板32と前記サポート部材5Cとの間に固定される請求項16記載の防振性ワッシャ18と、を備えたことを特徴とする外部保温構造。
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