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JP4530452B2 - X線ct装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、X線照射用のX線管と透過X線を検出するX線検出器とを対向した状態で両者を、または、X線管を回転枠に取り付け、この回転枠を被検体の周りを回転させて被検体の断層面の投影データを収集する形式のX線CT装置に係り、特には、回転枠の回転駆動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のX線CT装置は、図2に示すように、不図示の主枠(ガントリ)にベアリングを介して回転自在に支持されたリング型の回転枠1に大径のプーリ(大径プーリ)2が取り付けられており、この大径プーリ2とモータ4の回転軸に取り付けられた小径のプーリ(小径プーリ)5との間に伝動ベルト6が架け渡されている。なお、モータとしては、通常、サーボモータが使用されている。
【0003】
回転枠1を駆動制御するCPU7からの回転制御指令信号がサーボコントローラ8を介してサーボドライバ9に与えられると、サーボモータ4が回転し、その回転軸に取り付けられた小径プーリ5が回転する。この小径プーリ5の回転は、伝動ベルト6を介して回転枠1に固定またはそれと一体の大径プーリ2に伝達され、回転枠1が回転する。サーボモータ4の回転速度(回転数)は、タコジェネレータ10で検出され、サーボコントローラ8に入力される。サーボコントローラ8はCPU7からの回転制御指令信号との差に基づいて制御信号を定め、これをサーボドライバ9を通じて、サーボモータ4に与え、CPU7の制御指令信号に従って回転枠1の回転制御を行う。
【0004】
なお、回転枠1には、第3世代のX線CT装置では、ファンビームX線を被検体に照射するX線管と被検体を透過したX線を検出するX線検出器とが互いに対向する状態に配置されており、第4世代のX線CT装置にあっては、X線管のみが設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような回転制御機構を有するX線CT装置においては、停電でない正常時には、サーボモータ4、CPU7、サーボコントローラ8、サーボドライバ9、コジェネレータ10で形成されるサーボ系によるサーボ制御でもって、サーボモータ(回転枠)の停止状態からの加速−データ収集時の定速回転−減速−サーボモータ4のブレーキ3による機械的拘束による停止(回転枠1の停止)、の一連の制御がCPU7の制御指令信号にしたがって行われる。なお、ブレーキとしては、通常、電流の遮断(オフ)でサーボモータの回転を拘束するオフブレーキが使用されている。
【0006】
しかしながら、サーボモータ4の回転中に停電事故が発生すると、サーボ系のサーボ制御によるサーボモータ4の減速制御が機能せず、即ブレーキ3がサーボモータ4の回転を機械的に拘束することになるので、駆動系のサーボモータ4に付属するブレーキ3を破損、ないし、破壊させる、という問題がある。
すなわち、回転枠1はそれ自体でも重いが、それにX線管、X線検出器等が搭載されているためにかなりの重量となり、それの回転による慣性モーメントも非常に大なものとなる。
【0007】
そのために、サーボモータ4(回転枠1)の回転中に停電事故が発生すると、サーボ系のサーボ制御による減速制御が行えず、回転中のサーボモータ4の回転をブレーキで3が機械的に拘束され、回転枠1の慣性モーメントによる大きな回転エネルギーが伝動ベルト6を介して小径プーリ5に伝達されることになる。
伝動ベルト6は、大径プーリ2とサーボモータ4の回転軸に取り付けられた小径プーリ5間に直に架け渡されているので、図示のように小径プーリ5の伝動ベルトに対する接触角度θ1が大きく、これにより両者の摩擦抵抗が大きいことから、回転枠1の慣性モーメントによる大きな回転エネルギーが伝動ベルト6を介して小径プーリ5伝達され、この大きな全てのエネルギーをサーボモータ4の回転を機械的に拘束して停止させるブレーキ3が受けることになる。
【0008】
大重量の回転枠1の慣性モーメントによる回転エネルギーは、膨大であり、そのためにブレーキ3を破壊させてしまうことになり、撮像時間の短縮化のために回転枠の高速回転が求められていることから、ますます回転枠1の惰性回転で生じる慣性モーメントが大くなる傾向にあり、ブレーキ3の破壊がより問題となる。
【0009】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、回転枠の回転中に停電事故が発生してもモータの回転を停止させるブレーキを破損させる恐れのない回転駆動機構を備えたX線CT装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のX線CT装置は、回転枠と一体に回転する大径のプーリと、モータで駆動される小径のプーリとが伝動ベルトを介して連結され、前記モータの回転を機械的に拘束するブレーキを有するX線CT装置であって、前記大径のプーリと小径のプーリとの間に、小径のプーリと伝動ベルトとの接触角度を小さくするアイドラープーリを介在させたことを特徴としている。
【0011】
このような構成によれば、小径のプーリのベルトに対する接触角度が小さくなろことから、摩擦抵抗が小さくなる。
したがって、回転枠の高速回転中に停電事故が発生し、回転枠、すなわち、モータの回転を機械的に拘束するブレーキがかかり、その状態で回転枠の惰性回転で生じる慣性モーメントによる大きな回転エネルギーが発生して、それが大径プーリと伝動ベルトを介して小径のプーリにかかっても、小径のプーリと伝動ベルトの間で滑りが生じ、この滑りで回転枠の慣性モーメントによる回転エネルギーが吸収されて、慣性モーメントによる大きな回転エネルギーの全てがブレーキにかかることがないので、それを破損させることがない。
【0012】
なお、アイドラープーリは、小径のプーリの伝動ベルトに対する接触角度が、通常の回転時にモータで回転駆動される小径のプーリの回転力が伝動ベルトを介して大径のプーリに有効確実に伝達され、停電時のブレーキがかかった状態で、回転枠の高速惰性回転で生じる慣性モーメントによる大きな回転エネルギーが伝動ベルトを介して小径のプーリに伝達されても、小径プーリと伝動ベルトの間で滑りが生じてそれを吸収し、モータの回転を機械的に拘束してそれを停止させるブレーキが破損しない接触角度となる位置に配置される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1は実施例に係るX線CT装置の構成を概略的に示す模式図で、1はリング型の回転枠で、この回転枠1は不図示の主枠(ガントリ)にベアリングを介して回転自在に保持されている。
回転枠1には、X線管20とX線検出器21とが対向するように装着されている。X線管20は扇型に広がったX線ビームを発生し、X線検出器21はこの扇型のX線ビームが入射するように弧状に形成され、その長さ方向に検出器のセルが多数配列された多チャンネル検出器となっており、この各チャンネルの検出信号がデータ収集部22に導かれる。データ収集部22は、各チャンネルの検出信号を増幅するプリアンプやA/D変換器などから構成されている。
【0014】
さらに、回転枠1には、X線管20に高電圧を供給する高電圧装置を構成するインバータユニット23とトランスボックス24とが取り付けられており、高電圧装置への外部からの電力の供給や多チャンネル検出器の検出データの外部への取り出しは、周知のスリップリング機構等を介して行われる。また、回転枠1には、インバータユニット23等を制御するコントロール基板25やX線管20を冷却する熱交換器26も搭載されている。
回転枠1の外周に形成された、または、回転枠1にボルト等で固定された大径のプーリ(大径プーリ)2と、サーボモータ4の回転軸に固定された小径のプーリ(小径プーリ)5の間に、アイドラープーリ11を介在させて伝動ベルトとしてのVベルト6が架け渡されている。なお、サーボモータ4やアイドラープーリ11は、回転枠1の回転範囲外の固定部(主枠)に配置されている。
【0015】
また、アイドラープーリ11は、小径プーリ5のVベルト6に対する接触角度θが、通常の回転時にサーボモータ4で回転駆動される小径プーリ5の回転駆動力がVベルト6を介して大径プーリ2に有効確実に伝達され、且つ、停電時のサーボモータ4にブレーキがかかった状態で、回転枠の高速惰性回転で生じる回転による慣性モーメントによる大きな回転エネルギーがVベルト6を介して小径プーリ5に伝達されても、小径プーリ5と伝送ベルト6の間で滑りが生じてそれを吸収し、サーボモータ4の回転を機械的に拘束するブレーキ3が破損しない接触角度となる位置に配置されている。
なお、図中、3、7、8、9、10は、図2と同様、それぞれブレーキ(オフブレーキ)、CPU、サーボコントローラ、サーボドライバ、回転速度を検出するタコジェネレータである。
【0016】
このような構成の回転駆動機構を有するX線CT装置において、回転枠1を駆動制御するCPU7からの回転制御指令信号がサーボコントローラ8を介してサーボドライバ9に与えられると、サーボモータ4が回転し、その回転軸に取り付けられた小径プーリ5が回転する。この小径プーリ5の回転は、Vベルト6を介して回転枠1に固定されている大径プーリ2に伝達され、回転枠1が回転する。サーボモータ4の回転速度(回転数)は、タコジェネレータ10で検出され、サーボコントローラ8に入力される。サーボコントローラ8は、CPU7からの回転制御指令信号との差に基づいて制御信号を定め、これをサーボドライバ9を通じて、サーボモータ4に与え、CPU7の回転制御指令信号に従って回転枠1の回転制御を行う。
【0017】
回転枠1の回転制御は、停止時の回転速度(回転数)ゼロからの加速−定速回転−減速−サーボモータ4のブレーキ3による機械的拘束による停止であり、通常時には、これらの一連の制御は、CPU7、サーボコントローラ8、サーボドライバ9、DCサーボモータ4、コジェネレータ10で形成されるサーボ系によるサーボー制御で行われ、減速さたサーボモータ4、すなわち、回転枠1は、ブレーキ3でもって機械的に拘束されて停止状態にされる。
このように、通常時には、サーボ制御で減速停止された後にブレーキによる機械的拘束でもって停止状態とされることから、回転枠1は惰性回転しないので、小径プーリ5を介して回転エネルギがブレーキ3に作用せず、ブレーキ3が損傷することはない。
【0018】
しかしながら、回転枠1の回転中に停電事故が発生すると、サーボ制御による減速制御が行われずに、停電で電流が遮断されることでオフブレーキ3が働き、サーボモータ4(回転枠1)の回転を機械的に拘束するので、回転枠1の惰性回転で生じる慣性モーメントによる大きな回転エネルギーがVベルト6を介して小径プーリ5に伝達され、この大きなエネルギーの全てをブレーキ3が受けることになる。
【0019】
しかし、実施例では、大径プーリ2と小径プーリ5との間にアイドラープーリ11が介在されていることから、このアイドラープーリ11の作用で、小径プーリ5のVベルト6に対する接触角度θが、大径プーリ2とサーボモータ4の回転軸に取り付けられた小径プーリ5に直に伝動ベルトが架け渡された図2に示す従来の小径プーリの伝動ベルトに対する接触角度θ1よりも小さく(θ<θ1)されているので、小径プーリ5とVベルト6間の摩擦抵抗が小さくなる。
【0020】
したがって、停電事故で回転枠1の惰性回転の惰性モーメントによる大きな回転エネルギーが作用すると、小径プーリ5とVベルト6間で滑りが生じ、回転枠1の慣性回転で生じる惰性モーメントによる回転エネルギーが吸収されて、慣性モーメントによる大きな回転エネルギーの全てがブレーキ3にかかることがないので、それを破損させることがない。
【0021】
なお、上記の実施例では、伝動ベルトとしてVベルトを使用したが平ベルトであってもよい。
また、実施例では、サーボモータとそれの回転を止めるブレーキを別体としたが、ブレーキを内蔵するサーボモータであってもよい。
さらに、実施例では、回転枠にX線管とX線検出器の両者を対向して搭載した第3世代のX線CT装置に適用したが、本発明は、X線管のみを回転枠に搭載した第4世代のX線CT装置やX線検出器としてパネル型X線センサ等の2次元X線検出器を使用したコーンビームX線CT装置にも適用可能である。
さらにまた、実施例では、回転枠を回転駆動するモータをサーボモータとしたが、ステッピングモータ等他の電動モータであってもよく、また、それの回転制御もサーボ制御ではなく、プログラム制御等他の制御方式であってもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明のX線CT装置によれば、X線管等を搭載する回転枠の回転中に停電事故が発生しても、回転枠の駆動機構のブレーキを破損させることのないX線CT装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るX線CT装置の構成を示す模式図である。
【図2】 従来のX線CT装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1:回転枠 2:大径プーリ
3:ブレーキ 4:DCサーボモータ
5:小径プーリ 6:Vベルト(伝動ベルト)
7:CPU 8:サーボコントローラ
9:サーボドライバ 10:タコジェネレータ
11:アイドラープーリ 20:X線管
21:X線検出器

Claims (1)

  1. 少なくともX線管を保持する回転枠と一体に回転する大径のプーリと、モータで駆動される小径のプーリとが伝動ベルトを介して連結され、前記モータの回転を機械的に拘束するブレーキを有するX線CT装置であって、前記大径のプーリと小径のプーリとの間に、小径のプーリと伝動ベルトとの接触角度を小さくするアイドラープーリを介在させたことを特徴とするX線CT装置。
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