JP4530495B2 - 超塑性材料の一体成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば航空機の機体構造等のように、特に耐熱性を必要とする部位に使用されるチタン合金等の金属板材からなる3層以上の構造を持つ成形品を、超塑性成形(Super Plastic Forming )及び必要に応じて拡散接合(Diffusion Bonding)の技術を用いて一体構造とする超塑性材料の一体成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、チタンやチタン合金の多く、或いはニッケル合金等には、超塑性を備えたものがあり、例えば適当な組成のチタン合金は300パーセントに達する伸びを示すことが知られている。このような超塑性材料は、超塑性成形手段を用いることにより非常に複雑な形状であっても比較的容易に成形できる。
【0003】
この超塑性の金属板材による超塑性成形及び拡散接合の技術を用いて一体に成形する成形方法を図14乃至図17によって具体的に説明する。
【0004】
先ず、図14に示すように3枚の超塑性を示す金属板材、例えばチタン合金シート素材1、2、3を用意し、シート素材1、2、3の内、図15に示すように重ね合わせた際に、中間に位置するコアシート1の一方の面に接合不要区域4a及び4bを設定すると共に、他方の面に、接合不要区域4a及び4bと平面視において一部が重複する接合不要区域5aを設定する。コアシート1の一方の面の接合不要区域4a及び4bと他方の面の接合不要区域5aとの平面視において重複する部分に、予め各々ガス孔6が穿孔され、かつ接合不要区域4aに一端が臨む成形ガス導入用溝7が形成されている。
【0005】
一方、コアシート1を挟む2枚のフェースシート2、3のうちフェースシート2には、コアシート1に重ね合わせた際、上記成形ガス導入用溝7とフェースシート2とによって形成される成形ガス導入路の一端と連通する成形ガス供給孔8が穿設されている。
【0006】
そして、上記コアシート1の各接合不要区域4a、4b及び5aに、イットリア等の接合防止剤9を塗布し、図15に示すように、上記コアシート1の両面にフェースシート2及び3を重ね合わせて積層体10を形成する。
【0007】
次に、図16に示すように、第1成形型31及び第2成形型32からなる成形型30に積層体10をセットし、第1成形型31及び第2成形型32の内部空間31A内と32A内を不活性ガスで置換しながら、積層体10におけるコアシート1と各フェースシート2及び3との境界11及び12内を真空引きした後、積層体10及び成形型30の全体を加熱し、所定温度に昇温した後に成形型30の内部空間31A及び32A内に不活性ガスを所定の圧力で導入し、コアシート1と各々のフェースシート2及び3の接合区域13a、13b、13c、14a、14bを拡散接合させ、しかる後内部空間31A及び32A内に導入した不活性ガスを排出する。
【0008】
次に、第1成形型31に開口する成形ガス給入孔31aから成形ガス供給孔8及び成形ガス導入溝7を介して、コアシート1とフェースシート2との間の接合不要区域4aに不活性ガスを導入する。この接合防止剤9が介在する接合不要区域4aに導入された不活性ガスによって接合不要区域4aに対応する部分のコアシート1とフェースシート2及び3とが超塑性変形して膨れて、第1拡張室15aが形成される。一方、不活性ガスは、ガス孔6から接合防止剤9が介在する接合不要区域5aに導入され、この接合不要区域5aに対応する部分のコアシート1とフェースシート2及び3とを超塑性変形して第2拡張室15bが形成される。
【0009】
引き続き、第2拡張室15bに導入された不活性ガスは、ガス孔6から接合防止剤9が介在する接合不要区域4bに導入され、接合不要区域4bに対応する部分のコアシート1とフェースシート2及び3とを超塑性変形して第3拡張室15cが形成される。最後に、図17に示すように、フェースシート2が第1成形型31の成形面31bに、フェースシート3が第2成形型32の成形面32bに、各々押接されるまで不活性ガスが供給される結果、外周形状が第1成形型31の成形面31b及び第2成形型32の成形面32bに倣った形状の成形品が得られる。
【0010】
このように、接合不要区域に接合防止剤を塗布した複数のチタン合金シートを積層し、かつ成形型内での不活性ガスの導入によって超塑性成形と拡散接合技術を用いて成型品を一体に成形する成形方法の先行技術としては、例えば特開平11−169977号公報がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術によると、各構成材が超塑性成形されると共に、互いに拡散結合によって一体的に結合されることから、複雑な形状であっても比較的容易に成形できて製造作業等の簡素化及び製造コストの低減が得られると共に、成形品の高強度が確保できる。
【0012】
しかし、上記の超塑性成形においては、コアシート1が主に超塑性変形して所定の成形品が得られるが、コアシート1を挟むフェースシート2、3も超塑性材であり、コアシート1の超塑性変形時に共に変形し、特に接合不要区域4a、4b、5a内に導入された圧力の影響を受けるため、例えば図18に示すように上記拡張室15a、15b、15cに対応するフェースシート2、3の部分が膨張を強いられる結果、フェースシート2、3の拡張室15a、15b、15cに対応する部分内で局部的な膨張が発生し、この局部的な膨張によって成形品の表面に皺が発生することがある。
【0013】
このフェースシート2、3に発生する局部膨張を回避するには、フェースシート2、3の板厚を厚くすればよいが、多層中空品は軽量化が求められる場合が多く、フェースシート2、3の板厚を厚くした場合は、成形後のフェースシート2、3を薄くするための加工が必要になると共に、材料の歩留りが阻害されて製造コストの増大を招くことが懸念される。
【0014】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、3枚以上の金属板材を超塑性成形にて一体成形する際に、最外層の金属板材の各接合不要区域内での局部的な膨張を回避することによって成形品の表面における皺の発生が未然に防止できる超塑性材料の一体成形方法を提案することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の超塑性材料の一体成型方法の発明は、超塑性成形及び拡散接合が可能な少なくとも3枚の金属板材を、その接合不要区域に接合防止剤を塗布して重ね合わせ、該重ね合わせた金属板材の積層体を成形型にセットし、該型内を成形温度まで加熱して接合区域に対応する金属板材の重合部分を金属板材相互で拡散接合すると共に、各金属板材間の接合不要区域間に不活性ガスによる圧力を導入して超塑性成形する超塑性材料の一体成形方法において、上記金属板材の積層体の最外層となる金属板材の両外側に接合防止剤の塗布層を介して成形補助板を各々重ね、該成形補助板に挟まれた金属板材の積層体を成形型にセットし、該成形型の内壁と成形補助板との間に上記接合不要区域間に導入する圧力より低い圧力を導入して背面に圧力が付与された上記成形補助板による最外層金属板材の規制の下で上記超塑性成形を行うことを特徴とする。
【0016】
この請求項1の発明によると、金属板材の積層体の最外層となる金属板材の外側に成形補助板を重ねて成形型内にセットし、接合区域に対応する金属板材の部分を金属板材相互で拡散接合し、その後の超塑性成形時に成形型の内壁と成形補助板との間に、接合不要区域間に導入する圧力より低い圧力を導入して成形補助板の背面に圧力を付与することによって積層体最外層の金属板材が超塑性成形する際、この金属板材の外表面は、背面に圧力を付与された成形補助板によって変形が規制されるため、金属板材の接合不要区域内での局部的な膨張が防止されて成形品表面のおける皺の発生が未然に防止される。
【0017】
請求項2に記載の超塑性材料の一体成型方法の発明は、超塑性成形が可能な少なくとも3枚の金属板材を、その接合不要区域に接合防止剤を塗布し、かつ接合区域に対応する金属板材の部分を金属板材相互で接合して重ね合わせ、該重ね合わせた金属板材の積層体を成形型にセットし、該型内を成形温度まで加熱して各金属板材の接合不要区域間に不活性ガスによる圧力を導入して超塑性成形する超塑性材料の一体成形方法において、上記金属板材の積層体の最外層となる金属板材の両外側に接合防止剤の塗布層を介して成形補助板を各々重ね、該成形補助板に挟まれた金属板材の積層体を成形型にセットし、該成形型の内壁と成形補助板との間に上記接合不要区域間に導入する圧力より低い圧力を導入して背面に圧力が付与された上記成形補助板による最外層金属板材の規制の下で超塑性成形を行うことを特徴とする。
【0018】
この請求項2の発明によると、予め接合区域に対応する金属板材の部分を金属板材相互で接合し、金属板材の積層体の最外層となる金属板材の外側に成形補助板を重ねて成形型内にセットし、超塑性成形時に、成形型の内壁と成形補助板との間に、接合不要区域間に導入する圧力より低い圧力を導入して成形補助板の背面に圧力を付与することによって、積層体最外層の金属板材が超塑性成形する際、この金属板材の外表面は、背面に圧力を付与された成形補助板にて規制されるため、金属板材の接合不要区域内での局部膨張が防止されて皺の発生が未然に回避される。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の超塑性材料の一体成型方法において、上記成形補助板の外側に接合防止剤を塗布することを特徴とする。
【0020】
この請求項3の発明によると、成形時の形状制御に使用した成形補助板を成形型から取り外す作業が極めて容易となり、作業の効率化がもたらされる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による超塑性材料の一体成型方法の実施の形態を図によって説明する。なお、説明の便宜上上記図14乃至18と対応する部分には同一符号が付されている。
【0024】
(第1実施形態)
本発明の第1実施の形態を図1乃至図11によって説明する。
【0025】
先ず、超塑性成形及び拡散接合が可能な金属板材、例えばTi−6Al−4V、Ti−4.5Al−3V−2Fe−2Mo、Ti−6Al−6V−2Sn等のチタン合金、超塑性アルミニウム合金或いは超塑性ステンレス鋼からなる3枚のシート素材1、2、3を用意し、このシート素材1、2、3の内、図1に示すように重ね合わせた際に、中間に位置するコアシート1の一方の面に接合不要区域4a、4b、4c、4dを設定すると共に、他方の面に接合不要区域4a、4b、4c、4dと平面視において一部が重複する接合不要区域5a、5b、5c(図2参照)が設定してある。コアシート1の一方の面の接合不要区域4a、4b、4c、4dと他方の面の接合不要区域5a、5b、5cとの平面視において重複する部分に予め各々ガス孔6が穿孔され、更に、このコアシート1に接合不要区域4aに一端が臨む成形ガス導入用溝7が形成されている。
【0026】
一方、コアシート1を挟む2枚のフェースシートのうち、フェースシート2には、コアシート1に重ね合わせた際、成形ガス導入用溝7とフェースシート2とによって形成される成形ガス導入路の一端と連通する成形ガス供給孔8が穿設されている。
【0027】
そして、上記コアシート1の各接合不要区域4a、4b、4c、4d及び5a、5b、5cにイットリア等の接合防止剤9を塗布し、図2に示すようにコアシート1の両面にフェースシート2及び3を重ね合わせて積層体10を形成する。
【0028】
次に、図3に示すように、積層体10のフェースシート2及び3の各外側に、接合防止剤9の塗布層9aを介して各々成形補助板16を重ね、図4に示すように、第1成形型31及び第2成形型32からなる成形型30内に成形補助板16に挟まれた積層体10をセットし、成形型32に油圧プレス等により圧縮荷重を付加して型内をシールする。なお、積層体10のフェースシート2上に重ねた成形補助板16には、フェースシート2の成形ガス供給孔8に連通する孔を設けてある。
【0029】
ここで、成形補助板16は、超塑性成形時の成形温度においてフェースシート2、3よりも変形応力が高く、かつ数十パーセントの伸びを有する安価な材料を用いることができる。なお、適当な材料がない場合は、フェースシート2、3と同じ材料を用いることも可能である。
【0030】
また、成形補助板16の板厚は、成形に供する材料、成形品の高さ及び成形品の形状等を勘案して決定する。例えば、成形補助板16とフェースシート2、3との変形応力の差が小さくなるに従い、フェースシート2、3が薄い場合、コアシート1が厚くなるに従い、フェースシート2、3とコアシート1との接合間隔が広い場合、成形品の成形高くなるに従い、成形品のコーナ部における最小曲率半径が比較的に大きくなるに従い、成形補助板16を厚くしていくことが好ましく、更に、成形補助板16の外側にも接合防止剤9bを塗布し、成形後の離型を容易にすることが好ましい。
【0031】
この成形補助板16に挟まれた積層体10を成形型30へセットした後、第1成形型31及び第2成形型32の内部空間31A内と32A内をアルゴンガス等の不活性ガスで置換しながら、図5に図4の一部を拡大して示すように、積層体10におけるコアシート1と各フェースシート2及び3との境界11及び12内を真空引きし、しかる後、積層体10及び成形型30の全体を加熱し、所定温度に昇温した後に成形型30の内部空間31A及び32A内に不活性ガスを所定の圧力で導入し、コアシート1と各々のフェースシート2及び3の接合区域13a、13b、13c、13d、13e及び14a、14b、14c、14d(図2参照)を拡散接合させ、拡散接合後、内部空間31A、32A内に導入した不活性ガスを排出する。
【0032】
しかる後、上記コアシート1とフェースシート2との間の接合不要区域4aに不活性ガスを導入する。なお、この接合不要区域4a内への不活性ガスの導入は、第1成形型31に開口する成形ガス給入孔(図示せず)から成形ガス供給孔8及び成形ガス導入溝7を介して行う。
【0033】
この接合防止剤9が介在する接合不要区域4aに導入された不活性ガスの圧力によって、接合不要区域4aに対応する部分のコアシート1とフェースシート2及び3とが超塑性変形して膨れて、図6に示す第1拡張室15aが形成される。一方、不活性ガスは、コアシート1の表裏を連通するガス孔6から接合防止剤9が介在する接合不要区域5aに導入されて圧力を付与し、この接合不要区域5aに対応する部分のコアシート1とフェースシート2及び3とを超塑性変形して第2拡張室15bが形成される。
【0034】
引き続き、第2拡張室15bに導入された不活性ガスは、ガス孔6から接合防止剤9が介在する接合不要区域4bに導入され、接合不要区域4bに対応する部分のコアシート1とフェースシート2及び3とを超塑性変形して第3拡張室15cが形成される。
【0035】
更に、導入された不活性ガスは、ガス孔6を介して、接合不要区域4b、5b、4c及び5cへと順次に導入され、各接合不要区域に対応する部分のコアシート1とフェースシート2及び3とを同様に超塑性変形させて、図6に示すように、第4拡張室15d、第5拡張室15e、第6拡張室15f、第7拡張室15gが順次に形成される。
【0036】
この超塑性変形工程において、成形型30の内壁と成形補助板16との間、即ち内部空間31A及び32A内に、上記各接合不要区域4a、4b、4c、4d、5a、5b、5cに導入する圧力より低い圧力を導入して、成形補助板16の背面に適当な圧力を付与し、各拡張室15a、15b、15c、15d、15e、15f、15gが超塑性成形にて形成される際のフェースシート2及び3の各接合不要区域4a、4b、4c、4d、5a、5b、5cに対応する部分内での局部的な膨張を成形補助板16の介在により防止する。この背面に適当な圧力が付与された成形補助板16が介在しない場合は、例えば図7に示すように、各接合不要区域4a、4b、4c、4d、5a、5b、5cに対応するフェースシート2及び3の部分内で局部的な膨張が発生し、その局部的な膨張が製品の外表面に皺となって現出することになる。
【0037】
換言すると、超塑性変形時には、図8に示すように、フェースシート2の内側に成形圧P1 が作用するが、フェースシート2の外側に変形応力の大きな成形補助板16を隙間なく配置した場合、成形圧P1 によってフェースシート2及び成形補助板16が変形し、この変形に伴って発生する張力の上下方向成分P2 と成形圧P1 とが釣り合うことになる。ここで、成形補助板16に大きな変形応力が発生すれば、成形補助板16の小さな変形にて上記成形圧P1 を支えることが可能になる。従って、フェースシート2の変形は、この成形補助板16の変形速度に支配され、成形補助板16が大きく伸びることがないため、フェースシート2の局部膨張が抑制されるのである。
【0038】
このことから、フェースシート2の外側に成形補助板16を隙間なく配置する必要があり、例えば図9に示すように、フェースシート2と成形補助板16との間に隙間tがあると、上記した成形補助板16の効果を享受することが難しくなる。そこで、図10に示すように、成形補助板16の背面から所定の圧力P3 を付与することが肝要であり、この圧力P3 に相当する分だけ成形圧P1 を従前の成形圧より高くすることが好ましい。
【0039】
このように積層体最外層のフェースシート2及び3が超塑性成形する際、該当するフェースシート2及び3の外表面は、背面に圧力P3が付与された成形補助板16にて規制されるため、フェースシート2及び3の各接合不要区域4a、4b、4c、4d、5a、5b、5cに対応する部分内での局部的な膨張が防止されて、成形品表面での皺の発生が未然に回避される。
【0040】
ここで、内部空間31A及び32A内に導入する圧力と、各接合不要区域間に導入する圧力との差は、コアシート1並びにフェースシート2及び3が超塑性変形する際に、フェースシート2及び3の外表面に適当な応力が作用するように設定する。具体的には、当該超塑性成形の数値計算シミュレーションにより定めることができる。
【0041】
以上の工程に従って得られる成形品は成形型30から取り出され、トリム処理工程等で形状が整えられて製品となる。
【0042】
なお、図1及び図2に示した要領にて、コアシート1、フェースシート2及び3として、板厚0.63mmのTi−6Al−4Vのチタン合金材を、また接合防止剤にはイットリアを各々用いて、コアシート1、フェースシート2及び3を重ねて積層体10を形成した。次いで、成形補助板16に板厚0.5mmのステンレス鋼(SUS301)材を用いて、図3に示した要領にて、成形補助板16を積層体10の外側にイットリアの塗布層を介して重ねてから、図4に示したように、成形型30にセットし、型および成形補助板16に挟まれた積層体10を900℃に加熱すると共に、成形型の内部空間にアルゴンガスを導入し、3.0MPaの圧力を2時間加えて拡散接合を行った。その後、成形型内のアルゴンガスを排気してから、積層体の接合不要区域内にアルゴンガスによる成形圧を付与すると共に、成形補助板の背面に成形圧より低い圧力(背面圧)を付与して、超組成成形を行った。このときの成形圧及び背面圧の制御例を、図11に示す。
【0043】
このような各圧力の制御の下に、超塑性成形を行ったところ、フェースシートの接合不要区域に対応する部分での局部膨張が回避された結果、成形品の表面に皺の発生はみられなかった。
【0044】
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施形態を図12及び図13によって説明する。
【0045】
この第2実施の形態は、上記図1及び図2に示した、コアシート1とフェースシート2及び3とから積層体10を形成する工程を、図12及び図13に示すように変更して行うものである。即ち、図12に示すようにコアシート1の一方の面1aにフェースシート2を重ね合わせ、かつ真空雰囲気中で接合区域13a乃至13e(図12には接合区域13aを示す)の各々を囲むように電子ビーム溶接手段により形成される電子ビーム溶接部20によって互いに溶着すると共に、図13に示すようにフェースシート2を溶着したコアシート1の他方の面1bにフェースシート3を重ね合わせ、接合区域14a乃至14d(図13には接合区域14a及び14bを示す)の各々の周囲を各々電子ビーム溶接部20によって互いに溶着する。これら接合区域13a乃至13e及び14a乃至14dは周囲が囲まれているので真空状態に保持される。
【0046】
このように得られた積層体10は、次の積層体セット工程において、第1実施形態と同様に、成形型30にセットした後、第1実施形態と同様の超塑性成形に供される。
【0047】
この第2実施の形態によると、第1実施形態に加え、接合区域の周囲を電子ビーム溶接手段により互いに溶着することで、接合区域が真空状態を保ち、超塑性成形と拡散接合を同時進行させることで成形時間が短縮され、接合不要区域が拡散接合することがないので接合防止剤の塗布が省略でき、工数の削減と相侯って製造コストの低減が得られる。また、事前に電子ビーム溶接手段等により接合区域を接合することにより、拡散接合が不可能の素材についても超塑性成形を容易に行うことができる。
【0048】
また、接合区域の接合面にインサート材、例えばCu−Niメッキを施した拡散接合、即ち液相拡散接合(Liquid Interface Diffusion Bonding)においても同様の方法で実施することが可能であり、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく本発明に要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0049】
更に、コアシート16とフェースシート2、3との間に成形ガスを供給するガス通路として、上記実施の形態では一方がフェースシート2を厚さ方向に貫通して成形ガス供給孔8を設けたが、成形ガス導入溝7をコアシート16の端まで延長し、この溝中に超塑性を有しないステンレス管を嵌め込み回りをシールしたフェースシート2を重ねるのがよい。フェースシートやコアシートに直接設けた通路は、治具の圧力と高温で孔通路が狭められて抵抗が増大し、成形ガスの供給時間が長くなるが、ステンレス管をはめ込むことにより通路の狭まりが抑えられ成形ガスの供給が阻害されなくなる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明した本発明の超塑性材料の一体成形方法によると、金属板材の積層体の最外層となる金属板材の外側に成形補助板を重ねて成形型内にセットし、超塑性成形時に、成形型の内壁と成形補助板との間に、接合不要区域間に導入する圧力より低い圧力を導入することによって、積層体最外層の金属板材が超塑性成形する際、この金属板材の外表面は背面に圧力を付与された成形補助板にて規制されるため、金属板材の接合不要区域内での局部膨張が防止されて、成形品表面に発生する皺等を未然に回避することが可能になり、高品質の超塑性成形品が得られると共に、材料の歩留りを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超塑性金属の一体成形方法の第1実の施形態を説明する斜視図である。
【図2】同じく、要部断面説明図である。
【図3】同じく、要部断面説明図である。
【図4】同じく、要部断面説明図である。
【図5】同じく、要部断面説明図である。
【図6】同じく、要部断面説明図である。
【図7】同じく、要部断面説明図である。
【図8】超塑性成形時の圧力分布の説明図である。
【図9】超塑性成形時の圧力分布の説明図である。
【図10】超塑性成形時の圧力分布の説明図である。
【図11】超塑性成形時の圧力制御例を示す図である。
【図12】本発明による超塑性金属の一体成形方法の第2実施の形態を説明する斜視図である。
【図13】同じく、要部を説明する斜視図である。
【図14】従来の超塑性金属の一体成形方法を説明する斜視図である。
【図15】同じく、要部断面説明図である。
【図16】同じく、要部断面説明図である。
【図17】同じく、要部断面説明図である。
【図18】超塑性成形の成形不良を説明する図である。
【符号の説明】
1 コアシート
2、3 フェースシート
4a、4b、4c、4d 接合不要区域
5a、5b、5c 接合不要区域
6 ガス孔
7 成形ガス導入用溝
8 成形ガス供給孔
9 接合防止剤
10 積層体
15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g 拡張室
16 成形補助板
20 溶接部
30 成形型
31 第1成形型
32 第2成形型
Claims (3)
- 超塑性成形及び拡散接合が可能な少なくとも3枚の金属板材を、その接合不要区域に接合防止剤を塗布して重ね合わせ、該重ね合わせた金属板材の積層体を成形型にセットし、該型内を成形温度まで加熱して接合区域に対応する金属板材の重合部分を金属板材相互で拡散接合すると共に、各金属板材間の接合不要区域間に不活性ガスによる圧力を導入して超塑性成形する超塑性材料の一体成形方法において、
上記金属板材の積層体の最外層となる金属板材の両外側に接合防止剤の塗布層を介して成形補助板を各々重ね、該成形補助板に挟まれた金属板材の積層体を成形型にセットし、該成形型の内壁と成形補助板との間に上記接合不要区域間に導入する圧力より低い圧力を導入して背面に圧力が付与された上記成形補助板による最外層金属板材の規制の下で上記超塑性成形を行うことを特徴とする超塑性材料の一体成形方法。 - 超塑性成形が可能な少なくとも3枚の金属板材を、その接合不要区域に接合防止剤を塗布し、かつ接合区域に対応する金属板材の部分を金属板材相互で接合して重ね合わせ、該重ね合わせた金属板材の積層体を成形型にセットし、該型内を成形温度まで加熱して各金属板材の接合不要区域間に不活性ガスによる圧力を導入して超塑性成形する超塑性材料の一体成形方法において、
上記金属板材の積層体の最外層となる金属板材の両外側に接合防止剤の塗布層を介して成形補助板を各々重ね、該成形補助板に挟まれた金属板材の積層体を成形型にセットし、該成形型の内壁と成形補助板との間に上記接合不要区域間に導入する圧力より低い圧力を導入して背面に圧力が付与された上記成形補助板による最外層金属板材の規制の下で超塑性成形を行うことを特徴とする超塑性材料の一体成形方法。 - 上記成形補助板の外側に接合防止剤を塗布することを特徴とする請求項1または2に記載の超塑性材料の一体成形方法。
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