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JP4530579B2 - 半導体素子収納用パッケージ - Google Patents
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JP4530579B2 - 半導体素子収納用パッケージ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信分野やマイクロ波通信およびミリ波通信等の分野で用いられる、高い周波数で作動する各種半導体素子を収納する半導体素子収納用パッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の光通信分野やマイクロ波通信およびミリ波通信分野等で用いられる、高い周波数で作動する各種半導体素子を気密封止して収容する半導体素子収納用パッケージ(以下、半導体パッケージという)として、例えば光通信分野に用いられる光半導体パッケージを図4に示す。同図に示すように、光半導体パッケージとしての半導体パッケージ1は、一般に鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン(W)合金等の金属材料から成り、上面の略中央部に半導体レーザ(LD)やフォトダイオード(PD)等の光半導体素子等の半導体素子2が載置される載置部3を設けた基体4を有する。この基体4は、略長方形の板状であり、その対向する辺部に外部の実装基板(図示せず)にネジ止めするためのネジ止め孔11が設けられている。
【0003】
また、載置部3を囲繞するようにして基体4の上側主面に銀ロウ等のロウ材を介して接合されると共に、基体4の長辺側に位置する両側部に、半導体素子2と外部電気回路(図示せず)とを電気的に接続する高周波信号入出力用の入出力端子5を嵌着接合するための貫通孔または切欠き部から成る取付部6が設けられた枠体7を有する。この枠体7は、Fe−Ni−Co合金等から成り、基体4の短辺側に位置する一側部に、光ファイバ12固定用の筒状の固定部材18が嵌着接合される貫通孔14が形成されている。そして、枠体7の光伝送路である貫通孔14の外側開口の周辺部には、枠体7の熱膨張係数に近似するFe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属材料から成る光ファイバ12固定用の筒状の固定部材18が銀ロウ等のロウ材で接合される。
【0004】
また、シールリング17は、枠体7の上面および入出力端子5の上面に銀ロウ等のロウ材を介して接合され、入出力端子5を挟持すると共に上面に蓋体15をシーム溶接等により接合するための接合媒体として機能する。
【0005】
更に、この半導体パッケージ1は、取付部6に取着された入出力端子5と、枠体7の上面に取着された半導体素子2を気密に封止する蓋体15とを具備して成る。
【0006】
このような半導体パッケージ1は、基体4の載置部3に半導体素子2を錫(Sn)−鉛(Pb)半田等の低融点ロウ材で載置固定させると共に、半導体素子2の電極をボンディングワイヤ(図示せず)を介して図5に示す入出力端子5の線路導体28に電気的に接続し、更に光ファイバ12と半導体素子2との光軸を調整する。その後、固定部材18の枠体7外側の端面に光ファイバ12を樹脂等の接着剤で取着した金属ホルダ13を、金(Au)−錫(Sn)等の低融点ロウ材で接合する。次に、枠体7の上面に蓋体15をシーム溶接等により接合して基体4と枠体7と蓋体15とから成る容器内部に半導体素子2を気密に収容することにより、製品としての光半導体装置となる。
【0007】
このような光半導体装置は、実装基板上にネジ止めされた後、半導体素子2を外部電気回路から供給される駆動用の高周波信号によって光励起させ、励起したレーザ光等の光を光ファイバ12に授受させ光ファイバ12内を伝送させることにより、大容量の情報を高速に伝送できる光電変換装置として機能し、光通信分野等に多用されている。
【0008】
そこで、この光半導体装置を構成する半導体パッケージ1に用いられる入出力端子5には、電気的に絶縁され、リード線接続およびワイヤーボンディングが可能な配線パターンの形成ができることが必要となる。このような入出力端子5は、図5,図6に示すように、上面の1辺側から対向する他辺側にかけて形成された線路導体28を有する誘電体から成る平板部9と、平板部9の上面に線路導体28を間に挟んで接合された同様の誘電体から成る立壁部10とから構成されている。また、平板部9および立壁部10の線路導体28に略平行な両側面には、線路導体28を擬似同軸状に囲み接地導体として機能すると共に、図4に示す取付部6の内周面に銀ロウ等のロウ材を介して接合させる接合媒体として機能するメタライズ層(図示せず)が形成されている。
【0009】
この線路導体28の枠体7外側の部位の上面には、Fe−Ni−Co合金等の金属材料から成り、銀ロウ等のロウ材で接合されると共に、入出力端子5と外部電気回路との電気的接続を行なうためのリード端子16が接合される。一方、線路導体28の枠体7内側の部位の上面に位置するワイヤーボンディング部28aには、Au,アルミニウム(Al)等の線材から成り、超音波接合法や熱圧着法等により半導体素子2と入出力端子5との電気的接続を行なうためのボンディングワイヤ(図示せず)が接続される。
【0010】
このような入出力端子5を構成する誘電体としては、一般にアルミナ(Al23)質焼結体等のセラミックスが用いられていた。一方、入出力端子5に形成される線路導体28には、電気抵抗が小さく、上記セラミックスと同時焼成により微細な配線パターンの形成が可能なWやMo等の高融点金属が採用されていた。
【0011】
近年、より高い周波数の入出力信号を伝送すると共に小型化されたものに対する要求が高まっており、その結果線路導体28の線幅も細くなって配線抵抗が増大するようになっていた。しかし、高融点金属から成る線路導体28では、シート抵抗もせいぜい8mΩ/□程度までしか低くできず、高周波信号の透過損失が大きくなるという問題があった。そこで、より低抵抗のCuまたはCuとW,Moとを組み合わせた導体を用いて上記セラミックスと同時焼成して線路導体28を形成することが提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、CuまたはCuとW,Moとを組み合わせた導体をアルミナ(Al23)質焼結体から成る誘電体と1200〜1500℃の低い温度で同時焼成して線路導体28が形成されているため、アルミナ(Al23)質焼結体から成る誘電体成分は、Cuとの濡れ性が悪いことから、CuまたはCuとW,Moとを組み合わせた導体層への拡散が不充分となっていた。その結果、半導体素子2と入出力端子5との電気的接続を行なうボンディングワイヤには外力が加わらないことから、線路導体28のワイヤーボンディング部28aには何等問題は生じないものの、上記導体層にロウ付けした、外部電気回路との電気的接続を行なうためのリード端子16に、外部電気回路との電気的接続時等に外部応力が加わると、リード端子16が導体層ごと誘電体表面から剥離するという問題点があった。
【0013】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、アルミナを主成分とする誘電体等と同時焼成で形成でき、外部電気回路との電気的接続を行なうリード端子に外部応力が加わっても、誘電体から成る平板部上面に強固に接合されて剥離せず高周波信号の伝送特性を損なわない線路導体を有する入出力端子を具備したものとすることにある。
【0014】
本発明の半導体パッケージは、上側主面に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、前記上側主面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部に切欠き部または貫通孔から成る入出力端子の取付部が形成された枠体と、上面の一辺側から対向する他辺側にかけて形成された複数の線路導体を有する誘電体から成る平板部および該平板部の上面に前記複数の線路導体を間に挟んで接合された誘電体から成る立壁部から構成されると共に、前記取付部に嵌着されて前記半導体素子と外部電気回路とを電気的に接続する入出力端子とを具備した半導体素子収納用パッケージにおいて、前記線路導体は、前記枠体の内側の部位が銅を10〜70体積%、タングステンおよび/またはモリブデンを30〜90体積%含有するメタライズ層から成るとともに前記枠体の外側の部位がモリブデンを70〜90重量%、マンガンを2〜15重量%、酸化珪素を5〜20重量%、酸化チタンを1〜10重量%含有するメタライズ層から成り、これらのメタライズ層が前記立壁部の下面で接続されて成ることを特徴とする。
【0015】
本発明は、線路導体が、枠体の内側の部位が銅を10〜70体積%、タングステンおよび/またはモリブデンを30〜90体積%含有するメタライズ層から成るとともに枠体の外側の部位がモリブデンを主成分とするメタライズ層から成り、これらのメタライズ層が立壁部の下面で接続されて成ることにより、アルミナ質焼結体等から成る誘電体成分のMoを主成分とするメタライズ層への拡散が容易となる。その結果、枠体の外側の部位であるリード線接続部のMoのメタライズ層が、アルミナ質焼結体等から成る平板部上面に強固に接合されるため、そこに接続されたリード端子の外部応力に対する強度が増大して接続信頼性が向上することになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体パッケージについて以下に詳細に説明する。図1は、本発明の半導体パッケージを構成する入出力端子の例を示す斜視図であり、図2は、本発明の半導体パッケージを構成する入出力端子の例を示す断面図である。本発明の半導体パッケージ全体の基本構成は従来例の半導体パッケージを示す図4と同様であり、共通する各部の詳細な説明は省略する。
【0017】
本発明の半導体パッケージを構成する入出力端子は、図1および図2に示すように、略四角形の誘電体板から成り、上面に1辺側から対向する他辺側にかけて形成された複数の線路導体8を有する平板部9と、その上面に複数の線路導体8を間に挟んで接合された誘電体から成る略直方体の立壁部10とから構成される。線路導体8は、枠体7の内側の部位がCuを10〜70体積%、Wおよび/またはMoを30〜90体積%含有するメタライズ層から成るとともに枠体7の外側の部位がMoを主成分とするメタライズ層から成り、これらのメタライズ層が立壁部10の下面で接続されて成る。
【0018】
この線路導体8を構成するリード端子接続部8bのMoを主成分とするメタライズ層は、平板部9および立壁部10を構成するセラミックス等に対する密着性が極めて良好であり、線路導体8全体の配線抵抗もワイヤーボンディング部8aがCuを10〜70体積%、Wおよび/またはMoを30〜90体積%含有するメタライズ層から成ることから、リード端子接続部8bおよびワイヤーボンディング部8aの全体のシート抵抗も7mΩ/□程度以下と低抵抗なものとなる。
【0019】
本発明の線路導体8のワイヤーボンディング部8aは、CuとWおよび/またはMoとの複合材料を主成分とするメタライズ層から成り、後述するように平板部9および立壁部10を構成する誘電体と同時焼成により形成されるものである。このメタライズ層は、Cuを10〜70体積%、Wおよび/またはMoを30〜90体積%含有して成るが、線路導体8の低抵抗化、誘電体との同時焼結性および線路導体8の保形性を維持する上では、Cuを40〜60体積%、Wおよび/またはMoを40〜60体積%含有することが好ましい。この場合、ワイヤーボンディング部8aのシート抵抗を8mΩ/□程度以下に低減できる。
【0020】
線路導体8におけるCu量が10体積%未満であり、かつWおよび/またはMo量が90体積%を超えると、線路導体8の抵抗が高くなる。また、Cu量が70体積%を超え、かつWおよび/またはMo量が30体積%未満になると、線路導体8の保形性が低下し、線路導体8ににじみ等が発生したり、溶融したCuにより線路導体8が凝集して断線を生じると共に、誘電体と線路導体8との熱膨張差により線路導体8が剥離を生じ易くなる。
【0021】
また、線路導体8は、含有されるWおよび/またはMoが平均粒径1〜10μmの球状あるいは数個の粒子による焼結粒子としてCuから成るマトリックス中に分散含有されていることが好適である。これは、平均粒径が1μmより小さいと線路導体8の保形性が悪くなり、組織が多孔質化して抵抗値が高くなる。他方、10μmを超えると、Cuから成るマトリックスがWやMoの粒子によって分断されてしまい、抵抗値が高くなったり、Cu成分の分離によりにじみが発生する恐れがある。
【0022】
また、Wおよび/またはMoの平均粒径は1.3〜5μmがよく、1.3μm未満では、焼結時に焼結が進行しすぎて誘電体との接着強度が低下するおそれがある。5μmを超えると、焼結が不十分となり、線路導体8の強度不足や誘電体との密着性不足、さらに導通抵抗の増加等が発生するおそれがある。より好ましくは1.3〜3μmが良い。
【0023】
一方、本発明の線路導体8のリード端子接続部8bはMoを主成分とするメタライズ層から成り、ワイヤーボンディング部8aの場合と同様に、後述するように平板部9および立壁部10を構成する誘電体と同時焼成により形成される。このようなMoを主成分とするメタライズ層は、従来周知のMo−マンガン(Mn)ペーストを用いて誘電体と同時焼成して形成される。Mo−Mnペーストとしては、例えば、Moを70〜90重量%、Mnを2〜15重量%、酸化珪素(SiO2)を5〜20重量%、酸化チタン(TiO2)を1〜10重量%含有するものが良い。
【0024】
また、Moを主成分とするメタライズ層には、とりわけアルミナ質焼結体から成る誘電体成分が容易に拡散し、その結果、リード端子接続部8bのMoを主成分とするメタライズ層がアルミナ質焼結体から成る平板部9上面に強固に接合されることから、ロウ材により接続されたリード端子16の外部応力に対する強度が増加して接続信頼性が向上することになる。
【0025】
また、ワイヤーボンディング部8aのCuとWおよび/またはMoとの複合材料を主成分とするメタライズ層と、リード端子接続部8bのMoを主成分とするメタライズ層は、入出力端子5の立壁部10の下面で電気的に接続されている。このとき、ワイヤーボンディング部8aのCu成分がリード端子接続部8bのMoを主成分とするメタライズ層側に拡散して接合していることから、立壁部10の下面の接続部においてはCuが全体的に拡散されている。従って、Cuの拡散により、ワイヤーボンディング部8aとリード端子接続部8bとの界面の抵抗変化が急激な変化ではなく徐々に変化するものとなり、その結果、高周波信号の伝送特性に影響することはない。
【0026】
この接続部の形態については電気的に接続されていればよいが、図2に示すようにワイヤーボンディング部8aのCuとWおよび/またはMoとの複合材料を主成分とする導通抵抗の小さいメタライズ層を、リード端子接続部8bのMoを主成分とするメタライズ層の上面に被着形成した形態がよく、高周波信号の伝送特性の点で好ましい。即ち、高周波信号は表皮効果により線路導体8の極く表面を伝送するため、導通抵抗の小さいメタライズ層を上側(表層側)にするのがよく、またリード端子16を接続するための銀ロウ等の高導電性のロウ材皮膜とも相俟って透過損失が小さくなり、高周波信号の伝送特性が向上することになる。
【0027】
また、ワイヤーボンディング部8aのメタライズ層と、リード端子接続部8bのメタライズ層の接続界面は、入出力端子5の平板部9と立壁部10との間に介在させ、立壁部10を平板部9に接合する際に加圧接合して入出力端子5の寸法精度を確保すると良い。また、加圧接合して寸法精度を確保することは入出力端子5と枠体7との気密封止にとっても効果的である。
【0028】
さらに、ワイヤーボンディング部8aのメタライズ層と、リード端子接続部8bのメタライズ層との接続は、図3に他の例を示すように、ワイヤーボンディング部8aのメタライズ層とリード端子接続部8bのメタライズ層とを突き合せて線路導体8を形成し、その接続界面を平板部9と立壁部10との間に介在させ、立壁部10を平板部9に接合する際に加圧接合して入出力端子5の寸法精度を確保するようにしても良い。これより、上記と同様に気密封止にも効果的なものとなる。
【0029】
いずれの場合も、リード端子接続部8bは、リード端子16がメタライズ層と十分な長さ(0.2〜3mm程度)で銀ロウ等のロウ材で接合できる領域が確保できれば良く、リード端子16がワイヤーボンディング部8aのメタライズ層の線路導体8に接しないようにすることが接続信頼性の点で重要となる。
【0030】
更に、線路導体8の表面には、酸化による腐食防止、ワイヤボンディング性、半田との濡れ性、および線路導体8の抵抗低化のために、Au,Cu,Ti,NiおよびPdの群から選ばれる少なくとも1種からなる金属層が、無電解めっき、電解めっき等によって被着されていることが好ましい。特に、耐食性の向上と抵抗低減の点からは、最表面はAuから成ることがより好ましい。
【0031】
更に、線路導体8中には、誘電体との密着性を改善するために、誘電体を構成するセラミックスを主成分としたセラミック成分、あるいは誘電体組成と同一組成のセラミック成分を0.05〜2体積%の割合で含有させることが好ましい。
【0032】
なお、本発明の入出力端子5においては、Cuの融点を超える温度で誘電体と同時焼成すると、線路導体8中のCu成分が誘電体中に拡散する場合があるが、線路導体8の周囲の誘電体へのCuの拡散距離を30μm以下、特に10μm以下とすることが好ましく、この場合、焼成条件等を制御することにより拡散距離を制御できる。線路導体8中のCu成分の誘電体中への拡散距離が30μmを超えると、線路導体8間の絶縁性が低下し、線路導体8としての信頼性が低下する。従って、上記拡散距離を30μm以下に制御することにより、線路導体8間の最小線間距離を100μm以下、とりわけ90μm以下として、線路導体8の高密度配線化が可能となる。
【0033】
更に、線路導体8の枠体7外側の部位には、外部電気回路と入出力端子5との高周波信号の入出力を行なうためのFe−Ni−Co合金等の金属材料から成るリード端子16が、銀ロウ等のロウ材で接合される。
【0034】
また、平板部9は、アルミナを主成分とするセラミックスから成るのがよく、Cuを含有するメタライズ層とMoを主成分とするメタライズ層から成る線路導体8との同時焼結性の点で好ましい。このアルミナを主成分とするセラミックスは、相対密度が95%以上、特に97%以上、更には99%以上の高緻密体から形成されていることが好適であり、高熱伝導性と高強度を具備するものとなる。更に、線路導体8との同時焼成時に線路導体8の保形性を確保するためには、焼成温度を1200〜1500℃の低温とするとともに相対密度を95%以上に緻密化させることが好ましい。
【0035】
従って、このような特性を有する入出力端子5の誘電体としては、主成分としてアルミナを84〜90重量%の割合で含有すると共に、上記焼成温度での焼結性を高める点でMn化合物をMnO2換算で2〜6重量%の割合で含有するものが好適である。
【0036】
また、この誘電体中には、第3成分としてSiO2およびマグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類元素の1種以上を酸化物として含有させるとよく、Cuを含有するメタライズ層との同時焼結性を向上させ得る。その含有量は、SiO2が2〜15重量%、上記同時焼結性の点からは3〜10重量%がより好適である。また、アルカリ土類元素は、酸化物換算で合計が0.1〜4重量%が良く、更に同時焼結性の点からは0.2〜2.5重量%が良い。更に、第4成分としてW,Mo,クロム(Cr)等の金属を着色成分として2重量%以下の割合で含有させても良い。
【0037】
本発明では、Al23以外の成分は、Al23主結晶相の粒界に非晶質相あるいは結晶相として存在するが、熱伝導性を高めるうえで粒界中に助剤成分を含有する結晶相が形成されていることが好ましい。また、Al23主結晶相は、粒状または柱状の結晶として存在するが、これら主結晶相の平均結晶粒径は1.5〜5μmであることが好ましい。なお、主結晶相が柱状結晶から成る場合、上記平均結晶粒径は短軸径に基くものである。この主結晶相の平均結晶粒径が1.5μm未満であると高熱伝導化が難しく、5μmを超えると入出力端子5に要求される強度が得難くなる。
【0038】
また、立壁部10は、平板部9と同様の誘電体から成り、その上面全面に線路導体8と同様のメタライズ層が形成されると共に、枠体7の取付部6の内周面に接合される面にもメタライズ層が形成されている。このメタライズ層は、線路導体8等と同様の方法により金属ペーストを所定パターンに印刷塗布し焼成することにより形成される。このメタライズ層は、例えば、WやMo等の金属粉末に有機溶剤、溶媒を添加混合して得た金属ペーストを、平板部9用のセラミックグリーンシートに周知のスクリーン印刷法等により所定のパターンに印刷塗布しておき、焼成することにより形成される。
【0039】
かくして得られた入出力端子5は、Fe−Ni−Co合金やCu−W合金等の金属材料から成る基体4の上側主面に接合された枠体7の側部の取付部6に銀ロウ等のロウ材により嵌着接合される。これにより、枠体7の一部となって内外を気密に仕切ると共に枠体7の内外を導通する導電路となる。
【0040】
次に、本発明の半導体パッケージ1を構成する入出力端子5の製造方法について、その一例を以下の[1]〜[6]に具体的に説明する。
【0041】
[1]先ず、入出力端子5の平板部9と立壁部10を形成するために、主成分となるAl23原料粉末として、平均粒径が0.5〜2.5μm、より好ましくは0.5〜2μmの粉末を用いる。これは、平均粒径が0.5μm未満の場合、そのような微粉末は取り扱いが難しく、また粉末製造のコストが高くなり、2.5μmより大きくなると1500℃以下の低温での焼成が困難となるからである。
【0042】
[2]次に、Al23原料粉末に対して、第2成分としてMnO2を2〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%の割合で添加する。また、第3成分としてSiO2およびMgO,CaO,SrO等のアルカリ土類元素の1種以上の酸化物を0.1〜4重量%、より好ましくは0.2〜2.5重量%の割合で添加する。更に、第4成分としてW,Mo,Cr等の遷移金属の金属粉末や酸化物粉末等を着色成分として金属換算で2重量%以下の割合で添加する。
【0043】
なお、これら各酸化物を添加する際は、酸化物粉末以外に、焼成することにより酸化物を形成し得る炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩等で添加しても良い。
【0044】
[3]その後、この混合粉末から周知の成形方法によりシート状の成形体を作成する。具体的には、この混合粉末に有機バインダーや溶媒を添加して泥しょうを調製した後、得られた泥しょうをドクターブレード法によりシート状に成形する。あるいは、この混合粉末に有機バインダーを添加し、プレス成形法や圧延成形法により所定の厚さのシート状の成形体を作製する。
【0045】
[4]次に、平均粒径が1〜10μmのCu粉末を10〜70体積%、平均粒径が1〜10μmのWおよび/またはMo粉末を30〜90体積%の割合で含有した導体ペーストAと、平均粒径が1〜10μmのMo粉末を70〜90重量%、平均粒径が1〜10μmのMn粉末を2〜15重量%、SiO2粉末を5〜20重量%、TiO2粉末を1〜10重量%の割合で含有した導体ペーストBを調製する。
【0046】
先ず、この導体ペーストBを用いて、平板部9用のシート状の成形体のリード端子接続部側表面にスクリーン印刷法やグラビア印刷法等により線路導体8となる配線パターンを印刷塗布する。次いで、リード端子接続部側表面に形成した配線パターンに一部が重なるように、導体ペーストAを用いて、平板部9用のシート状の成形体のワイヤーボンディング部側表面に、同様のスクリーン印刷法やグラビア印刷法等により、線路導体8となる配線パターンを印刷塗布する。その後、配線パターンの重複部を加圧して所定厚さになるように微調整する。
【0047】
また、この導体ペースト中には、平板部9の誘電体との密着性を高めるために、Al23粉末、または誘電体を構成する酸化物セラミックス成分と同一組成のセラミック粉末を0.05〜2体積%添加することも可能である。
【0048】
[5]その後、シート状の成形体から、平板部9および立壁部10の形状のものを打ち抜き加工で作製し、平板部9の上面に立壁部10を積層圧着し、この積層体を非酸化性雰囲気中、焼成最高温度1200〜1500℃で焼成一体化する。
【0049】
このとき、焼成温度が1200℃より低いと、酸化アルミニウム質焼結体の相対密度が95%以上となるように緻密化できず、熱伝導性や強度が低下する。1500℃を超えると、導体ペースト中のWやMo自体の焼結が進み、マトリックスであるCu中にW,Moが均一に存在する均質な組織のメタライズ層が得られず、低い抵抗値を維持することができなくなる。即ち、ワイヤーボンディング部8a側の線路導体8のシート抵抗を8mΩ/□以下とすることが困難になる。また、1500℃を超えると、酸化物セラミックスの主結晶相の粒径が大きくなって異常粒成長が発生したり、Cuがセラミックス中に拡散する際の経路である粒界の長さが短くなると共に、拡散速度も速くなる。その結果、拡散距離を30μm以下に抑制することが困難となり、抵抗値が増加することになる。従って、上記焼成温度は1250〜1400℃の範囲がより好適である。
【0050】
更に、焼成時の非酸化性雰囲気としては、窒素、または窒素と水素の混合雰囲気であることが好ましい。特に、線路導体8中のCuの拡散を抑制する点で、窒素および水素を含み、露点が10℃以下、特に−10℃以下の非酸化性雰囲気が好ましい。この非酸化性雰囲気にはアルゴンガス等の不活性ガスを混入しても良い。この非酸化性雰囲気の露点が10℃より高いと、焼成中に酸化物セラミックスと雰囲気中の水分とが反応して酸化膜を形成し、この酸化膜と導体中のCuが反応してしまい、線路導体8の低抵抗化の妨げとなるのみならずCuの拡散を助長してしまうからである。
【0051】
[6]その後、同時焼成された入出力端子5の線路導体8に対して、無電解めっき法または電解めっき法により、Au,Cu,Ti,NiおよびPdの群から選ばれる少なくとも1種のメタライズ層を0.5〜10μmの厚さで被着する。
【0052】
そして線路導体8に対して、外部電気回路と入出力端子5との高周波信号の入出力を行なうための、Fe−Ni−Co合金やCu−W等の金属材料から成るリード端子16が銀ロウ等のロウ材で接合される。
【0053】
本発明において、線路導体8の枠体7内側の部位がCuを10〜70体積%、Wおよび/またはMoを30〜90体積%含有するメタライズ層から成るが、メタライズ層中のCu,W,Moの体積%は以下のようにして特定できる。即ち、このメタライズ層はCuの融点(1083℃)以上の1200〜1500℃で平板部9と同時焼成されるものであり、従ってCuより融点が1000℃以上高いW,MoとCuとは固溶体を形成しない。よって、メタライズ層はW粒子,Mo粒子の間隔をCuが埋めた構成となり、Cu,W,Moの体積%を特定することが可能となる。
【0054】
具体的は以下のようになる。まず、一定量の線路導体8試料の重量を測定した後、それに含有されるCu成分のみを亜硫酸ナトリウム,塩酸または硫酸等の酸で溶解する。処理液にCu成分が溶解し終えて酸処理した線路導体8試料の重量が変化しなくなったのを確認した後、酸処理後の線路導体8試料の重量を再度測定し重量変化を算出する。Cuの比重8.94よりCuの体積を算出する。酸処理後の線路導体8試料の重量から、W(比重19.3)および/またはMo(比重10.22)の体積を算出する。Cu,W,Moのそれぞれの体積から体積%を算出する。
【0055】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を行うことは何等支障ない。
【0056】
【発明の効果】
本発明は、入出力端子の平板部の上面に形成された線路導体は、枠体の内側の部位が銅を10〜70体積%、タングステンおよび/またはモリブデンを30〜90体積%含有するメタライズ層から成るとともに枠体の外側の部位がモリブデンを主成分とするメタライズ層から成り、これらのメタライズ層が立壁部の下面で接続されて成ることにより、枠体外側の部位であるリード端子接続部のMoを主成分とするメタライズ層が平板部上面に強固に接合され、その結果、Moを主成分とするメタライズ層上面に接続されたリード端子に外部応力が加わってもメタライズ層ごと剥離したりせず、接続信頼性が向上する。
【0057】
また、枠体内側の部位であるワイヤーボンディング部がCuを10〜70体積%、Wおよび/またはMoを30〜90体積%含有する低抵抗導体から成るメタライズ層で構成され、リード端子接続部のMoを主成分とするメタライズ層と電気的に接続されていることから、ワイヤーボンディング部のCuがリード端子接続部のメタライズ層に拡散して線路導体全体の導体抵抗が低くなり、その結果高周波信号の透過損失が小さくなる。
【0058】
以上の結果、アルミナを主成分とする焼結体と同時焼成でき、外部電気回路との電気的接続を行なうためのリード端子に外力が加わっても、誘電体から成る平板部上面に強固に接続されて剥離することがない線路導体を有する入出力端子を具備した、高周波信号の伝送特性に優れた半導体パッケージを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体パッケージにおける入出力端子について実施の形態の例を示す斜視図である。
【図2】図1の入出力端子の断面図である。
【図3】本発明の半導体パッケージにおける入出力端子について実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図4】従来の半導体パッケージを示す分解斜視図である。
【図5】従来の半導体パッケージにおける入出力端子の斜視図である。
【図6】図5の入出力端子の断面図である。
【符号の説明】
1:半導体パッケージ
2:半導体素子
3:載置部
4:基体
5:入出力端子
6:取付部
7:枠体
8:線路導体
8a:ワイヤーボンディング部
8b:リード端子接続部
9:平板部
10:立壁部

Claims (1)

  1. 上側主面に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、前記上側主面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部に切欠き部または貫通孔から成る入出力端子の取付部が形成された枠体と、上面の一辺側から対向する他辺側にかけて形成された複数の線路導体を有する誘電体から成る平板部および該平板部の上面に前記複数の線路導体を間に挟んで接合された誘電体から成る立壁部から構成されると共に、前記取付部に嵌着されて前記半導体素子と外部電気回路とを電気的に接続する入出力端子とを具備した半導体素子収納用パッケージにおいて、前記線路導体は、前記枠体の内側の部位が銅を10〜70体積%、タングステンおよび/またはモリブデンを30〜90体積%含有するメタライズ層から成るとともに前記枠体の外側の部位がモリブデンを70〜90重量%、マンガンを2〜15重量%、酸化珪素を5〜20重量%、酸化チタンを1〜10重量%含有するメタライズ層から成り、これらのメタライズ層が前記立壁部の下面で接続されて成ることを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
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