JP4530609B2 - 熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法、熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法および熱可塑性樹脂組成物成形体 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法、熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法および熱可塑性樹脂組成物成形体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法に関する。より詳しくは、本発明は、熱可塑性樹脂組成物廃材の熱可塑性樹脂組成物成形体の品質を酸化劣化特性の評価および異物混入量の低減により管理する、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法に関する。
【0002】
本発明は上記の再資源化方法による熱可塑性樹脂成形体の製造方法にも関する。さらに、本発明は、上記の再資源化方法により得られる熱可塑性樹脂組成物成形体にも関する。
【0003】
【従来の技術】
近年、わが国では所得水準の向上に伴い、エアコンディショナ(本明細書において、エアコンとも記載する)、テレビジョン受信機(本明細書において、テレビとも記載する)、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサなどの情報機器、プリンタ、ファックスなどの事務用機器、その他の各種の家具、文具、玩具などが、一般家庭に高い普及率で備えられるようになっており、家庭生活における利便性は飛躍的に向上しつつある。
【0004】
一方、その結果、これらの家電製品をはじめとする製品の廃棄量も年々増加する傾向にある。ここで、従来は、これらの家電製品をはじめとする製品の廃材の再資源化は、鉄くずの回収ルートを通して行なわれる場合が多かった。
【0005】
しかし、近年では、家電製品をはじめとする各種製品の部材の構成材料が変化し、鉄をはじめとする金属からなる部材が減少してプラスチック組成物からなる部材の割合が増加する傾向にある。プラスチック組成物は、鉄をはじめとする金属よりもデザインの自由度が大きく、構成成分の調製や添加剤の使用などにより金属では実現の難しい種々の特性を付与することができ、軽量であり耐久性が高いことなどの多くの利点を有するためである。
【0006】
そして、近年の家電製品をはじめとする各種製品の廃材は、各種構成部材の材質構成が複雑化しており、鉄や銅をはじめとする有価金属からなる部材の割合が少なく、有価性が低く、かつ従来の処理方法では多大の手間と経費がかかるプラスチック組成物からなる部材の割合が多くなっており、従来の鉄くずの回収ルートではこのような廃材を再資源化しても採算が取れないため、対応が難しい状況になりつつある。
【0007】
そして、これらのプラスチック組成物からなる部材は、原油などの埋蔵化石燃料を基礎原料として合成されるものが多く、資源の有効活用の観点から、これらのプラスチック組成物からなる部材を備えた製品の再資源化の推進が近年強く要求されてきている。
【0008】
また、原油などの埋蔵化石燃料の燃焼による二酸化炭素および硫黄酸化物の放出による地球温暖化、酸性雨といった環境破壊や、塩素化合物を含むプラスチック組成物の焼却処理によるダイオキシンの生成、飛散といった環境汚染、さらには嵩の大きいプラスチック組成物を含む廃材の増大によるゴミ埋立処理場の不足といった問題を抑制するという観点からも、これらのプラスチック組成物からなる部材を備えた製品の廃材の再資源化が重要かつ緊急の課題となってきつつある。
【0009】
なお、本明細書においては、プラスチック組成物からなる部材を、プラスチック部材とも記載する。また、本明細書においては、プラスチック部材を備えた製品を、プラスチック製品とも記載する。さらに、本明細書においては、プラスチック製品の廃材を、プラスチック廃材とも記載する。
【0010】
ここで、上記の状況を受けて、2001年4月に家電リサイクル法が施行された。ここで、家電リサイクル法においては、2002年1月現在においては、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の家電4品目のリサイクルが義務付けられ、また、それぞれの製品の再商品化率については、エアコン60%以上、テレビ55%以上、冷蔵庫50%以上、洗濯機50%以上の法定基準値が定められている。
【0011】
そして、上記の家電リサイクル法の施行を受けて、プラスチック廃材の回収は進みつつあるが、このようにして回収されたプラスチック廃材の再資源化方法としては、プラスチック廃材を燃料として使用するという、いわゆるサーマルリサイクルに関する方法が従来から多く活用されている。しかし、このような方法によれば、プラスチック廃材のサーマルリサイクルによる再資源化は可能であるが、燃焼による炭酸ガスの発生などの問題があるため、社会的要請に充分に沿った方法であるとはいえない。
【0012】
そこで、こうして回収されたプラスチック廃材から、たとえば手解体などの方法により、プラスチック組成物の系統ごとにプラスチック部材を分離して、それらのプラスチック部材を再度、製品の部材またはその原料に加工して使用するプラスチック廃材の再資源化方法が提案されている。このような再資源化方法は、上記のサーマルリサイクルと対比して、マテリアルリサイクルと記載される。
【0013】
そして、上記のようにしてプラスチック組成物の系統ごとに分離されたプラスチック部材の中でも、熱可塑性樹脂組成物からなる部材(本明細書において、熱可塑性樹脂組成物廃材とも記載する)は、加熱溶融して再度成形することにより比較的容易にマテリアルリサイクルすることが可能である。
【0014】
そのため、現在、プラスチック廃材のマテリアルリサイクルの比率を高めるために、熱可塑性樹脂組成物廃材のマテリアルリサイクルによる再資源化方法の研究開発が、各方面で多大な努力を払って行なわれている。
【0015】
しかしながら、熱可塑性樹脂組成物廃材、特に家電製品や事務用機器などに使用されている熱可塑性樹脂組成物廃材は、厳しい環境で長期間使用されることが多いため、廃材となった時点ですでに品質が低下しており、変色または退色などの外観上の品質の低下だけでなく、強度、柔軟性などの物性も低下した耐久性に乏しい材料になっていることが多い。
【0016】
そのため、熱可塑性樹脂組成物廃材は、要求特性の高いプラスチック部材に用いられる熱可塑性樹脂組成物のバージン材料の代替用途ではなく、要求特性の低いプラスチック部材の原料として用いられることが多い。
【0017】
そして、現在のところ、熱可塑性樹脂組成物廃材のマテリアルリサイクルとしては、このようなカスケードリサイクルが主流となっている。そのため、熱可塑性樹脂組成物廃材から再生される熱可塑性樹脂組成物成形体の用途が限られてしまうということが問題となっている。
【0018】
ここで、本明細書において、バージン材料とは、未使用の樹脂組成物のことを意味するものとする。また、本明細書において、品質の低下したプラスチック廃材を、要求特性の高いプラスチック部材に用いられる熱可塑性樹脂組成物のバージン材料の代替用途ではなく、要求特性の低いプラスチック部材の原料として用いることを、カスケードリサイクルと記載するものとする。
【0019】
このような問題を克服するため、上記の熱可塑性樹脂組成物廃材からのマテリアルリサイクルにより得られる熱可塑性樹脂組成物成形体の品質を向上させ、要求特性の高いプラスチック部材としても使用可能な水準に到達させるべく、多くの研究開発努力がなされている。
【0020】
たとえば、熱可塑性樹脂組成物廃材(マテリアルリサイクル材料)にバージン材料を混合することによって品質を保持する方法が、数多く提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0021】
しかしながら、このようなマテリアルリサイクル方法においては、バージン材料の混合に伴い物性は向上するものの、物性が低下した熱可塑性樹脂組成物廃材を混合する限り、バージン材料と同等の物性には回復するのは不可能である。また、バージン材料の物性に近似させるためには、熱可塑性樹脂組成物廃材よりも多量のバージン材料を混合する必要がある場合が多く、資源循環型社会に対応しているとは言い難いものである。また、物性が低下していない熱可塑性樹脂組成物廃材であっても、長期間の使用により寿命は大きく低下しており、再利用した際、長期信頼性に問題がある。
【0022】
一方で、使用済み製品の構成部品と劣化度に基づいてリサイクルの方策を決定し、繰返し再資源化するリサイクルシステムについての技術も開示されている(たとえば、特許文献2参照。)。
【0023】
しかしながら、このリサイクルシステムにおいては、方策を決定する判断基準である劣化度は、バージン材料との比較によって判定可能な物性に基づくものであり、回収された廃材の初期の特性が既知の場合のみに有効となる。しかし、実際に回収される廃材は膨大な数量であり、これらのひとつひとつの初期特性を把握し、さらには廃材の特性とその初期特性を逐一比較するには、膨大な時間と処理能力が必要であり、現実的にはこのようなリサイクルシステムの実現には困難が伴い、またコスト的に不利であるという問題がある。
【0024】
また、廃材となる製品の内部で使用される部品は、外観に使用される部品に比べて、光などの影響を受けにくいため、見かけ上の劣化度が低く、物性値の有意な差として劣化の進み具合が顕われない場合もある。したがって、このようなリサイクルシステムにおいては、廃材の材料組成の識別は可能であっても、劣化度でもって材料の振り分けを行うことは困難であるという問題もある。
【0025】
【特許文献1】
特開2000−159900号公報
【0026】
【特許文献2】
特開平7−24437号公報
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、市場から回収された熱可塑性樹脂組成物廃材から、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、要求特性の高いプラスチック部材またはその原料としても使用可能な品質を有し、かつバージン材と同等の製品としての寿命(本明細書において、単に寿命とも略記する)を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることのできる、効率的かつ低コストの熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の開発が強く望まれているにも関わらず、そのような再資源化方法は未だ公知となっていないのが現状である。
【0028】
上記の現状に基づき、本発明の課題は、熱可塑性樹脂組成物廃材から、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた品質および寿命を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることのできる、効率的な熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を提供することである。
【0029】
また、本発明の別の課題は、熱可塑性樹脂組成物廃材から、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた品質および寿命を有する熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法を提供することである。
【0030】
さらに、本発明の他のもう1つの課題は、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより得られる、多様な用途に応じた品質および寿命を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を提供することである。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するには、熱可塑性樹脂組成物廃材を原料とするペレットの品質を向上させるとともに安定化すればよいとの着想を得、そのような熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を開発すべく、多くの種類の熱可塑性樹脂組成物廃材から得られる原料ペレット状の熱可塑性樹脂組成物成形体を調製し、多くの酸化劣化特性および異物混入量などの組合せを有する熱可塑性樹脂組成物成形体についての実験を行ない、鋭意検討を重ねた。
【0032】
そして、検討の末に、本発明者らは、熱可塑性樹脂組成物廃材を加熱溶融し、該加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材の異物混入量を異物の粒径により制御し、該加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材から熱可塑性樹脂組成物成形体を得て、熱可塑性樹脂組成物廃材から得られる原料ペレット状の熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化劣化特性を評価すればよいことを見出した。
【0033】
また、本発明者らは、熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化劣化特性を評価し、該熱可塑性樹脂組成物廃材を加熱溶融し、該加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材の異物混入量を異物の粒径により制御し、該加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材から熱可塑性樹脂組成物成形体を得てもよいことを見出した。
【0034】
さらに、本発明者らは、さらに検討を重ね、熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化劣化特性を酸化誘導期の測定により評価するとともに、熱可塑性樹脂組成物廃材の異物混入量を異物除去フィルターの目開きの大きさで制御すればよいことを見出し、本発明を完成した。
【0035】
ここで、プラスチック廃材に付着している水のスケールや錆といった異物が、プラスチック廃材を原料とするプラスチック成形体(以下、単に「再生品」と記すことがある)に多量に混入すると、プラスチック成形体の物性の低下を起こす原因になることは、従来公知の経験的事実により示唆されていた。
【0036】
しかし、熱可塑性樹脂組成物廃材において、異物混入量と酸化劣化特性の間に相関がみられることは、従来は知られておらず、本発明において初めて明らかになったものである。また、その異物混入量を異物の粒径により制御することにより、熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化劣化特性を改善して寿命を延長することができることも、本発明において初めて明らかになったものである。
【0037】
すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、熱可塑性樹脂組成物廃材を加熱溶融する工程と、この加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材の異物混入量を異物の粒径により制御する工程と、この加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材を成形して熱可塑性樹脂組成物成形体を得る工程と、この熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化劣化特性を評価する工程と、を備える、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法である。
【0038】
ここで、この熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化劣化特性を評価する工程は、この熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化劣化特性を、この熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化誘導期の測定により評価する工程を含むことが好ましい。
【0039】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化劣化特性を評価する工程と、この熱可塑性樹脂組成物廃材を加熱溶融する工程と、この加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材の異物混入量を異物の粒径により制御する工程と、この加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材を成形して熱可塑性樹脂組成物成形体を得る工程と、を備える、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法であってもよい。
【0040】
ここでも、この酸化劣化特性を評価する工程は、この熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化劣化特性を、この熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化誘導期の測定により評価する工程を含むことが好ましい。
【0041】
そして、上記いずれの熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法においても、この酸化劣化特性を評価する工程は、この熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化劣化特性を、この熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化誘導期の測定により評価する工程を含むことが好ましい。
【0042】
また、この異物混入量を異物の粒径により制御する工程は、この加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材を目開きが0.2mm以下の異物除去用フィルターに通す工程を含むことが望ましい。
【0043】
さらに、この熱可塑性樹脂組成物廃材は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物廃材であることが推奨される。そして、この熱可塑性樹脂組成物廃材は、洗濯機から回収された熱可塑性樹脂組成物廃材であってもよい。
【0044】
また、本発明は、上記の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法により熱可塑性樹脂組成物成形体を得る、熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法を含む。ここで、この熱可塑性樹脂組成物成形体は、ペレット状の形状を有する熱可塑性樹脂組成物成形体であってもよい。
【0045】
そして、本発明は、上記の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法により得られる、熱可塑性樹脂組成物成形体を含む。ここで、この熱可塑性樹脂組成物成形体は、ペレット状の形状を有する熱可塑性樹脂組成物成形体であってもよい。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示して本発明をより詳細に説明する。
【0047】
<熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の概要>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、熱可塑性樹脂組成物廃材を加熱溶融する工程と、前記加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材の異物混入量を異物の粒径により制御する工程と、前記加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材を成形して熱可塑性樹脂組成物成形体を得る工程と、前記熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化劣化特性を評価する工程と、を備える、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法である。
【0048】
あるいは、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化劣化特性を評価する工程と、前記熱可塑性樹脂組成物廃材を加熱溶融する工程と、前記加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材の異物混入量を異物の粒径により制御する工程と、前記加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材を成形して熱可塑性樹脂組成物成形体を得る工程と、を備える、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法であってもよい。
【0049】
ここで、プラスチック廃材に付着している水のスケールや錆といった異物が、プラスチック廃材を原料とするプラスチック成形体(以下、単に「再生品」と記すことがある)に多量に混入すると、プラスチック成形体の物性の低下を起こす原因になることは、従来公知の経験的事実により示唆されていた。
【0050】
しかし、熱可塑性樹脂組成物廃材において、異物混入量と酸化劣化特性の間に相関がみられることは、従来は知られておらず、本発明において初めて明らかになったものである。また、その異物混入量を異物の大きさにより制御することにより、熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化劣化特性を改善して寿命を延長することができることも、本発明において初めて明らかになったものである。
【0051】
また、従来より、バージン材料を用いてプラスチック成形体を製造する際、物性測定を行ない、プラスチック成形体に要求される特性に応じ、酸化防止剤を添加するなどの必要な安定化処理を施すことは通常であった。
【0052】
しかし、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、熱可塑性樹脂組成物廃材の物性測定以外に、酸化劣化特性および異物混入量の測定を行ない、異物の粒径による異物混入量の制御を施して、必要な場合には酸化防止剤の添加を行なうことにより寿命の延長をはじめとする、品質の向上および安定化を図っている点で、従来公知の技術とは異なる。
【0053】
<熱可塑性樹脂組成物廃材>
本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物廃材は、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を用いて、バージン材と同等の物性および寿命を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることができるものであれば、任意の従来公知の熱可塑性樹脂組成物廃材を用いることができ、たとえば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂などを主成分とする熱可塑性樹脂組成物廃材を好適に用いることができる。
【0054】
また、これらの熱可塑性樹脂組成物廃材の中でも、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物廃材は、下記の表1に示されるように、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を用いて再資源化された熱可塑性樹脂組成物成形体が、加工性、経済性などの点で、他の分類の熱可塑性樹脂組成物廃材から再資源化された熱可塑性樹脂組成物成形体よりも優れているので、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法において、好適にマテリアルリサイクルによる再資源化の原料として用いることができる。
【0055】
また、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物廃材には、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法において、酸化防止剤などの各種添加剤の添加により特性の改善を行ないやすいため、寿命の安定した熱可塑性樹脂組成物成形体が再現性よく得られるという利点もある。
【0056】
【表1】
【0057】
ここで、表1における主要な樹脂組成物の特性は、下記の基準に従って評価されたものである。
○:優れている。
△:どちらともいえない。
×:劣る。
【0058】
<熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化劣化特性>
まず、図1に熱可塑性樹脂組成物成形体の一般的な特性低下の傾向を表わす概念図を示す。図1に示すように、熱可塑性樹脂組成物成形体は、一般的にその熱可塑性樹脂に固有の劣化誘導期間を経た後、急激にその特性が低下する傾向を有する。劣化誘導期間は熱可塑性樹脂組成物成形体の寿命に相当し、該熱可塑性樹脂組成物成形体の寿命は概ね酸化劣化特性で決定される。
【0059】
図1から理解できるように、市場から回収された熱可塑性樹脂組成物廃材は、たとえば引張強度の測定などの物性試験によっては特性の低下が確認できない場合においても、長期間の使用によってその余寿命が短くなっており、酸化劣化特性が低下していることが多い。
【0060】
すなわち、市場から回収された熱可塑性樹脂組成物廃材は、熱や光などにより余寿命が製造時に比べて短くなっているものがある。これらの熱可塑性樹脂組成物廃材はそのまま低品位の熱可塑性樹脂組成物成形体からなる部品へ再利用することも可能であるが、より多くの用途展開を行なうためには、再生品樹脂原料の品質を向上させ、かつ安定化することによって、中品位、または高品位の熱可塑性樹脂組成物成形体からなる部品への応用を可能とすることがリサイクル効率を向上させる上では好ましい。
【0061】
たとえば、熱可塑性樹脂組成物廃材が図1のAで示される時点で市場から回収された場合、この熱可塑性樹脂組成物廃材をリサイクル材料として再資源化すると、余寿命はB期間に示す長さとなり、耐久性あるいは高機能を必要する熱可塑性樹脂組成物成形体として使用することは不可能である。
【0062】
なお、熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化劣化特性の評価は、一般的には150℃前後のギヤー式オーブンで熱酸化劣化試験を実施し、成形品の特性の低下、たとえばクラックが発生するまでの時間を測定することなどにより行なっている。しかし、この試験方法では、評価結果を得るまでに数百時間が必要であり、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法に適用した場合、その再資源化方法の生産性が低くならざるを得ないという問題点がある。
【0063】
さらに、図1に示すように、回収時における熱可塑性樹脂組成物廃材の特性(たとえば引張強度などの物性)の低下は非常に小さいものであり、余寿命の低下を特定の物性の測定により評価することは困難である。
【0064】
ここで、本発明者らは、本発明を完成する課程において、後述するように、該熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化誘導期の値と、熱酸化劣化試験における寿命の値とが一定の関係を有することを見出した。すなわち、該熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化誘導期を測定することにより、該熱可塑性樹脂組成物廃材の寿命を評価することができることを見出した。
【0065】
そこで、本発明においては、熱酸化劣化試験を行なう代わりに、該熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化誘導期を測定することにより、市場から回収された熱可塑性樹脂組成物廃材の寿命を簡易的かつ迅速に評価することとした。
【0066】
ここで、家電製品や事務用機器などの使用済み製品は、厳しい環境で長期間使用されることが多いため、熱可塑性樹脂組成物廃材には水のスケールや錆などの異物が付着している。これらの異物が再生品樹脂ペレットに混入すると、本発明において初めて明らかになったように、再生成形体の酸化劣化特性は異物が起点となって大きく低下する。
【0067】
表2は使用済み洗濯機の水槽に付着する異物をX線マイクロアナライザおよびフーリエ変換赤外分光分析計で分析したものである。
【0068】
【表2】
【0069】
表2に示すように、使用済み洗濯機の水槽には、洗剤、セッケンカス、タンパク質などの汚れ成分、水のスケール、錆、ゴム系接着剤などが付着している。
【0070】
ここで、本発明者らは、本発明を完成する課程において、後述するように、該熱可塑性樹脂組成物廃材の異物混入量が、物性および酸化劣化特性におよぼす影響を検討した。その結果、該熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化誘導期の値がほぼ一定の場合には、該熱可塑性樹脂組成物廃材の異物混入量と、熱酸化劣化試験における余寿命の値とが一定の関係を有することを見出した。すなわち、該熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化誘導期の値がほぼ一定の場合には、該熱可塑性樹脂組成物廃材の異物混入量を制御することにより、該熱可塑性樹脂組成物廃材の余寿命を制御することができることを見出した。
【0071】
すなわち、本発明においては、特定の目開きの大きさを有する異物除去フィルタを用いて、該熱可塑性樹脂組成物廃材の異物混入量を異物の大きさにより制御することにより、市場から回収された熱可塑性樹脂組成物廃材の余寿命を簡易かつ正確に制御することができる。
【0072】
すなわち、本発明においては、異物の除去方法、さらには熱可塑性樹脂組成物廃材から得られる原料ペレット状の熱可塑性樹脂組成物成形体の品質を管理するロット管理方法を見出し、熱可塑性樹脂組成物成形体の品質の向上および安定性を得ることとした。
【0073】
そして、本発明においては、必要であれば、酸化誘導期の測定結果に基づいて該熱可塑性樹脂組成物廃材に添加すべき酸化防止剤の量を決定し、その所定の量の酸化防止剤を添加した該熱可塑性樹脂組成物廃材を加熱溶融して成形することに加えて、特定の目開きの大きさを有する異物除去フィルタを用いて、該熱可塑性樹脂組成物廃材の異物混入量を異物の大きさにより制御することにより、バージン材を主要な原料とする熱可塑性樹脂組成物成形体と同等の余寿命を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得てもよい。
【0074】
この場合には、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法には、熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化劣化特性を評価する工程と、この評価結果に基づいてこの熱可塑性樹脂組成物廃材に添加する酸化防止剤の添加量を決定する工程と、この熱可塑性樹脂組成物廃材にこの決定された添加量のこの酸化防止剤を添加して加熱溶融する工程と、この加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材の異物混入量を異物の大きさにより制御する工程と、この加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材を成形して熱可塑性樹脂組成物成形体を得る工程とが備わっていることが好ましい。
【0075】
<工程の流れ>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の工程の流れの一例を、図2に示す工程図を用いて説明する。なお、図2は、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の工程の流れの一例を示す工程図である。
【0076】
ここで、従来の一般的な熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法においては、回収された熱可塑性樹脂組成物廃材を破砕、洗浄、乾燥した後、押出成形機による溶融押出成形でペレット状に成形し、再生原料として使用する場合が多い。
【0077】
この際、一般にバージン材料では物性測定のみを行った上でペレット状に成形するが、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法では、物性のほか、酸化劣化特性の評価および異物混入量の測定を行ない、品質の向上さらには安定化を図っている。なお、酸化劣化特性の評価は、酸化誘導期の測定で行なう。
【0078】
詳しくは、上記の酸化誘導期の測定は、熱可塑性樹脂組成物廃材の試験試料を窒素雰囲気中に設置して、次いで、該窒素雰囲気温度を一定の速度で所定の保持温度まで昇温させた後、該窒素雰囲気を酸素雰囲気に置換した上で、該保持温度で等温保持して、該熱可塑性樹脂組成物廃材の発熱ピークが現れるまでの酸化誘導期を測定することにより行なうことが好ましい。
【0079】
図2に示す工程の流れにおいては、まず、市場から熱可塑性樹脂組成物廃材を備えた製品が回収され(ステップ101)、次いで、その熱可塑性樹脂組成物廃材を備えた製品が手解体などにより解体され(ステップ102)、熱可塑性樹脂組成物廃材が分離される。そして、分離された熱可塑性樹脂組成物廃材は、細断、破砕されて粉状体となり(ステップ103)、洗浄されて汚れや不純物を概略取除かれ(ステップ104)、脱水、乾燥される(ステップ105)。そして、洗浄された熱可塑性樹脂組成物廃材の粉状体は、所定量の添加剤(酸化防止剤など)を加えて均一混合された後(ステップ106)、加熱溶融、混練され、押出成形により(ステップ107)、一定の形状のペレットに加工される(ステップ108)。
【0080】
こうして、一旦、一定の形状に成形された熱可塑性樹脂組成物廃材は、酸化劣化特性および異物混入量を評価する工程(本明細書において、ロット管理工程とも記載する)において、酸化劣化特性および異物混入量を評価され(ステップ109)、一定の形状の熱可塑性樹脂組成物成形体に成形される(ステップ110)。なお、上記のロット管理工程においては、酸化劣化特性および異物混入量以外にも、一般的な物性の評価を行なってもよい。以上が、図2に示す本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の工程の流れの一例である。
【0081】
なお、図2は、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の工程の流れの一例を示す図ではあるが、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法をこの工程の流れに限定するものではない。
【0082】
すなわち、図2に示す工程の流れでは、熱可塑性樹脂組成物廃材の物性、酸化劣化特性および異物混入量の評価は、熱可塑性樹脂組成物廃材を一旦加熱溶融して一定の形状に押出成形してから実施しているが、熱可塑性樹脂組成物廃材の物性、酸化劣化特性および異物混入量の評価のタイミングは特に限定されず、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の工程の流れの中において、異なるタイミングで実施してもよい。
【0083】
たとえば、回収した熱可塑性樹脂組成物廃材を一旦加熱溶融して一定の形状に押出成形することをせずに、回収した熱可塑性樹脂組成物廃材を、解体、細断、破砕、洗浄した後、直ぐに物性、酸化劣化特性および異物混入量を評価してもよい。
【0084】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、図2に示す全ての工程を備える必要はなく、一部の工程が省略されていてもよく、また、図2に示す工程以外の工程が付加されていても構わない。
【0085】
<熱可塑性樹脂組成物廃材の異物除去>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法においては、異物を除去する工程(異物混入量を異物の大きさにより制御する工程)は、加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材を目開きが0.2mm以下の異物除去用フィルタに通す工程を含むことが好ましい。
【0086】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法においては、熱可塑性樹脂組成物廃材の異物混入量の除去を、主に、熱可塑性樹脂組成物廃材を水洗する工程および、熱可塑性樹脂組成物廃材を加熱溶融させた上で押出成形する工程において行なうことが好ましい。すなわち、この水洗する工程で水溶性の異物が取除かれた後、この押出成形する工程で押出機に配設された異物除去用のメッシュフィルタで付着異物がさらに除去されることが望ましい。
【0087】
ここで、この異物混入量の測定は、熱可塑性樹脂組成物廃材を加熱溶融させた上で押出成形して得られる、熱可塑性樹脂組成物を材質とする原料ペレット状の熱可塑性樹脂組成物成形体を加熱溶融してプレスシートを作成し、塵埃計測図表などを参考に、目視観察することにより、混入する異物を大きさ毎に分類することにより行なうことが好ましい。
【0088】
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法においては、異物除去用フィルタなどを用いた異物の大きさによる異物混入量の制御の結果、得られる熱可塑性樹脂組成物成形体に含まれる異物混入量は、大きさ(表面積)0.3mm2以上の異物がないことが好ましく、さらに大きさ(表面積)0.2〜0.3mm2の異物が10個/1シート(220mm×220mm×1mm)以下であることが好ましい。この異物混入量がこの範囲より大きい場合は、異物のノッチ効果による物性低下や、異物による局所劣化が引きおこす寿命低下という傾向がある。
【0089】
この際、この押出成形機には、加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材を通す異物除去用フィルタが備えられていることが好ましい。しかし、この異物除去用フィルタが備えられる箇所は、押出成形機に限られず、加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材を通して異物混入量を異物の大きさにより制御することのできる箇所であれば、どのような箇所に備えられてもよい。
【0090】
そして、この異物除去フィルタの目開きは、0.1mm以上であることが好ましい。また、この異物除去フィルタの目開きは、0.2mm以下であることが好ましい。この目開きがこれより小さい場合には、微細な異物による目詰まりが頻繁に生じ、生産性が低下するという傾向があり、この目開きがこれより大きい場合には、熱可塑性樹脂組成物成形体の局所劣化の箇所が大きく増加するという傾向がある。
【0091】
ここで、本発明における押出成形機は、異物を除去するためのメッシュフィルタを設置することができ、さらに加熱溶融、押出成形ができる装置であれば、特に限定されず、任意の従来公知の装置を好適に用いることができる。なお、生産性および熱可塑性樹脂組成物廃材から再資源化して得られる熱可塑性樹脂組成物成形体の品質の面からは、単軸押出成形機、二軸押出成形機あるいは多軸式押出成形機のいずれかの押出成形機を用いて行なうことが特に好ましい。
【0092】
また、本発明における押出成形する工程においては、汎用性を考えると、加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材から一定の形状を有する熱可塑性樹脂原料を成形するのが好ましいが、加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材から直接、一定の形状を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を成形しても構わない。
【0093】
さらに、本発明における成形する工程においては、得られる熱可塑性樹脂原料の形状は、樹脂組成物原料の一般的な形状であるペレット状であることが好ましいが、特にペレット状に限られず、たとえばシート状、フィルム状、パイプ状などの形態であってもよく、押出成形機の種類などから適宜決定すればよい。
【0094】
そして、本発明における押出成形工程において、加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材がペレット状の熱可塑性樹脂原料に成形される場合には、ペレット状の熱可塑性樹脂原料を製造するには、上記の押出成形機に加えて、シートカット、ストランドカット、ホットエアカット、アンダーウォーターカットなどのいずれの切断機を用いてもよい。なお、後工程にさらに押出成形工程を設ける場合には、熱可塑性樹脂原料の供給が円滑におこなえ、大量処理にも対応できるアンダーウォーターカットが特に好ましい。
【0095】
<酸化劣化特性の評価>
本発明の前記酸化劣化特性を評価する工程は、この熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化劣化特性を、この熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化誘導期の測定により評価する工程を含むことが好ましい。
【0096】
ここで、熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化劣化特性は、一般的には150℃前後のギヤー式オーブンで熱酸化劣化試験を実施し、成形品の特性の低下、たとえばクラックが発生するまでの時間を測定することなどによりおこなわれている。ここで、本明細書においては、このクラック発生までの時間を「クラック発生時間」とも記載する。なお、本発明の属する技術分野においては、上記の熱酸化劣化試験は、これらの熱可塑性樹脂の寿命を調べるための加速試験の1つであるとされており、この「クラック発生時間」はその寿命に対応する値を示すものであることは技術常識である。
【0097】
しかし、熱酸化劣化試験では、評価結果を得るまでに数百時間が必要であり、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法に適用した場合、その再資源化方法の生産性が低くならざるを得ないという問題点がある。
【0098】
ここで、本発明における熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化誘導期の測定は、特に限定されず、正確に酸化誘導期を測定することのできる方法であれば任意の測定方法により測定することができるが、簡便かつ正確な測定方法であることから、特に熱可塑性樹脂組成物廃材を窒素雰囲気中に設置し、次いで窒素雰囲気温度を一定の速度で所定の保持温度まで昇温させた後、窒素雰囲気を酸素雰囲気に置換して保持温度で等温保持して、熱可塑性樹脂組成物廃材の発熱ピークが現れるまでの酸化誘導期を測定することにより行なうことが好ましい。本明細書においては、このような酸化誘導期の測定方法を、OIT(Oxygen Induced Time)法と記載することとする。
【0099】
ここで、本発明における熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法においては、熱可塑性樹脂組成物廃材から得られた熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化劣化特性が十分である場合には、熱可塑性樹脂組成物成形体中の酸化防止剤量が十分であるため、酸化防止効果が大きく、酸素雰囲気中での所定の保持温度では酸化しにくくなり、発熱ピークが現れるまでの時間、すなわち酸化誘導期は長くなる傾向がある。
【0100】
そして、本発明における熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法においては、熱可塑性樹脂組成物廃材から得られた熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化劣化特性が十分でない場合には、熱可塑性樹脂組成物成形体中の酸化防止剤が少ないため、酸化防止効果が小さく、酸素雰囲気中での所定の保持温度で容易に酸化してしまい、発熱ピークが現れるまでの時間、すなわち酸化誘導期は短くなる傾向がある。
【0101】
したがって、熱可塑性樹脂組成物廃材から得られた熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化劣化特性が十分の場合には酸化誘導期も長くなり、熱可塑性樹脂組成物廃材から得られた熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化劣化特性が不十分の場合には酸化誘導期も短くなる傾向があるといえる。
【0102】
ここで、本発明に酸化誘導期の測定工程を設けた場合には、熱可塑性樹脂組成物廃材の余寿命がまだ十分に残っている場合には、該熱可塑性樹脂組成物廃材中の酸化防止剤の残存量がまだ十分に多いので、酸化防止効果が大きいために酸素雰囲気中で酸化誘導期は長くなる傾向がある。
【0103】
また、本発明に酸化誘導期の測定工程を設けた場合には、熱可塑性樹脂組成物廃材の余寿命があまり残っていない場合には、該熱可塑性樹脂組成物廃材中の酸化防止剤の残存量が少なくなっているので、酸化防止効果が小さいために酸素雰囲気中での所定の保持温度で容易に酸化してしまい、発熱ピークが現れるまでの時間、すなわち酸化誘導期は短くなる傾向がある。
【0104】
したがって、この場合において、熱可塑性樹脂組成物廃材の余寿命が長い場合には酸化誘導期も長くなり、熱可塑性樹脂組成物廃材の余寿命が短い場合には酸化誘導期も短くなる傾向があるといえる。
【0105】
また、同様に、この場合において、熱可塑性樹脂組成物廃材中の酸化防止剤の残存量が多い場合には酸化誘導期も長くなり、熱可塑性樹脂組成物廃材中の酸化防止剤の残存量が少ない場合には酸化誘導期も短くなる傾向があるといえる。
【0106】
ここで、本発明においては、熱可塑性樹脂組成物廃材から得られた熱可塑性成形体の酸化誘導期が所定の値を維持するように、図2の均一に混合する工程で、熱可塑性樹脂組成物廃材に添加剤(酸化防止剤など)を適量添加し、該熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化劣化特性を改善し、バージン材料と同等の寿命を確保することが好ましい。
【0107】
また、後述の実施例において図3を用いて示すように、熱可塑性樹脂組成物成形体の寿命と、酸化誘導期との間には一定の関係が成立し、熱可塑性樹脂組成物成形体中の酸化防止剤の残存量と、酸化誘導期との間にも一定の関係が成立する。
【0108】
そのため、熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化誘導期を測定することにより、熱可塑性樹脂組成物成形体の寿命と、熱可塑性樹脂組成物成形体中の酸化防止剤の残存量とを、高い信頼度でもって知ることができるといえる。
【0109】
なお、本発明において、測定される酸化誘導期は、回収された熱可塑性樹脂組成物廃材を一旦加熱溶融して一定の形状に押出成形したものを測定の対象として用いてもよいが、正確な酸化誘導期を測定するためには、プラスチック製品の部材として使用可能な形状を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を測定の対象として用いてもよい。
【0110】
ここで、本発明における酸化誘導期の測定において、所定の保持温度は、熱可塑性樹脂組成物廃材の分類に応じて決定されることが望ましい。
【0111】
そして、この熱可塑性樹脂組成物廃材の分類は、熱可塑性樹脂組成物廃材に含まれる主要な熱可塑性樹脂の系統に基づいて分類されることが好ましい。主要な熱可塑性樹脂の系統に基づいて、熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化誘導期を含む種々の特性が変化するためである。
【0112】
また、この所定の保持温度が高過ぎると、酸化誘導期が短くなり過ぎて有意差が出にくくなる傾向があり、この所定の保持温度が低過ぎると、酸化誘導期が長くなり過ぎて測定に時間がかかり過ぎるようになる。したがって、熱可塑性樹脂組成物廃材の分類に応じて、酸化誘導期が1〜30分の範囲になるようにこの所定の保持温度を定めることが好ましい。
【0113】
そのために、熱可塑性樹脂組成物廃材の分類に応じて、この所定の保持温度を定めたデータベースをあらかじめ作成しておき、このデータベースに記録された情報を参照してこの所定の保持温度を決定することが好ましい。
【0114】
すなわち、本発明の測定工程において、所定の保持温度は、データベースに記録された情報に基づいて、熱可塑性樹脂組成物廃材の分類に応じて決定されることが望ましい。
【0115】
なお、この所定の保持温度は、酸化誘導期の測定を行なう際に、測定者がこのデータベースに記録された情報を参照しながら手動で調整してもよいが、生産性の観点からは、電子計算機の記憶装置内にこのデータベースを記録しておき、一定の手段により上記の熱可塑性樹脂組成物廃材の分類が電子計算機に入力されることにより、電子計算機内のプログラムがこのデータベースに記録された情報を参照して、自動的にこの所定の保持温度を調整することが好ましい。
【0116】
<酸化防止剤>
本発明において、必要な場合に用いる酸化防止剤としては、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法において、熱可塑性樹脂組成物廃材に添加することにより、バージン材と同等の寿命を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることができるものであれば、任意の従来公知の酸化防止剤を用いることができ、たとえば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などを好適に用いることができる。
【0117】
また、これらの酸化防止剤の中でも、フェノール系酸化防止剤は、自動酸化劣化反応の連鎖担体ラジカル(RO・,RO2・)を補足するのに有効であることから特に好ましい。さらに、フェノール系酸化防止剤の中でも、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法をさらに効果的にする観点からは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤がとりわけ好ましい。
【0118】
<酸化防止剤の添加量の決定>
そして、本発明においては、必要であれば、その酸化誘導期の測定結果に基づいて該熱可塑性樹脂組成物廃材に添加すべき酸化防止剤の量を決定し、その所定の量の酸化防止剤を添加した該熱可塑性樹脂組成物廃材を加熱溶融して成形することにより、バージン材を主要な原料とする熱可塑性樹脂組成物成形体と同等の余寿命を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることも可能である。
【0119】
この場合には、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、さらに熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化劣化特性の評価結果に基づいてこの熱可塑性樹脂組成物廃材に添加する酸化防止剤の添加量を決定する工程と、この熱可塑性樹脂組成物廃材にこの決定された添加量のこの酸化防止剤を添加して加熱溶融する工程と、を備えていることが好ましい。
【0120】
なお、特開2000−65771号公報には、ポリプロピレン樹脂成形品の酸化誘導期を測定することにより、そのポリプロピレン樹脂成形品の劣化度を測定する方法が開示されている。
【0121】
しかし、この公報には、該熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化誘導期の値と熱酸化劣化試験における余寿命の値とが一定の関係を有するとの記載はない。また、この公報には、老化槽により劣化させた時間の値と酸化誘導期の値とが一定の関係を有するとの記載はあるが、熱酸化劣化試験における余寿命の値と老化層により劣化させた時間の値と酸化誘導期の値とが一定の関係を有するとの記載はない。
【0122】
よって、この公報の記載からは、該熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化誘導期の値と、熱酸化劣化試験における余寿命の値とが一定の関係を有することが直接導かれるわけではない。
【0123】
また、この公報においては、ポリプロピレン樹脂成形品の劣化度を測定する方法についての記載があるのみで、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法については何らの記載もない。
【0124】
本発明において、必要に応じて設けられる決定工程においては、酸化防止剤の添加量は、上記の測定工程による酸化誘導期の測定結果に基づいて、熱可塑性樹脂組成物廃材に添加する酸化防止剤の添加量を決定することのできる方法であれば、任意の方法により決定することができる。なお、これらの方法の中でも、簡便で正確な方法であることから、特にデータベースに記録された情報に基づいて、熱可塑性樹脂組成物廃材の分類および用途に応じて必要とされる酸化防止剤の必要量を求め、さらにデータベースに記録された情報に基づいて、上記の測定工程において求められた測定値から、熱可塑性樹脂組成物廃材酸化誘導期の残存する酸化防止剤の残存量を求め、この必要量とこの残存量の差を求めることにより決定することが好ましい。
【0125】
この場合、この熱可塑性樹脂組成物廃材の分類は、熱可塑性樹脂組成物廃材に含まれる主要な熱可塑性樹脂の系統に基づいて分類されることが好ましい。主要な熱可塑性樹脂の系統に基づいて、用途に応じて含まれるべき酸化防止剤の含有量などが変化するためである。
【0126】
また、この場合、この熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化防止剤の必要量は、熱可塑性樹脂組成物廃材の分類および再資源化することにより得られる熱可塑性樹脂組成物成形体の用途により要求される余寿命に応じて必要とされる、酸化防止剤の含有量であることが好ましい。すなわち、この要求される余寿命の値を、上記の熱可塑性樹脂組成物廃材中の酸化防止剤の含有量とこの余寿命との間に成立する一定の関係にあてはめて求められる含有量であることが好ましい。
【0127】
さらに、この場合、この熱可塑性樹脂組成物廃材の残存する酸化防止剤の残存量は、測定工程において求められた酸化誘導期の測定値を、上記の熱可塑性樹脂組成物廃材中の酸化防止剤の残存量と酸化誘導期との間に成立する一定の関係にあてはめて求められることが好ましい。
【0128】
そして、上記の必要量と残存量との差を求め、その差に対応した量の酸化防止剤を、添加工程において熱可塑性樹脂組成物廃材に添加して加熱溶融し、さらに加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材を成形することにより、必要とされる酸化防止剤の含有量を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることができる。
【0129】
また、具体例を挙げると、熱可塑性樹脂組成物廃材が、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物廃材であり、酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤であり、かつ上記の決定工程において、上記の測定工程において測定された酸化誘導期の測定値をa(分)、熱可塑性樹脂組成物廃材における酸化防止剤の残存量をb(%(w/w))、酸化防止剤の必要量をc(%(w/w))とした場合には、関係式:b=0.055loga−0.017の式に基づいてbを求め、(c−b−0.05)以上の範囲で前記酸化防止剤の添加量を決定することが好ましい。
【0130】
さらに、上記の必要量cは、前記熱可塑性樹脂組成物廃材の余寿命をd(時間)、前記再資源化して得られる熱可塑性樹脂組成物成形体に要求される余寿命をe(時間)とした場合に、関係式:c=0.066log(e/d)の式に基づいて決定されることが好ましい。
【0131】
これらの関係式に基づいて決定された量の酸化防止剤を熱可塑性樹脂組成物廃材に添加することにより、用途に応じて必要とされる余寿命を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることができる。
【0132】
また、熱可塑性樹脂組成物廃材および酸化防止剤の分類が異なる場合についても、あらかじめ上記のような関係式を求めておくことが好ましい。さらに、それらの関係式を記録したデータベースを作成しておくことが好ましい。
【0133】
そして、このようなデータベースに記録された情報を参照して、熱可塑性樹脂組成物廃材の分類および用途に応じて必要とされる酸化防止剤の含有量(必要量)と、熱可塑性樹脂組成物廃材酸化誘導期の残存する酸化防止剤の含有量(残存量)とを決定することが好ましい。
【0134】
すなわち、本発明にいて必要に応じて設けられる決定工程においては、酸化防止剤の添加量は、データベースに記録された情報に基づいて、熱可塑性樹脂組成物廃材の分類および再資源化して得られる熱可塑性樹脂組成物成形体の用途に応じて必要とされる酸化防止剤の必要量を求め、さらにデータベースに記録された情報に基づいて、測定工程において求められた測定値から、熱可塑性樹脂組成物廃材酸化誘導期の残存する酸化防止剤の残存量を求め、該必要量と該残存量の差を求めることにより決定することが好ましい。
【0135】
なお、この酸化防止剤の添加量は、酸化防止剤の添加を行なう前に、作業者がこのデータベースに記録された情報を参照しながら自ら計算して決定してもよいが、生産性の観点からは、電子計算機の記憶装置内にこのデータベースを記録しておき、一定の手段により上記の熱可塑性樹脂組成物廃材の分類、再資源化して得られる熱可塑性樹脂組成物成形体の用途および上記の測定工程における酸化誘導期の測定値が電子計算機に入力されることにより、電子計算機内のプログラムがこのデータベースに記録された情報を参照して、自動的にこの酸化防止剤の添加量を決定することが好ましい。
【0136】
<酸化防止剤の添加>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、必要な場合には、熱可塑性樹脂組成物廃材に、必要に応じて設けられる上記の決定工程において決定された添加量の酸化防止剤を添加して加熱溶融する工程を備えていてもよい。
【0137】
ここで、本発明に必要に応じて設けられる添加工程においては、この酸化防止剤の添加は、作業者が決定された添加量の酸化防止剤を手動で計量して手動で添加してもよいが、生産性の面からは、この酸化防止剤の添加量の決定を行なうことのできる電子計算機に接続された自動計量装置により計量して、さらに自動添加装置により添加することが好ましい。
【0138】
また、本発明に必要に応じて設けられる添加工程においては、熱可塑性樹脂組成物廃材と、酸化防止剤とに加えて、さらに未使用の熱可塑性樹脂組成物(本明細書において、バージン材とも記載する)を添加して加熱溶融してもよい。
【0139】
このように、本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物廃材にさらに未使用の熱可塑性樹脂組成物を添加することにより、該熱可塑性樹脂組成物廃材から再資源化して得られる熱可塑性樹脂組成物成形体の品質をさらに向上させることができるからである。
【0140】
ここで、この未使用の熱可塑性樹脂組成物は、この熱可塑性樹脂組成物廃材の主要成分である熱可塑性樹脂組成物と同系統の熱可塑性樹脂組成物であることが好ましい。
【0141】
つまり、具体例を挙げると、この熱可塑性樹脂組成物廃材の主要成分がポリオレフィン系樹脂組成物である場合に、未使用の熱可塑性樹脂組成物としては、ポリオレフィン系樹脂組成物を加えることが望ましい。
【0142】
なお、この際、添加される未使用の熱可塑性樹脂組成物は、この熱可塑性樹脂組成物廃材から再資源化して得られる熱可塑性樹脂組成物成形体の用途や要求される特性に合わせて、適当な種類のものを選択することが好ましい。
【0143】
また、添加される未使用の熱可塑性樹脂組成物の配合量は、多ければ多いほどこの熱可塑性樹脂組成物廃材から再資源化して得られる熱可塑性樹脂組成物成形体の品質の面からは好ましいが、あまり多過ぎると製造コストの面およびリサイクル率の面からは好ましくない。
【0144】
それゆえ、添加される未使用の熱可塑性樹脂組成物の配合量は、適宜、再資源化する成形体の要求特性に応じて熱可塑性樹脂組成物廃材と未使用の熱可塑性樹脂組成物を調整することが望ましい。
【0145】
また、本発明における添加工程においては、熱可塑性樹脂組成物廃材に、上記の成分に加えて、さらに熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラー、銅害防止剤、抗菌剤、着色剤などの従来公知の添加剤を、該熱可塑性樹脂組成物廃材から再資源化により得られる熱可塑性樹脂組成物成形体の特性を妨げない範囲で、必要に応じて添加してもよい。これらの添加剤を添加するタイミングとしては、後述する押出成形機への原料投入時がよい。
【0146】
また、本発明における添加工程においては、加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材は、他の成分を添加された後、その組成が均一になるように撹拌混合されることが好ましい。
【0147】
<熱可塑性樹脂組成物成形体の成形>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、上記の必要に応じて設けられる添加工程において加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材を成形して熱可塑性樹脂組成物成形体を得る工程を備えることが好ましい。
【0148】
ここで、本明細書において、熱可塑性樹脂組成物成形体と記載する際には、通常の製品またはその部品としての熱可塑性樹脂組成物成形体だけでなく、一定の形状に成形された熱可塑性樹脂組成物原料をも含むものとする。
【0149】
そして、本発明における添加工程における加熱溶融、および本発明における成形工程における押出成形は、加熱溶融および押出成形ができる装置であれば、特に限定されず、任意の従来公知の装置を用いて行なうことができるが、生産性および熱可塑性樹脂組成物廃材から再資源化して得られる熱可塑性樹脂組成物成形体の品質の面からは、単軸押出成形機、二軸押出成形機あるいは多軸式押出成形機のいずれかの押出成形機を用いて行なうことが特に好ましい。
【0150】
また、本発明における成形工程においては、汎用性を考えると、加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材から一定の形状を熱可塑性樹脂組成物原料を成形するのが好ましいが、加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材から直接、一定の形状を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を作製しても構わない。
【0151】
さらに、本発明における成形工程においては、得られる熱可塑性樹脂組成物原料の形状は、樹脂組成物原料の一般的な形状であるペレット状であることが好ましいが、特にペレット状に限られず、たとえばシート状、フィルム状、パイプ状などの形態であってもよく、押出成形機の種類などから適宜決定すればよい。
【0152】
そして、本発明における成形工程において、加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材がペレット状の熱可塑性樹脂組成物原料に成形される場合には、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物原料を製造するには、上記の押出成形機に加えて、シートカット、ストランドカット、ホットエアカット、アンダーウォーターカットなどのいずれの切断機を用いてもよいが、後工程にさらに押出成形工程を設ける場合には、熱可塑性樹脂組成物原料の供給が円滑におこなえ、大量処理にも対応できるアンダーウォーターカットが特に好ましい。
【0153】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0154】
<実施例1>
市場から回収した使用済みの洗濯機を解体して、代表的な結晶性熱可塑性樹脂であるポリプロピレン−ポリエチレンブロック共重合体樹脂を含む樹脂組成物の成形品である水槽を取り出し、微破砕した。次いで、微破砕された熱可塑性樹脂組成物廃材の粉体を洗浄して汚れを除去し、脱水、乾燥した後、酸化防止剤などをはじめとする所定量の添加剤を加え均一に混合した。
【0155】
なお、上記の酸化防止剤の添加量は、熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化誘導期を測定し、その測定値から熱可塑性樹脂組成物成形体に要求される余寿命を実現するために必要となる酸化防止剤の添加量を計算して求めた。
【0156】
そして、均一に混合した熱可塑性樹脂組成物廃材の粉体を、スクリュー系45mmの二軸溶融混練押出機を用いて、190℃の温度で加熱溶融、混練、押出成形して、アンダーウォーターカット装置で切断し、再生品樹脂組成物原料ペレットを作製した。
【0157】
その後、この再生品樹脂組成物原料ペレットを、10トン射出成形機のホッパーに投入し、加熱溶融温度230℃、金型温度40℃の射出成形条件で、熱可塑性樹脂組成物成形体からなるASTM準拠の物性測定用試験片を作製し、物性および酸化劣化特性(酸化誘導期、クラック発生時間)を測定した。
【0158】
ここで、本明細書において、それぞれの部位から得られた熱可塑性樹脂組成物成形体からなるASTM準拠の物性測定用試験片のうち、水槽由来の試験片を「R−S」とも記載することとする。
【0159】
また、比較のために、ポリプロピレン−ポリエチレンブロック共重合体樹脂を含む樹脂組成物の一般グレードのバージン材料を用いてさらに別にASTM準拠の物性測定用試験片(本明細書において、「V−0」とも記載する)を作製し、その物性および酸化劣化特性(酸化誘導期、クラック発生時間)を測定した。測定結果を表3に示す。
【0160】
一方、熱可塑性樹脂の寿命と、酸化誘導期の関係を調査した。図3は、熱可塑性樹脂組成物廃材に酸化防止剤を添加し、その種類と量を変化させて再生品樹脂組成物原料ペレットを作成し、酸化誘導期と熱酸化劣化試験の関係を調べたものである。ここで、熱酸化劣化試験は150℃のギヤー式オーブンで実施し、クラック発生時間で評価した。
【0161】
図3から理解されるように、熱可塑性樹脂において、酸化誘導期と寿命との間には、一定の相関関係が認められた。よって、熱可塑性樹脂組成物廃材による再生成形体の酸化劣化特性、すなわち寿命は、酸化誘導期で概ね評価できる。
【0162】
なお、上記の「R−S」、「V−0」の物性および酸化劣化特性(酸化誘導期、クラック発生時間)の測定結果を表3に示す。
【0163】
【表3】
【0164】
表3に示すように、「R−S」の引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度の各物性、および酸化誘導期、クラック発生時間は、それぞれ「V−0」と概略同等、あるいはそれ以上の特性であった。
【0165】
<実施例2>
実施例1と同様に、市場から回収した使用済みの洗濯機を解体して、代表的な結晶性熱可塑性樹脂であるポリプロピレン−ポリエチレンブロック共重合体樹脂を含む樹脂組成物の成形品である水槽を取り出し、微破砕した。次いで、微破砕された熱可塑性樹脂組成物廃材の粉体を洗浄して汚れを除去し、脱水、乾燥した後、酸化防止剤などをはじめとする所定量の添加剤を加え均一に混合した。
【0166】
なお、上記の酸化防止剤の添加量は、熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化誘導期を測定し、その測定値から熱可塑性樹脂組成物成形体に要求される余寿命を実現するために必要となる酸化防止剤の添加量を計算して求めた。
【0167】
そして、均一に混合した熱可塑性樹脂組成物廃材の粉体を、スクリュー系45mmの二軸溶融混練押出機を用いて、190℃の温度で加熱溶融、混練、押出成形して、アンダーウォーターカット装置で切断し、再生品樹脂組成物原料ペレットを作製した。
【0168】
ここで、再生樹脂組成物原料ペレットに混入する異物と、再生成形体の物性、および酸化劣化特性の関係を調査するため、上記の押出機に異物除去用のメッシュフィルタを配設し、メッシュフィルタの目開きと、再生品樹脂組成物原料ペレットに混入する異物量の関係を検討した。
【0169】
異物混入量の測定は、再生品樹脂組成物原料ペレットを加熱溶融して220mm×220mm×1mmのプレスシートを作製し、塵埃計測図表などを参考に、目視観察することにより、混入する異物を大きさ毎に分類することにより行なった。
【0170】
表4に、押出機に配設されたメッシュフィルタの目開きと、再生品樹脂組成物原料ペレットに混入する異物量の関係を示す。
【0171】
【表4】
【0172】
表4のように、押出機に配設する異物除去フィルタの目開きを小さくするにしたがい、再生品樹脂組成物原料ペレットに混入する異物の量は減少し、0.2mm付近で大きな効果があった。
【0173】
<実施例3>
再生品樹脂組成物原料ペレットの異物混入量と、熱可塑性樹脂組成物廃材再生成形体の物性の関係について調査した。
【0174】
実施例1と同様の工程で微破砕された熱可塑性樹脂組成物廃材を調製した後、該熱可塑性樹脂組成物廃材の洗浄のレベルを変えて押出成形加工を行ない、洗浄レベル毎に個別に再生品樹脂組成物原料ペレットを作製し、異物混入量と物性の関係を検討した。なお、上記の押出機に配設するメッシュフィルタの目開きは0.25mmとした。
【0175】
洗浄レベルは、水洗浄(破砕品をネット袋に入れ洗濯機で水洗浄)、フルイ洗浄(線径0.87mm、目開き3.36mmステンレス製のフルイを使用し、振動式フルイ装置で破砕品をフルイ処理)、洗浄なしの3区分とした。
【0176】
異物混入量の測定は、実施例2と同様に、再生品樹脂組成物原料ペレットを加熱溶融してプレスシート(220mm×220mm×1mm)を作製し、塵埃計測図表などを参考に、0.3mm2以上の異物を目視観察で計数した。
【0177】
表5に使用済み洗濯機の水槽から作製した再生品樹脂組成物原料ペレットに混入する異物量と、再生品樹脂組成物原料ペレットから作製したASTM準拠の物性測定用試験片の物性の関係を示す。
【0178】
【表5】
【0179】
表5のように、異物混入量と物性の間には相関がみられ、異物混入量が増加すると、物性は変化し、特に引張伸びは大きく低下する。
よって、熱可塑製樹脂廃材による再生成形体の物性を安定化するには、再生品樹脂組成物原料ペレットの異物混入量を一定量以下に制御することが重要である。
【0180】
<実施例4>
再生品樹脂組成物原料ペレットの異物混入量と、熱可塑製樹脂廃材再生成形体の酸化劣化特性の関係について調査した。実験に使用した試料は、実施例3において作製した再生品樹脂組成物原料ペレットで調製した。
【0181】
異物混入量の測定は、再生品樹脂組成物原料ペレットを加熱溶融してプレスシート(220mm×220mm×1mm)を作製し、塵埃計測図表などを参考に、目視観察することにより、混入する異物を大きさ毎に分類することにより行った。
【0182】
酸化劣化特性の評価は、再生品樹脂組成物原料ペレットを、10トン射出成形機のホッパーに投入し、加熱溶融温度230℃、金型温度40℃の射出成形条件で、熱可塑性樹脂組成物廃材からなるASTM準拠の引張強度測定用試験片を作製した後、150℃のギヤー式オーブンで熱酸化劣化試験を実施し、クラックが発生するまでの時間の測定、および異物を起点とした局所的な劣化の個所数をすることにより行なった。
【0183】
表6に使用済み洗濯機の水槽から作製した再生品樹脂組成物原料ペレットに混入する異物量と、再生品樹脂組成物原料ペレットから作製したASTM準拠の物性測定用試験片の酸化劣化特性の関係を示す。
【0184】
【表6】
【0185】
表6のように、異物混入量と酸化劣化特性の間には相関がみられ、異物混入量が増加するに伴って、酸化劣化特性は低下し、特に、大きさ0.3mm2以上の異物の混入量が増加すると、熱可塑製樹脂廃材再生成形体の局所劣化の個所は大きく増加する傾向にあった。
【0186】
従来から、使用済み製品に付着している水のスケールや錆といった異物が、使用済み樹脂を原料とする成形体(以下、単に「再生品」と記すことがある)に混入し、物性の低下を起こす原因になっていることは知られていた。
【0187】
しかし、異物混入量と酸化劣化特性の間には相関がみられることは、本発明において初めて明らかになったものであり、異物混入量を制御することにより酸化劣化特性を制御するという技術的思想も、本発明において初めて提唱されたものである。
【0188】
しかしながら、本実施例においては、異物混入量が多い場合には、異物を起点とした局所的な劣化が顕著になるため150℃における熱酸化劣化が促進されたものと考察され、図3のような、150℃における熱酸化劣化と酸化誘導期との相関はみられなかった。
【0189】
よって、熱可塑性樹脂組成物廃材から得られる熱可塑性樹脂組成物の再生成形体の酸化劣化特性を安定化するには、再生品樹脂組成物原料ペレットの異物混入量を一定量以下に制御すること、特に大きさ0.3mm2以上の異物の混入量を一定量以下に制御することが重要となる。
【0190】
以上の実施例から理解されるように、再生品樹脂組成物原料ペレットのロット管理を、物性、異物混入量および酸化劣化特性で実施することにより、使用済み製品から回収した熱可塑性樹脂組成物廃材から高品質の特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を再資源化により得ることが可能であり、熱可塑性樹脂組成物廃材から再資源化して得られる熱可塑性樹脂組成物成形体の用途を拡大展開することが可能になる。
【0191】
<測定方法>
上記の実施例で行なわれた各種物性(引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度)、酸化誘導期、クラック発生時間の測定は、下記の測定方法に従って実施した。
【0192】
(i)引張強度および引張弾性率の測定方法
ASTM準拠の物性測定用試験片を用いて、JIS K7113に準じて、引張強度および引張弾性率を測定した。
【0193】
(ii)曲げ強度および曲げ弾性率の測定方法
ASTM準拠の物性測定用試験片を用いて、JIS K7203に準じて、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
【0194】
(iii)アイゾット衝撃強度の測定方法
ASTM準拠の物性測定用試験片を用いて、JIS K7110に準じて、アイゾット衝撃強度を測定した。
【0195】
(iv)酸化誘導期の測定方法
φ4mm,厚み1mmの形状を有する試験試料を用いて、熱分析装置(セイコー電子工業(株)製、TG/DTA320U)を用いて測定した。まず、試験試料を窒素雰囲気中で210℃まで昇温し、10分間保持した後、空気雰囲気に切替え、試験試料が発熱反応を開始するまでの時間を酸化誘導期として測定した。
【0196】
(v)クラック発生時間の測定方法
酸化劣化特性を評価するための加速試験として、150℃のギヤー式オーブン内にASTM準拠の物性測定用試験片を静置して熱酸化劣化試験を行ない、クラックが発生するまでの時間の測定、あるいは局所的な劣化個所の計数を行なった。
【0197】
(vi)異物混入量の測定方法
再生品樹脂組成物原料ペレットを加熱溶融して220mm×220mm×1mmのプレスシートを作製し、塵埃計測図表などを参考に、目視観察により、混入する異物を大きさ毎に分類し、計数した。
【0198】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0199】
【発明の効果】
上記の結果より、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、熱可塑性樹脂組成物廃材から、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた品質および寿命を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることのできる、効率的な熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法であるといえる。
【0200】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を用いた、本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法は、熱可塑性樹脂組成物廃材から、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた品質および寿命を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることのできる製造方法であるといえる。
【0201】
そして、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を用いて得られる、本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体は、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより得られる、多様な用途に応じた品質および寿命を有する熱可塑性樹脂組成物成形体であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 熱可塑性樹脂組成物成形体の一般的な特性低下の傾向の一例を示すグラフを記載した概念図である。
【図2】 本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の工程の流れの一例を示す工程図である。
【図3】 本発明の実施例における酸化誘導期とクラック発生時間との相関関係の一例を示すグラフを記載した図である。
Claims (9)
- 熱可塑性樹脂組成物廃材を加熱溶融する工程と、前記加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材の異物混入量を異物の粒径により制御する工程と、前記加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材を成形して熱可塑性樹脂組成物成形体を得る工程と、前記熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化劣化特性を評価する工程と、を備え、
前記熱可塑性樹脂組成物廃材を加熱溶融する工程では、前記熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化劣化特性の評価結果に基づいて前記熱可塑性樹脂組成物廃材に添加する酸化防止剤の添加量を決定し、加熱溶融する前記熱可塑性樹脂組成物廃材に決定した添加量の前記酸化防止剤を添加され、
前記熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化劣化特性を評価する工程は、前記熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化劣化特性を、前記熱可塑性樹脂組成物成形体の酸化誘導期の測定により評価する工程を含み、
前記熱可塑性樹脂組成物廃材は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物廃材であり、前記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤であり、
前記酸化防止剤の添加量は、
前記酸化誘導期の測定値をa(分)、
前記熱可塑性樹脂組成物廃材における酸化防止剤の残存量をb(%(w/w))、
前記酸化防止剤の必要量をc(%(w/w))、
前記熱可塑性樹脂組成物廃材の余寿命をd(時間)、
前記再資源化して得られる前記熱可塑性樹脂組成物成形体に要求される余寿命をe(時間)、
として、
関係式:b=0.055loga−0.017の式に基づいてbを求め、
関係式:c=0.066log(e/d)の式に基づいてcを求め、
(c−b−0.05)以上の範囲で決定される、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。 - 熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化劣化特性を評価する工程と、前記熱可塑性樹脂組成物廃材を加熱溶融する工程と、前記加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材の異物混入量を異物の粒径により制御する工程と、前記加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材を成形して熱可塑性樹脂組成物成形体を得る工程と、を備え、
前記熱可塑性樹脂組成物廃材を加熱溶融する工程では、前記熱可塑性樹脂組成物廃材の
酸化劣化特性の評価結果に基づいて前記熱可塑性樹脂組成物廃材に添加する酸化防止剤の添加量を決定し、加熱溶融する前記熱可塑性樹脂組成物廃材に決定した添加量の前記酸化防止剤を添加され、
前記熱可塑性樹脂組成物廃材は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物廃材であり、前記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤であり、
前記酸化劣化特性を評価する工程は、前記熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化劣化特性を、前記熱可塑性樹脂組成物廃材の酸化誘導期の測定により評価する工程を含み、
前記酸化防止剤の添加量は、
前記酸化誘導期の測定値をa(分)、
前記熱可塑性樹脂組成物廃材における酸化防止剤の残存量をb(%(w/w))、
前記酸化防止剤の必要量をc(%(w/w))、
前記熱可塑性樹脂組成物廃材の余寿命をd(時間)、
前記再資源化して得られる前記熱可塑性樹脂組成物成形体に要求される余寿命をe(時間)、
として、
関係式:b=0.055loga−0.017の式に基づいてbを求め、
関係式:c=0.066log(e/d)の式に基づいてcを求め、
(c−b−0.05)以上の範囲で決定される、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。 - 前記異物混入量を異物の粒径により制御する工程は、前記加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材を目開きが0.2mm以下の異物除去用フィルターに通す工程を含む、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
- 前記熱可塑性樹脂組成物廃材は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物廃材である、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
- 前記熱可塑性樹脂組成物廃材は、洗濯機から回収された熱可塑性樹脂組成物廃材である、請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法により熱可塑性樹脂組成物成形体を得る、熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂組成物成形体は、ペレット状の形状を有する熱可塑性樹脂組成物成形体である、請求項6に記載の熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法により得られる、熱可塑性樹脂組成物成形体。
- 前記熱可塑性樹脂組成物成形体は、ペレット状の形状を有する熱可塑性樹脂組成物成形体である、請求項8に記載の熱可塑性樹脂組成物成形体。
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