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JP4530976B2 - 素揚げ茹で卵の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、衣を付けて油ちょうした場合のような好ましい揚げ感が茹で卵原料卵の品質のバラツキによらず安定して得られる素揚げ茹で卵の製造方法及びこれに用いる液漬け茹で卵に関する。
揚げ茹で卵は、一般的に、殻剥きした茹で卵に小麦粉や片栗粉等を水で溶いた衣を付けて油ちょうして製するものであり、そのまま、あるいは、中華ソースやカレーソース等で調味付けして食する人気のある卵料理のひとつである。しかしながら、このような揚げ茹で卵やこれを調味付けした料理をコンビニエンスストアやスーパーマーケット等の惣菜工場で大量生産すると、油ちょう後の油切り工程や調味付け工程等において衣が剥がれてしまい、外観が著しく損なわれてしまう問題があった。
一方、特許第3062971号公報(特許文献1)には、殻剥きした茹で卵を衣を付けずにそのまま油ちょうした茹で卵、すなわち、素揚げ茹で卵が提案されている。この素揚げ茹で卵は油ちょうにより茹で卵表面をザラツキ感を有する粗面として表面積を大きくすることにより、調味液に浸漬した際に浸透し易くし、また、この素揚げ茹で卵の周りに練り生地や衣などを付着し易くさせたものである。
しかしながら、この素揚げ茹で卵は、衣を付けないことから前述の惣菜工場等で大量生産しても衣が剥がれてしまう問題は生じないものの、衣を付けて油ちょうした茹で卵に比べて、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が小さくて揚げ色も薄く、揚げ物特有の好ましい揚げ感を充分に有しないという問題があった。また、用いる茹で卵原料卵の品質のバラツキによるためか、揚げ感がほとんど得られない場合があり、揚げ感が安定して得られないという問題があった。
特許第3062971号公報
そこで、本発明の目的は、衣を付けて油ちょうした場合のような好ましい揚げ感が茹で卵原料卵の品質のバラツキによらず安定して得られる素揚げ茹で卵の製造方法及びこれに用いる液漬け茹で卵を提供するものである。
本発明者は、鋭意研究を行い、殻剥きした茹で卵を、特定成分を特定量配合した浸漬液に浸漬した後に素揚げすると、意外にも、衣を付けて油ちょうした場合のような好ましい揚げ感が茹で卵原料卵の品質のバラツキによらず安定して得られることを見出した。更に、殻剥きした茹で卵を前記特定の浸漬液に浸漬された状態で容器詰めされてなる液漬け茹で卵を用いると、素揚げ茹で卵を製造する際に便利であることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)殻剥きした茹で卵を、グルコースを0.01〜3%配合した浸漬液に浸漬した後、素揚げする素揚げ茹で卵の製造方法、
(2)殻剥きした茹で卵を、ラクトースを0.1〜5%配合した浸漬液に浸漬した後、素揚げする素揚げ茹で卵の製造方法、
(3)殻剥きした茹で卵を、キシロースを0.01〜4%配合した浸漬液に浸漬した後、素揚げする素揚げ茹で卵の製造方法、
(4)殻剥きした茹で卵を、マルトースを0.1〜5%配合した浸漬液に浸漬した後、素揚げする素揚げ茹で卵の製造方法、
(5)殻剥きした茹で卵を、フルクトースを0.01〜4%配合した浸漬液に浸漬した後、素揚げする素揚げ茹で卵の製造方法、
(6)殻剥きした茹で卵を、ガラクトースを0.01〜4%配合した浸漬液に浸漬した後、素揚げする素揚げ茹で卵の製造方法、
(7)殻剥きした茹で卵を、グリシンを0.1〜5%配合した浸漬液に浸漬した後、素揚げする素揚げ茹で卵の製造方法、
である。
本発明の素揚げ茹で卵の製造方法によれば、衣を付けて油ちょうした場合のような揚げ物特有の好ましい揚げ感を有する素揚げ茹で卵が得られる。しかも、前記揚げ感は、茹で卵原料卵の品質のバラツキによらず安定して得られるものである。また、従来の衣を付けて油ちょうした揚げ卵は、惣菜工場で大量生産する際に、油切り工程で積み重ねられたり、調味付け工程で調味液と混合されたりすると衣が剥がれて外観が著しく損なわれてしまう問題があり、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等において惣菜として提供することが困難であったが、本発明により得られた素揚げ茹で卵は、衣を付けて油ちょうした場合のような揚げ物特有の好ましい揚げ感を有するにも拘らず、このような問題が生じない。したがって、本発明の素揚げ茹で卵を惣菜工場で大量生産し、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等において種々の惣菜として提供することができ、これらの需要を拡大できる。
以下、本発明の素揚げ茹で卵の製造方法及びこれに用いる液漬け茹で卵を詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
本発明において、素揚げ茹で卵とは、殻剥きした茹で卵を、衣をつけずに油ちょうすることにより得られる食品をいう。小麦粉や片栗粉等を水で溶いた衣を茹で卵に付けて油ちょうする一般的な揚げ茹で卵は、主にこれらの衣が揚げ色に着色してゴツゴツした表面の凹凸を形成するものであるが、本発明により得られる素揚げ茹で卵は、主に茹で卵表面そのものが揚げ色に着色してゴツゴツした表面の凹凸を形成するものである。
本発明は、このような素揚げ茹で卵の製造方法であって、衣を付けずに油ちょうするにも拘らず、衣を付けて油ちょうした場合のような、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸と適度な揚げ色の好ましい揚げ感を有する素揚げ茹で卵が得られるものである。更に、従来のように殻剥きした茹で卵を単に素揚げすると、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が小さくて揚げ色も薄いことに加えて、茹で卵原料卵の品質のバラツキによるためか、揚げ感がほとんど得られない場合があり、揚げ感が安定して得られないという問題があったが、本発明によれば、衣を付けて油ちょうした場合のような好ましい揚げ感が茹で卵原料卵の品質のバラツキによらず安定して得られるものである。
本発明の素揚げ茹で卵の製造方法に用いる殻剥きした茹で卵とは、常法により、鶏卵、鶉卵、アヒル卵等の殻付き卵をボイル槽やスチーマー等により茹でて凝固させた後殻剥きしたものであればよい。このような殻剥きした茹で卵は、例えば、鶏卵を用いた場合は、90〜100℃で5分〜30分程度の加熱条件で茹でて凝固させた後、殻剥きすることにより製することができる。
本発明においては、前記殻剥きした茹で卵を単に素揚げするのではなく、まず、殻剥きした茹で卵を特定の浸漬液に浸漬することを特徴とする。ここで、グルコースを用いる第一の発明としては、本発明は、殻剥きした茹で卵を、グルコースを0.01〜3%配合した浸漬液に浸漬することを特徴とする。これにより、素揚げした際に、衣を付けて油ちょうした場合のような好ましい揚げ感を茹で卵原料卵の品質のバラツキによらず安定して得ることができる。グルコースの配合量は、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸を大きくして適度な揚げ色を得る点からは、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.3%以上である。また、グルコースの配合量が多いと揚げ色が濃くなる傾向があるので、揚げ色が濃くなりすぎないようにする点からは、グルコースの配合量は、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下である。これに対して、グルコースの配合量が前記範囲よりも少ない場合は、好ましい揚げ感が得られず、また、前記範囲よりも多い場合は、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が得られる前に、焦げが生じてしまい好ましい揚げ感が得られない。
ラクトースを用いる第二の発明としては、本発明は、殻剥きした茹で卵を、ラクトースを0.1〜5%配合した浸漬液に浸漬することを特徴とする。これにより、素揚げした際に、衣を付けて油ちょうした場合のような好ましい揚げ感を茹で卵原料卵の品質のバラツキによらず安定して得ることができる。ラクトースの配合量は、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸を大きくして適度な揚げ色を得る点からは、好ましくは0.5%以上、より好ましくは1%以上である。また、ラクトースの配合量が多いと揚げ色が濃くなる傾向があるので、揚げ色が濃くなりすぎないようにする点からは、ラクトースの配合量は、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下である。これに対して、ラクトースの配合量が前記範囲よりも少ない場合は、好ましい揚げ感が得られず、また、前記範囲よりも多い場合は、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が得られる前に、焦げが生じてしまい好ましい揚げ感が得られない。
キシロースを用いる第三の発明としては、本発明は、殻剥きした茹で卵を、キシロースを0.01〜4%配合した浸漬液に浸漬することを特徴とする。これにより、素揚げした際に、衣を付けて油ちょうした場合のような好ましい揚げ感を茹で卵原料卵の品質のバラツキによらず安定して得ることができる。キシロースの配合量は、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸を大きくして適度な揚げ色を得る点からは、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.3%以上である。また、キシロースの配合量が多いと揚げ色が濃くなる傾向があるので、揚げ色が濃くなりすぎないようにする点からは、キシロースの配合量は、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下である。これに対して、キシロースの配合量が前記範囲よりも少ない場合は、好ましい揚げ感が得られず、また、前記範囲よりも多い場合は、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が得られる前に、焦げが生じてしまい好ましい揚げ感が得られない。
マルトースを用いる第四の発明としては、本発明は、殻剥きした茹で卵を、マルトースを0.1〜5%配合した浸漬液に浸漬することを特徴とする。これにより、素揚げした際に、衣を付けて油ちょうした場合のような好ましい揚げ感を茹で卵原料卵の品質のバラツキによらず安定して得ることができる。マルトースの配合量は、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸を大きくして適度な揚げ色を得る点からは、好ましくは0.5%以上、より好ましくは1%以上である。また、マルトースの配合量が多いと揚げ色が濃くなる傾向があるので、揚げ色が濃くなりすぎないようにする点からは、マルトースの配合量は、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下である。これに対して、マルトースの配合量が前記範囲よりも少ない場合は、好ましい揚げ感が得られず、また、前記範囲よりも多い場合は、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が得られる前に、焦げが生じてしまい好ましい揚げ感が得られない。
フルクトースを用いる第五の発明としては、本発明は、殻剥きした茹で卵を、フルクトースを0.01〜4%配合した浸漬液に浸漬することを特徴とする。これにより、素揚げした際に、衣を付けて油ちょうした場合のような好ましい揚げ感を茹で卵原料卵の品質のバラツキによらず安定して得ることができる。フルクトースの配合量は、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸を大きくして適度な揚げ色を得る点からは、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.3%以上である。また、フルクトースの配合量が多いと揚げ色が濃くなる傾向があるので、揚げ色が濃くなりすぎないようにする点からは、フルクトースの配合量は、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下である。これに対して、フルクトースの配合量が前記範囲よりも少ない場合は、好ましい揚げ感が得られず、また、前記範囲よりも多い場合は、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が得られる前に、焦げが生じてしまい好ましい揚げ感が得られない。
ガラクトースを用いる第六の発明としては、本発明は、殻剥きした茹で卵を、ガラクトースを0.01〜4%配合した浸漬液に浸漬することを特徴とする。これにより、素揚げした際に、衣を付けて油ちょうした場合のような好ましい揚げ感を茹で卵原料卵の品質のバラツキによらず安定して得ることができる。ガラクトースの配合量は、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸を大きくして適度な揚げ色を得る点からは、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.3%以上である。また、ガラクトースの配合量が多いと揚げ色が濃くなる傾向があるので、揚げ色が濃くなりすぎないようにする点からは、ガラクトースの配合量は、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下である。これに対して、ガラクトースの配合量が前記範囲よりも少ない場合は、好ましい揚げ感が得られず、また、前記範囲よりも多い場合は、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が得られる前に、焦げが生じてしまい好ましい揚げ感が得られない。
グリシンを用いる第七の発明としては、本発明は、殻剥きした茹で卵を、グリシンを0.1〜5%配合した浸漬液に浸漬することを特徴とする。これにより、素揚げした際に、衣を付けて油ちょうした場合のような好ましい揚げ感を茹で卵原料卵の品質のバラツキによらず安定して得ることができる。グリシンの配合量は、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸を大きくして適度な揚げ色を得る点からは、好ましくは0.5%以上、より好ましくは1%以上である。また、グリシンの配合量が多いと揚げ色が濃くなる傾向があるので、揚げ色が濃くなりすぎないようにする点からは、グリシンの配合量は、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下である。これに対して、グリシンの配合量が前記範囲よりも少ない場合は、好ましい揚げ感が得られず、また、前記範囲よりも多い場合は、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が得られる前に、焦げが生じてしまい好ましい揚げ感が得られない。
なお、本発明においては、前述のグルコース、ラクトース、キシロース、マルトース、フルクトース、ガラクトース、あるいは、グリシンを浸漬液にそれぞれ特定量配合するものであるが、本発明の効果を損なわない範囲で、これらの二種以上を組み合わせて配合してもよい。
前述した浸漬液は、グルコース、ラクトース、キシロース、マルトース、フルクトース、ガラクトース、あるいは、グリシンを清水に加えて、攪拌タンク等で攪拌混合することにより製することができる。この際、浸漬液には、前述の原料の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、食塩、動植物エキス等の各種調味料、クエン酸、酢酸ナトリウム等pH調整材、着色料、甘味料、保存料等を適宜配合してもよい。
殻剥きした茹で卵を浸漬液に浸漬するには、殻剥きした茹で卵が浸漬液中に浸された状態となるようにすればよく、例えば、タンク、水槽、パウチ等の種々の容器等を用い、これに浸漬液と茹で卵を入れて浸漬すればよい。浸漬する際の殻剥きした茹で卵と浸漬液の割合としては、殻剥きした茹で卵が浸漬液中に充分に浸された状態となるような割合とすればよいが、茹で卵に対する浸漬液の量が必要以上に多すぎても浸漬液の調製作業等の作業効率が悪くなる。したがって、殻剥きした茹で卵と浸漬液の割合としては、殻剥きした茹で卵1質量部に対して、浸漬液が好ましくは0.5〜2質量部、より好ましくは0.7〜1.5質量部である。
殻剥きした茹で卵を浸漬液に浸漬する時間は、浸漬により前述した浸漬液の特定成分が茹で卵の卵白に充分に含浸するように、一定時間以上とすることが好ましい。具体的には、浸漬時間は、好ましくは30分以上、より好ましくは6時間以上、更に好ましくは12時間以上である。このように一定時間以上浸漬することにより、本願発明の効果、すなわち、衣を付けて油ちょうした場合のような好ましい揚げ感が茹で卵原料卵の品質のバラツキによらず安定して得られる効果がより得られやすい。なお、浸漬時間は、衛生的な点から好ましくは1ヵ月以内である。
次に、本発明においては、このように浸漬液に浸漬した殻剥き茹で卵を、浸漬液から取り出して液切りする。液切りの方法としては、茹で卵表面に付着した水分により油ちょう時に油跳ねが生じない程度に行えばよく、例えば、茹で卵をザル等に取り出すことにより行うことができる。
続いて、浸漬液から取り出した殻剥き茹で卵を素揚げする。素揚げは、常法により、例えば、綿実油、菜種油、大豆油、コーン油、ゴマ油、パーム油等の食用植物油脂、バター、ラード等の食用動物油脂、あるいは、これらを原料としたショートニング等の加工油脂の少なくとも一種以上の油脂を加熱し、この加熱油脂中に前記殻剥き茹で卵を投入し、好ましい揚げ感が得られるように加熱条件を調節して油ちょうすることにより行えばよい。油ちょうの条件としては、茹で卵の大きさ等にもよるが120〜190℃で0.5〜10分間程度とすればよい。
このような本発明の素揚げ茹で卵の製造方法により得られた素揚げ茹で卵は、衣を付けて油ちょうした場合のような、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸と適度な揚げ色の好ましい揚げ感を有するものとなる。しかも、前記揚げ感は、用いる茹で卵原料卵の品質のバラツキによらず安定して得られるものである。
ところで、本発明の素揚げ茹で卵の製造方法により、素揚げ茹で卵を製するにあたり、殻剥きした茹で卵が前述した特定の浸漬液に浸漬された状態でパウチや成型容器等の種々の容器に容器詰めされていると、在庫として長期保管したり、製品として流通したりすることができ、必要量に応じて簡便に素揚げ茹で卵が得られることから便利である。したがって、本発明の素揚げ茹で卵の製造方法に用いる液漬け茹で卵の態様において、本発明は、殻剥きした茹で卵が前述の浸漬液に浸漬された状態で容器詰めされてなることを特徴とする液漬け茹で卵である。このような本発明の液漬け茹で卵を製するには、殻剥きした茹で卵と前述した浸漬液をパウチや成型容器等の種々の容器に、殻剥きした茹で卵が浸漬状態となるように充填密封して容器詰めして製すればよい。
本発明の素揚げ茹で卵の製造方法により、衣を付けて油ちょうした場合のような好ましい揚げ感が得られる理由は定かではないが、殻剥きした茹で卵を前述の特定の浸漬液に浸漬することにより、特定成分が特定の濃度で茹で卵の卵白に含浸し、この含浸した成分が油ちょう時に茹で卵表面を揚げ色に着色して茹で卵表面にゴツゴツした表面の凹凸を形成することを促進する働きをするものと推察される。また、殻剥き茹で卵を単に素揚げすると、揚げ感が充分に得られないことに加えて、用いる茹で卵原料卵の産地や鮮度等の品質のバラツキによるためか揚げ感がほとんど得られない場合があるが、本発明においては、浸漬液が茹で卵の卵白に含浸することに加えて茹で卵の卵白が元々有していた成分の一部が浸漬液に溶出するので、茹で卵の卵白中の成分が茹で卵原料卵の品質のバラツキによらずより一定となり易く、その結果、衣を付けて油ちょうした場合のような好ましい揚げ感が安定して得られるものと推察される。
以下、本発明の実施例、試験例及び比較例を述べ、本発明を更に説明する。
[実施例1](浸漬液にグルコースを用いる実施例)
まず、殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)150個を、95℃の湯中で15分間加熱後10℃の冷水で冷却して殻を剥き、殻剥き茹で卵150個を製した。
これとは別に、下記配合原料を攪拌タンクで攪拌混合して浸漬液を製した。製した浸漬液のグルコースの配合量は0.5%であった。
<配合>(kg)
食塩 0.05
グルコース 0.05
清水 9.90
―――――――――――――――
合計10kg
次に、殻剥きした茹で卵150個と浸漬液を、殻剥きした茹で卵と浸漬液の質量が1:1の割合となるようにポリエチレン製パウチに充填した後に、パウチ内の空気を除去してヘッドスペースがなるべく小さくなるようにヒートシールして密封し、本発明の液漬け茹で卵を製した。なお、製した液漬け茹で卵は、殻剥きした茹で卵が浸漬液中に浸漬された状態であった。この製した液漬け茹で卵を5℃の冷蔵庫に24時間保管した。すなわち、24時間殻剥き茹で卵を浸漬液に浸漬した。
続いて、保管後の液漬け茹で卵を開封してザルにあけて殻剥き茹で卵を取り出すとともに、ザル上に殻剥き茹で卵を5分間放置して液切りした。この液切りした殻剥き茹で卵150個を素揚げして素揚げ茹で卵150個を製した。素揚げは、175℃〜180℃に加熱した菜種油で1.5分間油ちょうすることにより行った。製した150個の素揚げ茹で卵は、原料卵の品質によるバラツキもなく、いずれも衣を付けて油ちょうした揚げ卵のような、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸と適度な揚げ色の好ましい揚げ感を有するものであった。
[試験例1](浸漬液にグルコースを用いる試験例)
実施例1において、浸漬液のグルコースの配合量を表1に示す量に変え、その増加分又は減少分は清水の配合量で補正した他は、実施例1と同じ配合と製法で浸漬液の異なる6種類の液漬け茹で卵を製し、5℃で24時間保管した。次に、実施例1と同様にこれら保管後の液漬け茹で卵をそれぞれ液切りして素揚げし、浸漬液の異なる6種類の素揚げ茹で卵を製した。これら製した素揚げ茹で卵の表面の状態と揚げ色を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0004530976
表中の評価記号
<表面の状態の評価>
A:揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸を有して好ましい。
B:揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸がやや小さいが問題のない程度である。
C:揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が小さい。
D:揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸がほとんどない。
<揚げ色の評価>
A:好ましい揚げ色を有する。
B:やや揚げ色が薄いが問題のない程度である。
C:やや揚げ色が濃いが問題のない程度である。
D:焦げが生じている。
表1より、グルコースを0.01〜3%配合した浸漬液を用いることにより、素揚げした時に揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸と適度な揚げ色の揚げ感を有する素揚げ茹で卵が得られることが理解できる。更に、グルコースの配合量を0.1%以上とすると、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が大きく、好ましい揚げ色が得られより好ましかった。また、揚げ色が濃くなりすぎないようにする点からは、グルコースの配合量は好ましくは2%以下であった。一方、グルコースを前記範囲よりも多く配合した浸漬液を用いると、素揚げしても焦げが生じてしまい好ましい揚げ感を有する素揚げ茹で卵が得られなかった。
[実施例2](浸漬液にラクトースを用いる実施例)
まず、殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)150個を、95℃の湯中で15分間加熱後10℃の冷水で冷却して殻を剥き、殻剥き茹で卵150個を製した。
これとは別に、下記配合原料を攪拌タンクで攪拌混合して浸漬液を製した。製した浸漬液のラクトースの配合量は1%であった。
<配合>(kg)
食塩 0.05
ラクトース 0.10
清水 9.85
―――――――――――――――
合計10kg
次に、殻剥きした茹で卵150個と浸漬液を、殻剥きした茹で卵と浸漬液の質量が1:1の割合となるようにポリエチレン製パウチに充填した後に、パウチ内の空気を除去してヘッドスペースがなるべく小さくなるようにヒートシールして密封し、本発明の液漬け茹で卵を製した。なお、製した液漬け茹で卵は、殻剥きした茹で卵が浸漬液中に浸漬された状態であった。この製した液漬け茹で卵を5℃の冷蔵庫に24時間保管した。すなわち、24時間殻剥き茹で卵を浸漬液に浸漬した。
続いて、保管後の液漬け茹で卵を開封してザルにあけて殻剥き茹で卵を取り出すとともに、ザル上に殻剥き茹で卵を5分間放置して液切りした。この液切りした殻剥き茹で卵150個を素揚げして素揚げ茹で卵150個を製した。素揚げは、175℃〜180℃に加熱した菜種油で1.5分間油ちょうすることにより行った。製した150個の素揚げ茹で卵は、原料卵の品質によるバラツキもなく、いずれも衣を付けて油ちょうした揚げ卵のような、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸と適度な揚げ色の好ましい揚げ感を有するものであった。
[試験例2](浸漬液にラクトースを用いる試験例)
実施例2において、浸漬液のラクトースの配合量を表2に示す量に変え、その増加分又は減少分は清水の配合量で補正した他は、実施例2と同じ配合と製法で浸漬液の異なる6種類の液漬け茹で卵を製し、5℃で24時間保管した。次に、実施例2と同様にこれら保管後の液漬け茹で卵をそれぞれ液切りして素揚げし、浸漬液の異なる6種類の素揚げ茹で卵を製した。これら製した素揚げ茹で卵の表面の状態と揚げ色を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0004530976
※表2における評価記号は試験例1と同じ
表2より、ラクトースを0.1〜5%配合した浸漬液を用いることにより、素揚げした時に揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸と適度な揚げ色の揚げ感を有する素揚げ茹で卵が得られることが理解できる。更に、ラクトースの配合量を0.5%以上とすると、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が大きく、好ましい揚げ色が得られより好ましかった。また、揚げ色が濃くなりすぎないようにする点からは、ラクトースの配合量は好ましくは3%以下であった。一方、ラクトースを前記範囲よりも多く配合した浸漬液を用いると、素揚げしても焦げが生じてしまい好ましい揚げ感を有する素揚げ茹で卵が得られなかった。
[実施例3](浸漬液にキシロースを用いる実施例)
まず、殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)150個を、95℃の湯中で15分間加熱後10℃の冷水で冷却して殻を剥き、殻剥き茹で卵150個を製した。
これとは別に、下記配合原料を攪拌タンクで攪拌混合して浸漬液を製した。製した浸漬液のキシロースの配合量は0.5%であった。
<配合>(kg)
食塩 0.05
キシロース 0.05
清水 9.90
―――――――――――――――
合計10kg
次に、殻剥きした茹で卵150個と浸漬液を、殻剥きした茹で卵と浸漬液の質量が1:1の割合となるようにポリエチレン製パウチに充填した後に、パウチ内の空気を除去してヘッドスペースがなるべく小さくなるようにヒートシールして密封し、本発明の液漬け茹で卵を製した。なお、製した液漬け茹で卵は、殻剥きした茹で卵が浸漬液中に浸漬された状態であった。この製した液漬け茹で卵を5℃の冷蔵庫に24時間保管した。すなわち、24時間殻剥き茹で卵を浸漬液に浸漬した。
続いて、保管後の液漬け茹で卵を開封してザルにあけて殻剥き茹で卵を取り出すとともに、ザル上に殻剥き茹で卵を5分間放置して液切りした。この液切りした殻剥き茹で卵150個を素揚げして素揚げ茹で卵150個を製した。素揚げは、175℃〜180℃に加熱した菜種油で1.5分間油ちょうすることにより行った。製した150個の素揚げ茹で卵は、原料卵の品質によるバラツキもなく、いずれも衣を付けて油ちょうした揚げ卵のような、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸と適度な揚げ色の好ましい揚げ感を有するものであった。
[試験例3](浸漬液にキシロースを用いる試験例)
実施例3において、浸漬液のキシロースの配合量を表3に示す量に変え、その増加分又は減少分は清水の配合量で補正した他は、実施例3と同じ配合と製法で浸漬液の異なる7種類の液漬け茹で卵を製し、5℃で24時間保管した。次に、実施例3と同様にこれら保管後の液漬け茹で卵をそれぞれ液切りして素揚げし、浸漬液の異なる7種類の素揚げ茹で卵を製した。これら製した素揚げ茹で卵の表面の状態と揚げ色を評価した。結果を表3に示す。
Figure 0004530976
※表3における評価記号は試験例1と同じ
表3より、キシロースを0.01〜4%配合した浸漬液を用いることにより、素揚げした時に揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸と適度な揚げ色の揚げ感を有する素揚げ茹で卵が得られることが理解できる。更に、キシロースの配合量を0.1%以上とすると、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が大きく、好ましい揚げ色が得られより好ましかった。また、揚げ色が濃くなりすぎないようにする点からは、キシロースの配合量は好ましくは3%以下であった。一方、キシロースを前記範囲よりも多く配合した浸漬液を用いると、素揚げしても焦げが生じてしまい好ましい揚げ感を有する素揚げ茹で卵が得られなかった。
[実施例4](浸漬液にマルトースを用いる実施例)
まず、殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)150個を、95℃の湯中で15分間加熱後10℃の冷水で冷却して殻を剥き、殻剥き茹で卵150個を製した。
これとは別に、下記配合原料を攪拌タンクで攪拌混合して浸漬液を製した。製した浸漬液のマルトースの配合量は1%であった。
<配合>(kg)
食塩 0.05
マルトース 0.10
清水 9.85
―――――――――――――――
合計10kg
次に、殻剥きした茹で卵150個と浸漬液を、殻剥きした茹で卵と浸漬液の質量が1:1の割合となるようにポリエチレン製パウチに充填した後に、パウチ内の空気を除去してヘッドスペースがなるべく小さくなるようにヒートシールして密封し、本発明の液漬け茹で卵を製した。なお、製した液漬け茹で卵は、殻剥きした茹で卵が浸漬液中に浸漬された状態であった。この製した液漬け茹で卵を5℃の冷蔵庫に24時間保管した。すなわち、24時間殻剥き茹で卵を浸漬液に浸漬した。
続いて、保管後の液漬け茹で卵を開封してザルにあけて殻剥き茹で卵を取り出すとともに、ザル上に殻剥き茹で卵を5分間放置して液切りした。この液切りした殻剥き茹で卵150個を素揚げして素揚げ茹で卵150個を製した。素揚げは、175℃〜180℃に加熱した菜種油で1.5分間油ちょうすることにより行った。製した150個の素揚げ茹で卵は、原料卵の品質によるバラツキもなく、いずれも衣を付けて油ちょうした揚げ卵のような、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸と適度な揚げ色の好ましい揚げ感を有するものであった。
[試験例4](浸漬液にマルトースを用いる試験例)
実施例4において、浸漬液のマルトースの配合量を表4に示す量に変え、その増加分又は減少分は清水の配合量で補正した他は、実施例4と同じ配合と製法で浸漬液の異なる6種類の液漬け茹で卵を製し、5℃で24時間保管した。次に、実施例4と同様にこれら保管後の液漬け茹で卵をそれぞれ液切りして素揚げし、浸漬液の異なる6種類の素揚げ茹で卵を製した。これら製した素揚げ茹で卵の表面の状態と揚げ色を評価した。結果を表4に示す。
Figure 0004530976
※表4における評価記号は試験例1と同じ
表4より、マルトースを0.1〜5%配合した浸漬液を用いることにより、素揚げした時に揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸と適度な揚げ色の揚げ感を有する素揚げ茹で卵が得られることが理解できる。更に、マルトースの配合量を0.5%以上とすると、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が大きく、好ましい揚げ色が得られより好ましかった。また、揚げ色が濃くなりすぎないようにする点からは、マルトースの配合量は好ましくは3%以下であった。一方、マルトースを前記範囲よりも多く配合した浸漬液を用いると、素揚げしても焦げが生じてしまい好ましい揚げ感を有する素揚げ茹で卵が得られなかった。
[実施例5](浸漬液にフルクトースを用いる実施例)
まず、殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)150個を、95℃の湯中で15分間加熱後10℃の冷水で冷却して殻を剥き、殻剥き茹で卵150個を製した。
これとは別に、下記配合原料を攪拌タンクで攪拌混合して浸漬液を製した。製した浸漬液のフルクトースの配合量は0.5%であった。
<配合>(kg)
食塩 0.05
フルクトース 0.05
清水 9.90
―――――――――――――――
合計10kg
次に、殻剥きした茹で卵150個と浸漬液を、殻剥きした茹で卵と浸漬液の質量が1:1の割合となるようにポリエチレン製パウチに充填した後に、パウチ内の空気を除去してヘッドスペースがなるべく小さくなるようにヒートシールして密封し、本発明の液漬け茹で卵を製した。なお、製した液漬け茹で卵は、殻剥きした茹で卵が浸漬液中に浸漬された状態であった。この製した液漬け茹で卵を5℃の冷蔵庫に24時間保管した。すなわち、24時間殻剥き茹で卵を浸漬液に浸漬した。
続いて、保管後の液漬け茹で卵を開封してザルにあけて殻剥き茹で卵を取り出すとともに、ザル上に殻剥き茹で卵を5分間放置して液切りした。この液切りした殻剥き茹で卵150個を素揚げして素揚げ茹で卵150個を製した。素揚げは、175℃〜180℃に加熱した菜種油で1.5分間油ちょうすることにより行った。製した150個の素揚げ茹で卵は、原料卵の品質によるバラツキもなく、いずれも衣を付けて油ちょうした揚げ卵のような、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸と適度な揚げ色の好ましい揚げ感を有するものであった。
[試験例5](浸漬液にフルクトースを用いる試験例)
実施例5において、浸漬液のフルクトースの配合量を表5に示す量に変え、その増加分又は減少分は清水の配合量で補正した他は、実施例5と同じ配合と製法で浸漬液の異なる7種類の液漬け茹で卵を製し、5℃で24時間保管した。次に、実施例5と同様にこれら保管後の液漬け茹で卵をそれぞれ液切りして素揚げし、浸漬液の異なる7種類の素揚げ茹で卵を製した。これら製した素揚げ茹で卵の表面の状態と揚げ色を評価した。結果を表5に示す。
Figure 0004530976
※表5における評価記号は試験例1と同じ
表5より、フルクトースを0.01〜4%配合した浸漬液を用いることにより、素揚げした時に揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸と適度な揚げ色の揚げ感を有する素揚げ茹で卵が得られることが理解できる。更に、フルクトースの配合量を0.1%以上とすると、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が大きく、好ましい揚げ色が得られより好ましかった。また、揚げ色が濃くなりすぎないようにする点からは、フルクトースの配合量は好ましくは3%以下であった。一方、フルクトースを前記範囲よりも多く配合した浸漬液を用いると、素揚げしても焦げが生じてしまい好ましい揚げ感を有する素揚げ茹で卵が得られなかった。
[実施例6](浸漬液にガラクトースを用いる実施例)
まず、殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)150個を、95℃の湯中で15分間加熱後10℃の冷水で冷却して殻を剥き、殻剥き茹で卵150個を製した。
これとは別に、下記配合原料を攪拌タンクで攪拌混合して浸漬液を製した。製した浸漬液のガラクトースの配合量は0.5%であった。
<配合>(kg)
食塩 0.05
ガラクトース 0.05
清水 9.90
―――――――――――――――
合計10kg
次に、殻剥きした茹で卵150個と浸漬液を、殻剥きした茹で卵と浸漬液の質量が1:1の割合となるようにポリエチレン製パウチに充填した後に、パウチ内の空気を除去してヘッドスペースがなるべく小さくなるようにヒートシールして密封し、本発明の液漬け茹で卵を製した。なお、製した液漬け茹で卵は、殻剥きした茹で卵が浸漬液中に浸漬された状態であった。この製した液漬け茹で卵を5℃の冷蔵庫に24時間保管した。すなわち、24時間殻剥き茹で卵を浸漬液に浸漬した。
続いて、保管後の液漬け茹で卵を開封してザルにあけて殻剥き茹で卵を取り出すとともに、ザル上に殻剥き茹で卵を5分間放置して液切りした。この液切りした殻剥き茹で卵150個を素揚げして素揚げ茹で卵150個を製した。素揚げは、175℃〜180℃に加熱した菜種油で1.5分間油ちょうすることにより行った。製した150個の素揚げ茹で卵は、原料卵の品質によるバラツキもなく、いずれも衣を付けて油ちょうした揚げ卵のような、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸と適度な揚げ色の好ましい揚げ感を有するものであった。
[試験例6](浸漬液にガラクトースを用いる試験例)
実施例6において、浸漬液のガラクトースの配合量を表6に示す量に変え、その増加分又は減少分は清水の配合量で補正した他は、実施例6と同じ配合と製法で浸漬液の異なる7種類の液漬け茹で卵を製し、5℃で24時間保管した。次に、実施例6と同様にこれら保管後の液漬け茹で卵をそれぞれ液切りして素揚げし、浸漬液の異なる7種類の素揚げ茹で卵を製した。これら製した素揚げ茹で卵の表面の状態と揚げ色を評価した。結果を表6に示す。
Figure 0004530976
※表6における評価記号は試験例1と同じ
表6より、ガラクトースを0.01〜4%配合した浸漬液を用いることにより、素揚げした時に揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸と適度な揚げ色の揚げ感を有する素揚げ茹で卵が得られることが理解できる。更に、ガラクトースの配合量を0.1%以上とすると、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が大きく、好ましい揚げ色が得られより好ましかった。また、揚げ色が濃くなりすぎないようにする点からは、ガラクトースの配合量は好ましくは3%以下であった。一方、ガラクトースを前記範囲よりも多く配合した浸漬液を用いると、素揚げしても焦げが生じてしまい好ましい揚げ感を有する素揚げ茹で卵が得られなかった。
[実施例7](浸漬液にグリシンを用いる実施例)
まず、殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)150個を、95℃の湯中で15分間加熱後10℃の冷水で冷却して殻を剥き、殻剥き茹で卵150個を製した。
これとは別に、下記配合原料を攪拌タンクで攪拌混合して浸漬液を製した。製した浸漬液のグリシンの配合量は1%であった。
<配合>(kg)
食塩 0.05
グリシン 0.10
清水 9.85
―――――――――――――――
合計10kg
次に、殻剥きした茹で卵150個と浸漬液を、殻剥きした茹で卵と浸漬液の質量が1:1の割合となるようにポリエチレン製パウチに充填した後に、パウチ内の空気を除去してヘッドスペースがなるべく小さくなるようにヒートシールして密封し、本発明の液漬け茹で卵を製した。なお、製した液漬け茹で卵は、殻剥きした茹で卵が浸漬液中に浸漬された状態であった。この製した液漬け茹で卵を5℃の冷蔵庫に24時間保管した。すなわち、24時間殻剥き茹で卵を浸漬液に浸漬した。
続いて、保管後の液漬け茹で卵を開封してザルにあけて殻剥き茹で卵を取り出すとともに、ザル上に殻剥き茹で卵を5分間放置して液切りした。この液切りした殻剥き茹で卵150個を素揚げして素揚げ茹で卵150個を製した。素揚げは、175℃〜180℃に加熱した菜種油で1.5分間油ちょうすることにより行った。製した150個の素揚げ茹で卵は、原料卵の品質によるバラツキもなく、いずれも衣を付けて油ちょうした揚げ卵のような、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸と適度な揚げ色の好ましい揚げ感を有するものであった。
[試験例7](浸漬液にグリシンを用いる試験例)
実施例7において、浸漬液のグリシンの配合量を表7に示す量に変え、その増加分又は減少分は清水の配合量で補正した他は、実施例7と同じ配合と製法で浸漬液の異なる6種類の液漬け茹で卵を製し、5℃で24時間保管した。次に、実施例7と同様にこれら保管後の液漬け茹で卵をそれぞれ液切りして素揚げし、浸漬液の異なる6種類の素揚げ茹で卵を製した。これら製した素揚げ茹で卵の表面の状態と揚げ色を評価した。結果を表7に示す。
Figure 0004530976
※表7における評価記号は試験例1と同じ
表7より、グリシンを0.1〜5%配合した浸漬液を用いることにより、素揚げした時に揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸と適度な揚げ色の揚げ感を有する素揚げ茹で卵が得られることが理解できる。更に、グリシンの配合量を0.5%以上とすると、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が大きく、好ましい揚げ色が得られより好ましかった。また、揚げ色が濃くなりすぎないようにする点からは、グリシンの配合量は好ましくは3%以下であった。一方、グリシンを前記範囲よりも多く配合した浸漬液を用いると、素揚げしても焦げが生じてしまい好ましい揚げ感を有する素揚げ茹で卵が得られなかった。
[比較例1]
まず、殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)150個を、95℃の湯中で15分間加熱後10℃の冷水で冷却して殻を剥き、殻剥きした茹で卵150個を製した。次に、この殻剥き茹で卵150個を素揚げして素揚げ茹で卵150個を製した。素揚げは、175℃〜180℃に加熱した菜種油で1.5分間油ちょうすることにより行った。製した150個の素揚げ茹で卵のうち40個は、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸がほとんどなく、揚げ色もほとんど有していなかった。また残り110個も、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が小さくて揚げ色も薄く、揚げ物特有の好ましい揚げ感を充分に有しないものであった。
[比較例2]
実施例1において、浸漬液にグルコースに代えてソルビトールを用いた他は、実施例1と同じ配合と製法で液漬け茹で卵を製し、5℃で24時間保管した。続いて、実施例1と同様にこれら保管後の液漬け茹で卵を液切りして素揚げし、素揚げ茹で卵150個を製した。製した150個の素揚げ茹で卵は、いずれも原料卵の品質によるバラツキはなかったものの、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が小さくて揚げ色も薄く好ましいものではなかった。
[比較例3]
実施例1において、浸漬液にグルコースに代えてスクロースを用いた他は、実施例1と同じ配合と製法で液漬け茹で卵を製し、5℃で24時間保管した。続いて、実施例1と同様にこれら保管後の液漬け茹で卵を液切りして素揚げし、素揚げ茹で卵150個を製した。製した150個の素揚げ茹で卵は、いずれも原料卵の品質によるバラツキはなかったものの、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が小さくて揚げ色も薄く好ましいものではなかった。

Claims (7)

  1. 殻剥きした茹で卵を、グルコースを0.01〜3%配合した浸漬液に浸漬した後、素揚げすることを特徴とする素揚げ茹で卵の製造方法。
  2. 殻剥きした茹で卵を、ラクトースを0.1〜5%配合した浸漬液に浸漬した後、素揚げすることを特徴とする素揚げ茹で卵の製造方法。
  3. 殻剥きした茹で卵を、キシロースを0.01〜4%配合した浸漬液に浸漬した後、素揚げすることを特徴とする素揚げ茹で卵の製造方法。
  4. 殻剥きした茹で卵を、マルトースを0.1〜5%配合した浸漬液に浸漬した後、素揚げすることを特徴とする素揚げ茹で卵の製造方法。
  5. 殻剥きした茹で卵を、フルクトースを0.01〜4%配合した浸漬液に浸漬した後、素揚げすることを特徴とする素揚げ茹で卵の製造方法。
  6. 殻剥きした茹で卵を、ガラクトースを0.01〜4%配合した浸漬液に浸漬した後、素揚げすることを特徴とする素揚げ茹で卵の製造方法。
  7. 殻剥きした茹で卵を、グリシンを0.1〜5%配合した浸漬液に浸漬した後、素揚げすることを特徴とする素揚げ茹で卵の製造方法。
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