JP4532012B2 - スラブ軌道の横方向移動余裕量測定方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スラブ板上にタイプレートを介してレールを固定するスラブ軌道において、タイプレート(レール)の横方向移動余裕量の測定を画像処理装置を用いて行う方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートスラブ板上にタイプレートを介してレールを固定する従来のスラブ軌道を示せば、図7の図(A)の平面図及び図(B)の部分拡大図並びに図8の図(A)のタイプレートとレールとの関係を示す平面図及び図(B)の同正面図の通りである。同図に示す如く、スラブ軌道1は、コンクリート製のスラブ板2上に、タイプレート3を介してレール4を固定するようにしている。スラブ板2には、タイプレート3を固定するためのタイプレートボルト5が固定埋設されている。タイプレート3は、楕円形状のタイプレートボルト穴6を対角線状の位置に二つ有し、それぞれスラブ板2上のタイプレートボルト5が挿通されている。レール4は、タイプレート3のショルダー7,7間に高さ調節用のスペーサ8を介して嵌合装着されており、板バネ9を介してショルダー7,7に固定されたボルト10,10にによって固定されている。
なお、同図において、符号11はタイプレートボルト5へ螺着されるナットであり、符号12は板バネ9を締結するボルト10へ螺着されるナットである。
【0003】
ところで、このようなスラブ軌道1において、レール4の通り狂いを整正するためには、タイプレートボルト5を緩めてタイプレート3を横方向(レール軌道の外方向又は内方向)へ移動させ、レール4の側面における凹凸をなくすようにしていた。そして、その場合に、予めタイプレート3を横方向へ移動することのできる横方向移動余裕量を測定しておき、通り狂いの整正に役立てるようにしていた。
【0004】
従来の横方向移動余裕量の測定は、図7の図(B)に示すように、スラブ板2の端面からタイプレート3の端面までの距離Aを作業員が手作業により定規を当てて測定し、予めわかっている固定された寸法に関する情報とを比較することで行っていた。すなわち、タイプレート3の横方向の移動は、タイプレートボルト穴6の長さ寸法Cの範囲内でしかできず、タイプレートボルト穴6の位置もタイプレート3の端面からB寸法離れた位置にあり、一義的である。またスラブ板2に埋設されたタイプレートボルト5もスラブ板2の端面から寸法Dだけ離れた位置にあり、一義的である。
【0005】
従って、スラブ板2に対して、タイプレート3が最も外側へ移動したときの位置と、タイプレートボルト5がタイプレートボルト穴6の中心にあるときのタイプレート3の位置と、タイプレート3が最も内側へ移動したときの位置とにおける前記A寸法は予めわかっているので、これらの固定された寸法情報B,C,Dと、測定したA寸法とから、タイプレート3の横方向移動余裕量を知ることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記の如く、スラブ板2の端面とタイプレート3の端面とに定規を当てて寸法Aを測定する方法では、定規を当てる位置や見る位置が異なると誤った数値を読み取ってしまうという欠点があった。また測定は、連続した屈伸作業となるため、作業内容が重労務作業であり、作業者に与える負担が大きいという欠点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、タイプレートボルトの中心を画像処理装置によって認識し、スラブ軌道の横方向移動余裕量の測定を自動化せんとするものである。
【0008】
而して、前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、スラブ板上にタイプレートを介してレールを固定するスラブ軌道において、レール上に架設された測定台車の画像処理装置によってタイプレートショルダからタイプレートボルトの中心までの距離を測定し、当該距離と、予めわかっているタイプレートショルダからタイプレートボルト穴の外端及び内端までの距離との差をそれぞれ求めることにより、軌間内方及び軌間外方へのレールの横方向移動余裕量を求めるようにしたことを特徴とするスラブ軌道の横方向移動余裕量測定方法である。
このようにレール上に架設した測定台車の画像処理装置によって、タイプレートショルダからタイプレートボルトの中心までの距離を測定して所定の演算処理を行うことで、タイプレート(レール)の横方向移動余裕量を測定することが可能であり、自動化が図れ、著しい作業員の負担軽減を実現するこができる。
【0009】
また本発明にあっては、タイプレートボルトの中心を、撮像したボルトの円弧より求めるか、又は撮像したナットの辺より求めるようにしている。
このように、タイプレートボルトの中心位置を、撮像したボルトの円弧又はナットの辺から求めることで、固定されたタイプレートボルトに対するタイプレートの現在位置を画像処理技術によって知ることができ、タイプレート(レール)の横方向移動余裕量がわかる。
【0010】
更に、本発明にあっては、スラブ板上にタイプレートを介してレールを固定するスラブ軌道の横方向移動余裕量を測定する装置であって、レール上に架設された測定台車と、測定台車からタイプレートボルト部を撮像して画像処理をし、タイプレートショルダからタイプレートボルトの中心までの距離を測定する画像処理装置と、当該画像処理装置の制御及び所定の演算処理を行う制御装置とで構成され、前記制御装置は、前記画像処理装置によって求めたタイプレートショルダーからタイプレートボルトの中心までの距離と、予めわかっているタイプレートショルダーからタイプレートボルト穴の外端までの距離及びタイプレートショルダーからタイプレートボルト穴の内端までの距離とに基づいて、レールの横方向移動余裕量を算出することを特徴とするスラブ軌道の横方向移動余裕量測定装置を提供する。
この発明は、前記スラブ軌道の横方向移動余裕量を測定する方法を実現するための装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の構成を図面に示す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。なお、従来の場合と同一符号は同一部材である。図1乃至図6は本発明の一実施の形態に係るものであり、図1は横方向移動余裕量測定装置13の全体構成を示すブロック図、図2は同装置13をレール4,4間へ架設した状態を示すもので、図(A)は正面図、図(B)は平面図である。また図3は画像処理装置14による撮像状態を示すスラブ軌道の概略正面図、図4は横方向移動余裕量を求めるフローチャート図、図5の図(A)はボルト中心をボルトの円弧から求める場合の概略図であり、図(B)はボルト中心をナットの辺から求める場合の概略図である。更に、図6は横方向移動余裕量の算出方法を説明するためのスラブ軌道の平面図である。
【0012】
図1乃至図3に示す如く、この実施の形態にかかるスラブ軌道の横方向移動余裕量測定装置13は、レール4上に作業員一人で架設することのできる極めて軽量な測定台車15を有している。この測定台車15には、タイプレートボルト5の部分をCCDカメラ16等を介して撮像して画像処理をし、タイプレートボルト5の中心を求める画像処理装置14と、当該画像処理装置14の制御及び当該画像処理装置14からの情報により所定の演算処理を行い、スラブ軌道の横方向移動余裕量を算出する制御装置17と、これらの各装置の操作盤18とが搭載されている。
【0013】
測定台車15は、図2の図(A)及び図(B)に示す用に、左右のレール4,4の頭部頂面に当接接合する絶縁性車輪19と、各レール4,4の内側面に当接接合する絶縁性車輪20とを有している。そのため、レール4,4上へ架設すれば、自動的にスラブ軌道に対して常に一定の基準位置(レール中心)に測定台車の中心が位置するようになされている。また測定台車15には、照明用の電源21等も搭載されている。
画像処理装置14は、タイプレートボルト5を撮像するためのCCDカメラ16の他に、タイプレートショルダー7に取り付けられたボルト10を検知するための撮像タイミングセンサー22と、タイプレートボルト5の部分を照明するための複数のライト23とを有している。
制御装置17は、中央演算処理装置を備えた市販のパーソナルコンピュータ等からなり、所定のアプリケーションソフト等に基づいてスラブ軌道の横方向移動余裕量が測定されるようになっている。
【0014】
次に、このように構成されたスラブ軌道の横方向移動余裕量の測定方法を、図4のフローチャートに基づいて説明する。先ず、測定対象区域内において、作業員が測定台車15をレール4,4上に架設する。続いて、操作盤18のスイッチ等を操作して各部の電源を投入し、スラブ番号等の設定入力を行った後、スタートボタンを押し、測定台車15を作業員が手押ししながら測定を開始する。そして、撮像タイミングセンサー22がタイプレートショルダー7の板バネ9を締結するボルト10を検出すると、タイプレートボルト5の位置がわかるので、照明用のライト23を点灯させ、CCDカメラ16により撮像した画像の取り込みを行う。
【0015】
取り込んだ画像の処理は、先ず、タイプレートショルダー7の画像を認識し、その位置を確認する。続いて、タイプレートボルト5(図4では符号TBで表す)の画像を認識する。そして、図5の図(A)で示すように、タイプレートボルト5の円弧の任意の三点を抽出し、当該三点の垂線を引き、これらの交点を求めればよい。これにより、タイプレートボルト5の中心Oを求めることが可能である。また同図の図(B)に示すように、タイプレートボルト5に螺着される六角ナット11の各辺において任意の二点を求めて各辺を求め、隣位の二辺の交点Pを求める。そして、当該交点Pにおいて一つの辺から60の線を引き、これらの線の交点を求めれば、ナット11の中心、すなわち、タイプレートボルト5の中心Oを求めることが可能である。
【0016】
然る後は、図6に示すように、最初に画像を認識したタイプレートショルダー7の端面からタイプレートボルト5の中心までの距離Xを算出する。ところで、タイプレートボルト穴6の位置及び大きさは、一義的であって予めわかっている。またタイプレートショルダー7の端面からタイプレートボルト穴6の外側までの寸法Yと、タイプレートショルダー7の端面からタイプレートボルト穴6の内側までの寸法Zとは固定の情報として明らかである。
従って、これらの固定情報Y,Zと、測定した距離寸法Xとから、タイプレート3(レール4)の横方向移動余裕量を算出することが可能である。すなわち、スラブ軌道の外側への移動余裕量は、Y−Xで求めることができ、またスラブ軌道の内側への移動余裕量は、X−Zから求めることができる。
このようにして求められた横方向移動余裕量のデータは、各タイプレート3ごとにテキスト形式等で保存され、レール軌道の通り狂いの整正に利用される。
【0017】
とろころで、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。例えば、図2に示す測定装置は、レール4の一方側のタイプレート3の横方向移動余裕量を測定する場合を示しているが、図1に示すように、左右のレール4,4のそれぞれのタイプレート3,3を測定装置13の両側で同時に行うようにすることも可能である。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にあっては、スラブ板上にタイプレートを介してレールを固定するスラブ軌道において、レール上に架設された測定台車の画像処理装置によってタイプレートショルダからタイプレートボルトの中心までの距離を測定し、当該距離と、予めわかっているタイプレートショルダからタイプレートボルト穴の外端及び内端までの距離との差をそれぞれ求めることにより、軌間内方及び軌間外方へのレールの横方向移動余裕量を求めるようにしたから、測定台車をレール上で走行させるだけで自動的にタイプレート(レール)の横方向移動余裕量を測定することが可能であり、自動化が図れ、測定誤差のない高精度の測定と、著しい作業員の負担軽減を実現するこができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るスラブ軌道の横方向移動余裕量測定装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るスラブ軌道の横方向移動余裕量測定装置をレールへ架設した状態を示すもので、図(A)は正面図、図(B)は平面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るものであり、画像処理装置による撮像状態を示すスラブ軌道の概略正面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るものであり、横方向移動余裕量を求めるフローチャート図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るタイプレートボルトの中心を求める方法を説明するための図面であり、図(A)はボルトの円弧から求める場合の概略図、図(B)はナットの辺から求める場合の概略図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るものであり、横方向移動余裕量の算出方法を説明するためのスラブ軌道の平面図である。
【図7】従来技術を示すものであり、図(A)はスラブ軌道の平面図、図(B)はそのの部分拡大図である。
【図8】従来技術を示すものであり、図(A)はタイプレートとレールとの関係を示す平面図、図(B)は同正面図である。
【符号の説明】
1…スラブ軌道、2…スラブ板、3…タイプレート、4…レール、5…タイプレートボルト、6…タイプレートボルト穴、7…タイプレートショルダー、9…板バネ、11…タイプレートボルトのナット、13…スラブ軌道の横方向移動余裕量測定装置、14…画像処理装置、15…測定台車、16…CCDカメラ、17…制御装置、18…操作盤
Claims (4)
- スラブ板上にタイプレートを介してレールを固定するスラブ軌道において、レール上に架設された測定台車の画像処理装置によってタイプレートショルダからタイプレートボルトの中心までの距離を測定し、当該距離と、予めわかっているタイプレートショルダからタイプレートボルト穴の外端及び内端までの距離との差をそれぞれ求めることにより、軌間内方及び軌間外方へのレールの横方向移動余裕量を求めるようにしたことを特徴とするスラブ軌道の横方向移動余裕量測定方法。
- タイプレートボルトの中心を、撮像したボルトの円弧より求めるようにした請求項1に記載のスラブ軌道の横方向移動余裕量測定方法。
- タイプレートボルトの中心を、撮像したナットの辺より求めるようにした請求項1に記載のスラブ軌道の横方向移動余裕量測定方法。
- スラブ板上にタイプレートを介してレールを固定するスラブ軌道の横方向移動余裕量を測定する装置であって、レール上に架設された測定台車と、測定台車からタイプレートボルト部を撮像して画像処理をし、タイプレートショルダからタイプレートボルトの中心までの距離を測定する画像処理装置と、当該画像処理装置の制御及び所定の演算処理を行う制御装置とで構成され、前記制御装置は、前記画像処理装置によって求めたタイプレートショルダーからタイプレートボルトの中心までの距離と、予めわかっているタイプレートショルダーからタイプレートボルト穴の外端までの距離及びタイプレートショルダーからタイプレートボルト穴の内端までの距離とに基づいて、レールの横方向移動余裕量を算出することを特徴とするスラブ軌道の横方向移動余裕量測定装置。
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