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JP4535722B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description

本発明は、非水電解質二次電池に関するものである。
現在、高エネルギー密度の二次電池として、非水電解液を使用し、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させて充放電を行う非水電解質二次電池が利用されている。
このような非水電解質二次電池においては、一般に正極にLiCoO2等のリチウム遷移金属複合酸化物を用い、負極にリチウムの吸蔵・放出が可能な炭素材料を用いている。また、非水電解液としては、エチレンカーボネート及びジエチルカーボネート等の有機溶媒に、LiBF4、LiPF6等のリチウム塩からなる電解質を溶解させたものが用いられている。
近年においては、このような非水電解質二次電池が様々な携帯用機器の電源等として使用されるようになり、さらに高いエネルギー密度の非水電解質二次電池が要望されている。
しかしながら、従来の非水電解質二次電池において、正極に使用されているLiCoO2等のリチウム遷移金属複合酸化物は、重量が大きく、反応電子数も少ないため、単位重量当たりの容量を十分に高めることが困難であった。
このため、容量において高いエネルギー密度が得られる正極材料の開発が必要不可欠である。近年、硫黄単体を正極材料に用いた研究が行われている。硫黄単体は1675mAh/gの大きな理論容量を有しており、次世代の二次電池の有望な正極材料の1つである。これらの研究では、負極にリチウム金属を用い、正極に硫黄単体及び硫黄化合物を用いて充放電特性について検討されている。また、正極に炭素材料を用い、負極にリチウム金属を用い、硫化物または多硫化物を含有したカソード液を用いた電池も提案されている(特許文献1)。
しかしながら、負極にリチウム金属を用いた場合、充放電によりデンドライド結晶が析出し、短絡を生じるという問題がある。また、正極に硫黄を用いた場合、電池作製の際、正極の硫黄は充電状態であり、負極にリチウム金属を用いていることから、充電状態での電池作製となる。そのため、空気中で負極/セパレータ/正極の電極の巻き取りを行うと、負極のリチウム金属が空気中の水分と反応してしまうので、空気中の水分の少ない場所で行う必要があり、ドライルームなどの設備を必要とするなどの問題がある。従って、負極にリチウム金属を用いることなく、正極及び負極共に放電状態のままで電池を作製することが望ましい。
特表2003−522383号公報 国際公開01/029912号パンフレット
本発明の目的は、簡易に製造することが可能で、かつ高い容量密度を有する非水電解質二次電池を提供することにある。
本発明は、炭素材料を主体とし、充電の際には、硫化物イオンが酸化されて正極表面に硫黄が析出し、放電の際には、析出した硫黄が還元されて硫化物イオンとなる正極と、ケイ素を主体とする負極活物質を含む負極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池において、前記非水電解質に、Li(1≦x≦8)で表される硫化リチウムが含有されていることを特徴としている。
本発明においては、非水電解質に、Li2x(1≦x≦8)で表される硫化リチウムが含有されている。この硫化リチウムは、硫黄を正極活物質として用いた場合の放電状態の化合物である。また、本発明においては、ケイ素を主体とする負極活物質を用いているので、空気中で電池を作製することができる。従って、本発明の非水電解質二次電池は簡易に製造することができる。
本発明の非水電解質二次電池においては、負極及び正極において、以下の充電反応及び放電反応が生じる。
充電反応
負極:Si+4.4Li++4.4e- → Li4.4Si
正極:2Li++S2- → S+2Li++2e-
放電反応
負極:Li4.4Si → Si+4.4Li++4.4e-
正極:S+2Li++2e- → 2Li++S2-
上記のように、充電の際には、硫化物イオンが酸化されて正極表面に硫黄が析出し、放電の際には、析出した硫黄が還元されて硫化物イオンとなる。
本発明において、硫化リチウムは、非水電解質に溶解されているとともに、固体の状態でも含まれていることが好ましい。充電反応の際非水電解質に溶解されている硫化リチウムが反応して消費されると、固体状態の硫化リチウムが非水電解質に溶解し充電反応に用いられる。従って、固体状態の硫化リチウムを含むことにより、電池の容量を大きくすることができる。固体状態の硫化リチウムは、沈殿物等の形態で非水電解質中に含まれる。
本発明において用いる硫化リチウム中の硫黄は、できるだけ放電状態であることが好ましい。従って、Li2xにおけるxの値ができるだけ小さいことが望ましく、完全放電状態となったx=1のものが最も望ましいと考えられる。x=1の場合、理論充放電容量密度は硫黄1g当たり1675mAh/gとなり、現在正極活物質として用いられているLiCoO2の150mAh/gと比べて極めて大きくなる。
本発明において用いる非水電解質の有機溶媒は、上記硫化リチウムを溶解させることができるものが用いられる。このような有機溶媒としては、環状エーテル、鎖状エーテル、融点が60℃以下の常温溶融塩などが挙げられる。
環状エーテルとしては、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シネオール、クラウンエーテルから選択される少なくとも1種が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルから選択される少なくとも1種が挙げられる。
融点が60℃以下の常温溶融塩としては、第4級アンモニウム塩が好ましく用いられる。第4級アンモニウム塩は、イミダゾリウム塩、ピラゾリウム塩などのその他の常温溶融塩に比べ、耐還元性が優れており、またリチウム金属と反応しないことが知られている。イミダゾリウム塩、ピラゾリウム塩などの常温溶融塩は耐還元性が低く、リチウム金属と反応するため、リチウムイオン電池の電解液として用いることは好ましくないと考えられる。
第4級アンモニウム塩としては、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH33+(C37)N-(SO2CF32)、トリメチルオクチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH33+(C817)N-(SO2CF32)、トリメチルアリルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH33+(Allyl)N-(SO2CF32)、トリメチルヘキシルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH33+(C613)N-(SO2CF32)、メトキシメチルトリメチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH33+(CH2OCH3)N-(SO2CF32)、トリメチルエチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH33+(C25)(CF3CO)N-(SO2CF3))、トリメチルアリルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH33+(Allyl)(CF3CO)N-(SO2CF3))、トリメチルプロピルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH33+(C37)(CF3CO)N-(SO2CF3))、テトラエチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((C254+(CF3CO)N-(SO2CF3))、トリエチルメチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((C253+(CH3)(CF3CO)N-(SO2CF3))から選択される少なくとも1種が挙げられる。
本発明において用いる非水電解質の有機溶媒としては、硫化リチウムの溶解度の大きなものが好ましく用いられる。具体的には、硫化リチウムの溶解度が0.5モル/リットル以上のものが好ましく、さらには1モル/リットル以上のものが好ましく、特に5モル/リットル以上のものが好ましく用いられる。
また、電解質(溶質)としては、リチウム塩など、非水電解質二次電池において、電解質(溶質)として一般に使用されているものを用いることができ、例えば、LiBF4,LiPF6,LiCF3SO3,LiC49SO3,LiN(CF3SO22,LiN(C25SO22,LiN(CF3SO2)(COCF3)、LiAsF6、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウムから選択される少なくとも1種を用いることができる。ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウムは、以下の(化1)に示す構造式を有している。
Figure 0004535722
本発明における負極は、ケイ素を主体とする負極活物質を含んでいる。ケイ素を主体とする負極活物質としては、金属箔からなる集電体の上にCVD法、スパッタリング法、蒸着法、溶射法などにより堆積させたシリコン薄膜が挙げられる。シリコン薄膜としては、非晶質シリコン薄膜、微結晶シリコン薄膜などが好ましく用いられる。また、本発明における負極活物質として、ケイ素粉末を用いてもよい。このようなケイ素粉末を用いる場合には、ケイ素粉末とバインダーを含むスラリーを集電体上に塗布して電極を作製することができる。
シリコン薄膜を負極活物質として用いる場合には、特許文献2に開示された電極が好ましく用いられる。具体的には、集電体上のシリコン薄膜が厚み方向の切れ目によって柱状に分離された電極、集電体成分(銅成分など)がシリコン薄膜の内部に拡散した電極、表面が粗面化された集電体の上に形成されたシリコン薄膜を用いた電極などが挙げられる。
また、本発明において、ケイ素を主体とするとは、ケイ素が50%以上含有されていることを意味している。合金薄膜としては、例えば、コバルト、鉄、ジルコニウム、亜鉛などを含むシリコン合金薄膜が挙げられる。
本発明における正極材料は、電子伝導性を有するものであり、例えば、炭素材料を挙げることができる。具体的には、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、活性炭及び黒鉛から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。本発明においては、上述のように、充電の際に電解質中の硫化物イオンが酸化されて正極の表面に析出すると考えられる。従って、比表面積の大きな炭素材料を正極に用いることにより、析出する硫黄の量が増え、電池の容量密度が大きくなると考えられる。このため、10m2/g以上の比表面積を有する炭素材料が特に好ましく用いられる。
本発明において正極は、炭素材料などの正極材料とバインダーを含むスラリーを、アルミニウム箔などの集電体上に塗布することにより作製することができる。
本発明によれば、放電状態で電池を作製することができるので、簡易に製造することが可能な電池とすることができる。また、非水電解質中に、充放電反応に関与する硫化リチウムが含まれているので、高い容量密度を有する非水電解質二次電池とすることができる。
また、本発明においてはケイ素を主体とする負極活物質を用いているので、従来のリチウム金属を負極材料に用いる場合に比べ、優れたサイクル特性が得られる。
以下、本発明を具体的な実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することができるものである。
(実施例1)
〔非水電解質の作製〕
1,2−ジメトキシエタンと1,3−ジオキソランを90:10の体積の割合で混合した溶媒に、LiN(SO2CF32を0.5モル/リットルの濃度となるように添加した。これに、Li2Sを5モル/リットルとなるようにさらに添加し、過飽和の状態にし、非水電解質として用いた。
〔正極の作製〕
導電剤のアセチレンブラック(比表面積70m2/g)を正極全体の90重量%となるように、結着剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)5重量%及び増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)5重量%と混合し、水を加えて15分間らいかいを行い、混練し、スラリーを作製した。作製したスラリーを、ドクターブレード法を用いて電解アルミニウム箔の上に塗布し、ホットプレートを用いて50℃で乾燥させた。これを2cm×2cmのサイズに切り取り、さらに100℃で真空乾燥させ、正極とした。
〔試験セルの作製〕
図1に示すように、不活性雰囲気下において、作用極として上記の正極11を使用し、対極となる負極12及び参照極13にそれぞれリチウム金属を用いて試験セルを作製した。正極11と負極12の間にセパレータ15を配置し、試験セル10内に上記の非水電解質14を2ml注入し、実施例1の試験セルとした。
〔充放電試験〕
上記試験セルについて、充電電流2.5μA/cm2で充電終止電位2.8V(vs.Li/Li+)まで充電を行い、その後放電電流2.5μA/cm2で放電終止電位1.5V(vs.Li/Li+)まで放電を行った。この時の充放電容量密度と電位との関係を図2に示す。図2において、充電時における電位と電極1g当たりの容量密度との関係を充電曲線として破線で示す。また、放電時における電位と電極1g当たりの容量密度との関係を放電曲線として実線で示す。なお、電極1g当たりとは、導電剤、結着剤及び増粘剤の総重量1g当たりを意味している。
図2から明らかなように、初期放電容量密度は84.5mAh/gであり、その後の充電容量密度は136mAh/gであり、充放電が行えることが確認できた。
(実施例2)
〔非水電解質の作製〕
実施例1と同様にして、非水電解質を作製した。
〔負極の作製〕
表面を電解処理することにより粗面化した電解銅箔の上に、スパッタリング法により非晶質シリコン薄膜を形成した。薄膜の厚さは0.5μmであった。これを大きさ2cm×2cmに切り取り、110℃で真空乾燥したものを負極とした。
〔試験セルの作製〕
作用極として上記負極12を用い、対極となる正極11及び参照極13としてそれぞれリチウム金属を用いる以外は、実施例1と同様にして試験セルを作製した。
〔充放電試験〕
上記試験セルについて、充電電流0.05mA/cm2で充電終止電位0V(vs.Li/Li+)まで充電を行い、その後放電電流0.05mA/cm2で放電終止電位1.5V(vs.Li/Li+)まで放電を行い、充放電試験を行った。その結果を図3に示す。
図3において、放電時における電位と電極1g当たりの容量密度との関係を放電曲線として実線で示した。また、充電時における電位と電極1g当たりの容量密度との関係を充電曲線として破線で示した。なお、電極1g当たりとは、活物質(シリコン薄膜)1g当たりを意味している。
図3から明らかなように、初期充電容量密度は1647mAh/gであり、初期放電容量密度は1183mAh/gであり、充放電が行われることが確認できた。
実施例1及び実施例2の結果から、炭素材料を主体とする正極と、ケイ素を主体とする負極とを組み合わせて、Li2Sを含む電解質を用いた場合、充放電が行えることは明らかである。
本発明に従う実施例において作製した試験セルを示す斜視図。 実施例1の試験セルにおける初期充放電特性を示す図。 実施例2の試験セルにおける初期充放電特性を示す図。
符号の説明
10…試験セル容器
11…正極
12…負極
13…参照極
14…非水電解質

Claims (3)

  1. 炭素材料を主体とし、充電の際には、硫化物イオンが酸化されて正極表面に硫黄が析出し、放電の際には、析出した硫黄が還元されて硫化物イオンとなる正極と、ケイ素を主体とする負極活物質を含む負極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池において、
    前記非水電解質に、Li(1≦x≦8)で表される硫化リチウムが含有されていることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記硫化リチウムが、前記非水電解質に溶解されているとともに、固体の状態でも含まれていることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記負極活物質が、集電体上に堆積して形成したシリコン薄膜またはシリコン合金薄膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
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