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JP4536702B2 - 水路の改修方法 - Google Patents
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JP4536702B2 - 水路の改修方法 - Google Patents

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本発明は、老朽化した既設水路トンネル又は既設管水路等の閉水路に新管を順々に挿入してその各新管を継ぎ合わせて新配管を形成し、その新配管と前記既設水路トンネル等の間に新管の注入口を介してグラウト材を充填するパイプイントンネル工法による水路の改修方法、及び開水路に敷設された管の周りにグラウト材を充填する水路の改修方法に関するものである。
今日、上下水管路、農業用水配管路等として、過去に、ボックスカルバート、ヒューム管等により形成した既設水路トンネル又は既設管水路が老朽化した場合、それらのトンネル等内に、新管を順々に挿入して新配管を形成するパイプイントンネル工法等により、その水路を更新(改修)することが行われている。
以下、ボックスカルバート等よりなる既設水路トンネル、既設管水路等のように地中横方向に筒状の空間を形成した構造物を、総称して「閉水路」と称し、その閉水路内に配設される導管、新管からなる配管を「新配管」という。
また、これに対し溝状の水路等、筒状をなさない水路を総称して「開水路」という。
これらの改修方法においては、その新配管(二次覆工管)と水路(一次覆工管)の間にグラウト材を充填する。
その一方法として、例えば、図6、図7に示すように、既設トンネル水路(閉水路)A内に新管Bを順々に挿入してその各新管Bを管継手Cを介して継ぎ合わせて新配管B’を形成し、その新配管B’(新管B)と閉水路(既設管)Aの間に新管Bの注入口を介してグラウト材aを充填するものがある(特許文献1、2参照)。
特開平9−166242号公報 特開平9−235996号公報
これらの改修方法におけるグラウト材aの充填は、図7に示すように、15〜20本程の新管Bを継ぎ合わせた新配管長さを一回のグラウト材aの充填範囲とし、その範囲の両端の新管Bと閉水路Aの間に中間部間仕切り壁Dを形成し、新管Bに形成した注入口から、グラウト材aを新管Bと閉水路Aの間に注入して行っている。
また、このグラウト材aは、地盤に開削された溝(開水路)H内に敷設された管Bの周りに充填して、その管Bを地盤に固定する場合にも使用される(図5参照)。
これらの改修方法にも用いられるグラウト材としては、エアモルタル、エアミルクが公知であり、そのエアモルタル、エアミルクに関して代表的な従来の配合例として非特許文献1がある。この中で、一軸圧縮強さが500kN/m2以上のすべての配合について、W/C(混練水の硬化材に対する重量比)は60%以上(>55%)であり、湿潤密度は0.5t/m3を越えている。
「FCB工法(気泡混合軽量土を用いた軽量盛土工法) 三島信雄、益村公人共著 理工図書株式会社 平成12年7月30日 初版発行」
このグラウト材aの充填作業において、グラウト材aの比重が高くなると、新管Bへの浮力も大きくなり、新管B等に管押さえ(支保工)を設けたり、複数回に分けてグラウト材aを打設したりする等の浮力(浮き上がり)防止策が必要となる。この対策はコストアップに繋がる。
また、一般的に、グラウト材aの比重を低くするためには、気泡群を増加させ、硬化材、混練水を減少させる必要がある。しかしながら、一般的には、硬化材と混練水は気泡群とは別に混練製造しており、硬化材Cと混練水Wの比率(W/C)はあまり小さくできない。すなわち、W/Cを小さくすると、ミキサーなどによる混練が不十分となり、製造不可となったり、ホースでの圧送時にポンプ圧が大きくなり、圧送困難となったりするからである。また、硬化材を減少させることは、グラウト材の比重を小さくするのには非常に有効であるが、硬化後のグラウト材の基本性能である強度が確保できない状態となる。
本発明は、上記の問題を解決しつつ、グラウト材による新管への浮力を極力小さくすることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の水路の改修方法は、閉水路(A)内に新管(B)を順々に挿入してその各新管(B)を継ぎ合わせて新配管(B’)を形成し、その新配管(B’)と前記閉水路(A)の間に新管(B)の注入口(1)を介してグラウト材(a)を充填する水路の改修方法であって、上記グラウト材(a)として、硬化材(C)、混練水(W)及び混和剤からなりかつ該混和剤を分散剤として添加したミルク(a’)と、起泡剤入り希釈液(c’)及び空気(c”)からなる気泡群(c)とからなるものを用い、
上記グラウト材(a)の湿潤密度が0.5t/m以下、同圧縮強度が材齢28日で500kN/m以上、空気(c”)が容積比で65%以上、混練水(W)の硬化材(C)に対する重量比(W/C)が55%以下としたものとし、
施工現場において、起泡剤を溶かした希釈液(c’)及び空気(c”)を気泡製造装置(14b)に送り込んで気泡を製造するとともに、上記硬化材(C)と混練水(W)を混練するとともに混和剤を添加したミルク(a’)を製造後、その気泡とその混和剤を添加したミルク(a’)を、それぞれ上記注入口(1)に接続した注入パイプ(10)に介設した混練機(14a)に送り込み、その混練機(14a)により混練して、上記組成の低比重のグラウト材(a)を製造し、そのグラウト材(a)を上記新配管(B’)と閉水路(A)の間に充填することを特徴とする。
また、本発明の水路の改修方法は、開水路(H)内に管(B)を敷設し、当該管(B)の周りにグラウト材(a)を充填する水路の改修方法であって、
上記グラウト材(a)として、硬化材(C)、混練水(W)及び混和剤からなりかつ該混和剤を分散剤として添加したミルク(a’)と、起泡剤入り希釈液(c’)及び空気(c”)からなる気泡群(c)とからなるものを用い、
上記グラウト材(a)の湿潤密度が0.5t/m以下、同圧縮強度が材齢28日で500kN/m以上、空気(c”)が容積比で65%以上、混練水(W)の硬化材(C)に対する重量比(W/C)が55%以下としたものとし、
施工現場において、起泡剤を溶かした希釈液(c’)及び空気(c”)を気泡製造装置(14b)に送り込んで気泡を製造するとともに、上記硬化材(C)と混練水(W)を混練するとともに混和剤を添加したミルク(a’)を製造後、その気泡とその混和剤を添加したミルク(a’)を、それぞれ上記注入口(1)に接続した注入パイプ(10)に介設した混練機(14a)に送り込み、その混練機(14a)により混練して、上記組成の低比重のグラウト材(a)を製造し、そのグラウト材(a)を上記管(B)の周りに充填することを特徴とする。
さらに、本発明の水路の改修方法は、前記水路の改修方法において、上記ミルク(a’)、上記希釈液(c’)及び空気(c”)をその3系統でもって上記混練機(14a)に送り込み、その混練機(14a)により混練することを特徴とする。
すなわち、本発明は、まず、グラウト材の比重が高くなればなるほど、浮力も大きくなるため、そのグラウト材を出来るかぎり低比重のものとすることとしたのである。
つぎに、本発明は、低比重としても上記問題が極力生じないように、その上記グラウト材として、硬化材、混練水及び混和剤からなりかつ該混和剤を分散剤として添加したミルクと、起泡剤入り希釈液及び空気からなる気泡群とからなるものを用い、そのグラウト材の湿潤密度が0.5t/m3以下、同圧縮強度が材齢28日で500kN/m2以上、空気が容積比で65%以上、混練水の硬化材に対する重量比が55%以下としたものとしたのである。
ここで、気泡群を混入したグラウト材は一般的にエアモルタル、エアミルクと呼ばれており、そのモルタルとミルクの差異は砂が入るかどうかである。本発明では、軽量化を図るため、砂が入らないミルク仕様とし、かつ、硬化材、混練水及び混和剤からなりかつ該混和剤を分散剤として添加したミルクと、起泡剤入り希釈液及び空気からなる気泡群とからなるものを用いることにより、グラウト材の軽量化を図りつつも、同圧縮強度が高いものを提供することが可能となる。さらに、そのグラウト材の湿潤密度が0.5t/m3以下、同圧縮強度が材齢28日で500kN/m2以上、空気が容積比で65%以上、混練水の硬化材に対する重量比が55%以下としたものとすることにより、水路の改修が適切に行えるものとなる。
本発明は、低比重(軽い)であっても、混和剤を分散剤として添加し及びその添加順序により、所要の圧縮強度を得るグラウト材を使用することとしたので、新管のグラウト材による浮力防止策が簡易なもので良くなるなどの効果を得ることが出来る。また、新配管にかかるそのグラウト材による浮力に基づく負荷も低減できるため、新配管と水路の間へのグラウト材の充填長さも長くしたり、新配管として長いものを使用したりすることができるとともに、その充填(打設)スピードも上げることができて、コストダウンを図ることができる。
以下、発明の最良の形態を例示することにより本発明を説明する。
本発明の実施形態としては、グラウト材として、硬化材、混練水及び混和剤からなりかつ該混和剤を分散剤として添加したミルクと、起泡剤入り希釈液及び空気からなる気泡群とからなるものを用い、そのグラウト材の湿潤密度が0.5t/m3以下、同圧縮強度が材齢28日で500kN/m2以上、空気が容積比で65%以上、混練水の硬化材に対する重量比が55%以下とした構成のものを採用する。
ここで、分散剤として添加される混和剤は、通常のコンクリート等で使用している混和剤であり、主なものとしてポリカルボン酸系、ナフタリンスルホン酸系、メラミンスルホン酸系などが挙げられる。その添加量としては、実験、実操業等において、混和剤の製造メーカーがコンクリート用として推奨している添加量の範囲内で適宜に選定して、目標強度を得られるように適宜量を使用する。例えば、混和剤は硬化材に対して重量比0.05%以上0.5%以下とする。
また、硬化材は、ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、混合セメント、セメント系硬化材のほかにアルミナセメント、石灰、石膏、高炉スラグ、フライアッシュなどが1種あるいは複数種を混合したものが挙げられる。
つぎに、気泡群を構成する希釈液は、通常、起泡剤と水とから成り、その希釈倍率は起泡剤と水との比率となる。起泡剤としては、エアモルタル、エアミルク用として公知のものを用いることができ、例えば、住友大阪セメント(株)製の起泡剤(商品名:ライトフォーム)が挙げられる。その希釈倍率及び発泡倍率は、実験、実操業等において、起泡剤の製造メーカーが推奨している範囲内で調節すればよく、例えば、上記に例示した起泡剤の場合では希釈倍率20倍、発泡倍率25倍とすればよい。この場合、起泡剤1kgとすると、希釈倍率20倍では、水は19kgとなり、希釈液は20kgとなる。この希釈液20kgに対して発泡倍率25倍では空気量は480リットルとなり、起泡剤、水の密度を1kg/リットル、空気の質量を0kgとすると、気泡群の体積は500リットルとなる。したがって、気泡群の全質量は20kgとなり、気泡群の密度は20/500=0.04kg/リットル(40kg/m3)となる。
本発明に用いるグラウト材は、上記の材料を用いて製造される。
そのグラウト材の圧縮強度は、材齢28日で500kN/m2以上である。
なお、グラウト材の設計に用いられる物性は湿潤密度と一軸圧縮強さ(強度)である。
この湿潤密度と強度には一般的に「密度を小さくすると強度も小さくなる」という関係があり、密度を小さくすると、気泡群が増加し、硬化材が減少し、逆に、強度を大きくすると(密度を大きくすると)、気泡群が減少し、硬化材が増加する。この関係から、湿潤密度を小さくしながら、強度を大きくすることは一般的に困難である。
例えば、気泡群の密度が40kg/m3であり、仮に、グラウト材(エアミルク)1m3がすべて気泡群とした場合、そのエアミルクは40kg/m3の湿潤密度となって、軽量なものとなるが、このようなグラウト材は硬化材が全く混入されていないのだから、強度発現は0となる(一軸圧縮強さ=0)。しかし、軽量化を進める上ではこの気泡群の質量が大きなウエイトを占めることとなる。
このような特性を有するグラウト材において、土槽試験を行った場合、圧縮強度が材齢28日で100kN/m2のグラウト材を用いた場合は、新管Bへの保護効果が得られないばかりか、逆に変形を増大させる結果となる。これに対し、同500kN/m2のグラウト材を用いた場合は、新管Bへの保護効果が充分得られる。このため、本発明におけるグラウト材の圧縮強度は材齢28日で500kN/m2以上必要であることとした。
なお、上記の土槽試験は下記の非特許文献2〜3に記載された方法(工法)による。即ち、当該土槽試験は内空が□1.05m×H0.4mの三軸同時載荷可能な鋼製土槽に地盤材料として豊浦標準砂を充填したもの、土槽中央に配置される2mm厚の鋼製の既設管、既設管の内部に配置される内径150mmのFRP製の管及び既設管と管(FRP管)の間に充填される中込材で構成された模型土槽試験装置を用い、載荷重と管の変位の関係を求めるものである。
「老朽トンネルの改修を伴うパイプ・イン・トンネル工法に関する検討」(平成15年度農業土木学会大会講演要旨集) 「老朽管路の改修を伴うパイプ・イン・パイプ工法に関する検討」(平成17年度農業土木学会大会講演要旨集)
また、グラウト材の湿潤密度は0.5t/m3以下である。
なお、新管への浮力を考慮すれば、湿潤密度はグラウト材の比重を下げる点から小さければ小さいほど有効であるが、圧縮強度を材齢28日で500kN/m2以上確保しながら、湿潤密度の要件を同時に確保できる範囲として0.5t/m3以下にすることとした。
気泡群等に含まれる空気のグラウト材全体に対する容積比は、65%以上であり、70%以上であることが好ましい。空気が容積比で65%以上混入させたグラウト材は、従来のグラウト材に比べて極めて低比重のものとなり、新管への浮力も極力小さくなって、浮力防止策も簡易なものとすることが出来たり、その浮力防止策を講じなくても良くなったりする。また、管の長いものを使用することができる。一方、空気の容積比の上限は、グラウト材の機能の低下を招かない範囲において、適宜に設定すれば良いが、施工管理上から80%以下とすると良い。
なお、空気量をどのように定めるかについて付言すると、例えば、グラウト材1m3中、気泡群が600リットルの場合、残りの400リットルを硬化材(例えば、高炉セメントB種)と混練水で分け合うこととなる。この場合、下記表1のように、グラウト材の密度はその組成(硬化材と混練水の割合)によって異なり、これにより、気泡群の量と密度は一義的な関係にはないことがわかる。このため、気泡群の量と密度は他の構成(硬化材と混練水の割合)等に基づき適宜に決定する。
Figure 0004536702
また、グラウト材のフロー値には特に制限はなく、適用個所に応じて、所望するグラウト材の流動性を適宜に設定すればよい。例えば、140mm以下とする。
そのフロー値は、日本道路公団規格「エアモルタル及びエアミルクの試験方法(JHSA 313−1992)」のコンシステンシー試験方法のシリンダー法に準拠したものである。即ち、内径8cm高さ8cmのシリンダーに試料を入れ、引き抜き後の試料の底面の直径を測定したものである。
グラウト材の製造方法は、起泡剤を溶かした希釈液と空気により気泡を製造した後、その気泡と上記混和剤を添加したミルクを混練するものである。
即ち、グラウト材に上記混和剤を添加することが必要である。
なお、上記方法によらず、混和剤を添加しない場合、グラウト材の物性は以下のとおりとなる。
一例として、下記表2に各種配合によるグラウト材を作り、その28日強度(28日材齢での圧縮強度)を試験した場合の結果を示す。
この試験結果のように、W/Cが60%以上(NO1〜NO6)では、従来のセメント、コンクリートの分野と同様に、硬化材の量が増せば、一軸圧縮強さ(28日強度)は増加するが、W/Cが55%以下(NO7〜NO12)では、硬化材の量が増しても一軸圧縮強さは低下する。
この理由は、硬化材が凝集し、均質に分散されないためであると考えられる。現に硬化材の量が多いNO7〜NO12の圧縮試験用供試体を観察すると、直径1mm程度の黒っぽい粒が多く見受けられることが確認できる。
Figure 0004536702
また、他の例として、下記表3のような配合のグラウト材1m3を作り、その28日強度(28日材齢での圧縮強度)を試験した場合の結果を示す。この結果においても、上記表2の実験結果と同様に、一軸圧縮強さ(28日強度)は、硬化材量が増加し、W/Cが低下すると、強度が低下している。
Figure 0004536702
上記の例からわかるように、本発明においては、硬化材の凝集を防止し、グラウト材の強度を確保、増加させるために分散剤として混和剤を添加する。なお、分散剤は、一般的には、モルタル、コンクリートなどの流動性改善を目的として使用している。しかし、本発明では、グラウト材の流動性を良くするためではなく、気泡を混入した際の凝集防止として使用する。
また、本発明に係るグラウト材の製造方法においては、上記混和剤(分散剤)の添加方法は、気泡を混合する前のミルクに添加することが必要である。
これに対し、気泡を混合した後のミルクに上記混和剤を添加する方法(以下、単に「後添加」ともいう)では、硬化材の凝集を防止し、グラウト材の強度を確保するという効果が十分に得られない。
一例として、分散剤量を除き同一の配合で製造方法の異なる数種のグラウト材を作り、その物性を試験した場合の配合表、試験結果を表4に示す。
Figure 0004536702
なお、分散剤は、通常、後添加と呼ばれる最後に添加するのが最も効率的であり、そのことが一般的である。しかし、上記試験結果のとおり、本発明の配合割合では、最後に添加すると(表4 NO4〜5)、グラウト材の流動性を改善するのみで、硬化材の凝集防止に関しては十分ではない(表4 NO4〜5の「練り混ぜ時の状態」参照)。
これに対し、気泡を混合する前のミルクに添加する(表4 NO2〜3)と、ミルクは凝集もなく、良好なものであり、28日強度において満足のいける値を得ることができる(表4 NO2〜3の「練り混ぜ時の状態」及び「28日強度」参照)。
次に施工方法に関する実施形態を説明する。
本発明方法は、上記のグラウト材を、従来の種々の新配管と閉水路の間への充填用、又は開水路内に敷設された管の周りへの充填に使用するものであり、施工現場において、上記ミルク、起泡剤を溶かした希釈液、及び空気を、好ましくはその3系統でもって、それぞれ上記注入口に接続した注入パイプに介設した混練機に送り込み、その混練機により混練して低比重のグラウト材を製造し、そのグラウト材を上記新配管と水路の間に充填する等の方法を採用する。
一実施形態を図1(a)〜(f)、図2に示し、この実施形態は、図6で示した断面円形又は馬蹄形の農業用水トンネル水路(既設管・閉水路)A等内に強化プラスチック複合管(薄肉FRPM管)から成る新管Bを順々に挿入して、その各新管Bを継ぎ合わせて新配管B’を形成し、その新配管B’と閉水路Aの間に各新管Bの注入口(例えば、φ50mm)1を介してグラウト材aを充填するものである。
この新管Bの挿入、グラウト材aの充填用機材等は、農業用水トンネル水路Aの全長が一工区となり、その両端の出入口前に作業スペースHを確保して、それらの作業を行う。グラウト注入口1は、各新管Bにそれぞれ設ける必要はなく、グラウト材aの充填性を考慮して、1又は2、3・・新管B毎と任意である。
閉水路A内への新管Bの搬入(挿入)は、公知の搬送台車等を使用して適宜に行い、その新管Bの接続(継ぎ合わせ)も同様に、強化プラスチック複合管から成る管継手Cを用いる等の公知の手段を採用する(特許文献3等参照)。各新管Bはその継手部でもって閉水路Aに適宜な手段により固定する。
特開2001−21063号公報
閉水路A内への新管Bの搬送・接続が一工区(トンネル全長)に亘って完了すれば、図1(a)に示すように、その一工区の両端の閉水路Aと新管Bの端間にモルタル等により端部閉塞壁Dを形成してその間を閉塞する。その端部閉塞壁Dは、まず、最先の新管Bの先端と最終の新管Bの後端(新配管B’の両端)にモルタルバック(例えば、長さ:600mm)d1を取り付け、そのモルタルバックd1にグラウト材aを充填し、その固化後、セメント等の乾燥やひび割れ抵抗性に優れた材料をその壁の外側に充填して端面処理d2を行って形成する。
また、一方(図では右端)の端部閉塞壁Dにはその上部に排水口2を形成する。この排水口2の大きさ等は、後述の溜まり水bの排水性を実験・実際の施工などにおいて得られたデータによって適宜に決定する。なお、端部閉塞壁Dは他の公知の手段、例えば、発泡ウレタンなどの周知のものを採用することができる。
一工区の両端(新配管B’の両端)に端部閉塞壁Dが形成されれば、その工区の一方の端の作業スペースHに、グラウト材aの充填プラント機材Eを搬入し、そのプラント機材Eからグラウト材aの注入ホース10を新管B内に送り込む。
プラント機材Eは、種々の態様が考えられるが、例えば、図3に示すものとしたり、図4に示すように、トラックTにそのプラント機材Eを装備することにより、各施工現場に移動可能としたりすることができる。
このとき、端部閉塞壁Dは両端の形成を待たずとも、片側の閉塞壁Dが完成した時点でグラウト材aの注入ホース10の取り付け、引き続いて注入工程に入ることも可能である。この場合、最後に挿入した新管Bにグラウト材aが到達するまでの間に、端部閉塞壁Dを形成すればよい。
その注入ホース(注入パイプ)10は、プラント機材Eからグラウト材供給ホース11が一工区の閉水路A(新配管)の全長に亘って送り込み可能になっており、そのグラウト材供給ホース11の先端部に三方バルブ12を介して2本の注入ホース13a、13bを選択的に連通可能に接続したものである。
その供給ホース11のプラント機材E側にはブレンダー(混練機)14a、気泡製造装置14bが介設されており、気泡製造装置14bに起泡剤を溶かした希釈液c’と空気c”が送り込まれて混合されて気泡群cとなり、その気泡群cがミルクa’が送り込まれている混練機14aにさらに送り込まれ、この混練機14aにより、気泡群c(希釈液c’、空気c”)とミルクa’がさらに混練されて、その気泡群cの空気c”が、全体に対する容積比で、65%以上、80%以下のエアミルク(グラウト材)aが作られる。気泡製造装置14bを設けずに、起泡剤を溶かした希釈液c’と空気c”を他方の混練機14aに直接に送り込むこともできる。
そのグラウト材aが三方バルブ12を介して2本の注入ホース13a、13bに選択的に送り込まれる。注入ホース13a、13bはその先端に接続金具15が設けられており、この接続金具15により、各新管Bの後端上部の注入口1に接続される。図中、16は供給ホース11に介設されたグラウト材aのリリーフバルブ、17は圧力計である。
上記ミルクa’は、ミルク混練ミキサーにおいて硬化材と水が混練されるとともに混和剤が分散剤として添加されて圧送ポンプを介して、気泡群cの希釈液c’は、起泡剤(発泡剤)を溶かして気泡発生装置の送液ポンプから、気泡群cの空気c”はコンプレッサーから気泡発生装置を介して、それぞれ3系統に分けて上記混練機14a、気泡製造装置14bにそれぞれ送り込まれる(図3、4参照)。なお、グラウト材aの注入開始時には、JHS A313 フロー試験、及びJIS A1216 一軸圧縮強度試験で定められた試験により、そのグラウト材aがそれらの試験条件を満たしているか確認する。
新配管B’両端の閉水路Aと新管B間の端部閉塞壁Dによる閉塞が完了すれば、図1(b)に示すように、その注入ホース13a、13bの一方を一端の新管Bの注入口1に接続し、三方バルブ12により、その注入ホース13aにグラウト材aが送り込まれるようにした後、その一方の注入ホース13aにグラウト材aを送り込むと、グラウト材aは、その注入口1から閉水路Aと新管Bの間に入り込み、新管Bの上部から下部に向かい注入口1からある勾配をもって新配管B’と閉水路Aの間を流れて徐々に充填されながら、配管B’の他方の端部(次段の注入口1)に向かって流れる。このとき、注入圧力は、例えば、0.1MPaとする。
この注入口1へのグラウト材aの注入が進み、図2に示すように、次段の注入口1(隣の新管Bの注入口1)にそのグラウト材aが至ってリークすれば、一方の注入ホース13aへのグラウト材aの送り込みを止めるとともに、他方の注入ホース13bを次段の注入口1に接続し、三方バルブ12によりその他方の注入ホース13bにグラウト材aを送り込んで、次段の注入口1から閉水路Aと新管Bの間にグラウト材aを送り込む。そのグラウト材aは、前述と同様に、その注入口1から閉水路Aと新管Bの間に入り込み、その間に徐々に充填されながら、新配管B’の他方の端部(次段の注入口1)に向かって流れる。
このように、グラウト材aの充填を、次に注入する次段の注入口1からのグラウト材aのリークを確認した後、その次段の注入口1にグラウト材aの注入ホース13bを接続して注入することは、次段の注入口1からグラウト材aがリークすれば、その注入口1までグラウト材aが至ったことであり、その至った状態で、その次段の注入口1からグラウト材aを注入することとなるため、図2に示すように、次段の注入口1から送り込まれたグラウト材aが前段の注入口1に向かって進み、前段の注入口1からのグラウト材aの充填層との間に空気層を形成する恐れが殆んどなくなる。
この作用を繰り返して、図1(d)に示すように、グラウト材aが他方の端部閉塞壁Dに至り、その壁D上部の排水口2からリークし(図1(e)参照)、やがて、新配管B’全長のグラウト材aの充填が終了する(図1(f))。これらの充填作業が終了すれば、注入ホース10等を除去して作業を終了する。
このグラウト材aの充填作業が、新配管B’の一端から他端(一工区)まで、一日でいっきに行え得れば良いが、通常、その全長を一日で充填することは困難である。このため、数日に分けて行うことになるが、その場合には、図1(c)に示すように、一日の作業終了時には、グラウト材aの充填終了は、注入口1からのリーク確認直後とし(グラウト材aは点線の位置まで充填されている)、次の日の作業開始は、その注入口1からのグラウト材aの注入により、実線のごとく再開する。
このようにすれば、上述の前段の注入口1から次段の注入口1へのグラウト材aの注入切り換えのように、一日の作業終了時には翌日に注入する注入口1までグラウト材aが至っており、その至った状態で、その注入口1からグラウト材aを注入することとなるため、翌日に送り込まれたグラウト材aが前日の最終の注入口1に向かって進んで、前日のグラウト材aの充填層との間に空気層を形成する恐れが殆んどなくなり、一日、作業を止めた支障はなくなる。この場合、作業をあける(止める)日数は一日に限らず、支障がない限りにおいて任意である。
この実施形態において、グラウト材aを、例えば、表5に示す配合にすれば、流動性(フロー値により定まる性能であって、打設性能を支配する。)が良好、一軸強度(N/mm2):0.5以上、(圧縮)空気量(容量%):70程度、比重:0.5程度を得て、500m程度の新配管B’と閉水路Aの間に、グラスト材aを一気に打設してもその施工性に支障はない。
Figure 0004536702
しかし、このグラウト材aは、遮水性(硬化後の透水性能(遮水性能)を示す。)、滞水下施工性(閉水路内に多少の溜り水があっても、打ち込み時に材料分離を発生せず、かつ比重が大きいことから、水に潜り込むことで、水を押し出す性能)に劣るため、新配管B’と閉水路Aの間へのグラウト材aの充填につれて、新配管B’と閉水路Aの間の溜まり水bは押し出され難い。このため、上記排水口2から吸水するなどの手段を採用して、その溜まり水bの排出を適宜に行う。
実施形態は、農業用水トンネル水路Aの更新の場合であったが、本発明は、その農業用水トンネル水路Aの更新に限らず、上下水管などの既設管を更新すべく、その既設管を閉水路としてその中に新管を順々に挿入して新配管を形成する等の既設管更新方法やパイプインパイプ工法のみならず、既設の水路にパイプを施設するパイプイン水路工法などにおいても採用できることは言うまでもない。
そのとき、トンネル等の両端に開口部がある管路ではなく、水道管などの開口部がない管路では、例えば、立坑を形成し、その立坑にその新管B、各種の機材等を搬入して、新管Bの挿入・グラウト材aの充填を行う。
また、プラント機材Eは、新配管B’内に搬入可能なものとすることができる。
さらに、図5に示すように、地盤に開削された溝(開水路)H内に敷設された管B(配管B’)の周りに、上記配合のグラウト材aを充填しても、上記実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
本発明の実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明用一部拡大図 同実施形態のプラント機材の一例の概略図 同プラント機材の他例の概略断面図 他の実施形態の断面図 従来例の断面図 同一部切り欠き斜視図
符号の説明
A 閉水路(農業用水トンネル水路、既設管)
B 新管
B’ 新配管
C 管継手
D 端部閉塞壁
H 溝(作業スペース)
a グラウト材(エアミルク)
a’ミルク
b 溜まり水
c 気泡群
c’ 起泡剤を溶かした希釈液
c” 空気
1 注入口
2 排水口
10 グラウト材注入ホース
11 グラウト材供給ホース
12 三方バルブ
13a、13b グラウト材注入ホース
14a ブレンダー(混練機)
14b 気泡製造装置
15 接続金具
16 リリーフバルブ

Claims (3)

  1. 閉水路(A)内に新管(B)を順々に挿入してその各新管(B)を継ぎ合わせて新配管(B’)を形成し、その新配管(B’)と前記閉水路(A)の間に新管(B)の注入口(1)を介してグラウト材(a)を充填する水路の改修方法であって、
    上記グラウト材(a)として、硬化材(C)、混練水(W)及び混和剤からなりかつ該混和剤を分散剤として添加したミルク(a’)と、起泡剤入り希釈液(c’)及び空気(c”)からなる気泡群(c)とからなるものを用い、
    上記グラウト材(a)の湿潤密度が0.5t/m以下、同圧縮強度が材齢28日で500kN/m以上、空気(c”)が容積比で65%以上、混練水(W)の硬化材(C)に対する重量比(W/C)が55%以下としたものとし、
    施工現場において、起泡剤を溶かした希釈液(c’)及び空気(c”)を気泡製造装置(14b)に送り込んで気泡を製造するとともに、上記硬化材(C)と混練水(W)を混練するとともに混和剤を添加したミルク(a’)を製造後、その気泡とその混和剤を添加したミルク(a’)を、それぞれ上記注入口(1)に接続した注入パイプ(10)に介設した混練機(14a)に送り込み、その混練機(14a)により混練して、上記組成の低比重のグラウト材(a)を製造し、そのグラウト材(a)を上記新配管(B’)と閉水路(A)の間に充填する水路の改修方法。
  2. 開水路(H)内に管(B)を敷設し、当該管(B)の周りにグラウト材(a)を充填する水路の改修方法であって、
    上記グラウト材(a)として、硬化材(C)、混練水(W)及び混和剤からなりかつ該混和剤を分散剤として添加したミルク(a’)と、起泡剤入り希釈液(c’)及び空気(c”)からなる気泡群(c)とからなるものを用い、
    上記グラウト材(a)の湿潤密度が0.5t/m以下、同圧縮強度が材齢28日で500kN/m以上、空気(c”)が容積比で65%以上、混練水(W)の硬化材(C)に対する重量比(W/C)が55%以下としたものとし、
    施工現場において、起泡剤を溶かした希釈液(c’)及び空気(c”)を気泡製造装置(14b)に送り込んで気泡を製造するとともに、上記硬化材(C)と混練水(W)を混練するとともに混和剤を添加したミルク(a’)を製造後、その気泡とその混和剤を添加したミルク(a’)を、それぞれ上記注入口(1)に接続した注入パイプ(10)に介設した混練機(14a)に送り込み、その混練機(14a)により混練して、上記組成の低比重のグラウト材(a)を製造し、そのグラウト材(a)を上記管(B)の周りに充填する水路の改修方法。
  3. 上記ミルク(a’)、上記希釈液(c’)及び空気(c”)をその3系統でもって上記混練機(14a)に送り込み、その混練機(14a)により混練することを特徴とする請求項1又は2に記載の水路の改修方法。
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