JP4537657B2 - 溶液の塗布装置及び塗布装置の気泡抜き方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はノズルから溶液を噴射して基板に溶液を塗布する塗布装置及びこの塗布装置の気泡抜き方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に液晶表示装置や半導体装置の製造工程においては、ガラス基板や半導体ウエハなどの基板に回路パターンを形成するための成膜プロセスがある。このプロセスでは、基板の板面に例えば配向膜やレジストなどの機能性薄膜が形成される。
【0003】
基板に機能性薄膜を形成する場合、この機能性薄膜を形成する溶液をノズルから噴射して基板の板面に塗布するインクジェット方式の塗布装置が用いられる。この塗布装置は、基板を搬送する搬送テーブルを有しており、この搬送テーブルの上方には、上記ノズルが穿設された複数のヘッドが基板の搬送方向とほぼ直交する方向に沿って並設されている。各ヘッドには供給管を介して接続された溶液タンクから溶液が供給される。
【0004】
それによって、所定間隔で順次搬送される複数の基板の上面にノズルから溶液が噴射塗布されるようになっている。なお、ヘッドに供給された溶液は、このヘッドと上記溶液タンクとを接続した回収管を通じて回収可能となっている。
【0005】
インクジェット方式の塗布装置を用いて基板に溶液を塗布する場合、供給管内やノズル内に気泡が溜まっていると、ノズルから溶液が適切に噴射されないことがある。そのため、上記塗布装置を使用する前に、上記溶液タンクから上記供給管に高い圧力で溶液を供給し、ヘッドを通して回収管に回収することで、供給管、ヘッド及び回収管の気泡抜きを行なう。また、供給管からヘッドに供給した溶液を回収管に戻さずに、ノズルから噴射させることで、ノズルの気泡抜きを行なうようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
配向膜などの機能性薄膜を形成する溶液は非常に高価であるため、気泡抜きを行うことで、溶液を無駄にしないようにしなければならない。しかしながら、上記供給管、ヘッド及び回収管の気泡抜きを行なう際、溶液をヘッドに流して回収管に回収する際、溶液がヘッドに形成されたノズルから流出してしまうということがあった。
【0007】
ノズルから流出した溶液を回収して使用するということが考えられる。しかしながら、配向膜などの機能性薄膜を形成する溶液は大気と接触すると、大気に含まれる酸素や水分と反応して性能が劣化するということがある。そのため、気泡抜きの際にノズルから噴出して大気と接触した溶液は使用できないということがある。
【0008】
一方、上記ノズルの気泡抜きを行なう場合には、ヘッドに供給された溶液を回収管に戻さないようにしてヘッド内での圧力を高めることで、上記ヘッドに形成された直径が数μmの上記ノズルから噴射させるようにしている。
【0009】
上記ヘッドには上述したように細径なノズルが多数形成されている。そのため、ヘッドに供給された溶液が回収管に戻るのを阻止して圧力を上昇させても、ヘッドに形成された位置などによって溶液が流れ易いノズルと、流れ難いノズルとが生じることが避けられない。
【0010】
そのため、全てのノズルから溶液を噴射させて気泡抜きを確実に行なうということが難しいということがあるばかりか、溶液が流れ難いノズルからも溶液を噴射させるためには、長時間にわたってヘッドに溶液を供給し続けなければならない。その結果、溶液が流れ易い位置にあるノズルから噴射される溶液の量が必要以上に多くなり、ノズルの気泡抜きを行なうために使用する溶液の量が増大するということがある。
【0011】
この発明は、供給管、ヘッド及び回収管の気泡抜きを行なうときに、ノズルから溶液を流出させずに行なえるようにした溶液の塗布装置及び塗布方法を提供することにある。
【0012】
この発明は、ヘッドに形成されたノズルの気泡抜きを行なう際に、溶液が流れ難い位置にあるノズルからも比較的容易に溶液を噴射させることができるようにした溶液の塗布装置及び塗布方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明は、基板に溶液を噴射塗布する塗布装置において、
上記溶液をインクジェット方式によって噴射するノズルを有するヘッドと、
上記溶液の供給源と、
この供給源と上記ヘッドとを接続しこのヘッドに上記供給源の溶液を供給する供給管と、
上記ヘッドのノズルが形成された面に押し付けることで上記ノズルを閉塞することが可能であって、上記供給源から上記供給管を通じて上記ヘッドに加圧供給される溶液を上記ノズルから噴射させるときに、上記供給源から加圧供給されて上記ヘッドに流入する溶液の圧力を脈動させるように上記ノズルの開閉を繰り返す密閉部材と
を具備したことを特徴とする溶液の塗布装置にある。
【0015】
この発明は、基板に溶液を噴射塗布する塗布装置において、
上記溶液をインクジェット方式によって噴射するノズルを有するヘッドと、
上記溶液の供給源と、
この供給源と上記ヘッドとを接続するとともに供給開閉弁が設けられこの供給開閉弁の開閉に応じて上記ヘッドに上記供給源の溶液を供給する供給管とを具備し、
上記供給源から上記供給管を通じて上記ヘッドに加圧供給される溶液を上記ノズルから噴射させる際、上記供給源から加圧供給されて上記ヘッドへ流入する溶液の圧力を脈動させるように上記供給開閉弁の開閉を繰り返すことを特徴とする溶液の塗布装置にある。
【0016】
上記密閉部材は、上端が上記ヘッドの下面に接触した状態でこのヘッドの下面に沿って往復移動して上記ノズルを開閉するワイピング部材であることが好ましい。
【0018】
この発明は、インクジェット方式によって溶液を噴射するノズルを有するヘッドと、このヘッドに上記溶液を供給する供給管とを有する塗布装置であって、使用に先立って上記ノズルの気泡抜きを行なう気泡抜き方法において、
上記供給管を通じて上記ヘッドに加圧供給される上記溶液をこのヘッドのノズルから吐出させることで上記ノズルの気泡抜きを行なう際、上記供給源から加圧供給されて上記ヘッド内を流れる溶液の圧力を、上記ヘッドのノズルが形成された面に押し付けることで上記ノズルを閉塞することが可能な密閉部材を上下動させて上記ノズルの開閉を繰り返すことで、脈動させることを特徴とする塗布装置の気泡抜き方法にある。
【0019】
この発明によれば、供給管からヘッドに溶液を供給し回収管へ流して回収することで、供給管、ヘッド及び回収管の気泡抜きを行なう際、ヘッドのノズルを密閉することで、ノズルから溶液が流出するのが防止される。
【0020】
この発明によれば、ノズルの気泡抜きを行なう際、ヘッド内を流れる溶液を脈動させることで、溶液が流れ難い位置にあるノズルからも溶液を比較的容易に噴射させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の一実施の形態を説明する。
【0022】
図1と図2に示すこの発明の溶液の塗布装置はベース1を有する。ベース1の上面には所定間隔で離間した一対のレール2がベース1の長手方向に沿って敷設されている。上記レール2には搬送テーブル3が走行可能に設けられ、図示しない駆動源によって走行駆動されるようになっている。搬送テーブル3の上面には多数の支持ピン4が設けられ、これら支持ピン4にはたとえば液晶表示装置に用いられるガラス製の基板Wが供給支持される。
【0023】
上記搬送テーブル3とともに駆動される基板Wの上方には、上記基板Wに機能性薄膜を形成するための溶液をインクジェット方式で噴射塗布する複数のヘッド、この実施の形態では3つのヘッド7が基板Wの走行方向と交差する方向に沿って一列に配設されている。
【0024】
上記ヘッド7は図3に示すようにヘッド本体8を備えている。ヘッド本体8は筒状に形成され、その下面開口は可撓板9によって閉塞されている。この可撓板9はノズルプレート11によって覆われており、このノズルプレート11と上記可撓板9との間に液室12が形成されている。
【0025】
上記ヘッド本体8の長手方向一端部には上記液室12に連通する供液孔13が形成されている。この供液孔13から上記液室12にはたとえば配向膜やレジストなどの機能性薄膜を形成する溶液が供給される。それによって、上記液室12内は溶液で満たされるようになっている。
【0026】
図4に示すように、上記ノズルプレート11には、基板Wの搬送方向に直交する方向に沿って複数のノズル14が千鳥状に穿設されている。上記可撓板9の上面には、図3に示すように上記各ノズル14にそれぞれ対向して複数の圧電素子15が設けられている。
【0027】
各圧電素子15は上記ヘッド本体8内に設けられた駆動部16によって駆動電圧が供給される。それによって、圧電素子15は伸縮し、可撓板9を部分的に変形させるから、その圧電素子15に対向位置するノズル14から溶液が搬送される基板Wの上面に噴射塗布される。
【0028】
図3に示すように、上記ヘッド本体8の長手方向他端部には上記液室12に連通する回収孔17が形成されている。上記給液孔13から液室12に供給された溶液は、上記回収孔17から回収することができるようになっている。すなわち、上記ヘッド7は上記液室12に供給された溶液をノズル14から噴射させるだけでなく、上記液室12を通じて上記回収孔17から回収することが可能となっている。
【0029】
図1に示すように、各ヘッド7の給液孔13には溶液の供給管21から分岐された供給分岐管22が接続され、回収孔17には回収管23から分岐された回収分岐管24が接続されている。上記供給分岐管22には供給開閉弁25が設けられ、回収分岐管24には回収開閉弁26が設けられている。上記供給管21と回収管23との先端は連通弁27を介して接続されている。さらに、回収管23には回収分岐管24よりも基端側の部分に主回収弁28が設けられている。
【0030】
上記供給管21の基端は上記溶液Lが収容された溶液タンク31の底部に接続されている。上記回収管23の基端は上記溶液タンク31に供給する溶液Lを貯蔵した貯蔵タンク32に接続されている。回収管23の基端部からは供給弁33を有する供給分岐管34が分岐され、この供給分岐管34は上記溶液タンク31の底部に接続されている。
【0031】
上記溶液タンク31の上部には大気開放管35が接続されている。この大気開放管35には第1の開閉制御弁36が設けられている。第1の開閉制御弁36が開放されれば、上記溶液タンク31内が大気に連通される。なお、大気開放管35は、この大気開放管35から大気に放散される気体に含まれる気化溶媒を処理するための図示しない処理装置を介して大気に連通する。したがって、大気開放管35を流れる気体は抵抗を受けることになる。
【0032】
上記溶液タンク31の上部には第2の開閉制御弁37が設けられたガス供給管38が接続されている。このガス供給管38には、図示しないガス供給源から窒素などの不活性ガスが供給されるようになっている。
【0033】
上記ガス供給管38には、上記第2の開閉制御弁37よりも上流側にフィルタ39と第3の開閉制御弁40とが順次接続されている。第3の開閉制御弁40には流量絞り弁41が並列に設けられている。この流量絞り弁41と上記第3の開閉制御弁40とでガス流量制御手段を構成している。
【0034】
上記貯蔵タンク32の上部には、上記溶液タンク31と同様、第4の開閉制御弁43を有する大気開放管44が接続されている。さらに、第5の開閉制御弁45を有するガス供給管46が接続されている。このガス供給管46にはフィルタ47及び第6の開閉制御弁48が順次接続されている。第6の開閉制御弁48には流量絞り弁49が並列に設けられている。
【0035】
なお、上記供給開閉弁25、回収開閉弁26、主回収弁28、供給弁33、第1乃至第6の開閉制御弁36,37,40,43,45,48は図示しない制御装置によって開閉が制御されるようになっている。さらに、溶液タンク31内の溶液Lの液面はレベルセンサ50によって検出される。溶液Lの液面が所定以下になったことがレベルセンサ50によって検出されると、その検出に基いて貯蔵タンク32から溶液Lが補給される。つまり、貯蔵タンク32内の溶液Lが第5の開閉制御弁45を通じて供給される不活性ガスによって加圧されることで、上記溶液Lが上記溶液タンク31に補給される。
【0036】
図2に示すように、上記搬送テーブル3の一端面には側面形状がL字状の取付部材51が垂直な一辺を上記搬送テーブル3の端面に固定して設けられている。この取付部材51の水平な他辺には上下シリンダ52が軸線を垂直にして設けられている。
【0037】
上記上下シリンダ52のロッドには弾性部材53を介して上下テーブル54が取付けられている。この上下テーブル54の上面には各ヘッド7に対応する長さのブレード状のゴムなどの弾性材からなる密封部材としての3つの押え部材55がそれぞれ保持部材56に上下方向に変位可能に保持されている。各押え部材55は上記保持部材56に設けられたばね57によって上昇方向に弾性的に付勢されている。押え部材55は、その上端面でヘッド7に千鳥状に形成されたノズル14全体を閉塞することができるよう幅寸法及び厚さ寸法が設定されている。
【0038】
上記上下テーブル54には上記押え部材55と並列にブレード状のゴムなどの弾性材によって形成されたワイピング部材58設けられている。このワイピング部材58の上端は上記押え部材55の上端よりも所定寸法上方に位置している。
【0039】
上記上下テーブル54は回収槽61の内底部に設けられている。この回収槽61の一側にはガイド板62が設けられ、このガイド板62にはガイド部材63が設けられている。このガイド部材63は上記搬送テーブル3の端面に上下方向に沿って設けられたガイドレール64にガイドされて上下動可能となっている。
【0040】
それによって、上記上下シリンダ52が駆動されれば、上記上下テーブル54が駆動されるとともに、ガイド板62がガイドレール64に沿って上下動するから、上下テーブル54が前後左右方向に振れるのが規制されて上下動する。
【0041】
上記回収槽61には図1に示す回収タンク65が接続されている。この回収タンク65は、上記ヘッド7のノズル14の気泡抜きを行なう際、ノズル14から回収槽61に噴射される溶液を回収する。
【0042】
つぎに、上記構成の塗布装置によって基板Wに溶液Lを噴射塗布する前に、供給管21、ヘッド7、回収管23及びノズル14の気泡抜きを行なう手順について図5(a)〜(c)を参照して説明する。
【0043】
供給管21、ヘッド7及び回収管23の気泡抜きを行なう場合には、まず、図2に示すように搬送テーブル3を駆動して上下テーブル54に設けられた押え部材55をヘッド7のノズル孔14の下方に位置させる。ついで、図5(a)に示すように上記上下テーブル54を上昇させ、押え部材55の上端面によって各ヘッド7のノズル14を閉塞する。
【0044】
各押え部材55は上下テーブル54にばね57によって上下方向に弾性的に変位可能に支持されている。そのため、押え部材55の高さ寸法やヘッド7の下面の高さ位置に多少のばらつきがあっても、各押え部材55によってそれぞれのヘッド7のノズル14を確実に閉塞することができる。
【0045】
押え部材55によってノズル14を閉塞したならば、各ヘッド7の供給開閉弁25と回収開閉弁26を開き、連通弁27を閉じて主回収弁28を開く。そして、第1の開閉制御弁36を閉じてガス供給管38に設けられた第2、第3の開閉制御弁37,40を開くことで、溶液タンク31内の溶液Lを不活性ガスによって加圧する。
【0046】
それによって、溶液タンク31内の溶液Lは供給管21を通じてヘッド7の液室12に流入し、この液室12に充満してから回収管23へ流れ、この回収管23から貯蔵タンク32に回収されるから、供給管21、ヘッド7の液室12及び回収管23内の気泡を溶液Lとともに除去することができる。つまり、気泡抜きを行なうことができる。
【0047】
供給管21、ヘッド7の液室12及び回収管23内の気泡抜きを行なう際に、ヘッド7のノズル14を図5(a)に示すように押え部材55によって密閉するようにしたから、供給管21からヘッド7の液室12に供給された溶液Lが上記ノズル14から大気中に流出するのが阻止される。
【0048】
そのため、上記各部の気泡抜きに際し、溶液Lがノズル14から流出し、大気に接触して再使用が不能となることがない。つまり、溶液Lに無駄が生じることなく、供給管21、ヘッド7の液室12及び回収管23の気泡抜きを行なうことができる。
【0049】
上記押え部材55によってノズル14を閉塞して気泡抜きを行うことで、回収管23の抵抗が大きくても、ヘッド7の液室12に供給された溶液Lを確実に回収管23に流すことができる。つまり、回収管23を細径化して抵抗が大きくなっても、溶液Lをノズル14から流出させることなく、回収管23に確実に回収することができる。
【0050】
そのため、回収管23を細径化することで、気泡抜き後に回収管23に残留する溶液Lの量を少なくできるから、溶液Lに無駄が生じるのを低減することができる。
【0051】
つぎに、ヘッド7のノズル14の気泡抜きを行なう。ノズル14の気泡抜きは、まず、各ヘッド7の供給開閉弁25を開放させた状態にし、回収開閉弁26を閉じる。押え部材55は図5(a)に示すように上昇させ、各ヘッド7のノズル14を閉塞する。
【0052】
この状態で、溶液タンク31に不活性ガスを供給し、内部の溶液Lを加圧する。それによって、溶液Lは供給管21を通じてヘッド7の液室12内に流入する。液室12に流入した溶液Lは、ノズル14及び回収開閉弁26が閉塞されていることで、液室12から流出不能である。そのため、液室12内の溶液Lの圧力が上昇する。
【0053】
液室12内の溶液Lの圧力が上昇したならば、図5(b)に示す上下テーブル54の下降と、図5(a)に示す上昇を繰り返して行い、押え部材55による各ヘッド7のノズル14の開閉を繰り返して行なう。
【0054】
それによって、液室12内の溶液Lは、この液室12内で所定の圧力に上昇した後、ノズル14から噴射することになる。そのため、単に溶液Lを液室12内に流すだけでは溶液Lが流れ難いような箇所であっても、溶液Lを確実に流すことができるから、溶液Lをヘッド7に形成された全てのノズル14から均一に噴射させることができる。つまり、液室12内での溶液Lの圧力を脈動させることで、液室12内全体に溶液Lを行き渡らせ、全てのノズル14から噴射させることができる。
【0055】
したがって、ヘッド7の全てのノズル14の気泡抜きを確実に、しかも短時間で行なうことが可能となる。そのため、溶液Lが流れ易い箇所にあるノズル14から必要以上にたくさんの溶液Lが噴射されるのが防止されるから、ノズル14から噴射されて廃棄される溶液Lの量を少なくできる。
【0056】
このようにしてノズル14の気泡抜きが終了したならば、図5(c)に示すように上下テーブル54を上昇させてヘッド7の下面にワイピング部材58を接触させる。その状態で搬送テーブル3を往復動させ、上記ワイピング部材58によってヘッド7の下面に付着残留する溶液Lを拭き取る。
【0057】
それによって、気泡抜きの後で、基板Wに溶液Lを噴射塗布するとき、ノズル14からの溶液Lの噴射方向がヘッド7の下面に付着残留する溶液によって妨害されるなどの悪影響を除去することができる。
【0058】
ヘッド7のノズル14の気泡抜きを行なう際、上下テーブル54を上下動し、押え部材55によってノズル14の開閉を繰り返して行なうようにしたが、ワイピング部材58を密閉部材として利用することで、ノズル14の開閉を繰り返して行なうようにしてもよい。
【0059】
つまり、図5(c)に示すようにワイピング部材58の上端がヘッド7の下面に接触した状態で、搬送テーブル3を往復動させる。それによって、ワイピング部材58の上端部がノズル14を開閉することになるから、液室12内の溶液Lの圧力を脈動させることができる。
【0060】
つまり、ワイピング部材58がノズル14を閉塞したときには液室12内の溶液Lの圧力が上昇して溶液Lが液室12内全体に行き渡り、開放されたときには液室12内全体に行き渡った溶液Lがヘッド7の全てのノズル14から噴射する。
【0061】
このように、ノズル14の開閉を繰り返して溶液Lに圧力の脈動を与える密閉部材としては、押え部材55とワイピング部材58とのどちらであっても差し支えなく、要は溶液Lに圧力の脈動を与えることができればよい。
【0062】
ノズル14の気泡抜きを行なう場合、密閉部材に代わり、供給開閉弁25又は回収開閉弁26を用いて溶液Lの圧力に脈動を与えるようにしてもよい。すなわち、そのための第1の方法としては、ヘッドの液室12に溶液Lを供給する際、回収開閉弁26を閉じた状態で、供給開閉弁25の開閉を繰り返して行なう。それによって、供給管21から液室12に供給される溶液Lの圧力が脈動することになるから、液室12に供給された溶液Lがこの液室12内全体に分散し易くなる。そのため、溶液Lをヘッド7に形成された全てのノズル14から確実かつ短時間で噴射させることができる。
【0063】
第2の方法としては供給開閉弁25を常開状態にして溶液Lをヘッド7の液室12に供給するとともに、回収開閉弁26の開閉を繰り返す。それによって、液室12に供給された溶液Lは、回収開閉弁26の開閉に応じて回収管23に流れるから、その流れによって液室12内の溶液の圧力が脈動することになる。
【0064】
液室12内の溶液の圧力が脈動すれば、上記各実施の形態と同様、液室12に連通する全てのノズル14から溶液Lを短時間で確実に噴射させることができる。
【0065】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、基板に溶液を噴射塗布する塗布装置の気泡抜きを、溶液に無駄が生じることなく、確実に行なうことができる。また、回収管を細径化することができ、気泡抜き後に回収管に残留する溶液の量も少なくできるので、溶液の無駄を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す塗布装置の概略的構成を示す正面図。
【図2】塗布装置の側面図。
【図3】ヘッドの横断面図。
【図4】ヘッドの下面図。
【図5】(a)〜(c)は供給管、ヘッド及び回収管の気泡抜きを行なうときの押え部材によるノズルの開閉動作の説明図。
【符号の説明】
3…搬送テーブル、7…ヘッド、14…ノズル、21…供給管、23…回収管、25…供給開閉弁、26…回収開閉弁、31…溶液タンク、54…上下テーブル、55…押え部材(密閉部材)、58…ワイピング部材(密閉部材)。
Claims (4)
- 基板に溶液を噴射塗布する塗布装置において、
上記溶液をインクジェット方式によって噴射するノズルを有するヘッドと、
上記溶液の供給源と、
この供給源と上記ヘッドとを接続しこのヘッドに上記供給源の溶液を供給する供給管と、
上記ヘッドのノズルが形成された面に押し付けることで上記ノズルを閉塞することが可能であって、上記供給源から上記供給管を通じて上記ヘッドに加圧供給される溶液を上記ノズルから噴射させるときに、上記供給源から加圧供給されて上記ヘッドに流入する溶液の圧力を脈動させるように上記ノズルの開閉を繰り返す密閉部材と
を具備したことを特徴とする溶液の塗布装置。 - 上記基板は上記ヘッドの下方を往復駆動される搬送テーブル上に載置され、この搬送テーブルの駆動方向に位置する一端面には上下動可能に上下テーブルが設けられ、上記密閉部材は上記上下テーブルに設けられていることを特徴とする請求項1記載の溶液の塗布装置。
- 上記密閉部材は、上端が上記ヘッドの下面に接触した状態でこのヘッドの下面に沿って往復移動して上記ノズルを開閉するワイピング部材であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の溶液の塗布装置。
- インクジェット方式によって溶液を噴射するノズルを有するヘッドと、このヘッドに上記溶液を供給する供給管とを有する塗布装置であって、使用に先立って上記ノズルの気泡抜きを行なう気泡抜き方法において、
上記供給管を通じて上記ヘッドに加圧供給される上記溶液をこのヘッドのノズルから吐出させることで上記ノズルの気泡抜きを行なう際、上記供給源から加圧供給されて上記ヘッド内を流れる溶液の圧力を、上記ヘッドのノズルが形成された面に押し付けることで上記ノズルを閉塞することが可能な密閉部材を上下動させて上記ノズルの開閉を繰り返すことで、脈動させることを特徴とする塗布装置の気泡抜き方法。
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