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JP4537796B2 - ビーム整形用光学系及びレーザ光源及びビーム整形用光学系の作成方法 - Google Patents
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JP4537796B2 - ビーム整形用光学系及びレーザ光源及びビーム整形用光学系の作成方法 - Google Patents

ビーム整形用光学系及びレーザ光源及びビーム整形用光学系の作成方法 Download PDF

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本発明は、ビーム整形用光学系、及び、そのビーム整形用光学系を用いたレーザ光源、及び、ビーム整形用光学系の作成方法に関する。
従来、レーザダイオードを用いたレーザ光源や装置に関する技術としては、例えば以下のようなものが提案されている。
特許文献1(特開平09−199774号公報)には、リニアアレーLD(レーザダイオード)またはスタック化された2次元リニアアレーLDを励起光源とするレーザダイオード励起固体レーザ装置において、励起光を端面励起方式で1mmφ以下に集光可能にし、TEM00モードでのレーザ発振効率改善と、Qスイッチパルス発振時のパルス幅短縮化と、レーザ装置の小型化を課題として、図10(a),(b)に示すように、2次元リニアアレーLD101から出射されたLD励起光をシリンドリカルレンズ102、103や球面レンズ104、105から成る結合光学系120を用いて一旦φ2ミリ程度まで効率良く集光させ、その後、入射部が2〜3ミリφ、出射部を0。5〜1ミリφ程度であるテーパ付きの全反射ロッド106に結合する2段階の集光光学系で構成された結合光学系から成り、テーパ付きの全反射ロッド106の出射部はレーザ媒質107の全反射コート側の瑞面と光学的結合をさせるか、あるいは隙間なく突き合わせ接触させた構成を有するレーザダイオード励起固体レーザ装置が開示されている。
特許文献2(特開平11−017252号公報)には、半導体レーザ(LD)から出力される励起光を効率よくレーザ媒質に伝搬できる半導体励起固体レーザを提供することを課題として、図11に示すように、半導体レーザ素子203から発せられる励起光を固体レーザ媒質201に導く光学的ガイド板205の形状を、半導体レーザ素子203側の断面積を大きくし、固定レーザ媒質201側の断面積を小さくする構成の半導体励起固体レーザ装置が開示されている。
特許文献3(特開平11−214776号公報)には、励起用半導体レーザ(LD)の出力を増加させることなく、LD励起固体レーザの出力を増加させることができるLD励起固体レーザを提供することを課題として、図12に示すように、半導体レーザ302を励起光源としてレーザ媒質である固体結晶301を光励起し、レーザ発振を行うLD励起固体レーザにおいて、前記半導体レーザ302の固体結晶301への照射光を集光する集光手段305を設けたことを特徴とするLD励起固体レーザが開示されている。
特開平09−199774号公報 特開平11−017252号公報 特開平11−214776号公報
高いエネルギー効率で高出力が得られるレーザ光源として、レーザダイオード励起固体レーザ(Diode Pumped Solid State Laser:DPSSL)が注目されている。これはレーザダイオード(LD)を用いることにより、レーザ結晶の特定のエネルギー順位を効率的に励起できるため励起効率が高く、装置の高出力化、小型化に有利であり、レーザ加工装置、レーザプリンター、レーザスキャンディスプレー、レーザ計測装置、医療装置、分析装置等のレーザを利用した様々な装置に利用されている。
これらの装置では、LDによる励起の効率を高めるため、様々な検討が行われている。このレーザ光源の励起に用いられるLDは通常ブロードエリア構造のものが用いられている。このLDは発光点がストライプ状であり、しかも方向によって広がり角が大きく異なっている。例えば1W程度の出力が得られるタイプでは、ストライプ形状は縦1μm、横200μm、発散角はストライプと直交方向(速軸側)で40°、ストライプと平行方向(遅軸側)で10°程度である。このため、レーザ結晶を効率的に励起するためには、LDから発散する光を効率的にレーザ結晶へ伝達するための光学系が重要である。
そこで前述の特許文献2では、テーパ状のライトガイド板205を用いて、LD203からの励起光をレーザ結晶201に伝播している。また、特許文献3ではLD302からの励起光をシリンドリカルレンズ等の集光手段305を用いて集光し、レーザ媒質である固体結晶301を照射している。この場合、集光手段305には棒状のシリンドリカルレンズも利用されるが、縦方向に広がる光を集光する場合、非常に大きいNAを持つシリンドリカルレンズを利用する必要があるため、アライメントが困難になる。
一方、LD励起固体レーザで効率的な発振を行うためには、レーザ結晶中のレーザ発振を行う領域と励起光が照射される領域をできるだけ一致させておく必要がある。励起用LDの発光点はストライプ状であるため、単にレンズで集光しただけでは集光スポット形状もストライプ状になってしまうので、ビーム形状を変換するための光学系が必要になる。例えば、TEM00モードをねらった端面励起固体レーザでは、LD励起光と共振器内で発振しているレーザビームの重なり(モードマッチング)をよくするため、励起光の形状を円形に整形し、発振するレーザ光と同程度の直径まで絞り込む必要がある。そこで前述の特許文献1では、複数のレンズ102〜105とテーパ状のライトガイド106を組み合わせてLD101からの励起光をレーザ結晶107に照射している。
しかしながら、これらの方法では励起光学系が大きくなってしまいレーザ装置の小型化が困難である。励起光学系を小さくするためには、例えばライトガイドのテーパ角を大きくすれば良いが、その場合にはビームの反射が多くなるため励起光の利用効率が低下する。また、特許文献1のように複数のレンズを利用する場合には、光学系自体が大きくなる。また、複数のレンズを組み合わせて利用する場合は、高い実装精度が必要になるため、実装が難しくなる。
前述の端面励起型の固体レーザではレーザ結晶のサイズは数mm程度、LDチップも1mm程度の大きさであり、励起光学系を〜数mm程度に小型化することが、レーザ装置の小型化に重要である。
以上の従来技術の問題点に対して、本発明では、小型化が容易で励起光の利用効率が高く、実装の容易なビーム整形用光学系及びそれを用いたレーザ光源を提供することを目的とする。
より具体的には、本発明では、小型化が容易で励起光の利用効率が高く、実装の容易なレーザダイオード用のビーム整形用光学系を提供することを目的とする。
また、本発明では、上記目的に加えて、より小型化が可能なビーム整形用光学系を提供することを目的とする。
さらに本発明では、上記目的に加えて、出射される光の均一性が高いビーム整形用光学系を提供することを目的とする。
さらに本発明では、上記目的に加えて、ビーム整形用光学系を容易に作成するための基板材料を提供することを目的とする。
さらに本発明では、上記目的に加えて、小型で固体レーザ結晶を効率的に励起できるレーザ光源を提供することを目的とする。
さらに本発明では、上記目的に加えて、本発明のビーム整形用光学系を容易に作成できる作成方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明では以下のような手段を採っている。
本発明の第1の手段は、ストライプ状の光源形状を持ち、ストライプと直交方向と平行方向で発散角の異なるレーザ光を出射するレーザダイオード(LD)の出射光の少なくとも直交方向の発散角を縮小または集光するためのビーム整形用光学系において、前記レーザダイオード(LD)のストライプと光軸を含む面を挟んで配置された2枚の反射面を持つ基板を備え、少なくとも一方の基板の反射面にはレーザが入射する開口部分に対して出射する開口部分の間隔が大きくなるように形成された傾斜部分が設けられており、前記基板の反射面の傾斜部分は凹面であることを特徴とする(請求項1)。
本発明の第2の手段は、ストライプ状の光源形状を持ち、ストライプと直交方向と平行方向で発散角の異なるレーザ光を出射するレーザダイオード(LD)の出射光の少なくとも直交方向の発散角を縮小または集光するためのビーム整形用光学系において、前記レーザダイオード(LD)のストライプと光軸を含む面を挟んで配置された2枚の反射面を持つ基板を備え、少なくとも一方の基板の反射面にはレーザが入射する開口部分に対して出射する開口部分の間隔が大きくなるように形成された傾斜部分が設けられており、少なくとも前記反射面の一部が拡散板の機能を持つことを特徴とする(請求項)。
また、本発明の第の手段は、第1または第2の手段のビーム整形用光学系において、前記基板の材料として、シリコンもしくは石英ガラスを用いたことを特徴とする(請求項)。
本発明の第の手段は、レーザ光源であって、レーザダイオード(LD)と、第1〜第のいずれか一つの手段のビーム整形用光学系とを備え、前記レーザダイオード(LD)と前記ビーム整形用光学系とが同一のパッケージ内に実装されていることを特徴とする(請求項4)
本発明の第の手段は、ストライプ状の光源形状を持ち、ストライプと直交方向と平行方向で発散角の異なるレーザ光を出射するレーザダイオード(LD)の出射光の少なくとも直交方向の発散角を縮小または集光するためのビーム整形用光学系において、前記レーザダイオード(LD)のストライプと光軸を含む面を挟んで配置された2枚の反射面を持つ基板を備え、少なくとも一方の基板の反射面にはレーザが入射する開口部分に対して出射する開口部分の間隔が大きくなるように形成された傾斜部分が設けられており、ビーム整形を行うレーザダイオード(LD)の基板の底部から発光部までの高さをD、ビーム整形用光学系の取り付け側の基板の底部から入射側の開口部分の下部までの高さをDBL、上部までの高さをDBHとした場合に、
BL<D<DBH
を満たし、前記基板の反射面の傾斜部分は凹面であることを特徴とする(請求項)。
本発明の第の手段は、ストライプ状の光源形状を持ち、ストライプと直交方向と平行方向で発散角の異なるレーザ光を出射するレーザダイオード(LD)の出射光の少なくとも直交方向の発散角を縮小または集光するためのビーム整形用光学系において、前記レーザダイオード(LD)のストライプと光軸を含む面を挟んで配置された2枚の反射面を持つ基板を備え、少なくとも一方の基板の反射面にはレーザが入射する開口部分に対して出射する開口部分の間隔が大きくなるように形成された傾斜部分が設けられており、ビーム整形を行うレーザダイオード(LD)の基板の底部から発光部までの高さをD 、ビーム整形用光学系の取り付け側の基板の底部から入射側の開口部分の下部までの高さをD BL 、上部までの高さをD BH とした場合に、
BL <D <D BH
を満たし、少なくとも前記反射面の一部が拡散板の機能を持つことを特徴とする(請求項)。
また、本発明の第の手段は、第5または第6の手段のビーム整形用光学系において、前記基板の材料として、シリコンもしくは石英ガラスを用いたことを特徴とする(請求項)。
本発明の第の手段は、レーザ光源であって、レーザダイオード(LD)と、第〜第のいずれか一つの手段のビーム整形用光学系とを備え、前記レーザダイオード(LD)と前記ビーム整形用光学系とが同一のパッケージ内に実装されていることを特徴とする(請求項)。
本発明の第の手段は、第〜第、第〜第のいずれか一つの手段のビーム整形用光学系を作成するビーム整形用光学系の作成方法において、2枚の平坦な面を持つ基板上の少なくとも1枚に傾斜部分を持つレジストパターンを作成する工程と、異方性ドライエッチングによりレジストパターンの形状を基板に転写する工程と、反射面の間隔を規定するためのスペーサを介して2枚の基板を貼り合わせる工程とを含み、前記レジストパターンを作成する際に、傾斜部分と同時にスペーサ用のパターンを形成し、必要なスペーサの高さをh、スペーサ用のパターンの高さをh’とした場合に、
h’≧h/s
s:エッチングの選択比=基板のエッチングレート/レジストのエッチングレート
とすることを特徴とする(請求項)。
本発明の第1の手段のビーム整形用光学系においては、レーザダイオード(LD)のストライプと光軸を含む面を挟んで配置された2枚の反射面を持つ基板を備え、少なくとも一方の基板の反射面にはレーザが入射する開口部分に対して出射する開口部分の間隔が大きくなるように形成された傾斜部分が設けられていることにより、LDからの出射光を無駄なく取り込んだ上で速軸方向のビームの広がりを抑えてレーザ媒質に応じた励起光の分布を形成できるため、励起効率を高めることができる。また、実装時の位置ずれの余裕が大きいため、容易に実装が行える。さらに反射面を凹面とすることにより、励起光学系の長さを抑えることができるのでより小型化が可能になる。
第2の手段のビーム整形用光学系においては、第1の手段と同様の効果に加え、反射面の一部を拡散板とすることにより、出射される光がよりランダムに重ね合わされるので、光の均一性が高い出射光が得られる。
さらに、第の手段のビーム整形用光学系においては、第1または第2の手段のいずれかの効果に加え、基板にシリコンまたは石英ガラスを用いることで、本発明のビーム整形用光学系を作成するためのプロセスが容易になる。
の手段のレーザ光源においては、レーザダイオード(LD)と、第1〜第のいずれか一つの手段のビーム整形用光学系とを備え、前記レーザダイオード(LD)と前記ビーム整形用光学系とが同一のパッケージ内に実装されていることにより、ビーム整形用光学系は非常に小型であるため、LDと同一パッケージまたは同一基板上に容易に実装が可能なので、より小型で固体レーザ結晶を効率的に励起できるレーザ光源を実現することができる。
の手段のビーム整形用光学系においては、レーザダイオード(LD)のストライプと光軸を含む面を挟んで配置された2枚の反射面を持つ基板を備え、少なくとも一方の基板の反射面にはレーザが入射する開口部分に対して出射する開口部分の間隔が大きくなるように形成された傾斜部分が設けられており、ビーム整形を行うレーザダイオード(LD)の基板の底部から発光部までの高さをD、ビーム整形用光学系の取り付け側の基板の底部から入射側の開口部分の下部までの高さをDBL、上部までの高さをDBHとした場合に、
BL<D<DBH
を満たすことにより、LDからの出射光を無駄なく取り込んだ上で速軸方向のビームの広がりを抑えてレーザ媒質に応じた励起光の分布を形成できるため、励起効率を高めることができる。また、実装時の位置ずれの余裕が大きいため、容易に実装が行える。また、LDチップと同一基板に実装できるので、より小型化が可能になる。さらに、反射面を凹面とすることにより、励起光学系の長さを抑えることができるのでより小型化が可能になる。
第6の手段のビーム整形用光学系においては、第の手段と同様の効果に加え、反射面の一部を拡散板とすることにより、出射される光がよりランダムに重ね合わされるので、光の均一性が高い出射光が得られる。
さらに、第の手段のビーム整形用光学系においては、第5または第6の手段のいずれかの効果に加え、基板にシリコンまたは石英ガラスを用いることで、本発明のビーム整形用光学系を作成するためのプロセスが容易になる。
の手段のレーザ光源においては、レーザダイオード(LD)と、第〜第のいずれか一つの手段のビーム整形用光学系とを備え、前記レーザダイオード(LD)と前記ビーム整形用光学系とが同一のパッケージ内に実装されていることにより、ビーム整形用光学系は非常に小型であるため、LDと同一パッケージまたは同一基板上に容易に実装が可能なので、より小型で固体レーザ結晶を効率的に励起できるレーザ光源を実現することができる。
の手段のビーム整形用光学系の作成方法においては、2枚の平坦な面を持つ基板上の少なくとも1枚に傾斜部分を持つレジストパターンを作成する工程と、異方性ドライエッチングによりレジストパターンの形状を基板に転写する工程と、反射面の間隔を規定するためのスペーサを介して2枚の基板を貼り合わせる工程とを含むことにより、半導体プロセスを利用してビーム整形用光学系を作成できるので、微小なビーム整形用光学系光学系を容易に大量に作成することができる。
また、前記レジストパターンを作成する際に、傾斜部分と同時にスペーサ用のパターンを形成し、必要なスペーサの高さをh、スペーサ用のパターンの高さをh’とした場合に、
h’≧h/s
s:エッチングの選択比=基板のエッチングレート/レジストのエッチングレート
とすることにより、スペーサ部分のレジストがエッチング中に除去されないので、エッチング量の調整で必要な高さのスペーサを傾斜パターンと同時に作成することができるようになる。
本発明におけるビーム整形用光学系は、レーザダイオード(LD)の出射光の少なくとも速軸方向の発散角を縮小または集光するためレーザダイオード(LD)の遅軸と光軸を含む面を挟んで配置された2枚の反射面を持つ基板を備え、少なくとも一方の基板の反射面にはレーザが入射する開口部分に対して出射する開口部分の間隔が大きくなるように形成された傾斜部分が設けられていることを特徴とする。レーザダイオード(LD)の出射光がこのビーム整形用光学系を通過する際、2枚の基板の反射面に対して傾きの大きい光ほど2枚の基板の反射面の間で数多く反射を繰り返しながら出射側の開口部へ伝播する。このとき、2つの反射面の間に入射側の開口よりも出射側の開口が広くなるような傾斜部が設けられているため、反射を繰り返す間にレーザビームの広がり角は小さくなっていく。この広がり角は、傾斜部分の長さ、角度、出射側開口の広さなどで自由に調整できるので、励起対象のレーザ媒質の形状や、そこから出力されるレーザのプロファイルに適した励起を行うことができるようになる。また、このような構造は半導体プロセスを利用することで比較的容易に作成できるので、小型化、大量生産が容易である。また、LDチップと同程度の大きさまで小型に作成しておけば、LDチップと同一基板上に実装することも可能であるため、LDチップとビーム整形用光学系を含めた励起光学系全体を小型にすることができる。さらに、実装時はレーザダイオード(LD)の出射光がビーム整形用光学系の入射側開口部に入射するようにすればよく、アライメントの余裕が大きく取れるので、微小なレンズを用いたビーム整形用光学系に比べてアライメントも容易になる。
以下、本発明の具体的な実施例を図面を参照して詳細に説明する。
[実施例1]
まず、本発明の第1,2の手段に係る実施例を説明する。
図1に本発明に係るビーム整形用光学系の一実施例を示す。図1の(a)はレーザダイオード(LD)の速軸を含むLD及びビーム整形用光学系の断面図、(b)はLDの遅軸を含むLD及びビーム整形用光学系の断面図である。図1において、チップ状のLD(LDチップ)11はレーザチップマウント12上に実装されており、LD11の出射側端面に近接してビーム整形用光学系13が配置されている。このビーム整形用光学系13は入射側の高さに比べて出射側の高さが大きい台形のスペーサ16を介して貼り合せされた反射面1,2を持つ2枚の基板14,15からなり、速軸方向に対する入射側開口部の間隔をd、出射側開口部の間隔をd’としたとき、d<d’であり、それぞれの反射面1,2は平行に配置した場合に対して角度θの傾きを持たせてある。
ここで、LD11から出射されビーム整形用光学系13を通ったレーザ光の分布を光線追跡法により求めた結果を図2〜5に示す。この計算において、ビーム整形用光学系13のパラメータは、d=20μm、θ=5°、L=600μm、d’=125μm、LD11の速軸側の出射光分布はガウス分布、半値幅(1/e幅)を40°(半角、以下、出射角は全て半角を示す)、遅軸側出射角の1/e幅は10°、ストライプの幅は100μmとした。図2(a)はビーム整形用光学系を通ったレーザ光の光源(LD)からの距離Iにおける光強度分布の変化を示す図である。光強度分布は階段状になっているが、これはビーム整形用光学系内で多重反射する回数の異なる光線が重ね合わされているためである。光学系の長さLを長くして反射回数を増やせば段差は少なくなるが、光学系が大きくなり反射によるロスも増加する。光学反射面の一部をランダムな角度で光を反射する拡散板にすれば、光強度分布の段差を減らし、さらに遅軸方向で特に問題になる光強度のムラも減らすことができる。この光線追跡の結果から、I=1000μmの位置では速軸方向の1/e幅は230μm、遅軸側の1/e幅は274μmとなり、ほぼ円形のビームプロファイルになることがわかる。また、1/e幅の変化よりビーム整形用光学系13からの出射光の広がり角は15.8°に変換されている。図2(b)は、d=30μmとして他を図2(a)と同条件で計算した結果である。この場合、出射光の広がり角は18.2°となっている。ビームの強度分布と広がり角は反射面の角度θ、長さL、間隔dを調整することにより調整できる。したがって、レーザ結晶の励起を行う際に、このビーム整形用光学系13を用いることで、容易に必要な部分のみを効率的に励起することができるようになる。
図3、図4はレーザダイオード−ビーム整形用光学系間の位置がずれた場合に伝播される光強度分布の変化と全光量の変化を調べたものである。より詳しく述べると、図3(a),(b)は、図1におけるレーザダイオード(LD)11とビーム整形用光学系13の距離szが変化した際の光強度分布の変化と光量の変化を示す図である。この場合、szが8μmでも殆ど光強度分布に変化は無く、光量もsz=0μmとした場合の99%が確保できている。図4(a),(b)は、図1におけるレーザダイオード(LD)11とビーム整形用光学系13の光軸がsyだけずれた場合の光強度分布の変化と光量の変化を示す図である。光強度分布はsyが変化した場合でも左右ほぼ対称であり、レンズを用いた場合と比べてビーム伝播方向の変化を少なく抑えられる。光量変化はsz=4μm,6μm,8μmの場合について求めているが、sz=8μmの場合でもsy=4μmで96%の光量を確保することができる。このように本発明のビーム整形用光学系13は位置ずれに対しても伝播できる光量や伝播方向の変化が少ないため、実装が容易であり、温度変化による基板の収縮などの位置変化に対しても大きい許容度を持たせることができる。
図1に示す実施例では、ビーム整形用光学系13の2枚の基板14,15の反射面1,2が平面の場合について説明したが、反射面1,2の形状としては、例えば図5に示すような凹面や、図6に示すような一部のみを傾斜面にしたような形状も利用できる。図5に示すように反射面1,2に凹面を利用した場合は、平面に比べて少ない反射回数でも放射角を小さくすることができるので、励起光学系の長さLを短くすることができる。また、図6に示すような反射面1,2の一部のみを傾斜面にしたような形状の場合は、光学系の配置に応じて反射面1,2の平行部の長さを調節することで、放射角とビームの幅を保ったまま任意の位置にレーザ光を照射できる。
[実施例2]
次に本発明の第4,5,6,8の手段に係る実施例を説明する。
図7に本発明のビーム整形用光学系とレーザダイオードチップ(LDチップ)を組み合わせたレーザ光源20の一実施例を示す。図7では基板を兼ねたヒートシンク17の上にLDチップ11及びビーム整形用光学系13が取り付けられている。また、図1と同様に、LDチップ11はレーザチップマウント12上に実装されており、LD11の出射側端面に近接してビーム整形用光学系13が配置されている。
本実施例のビーム整形用光学系13は、LDチップ11と同程度の大きさであり、温度変化などによる位置ずれに対しても強いので、図7のような構成で1つのパッケージに収めることが可能である。すなわち、図7に示す構成のレーザ光源20では、パッケージのベース19上に基板を兼ねたヒートシンク17が固定され、このヒートシンク17の上にレーザチップマウント12を介してLDチップ11が固定され、このLD11の出射側端面に近接してビーム整形用光学系13が配置され、ヒートシンク17に固定されている。そして、これらの部材は、光出射窓を有するパッケージ18に収納されている。
このように本発明のビーム整形用光学系13はLD11と同一パッケージに容易に実装が可能なので、より小型で固体レーザ結晶を効率的に励起できるレーザ光源20を実現することができる。
なお、このレーザ光源20を用いて固体レーザ装置を構成する場合、図示されていないが、レーザ光源20の光出射窓の外側にレーザ媒質が配置され、レーザ光源20から出射されるレーザ光をレーザ媒質が受けることになる。
次に図8は、さらに実装を容易にしたビーム整形用光学系の実施例を示している。図8ではLDチップ11とビーム整形用光学系13を1つの基板21上に実装している。この例ではLDチップ11の基板の底部から発光部までの高さをD、ビーム整形用光学系13の取り付け側の基板の底部から入射側の開口部分の下部までの高さをDBL、上部までの高さをDBHとして、
BL<D<DBH
を満たすようにビーム整形用光学系13の基板厚さを設定した。このようにしておけば、一つの基板21上にレーザチップ11とビーム整形用光学系13を直接載せた状態でレーザチップ11の光軸が常にビーム整形用光学系13の開口部の内側になるので、実装時に高さ方向の調整が不要になり、実装が容易に行える。このような構成の場合でも、ビーム整形用光学系13の反射面は、実施例1の場合と同様に凹面や一部分だけが傾斜した形状を利用することができる。
また、図8の実施例では、LDチップ11とビーム整形用光学系13を1つの基板21上に実装しているので、温度変化などによる位置ずれに対しても強く、図7と同様に1つのパッケージに収めてレーザ光源を構成することができる。
[実施例3]
次に本発明の第3,7,9の手段に係る実施例を説明する。
図9にビーム整形用光学系の作成方法の一実施例を示す。この作成方法では主に半導体やMEMSの作成で用いられているフォトリソグラフィとドライエッチングプロセスを利用している。基板14としてはこれらのプロセスで加工しやすく、入手も容易なシリコン(Si)基板を利用した。他に、石英ガラス基板なども加工が容易であり、このビーム形成光学系の作成には適している。なお、図9では1つのビーム整形用光学系のみを示しているが、実際には、ウエハ状の基板上に複数の光学系を一括して作成した後、ダイシング等により個々の光学系に切断して、複数の光学系を同時に作成している。

図9において、まず、入射側の開口部分が所定の高さになるように基板の厚さを研磨により調整する(図示せず)。次に、(1)シリコン基板14上にフォトレジスト22を塗布し、乾燥させた後、(2)フォトリソグラフィの手法を用いて、ビーム整形用光学系のパターンを露光し、現像、リンスを経て、フォトレジスト22のパターン(レジストパターン22’)を作成する。このレジストパターン22’を露光する際、反射面となる傾斜部分とスペーサ部分を同時に形成するために、フォトマスクは透過率を変調できるグレイスケールマスクを利用した。また、グレイスケールマスクを利用することにより、反射面の一部に微小な凹凸を形成して拡散板の機能を持たせることも可能である。スペーサ部分のパターンは、スペーサの高さをエッチングで調整できるようにするため、スペーサ部分のレジストが全て除去される前に基板14に転写されたスペーサが必要な高さになっている必要がある。したがって、必要なスペーサの高さをh、スペーサ用のパターンの高さをh’とした場合、
h’≧h/s
s:エッチングの選択比=基板のエッチングレート/レジストのエッチングレート
となるようにしておく必要がある。
続いて、(3)レジストパターン22’をエッチングマスクとして、異方性ドライエッチングを行い、レジストパターンをシリコン基板14に転写する。ここでは数10μmの比較的深いエッチングが必要になるが、ICPエッチャーなどの高密度プラズマを利用した高速エッチャーを利用すれば容易にエッチングを行なうことができる。次に、(4)必要に応じて基板表面に反射膜23をコーティングする。微小な光学部品への反射膜や反射防止膜のコーティングは、固定方法などの問題でかなり難しいが、本実施例の場合は、大きな基板上に複数の光学部品をまとめて作成しているので、容易にコーティングを行なうことができる。
次に、(5)上記の(1)〜(4)の工程でスペーサ部と反射膜23を形成した基板14上に、同様の工程でスペーサ部と反射膜24を形成した別の基板15を貼り合わせる。(6)この後、複数の光学系が一括して形成された貼り合わせ基板14,15をダイシング等により切断して、1つ1つの光学系に分割することにより、多数のビーム整形用光学系13を同時に完成することができる。このような作成方法を用いることにより、本発明のビーム整形用光学系を容易に作成することが可能になり、また、量産化も可能になる。
以上説明したように、本発明では、小型化が容易で励起光の利用効率が高く、出射される光の均一性が高く、実装の容易なレーザダイオード用のビーム整形用光学系を実現することができる。従って、このビーム整形用光学系を利用することにより、小型で固体レーザ結晶を効率的に励起できるレーザ光源を実現することができる。そして、このレーザ光源はレーザダイオード励起固体レーザ装置に応用でき、レーザ加工装置、レーザプリンター、レーザスキャンディスプレー、レーザ計測装置、医療装置、分析装置等のレーザを利用した様々な装置に利用することができる。
本発明に係るビーム整形用光学系の一実施例を示す図であって、(a)はLDの速軸を含むLD及びビーム整形用光学系の断面図、(b)はLDの遅軸を含むLD及びビーム整形用光学系の断面図である。 図1に示すビーム整形用光学系を通ったレーザ光の光源(LD)からの距離における光強度分布の変化を示す図である。 図1におけるレーザダイオード(LD)とビーム整形用光学系の距離szが変化した際の光強度分布の変化と光量の変化を示す図である。 図1におけるレーザダイオード(LD)とビーム整形用光学系の光軸がsyだけずれた場合の光強度分布の変化と光量の変化を示す図である。 本発明に係るビーム整形用光学系の別の実施例を示す概略断面図である。 本発明に係るビーム整形用光学系のさらに別の実施例を示す概略断面図である。 本発明のビーム整形用光学系とLDチップを組み合わせたレーザ光源の一実施例を示す概略断面図である。 本発明に係るビーム整形用光学系のさらに別の実施例を示す概略断面図である。 本発明に係るビーム整形用光学系の作成方法の一実施例を示す工程説明図である。 従来技術の一例を示す固体レーザ装置の構成説明図である。 従来技術の別の例を示す固体レーザ装置の概略断面図である。 従来技術のさらに別の例を示す固体レーザ装置の概略断面図である。
符号の説明
1,2:反射面
11:レーザダイオード(LD)
12:レーザチップマウント
13:ビーム整形用光学系
14,15:基板
16:スペーサ
17:ヒートシンク
18:パッケージ
19:ベース
20:レーザ光源
21:基板
22:フォトレジスト
22’:レジストパターン
23,24:反射膜

Claims (9)

  1. ストライプ状の光源形状を持ち、ストライプと直交方向と平行方向で発散角の異なるレーザ光を出射するレーザダイオードの出射光の少なくとも直交方向の発散角を縮小または集光するためのビーム整形用光学系において、
    前記レーザダイオードのストライプと光軸を含む面を挟んで配置された2枚の反射面を持つ基板を備え、少なくとも一方の基板の反射面にはレーザが入射する開口部分に対して出射する開口部分の間隔が大きくなるように形成された傾斜部分が設けられており、前記基板の反射面の傾斜部分は凹面であることを特徴とするビーム整形用光学系。
  2. ストライプ状の光源形状を持ち、ストライプと直交方向と平行方向で発散角の異なるレーザ光を出射するレーザダイオードの出射光の少なくとも直交方向の発散角を縮小または集光するためのビーム整形用光学系において、
    前記レーザダイオードのストライプと光軸を含む面を挟んで配置された2枚の反射面を持つ基板を備え、少なくとも一方の基板の反射面にはレーザが入射する開口部分に対して出射する開口部分の間隔が大きくなるように形成された傾斜部分が設けられており、少なくとも前記反射面の一部が拡散板の機能を持つことを特徴とするビーム整形用光学系。
  3. 請求項1または2記載のビーム整形用光学系において、
    前記基板の材料として、シリコンもしくは石英ガラスを用いたことを特徴とするビーム整形用光学系。
  4. レーザダイオードと、請求項1〜3のいずれか一つに記載のビーム整形用光学系とを備え、前記レーザダイオードと前記ビーム整形用光学系とが同一のパッケージ内に実装されていることを特徴とするレーザ光源。
  5. ストライプ状の光源形状を持ち、ストライプと直交方向と平行方向で発散角の異なるレーザ光を出射するレーザダイオードの出射光の少なくとも直交方向の発散角を縮小または集光するためのビーム整形用光学系において、
    前記レーザダイオードのストライプと光軸を含む面を挟んで配置された2枚の反射面を持つ基板を備え、少なくとも一方の基板の反射面にはレーザが入射する開口部分に対して出射する開口部分の間隔が大きくなるように形成された傾斜部分が設けられており、ビーム整形を行うレーザダイオードの基板の底部から発光部までの高さをD 、ビーム整形用光学系の取り付け側の基板の底部から入射側の開口部分の下部までの高さをD BL 、上部までの高さをD BH とした場合に、
    BL <D <D BH
    を満たし、前記基板の反射面の傾斜部分は凹面であることを特徴とするビーム整形用光学系。
  6. ストライプ状の光源形状を持ち、ストライプと直交方向と平行方向で発散角の異なるレーザ光を出射するレーザダイオードの出射光の少なくとも直交方向の発散角を縮小または集光するためのビーム整形用光学系において、
    前記レーザダイオードのストライプと光軸を含む面を挟んで配置された2枚の反射面を持つ基板を備え、少なくとも一方の基板の反射面にはレーザが入射する開口部分に対して出射する開口部分の間隔が大きくなるように形成された傾斜部分が設けられており、ビーム整形を行うレーザダイオードの基板の底部から発光部までの高さをD、ビーム整形用光学系の取り付け側の基板の底部から入射側の開口部分の下部までの高さをDBL、上部までの高さをDBHとした場合に、
    BL<D<DBH
    を満たし、少なくとも前記反射面の一部が拡散板の機能を持つことを特徴とするビーム整形用光学系。
  7. 請求項5または6記載のビーム整形用光学系において、
    前記基板の材料として、シリコンもしくは石英ガラスを用いたことを特徴とするビーム整形用光学系。
  8. レーザダイオードと、請求項5〜7のいずれか一つに記載のビーム整形用光学系とを備え、前記レーザダイオードと前記ビーム整形用光学系とが同一のパッケージ内に実装されていることを特徴とするレーザ光源。
  9. 請求項1〜3、5〜7のいずれか一つに記載のビーム整形用光学系を作成するビーム整形用光学系の作成方法において、
    2枚の平坦な面を持つ基板上の少なくとも1枚に傾斜部分を持つレジストパターンを作成する工程と、異方性ドライエッチングによりレジストパターンの形状を基板に転写する工程と、反射面の間隔を規定するためのスペーサを介して2枚の基板を貼り合わせる工程とを含み、
    前記レジストパターンを作成する際に、傾斜部分と同時にスペーサ用のパターンを形成し、必要なスペーサの高さをh、スペーサ用のパターンの高さをh’とした場合に、
    h’≧h/s
    s:エッチングの選択比=基板のエッチングレート/レジストのエッチングレート
    とすることを特徴とするビーム整形用光学系の作成方法。
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