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JP4538955B2 - エーテル化合物の電解質を用いた光電変換素子 - Google Patents
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JP4538955B2 - エーテル化合物の電解質を用いた光電変換素子 - Google Patents

エーテル化合物の電解質を用いた光電変換素子 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、高イオン伝導性を有するエーテル化合物の電解質を用いた光電変換素子に関する。
関連技術
従来、電気化学的な各種デバイスに有機溶剤のイオン伝導体が注目されている。特に太陽電池用に使われる光電変換素子用のイオン伝導体として、炭酸エステルやテトラヒドロフランなどの有機溶剤にヨウ素とヨウ化カリウムを添加した電解質などが提案されている。しかし、これらの電解液は蒸気圧が高く、光電変換素子の耐久性の阻害になっており、特に太陽電池分野では10年以上の耐久性が必要であり、イオン伝導性、安全性およびシール安定性の優れた電解質が望まれている。
発明の要旨
本発明者らは、エーテル化合物(I)、(II)、(III)または(IV):(A)に、ヨウ素とヨウ素化合物の組み合わせあるいは臭素と臭素化合物の組み合わせからなる酸化還元対(B)を添加することにより所望の電解質が得られ、更にこの電解質は、太陽電池などの光電変換素子に応用するために有用であることを見出して本発明を完成した。すなわち、本発明は、充分なイオン伝導性と優れた安定性を有する電解質を用いることにより、長期安定性に優れた光電変換素子を提供する。
本発明者らは、エーテル化合物(I)、(II)、(III)または(IV):(A)に、ヨウ素とヨウ素化合物の組み合わせあるいは臭素と臭素化合物の組み合わせからなる酸化還元対(B)を添加することにより所望の電解質が得られ、更にこの電解質は、太陽電池などの光電変換素子に応用するために有用であることを見出して本発明を完成した。すなわち、本発明は、充分なイオン伝導性と優れた安定性を有する電解質を用いることにより、長期安定性に優れた光電変換素子を提供する。
本発明は、
(A)式(I)、(II)、(III)または(IV):
Figure 0004538955
[式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R101、R102、R103、R104、R105は、水素原子、または−O(CHCHO)−A(但し、Aはアルキル基またはアルケニル基、aは1〜12の数)である。但し、式(I)、(II)、(III)および(IV)のそれぞれにおいて、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R101、R102、R103、R104、R105の全てが同時に水素原子であることはない。Aは、−(CH−(但し、bは1〜12の数)又は−O(CHCHO)−(但し、cは1〜12の数)である。]
で示されるエーテル化合物、ならびに
(B)ヨウ素とヨウ素化合物の組み合わせまたは臭素と臭素化合物の組み合わせからなる酸化還元対
を含んでなる電解質を用いた光電変換素子を提供する。
発明の詳細な説明
式(I)、(II)、(III)および(IV)において、Aの例は、メチル基、エチル基、プロピル基、エテニル基(CH=CH−)などである。
エーテル化合物におけるエチレンオキシド単位(−CHCHO−)の総数は、1〜20、例えば、3〜12であってよい。R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R101、R102、R103、R104、R105は、同様または異なっていてよい。
式(I)の構造式が式(I−1)で表されるエーテル化合物の合成法は次のとおりである。
Figure 0004538955
[R17、R18、R19は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基より選ばれる基である。l、m、nは0〜12である。但し、l、m、nの全てが同時に0であることはない。]
式(I−1)において、l+m+nの合計は、好ましくは2以上、更に好ましくは3以上である。
(Step1)
(a)式のグリシジルエーテルに対し、3倍モル量の(b)式のアルコールと1.1倍モル量のペレット状のNaOHをフラスコに入れて攪拌し、70℃でグリシジルエーテル(a)を滴下する。滴下終了後、約1時間攪拌した後、HCl水溶液で反応液を中和する。ろ過、濃縮後、蒸留により中間体の(d)式のアルコールを得る。
Figure 0004538955
(Step2)
次に、中間体アルコール(d)式と、その1.5倍モル量のペレット状のNaOHをフラスコに入れ攪拌し、60℃で、中間体アルコールの1.5倍モル量の(c)式の化合物を滴下する。滴下終了後、約2時間攪拌し、ろ過後、精製し、(I−1)式の化合物を得る。
式(III)の構造式が式(III−1)で表されるエーテル化合物の合成法は次のとおりである。
Figure 0004538955
[R20、R21、R22、R23は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基より選ばれる基である。o、p、q、r、sは0〜12である。但し、o、p、q、r、sの全てが同時に0であることはない。]
上記式(III−1)において、o+p+q+r+sの合計は、好ましくは2以上、更に好ましくは3以上、例えば4以上である。
(I−1)式の合成法のStep1と同様の方法で、(e)、(f)式のアルコールを合成する。
Figure 0004538955
(e)と(f)の等モル混合物に、(e)、(f)を合わせたモル数と同モル数のNaOHを加え、70℃で攪拌し、その1/2のモル数の(g)式の化合物を滴下する。
Cl−(−CH−CH−O−)s−1−CH−CH−Cl (g)
滴下終了後、約2時間攪拌し、ろ過後、精製し、(III−1)式の化合物を得る。
式(IV)の構造式が式(IV−1)で表されるエーテル化合物の合成法は次のとおりである。
Figure 0004538955
[R24、R25、R26、R27は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基より選ばれる基である。t、u、v、wは0〜12である。但し、t、u、v、wの全てが同時に0であることはない。]
上記式(IV−1)において、t+u+v+wの合計は、好ましくは2以上、更に好ましくは3以上、例えば4以上である。
(Step1)
(I−1)式の合成法のStep1と同様の方法で、(h)式のアルコールを合成する。
Figure 0004538955
(h)式のアルコールに対し、3〜5倍モル量のエピクロロヒドリンと1.5倍モル量のペレット状のNaOHをフラスコに入れ、攪拌し、40℃で(h)式のアルコールを滴下する。滴下終了後、約2時間攪拌した後、ろ過、濃縮後、蒸留により、グリシジルエーテル(i)を得る。
Figure 0004538955
(Step2)
グリシジルエーテル(i)に対し、2倍モル量の(j)式のアルコールと1.1倍モル量のペレット状のNaOHをフラスコに入れ攪拌し、70℃でグリシジルエーテル(i)を滴下する。
滴下終了後、約1時間攪拌した後、HCl水溶液で反応液を中和する。ろ過、濃縮後、蒸留により、中間体アルコール(k)を得る。
Figure 0004538955
(Step3)
次に、中間体アルコール(k)と、その1.5倍モル量のペレット状のNaOHをフラスコに入れ、攪拌し、60℃で中間体アルコール(k)の1.5倍モル量の(l)式の化合物を滴下する。滴下終了後、約2時間攪拌し、ろ過後、精製し、(IV−1)式の化合物を得る。
Cl−(−CH−CH−O−)−R26 (l)
式(II)のエーテル化合物も上記と同様の操作により、得ることができる。 本発明でいう酸化還元対(B)とは、可逆的酸化還元反応を行う一対の化合物で、酸化体・還元体を独立に系内に添加したとき、速やかに電気化学的平衡に達するような物質を意味する。酸化還元対は、ヨウ素−ヨウ素化合物の組み合わせまたは臭素−臭素化合物の組み合わせである。
ヨウ素−ヨウ素化合物の組み合わせの酸化還元対は、例えばIとLiI、NaI、KI、CsI、CaI等の金属ヨウ化物の組み合わせ、またはIとアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩もしくはそれらを側鎖に持つ高分子化合物等の組み合わせにより構成されることが好ましい。
臭素−臭素化合物の組み合わせの酸化還元対は、例えばBrとLiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr等の金属臭化物、あるいは、Brとアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイドなどの4級アンモニウム化合物の臭素塩またはそれらを側鎖に持つ高分子化合物等の組み合わせにより構成されることが好ましい。
酸化還元対の混合割合は、混合するエーテル化合物と任意に選択することが出来る。一般に酸化還元対の混合量が多いほど高いイオン伝導度を示す電解質を得ることが出来る。しかし、混合量が多すぎると、イオンの解離が起こりにくくなり、伝導度が低下してくる。また、酸化還元対の平衡電位が問題になる場合は、必要な平衡電位が得られるよう混合量を調整することができる。
本発明において、上記酸化還元対の使用量は、エーテル化合物100重量部に対して1〜50重量部、例えば5〜35重量部であってよい。
酸化還元対におけるヨウ素:ヨウ素化合物(および臭素:臭素化合物)のモル比は、1:5〜5:1が好ましい。
本発明の電解質の製造方法は特に制約はないが、通常、エーテル化合物(A)、酸化還元対(B)が混合できればよい。
酸化還元対(B)をエーテル化合物(A)に混合する方法は特に制約されないが、酸化還元対(B)を直接、エーテル化合物(A)に混合させる方法、酸化還元対(B)を含む有機溶媒にエーテル化合物(A)を混合させる方法などがある。粘性の高いあるいは固体状のエーテル化合物の場合は、有機溶媒(例えば、アセトニトリル)を用いて電解質製造の後に有機溶媒を除去する。
本発明において光電変換素子とは、電極間の電気化学反応を利用して、光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子である。この光電変換素子に光を照射すると、一方の電極で電子が発生し、電極間に設けられた電線を通って対電極に移動する。対電極に移動した電子は、本発明のエーテル化合物よりなる電解質中の酸化還元対を還元する。還元された酸化還元対は、エーテル化合物よりなる電解質中を陰イオンとして一方の電極から他方の電極へ移動して、他方の電極に達し自らは酸化体に戻ることで、電子を他方の電極に戻す。このようにして、本発明の光電変換素子は、光エネルギーを電気エネルギーに変換できる素子またはセンサーである。又、光に応答するところから光センサーとしての機能も有する。
光電変換素子は、エーテル化合物の電解質および一対(2つ)の電極を有してなる。
電極としては、ガラス板(光を透過する透明の保護材)に付着された導電体が挙げられる。電極を有するガラス板は、導電性材料(例えば、金属、酸化物半導体、特にインジウム−錫酸化物(ITO)をコーティングしたガラス板であってよい。
透明電極に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、タンタル酸カリウム、酸化タングステン、酸化鉄などの酸化物半導体、硫化カドミウム、CdTe、ケイ素、フタロシアニン、ポリチエニレン、ポリピロール、ポリアニリンなどの半導体、または、前記の酸化物半導体や半導体を色素や他の無機物で増感したものなどを一層または二層以上担持させると、より好ましい光電変換素子が得られる。すなわち、本発明の光電変換素子は、エーテル化合物よりなる電解質、半導体(例えば、n型半導体またはp型半導体)を含んでなる1つの電極、半導体(例えば、p型半導体またはn型半導体)または金属である1つの対電極を有してなってよい。
電極に担持する半導体としては、酸化物半導体が好ましく、特に、酸化チタンまたは色素で増感した酸化チタンが、安定性、安全性、価格の点から好ましい。色素としては、有機金属錯体、例えばルテニウム−ビピリジン錯体、特にシス−ジ(チオシアナト)−N,N’−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸)ルテニウム(II)(cis−di(thiocyanato)−N,N’−bis(2,2’−bipyridyl−4,4’−dicarboxylic acid)ruthenium(II))を用いることができる。
電解質を電極上に設けるには、電解質を直接電極に含浸あるいは不織布に含浸する方法などを採用することが出来る。もしくは、電極間にスペーサーを設けても良い。このようにして電解質を電極上に設けた後、電解質上に対電極を設けて、本発明の光電変換素子を得ることが出来る。
光電変換素子に本発明のエーテル化合物の電解質を用いると、優れたイオン伝導性を有しかつ優れた安定性を有するものであるため、良好な変換効率を有する光電変換素子を得ることが出来る。
本発明の光電変換素子は、太陽電池、光センサー等として使用できる。
図1は、実施例4で得られた光電変換素子の断面図である。光電変換素子は、ガラス板1および6、電極2および5、半導体層3およびエーテル化合物の電解質層4を有する。
透明のガラス板1および6は、光電変換素子を保護し、かつ光を透過する。ガラス板1および6の厚さは0.1〜5mmであって良い。電極2は、透明なITO(インジウム−錫酸化物)であって良い。電極2の厚さは、2〜100μmであって良い。層3は、多孔質TiOからなり、光からホールと電子を発光させる。電解質層4は、エーテル化合物と電解質化合物から成り、イオンのキャリア層として機能する。電解質層4の厚さは5〜1000μmであって良い。電極5は、金属(例えば、金および白金)からできている事が好ましい。電極5の厚さは、2〜100μmであって良い。
光電変換素子の側面は、樹脂7で封止されていることが好ましい。樹脂7の例は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等である。電極2および電極5にはリード線8が接続されている。リード線8は、導電性ペースト(図示せず)によって電極2および5に取付られている。導電性ペーストの例は、銀ペースト、カーボンペースト等である。
実施例
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
エーテル化合物の特性を以下のとおり測定した。
イオン伝導度(導電率)
イオン伝導度(導伝率σ)は、複素インピーダンス測定により求めた。測定は40℃、電圧10mV、周波数5Hz〜13MHzの交流法を用いた。
合成例1(エーテル化合物(i)の合成)
(Step1)
ジエチレングリコールモノメチルエーテル360g(3.0モル)にペレット状のNaOH44.0g(1.1モル)を加え、70℃で攪拌しながら、2−(2−メトキシエトキシ)エチルグリシジルエーテル176g(1.0モル)を少量ずつ滴下した。滴下終了後、約1時間攪拌した後室温で放冷した。その後、塩酸で中和し、析出した塩をろ過し、濃縮した後、減圧蒸留により精製し、1,3−ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−2−プロパノール222g(収率75%)を得た。蒸留温度は171〜175℃/0.8mmHgであった。
(Step2)
Step1で得られた1,3−ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−2−プロパノール100g(0.34モル)にペレット状のNaOH20.4g(0.51モル)を加え、60℃で攪拌しながら、2−クロロエチルメチルエーテル48.2g(0.51モル)を少量ずつ滴下した。滴下終了後、約2時間攪拌し、析出した塩をろ過し、濃縮した後、減圧蒸留により精製し、1,3−ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−2−(2−メトキシエトキシ)プロパン(i)102g(収率85%)を得た。蒸留温度は155〜161℃/0.2mmHgであった。
Figure 0004538955
合成例2(エーテル化合物(ii)の合成)
合成例1のStep1と同様の方法で合成した1,3−ビス(2−メトキシエトキシ)−2−プロパノール100g(0.48モル)にペレット状のNaOH9.6g(0.24モル)を加え、70℃で攪拌しながら2−クロロエチルエーテル11.4g(0.08モル)を少量ずつ滴下した。滴下終了後、約2時間攪拌した後、室温で放冷した。その後、析出した塩をろ過し、濃縮した後、減圧下(180℃/0.1mmHg)で低沸物を除いて、(ii)式の化合物31.2g(収率80%)を得た。
Figure 0004538955
合成例3(エーテル化合物(iii)の合成)
(Step1)
エピクロロヒドリン506g(5.5モル)にペレット状のNaOH68.0g(1.7モル)を加え、40℃で攪拌しながら、合成例1のStep1と同様の方法で合成した1−(2−メトキシエトキシ)−3−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−2−プロパノール278g(1.1モル)を少量ずつ滴下した。滴下終了後、約2時間攪拌した後室温で放冷した。その後、析出した塩をろ過し、濃縮した後、減圧蒸留により精製し、1−(2−メトキシエトキシ)−3−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]プロピル−2−グリシジルエーテル231g(収率68%)を得た。蒸留温度は143〜147℃/0.3mmHgであった。
(Step2)
次に、エトキシエタノール117g(1.3モル)にペレット状のNaOH28.8g(0.72モル)を加え、70℃で攪拌しながら、Step1で得られた1−(2−メトキシエトキシ)−3−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]プロピル−2−グリシジルエーテル200g(0.65モル)を少量ずつ滴下した。滴下終了後約1時間攪拌した後、室温で放冷した。その後、塩酸で中和し、析出した塩をろ過し、濃縮した後、減圧蒸留により、精製し、(m)式の化合物184g(収率71%)を得た。蒸留温度は185〜192℃/0.1mmHgであった。
Figure 0004538955
(Step3)
Step2で合成した(m)式の化合物150g(0.38モル)にペレット状のNaOH22.8g(0.57モル)を加え、60℃で攪拌しながら、2−クロロエチルメチルエーテル53.9g(0.57モル)を少量ずつ滴下した。滴下終了後、約2時間攪拌し、析出した塩をろ過し、濃縮した後、減圧下(180℃/0.1mmHg)で低沸物を除いて、(iii)式の化合物134g(収率77%)を得た。
Figure 0004538955
実施例1
合成例1で製造したエーテル化合物(i)1g、オリゴエチレングリコールジメチルエーテル(分子量:400)1g、ヨウ化リチウム200mgおよびヨウ素50mgを混合した。この混合物のイオン伝導度を測定したところ7.4×10−3S/cmであった。
実施例2
合成例2で製造したエーテル化合物(ii)1g、ヨウ化リチウム400mg及びヨウ素100mgを混合し、イオン伝導度を測定したところ8.2×10−3S/cmであった。
実施例3
合成例3で製造したエーテル化合物(iii)を実施例2と同様にイオン伝導度を測定したところ、9.2×10−3S/cmであった。
実施例4
1)エーテル化合物の合成例で得たそれぞれの化合物((i)〜(iii))1gとヨウ化リチウム300mgを混合し電解質化合物を得た。スパッタ法により白金をコートした透明ガラス板(ガラス厚:2mm、白金厚:20μm)に不織布(厚み50μm)を被せ、不織布に電解質化合物を染み込ませた後、ヨウ素雰囲気下に2時間暴露させた。
2)対電極として、ITO(インジウム−錫酸化物)をスパッタ法によりコーティングした透明ガラス板(ガラス板の厚さ:2mm、ITO膜の厚さ:20μm)に酸化チタンの懸濁液を塗布し、乾燥後、焼結して多孔質酸化チタン被膜(厚さ:10μm)を形成した。得られた多孔質酸化チタン被膜1cm当たり、増感色素として、シス−ジチオシアナト−N,N’−ビス(2、2−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸)ルテニウム(II)のルテニウム−ビピリジン錯体を100μg吸着させた。その後、1)と同様に作成した電解質化合物を酸化チタン層に含浸させた。
1)および2)で作製した電解質及び電極を貼り合わせながら側面をエポキシ樹脂で封止した後、導電性ペースト(銀ペースト)によりリード線(銅線)を白金電極およびITO電極に取り付けて光電変換素子を得た。光電変換素子は、図1に示すようなものであった。
AM1.5のソーラーシミュレータを光源として、96W/mの光を照射して、電流の光応答性を測定した。エーテル化合物(i)を使用した半導体層3および電解質層4を有する光電変換素子、エーテル化合物(ii)を使用した半導体層3および電解質層4を有する光電変換素子、エーテル化合物(iii)を使用した半導体層3および電解質層4を有する光電変換素子において、それぞれ安定な一定の電流[1.0mA(化合物(i)の場合)、1.2mA(化合物(ii)の場合)、1.1mA(化合物(iii)の場合)]を発生し続けた。
このことから、本発明の高分子固体電解質は、光照射により直流電流を継続して流し、光電変換素子が太陽電池として良好に機能していることがわかった。
発明の効果
安定性に優れた電解質を使用した本発明の光電変換素子は、光照射により直流電流を継続的に流し、効率よくイオンを輸送できる。本発明の光電変換素子は、太陽電池として良好に機能する。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例4で得られた光電変換素子の断面図である。

Claims (4)

  1. (A)式(I)、(II)、(III)または(IV):
    Figure 0004538955
    [式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R101、R102、R103、R104、R105は、水素原子、または−O(CHCHO)−A(但し、Aはアルキル基またはアルケニル基、aは1〜12の数)である。但し、式(I)、(II)、(III)および(IV)のそれぞれにおいて、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R101、R102、R103、R104、R105の全てが同時に水素原子であることはない。Aは、−(CH−(但し、bは1〜12の数)又は−O(CHCHO)−(但し、cは1〜12の数)である。]
    で示されるエーテル化合物、ならびに
    (B)ヨウ素とヨウ素化合物の組み合わせまたは臭素と臭素化合物の組み合わせからなる酸化還元対
    を含んでなる電解質を用いた光電変換素子。
  2. 式(I)の構造式が式(I−1)で表される請求項1に記載の光電変換素子。
    Figure 0004538955
    [R17、R18、R19は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基より選ばれる基である。l、m、nは0〜12である。但し、l、m、nの全てが同時に0であることはない。]
  3. 式(III)の構造式が式(III−1)で表される請求項1に記載の光電変換素子。
    Figure 0004538955
    [R20、R21、R22、R23は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基より選ばれる基である。o、p、q、r、sは0〜12である。但し、o、p、q、r、sの全てが同時に0であることはない。]
  4. 式(IV)の構造式が式(IV−1)で表される請求項1に記載の光電変換素子。
    Figure 0004538955
    [R24、R25、R26、R27は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基より選ばれる基である。t、u、v、wは0〜12である。但し、t、u、v、wの全てが同時に0であることはない。]
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