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JP4540833B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車,自転車等の前輪側車軸と車体との間に介装されるフロントフォーク又は後輪車軸と車体との間に介装されるリヤクッションユニット等の使用に適し、特に圧縮作動時のストローク位置に依存して減衰力を変化できる油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車のフロントフォークとして使用される油圧緩衝器としては例えば、実開昭60−20493号公報、実開昭60−184791号公報、実開昭52−146461号公報、特開平1−190595号公報に開示されたものが開発されている。
【0003】
実開昭60−20493号公報に示す油圧緩衝器はダンパー内の圧力変化を利用して減衰力を変化させるものであり、この油圧緩衝器の懸架ばね特性はコイルスプリングと内部の体積変化を補償するエアー室の気体ばねとの合成特性としている。
【0004】
実開昭60−184791号公報に開示されている油圧緩衝器は懸架ばね荷重の変化を利用して減衰力を変化させるものである。
【0005】
実開昭52−146461号公報に開示されている油圧緩衝器は、ストローク位置により減衰力発生用の絞り流路面積を順次変化させて減衰力を変化させるものであり、ストローク位置に対応して確実に減衰力を変化させることが可能であり、かつ伸圧両方向で位置依存による減衰力特性が得られる。
【0006】
更に特開平1−190595号公報に示す油圧緩衝器もストローク位置に対応して電気的に減衰力を変化させるものであり、その為に電気制御システムを備えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に示す油圧緩衝器にはそれぞれ次のような不具合があり、その改善が望まれている。
【0008】
第1に、実開昭60−20493号公報の油圧緩衝器はダンパー内の圧力変化を利用して減衰力を変化させ、気体ばねとの合成の特性を得るものであるために圧縮作動に基づくダンパー内の圧力を上昇させる圧側減衰力発生用の圧側バルブのバルブ特性が気体ばね特性を変えると変化してしまう。即ち、気体ばね特性とバルブ特性の設定上の融通性がない。伸側減衰力も内圧に依存して変化させようとすれば圧側バルブのように伸側バルブも構成しなければならず構造的に複雑となってしまう不具合がある。
【0009】
第2に、実開昭60−184791号に示す油圧緩衝器では圧縮作動に基づく懸架ばね荷重の上昇を利用して圧側バルブの減衰力を変化させるようにしているため、懸架ばね特性が変わると圧側バルブの減衰力特性も変わってしまうことになり、懸架ばね特性とバルブ特性の設定上の融通性がない。更に伸側減衰力も懸架ばね荷重に依存して変化させようとすれば伸側バルブも圧側バルブのように構成しなければならず構造的に複雑となってしまう。
【0010】
第3に、実開昭57−146461号公報に示す油圧緩衝器はストローク位置に対応して確実に減衰力を変化させることができ且つ伸圧両方向でストローク位置に応じて減衰力特性を得ることができるが、高速作動による流量増加で二乗特性の減衰力が急激に大きくなって車両の乗り心地が悪くなる不具合がある。
【0011】
第4に、特開平1−190595号公報に示す油圧緩衝器も電気制御システムを利用してストローク位置に対応する減衰力を得ることができるが電気制御システムがどうしても必要となり、コストアップとなってしまう不具合がある。
【0012】
そこで、本発明の目的は、減衰力特性の設定に融通性があり、減衰力が急激に大きくならず、構造が簡単でコストダウンを図れ、圧縮ストローク位置に依存する減衰力が得られる油圧緩衝器を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の一つの手段は、シリンダ内にピストンを介してピストンロッドを移動自在に挿入すると共に当該ピストンロッドが上記シリンダの端部に設けたシールを介して案内され、ピストンはシリンダ内にロッド側油室と反ロッド側油室とを区画し、二つの油室はピストンに設けた伸側減衰バルブと圧側チェック弁を介して連通し、反ロッド側油室は圧側減衰バルブと伸側チェック弁とからなるベースバルブを介してリザーバに連通し、ピストンロッドが懸架スプリングを介して常時伸び方向に付勢されている油圧緩衝器に於て、ピストンロッドはピストン近傍の任意の長さの小径部と、この小径部を上方に向けて拡径する円錐部で連設された大径部とで構成し、上記シールを拡径又は縮径可能なバンド又はリング、又は伸縮自在なリップを備えたゴム材で構成させ、圧縮作動時の途中から上記円錐部と大径部がシリンダ内に侵入した時ロッド侵入体積の増加に起因して上記圧側減衰バルブを通過する作動油の通過流量を増大させ、ピストンロッドの圧縮ストロークの位置に依存して上記圧側減衰バルブによる減衰力を高くすることを特徴とするものである。
【0014】
同じく、他の手段は、 車体側アウターチューブ内に車軸側インナーチューブが摺動自在に挿入され、インナーチューブの底部中央にシリンダを起立し、シリンダ内にピストンを介してピストンロッドを移動自在に挿入すると共に当該ピストンロッドが上記シリンダの端部に設けたシールを介して案内され、ピストンはシリンダ内にロッド側油室と反ロッド側油室とを区画し、二つの油室はピストンに設けた伸側減衰バルブと圧側チェック弁を介して連通し、反ロッド側油室は圧側減衰バルブと伸側チェック弁とからなるベースバルブを介してリザーバに連通し、ピストンロッドが懸架スプリングを介して常時伸び方向に付勢されている油圧緩衝器に於て、ピストンロッドはピストン近傍の任意の長さの小径部と、この小径部を上方に向けて拡径する円錐部で連設された大径部とで構成し、上記シールを拡径又は縮径可能なバンド又はリング、又は伸縮自在なリップを備えたゴム材で構成させ、圧縮作動時の途中から上記大径部がシリンダ内に侵入した時ロッド侵入体積の増加に起因して上記圧側減衰バルブを通過する作動油の通過流量を増大させ、ピストンロッドの圧縮ストロークの位置に依存して上記圧側減衰バルブによる減衰力を高くすることを特徴とするものである。
【0017】
同じく、ピストンロッドがピストンとシリンダの端部に設けたシールを介して案内され、上記シールが伸縮自在なリップを備えたゴム材からなるものであっても良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図にもとづいて説明する。
【0019】
本実施の形態ではアウターチューブとインナーチューブを備えたフロントフォークについて説明するが、このようなアウターチューブとインナーチューブを備えないリヤクッションユニットやその他の一般的な油圧緩衝器にも本発明が適用されることはいうまでもない。
【0020】
図1は自動二輪車のフロントフオークとして適用される油圧緩衝器の一実施の形態を示す。
【0021】
この油圧緩衝器は倒立型フロントフォークとして使用されるものであり、その基本構造は、車体側アウターチューブ1内に車軸側インナーチューブ2が摺動自在に挿入され、インナーチューブ2の底部中央にダンパーとしてのシリンダ3を起立し、シリンダ3内にピストン4とシール17とを介してアウターチューブ1と連動するピストンロッド5を移動自在に挿入し、ピストン4はシリンダ3内にロッド側油室6と反ロッド側油室7とを区画し、二つの油室6,7はピストン4に設けた伸側減衰バルブ9と圧側チェック弁10を介して連通し、反ロッド側油室7は圧側減衰バルブ11と伸側チェック弁12とからなるベースバルブ13を介してリザーバ8に連通し、ピストンロッド5とアウターチューブ1とが懸架スプリング14を介して常時伸び方向に付勢されているものである。
【0022】
本発明では、更にピストンロッド5はピストン4近傍の任意の長さの小径部5aとこの小径部5aの上方に連続する大径部5bとに成形されている。この場合、小径部5aと大径部5bとは本実施の形態では勾配が外側上方に向けて拡径する任意の長さの円錐部5cを介して滑らかに連続して一体成形されたものである。但し、小径部5aの上部に大径部5bを直接連設し、大径部の下端段部外周をテーパにしたり弯曲させたものでも良い。
【0023】
リザーバ8はアウターチューブ1とインナーチューブ2内の上方気体室8aと下方の油室8bとで構成され、このリザーバ8はシリンダ3の下方に形成したポート18を介してベースバルブ13下方の油室19に接続している。この場合、一般的な油圧緩衝器では油室19がシリンダ3の外部に配設したリザーバとしてのタンクに接続される。懸架スプリング14はシリンダ3の上端とアウターチューブ1の上端キャップ20との間に介装されている。一般的な油圧緩衝器では懸架スプリングはシリンダ3側のシートとピストンロッド15側のシートとの間に介装される。
【0024】
ピストンロッド5はピストン4とシリンダ3の端部に設けたシール17を介して案内されているが、シール17は拡径又は縮径可能な金属,ゴム又は合成樹脂からなるバンド又はリングから構成されている。このシール17はリップを備えたものでも良く、例えば、ピストンロッド5がピストン4とシリンダ3の端部に設けたシール17を介して案内され、このシール17を撓み自在なリップを備えたゴム材から成形し、ピストンロッド5の表面に追従して拡径又は縮径するようにすればリップも追従して作動油の洩れを防止できる。
【0025】
上記の油圧緩衝器が自動二輪車の倒立型のフロントフォークとして使用される場合には、アウターチューブ1が車体側に結合され、インナーチューブ2が前輪側車軸に結合される。
【0026】
他方、アウターチューブ1とインナーチューブ2を備えない一般的な油圧緩衝器として使用される場合は、ピストンロッド5が車体側に結合され、シリンダ3が車軸側に結合される。
【0027】
次に作動について述べる。
【0028】
伸長作動時にはピストンロッド5とアウターチューブ1が上昇し、この時高圧となるロッド側油室6の油が伸側減衰バルブ9を介して反ロッド側油室7に流出し、伸側減衰バルブ9による伸側減衰力を発生する。ピストンロッド5の退出体積分の油はリザーバ8よりポート18−油室19−伸側チェック弁12を介して反ロッド側油室7に導入される。他方圧縮作動時には懸架スプリング14に抗してピストンロッド5とアウターチューブ1が下降し、高圧となる反ロッド側油室7の油が圧側チェック弁10を介してロッド側油室6に流出し、ピストンロッド5の侵入量体積分の油が圧側減衰バルブ11より油室19、ポート18を介してリザーバ8に流出し、圧側減衰バルブ11による圧側減衰力が発生する。ピストンロッド5の圧縮作動が途中まで進むと円錐部5cがシリンダ3内に侵入し、更に大径部5bがシール17を拡径しながらシリンダ3内に侵入する。この為ロッド径が円錐部5cと大径部5bに対応して大きく変化した分だけロッド侵入体積分が増加するから圧側減衰バルブ11を通過する流量が増えて減衰力が大きくなる。
【0029】
この場合、図示のような円錐部5cを介して連設することによりピストンロッド5が滑らかにシール17を通過し減衰力の変化も滑らかで不快感を与えない。更に円錐部5cを長く設定すればピストンロッド5の侵入ストロークに応じて圧側減衰力が徐々に大きくなり、ストローク位置に依存して減衰力を大きくできる。従って圧縮作動のストローク後半で、いいかえれば最圧縮時近傍で圧側減衰力を大きくできるので底突き現象を抑制できる。更に最圧縮状態から伸長作動に切換った時はピストンロッド5の外径が小さくなるので伸側減衰力は小さく復帰が速く、繰り返し入力作用があっても吸収能力が高い。
【0030】
図2は、本発明の他の実施の形態を示し、これは自動二輪車のリャクッションユニットとして使用するものである。
【0031】
リヤクッションユニットは緩衝器本体Aと、これに連通するリザーバたるタンクBとからなっている。
【0032】
緩衝器本体Aは、図1の場合と同じく、シリンダ23内にピストン24を介してピストンロッド25を移動自在に挿入し、ピストン24はシリンダ23内にロッド側油室26と反ロッド側油室27とを区画し、二つの油室26,27はピストン24に設けた第1の伸側バルブ28と第1の圧側バルブ29を介して連通し、反ロッド側油室27は隔壁30に設けた第2の伸側バルブ31と第2の圧側バルブ32を介して気体室33と油室34からなるタンクBに連通し、ピストンロッド25がスプリングシート37間に介装された懸架スプリング35を介して常時伸び方向に付勢されているものである。
【0033】
図1の実施の形態と同じく、ピストンロッド25はピストン24近傍の小径部25aと円錐部25cと大径部25bとに成形され、ピストン24とシール38を介してシリンダ23内に移動自在に挿入されている。
【0034】
ピストンロッド25の伸縮作動とその作用効果は、図1の実施の形態の場合と同じであるので詳細は省略する。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果がある。
【0036】
(1) 各請求項1、2の発明によれば、ピストンロッドをピストン近傍の任意の長さの小径部と小径部に上方に拡径する円錐部を介して連設した大径部とで構成したので、ピストンロッドの圧縮作動が途中まで進むと円錐部がシリンダ内に侵入し、更に大径部がシールを拡径しながらシリンダ内に侵入する。この為ロッド径が円錐部と大径部に対応して大きく変化した分だけロッド侵入体積分が増加するから圧側減衰バルブを通過する流量が増えて圧側減衰力を大きくできる。いいかえればピストンロッドの圧縮ストロークの位置に依存して減衰力を高くできる。
【0037】
(2) 同じく、円錐部を介してピストンロッドのロッド径が円錐状外周面に沿って徐々に大きくなるように変化するから圧側減衰力が滑らかに変化し、圧縮作動途中で圧側減衰力が変化してもライダーに違和感や不快感を与えない。
【0038】
(3) 同じく、ピストンロッドの外径を変化しているだけであり、バルブ機構に特別な構造を付加していないので全体の構造が簡単であり、部品点数が少なく、安価で、加工性,組付性の向上も図れる。
【0039】
(4) 同じく、気体ばね特性や懸架ばね特性に関係なく圧縮ストローク位置に依存する減衰力が得られるからバルブ特性に融通性がある。
【0040】
(5) 同じく、シールはピストンロッドの侵入,退出時のロッド径変化に対応して拡径、縮径するので常にピストンロッドの外周面に摺接でき、シリンダ内の作動油が外部に漏れるのが防止できる。
【0041】
(6) 同じく、シールがリップを備えたゴム材からなるものである場合は、ピストンロッドの外径変化に対応して同心状に拡径又は縮径するので作動油の外部への漏れをより確実に行なえる。

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る油圧緩衝器の略示縦断正面図である。
【図2】他の実施の形態に係る油圧緩衝器の略示縦断面図である。
【符号の説明】
1 車体側アウターチューブ
2 車軸側インナーチューブ
3,23 シリンダ
4,24 ピストン
5,25 ピストンロッド
5a,25a 小径部
5b,25b 大径部
5c,25c 円錐部
6,26 ロッド側油室
7,27 反ロッド側油室
8 リザーバ
9,28 伸側減衰バルブ
10,29 圧側チェック弁
11,31 圧側減衰バルブ
12,32 伸側チェック弁
13 ベースバルブ
14,35 懸架スプリング
17 シール

Claims (2)

  1. シリンダ内にピストンを介してピストンロッドを移動自在に挿入すると共に当該ピストンロッドが上記シリンダの端部に設けたシールを介して案内され、ピストンはシリンダ内にロッド側油室と反ロッド側油室とを区画し、二つの油室はピストンに設けた伸側減衰バルブと圧側チェック弁を介して連通し、反ロッド側油室は圧側減衰バルブと伸側チェック弁とからなるベースバルブを介してリザーバに連通し、ピストンロッドが懸架スプリングを介して常時伸び方向に付勢されている油圧緩衝器に於て、ピストンロッドはピストン近傍の任意の長さの小径部と、この小径部を上方に向けて拡径する円錐部で連設された大径部とで構成し、上記シールを拡径又は縮径可能なバンド又はリング、又は伸縮自在なリップを備えたゴム材で構成させ、圧縮作動時の途中から上記円錐部と大径部がシリンダ内に侵入した時ロッド侵入体積の増加に起因して上記圧側減衰バルブを通過する作動油の通過流量を増大させ、ピストンロッドの圧縮ストロークの位置に依存して上記圧側減衰バルブによる減衰力を高くすることを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 車体側アウターチューブ内に車軸側インナーチューブが摺動自在に挿入され、インナーチューブの底部中央にシリンダを起立し、シリンダ内にピストンを介してピストンロッドを移動自在に挿入すると共に当該ピストンロッドが上記シリンダの端部に設けたシールを介して案内され、ピストンはシリンダ内にロッド側油室と反ロッド側油室とを区画し、二つの油室はピストンに設けた伸側減衰バルブと圧側チェック弁を介して連通し、反ロッド側油室は圧側減衰バルブと伸側チェック弁とからなるベースバルブを介してリザーバに連通し、ピストンロッドが懸架スプリングを介して常時伸び方向に付勢されている油圧緩衝器に於て、ピストンロッドはピストン近傍の任意の長さの小径部と、この小径部を上方に向けて拡径する円錐部で連設された大径部とで構成し、上記シールを拡径又は縮径可能なバンド又はリング、又は伸縮自在なリップを備えたゴム材で構成させ、圧縮作動時の途中から上記大径部がシリンダ内に侵入した時ロッド侵入体積の増加に起因して上記圧側減衰バルブを通過する作動油の通過流量を増大させ、ピストンロッドの圧縮ストロークの位置に依存して上記圧側減衰バルブによる減衰力を高くすることを特徴とする油圧緩衝器。
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