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JP4543598B2 - 低温焼成セラミック基板の製造方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板表面に凸部又は凹部を有する低温焼成セラミック基板を製造する低温焼成セラミック基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、低温焼成セラミック基板の表面に水晶振動子を搭載する場合は、水晶振動子の振動を阻害しないようにするために、水晶振動子を低温焼成セラミック基板から浮かせた状態にする必要がある。そのために、特許第2913629号公報や特開2000−49562号公報に示すように、基板表面に、水晶振動子を支持する金属製の台座部品を取り付け、この台座部品上に水晶振動子を搭載するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成では、水晶振動子を搭載する金属製の台座部品を加工したり、基板に取り付ける作業に手間がかかり、製造コストが高くなるという欠点がある。
【0004】
そこで、最近では、金属製の台座部品の代わりに、基板表面に、導体ペースト又はガラスペーストを印刷して台座部を形成し、この台座部上に水晶振動子を搭載するようにしたものがある。
【0005】
しかし、この印刷法では、1回の印刷で得られる台座部の厚みは、せいぜい、15〜20μm程度であり、必要な厚みが得られないため、複数回重ね印刷する必要があるが、それでも40μm程度が限界である。しかも、重ね印刷すると、印刷のにじみ、だれが発生したり、或は、焼成時に台座部(導体層)にクラックが発生することがあり、総じて、品質が安定しないという欠点がある。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、基板表面に30μm以上の凸部又は凹部を簡単に且つ寸法精度良く形成することができ、製造コスト低減、品質向上の要求を満たすことができる低温焼成セラミック基板の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の低温焼成セラミック基板の製造方法は、低温焼成セラミックの生基板の両面に、該低温焼成セラミックの焼結温度では焼結しない拘束用グリーンシートを圧着して加圧しながら焼成し、焼成後に該拘束用グリーンシートの残存物を除去して低温焼成セラミック基板を製造する加圧焼成法(拘束焼成法とも呼ばれる)を用い、拘束用グリーンシートのうちの前記生基板に圧着する面に凸状又は凹状の成形部を形成し、該拘束用グリーンシートを該生基板に圧着して加圧しながら焼成することで、基板表面に該拘束用グリーンシートの成形部の形状を転写するようにしたものである。この場合、加圧焼成法は、基板の面方向の焼成収縮を小さくして基板寸法精度を向上させる焼成法であるから、この加圧焼成法を用いて基板表面に拘束用グリーンシートの成形部の形状を転写すれば、基板表面に30μm以上の凸部又は凹部を簡単に且つ寸法精度良く形成することができる。
【0008】
この場合、請求項2のように、前記成形部を有する拘束用グリーンシートを、複数枚のグリーンシートを積層して形成しても良く、或は、請求項3のように、前記成形部を有する拘束用グリーンシートをプレス成形により形成するようにしても良い。いずれの方法でも、成形部を有する拘束用グリーンシートを、簡単に且つ寸法精度良く形成することができる。
【0009】
本発明の低温焼成セラミック基板の製造方法を用いれば、基板表面に様々な形状の凸部又は凹部を形成することができ、例えば、請求項4のように、基板表面に、水晶振動子等の振動素子を搭載する台座部を拘束用グリーンシートの成形部により形成するようにしたり、或は、請求項5のように、基板表面に、封止樹脂の流出を防止する凸条部を拘束用グリーンシートの成形部により形成するようにしても良い。これにより、基板表面に、適度な高さ寸法の台座部や凸条部を簡単に且つ寸法精度良く形成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
[実施形態(1)]
以下、本発明を水晶振動子搭載用の低温焼成セラミック基板の製造方法に適用した実施形態(1)を図1及び図2に基づいて説明する。
【0011】
まず、図2に基づいて低温焼成セラミック基板10の構造を説明する。低温焼成セラミック基板10は、複数枚の低温焼成セラミックのグリーンシート11a,11b,11cを積層して800〜1000℃で加圧焼成したものである。低温焼成セラミックとしては、例えばCaO−SiO2 −Al2 3 −B2 3 系ガラス:50〜65重量%(好ましくは60重量%)とアルミナ:50〜35重量%(好ましくは40重量%)との混合物を用いれば良い。この他、MgO−SiO2 −Al2 3 −B2 3 系ガラスとアルミナとの混合物、或は、SiO2 −B2 3 系ガラスとアルミナとの混合物、PbO−SiO2 −B2 3 系ガラスとアルミナとの混合物、コージェライト系結晶化ガラス等の800〜1000℃で焼成できる低温焼成セラミック材料を用いても良い。
【0012】
各層のセラミック層(グリーンシート11a,11b,11c)には、層間接続用のビアホール12が形成され、各層のビアホール12にビア導体13が充填されている。各層のビア導体13は、例えば、Ag、Ag/Pd、Ag/Pt、Ag/Au等を主に含むAg系導体ペースト、或は、Au系、Cu系等の低融点金属のペーストを用いて形成されている。
【0013】
また、2層目のセラミック層(グリーンシート11b)には、1層目と2層目のビア導体13を接続するための内層導体パターン14がAg系、Au系、Cu系等の低融点金属のペーストの印刷により形成されている。また、最下層のセラミック層(グリーンシート11c)の下面には、ビア導体13と導通する位置に裏面端子15がAg系、Au系、Cu系等の低融点金属のペーストの印刷により形成されている。
【0014】
一方、最上層のセラミック層(グリーンシート11a)の表面には、水晶振動子16を搭載する台座部17が後述する方法で一体に形成されている。この台座部17の高さ寸法は、例えば30〜60μmである。この台座部17の上面にはランド18がAg系、Au系、Cu系等の低融点金属のペーストの印刷により形成され、このランド18が台座部17を貫通するビア導体13と接続されている。これにより、ランド18がビア導体13と内層導体パターン14を介して裏面端子15と接続されている。このランド18上には、水晶振動子16が導電性接着剤19により接合されている。
【0015】
次に、上記構成の低温焼成セラミック基板10の製造方法を説明する。低温焼成セラミックのグリーンシート11a,11b,11cは、上記の低温焼成セラミック粉末に、バインダー、溶剤及び可塑剤を配合して、十分に撹拌混合してスラリーを作製し、このスラリーを用いてドクターブレード法等でテープ成形したものである。
【0016】
各層のグリーンシート11a,11b,11cを積層する前に、各層のグリーンシート11a,11bにパンチング加工されたビアホール12に、Ag系、Au系、Cu系等の低融点金属の導体ペーストをスクリーン印刷により充填してビア導体13を形成し、更に、2層目のグリーンシート11bには、同種の低融点金属の導体ペーストを使用して内層導体パターン14をスクリーン印刷する。
【0017】
また、最下層のグリーンシート11cの下面には、裏面端子15をAg系、Au系、Cu系等の低融点金属のペーストを用いてスクリーン印刷し、更に、最上層のグリーンシート11aには、ランド18をAg系、Au系、Cu系等の低融点金属のペーストを用いてスクリーン印刷する。尚、裏面端子15とランド18については、加圧焼成後に後付けで印刷・焼成するようにしても良い。
印刷工程後に、各層のグリーンシート11a,11b,11cを積層して加熱圧着して一体化して低温焼成セラミック生基板10’を作製する。
【0018】
一方、拘束用グリーンシート20は、低温焼成セラミック生基板10’の焼成温度(800〜1000℃)では焼結しない高温焼結性セラミック粉末(例えばアルミナ粉末)を用いて形成されている。
【0019】
低温焼成セラミック生基板10’の上面に圧着する拘束用グリーンシート20の下面には、基板表面に台座部17を形成するための凹部21(成形部)をプレス成形法又はグリーンシート積層法で形成する。
プレス成形法では、予め、ドクターブレード法等でテープ成形した拘束用グリーンシート20をプレス成形して凹部21を形成する。
【0020】
一方、グリーンシート積層法では、複数枚の高温焼結性セラミックのグリーンシートを積層して拘束用グリーンシート20を作製する際に、予め、下面側に積層する少なくとも1枚のグリーンシートに凹部21を形成するための角孔をパンチング加工等により形成しておき、これを他のグリーンシートに積層して加熱圧着して拘束用グリーンシート20を作製する。
【0021】
この場合、拘束用グリーンシート20の硬さは、配合するバインダー、溶剤、可塑剤のいずれかを適宜調整することで、低温焼成セラミックのグリーンシート11a,11b,11c(生基板10’)よりも適度に硬くするように調整すると良い。
【0022】
この拘束用グリーンシート20を用いて低温焼成セラミック生基板10’を加圧焼成する場合は、まず、図1(b)に示すように、低温焼成セラミック生基板10’の表裏両面に拘束用グリーンシート20を積層して、この積層体を例えば80〜150℃で加熱圧着する。
【0023】
この後、低温焼成セラミック生基板10’と拘束用グリーンシート20との圧着体を、アルミナ等で形成した多孔質セッター板(図示せず)間に挟み込んで、10〜300N/cm2 の圧力で加圧しながら低温焼成セラミック生基板10’の焼結温度である800〜1000℃で焼成する。
【0024】
この焼成中に、低温焼成セラミック生基板10’の表面部のうち、拘束用グリーンシート20の凹部21に対応する部分には圧力が加わらないため、当該部分のセラミックが凹部21内に盛り上がって、凹部21内に基板表面のセラミックが充填された状態となる。これにより、基板表面に水晶振動子16を搭載する台座部17が形成される。この際、凹部21の深さ寸法が例えば30〜60μmであれば、台座部17の高さ寸法が30〜60μmとなる。
【0025】
この場合、低温焼成セラミック生基板10’両面に積層された拘束用グリーンシート20(アルミナ等の高温焼結性セラミック)は、1300℃以上に加熱しないと焼結しないので、800〜1000℃で焼成すれば、拘束用グリーンシート20は未焼結のまま残される。但し、焼成の過程で、拘束用グリーンシート20中のバインダー等の有機物が熱分解して飛散してセラミック粉体として残る。
【0026】
焼成後、焼成基板の両面に付着した拘束用グリーンシート20の残存物(セラミック粉体)をブラスト処理、バフ研磨等により除去する。これにより、低温焼成セラミック基板10の製造が完了する。
【0027】
以上説明した実施形態(1)は、加圧焼成法を利用して基板表面に水晶振動子16を搭載する台座部17を形成するところに特徴があり、加圧焼成法は、基板の面方向の焼成収縮を小さくして基板寸法精度を向上させる焼成法であるから、この加圧焼成法を利用して基板表面に拘束用グリーンシート20の凹部21の形状を転写すれば、基板表面に30〜60μmの台座部17を簡単に且つ寸法精度良く形成することができ、製造コスト低減、品質向上の要求を満たすことができる。本発明者の実験結果によれば、拘束用グリーンシート20の凹部21の深さ寸法の調整によって±10%の精度で台座部17の高さ寸法を調整することができることが確認されている。
【0028】
尚、台座部17に搭載する素子は、水晶振動子16に限定されず、例えばセラミック共振子等の他の発振素子であっても良いことは言うまでもない。
【0029】
[実施形態(2)]
次に、本発明の実施形態(2)を図3に基づいて説明する。本実施形態(2)では、低温焼成セラミック基板22の表面周縁部に封止樹脂の流出を防止する凸条部23を次のようにして形成する。
【0030】
まず、低温焼成セラミック生基板の上面に圧着する拘束用グリーンシート24の下面に、基板表面の周縁部に凸条部23を形成するための段差部25(成形部)をプレス成形法又はグリーンシート積層法で形成する。
【0031】
そして、各層の低温焼成セラミックのグリーンシート11a,11b,11cを積層して加熱圧着して一体化して低温焼成セラミック生基板を作製し、この生基板の表裏両面に拘束用グリーンシート24を積層して、この積層体を例えば80〜150℃で加熱圧着する。
【0032】
この後、低温焼成セラミック生基板と拘束用グリーンシート24との圧着体を、アルミナ等で形成した多孔質セッター板(図示せず)間に挟み込んで、10〜300N/cm2 の圧力で加圧しながら低温焼成セラミック生基板の焼結温度である800〜1000℃で焼成する。これにより、基板表面の周縁部には、拘束用グリーンシート24の段差部25によって凸条部23が形成される。
【0033】
焼成後、焼成基板の両面に付着した拘束用グリーンシート20の残存物(セラミック粉体)をブラスト処理、バフ研磨等により除去する。これにより、低温焼成セラミック基板22の製造が完了する。
【0034】
以上説明した本実施形態(2)によれば、加圧焼成法を利用して、基板表面に封止樹脂の流出を防止する凸条部23を拘束用グリーンシート24の段差部25により形成するようにしたので、基板表面に、適度な高さ寸法の凸条部23を簡単に且つ寸法精度良く形成することができ、製造コスト低減、品質向上の要求を満たすことができる。
【0035】
尚、本発明は、基板表面に水晶振動子搭載用の台座部17や封止樹脂流出防止用の凸条部23を形成する場合に限定されず、基板表面に様々な形状の凸部又は凹部を形成する場合に適用できる。
【0036】
また、拘束用グリーンシートは、アルミナグリーンシートに限定されず、窒化アルミニウム(AlN)等の他の高温焼結性セラミックのグリーンシートを用いるようにしても良い。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1の低温焼成セラミック基板の製造方法によれば、加圧焼成法を用い、拘束用グリーンシートのうちの生基板に圧着する面に凸状又は凹状の成形部を形成し、該拘束用グリーンシートを該生基板に圧着して加圧しながら焼成することで、基板表面に該拘束用グリーンシートの成形部の形状を転写するようにしたので、基板表面に30μm以上の凸部又は凹部を簡単に且つ寸法精度良く形成することができ、製造コスト低減、品質向上の要求を満たすことができる。
【0038】
また、請求項2,3では、成形部を有する拘束用グリーンシートを、グリーンシート積層法又はプレス成形法で形成するようにしたので、成形部を有する拘束用グリーンシートを、簡単に且つ寸法精度良く形成することができる。
【0039】
また、請求項4では、基板表面に、水晶振動子等の振動素子を搭載する台座部を拘束用グリーンシートの成形部により形成するようにしたので、基板表面に、適度な高さ寸法の台座部を簡単に且つ寸法精度良く形成することができる。
【0040】
また、請求項5では、基板表面に、封止樹脂の流出を防止する凸条部を拘束用グリーンシートの成形部により形成するようにしたので、適度な高さ寸法の凸条部を簡単に且つ寸法精度良く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は本発明の実施形態(1)の製造工程を説明する図
【図2】水晶振動子を搭載した低温焼成セラミック基板の構造を示す縦断面図
【図3】(a)、(b)は本発明の実施形態(2)の製造工程を説明する図
【符号の説明】
10…低温焼成セラミック基板、10’…低温焼成セラミック生基板、11a,11b,11c…低温焼成セラミックのグリーンシート、12…ビアホール、13…ビア導体、14…内層導体パターン、15…裏面端子、16…水晶振動子、17…台座部、18…ランド、19…導電性接着剤、20…拘束用グリーンシート、21…凹部(成形部)、22…低温焼成セラミック基板、23…凸条部、24…拘束用グリーンシート、25…段差部(成形部)。

Claims (5)

  1. 低温焼成セラミックの生基板の両面に、該低温焼成セラミックの焼結温度では焼結しない拘束用グリーンシートを圧着して加圧しながら焼成し、焼成後に該拘束用グリーンシートの残存物を除去して低温焼成セラミック基板を製造する方法であって、
    前記拘束用グリーンシートのうちの前記生基板に圧着する面に凸状又は凹状の成形部を形成し、該拘束用グリーンシートを該生基板に圧着して加圧しながら焼成することで、基板表面に該拘束用グリーンシートの成形部の形状を転写することを特徴とする低温焼成セラミック基板の製造方法。
  2. 前記成形部を有する拘束用グリーンシートを、複数枚のグリーンシートを積層して形成することを特徴とする請求項1に記載の低温焼成セラミック基板の製造方法。
  3. 前記成形部を有する拘束用グリーンシートをプレス成形により形成することを特徴とする請求項1に記載の低温焼成セラミック基板の製造方法。
  4. 基板表面に、水晶振動子等の振動素子を搭載する台座部を前記拘束用グリーンシートの成形部により形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の低温焼成セラミック基板の製造方法。
  5. 基板表面に、封止樹脂の流出を防止する凸条部を前記拘束用グリーンシートの成形部により形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の低温焼成セラミック基板の製造方法。
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