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JP4544774B2 - 既製杭の芯ズレ防止装置及び既製杭の芯ズレ防止施工方法 - Google Patents
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JP4544774B2 - 既製杭の芯ズレ防止装置及び既製杭の芯ズレ防止施工方法 - Google Patents

既製杭の芯ズレ防止装置及び既製杭の芯ズレ防止施工方法 Download PDF

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Description

【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管ソイルセメント杭工法における鋼管杭やその他のプレボーリング工法等で使用される既製杭を埋設する際の既製杭の芯ズレ防止装置および既製杭の芯ズレ防止施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図17は鋼管ソイルセメント杭の一例を示す断面図で、既製杭として鋼管杭100の例で示してある。図18は拡翼101付きの鋼管杭100を使用しての鋼管ソイルセメント杭の断面図である。符号102は地盤、103はソイルセメント部、104は根固め部を示す。
このような鋼管ソイルセメント杭の施工方法には、鋼管杭同時埋設方法(中掘り工法)およびプレボーリング方法の二方式がある。既製コンクリート杭のプレボーリング工法は鋼管ソイルセメント杭のプレボーリングの方法と異なるが、工程的には両者は類似の工法であるといえる。
【0003】
従来の鋼管杭同時埋設方法(中掘り工法)を、図19乃至図24について説明すると、まずオーガーを地上で準備する。
図19は鋼管ソイルセメント杭の造成に使用するオーガーを示す正面図である。同図において、オーガー20は、オーガー軸21と、軸先端に装着された掘削翼22、23と、この上段に回転自在に遊嵌された共回り防止翼25と、さらにこの上段に固着された攪拌翼24とから構成されている。
【0004】
掘削翼23及び攪拌翼24は、オーガー軸21に固着された支持部材28、29に枢軸26とシャーピン27とで拡開状態で取り付けられており、共回り防止翼25は、オーガー軸21に回転自在に遊嵌された支持部材30に枢軸26とシャーピン27とで拡開状態で取り付けられている。
【0005】
掘削翼22、23にはビット22a、23aが固着され、掘削翼22は鋼管杭100の内径より小径であり、攪拌翼24の外径は掘削翼23の外径と略同一で、かつ鋼管杭100の外径より大径である。共回り防止翼25の外径は掘削翼23より大径に形成され、掘削中は掘削翼22、23で掘削された削孔壁から外側の原地盤中に食い込み、掘削翼22、23と攪拌翼24とが回転しても共回り防止翼25は回転しないようになっている。
【0006】
図19においては共回り防止翼25の上段に攪拌翼24が設けられているが、攪拌翼24と共回り防止翼25の位置を入れ替えてもよいし、攪拌翼24を多段に設けてもよい。
前記共回り防止翼25は、掘削翼22、23で掘削されて生じた大きな土塊を破砕するもので、掘削翼22、23や攪拌翼24と共に回転している大きな土塊が、回転していない共回り防止翼25に当たり、掘削翼22、23や攪拌翼24との間で剪断されて破砕され、固化材と地盤との均一な混錬を可能にする。
【0007】
なお、図19では図示を省略したが、オーガー軸21にはスタビライザが設けられ、鋼管杭100の内において軸芯を維持したり、芯振れ及びオーガー軸の屈曲を防止するようになっている。
【0008】
そこで先ず、地上で前記のようなオーガー20を図20に示すように鋼管杭100にセットする。このセットは、鋼管杭100の下端より前記掘削翼22、23、攪拌翼24及び共回り防止翼25を先行した状態でオーガー軸21を鋼管杭100内に挿入して行なわれる。
【0009】
次に、図示しない施工機でオーガー軸21と鋼管杭100のそれぞれの上端を把持し、図20、図21に示すようにオーガー20と鋼管杭100をそれぞれ互いに逆方向または同一方向に回転させつつ、同時にオーガー軸21先端の吐出口31からスラリー状の固化材を吐出し、地盤中を掘削翼22、23で削孔する。
掘削翼22、23で掘削された地盤の土塊は、共回り防止翼25で破砕され、攪拌翼24で攪拌されつつ、吐出口31から吐出する固化材と混合される。
なお、オーガー軸21と鋼管杭100のそれぞれの上端を把持し、オーガー20と鋼管杭100に回転力及び給進力を与え、回転させつつオーガー軸21先端の吐出口31からスラリー状の固化材を吐出させて削孔させる前記施工機(図示せず)は、公知であるので説明は省略する。
【0010】
次に、図22に示すように所定深度まで削孔し、掘削翼22先端が所定深度に到達した時点で、固化材の吐出を固化後の圧縮強度がそれまで注入した固化材より大きいスラリー状固化材に切り替えて削孔底部をその固化材で充満して根固め部104を形成する。この場合、オーガー20は給進させないが、回転させた方がよい。この工程を根固め工程と称す。
【0011】
前記根固め工程は、図22に示された所定深度よりも削孔底部の根固め部104の距離だけ浅い地盤の深度まで削孔した後、それまで注入した固化材よりも固化後の圧縮強度が大きな固化材に切り替え、前記削孔底部の根固め部104の距離だけ固化材を吐出しつつ所定深度まで削孔して形成してもよい。
【0012】
なお、この場合、所定深度よりも削孔底部の根固め部104の距離だけ浅い地盤の深度まで削孔した後、それまで吐出した固化材よりも固化後の圧縮強度が大きな固化材に切り替え、オーガー20を削孔底部の根固め部104の距離だけ固化材を吐出しつつ回転・給進して所定深度まで到達し、次に固化材を吐出せずオーガー20を回転させつつ根固め部104の距離だけオーガー20を上下させて再攪拌を行なうこともできる。
【0013】
次に、図23に示すように鋼管杭100上端を地上のクランプ装置(図示せず)で固定し、オーガー20を地上へ引き揚げる。この場合、引き揚げる途中で攪拌翼24、共回り防止翼25、掘削翼23が順次鋼管杭100の下端に当たってシャーピン27が順次剪断されるので、攪拌翼24、共回り防止翼25、掘削翼23は、これらを枢支する枢軸26を軸として下方に折り畳まれて鋼管杭100内を上昇する。
【0014】
次に、図24に示すように鋼管杭100を回転させながら給進させ、固化後の圧縮強度が大きな固化材が注入された根固め部104内に挿入する。次にオーガー20を地上へ引き揚げる。このオーガー20の引き揚げは、攪拌翼24、共回り防止翼25及び掘削翼23を縮閉した後、引続きオーガー20を地上に引き揚げ、次に図24に示すように鋼管杭100を削孔底部の根固め部104に沈設してもよい。
【0015】
図25は従来のプレボーリング方法を示す断面図で、(A)(B)(C)(D)(E)と工程順に示してあり、前記鋼管杭同時埋設方法と同一構成要素には同一符号が付してある。
まず、地上で図25(A)に示すようなオーガー20を用意する。このオーガー20は、オーガー軸21と、軸先端に固着された掘削翼22、23とこの上段に回転自在に遊嵌された共回り防止翼25と、さらにこの上段に固着された攪拌翼24とから構成されている。掘削翼22、23にはビット22a、23aが固着され、掘削翼23と攪拌翼24の外径は略同一である。共回り防止翼25の外径は掘削翼23、攪拌翼24より大径に形成され、掘削中は掘削翼22、23で掘削された削孔壁から外側の原地盤中に食い込み、掘削翼22、23と攪拌翼24とが回転しても共回り防止翼25は回転しないようになっている。
本例は、掘削翼23、攪拌翼24及び共回り防止翼25が、前記図19乃至図24に示すオーガー20のような枢軸26及びシャーピン27の構成を具備しないものであって、他は前記図19乃至図24に示すオーガー20と同一であるので同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0016】
次に、図示しない施工機で前記オーガー20のオーガー軸21の上端を把持し、図25(B)に示すようにオーガー20を回転させつつ、同時にオーガー軸21の吐出口31からスラリー状の固化材を吐出し、地盤中を掘削翼22、23で削孔する。掘削翼22、23で掘削された地盤の土塊は、共回り防止翼25で破砕され、攪拌翼24で攪拌されつつ、吐出口31から吐出する固化材と混練される。
なお、オーガー軸21の上端を把持し、オーガー20に回転力及び給進力を与え、回転させつつオーガー軸21先端の吐出口31からスラリー状の固化材を吐出させて削孔させる前記施工機(図示せず)は、公知であるので説明は省略する。
【0017】
次に、所定深度まで削孔し、掘削翼22先端が所定深度に到達した時点で、固化材の吐出を固化後の圧縮強度がそれまで注入した固化材より大きいスラリー状固化材に切り替えて、図25(C)に示すように削孔底部をその固化材で充満して根固め部104を形成する。この工程を根固め工程と称す。
【0018】
前記根固め工程は、図25(C)に示された所定深度よりも削孔底部の根固め部104の距離だけ浅い地盤の深度まで削孔した後、それまで注入した固化材よりも固化後の圧縮強度が大きな固化材に切り替え、前記削孔底部の根固め部104の距離だけ固化材を吐出しつつ所定深度まで削孔して形成してもよい。
【0019】
次に、オーガー20を回転させながら地上に引き揚げると、図25(D)に示すようなソイルセメント部103と根固め部104によるソイルセメント柱体が造成される。このオーガー20の引き揚げ時に、スラリー状の固化材は、吐出する場合と停止する場合とがあり、また、オーガー20は回転させた方が攪拌が良好となるので好ましい。
【0020】
次に、図25(D)及び(E)に示すように前記造成されたソイルセメント柱体中に、上方から鋼管杭100を回転させながら、鋼管杭100の先端部が根固め部104に位置するまで挿入して、図25(E)に示すような鋼管ソイルセメント杭が造成される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の鋼管ソイルセメント杭の施工方法では、既製杭の芯ズレが発生しやすい不都合がある。従来の施工方法においても、オーガー20のオーガー軸21にスタビライザを設け芯ズレの防止を図っているが、ソイルセメントコラム柱体径が杭径より大きく、かつスタビライザと鋼管杭の内壁面との間には多少のクリアランスがあるためにどうしても芯ズレが発生する恐れがあった。
【0022】
また、一般に、既製杭の杭芯ズレは貫入初期の時点で発生することが多い。既製杭(例えば、鋼管杭)の中掘り工法では、オーガー20の先端部が地盤102中に貫入する初期に地盤102の抵抗や玉石等により芯ズレを発生しやすい。芯ズレが発生すると杭100とオーガー20を一度地上へ引き上げてから、再度杭芯を合わせて最初から施工を始めなければならず、時間的なロスが発生する。もしこのやり直し作業を省いてそのまま杭の施工を続けると、杭が大きく傾斜したり、杭芯ズレが大きくなり許容値を外れてしまうことになる。
【0023】
プレボーリング工法では既製杭の外径よりも大きな径の掘削孔を削孔するため、図25(D)から(E)に示すような既製杭を削孔中へ沈設するときに杭芯ズレが発生しやすい。また、プレボーリング孔自体の芯ズレは中掘り工法と同様に発生する。
【0024】
前述のように、従来技術では中掘り工法もプレボーリング工法も、既製杭が所定の位置から偏芯する、いわゆる杭芯ズレを起こすという課題があった。
そこで、本出願人は、このような課題を解決するものとして既に特願2000−11779の既製杭の芯ズレ防止装置および既製杭の芯ズレ防止施工方法を提案した、
本発明は、上記発明を更に改善した鋼管ソイルセメント杭の施工における既製杭やその他の工法における既製杭の芯ズレ防止装置および既製杭の芯ズレ防止施工方法を提供するものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の既製杭の芯ズレ防止装置は、施工する既製杭よりも大きな径の孔が設けられた基板と、該基板にその孔と同心的に固着された施工する既製杭より大きな内径を有するガイド筒と、該ガイド筒内面に装着する回転支承とより成り、
前記ガイド筒には、その側面に切欠開口部が設けられており、前記回転支承は、少なくとも3個をガイド筒内面に装着することを特徴とする。
また、本発明の既製杭の芯ズレ防止装置は、前記回転支承がガイドローラであり、該ガイドローラをガイド筒上端部内面に着脱自在に装着することを特徴とする。
【0026】
また、本発明の既製杭の芯ズレ防止施行方法は、施工する既製杭よりも大きな径の孔が設けられた基板と、該基板にその孔と同心的に固着された施工する既製杭より大きな内径を有し側面に切欠開口部が設けられたガイド筒と、該ガイド筒内面に装着する回転支承とより成る既製杭の芯ズレ防止装置を使用し、杭芯位置にガイド筒の中心位置がほぼ一致するようにして基板を地盤上に設置し、この基板を固定手段で固定し、ガイド筒上端部内面に設置した少なくとも3個の回転支承が杭の外面に接するようにして既製杭を沈設することを特徴とする。
【0027】
また、本発明の既製杭の芯ズレ防止施行方法は、前記固定手段が、施工機の支脚で基板を押えて固定することを特徴とする。
【0028】
さらに、本発明の既製杭の芯ズレ防止施工方法は、杭芯位置にガイド筒の中心位置がほぼ一致するようにして基板を地盤上に設置し、この基板を固定手段で固定し、ガイド筒上端部内面に設置した少なくとも3個の回転支承が杭の外面に接するようにして既製杭を沈設する既製杭の芯ズレ防止施工方法であって、既製杭がその上方外周にフック部を固着された鋼管杭又はSC杭であり、先行する既製杭に後続する既製杭を継ぎ足して順次沈設する工程において、先行する既製杭の上方外周に固着された突起部を、回転支承の構成部材に載置して先行既製杭が沈下しないように支持し、後続既製杭を接続することを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態を示すガイド筒の斜視図、図2は本発明の実施の形態を示す回転支承の斜視図、図3は本発明の実施の形態を示す回転支承の断面図である。
【0030】
本発明に係る既製杭の芯ズレ防止装置は、図1に示すような基板3に固設されたガイド筒1と、図2及び図3に示すような回転支承2とで構成される。本例では回転支承2としてガイドローラで示している。
ガイド筒1は、内径が既製杭100の外径とガイドローラ(回転支承)2の内面側突出幅の2倍を合計した長さに略等しい径乃至やや大きい径とし、鋼管等で形成される。
【0031】
基板3は、鋼板等で形成されるが、その形状は特に問わない。しかし、施工方法や製造コストを考慮すると方形が好ましい。この基板3には、前記ガイド筒1の内径と略等しい径の孔4が設けられ、ガイド筒1は、この孔4と同心的に基板3に固着される。この固着手段としては、溶接等を例示できる。また、ガイド筒1には基板3との間に補強板11が設けられて強度の向上が図られている.ガイド筒1の長さは、杭が偏芯しようとするときの抵抗力を保持できる厚さが必要となるが、補強板11を設けるとガイド筒1の厚さを薄くすることができる。尚、補強板11には、フック孔13が設けてあり、施工機での吊り上げての設置、移動及び撤去に使用できるようになっている。
【0032】
図4はガイド筒の他の実施の形態を示す斜視図である。本例はガイド筒1の側面に切欠開口部1aが設けられている場合であって、他は前記実施の形態と同様であるので、同一符号を付して詳細な説明は省略する。切欠開口部1aは流出したソイルセメントや汚泥等を、ガイド筒1から流出させるもので、本例によれば、削孔より流出するソイルセメントや掘削土等を、ガイド筒1内に滞留させることなく、釜場等の特定の方向に流出させることができる。
【0033】
また、回転支承2は、図2および図3に示すようにガイド筒1の上端部に着脱自在に装着する。回転支承2の軸5は、ガイド筒1の軸心と平行し、該軸5の回りを回転するガイドローラ2aを少なくとも1個取り付ける。回転支承2は少なくとも3個を着脱自在にガイド筒1の上端部に装着する。杭の外径が大きくなると回転支承2の取付け個数を増やした方が精度が向上する。通常は4乃至8個がよい。
【0034】
回転支承2の一例を図2および図3について説明する。垂直方向の取付板6に固設した軸受板7を水平方向に延出する。この軸受板7には、取付板6と前記ガイド筒1の肉厚より大きい間隔をとって取付板6と平行に支持板8を垂下し、この支持板8に前記軸受板7と所定の間隔をとって軸受板7と平行に軸受板9を固設する。前記軸受板7と9の間には、軸5をガイド筒1の軸心と平行に架設すると共に、この軸5にガイドローラ2aを回転自在に取り付ける。前記取付板6にはボルト10が螺入されており、取付板6と支持板8の間にガイド筒1の上端を嵌入させた後、このボルト10を締め付けることによって、ガイド筒1上端部に着脱自在となる。ガイドローラ2aの材質としては、樹脂もしくは硬質ゴムを例示することができる。
尚、符号12はフック杆を示す。
【0035】
図5は回転支承の他の実施の形態を示す断面図である。本例はガイドローラ2aが縦長の場合であって、他は前記実施の形態と同様であるので、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0036】
次に前記のような既製杭の芯ズレ防止装置を使用しての既製杭の芯ズレ防止施工方法を説明する。最初に鋼管杭同時埋設方法を図6乃至図14について説明する。この場合、使用される既製杭は、鋼管杭である。
【0037】
まず、図6に示すように基板3に固着されたガイド筒1を、杭芯位置にガイド筒1の中心位置がほぼ一致するようにして地盤102上に設置する。このガイド筒1は、基板3を固定手段14で地盤102に対し固定することによって固定される。本例において固定手段14は、施工機(図示省略)の支脚で基板3を押え付ける手段を示している。施工機(図示せず)は公知であるので説明は省略するが、リーダーの基端側にシリンダーで進退する支脚が設けられているので、その支脚を固定手段14として利用する。このとき、ガイド筒1が鉛直となるように基板3を地盤102上に固定するように留意する。
【0038】
次に図7および図8に示すように回転支承2をガイド筒1上端部に差し込むようにセットし、ボルト10を締め付けることによりガイド筒1に取り付ける。回転支承2の装着時期は、最初からガイド筒1上端部に装着していてもよいし、既製杭をガイド筒1に挿入してから杭芯を合わせるように装着してもよい。
【0039】
次に図9に示すように既製杭としての鋼管杭100の下端よりオーガー20の掘削翼22、23、攪拌翼24及び共回り防止翼25を先行した状態でオーガー軸21を鋼管杭100内に挿入し、回転支承2のガイドローラ2aで形成する平面を鉛直に貫くようにガイド筒1中に鋼管杭100を挿入し、次に図示しない施工機でオーガー軸21と鋼管杭100のそれぞれの上端を把持し、図10および図11に示すようにオーガー20と鋼管杭100をそれぞれ互に逆方向または同一方向に回転させつつ、同時にオーガー軸21先端の吐出口31からスラリー状の固化材を吐出し、地盤102中を削孔する。掘削翼22、23で掘削された地盤の土塊は共回り防止翼25で破砕され、攪拌翼24で攪拌されつつ、吐出口31から吐出する固化材と混合される。この地盤の削孔に伴い、図4に示したガイド筒1を使用した場合は、その切欠開口部1aからソイルセメントや掘削土が流出する。
【0040】
なお、オーガー20は、前記図19に示すものと同じであるので、同一符号で説明し、詳細な説明は省略する。
また、オーガー軸21と鋼管杭100のそれぞれの上端を把持し、オーガー20と鋼管杭100に回転力及び給進力を与え、回転させつつオーガー軸21先端の吐出口31からスラリー状の固化材を吐出させて削孔させる前記施工機(図示せず)は、公知であるので説明は省略する。
【0041】
次に、図11に示すように所定深度まで削孔し、掘削翼22先端が所定深度に到達した時点で、固化材の吐出を固化後の圧縮強度がそれまで注入した固化材より大きいスラリー状固化材に切り替えて削孔底部をその固化材で充満して根固め部104を形成する。この場合、オーガー20は給進させないが、回転させた方がよい。この工程を根固め工程と称す。
【0042】
前記根固め工程は、図11に示された所定深度よりも削孔底部の根固め部104の距離だけ浅い地盤の深度まで削孔した後、それまで注入した固化材よりも固化後の圧縮強度が大きな固化材に切り替え、前記削孔底部の根固め部104の距離だけ固化材を吐出しつつ所定深度まで削孔して形成してもよい。
【0043】
なお、この場合、所定深度よりも削孔底部の根固め部104の距離だけ浅い地盤の深度まで削孔した後、それまで吐出した固化材よりも固化後の圧縮強度が大きな固化材に切り替え、オーガー20を削孔底部の根固め部104の距離だけ固化材を吐出しつつ回転・給進して所定深度まで到達し、次に固化材を吐出せずオーガー20を回転させつつ根固め部104の距離だけオーガー20を上下させて再攪拌を行なうこともできる。
【0044】
次に、図12に示すように鋼管杭100上端を地上のクランプ装置(図示せず)で固定し、オーガー20を地上へ引き揚げる。この場合、引き揚げる途中で攪拌翼24、共回り防止翼25、掘削翼23が順次鋼管杭100の下端に当たってシャーピン27が順次剪断されるので、攪拌翼24、共回り防止翼25、掘削翼23は、これらを枢支する枢軸26を軸として下方に折り畳まれて鋼管杭100内を上昇する。
【0045】
次に、図13に示すように鋼管杭100を回転させながら給進させ、固化後の圧縮強度が大きな固化材が注入された根固め部104内に挿入する。次にオーガー20を地上へ引き揚げる。このオーガー20の引き揚げは、攪拌翼24、共回り防止翼25及び掘削翼23を縮閉した後、引続きオーガー20を地上に引き揚げ、次に図13に示すように鋼管杭100を削孔底部の根固め部104に沈設してもよい。
【0046】
最後に図14に示すように基板3に固着されたガイド筒1および回転支承2を取り除くことによって鋼管杭100が中心に位置した鋼管ソイルセメント杭が完成する。
【0047】
しかして、前記ソイルセメント柱を築造しながらの鋼管杭100の沈設施工では、ガイド筒1に設けられた回転支承2に支承されて沈設(挿入)されるので鋼管杭が偏芯しようとするとガイド筒が抵抗するため芯ズレを起こすことなく精度よく施工される。なお、鋼管杭100は、図18に示すような下端部外周面に拡翼101が設けられた鋼管杭であってもよく、この拡翼101は根固め部104中に位置するようにする。
【0048】
次にプレボーリング工法における施工方法を図15について説明する。図15は(A)(B)(C)(D)(E)と工程順に示してあり、前記施工方法と同一構成要素には同一符号が付してある。
まず、地上で図15(A)に示すようなオーガー20を用意する。このオーガー20は、オーガー軸21と、軸先端に固着された掘削翼22、23とこの上段に回転自在に遊嵌された共回り防止翼25と、さらにこの上段に固着された攪拌翼24とから構成されている。掘削翼22、23にはビット22a、23aが固着され、掘削翼23と攪拌翼24の外径は略同一である。共回り防止翼25の外径は掘削翼23、攪拌翼24より大径に形成され、掘削中は掘削翼22、23で掘削された削孔壁から外側の原地盤中に食い込み、掘削翼22、23と攪拌翼24とが回転しても共回り防止翼25は回転しないようになっている。
本例は、掘削翼23、攪拌翼24及び共回り防止翼25が、図19に示すオーガー20のような枢軸26及びシャーピン27の構成を具備しないものであって、他は前記図19に示すオーガー20と同一であるので同一符号を付して詳細な説明は省略する。なお、攪拌混合装置はこの他の従来公知の通常に使用されているものを用いてもよい。
【0049】
次に、図示しない施工機で前記オーガー20のオーガー軸21の上端を把持し、図15(B)に示すようにオーガー20を回転させつつ、同時にオーガー軸21の吐出口31からスラリー状の固化材を吐出し、地盤中を掘削翼22、23で削孔する。掘削翼22、23で掘削された地盤の土塊は、共回り防止翼25で破砕され、攪拌翼24で攪拌されつつ、吐出口31から吐出する固化材と混練される。この場合も地盤の削孔に伴い図4に示したガイド筒1を使用した場合は、その切欠開口部1aからソイルセメントや掘削土が流出する。
なお、オーガー軸21の上端を把持し、オーガー20に回転力及び給進力を与え、回転させつつオーガー軸21先端の吐出口31からスラリー状の固化材を吐出させて削孔させる前記施工機(図示せず)は、公知であるので説明は省略する。
【0050】
次に、所定深度まで削孔し、掘削翼22先端が所定深度に到達した時点で、固化材の吐出を固化後の圧縮強度がそれまで注入した固化材より大きいスラリー状固化材に切り替えて、図15(C)に示すように削孔底部をその固化材で充満して根固め部104を形成する。この工程を根固め工程と称す。
【0051】
前記根固め工程は、図15(C)に示された所定深度よりも削孔底部の根固め部104の距離だけ浅い地盤の深度まで削孔した後、それまで注入した固化材よりも固化後の圧縮強度が大きな固化材に切り替え、前記削孔底部の根固め部104の距離だけ固化材を吐出しつつ所定深度まで削孔して形成してもよい。
【0052】
次に、オーガー20を回転させながら地上に引き揚げると、ソイルセメント部103と根固め部104によるソイルセメント柱体が造成されるから、このソイルセメント柱体の上端の地盤上に、ソイルセメントが固化する前に図15(D)に示すように基板3に固着したガイド筒1を設置し、固定する。そのガイド筒1の上端部には前記同様に回転支承2をボルト10を介して取り付ける。この回転支承2は予めガイド筒1に取り付けてから地盤上に設置してもよい。
また、本例ではソイルセメント柱体を造成した後にガイド筒1及び回転支承2を装着したが、これは図15(A)に示す最初の時点でガイド筒1を設置してからオーガー20でソイルセメント柱体を造成してもよい。いずれにしてもガイド筒1は、中心を杭芯位置に合わせて地盤上に設置する。
【0053】
次に図15(D)(E)に示すように回転支承2のガイドローラ2aで形成する平面を鉛直に貫くように鋼管杭100を挿入しながら杭100の沈設施工を行なう。鋼管杭100が偏芯しようとしても回転するガイドローラ2aを介してガイド筒1が抵抗するため杭100は偏芯することなく、地盤中に貫入していく。
また、回転支承2のガイドローラ2aが鋼管杭100の回転と共に回転するため、鋼管杭100の貫入の妨げとなることがない。
【0054】
鋼管杭100の沈設施工が完了したら、図15(E)に示すように回転支承2を装着したガイド筒1を回収して杭100の施工を完了する。この場合も鋼管杭がソイルセメント柱体の中心に位置して施工することができた。
【0055】
図16は既製杭として上方外周に吊上げるためのフックのような突起部15が固着された鋼管杭100を使用し、先行鋼管杭100aに後続する鋼管杭100bを継ぎ足し接続して沈設する場合の施工方法を示す。本例によれば先行する鋼管杭100aの突起部15を回転支承2の構成部材、例えば、軸受板7上に載置して先行鋼管杭100aが沈下しないように支持し、後続鋼管杭100bを溶接等で接続して継ぎ足すことが可能となる。従って、接続作業が容易となるものである。
【0056】
【発明の効果】
以上詳細に説明した通り、本発明に係る既製杭の芯ズレ防止装置および既製杭の芯ズレ防止施工方法によれば、次のような効果を奏する。
(1)基板に固着されたガイド筒は、地盤上に設置し、支脚を介して施工機本体の重量で押えつけるだけでよく、特願2000−11779の発明のように地盤中に貫入したり引き抜き作業がないので作業が容易で作業効率もよい。
【0057】
(2)既製杭がその上方外周に突起部を固着された鋼管杭又はSC杭であって、先行する既製杭に後続する既製杭を継ぎ足して順次沈設する工法においては、先行する既製杭の上方外周に固着された突起部を、回転支承の構成部材に載置して先行既製杭が沈下しないように支持し、後続既製杭を先行既製杭に接続できるので、既製杭の継ぎ足し接続の作業がきわめて容易となる。
【0058】
(3)ガイド筒に装着した少なくとも3個の回転支承が鋼管杭に接するようにして鋼管杭を沈設施工すれば、回転支承にガイドされ、ガイド筒の抵抗力により、鋼管杭の施工時の偏芯を防止することができる。
【0059】
(4)本発明によれば、鋼管杭同時埋設方法でも後埋設(プレボーリング工法)の施工方法でも鋼管杭の偏芯を防ぐことができる。特に、プレボーリング工法では、スタビライザもないため、偏芯を防ぐものとして効果が高いものである。
【0060】
(5)回転支承を着脱可能にしているため、装置のメンテナンスが容易となるとともに、回転支承に汎用性があるため、外径の異なる杭にも適用でき、経済的である。
(6)また、ガイド筒の側面に切欠開口部を設けておけば、流出したソイルセメントや掘削土等をガイド筒外に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すガイド筒の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す回転支承の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態を示す回転支承の断面図である
【図4】本発明の他の実施の形態を示すガイド筒の斜視図である。
【図5】本発明の他の実施の形態を示す回転支承の断面図である
【図6】本発明の施工順序を示す断面図である。
【図7】本発明の次の施工順序を示す断面図である。
【図8】図7の状態の平面図である。
【図9】本発明のまた次の施工順序を示す断面図である。
【図10】本発明のまた次の施工順序を示す断面図である。
【図11】本発明のまた次の施工順序を示す断面図である。
【図12】本発明のまた次の施工順序を示す断面図である。
【図13】本発明のさらに次の施工順序を示す断面図である。
【図14】本発明のまたさらに次の施工順序を示す断面図である。
【図15】(A)(B)(C)(D)(E)は、本発明の他の施工方法を工程順に示す断面図である。
【図16】既製杭を継ぎ足し接続する施工方法を示す斜視図である。
【図17】鋼管ソイルセメント杭の断面図である。
【図18】拡翼付鋼管杭を使用しての鋼管ソイルセメント杭の断面図である。
【図19】オーガーの正面図である。
【図20】従来例の施工順序を示す正面図である。
【図21】従来例の次の施工順序を示す断面図である。
【図22】従来例のまた次の施工順序を示す断面図である。
【図23】従来例のさらに次の施工順序を示す断面図である。
【図24】従来例のまたさらに次の施工順序を示す断面図である。
【図25】(A)(B)(C)(D)(E)は、他の従来例の施工方法を工程順に示す断面図である。
【符号の説明】
1 ガイド筒
1a 切欠開口部
2 回転支承
2a ガイドローラ
3 基板
4 孔
5 軸
6 取付板
7、9 軸受板
8 支持板
10 ボルト
11 補強板
13 フック孔
14 固定手段(支脚)
15 突起部
20 オーガー
100 既製杭(鋼管杭)
102 地盤

Claims (5)

  1. 施工する既製杭よりも大きな径の孔が設けられた基板と、該基板にその孔と同心的に固着された施工する既製杭より大きな内径を有するガイド筒と、該ガイド筒内面に装着する回転支承とより成り、
    前記ガイド筒には、その側面に切欠開口部が設けられており、前記回転支承は、少なくとも3個をガイド筒内面に装着することを特徴とする既製杭の芯ズレ防止装置。
  2. 前記回転支承はガイドローラであり、該ガイドローラをガイド筒上端部内面に着脱自在に装着することを特徴とする請求項1記載の既製杭の芯ズレ防止装置。
  3. 施工する既製杭よりも大きな径の孔が設けられた基板と、該基板にその孔と同心的に固着された施工する既製杭より大きな内径を有し側面に切欠開口部が設けられたガイド筒と、該ガイド筒内面に装着する回転支承とより成る既製杭の芯ズレ防止装置を使用し、杭芯位置にガイド筒の中心位置がほぼ一致するようにして基板を地盤上に設置し、この基板を固定手段で固定し、ガイド筒上端部内面に設置した少なくとも3個の回転支承が杭の外面に接するようにして既製杭を沈設することを特徴とする既製杭の芯ズレ防止施工方法。
  4. 前記固定手段は、施工機の支脚で基板を押えて固定することを特徴とする請求項3記載の既製杭の芯ズレ防止施工方法。
  5. 杭芯位置にガイド筒の中心位置がほぼ一致するようにして基板を地盤上に設置し、この基板を固定手段で固定し、ガイド筒上端部内面に設置した少なくとも3個の回転支承が杭の外面に接するようにして既製杭を沈設する既製杭の芯ズレ防止施工方法であって、既製杭がその上方外周に突起部を固着された鋼管杭又はSC杭であり、先行する既製杭に後続する既製杭を継ぎ足して順次沈設する工程において、先行する既製杭の上方外周に固着された突起部を、回転支承の構成部材に載置して先行既製杭が沈下しないように支持し、後続既製杭を接続することを特徴とする既製杭の芯ズレ防止施工方法。
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