以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の半導体装置の作製方法において用いる、導電膜のパターニング方法について説明する。
まず図1(A)に示すように、基板101上に絶縁膜102を形成する。絶縁膜102は、熱サイクルナノインプリント、室温ナノインプリント、光ナノインプリントなどのナノインプリントの種類によって、材料を変えるのが望ましい。本実施の形態では、絶縁膜102として光硬化性樹脂を用いて、光ナノインプリントで絶縁膜102をパターニングする例を挙げて説明する。光硬化性樹脂として、例えばポリメチルイソプロペニルケトン(PMIPK)及びビスアジドを含むレジスト、環化ポリイソプレン及びビスアジドを含むレジスト、ポリビニルフェノール及びビスアジドを含むレジスト、クロロメチル化ポリスチレンを含むレジスト等、ネガ型のフォトレジストを用いることができる。
また光硬化性樹脂として、多官能、単官能のアクリル系モノマーあるいはオリゴマーを用いることができる。多官能モノマーとしては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートカルバメート、変性ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、アジピン酸1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリル酸エステル、無水フタル酸プロピレンオキサイド(メタ)アクリル酸エステル、トリメリット酸ジエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、ロジン変性エポキシジ(メタ)アクリレート、アルキッド変性(メタ)アクリレートのようなオリゴマー、あるいはトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどを、単数または複数用いることができる。単官能モノマーとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどがあり、これらの2種以上の混合物、あるいはその他の化合物との混合物などが用いられる。オリゴマーとしては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、シリコンアクリレートなどのアクリレート系化合物の他、ポリチオール系化合物、スピラン樹脂系化合物、エポキシ樹脂系化合物などを用いることができる。
また現像後のパターンにおいてさらに高い感度、高い解像度を得るために、上記光硬化性樹脂に光重合開始剤または増感剤を添加するのが好ましい。光重合開始剤または増感剤は、そのトータルの量が光硬化性樹脂に対して2〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%の割合となるように添加するのが望ましい。光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、イミダゾール系化合物、ベンゾインエーテル系、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、トリアジン系化合物、リン系化合物あるいはチタネート、芳香族アミン系化合物、環状オキシム化合物、鎖状オキシム化合物、ベンジルケタール系化合物、ケトン系化合物等を用いることができる。具体的には、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、4−(p−メトキシフェニル)−2,6−ジ−(トリクロロメチル)−s−トリアジン、N−フェニルジエタノールアミン、N−フェニルグリシン、ミヒラーズケトン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、1−フェニルプロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ジベンジルケトン、フルオレノンなどが挙げられる。増感剤としては、例えばアジドアントラキノン、アジドベンザルアセトフェノンなどの芳香族モノアジド、3,3’−カルボニルビス(ジエチルアミノクマリン)などのクマリン化合物、ベンズアントロン、フェナントレンキノンなどの芳香族ケトンなどを用いることができる。
ただし光硬化性樹脂には、後に行なわれる工程の処理温度に耐えうる材料を用いるようにする。
そして予めパターンが形成されたモールド103を、図1(B)に示すように絶縁膜102に、例えば5〜15MPaの圧力で押し付ける。なおモールド103は、熱サイクルナノインプリント、室温ナノインプリント、光ナノインプリントなどのナノインプリントの種類によって、用いる材料を適宜変えることが望ましい。例えば光ナノインプリントの場合、絶縁膜102を硬化させるための光を、透過させることができる材料でモールド103を形成する。本実施の形態では、石英で形成されたモールド103を用いる。なおモールド103のパターンは、EB(電子線描画)を用いて形成することができる。
そして、モールド103を絶縁膜102に押し付けた状態で、絶縁膜102を硬化させる。上記構成により、モールド103に形成されたパターンが、絶縁膜102に転写される。なお光ナノインプリントを用いる場合、絶縁膜102を紫外光などの光を照射することにより、硬化させることができる。また光ナノインプリントの場合、モールド103と絶縁膜102との間に気泡が入ってしまうのを防ぐために、例えば10-2Torr程度の減圧雰囲気下でモールド103を絶縁膜102に押し付け、硬化させるのが望ましい。
熱サイクルナノインプリントの場合は、絶縁膜102として熱可塑性樹脂を用い、モールド103を押し付ける前に絶縁膜102を転移温度よりも高くなるように加熱して軟化させる。そしてモールド103を押し付けた状態で、転移温度よりも低くなるように絶縁膜102を冷却することで、絶縁膜102を硬化させる。また、室温ナノインプリントの場合は、絶縁膜102としてSOG(Spin on Glass)などのゾル−ゲル系材料を用い、室温においてモールド103を絶縁膜102に押し付ける。そしてモールド103を絶縁膜102から取り外すことで、絶縁膜102にパターンを転写することができる。ただし、熱サイクルナノインプリントまたは室温ナノインプリントの場合でも、光ナノインプリントの場合と同様に、後の工程における処理温度に耐えうる材料を絶縁膜102に用いるようにする。
次に図1(C)に示すように、モールド103を絶縁膜102から取り外す。このとき絶縁膜102に超音波を用いて振動を加えることで、絶縁膜102の変形を抑えながら、モールド103を絶縁膜102から取り外すことができる。モールド103を取り外すことで、パターンが形成された絶縁膜102を形成することができる。
図1(C)では、絶縁膜102に凹部(開口部)104が形成されている。なお開口部104の深さは1μm〜10μm、開口部104間の間隔は5μm〜100μmで形成することができる。
そして図1(D)に示すように、液滴吐出法を用いて、導電性を有する導電性材料を含んだ液滴を開口部104に吐出し、最終的に図1(E)に示すように導電膜105を形成する。導電膜105には、Ag、Au、Cu、Pt、Pd、Rd、Cuなどの単体、合金、混合物、金属化合物を1つまたは複数有する導電材料を用いることができる。上記金属の合金、混合物の一例として、AgとPd、AgとPt、AuとPt、AuとPd、AgとCuの組み合わせが挙げられる。また、分散剤により凝集を抑え、溶液に分散させることができるならば、Cr、Mo、Ti、Ta、W、Alなどの単体、合金、混合物、金属化合物を1つまたは複数有する導電材料を用いることも可能である。また例えば、CuをAgでコートした導電性材料なども用いることが可能である。なお、液滴吐出法による導電膜の形成を複数回行なうことで、複数の導電膜が積層された状態を形成し、1つの導電膜105として用いることも可能である。
また液滴に含まれる導電材料は、溶液中における凝集を防ぐために、例えばキシレン、トルエンまたはクエン酸等で被覆しておいても良い。そして導電材料の粒径は、ノズルの目詰まりを防ぐ程度に小さく、また凝集を防ぐことができる程度に大きいほうが良い。よって、液滴に含まれる導電材料の粒径は、数nm〜100nm程度であることが望ましい。
また、導電材料を分散させるのに用いる溶媒は、凝集を抑えて導電材料を分散させることができる材料が好ましい。また、ノズルが目詰まりを起こさない程度に蒸気圧が低く、なおかつ焼成後において導電膜中に溶媒が残留しにくい程度の高い蒸気圧を有するものが望ましい。例えば溶媒として、水、アルコール、炭化水素、エーテルを単体で、或いは混合して用いることができる。上記アルコールの具体例として、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールなどが挙げられる。また上記炭化水素の具体例として、例えばテトラデカン、トルエン、キシレン、n−ヘプタン、n−オクタンなどが挙げられる。
そして、有機系または無機系の溶媒に該導電性材料を分散させたものを、ノズルから滴下した後、室温において乾燥または焼成することで、形成することができる。本実施の形態では、テトラデカンにAgを分散させた溶液を滴下し、200℃〜300℃で1min〜50hr焼成することで溶媒を除去し、導電膜105を形成する。有機系の溶媒を用いる場合、上記焼成を酸素雰囲気下で行なうことで、効率的に溶媒を除去することができ、導電膜105の抵抗をより下げることができる。
焼成は、赤外ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプなどを用いたランプアニールで行なっても良いし、電気炉を用いたファーネスアニールで行なっても良い。またエキシマレーザや、Nd:YAGレーザを用いたレーザアニール法で行なっても良い。
なお液滴吐出法を用いる場合、開口部104の形状に合わせて、ノズルの細孔の径、液滴1ドットあたりの吐出量、滴下する溶液の粘度及び表面張力、液滴が滴下される絶縁膜102の表面における撥水性などの条件を最適化することが望ましい。
具体的に導電材料を含む溶液の表面張力は、液滴の滴下を安定して行なうために、数十mN/m程度にすることが望ましい。界面活性剤を溶液に添加し、表面張力が上記数値になるように調整しても良い。界面活性剤として、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、弗素系界面活性剤などを用いることができる。また導電材料を含む溶液の粘度も、液滴の滴下を安定して行なうために、数mPa・S〜数十mPa・Sとすることが望ましい。
また、導電膜105と、絶縁膜102の凹部以外の領域とで形成される表面が、平坦化されていることが望ましい。よって導電膜105を、その表面が絶縁膜102の凹部以外の領域よりも盛り上がるように形成した後、導電膜105の表面をCMP法などで平坦化するのが好ましい。或いは、導電膜105を焼成する前に、エアナイフを用いて、気体を導電膜105の表面に吹きつけることで、導電膜105と、絶縁膜102の凹部以外の領域とで形成される表面が、平坦化されるようにしても良い。或いは導電膜105を焼成する前に、加熱した平板で加圧しながらプレスすることで、平坦化を行うようにしても良い。
本発明は上記方法により、電極や配線として用いることができる導電膜のパターニングを、行なうことができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、樹脂などで形成された絶縁膜に直接ナノインプリント法でコンタクトホールまたは開口部を形成する形態について説明する。なお本実施の形態では、熱サイクルナノインプリントの場合を例に挙げて説明するが、本発明では光サイクルナノインプリントまたは室温ナノインプリントを用いていても良い。
まず図2(A)に示すように、配線201を覆うように絶縁膜202を形成する。その後、図2(B)に示すように、絶縁膜202にパターンが形成されたモールド203を、例えば5〜15MPaの圧力で押し付ける。本実施の形態では熱サイクルナノインプリントを用いるので、絶縁膜202として熱可塑性を有する樹脂、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミドなどを用いることができる。図2(A)では、絶縁膜202としてPMMAを用いる例を挙げて説明する。絶縁膜202は、モールド203を押し付ける前に、絶縁膜202の転移温度よりも高い温度、例えば90℃〜200℃まで加熱し、軟化させておく。
そして図2(B)に示すように、絶縁膜202にモールド203を押し付けた状態を維持したまま、絶縁膜202を転移温度よりも低くなる温度、例えば70℃まで冷却し、絶縁膜202を硬化させる。そして絶縁膜202が硬化したら、図2(C)に示すように、絶縁膜202からモールド203を取り外す。モールド203が取り外された絶縁膜202には、モールド203のパターンが転写されている。
次に図2(D)に示すように、絶縁膜202の表面をアッシング等により削っていき、絶縁膜202の下層に形成されている層(本実施の形態では配線201)を一部露出させることで、コンタクトホール204を形成することができる。
上記構成により、レジストマスクを形成せずともコンタクトホール204を形成することができる。よって、リソグラフィ法を用いなくとも良いので、レジストの形成、露光、現像、エッチング、剥離などの一連の工程を省いて作製工程を簡略化し、半導体装置のコストを抑えることができる。
本実施の形態は、上記実施の形態と組み合わせて実施することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の作製方法を用いて、半導体表示装置の一つである発光装置を形成する例について説明する。
まず図3(A)に示すように、基板501の絶縁表面上に絶縁膜502を形成する。
基板501には、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、ステンレス基板等を用いることができる。また、PET、PES、PENに代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は、一般的に上記基板と比較して耐熱温度が低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば用いることが可能である。
絶縁膜502は、ナノインプリントの種類に合わせて、成形が可能な材料を用いる。本実施の形態では光ナノインプリントの場合を例に挙げて説明するが、熱サイクルナノインプリントまたは室温ナノインプリントを用いていても良い。光ナノインプリントを用いる場合、絶縁膜502として実施の形態1で示した光硬化性樹脂を用いる。本実施の形態では、例えばポリメチルイソプロペニルケトン(PMIPK)及びビスアジドを含むレジストを用いる。
そしてモールド503を、図3(B)に示すように絶縁膜502に5〜15MPaの圧力で押し付ける。そして、図3(C)に示すようにモールド503を絶縁膜502に押し付けた状態を維持したまま、絶縁膜502に紫外光を照射し、絶縁膜502を硬化させる。光ナノインプリントの場合、モールド503と絶縁膜502との間に気泡が入ってしまうのを防ぐために、例えば10-2Torr程度の減圧雰囲気下でモールド503を絶縁膜502に押し付け、硬化させるのが望ましい。その後、図3(D)に示すようにモールド503を絶縁膜502から取り外すことで、絶縁膜502にモールド503のパターンが転写される。具体的に図3(D)では、絶縁膜502に開口部504が形成される。
なお光ナノインプリントの場合、絶縁膜502を硬化させるための光を透過させることができる材料で、モールド503を形成する。本実施の形態では、石英で形成されたモールド503を用いる。なおモールド503のパターンは、EB(電子線描画)を用いて形成することができる。
また、絶縁膜502に含まれる炭素などの不純物が、後に形成される半導体膜に混入するのを防ぐために、パターン転写後の絶縁膜502を覆うように、絶縁膜で形成された下地膜を形成するようにしても良い。下地膜は、窒化珪素、窒化酸化珪素などのバリア性の高い絶縁膜を用いて形成すれば良い。ただし下地膜は、絶縁膜502に形成されたパターンが消失しない程度の膜厚で形成する。
次に図4(A)に示すように、液滴吐出法を用いて、導電性を有する導電性材料を含んだ液滴を開口部504に吐出し、各開口部504に導電膜505〜507を形成する。導電膜505〜507には、実施の形態1に示した材料を用いることができる。
なお液滴に含まれる導電材料は、溶液中における凝集を防ぐために、例えばキシレン、トルエンまたはクエン酸等で被覆しておいても良い。そして導電材料の粒径は、ノズルの目詰まりを防ぐ程度に小さく、また凝集を防ぐことができる程度に大きいほうが良い。よって、液滴に含まれる導電材料の粒径は、数nm〜100nm程度であることが望ましい。
また、導電材料を分散させるのに用いる溶媒は、凝集を抑えて導電材料を分散させることができる材料が好ましい。また、ノズルが目詰まりを起こさない程度に蒸気圧が低く、なおかつ焼成後において導電膜中に溶媒が残留しにくい程度の高い蒸気圧を有するものが望ましい。具体的には、実施の形態1に示した材料を用いることができる。
そして、有機系または無機系の溶媒に該導電性材料を分散させたものを、ノズルから滴下した後、室温において乾燥または焼成することで、形成することができる。本実施の形態では、テトラデカンにAgを分散させた溶液を滴下し、200℃〜300℃で1min〜50hr焼成することで溶媒を除去し、導電膜505〜507を形成する。有機系の溶媒を用いる場合、上記焼成を酸素雰囲気下で行なうことで、効率的に溶媒を除去することができ、導電膜505〜507の抵抗をより下げることができる。
焼成は、赤外ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプなどを用いたランプアニールで行なっても良いし、電気炉を用いたファーネスアニールで行なっても良い。またエキシマレーザや、Nd:YAGレーザなどを用いたレーザアニール法で行なっても良い。
なお液滴吐出法を用いる場合、開口部504の形状に合わせて、ノズルの細孔の径、液滴1ドットあたりの吐出量、滴下する溶液の粘度及び表面張力、液滴が滴下される絶縁膜502の表面における撥水性などの条件を最適化することが望ましい。
具体的に導電材料を含む溶液の表面張力は、液滴の滴下を安定して行なうために、数十mN/m程度にすることが望ましい。界面活性剤を溶液に添加し、表面張力が上記数値になるように調整しても良い。界面活性剤として、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、弗素系界面活性剤などを用いることができる。また導電材料を含む溶液の粘度も、液滴の滴下を安定して行なうために、数mPa・S〜数十mPa・Sとすることが望ましい。
また、導電膜505〜507と、絶縁膜502の開口部504以外の領域とで形成される表面が、平坦化されていることが望ましい。よって導電膜505〜507を、その表面が絶縁膜502の開口部504以外の領域よりも盛り上がるように形成した後、導電膜505〜507の表面をCMP法などで平坦化するのが好ましい。或いは、導電膜505〜507を焼成する前に、エアナイフを用いて、気体を導電膜505〜507の表面に吹きつけることで、導電膜505〜507と、絶縁膜502の開口部504以外の領域とで形成される表面が、平坦化されるようにしても良い。或いは導電膜505〜507を焼成する前に、加熱した平板で加圧しながらプレスすることで、平坦化を行なうようにしても良い。
次に図4(B)に示すように、導電膜505〜507を覆うように、ゲート絶縁膜508を形成する。ゲート絶縁膜508は、具体的には40〜150nm(より好ましくは60〜120nm)程度の厚さで形成する。
ゲート絶縁膜508には、例えば酸化珪素、窒化珪素または窒化酸化珪素等を用いることができる。本実施の形態では、ゲート絶縁膜508を単層の絶縁膜で構成しているが、2層以上の複数の絶縁膜で構成されていても良い。また形成方法は、プラズマCVD法、スパッタ法などを用いることができる。例えば、プラズマCVD法を用い、酸化珪素でゲート絶縁膜508を形成する場合、TEOS(Tetraethyl Orthosilicate)とO2を混合したガスを用い、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2とし、形成する。
また窒化アルミニウムをゲート絶縁膜508として用いることができる。窒化アルミニウムは熱伝導率が比較的高く、TFTで発生した熱を効率的に発散させることができる。またアルミニウムの含まれない酸化珪素や酸化窒化珪素等を形成した後、窒化アルミニウムを積層したものをゲート絶縁膜508として用いても良い。
次に図4(B)に示すように、第1の半導体膜509を形成する。第1の半導体膜509は非晶質(アモルファス)半導体またはセミアモルファス半導体(SAS)で形成することができる。また多結晶半導体膜を用いていても良い。本実施の形態では、第1の半導体膜509としてセミアモルファス半導体を用いる。セミアモルファス半導体は、非晶質半導体よりも結晶性が高く高い移動度が得られ、また多結晶半導体と異なり結晶化させるための工程を増やさずとも形成することができる。
非晶質半導体は、珪化物気体をグロー放電分解することにより得ることができる。代表的な珪化物気体としては、SiH4、Si2H6が挙げられる。この珪化物気体を、水素、水素とヘリウムで希釈して用いても良い。
なおセミアモルファス半導体とは、非晶質半導体と結晶構造を有する半導体(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体を含む膜である。このセミアモルファス半導体は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質なものであり、その粒径を0.5〜20nmとして非単結晶半導体中に分散させて存在せしめることが可能である。セミアモルファス半導体は、そのラマンスペクトルが520cm-1よりも低波数側にシフトしており、またX線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。また、未結合手(ダングリングボンド)の中和剤として水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。ここでは便宜上、このような半導体をセミアモルファス半導体(SAS)と呼ぶ。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで安定性が増し良好なセミアモルファス半導体が得られる。
またSASは珪化物気体をグロー放電分解することにより得ることができる。グロー放電分解による被膜の反応生成は、減圧下または大気圧下で行なうことができる。減圧下で行なう場合、圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲で行なえば良い。グロー放電を形成するための電力は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHzの高周波電力を供給すれば良い。圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHzとする。基板加熱温度は300℃以下でよく、好ましくは100〜250℃とする。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020atoms/cm3以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019atoms/cm3以下、好ましくは1×1019atoms/cm3以下とする。
代表的な珪化物気体は、SiH4であり、その他にもSi2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることができる。また水素や、水素にヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた一種または複数種の希ガス元素を加えたガスで、この珪化物気体を希釈して用いることで、SASの形成を容易なものとすることができる。希釈率は2倍〜1000倍の範囲で珪化物気体を希釈することが好ましい。またさらに、珪化物気体中に、CH4、C2H6などの炭化物気体、GeH4、GeF4などのゲルマニウム化気体、F2などを混入させて、エネルギーバンド幅を1.5〜2.4eV、若しくは0.9〜1.1eVに調節しても良い。
例えば、SiH4にH2を添加したガスを用いる場合、或いはSiH4にF2を添加したガスを用いる場合、形成したセミアモルファス半導体を用いてTFTを作製すると、該TFTのサブスレッショルド係数(S値)を0.35V/sec以下、代表的には0.25〜0.09V/secとし、移動度を10cm2/Vsecとすることができる。そして上記セミアモルファス半導体を用いたTFTで、例えば19段リングオシレータを形成した場合、電源電圧3〜5Vにおいて、その発振周波数は1MH以上、好ましくは100MHz以上の特性を得ることができる。また電源電圧3〜5Vにおいて、インバータ1段あたりの遅延時間は26ns、好ましくは0.26ns以下とすることができる。
また異なるガスで形成されたSASを複数積層することで、第1の半導体膜509を形成しても良い。例えば、上述した各種ガスのうち、弗素原子を含むガスを用いて形成されたSASと、水素原子を含むガスを用いて形成されたSASとを積層して、第1の半導体膜509を形成することができる。
なお、Si2H6と、GeF4またはF2とを用いて半導体膜を形成する場合、半導体膜のより基板501に近い側から結晶が成長するので、基板501に近い側ほど半導体膜の結晶性が高い。よって、ゲート電極が第1の半導体膜509よりも基板により近いボトムゲート型のTFTの場合、第1の半導体膜509のうち基板に近い側の結晶性が高い領域をチャネル形成領域として用いることができるので、移動度をより高めることができ、適している。
また、SiH4と、H2とを用いて半導体膜を形成する場合、半導体膜の表面により近い側ほど大きい結晶粒が得られる。よって、第1の半導体膜509がゲート電極よりも基板により近いトップゲート型のTFTの場合、第1の半導体膜509のうち基板501から遠い側の結晶性が高い領域をチャネル形成領域として用いることができるので、移動度をより高めることができ、適している。
また、SASは、価電子制御を目的とした不純物を意図的に添加しないときに弱いn型の導電型を示す。これは、アモルファス半導体を成膜するときよりも高い電力のグロー放電を行なうため酸素が半導体膜中に混入しやすいためである。そこで、TFTのチャネル形成領域を設ける第1の半導体膜509に対しては、p型を付与する不純物を、この成膜と同時に、或いは成膜後に添加することで、しきい値制御をすることが可能となる。p型を付与する不純物としては、代表的には硼素であり、B2H6、BF3などの不純物気体を1ppm〜1000ppmの割合で珪化物気体に混入させると良い。例えば、p型を付与する不純物としてボロンを用いる場合、該ボロンの濃度を1×1014〜6×1016atoms/cm3とすると良い。
次に第1の半導体膜509を覆うように、第2の半導体膜510を形成する。第2の半導体膜510には、一導電型を付与する不純物を添加しておく。nチャネル型のTFTを形成する場合には、第2の半導体膜510に、n型を付与する不純物、例えばリンを添加すれば良い。具体的には、珪化物気体にPH3などの不純物気体を加え、第2の半導体膜510を形成すれば良い。一導電型を有する第2の半導体膜510は、第1の半導体膜509と同様にセミアモルファス半導体、非晶質半導体で形成することができる。
本実施の形態では、第1の半導体膜509及び第2の半導体膜510として、セミアモルファス半導体を用いる例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。第1の半導体膜509または第2の半導体膜510は、非晶質半導体であっても良いし、多結晶半導体であっても良い。ただし結晶化の工程を行なう場合、絶縁膜502の耐熱性を考慮する必要がある。なお多結晶半導体は、結晶化の工程を設けずとも、スパッタ法、プラズマCVD法、熱CVD法などで直接形成することも可能である。また半導体は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることができる。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
また本実施の形態では、第2の半導体膜510を第1の半導体膜509と接するように形成しているが、本発明はこの構成に限定されない。第1の半導体膜509と第2の半導体膜510の間に、LDD領域として機能する第3の半導体膜を形成しておいても良い。この場合、第3の半導体膜は、セミアモルファス半導体または非晶質半導体で形成する。そして、第3の半導体膜は、導電型を付与するための不純物を意図的に添加しなくとも、もともと弱いn型の導電型を示す。よって第3の半導体膜には、導電型を付与するための不純物を添加してもしなくても、LDD領域として用いることができる。
次に図4(C)に示すように、第1の半導体膜509及び第2の半導体膜510のパターニングを行なう。第1の半導体膜509及び第2の半導体膜510のパターニングは、フォトリソグラフィ法を用いても良いし、液滴吐出法またはスクリーン印刷法、オフセット印刷法に代表される印刷法で形成されたレジストをマスクとして用いても良い。後者の場合、露光用のフォトマスクを別途用意しておく必要がなくなり、よってコストの削減に繋がる。上記パターニングにより、島状の第1の半導体膜511、512と、島状の第2の半導体膜513、514とが形成される。なお、島状の第1の半導体膜511と島状の第2の半導体膜513は重なっており、島状の第1の半導体膜512と島状の第2の半導体膜514は重なっている。
次に図5(A)に示すように、ゲート絶縁膜508の一部をエッチングにより選択的に除去し、導電膜506を露出させる。ゲート絶縁膜508のエッチングには、フォトリソグラフィ法を用いても良いし、液滴吐出法または印刷法で形成されたレジストをマスクとして用いても良い。後者の場合、露光用のマスクを別途用意しておく必要がなくなり、よってコストの削減に繋がる。
次に図5(B)に示すように、配線520〜523を液滴吐出法または印刷法を用いて形成した後、図5(C)に示すように該配線520〜523をマスクとして用い、島状の第2の半導体膜513、514をエッチングする。島状の第2の半導体膜513、514のエッチングは、真空雰囲気下もしくは大気圧雰囲気下におけるドライエッチングで行なうことができる。
エッチングガスには、SF6、NF3、CF4などのフッ化物気体を用いることができる。そしてこのエッチングでは、島状の第1の半導体膜511、512と、島状の第2の半導体膜513、514との間で、エッチングの選択比がとれないので、処理時間を適宜調整して行なうこととなる。このエッチングにより、島状の第2の半導体膜513、514が一部露出する。そして、島状の第2の半導体膜513、514からソース領域またはドレイン領域として機能する島状の第2の半導体膜524〜527が形成される。
上記一連の工程により、TFT530、531を形成することができる。TFT530は、導電膜507がゲート電極として機能する。またTFT531は、導電膜505がゲート電極として機能する。
次に図6(A)に示すように、TFT530、531を覆うように層間絶縁膜532を形成する。層間絶縁膜532は、コンタクトホールを形成する際に用いるナノインプリントの種類によって、材料を変えるのが望ましい。本実施の形態では、層間絶縁膜532として光硬化性樹脂を用い、層間絶縁膜532に光ナノインプリントで開口部を形成する例を挙げる。光硬化性樹脂は、実施の形態1に列挙した材料を用いることができる。
そして予めパターンが形成されたモールド533を、図6(B)に示すように、例えば5〜15MPaの圧力で層間絶縁膜532に押し付ける。そして、モールド533を層間絶縁膜532に押し付けた状態で、層間絶縁膜532を硬化させる。上記構成により、モールド533に形成されたパターンが、層間絶縁膜532に転写される。なお光ナノインプリントを用いる場合、層間絶縁膜532を紫外光などの光を照射することにより、硬化させることができる。また光ナノインプリントの場合、モールド533と層間絶縁膜532との間に気泡が入ってしまうのを防ぐために、例えば10-2Torr程度の減圧雰囲気下でモールド533を層間絶縁膜532に押し付け、硬化させるのが望ましい。
次に、モールド533を層間絶縁膜532から取り外す。このとき層間絶縁膜532に超音波を用いて振動を加えることで、層間絶縁膜532の変形を抑えながら、モールド533を層間絶縁膜532から取り外すことができる。モールド533を取り外すことで、パターンが形成された層間絶縁膜532を形成することができる。
次に図6(C)に示すように、パターンが形成された層間絶縁膜532の表面を、配線522の一部が露出するようにアッシング等で削っていき、コンタクトホール534を形成する。
そして図7(A)に示すように、層間絶縁膜532上に、コンタクトホール534において配線522と接するような配線535を形成する。なお配線535の形成は、リソグラフィ法を用いていても良いし、液滴吐出法または印刷法を用いていても良い。
次に図7(B)に示すように、層間絶縁膜532及び配線535を覆って導電膜を形成した後、該導電膜をパターニングすることで、配線535に接続された第1の電極(陰極)540を形成する。なお本実施の形態では、第1の電極540が陰極、後に形成される第2の電極544が陽極に相当するが、本発明はこの構成に限定されない。第1の電極540が陽極、第2の電極544が陰極に相当していても良い。
陰極は、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(CaF2、CaN)の他、YbやEr等の希土類金属を用いることができる。また電子注入層を設ける場合、Alなどの他の導電膜を用いることも可能である。また陰極側から光を取り出す場合は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を用いることが可能である。ITO及び酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、ITSOとする)や、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに、さらに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを用いても良い。透光性酸化物導電材料を用いる場合、後に形成される電界発光層543に電子注入層を設けるのが望ましい。また透光性酸化物導電材料を用いずとも、陰極を光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で形成することで、陰極側から光を取り出すことができる。この場合、該陰極の上または下に接するように透光性酸化物導電材料を用いて透光性を有する導電膜を形成し、陰極のシート抵抗を抑えるようにしても良い。
なお第1の電極540は、その表面が平坦化されるように、CMP法、ポリビニルアルコール系の多孔質体で拭浄して、研磨しても良い。またCMP法を用いた研磨後に、第1の電極540の表面に紫外線照射、酸素プラズマ処理などを行ってもよい。
次に隔壁542を、層間絶縁膜532上に形成する。隔壁542は、有機樹脂膜、無機絶縁膜またはシロキサン系絶縁膜を用いて形成することができる。有機樹脂膜ならば、例えばアクリル、ポリイミド、ポリアミドなど、無機絶縁膜ならば酸化珪素、窒化酸化珪素などを用いることができる。特に感光性の有機樹脂膜を隔壁542に用い、第1の電極540上に開口部550を形成し、その開口部550の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することで、第1の電極540と後に形成される第2の電極544とが接続してしまうのを防ぐことができる。このとき、マスクを液滴吐出法または印刷法で形成することができる。また隔壁542自体を、液滴吐出法または印刷法で形成することもできる。なおシロキサン系絶縁膜は、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む絶縁膜であり、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有していても良い。
なお本実施の形態では、隔壁542として、ポジ型の感光性のアクリル樹脂を用いた例を示している。感光性の有機樹脂には、光、電子、イオンなどのエネルギー線が露光された箇所が除去されるポジ型と、露光された箇所が残るネガ型とがある。本発明ではネガ型の有機樹脂膜を用いても良い。また感光性のポリイミドを用いて隔壁542を形成しても良い。ネガ型のアクリルを用いて隔壁542を形成した場合、開口部における端部が、S字状の断面形状となる。このとき開口部550の上端部及び下端部における曲率半径は、0.2〜2μmとすることが望ましい。
上記構成により、後に形成される電界発光層543や第2の電極544のカバレッジを良好とすることができ、第1の電極540と第2の電極544が、電界発光層543に形成された穴においてショートするのを防ぐことができる。また電界発光層543の応力を緩和させることで、発光領域が減少するシュリンクとよばれる不良を低減させることができ、信頼性を高めることができる。
なお液滴吐出法で隔壁542を形成する場合、隔壁542を形成する前に開口部550となる領域に撥液性を有する有機材料を液滴吐出法または印刷法などを用いて塗布しておいても良い。この場合、隔壁542を形成した後、撥液性を有する有機材料を除去することで、開口部を形成することができる。撥液性を有する有機材料として、フルオロアルキルシラン(FAS)などのシランカップリング剤を用いることができる。フルオロアルキルシランとして、例えばヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシランなどを用いることができる。またその他のシランカップリング剤として、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシシラン、γ−メルカププロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。また撥液性を有する有機材料の除去は、水またはエタノールによる洗浄、CF4、O2などを用いたドライエッチングで行なうことができる。
また電界発光層543を形成する前に、隔壁542及び第1の電極540に吸着した水分や酸素等を除去するために、大気雰囲気下で加熱処理または真空雰囲気下で加熱処理(真空ベーク)を行なっても良い。具体的には、基板の温度を200℃〜450℃、好ましくは250〜300℃で、0.5〜20時間程度、真空雰囲気下で加熱処理を行なう。望ましくは3×10-7Torr以下とし、可能であるならば3×10-8Torr以下とするのが最も望ましい。そして、真空雰囲気下で加熱処理を行なった後に電界発光層543を形成する場合、電界発光層543を形成する直前まで当該基板を真空雰囲気下に置いておくことで、信頼性をより高めることができる。また真空ベークの前または後に、第1の電極540に紫外線を照射してもよい。
なお、層間絶縁膜532に接するように形成される電極(本実施例では第1の電極540)を、ITSOのように透光性酸化物導電材料と酸化珪素を含む導電膜で形成し、層間絶縁膜532を窒化珪素で形成することで、第1の電極540と層間絶縁膜532を他の材料で形成した組み合わせよりも、発光素子の輝度を高めることができる。この場合、第1の電極540に含まれる酸化珪素によって、水分が付着しやすいので、上述した真空ベークは特に有効である。
次に、第1の電極540上に電界発光層543を形成する。電界発光層543は、単数または複数の層からなり、各層には有機材料のみならず無機材料が含まれていても良い。電界発光層543は陰極に用いられる材料の仕事関数が十分小さくない場合、電子注入層を設けることが望ましい。
次に、電界発光層543を覆うように第2の電極(陰極)544を形成する。第1の電極540、電界発光層543、第2の電極544は、隔壁542の開口部において重なり合っており、該重なり合っている部分が発光素子545に相当する。
なおモノクロの画像を表示する場合、もしくは白色の発光素子とカラーフィルターを用いてカラーの画像を表示する場合、電界発光層543の構造は全ての画素において同じである。三原色の光をそれぞれ発する3つの発光素子を用いてカラーの画像を表示する場合、電界発光層543は、対応する色ごとに材料、積層する層または膜厚を変えて塗り分けても良い。電界発光層を塗り分ける場合、液滴吐出法は材料の無駄がなく、工程も簡素化できるので、非常に有効である。なおカラーは、混色を用いたフルカラーであっても良いし、単一の色相を有する複数の画素を特定のエリアごとに配したエリアカラーであっても良い。
なおカラーフィルターは、特定の波長領域の光を透過させることができる着色層と、場合によっては該着色層に加え、可視光を遮蔽することができる遮蔽膜とを有する場合がある。そしてカラーフィルターは、発光素子を封止するためのカバー材上に形成する場合もあれば、基板に形成する場合もありうる。いずれの場合においても、着色層または遮蔽膜は、印刷法または液滴吐出法を用いて形成することが可能である。
また電界発光層543は、高分子系有機化合物、中分子系有機化合物、低分子系有機化合物、無機化合物のいずれを用いていても、液滴吐出法で形成することが可能である。また中分子系有機化合物、低分子系有機化合物、無機化合物は蒸着法で形成しても良い。
第2の電極544は、透明導電膜を用いることができる。透明導電膜として、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を用いることが可能である。ITO及び酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、ITSOとする)や、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに、さらに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを用いても良い。また第1の電極540として上記透光性酸化物導電材料の他に、例えばTiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr、Ag、Al等の1つまたは複数からなる単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を用いることができる。ただし透光性酸化物導電材料以外の材料で陽極側から光を取り出す場合、光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で形成する。
なお、発光素子545からの光の取り出しは、第1の電極540側からであっても良いし、第2の電極544側からであっても良いし、その両方からであっても良い。上記3つの構成にうち、目的とする構成に合わせて、陽極、陰極ぞれぞれの材料及び膜厚を選択するようにする。本実施の形態のように第2の電極544側から光の取り出す場合、第1の電極540側から光の取り出す場合に比べて、光の取り出し効率を高めることができるので、より低い消費電力で高い輝度を得ることができる。
なお発光素子545を形成したら、第2の電極544上に、保護膜を形成しても良い。保護膜は層間絶縁膜532と同様に、水分や酸素などの発光素子の劣化を促進させる原因となる物質を、他の絶縁膜と比較して透過させにくい膜を用いる。代表的には、例えばDLC膜、窒化炭素膜、RFスパッタ法またはCVD法で形成された窒化珪素膜等を用いるのが望ましい。また、例えば窒化炭素膜と窒化珪素を積層した膜、ポリスチレンを積層した膜など、を保護膜として用いても良い。また上述した水分や酸素などの物質を透過させにくい膜と、該膜に比べて水分や酸素などの物質を透過させやすいが内部応力の低い膜とを積層させて、保護膜として用いることも可能である。本実施の形態では窒化珪素を用いる。保護膜として窒化珪素を用いる場合、低い成膜温度で緻密な保護膜を形成するには、アルゴンなどの希ガス元素を反応ガスに含ませ、保護膜中に混入させると良い。
図8(A)に、図7(B)に示す発光装置の上面図を示す。図7(B)は、図8(A)のA−A’、B−B’における断面図に相当する。なお図8(A)では構造をより分かりやすくするため、電界発光層543、第2の電極544は省略して図示する。配線520は信号線として機能する。導電膜506と導電膜505は繋がっている。配線523は電源線として機能する。図8(B)に、導電膜505〜507を形成するための、モールド503のパターンを示す。
なお図7(B)まで完成したら、発光素子545が外気に曝されないように、シール剤を用いて基板501とカバー材との間に発光素子545を封入する。その際、基板501とカバー材とで囲まれる領域を不活性雰囲気にしたり、内部に吸湿性材料(例えば酸化バリウム)を配置したりすると発光素子545の信頼性を向上させることができる。
なお本発明の作製方法は、必ずしも上述した形態に限定されない。上述した実施の形態は、本発明の一形態について具体的に説明しただけであり、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
なお、上記方法を用いて作製される半導体素子を、プラスチックなどの可撓性を有する基板上に転写することで、半導体装置を形成しても良い。転写は、基板と半導体素子の間に金属酸化膜を設け、該金属酸化膜を結晶化により脆弱化して半導体素子を剥離し、転写する方法、基板と半導体素子の間に水素を含む非晶質珪素膜を設け、レーザ光の照射またはエッチングにより該非晶質珪素膜を除去することで基板と半導体素子とを剥離し、転写する方法、半導体素子が形成された基板を機械的に削除または溶液やガスによるエッチングで除去することで半導体素子を基板から切り離し、転写する方法等、様々な方法を用いることができる。なお転写は、表示素子を作製する前に行なっても良いし、作製した後に転写しても良い。
なお本実施の形態では、画素部を形成する工程について説明したが、セミアモルファス半導体を第1の半導体膜として用いる場合、走査線駆動回路を画素部と同じ基板上に形成することが可能である。またアモルファス半導体を用いたTFTで画素部を形成し、該画素部が形成された基板に別途形成された駆動回路を貼り付けても良い。
本実施の形態は、上記実施の形態と組み合わせて実施することができる。
なお図3〜図8では、導電膜506の一部を露出させるためのゲート絶縁膜508のエッチングに、フォトリソグラフィ法を用いたり、液滴吐出法または印刷法で形成されたレジストをマスクとして用いたりしているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、第2の半導体膜510に接する配線をマスクとして用いてゲート絶縁膜508をエッチングし、導電膜506の一部を露出させても良い。この場合ゲート絶縁膜のエッチングを行なった後、液滴吐出法を用いて、導電膜506の露出した部分と、マスクとして用いた配線とを接続するような導電膜を形成しても良い。また例えば、ゲート絶縁膜508を形成する前に、導電膜506の一部と重なるようにピラーを形成しておいても良い。ピラーは、ピラーを形成したい領域に、導電材料を含む溶液を、液滴が重なるように複数回滴下することで形成できる。そしてゲート絶縁膜508は、ピラーと重なる部分において膜厚が著しく薄くなるため、該ゲート絶縁膜508上に形成された配線とピラーとを電気的に接続することができる。
また図3〜図8では、第1の半導体膜509と第2の半導体膜510を共にパターニングしているが、本発明の発光装置はこの作製方法に限定されない。次に図9を用いて、第1の半導体膜509と第2の半導体膜510を、異なるマスクを用いてパターニングする例について説明する。
まず上述した作製方法に従って、第1の半導体膜509まで同様に形成する。次に図9(A)に示すように、第1の半導体膜509をパターニングし、島状の第1の半導体膜560、561を形成する。そして、ゲート絶縁膜508の一部をエッチングにより除去し、導電膜506を露出させる。
次に図9(B)に示すように、島状の第1の半導体膜560、561及び導電膜506の露出した部分を覆うように、ゲート絶縁膜508上に第2の半導体膜を形成する。LDD領域として用いる第3の半導体膜を形成する場合は、第1の半導体膜509を形成した後、第3の半導体膜を形成し、それから第2の半導体膜562を形成する。
次に図9(C)に示すように、液滴吐出法または印刷法で配線563〜566を形成する。そして配線563〜566をマスクとして用い、第2の半導体膜562をパターニングすることで、ソース領域またはドレイン領域として機能する島状の第2の半導体膜567〜570が形成される。その後は、図3〜図8に示した作製方法と同様に、層間絶縁膜の形成以降の工程を同様に行なうことができる。
また図3〜図8、図9では、TFTを覆って層間絶縁膜を形成し、該層間絶縁膜上に第1の電極を形成しているが、本発明はこの構成に限定されない。第1の電極をゲート絶縁膜上に形成するようにしても良い。図10(A)に、第1の電極をゲート絶縁膜上に形成した場合の、画素の断面図を示す。図10(A)では、TFT580に接続された配線581に接するように、第1の電極582がゲート絶縁膜583上に形成されている。そして第1の電極582の一部と、TFT580、581とを覆うように、隔壁584が形成されている。隔壁584は開口部585を有しており、該開口部585において第1の電極582、電界発光層586、第2の電極587が重なり合うことで、発光素子588が形成されている。
また本発明では、図3〜図9、図10(A)に示す発光装置において、第1の半導体膜と第2の半導体膜の間にチャネル保護膜を形成しておいても良い。図10(A)に、図3〜図8に示した発光装置において、チャネル保護膜を形成した場合の、画素の断面図を示す。
図10(A)において、TFT590は島状の第1の半導体膜591と、ソース領域またはドレイン領域として機能する島状の第2の半導体膜592、593を有している。さらに第1の半導体膜591と島状の第2の半導体膜592、593の間には、第1の半導体膜591を覆うようにチャネル保護膜594が形成されている。また同様に、TFT595は島状の第1の半導体膜596と、ソース領域またはドレイン領域として機能する島状の第2の半導体膜597、598を有している。さらに第1の半導体膜596と島状の第2の半導体膜597、598の間には、第1の半導体膜596を覆うようにチャネル保護膜599が形成されている。
チャネル保護膜594、599は液滴吐出法または印刷法を用いて形成しても良いし、CVD法、スパッタ法などを用いて形成しても良い。チャネル保護膜594、599として、酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素などの無機絶縁膜、シロキサン系絶縁膜などを用いることができる。またこれらの膜を積層し、チャネル保護膜594、599として用いても良い。本実施の形態では、プラズマCVD法で形成された窒化珪素、液滴吐出法で形成されたシロキサン系絶縁膜を積層して、チャネル保護膜594、599として用いる。チャネル保護膜594、599を形成することで、島状の第2の半導体膜592、593、597、598をエッチングにより形成する際、チャネル保護膜594、599によって、島状の第1の半導体膜591、596がオーバーエッチングされるのを防ぐことができる。
一方、チャネル保護膜を形成しない場合は、ゲート絶縁膜及び第1の半導体膜、場合によってはゲート絶縁膜、第1の半導体膜及び第2の半導体膜とを、大気に触れさせることなく連続して形成することが可能である。すなわち、大気成分や大気中に浮遊する汚染物質に汚染されることなく各膜どうしの界面を形成することができるので、TFT特性のばらつきを低減することができる。
なお、上記図3〜図10に示した発光装置では、ゲート電極として機能する導電膜を各TFTが1つづつ有しているが、本発明はこの構成に限定されない。各TFTがマルチゲート構造を有していても良い。マルチゲート構造とは、直列に接続され、なおかつゲート電極が接続された複数のTFTが、第1の半導体膜を共有しているような構成を意味する。マルチゲート構造とすることで、TFTのオフ電流を低減させることができる。