JP4550993B2 - ブザーの放音構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、火災受信盤等において警報等を行うためブザーの放音構造に関し、特に、ブザーの音圧を向上させるための構造に特徴を有するブザーの放音構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日では、警報等を行うため各種のブザーが、様々な分野において広く利用されている。例えば、火災を検知するための火災検知器からの信号を監視等する火災受信盤にも、ブザーが設けられている。
このようなブザーは、筐体の内部に収められていることが多いため、当該ブザーの音を当該筐体の外部に放音するための放音構造を設けることが必要になる。
この放音構造としては、筐体におけるブザーの正面中央位置に、複数の音響孔を設ける構造が最も一般的である。
【0003】
ここで、火災報知を目的とするブザーについては、消防法上、一定値以上の音圧(具体的には、85dB以上の音圧)を確保することが義務付けられている。
しかしながら、設備コストを低減するために単一周波数のブザーが用いられることが増えてきており、このようなブザーは周囲環境に対する抵抗力が弱いため、周囲環境に応じて大きく音圧がばらついてしまうという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するため、従来から、下記のような構造が提案されている。
まず、第1は、ヘルムホルツの共鳴効果を利用する構造を挙げることができる。この構造では、ブザーの正面に放射状の共鳴壁を設けることにより、音圧の向上を図ることができる。
あるいは、放音経路を広げる構造、例えば、音響孔を大きくしたり、音響孔の数を増やしたり、筐体の側面にスリット等を設けることも考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ヘルムホルツの共鳴効果を利用する構造においては、放射状の共鳴壁を設けるために、ブザーの周辺に大きなスペースが必要になり、機器の小型化が進展する今日においては、この構造を採用することは困難である。
また、放音経路を広げる構造は、防虫性、防水性、防犯性、および、構造強度をいずれも低下させることになるため、やはり採用することが困難である。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、各種の性能低下を招くことがなく、少スペースで、ブザーの音圧を向上させること等ができる、ブザーの放音構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、請求項1に記載のブザーの放音構造は、正面略円形のブザーを収めた筐体に、当該ブザーの音を当該筐体の外部に放音するための複数の音響孔からなる音響孔群を複数設けて構成されたブザーの放音構造であって、上記複数の音響孔群を、前記ブザーの半径方向及び前記ブザーの周方向において相互に非連続する位置に配置し、上記各音響孔群に含まれる複数の音響孔の一部を、上記筐体における、上記ブザーの外縁を中心とする一定幅の環状の領域に対応する領域内に、当該ブザーの外縁に対向するように設けたことを特徴とする。
【0008】
この構造によれば、ブザーの音圧が最も高い正面周辺領域に音響孔が設けられており、操作パネルの内部空間で共鳴して放音されるので、ブザーの音圧を増幅することができる。特に、この場合には、音響孔の径や数自体は、従来と同様に構成することができるので、防虫性、防水性、防犯性、および、構造強度をいずれも低下させることがない。
【0009】
また、請求項2に記載のブザーの放音構造は、請求項1に記載のブザーの放音構造において、上記各音響孔群の複数の音響孔を、上記ブザーの外縁に対応する位置に至るにつれ大径状にしたことを特徴とする。また、請求項3に記載のブザーの放音構造は、請求項1に記載のブザーの放音構造において、上記各音響孔群の複数の音響孔を、上記ブザーの外縁に対応する位置に至るにつれ小径状にしたことを特徴とする。
【0010】
この構造によれば、音圧の分布に対応して音響孔の口径を変えることにより、各位置において最も効率のよい放音を行うことができる。また、正面周辺位置に近い音響孔を小径にし、正面周辺位置から遠い音響孔を大径にした場合には、全体として均一な音圧で放音を行うことができる。
【0011】
請求項4に記載のブザーの放音構造は、請求項1から3のいずれか一項に記載のブザーの放音構造において、上記各音響孔群の複数の音響孔の全部を、上記ブザーの外縁を中心とする一定幅の環状の領域に対応する位置のみに設けた。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかるブザーの放音構造の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。この実施の形態においては、本構造を、火災を検知するための火災検知器からの信号を監視等する火災受信盤に設けた例について説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1について説明する。
この形態は、概略的に、音響孔をブザーの正面周辺位置に設けたブザーの放音構造に関するものである。
この構造を適用した火災受信盤の全体斜視図を図1、正面図を図2(a)、A−A矢視縦断面図を図2(b)に示す。
【0019】
これら図1、2に示すように、火災受信盤1は、略方形の筐体2の内部に、基板3と、正面形状を略円形とするブザー4とを備えて構成されている。
このうち、筐体2の正面には、扉部5が開閉自在に設けられており、この扉部5には各種の表示灯6や操作スイッチ7が設けられている。
また、基板3には、図示しない制御部が設けられており、この制御部は、表示灯6や操作スイッチ7は基板3に電気的に接続されており、操作スイッチ7が操作された際の信号や、図示しない火災検知器からの信号等に基づいて、表示灯6の制御やブザーのON/OFFを行う。
また、ブザー4は、単一周波数ブザーであり、正面略円形に形成されており、上記基板3に電気的に接続されて、上記制御部の制御によってON/OFFされる。
【0020】
ここで、筐体2の扉部5には、複数の音響孔10が設けられている。これら各音響孔10は、図2(b)に特に明確に示すように、筐体2を貫通するように形成されており、ブザー4から発せられた音を筐体2の外部に放音する。
特に、これら音響孔10は、ブザーの4正面周辺位置に設けられている。この音響孔10の位置は、音圧が最も高い位置に対応している。
【0021】
以下、この音圧の位置関係について説明する。図3は、ブザー4と音との相対位置関係を示す概念図である。この図3には、ブザー4の外形S1と、この外形S1を中心として一定幅の環状に形成された正面周辺領域E1と、この正面周辺領域E1に対する内側領域E2と外側領域E3とを示している。ここで、一般には、ブザー4の中心に近い内側領域E2において音圧が最も高いと思われているが、本件出願人による実験等によれば、正面周辺領域E1において音圧が最も高いという結果が得られた。
【0022】
そこで、本実施の形態においては、図1、2に示すように、正面周辺領域E1に対応する位置に音響孔10を設けることにより、ブザー4の音圧を向上させている。
ただし、必ずしも全ての音響孔10を正面周辺領域E1に配置する必要はなく、少なくとも音響孔10の一部が正面周辺領域E1に配置されていれば、音圧向上効果を得ることができる。
【0023】
また、本実施の形態においては、複数の音響孔10を、複数個毎に分散配置している。すなわち、図1、2に示すように、複数の音響孔10は、左右に一定距離を隔てて並設された、第1のグループの音響孔10Aと、第2のグループの音響孔10Bとに分散されている。これら各グループの音響孔10A、10Bは、それぞれが上記の正面周辺領域E1に配置されており、音圧向上効果を効率的に得ることができる。
なお、本実施の形態においては、第1のグループと第2のグループとを左右に並設させているが、これはブザーの上下に表示灯6や操作スイッチ7があることとの兼ね合い上の結果であり、このような考慮をする必要がない場合には、上記正面周辺領域E1のいずれの方向に分散配置してもよい。
【0024】
また、本実施の形態においては、第1のグループと第2のグループのそれぞれの音響孔10A、10Bを、上記ブザーの正面周辺位置に至るにつれ大径状にしている。例えば、図2(a)において、第1のグループの音響孔10Aのうち、最も正面周辺位置に近い音響孔10A1は、最も正面周辺位置から遠い音響孔10A2に比べて、大径に形成されている。このように、音圧の分布に対応して音響孔10の口径を変えることにより、各位置において最も効率のよい放音を行うことができる。ただし、逆に、正面周辺位置に近い音響孔10A1を小径にし、正面周辺位置から遠い音響孔10A2を大径にすることにより、全体として均一な音圧で放音を行うこともできる。なお、音響孔10の最大径は任意であるが、防水性、防虫性、防犯性、および、構造強度を低下させることがないように決定される。
【0025】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
この形態は、概略的に、音響孔の外部周辺に中空筒状の放音補助体を設けたブザーの放音構造に関するものである。
この構造を適用した火災受信盤の全体斜視図を図4、正面図を図5(a)、B−B矢視縦断面図を図5(b)に示す。
なお、本実施の形態において、特に説明なき構造については実施の形態1と同じであり、実施の形態1と同じ構成要素については、実施の形態1と同じ符号で示する。
【0026】
これら図4、5に示すように、火災受信盤1の筐体2の扉部5には、複数の音響孔20が設けられている。この音響孔20は、実施の形態1の音響孔とは異なり、ブザー4の内側領域E2に設けられている。
また、扉部5の外側面には、放音補助体30が設けられている。この放音補助体30は、図示のように音響孔20側から外部側に沿った中空筒状に形成されており、その内径に上記複数の音響孔20が略全て収まるように形成されている。
したがって、音響孔20を介して放射状に放音された音は、この放音補助体30の内部に入り、この放音補助体30の内部で共鳴して、外部に放音される。そして、この共鳴時に音が増幅され、音圧が向上する。
【0027】
図5(b)に示すように、この放音補助体30の突出長さL1は、音圧の増幅効果と、火災受信盤1の設置スペース等を考慮して決定することができる。特に、筐体2には窪み長L2の凹部2aが設けられており、この凹部2aに扉部5が配置されている。そして、より好ましくは、放音補助体30は、突出長さL1が窪み長L2にほぼ等しくなるように形成されている。このため、放音補助体30を、火災受信盤から突出しない範囲で最大限に長くすることができ、音圧の増幅効果を最大限に得ることができる。
【0028】
なお、この放音補助体30は、必ずしも図示の如き形状でなくてもよく、例えば、若干放射状に形成してもよい。また、その個数については1つに限られず、例えば、実施の形態1のように複数グループに分散配置された音響孔がある場合には、各グループ毎に放音補助体30を設けてもよい。
【0029】
(実施の形態3)
最後に、実施の形態3について説明する。
この形態は、概略的に、音響孔の外部周辺にテーブル状の放音補助体を設けたブザーの放音構造に関するものである。
この構造を適用した火災受信盤の全体斜視図を図6、正面図を図7(a)、C−C矢視縦断面図を図7(b)に示す。
なお、本実施の形態において、特に説明なき構造については実施の形態1と同じであり、実施の形態1と同じ構成要素については、実施の形態1と同じ符号で示する。
【0030】
これら図6、7に示すように、火災受信盤1の筐体2の扉部5には、複数の音響孔40が設けられている。この音響孔40は、実施の形態1の音響孔とは異なり、ブザー4の内側領域E2に設けられている。
また、扉部5の外側面には、放音補助体50が設けられている。この放音補助体50は、図示のように、主板51と複数の支持脚52とを備えて構成されている。このうち、主板51は、扉部5に略沿った円形板状に形成されており、その内径に上記複数の音響孔40が略全て収まるように形成されている。また、各支持脚52は、扉部5から外側に立設されて主板51を支持している。この複数の支持脚52は、相互に所定間隔を隔てて配置されているので、音響孔40を介して放音された音は、主板51と操作パネル(扉部5)との間で共鳴して、複数の支持脚52の相互間を介して外部に放音される。そして、この共鳴時に音が増幅され、音圧が向上する。
【0031】
図7(b)に示すように、この放音補助体50の突出長さL3は、音圧の増幅効果と、火災受信盤1の設置スペース等を考慮して決定することができる。より好ましくは、放音補助体50は、突出長さL3が窪み長L2にほぼ等しくなるように形成されている。このため、放音補助体50を、火災受信盤1から突出しない場合で最大限に長くすることができ、音圧の増幅効果を最大限に得ることができる。
【0032】
なお、この放音補助体50は、必ずしも図示の如き形状でなくてもよく、例えば、主板51を方形板状に形成することもできる。また、その個数については1つに限られず、例えば、実施の形態1のように音響孔40が複数のグループに分散配置されている場合には、各グループ毎に放音補助体50を設けてもよい。
【0033】
(他の実施の形態)
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
例えば、上記実施の形態においては、火災受信盤1に設けたブザー4の放音構造を例にとって説明したが、本構造は、任意の場所に任意の目的で設置されるブザーの放音構造として、適用することができるものである。また、単一周波数のブザー4に限られることなく、任意方式のブザーの放音構造として、同様に適用することができる。
また、上記文書中や図面中で示した具体的名称、形状、構造、組み合わせ、材質、数量については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、ブザーの音圧が最も高い正面周辺領域に音響孔が設けられており、操作パネルの内部空間で共鳴して放音されるので、ブザーの音圧を増幅することができる。特に、この場合には、音響孔の径や数自体は、従来と同様に構成することができるので、防虫性、防水性、防犯性、および、構造強度をいずれも低下させることがない。
【0035】
また、本発明によれば、音圧の分布に対応して音響孔の口径を変えることにより、各位置において最も効率のよい放音を行うことができる。また、正面周辺位置に近い音響孔を小径にし、正面周辺位置から遠い音響孔を大径にした場合には、全体として均一な音圧で放音を行うことができる。
【0036】
また、本発明によれば、音響孔を介して放音された音が、放音補助体で増幅されるので、音圧が向上する。特に、この場合には、音響孔の径や数自体は、従来と同様に構成することができるので、防虫性、防水性、防犯性、および、構造強度をいずれも低下させることがない。
【0037】
また、本発明によれば、音響孔を介して放射状に放音された音が、この放音補助体の内部に入り、この放音補助体の内部で共鳴して、外部に放音される。そして、この共鳴時に音が増幅され、音圧が向上する。
【0038】
また、本発明によれば、音響孔を介して放音された音が、主板と操作パネルとの間で共鳴し、複数の支持脚の相互間を介して外部に放音される。そして、この共鳴時に音が増幅され、音圧が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるブザーの放音構造を適用した火災受信盤の全体斜視図である。
【図2】(a)は火災受信盤の正面図、(b)は(a)のA−A矢視縦断面図である。
【図3】ブザーと音との相対位置関係を示す概念図である。
【図4】本発明の実施の形態2におけるブザーの放音構造を適用した火災受信盤の全体斜視図である。
【図5】(a)は火災受信盤の正面図、(b)は(a)のB−B矢視縦断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3におけるブザーの放音構造を適用した火災受信盤の全体斜視図である。
【図7】(a)は火災受信盤の正面図、(b)は(a)のC−C矢視縦断面図である。
【符号の説明】
1 火災受信盤
2 筐体
2a 凹部
3 基板
4 ブザー
5 扉部
6 表示灯
7 操作スイッチ
10、20、40 音響孔
30、50 放音補助体
51 主板
52 支持脚
Claims (4)
- 正面略円形のブザーを収めた筐体に、当該ブザーの音を当該筐体の外部に放音するための複数の音響孔からなる音響孔群を複数設けて構成されたブザーの放音構造であって、
上記複数の音響孔群を、前記ブザーの半径方向及び前記ブザーの周方向において相互に非連続する位置に配置し、
上記各音響孔群に含まれる複数の音響孔の一部を、上記筐体における、上記ブザーの外縁を中心とする一定幅の環状の領域に対応する領域内に、当該ブザーの外縁に対向するように設けたこと、
を特徴とするブザーの放音構造。 - 上記各音響孔群の複数の音響孔を、上記ブザーの外縁に対応する位置に至るにつれ大径状にしたこと、
を特徴とする請求項1に記載のブザーの放音構造。 - 上記各音響孔群の複数の音響孔を、上記ブザーの外縁に対応する位置に至るにつれ小径状にしたこと、
を特徴とする請求項1に記載のブザーの放音構造。 - 上記各音響孔群の複数の音響孔の全部を、上記ブザーの外縁を中心とする一定幅の環状の領域に対応する位置のみに設けた、
請求項1から3のいずれか一項に記載のブザーの放音構造。
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