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JP4552582B2 - 穿刺針 - Google Patents
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本発明は、医療用の穿刺針に関する。
超音波診断装置での観察下にて生体内へ穿刺を行う穿刺針は、一般に生体内の特定の部位を狙って針先を導き、目的部位の体液の排出、採取、又は薬液の注入等を行うものである。穿刺針は、管状の外筒針と、外筒針の先端まで摺動自在な中実の内針が組み合わされた構成からなり、この組み合わされた状態で生体内に穿刺を行う。外筒針と内針はそれぞれ末端に針基が取付けられている。穿刺針の有効長さは穿刺の目的部位にもよるが、200mm前後であることが一般的であり、材質として外筒針も内針もステンレス鋼などで構成され、各々先端を鋭角に切断、研磨され生体内に穿刺できる針となっている。
穿刺できる針としての刃を形成しているのは外筒針先端であり、内針の先端は外筒針の刃面に合わせた角度に切断、研磨され、外筒針の刃面と合わせた位置関係になるように組み合わされているが、針としての刃は構成されないことが一般的である。
この穿刺針は生体内の特定の部位までの穿刺を目的としているため、通常は超音波診断装置にて穿刺状態を観察しながら穿刺するが、針部分が滑らかな表面性状の場合には、超音波診断装置から発振される超音波が外筒針の内外周および、内針の外周で入射した超音波が一方向に反射するため、反射された超音波が検出部へ戻ってくる確率が低く、画像として確認することが困難であった。
この問題を解決するため、超音波診断装置用の反射波検出部に反射波として戻ってくるように、穿刺針外周面に凹凸加工を施すことにより、超音波を乱反射させ、超音波診断装置の反射波検出部へ戻る反射波を増加させ、超音波診断装置の画像として穿刺針を検出する工夫が広く実施されている(例えば特許文献1)。
この方法は有用ではあるが、外筒針外周面への粗し加工は、加工時のエッジやバリなどにより穿刺の際抵抗を生じ、治療の妨げとなったり、また、過度な凹凸加工は穿刺針そのものの強度低下を招いたりするなど、安全面からの制約により、加工深さや加工方法、加工密度の制限があり、鮮明な超音波診断装置の画像として検出することに限界があった。
この対策として、内針への粗し加工により外筒針外周面への加工を排除し穿刺抵抗への影響を改善することが行われており、例えば非常に傷つきやすい部位への穿刺を行う場合などは外筒針外周面への凹凸や粗し加工が困難とされることもあるため有用な手段である(例えば特許文献2)。
しかしながら内針外周面での超音波の反射は外筒針を透過する際に超音波が減衰してしまうため、外筒針の材質や肉厚により鮮明な超音波診断装置の画像を得ることに限界があり、一般的な用途に限っては不十分なものであった。
また、外筒針外周面への加工は加工対象が穿刺針という刃物であり外筒針の刃先は生体組織を切り進む刃であるため、刃先外周まで粗し加工を行うと刃こぼれが生じ穿刺性能に影響が出てしまうため刃先最先端までの粗し加工を施すことが困難で、超音波診断装置にて最も検出したい刃先の画像が得られないという問題があった。
特開平03−228748号公報 実開昭63−109109号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、超音波診断装置での観察下における生体内への穿刺において、穿刺針の刃先末端まで鮮明な超音波診断装置による反射波検出画像を得ることが出来る医療用の穿刺針を提供することにある。
超音波診断装置の画像により穿刺状態を観察しながら生体内に穿刺する穿刺針であって、
先端に刃先を有する管状の外筒針と、
前記外筒針の内部に挿入される内針と、
を備え、
前記外筒針は、
刃先近傍に設けられた平滑面を有する第1領域と、
前記第1領域の基端側に設けられた、凹加工の施された第2領域と、
を含む外周面を有し、
前記内針は、
先端から基端側へ所定距離にわたって粗し加工が施された領域
を含む外周面を有する、
ことを特徴とする穿刺針
が提供される。
本発明の穿刺針は、生体内の特定の部位を狙って針先を穿刺する器具である。穿刺針の針先は、超音波装置の画像観察により把握される。ここで、超音波による画像観察は、被検出対象となる物質表面における超音波の乱反射をモニタすることにより行われる。このため、平滑表面を有する部分は、超音波による位置把握が困難であり、粗面とすることが望まれる。
一方、穿刺針の外筒面は、前述したとおり穿刺抵抗を低減することが望まれる。
そこで本発明は、内針に粗し加工を施すとともに、外筒針の表面に凹加工を施している。凹加工とは、表面に溝等の凹部を設ける加工をいい、凹加工を施した領域は、たとえば、凹部と平滑面が混在した形態となる。粗し加工とは、加工領域のほぼ全面にわたって凹凸付与等の粗面化処理を行う加工をいう。
本発明においては、外筒面に、刃の耐久性の観点から平滑面を有する第1領域を設けるとともに、穿刺抵抗低減の観点から凹加工の施された第2領域を設けている。そして、内針には、先端から基端側へ所定距離にわたって粗し加工が施された領域を設けている。すなわち、外筒針外周面の加工を最小限に抑えつつ内針に施した粗し加工によって針先の位置が把握できるようになっている。すなわち、外筒針外周の粗し加工は穿刺の抵抗となってしまうため最小限の加工密度とし、不足を内針の粗し加工で補う構成としている。
本発明の穿刺針において、先端を一致させて内針を外筒針に挿入した状態において、内針の粗し加工が施された領域の基端側端部が、外筒針の第2領域の基端側端部と一致するようにしてもよい。このようにすれば、外筒針の第2領域の基端側端部からの、内針粗し加工領域の突出状態を観察することで、内針の先端位置を把握することが可能となる。
本発明によれば、超音波診断装置での観察下における生体内への穿刺において、穿刺針の刃先末端までより鮮明な超音波診断装置による反射波検出画像を得ることできる医療用の穿刺針を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、共通する構成要素には同一符号を付し、以下の説明において詳細な説明を適宜省略する。
図1は、本実施形態に係る穿刺針の組み合わせた状態を示す図である。図中、左側が先端部で、右側が基端部である。
図1に示すように、外筒針10の先端側に刃12が形成され斜めにカットされた刃先11となっている。刃先11より基端側に向かって外筒針の外周に凹加工部13が施されている。また、内針20が、外筒針内腔に挿入され組み合わされている。内針の先端は外筒針10の斜めにカットされた刃先11と同一面上になるようカットされた刃面23を形成している。内針の外周は、先端から基端側に向かって粗し加工(不図示)が施されている。
以下、各部の構成について説明する。
外筒針10は、生体内に穿刺できるよう先端に刃12が形成された刃先11を有している。そして、超音波診断装置で反射された超音波を検出できるよう外周に凹加工部13が設けられている。凹加工部13は、穿刺抵抗低減の観点から、エッジ等の凸部を含まないものが好ましい。また、過度な切削による穿刺針の強度低下や、生産性を考慮して凹部の深さ、密度等を決めることが好ましい。
上記の条件を満たす外筒針10の加工方法の例として、外筒針10に硬質材を押し当てて凹加工部13を形成する方法が挙げられる。本実施形態では加工の際に外筒針10を長手軸中心に回転させ、螺旋状の凹溝を螺旋の巻き方向を変えて二重螺旋として構成している。螺旋状の凹溝は一条の螺旋に限定する必要は無く、二条、三条と加工を重ねてもよく、螺旋の巻き方向を変えて螺旋がクロスする二重螺旋などの複重螺旋とすることにより加工の密度を上げることが出来、より多くの超音波を超音波診断装置の検出部に反射することが出来るため好ましい。
凹溝の断面形状は様々な角度からの超音波診断装置による観察にも対応できるよう、略半円状の凹溝であることが望ましい。これにより、如何なる角度からの超音波であっても超音波診断装置の検出部へ反射する超音波を得ることが出来る。
更にはこれらの加工後に、加工による不要な凸部やエッジ、バリなどを除去する仕上げ加工を施すことは、穿刺抵抗を低減するためより好ましい。
外筒針10への凹加工部13は、穿刺針の刃先から所定距離隔てて位置から基端側に向かって行う。凹加工の開始位置は、刃先11より基端側にあればよい。また、凹加工部13の領域は、使用する穿刺針の外筒針の長さによって決めればよい。例えば、一般的な全長200mm程度の穿刺針であれば、刃先11から、2mm以上10mm以下が好ましい。このようにすれば、刃先の破損を有効に防止することができる。また凹加工の長さは、10mm以上100mm以下が好ましい。こうすることにより、穿刺の際の抵抗を抑えつつ、反射波を充分に映像としてとらえることができる。
図1に示すように、先端を一致させて内針20を外筒針10に挿入した状態において内針20の粗し加工部22の基端側端部は、外筒針10のの凹加工部13の基端側端部と一致している。すなわち、内針20は、先端の刃先21から外筒針10と組合わせた際に外筒針10の外周面の凹加工部13と重なる位置までの外周に粗し加工部22が施されている。内針20の刃先21は生体組織を切り進む針の刃としての機能は形成していないため、刃先21の先端までの外周に粗し加工部22を施すことが可能である。粗し加工方法は特に限定はされないが、例えばサンドブラスト加工で施すことが好ましい。サンドブラスト加工は、加工密度が非常に高く、細い内針20の外周を隙間なく凹凸加工することに適している。
内針20は、針の刃12を形成しないが、刃面23は穿刺の際に生体組織に接触するため、刃面23にサンドブラスト加工が施されていると穿刺の際の抵抗となってしまうため好ましくない。そのため、刃面23の加工をサンドブラスト加工の後に実施することが好ましい。内針20の外周は、刃面23を除いては外筒針10内に収納されているので、穿刺の際の抵抗とならないため、サンドブラスト加工後のエッジ除去などの仕上げ加工は不要であり、逆に仕上げ加工を施してしまうと、折角の超音波の反射面が減ってしまうことになるので仕上げ加工を行わないことが好ましい。
次に、外筒針10と内針20を組合わせた状態に対して、外筒針10の外周の二重螺旋加工では、未加工の滑らかな外周面が残っていることになり、超音波を超音波診断装置の検出部に反射し得ない部位が残されており超音波診断装置での検出効率が低いこととなる。これを補うために、本例では内針20の粗し加工部22を外筒針10と組合わせた際に外筒針10の凹加工部13と重なる位置までの範囲に施している。これにより、粗し加工部22が外筒針10の凹加工部13の隙間を補うこととなり、外筒針10と内針20を組合わせての超音波診断装置での検出が可能となる。内針20の粗し加工部22は、上記のように超音波の反射強度を補う役割を果たすことから、加工密度の高い加工方法が望ましい。
また、外筒針10の外周で未加工である刃先11は、内針20外周に粗し加工部22を施しているため、超音波診断装置による刃先21の検出も可能となる。
尚、本実施例では外筒針10に生産性の面から二重螺旋状の凹加工部13を施しているが、穿刺の際の抵抗となる凸部やエッジがない加工方法であれば何ら問題なく、例えば一定間隔のリング状の凹溝を複数設ける方法でもよいが、サンドブラスト加工のようにヤスリ状になり加工のバリやエッジを除去する加工手段も取れない加工方法は、穿刺の際の抵抗の面から好ましくない。
同じく内針20の粗し加工部22についても、加工密度と生産性の面からサンドブラスト加工を施しているが、刃先21までの加工が可能であることと加工密度が高いことを満たす加工方法であれば何ら問題はなく、例えばローレットや旋盤でのヤスリ加工などでもよく特に限定するものではない。
凹加工部13、粗し加工部22を施す穿刺針長手方向の寸法は、超音波診断装置の画像から術者が穿刺のルートを確認しやすいように最低でも10mmであることが望ましく、30mm程度が好ましいが穿刺の目的に応じて決めればよく、また生産性も考慮することが更に好ましい。
以下、本実施形態に係る穿刺針の効果について説明する。
本実施形態では、外筒針10の刃先11よりも基端側に基端側に向かって外筒針10の外周に凹加工が施され、さらに、内針20の先端の刃先21から基端側に向かって粗し加工が施されている。
このため、外筒針10の外周面の加工を最小限に抑えつつ、内針20に施した粗し加工によって針先の位置が把握できるようになっている。
外筒針10に設けられた加工は、凹加工部13のため、生体内への穿刺の際抵抗なく穿刺することが可能となる。また、内針20に施されている粗し加工部22の領域が、外筒針10の凹加工部13の領域をほぼ含んでいるため、外筒針10の、凹加工部13のなされていない部分を内針20の粗し加工部22で反射波を映像としてとらえることが可能となる。さらに、外筒針の外周面に凹加工が施されているため、内針の粗し加工だけでは不足する反射波を強くすることができる。また、内針を抜いた後でも外筒針の位置が解るようにすることができる。
以上、本発明の穿刺針について実施形態に基づいて説明した。これらの実施形態はあくまでも例示であり特に限定されるものではない。例えば、先端側は直線上の穿刺針の代わりに先端側が内側に湾曲したような穿刺針であってもかまわない。
本発明の穿刺針は、生体内への穿刺の際の穿刺針のより鮮明な超音波診断装置による検出画像を得られ、且つ刃先まで検出可能なため、生体内への穿刺をより安全に行うことが出来、医療分野において幅広く適用できる。
本発明の実施例となる穿刺針の外筒針と内針を組合わせた状態を示した図である。 本発明の実施例となる穿刺針の外筒針の例を示した図である。 本発明の実施例となる穿刺針の内針の例を示した図である。
符号の説明
10 外筒針
11 刃先
12 刃
13 凹加工部
20 内針
21 刃先
22 粗し加工部
23 刃面

Claims (2)

  1. 超音波診断装置の画像により穿刺状態を観察しながら生体内に穿刺する穿刺針であって、
    先端に刃先を有する管状の外筒針と、
    前記外筒針の内部に挿入される内針と、
    を備え、
    前記外筒針は、
    刃先近傍に設けられた平滑面を有する第1領域と、
    前記第1領域の基端側に設けられた、凹加工の施された第2領域と、
    を含む外周面を有し、
    前記内針は、
    先端から基端側へ所定距離にわたって設けられた、粗し加工が施された領域
    を含む外周面を有する、
    ことを特徴とする穿刺針。
  2. 先端を一致させて前記内針を前記外筒針に挿入した状態において、
    前記内針の粗し加工が施された前記領域の基端側端部は、前記外筒針の前記第2領域の基端側端部と一致することを特徴とする請求項1に記載の穿刺針。
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