JP4556385B2 - Method for manufacturing magnetic memory device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部磁界に応じた感磁層の磁化方向の変化を利用して情報の記録・読出を行う磁気メモリデバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンピュータや通信機器等の情報処理装置に用いられる汎用メモリとして、DRAM(Dynamic Rabdom Access Memory)やSRAM(StaticRAM)などの揮発性メモリが使用されている。これらの揮発性メモリにおいては、記憶を保持するために絶えず電流を供給し、リフレッシュを行う必要がある。また、電源を切るとすべての情報が失われるので、これら揮発性メモリの他に情報を記録するための手段として不揮発性のメモリを設ける必要があり、例えば、フラッシュEEPROMや磁気ハードディスク装置などが用いられる。
【0003】
これら不揮発性メモリにおいては、情報処理の高速化に伴って、アクセスの高速化が重要な課題となっている。さらに、携帯情報機器の急速な普及および高性能化に伴い、いつでもどこでも情報処理が行える、いわゆる、ユビキタスコンピューティングを目指した情報機器開発がが急速に進められている。このような情報機器開発の中心となるキーデバイスとして、高速処理に対応した不揮発性メモリの開発が強く求められている。
【0004】
不揮発性メモリの高速化に有効な技術としては、強磁性層の磁化容易軸に沿った磁化方向によって情報を記憶する磁気メモリ素子がマトリックス状に配列された磁気ランダムアクセスメモリ(以下、MRAM;Magnetic random access memory という。)が知られている。MRAMでは、2つの強磁性体における磁化方向の組み合わせを利用して情報を記憶するようになっている。一方、記憶情報の読み出しは、ある基準となる方向に対し、磁化方向が平行である場合と反平行である場合とによって生じる抵抗変化(すなわち、電流あるいは電圧の変化)を検知することによって行う。このような原理で動作することから、MRAMでは、安定した書き込みおよび読み出しを行うために、抵抗変化率ができるだけ大きいことが重要である。
【0005】
現在実用化されているMRAMは、巨大磁気抵抗(GMR;Giant magneto-resistive )効果を利用したものである。GMR効果とは、2つの磁性層を各層の磁化容易軸方向が互いに平行となるように配設したときに、それら各層の磁化方向が磁化容易軸に沿って平行となる場合に抵抗値が最小となり、反平行の場合に最大値となる現象である。このようなGMR効果が得られるGMR素子を利用したMRAM(以下、GMR−MRAMと記す。)としては、例えば特許文献1に開示された技術が知られている。
【0006】
GMR−MRAMには、保磁力差型(擬似スピンバルブ型;Pseudo spin valve 型)と、交換バイアス型(スピンバルブ;spin valve型)とがある。保磁力差型のMRAMは、GMR素子が2つの強磁性層とそれらの間に挟まれた非磁性層とを有し、2つの強磁性層の保磁力差を利用して情報の書込および読出を行うものである。ここで、GMR素子が、例えば「ニッケル鉄合金(NiFe)/銅(Cu)/コバルト(Co)」の構成を有する場合、その抵抗変化率は、6〜8%程度の小さな値である。一方、交換バイアス型のMRAMは、GMR素子が、反強磁性層との反強磁性結合により磁化方向が固定された固定層と、外部磁界により磁化方向が変化するフリー層と、それらの間に挟まれた非磁性層とを有し、固定層とフリー層との磁化方向の違いを利用して情報の書込および読出を行うものである。例えば、GMR素子の構成を「白金マンガン(PtMn)/コバルト鉄(CoFe)/銅(Cu)/CoFe」とした場合の抵抗変化率は10%程度であり保磁力差型よりも大きな値を示すが、さらなる記憶速度向上やアクセス速度向上を達成するには不十分であった。
【0007】
これらの点を解決するために、トンネル磁気抵抗効果(TMR:Tunneling magneto-resistive )を利用したTMR素子を有するMRAM(以下、TMR−MRAMと記す。)が提案されている。TMR効果は、極薄の絶縁層(トンネルバリア層)を挟んだ2つの強磁性層間における磁化方向の相対角度により絶縁層を通過して流れるトンネル電流が変化するという効果である。2つの強磁性層における磁化方向が、互いに平行な場合に抵抗値が最小となり、互いに反平行の場合に最大となる。TMR−MRAMでは、TMR素子が、例えば「CoFe/アルミニウム酸化物/CoFe」という構成の場合、抵抗変化率が40%程度と高く、また、抵抗値も大きいためMOSFET等の半導体デバイスと組み合わせた場合のマッチングが取りやすい。このため、GMR−MRAMと比較して、より高い出力が容易に得られ、記憶容量やアクセス速度の向上が期待されている。TMR−MRAMでは、導線に電流を流すことにより発生する電流磁界により、TMR素子の磁性膜の磁化方向を所定の方向に変化させることにより情報を記憶する方法が知られている。記憶情報を読み出す方法としては、トンネルバリア層に垂直な方向に電流を流し、TMR素子の抵抗変化を検出する方法が知られている。なお、TMR−MRAMに関しては、特許文献2あるいは特許文献3に開示された技術等が知られている。
【0008】
【特許文献1】
米国特許第5343422号明細書
【特許文献2】
米国特許第5629922号明細書
【特許文献3】
特開平9−91949号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、TMR効果を利用したMRAMでは、GMR効果を利用したMRAMよりも高出力化を達成することができる。しかしながら、上記のような40%程度の抵抗変化率を示すTMR素子を用いたMRAMであっても、出力電圧は数十mV程度であるので、より高密度な磁気メモリデバイスを実現するには不十分である。
【0010】
図38は、従来のTMR効果を利用した磁気メモリデバイスにおける構成を説明する平面図であり、図39は、図38に対応する従来の磁気メモリデバイスの要部断面構成を示すものである。互いに平行に延びる読出ワード線112および書込ワード線106に対し、書込ビット線105が直交しており、その直交部分のZ方向に挟まれる領域に第1磁性層102、トンネルバリア層103および第2磁性層104からなるTMR素子120が配設されている。このような、書込ビット線105と書込ワード線106とが直交するタイプのMRAMでは、フリー層として機能する第2磁性層104における磁化方向を全体に亘って十分に揃えることができず、十分に安定した書込をおこなうことは困難であった。
【0011】
また、TMR効果を利用したMRAMでは、直交配置された導線を流れる電流による誘導磁界、すなわち電流磁界によって磁性膜の磁化方向を変えることにより、各々の記憶セルに情報の記憶を行うようになっているが、この電流磁界はオープンな(磁気的に特定の領域に閉じ込められていない)磁界であるので、低効率であると共に、隣接した記憶セルへの悪影響も懸念される。
【0012】
さらに、記憶セルをより高集積化して磁気メモリデバイスのさらなる高密度化を図る場合、TMR素子の微小化が必須となるが、次のような問題が懸念される。すなわち、TMR素子における各磁性層のアスペクト比(厚み/積層面内方向の幅)が大きくなることにより反磁界が増大し、フリー層の磁化方向を変えるための磁界強度が増大してしまい、大きな書込電流を必要とすると考えられる。
【0013】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、本発明の第1の目的は、コンパクトな構成でありながら、複数の導線を流れる電流によって形成される磁界を効率よく利用して安定した書込が可能な磁気抵抗効果素子を備えた磁気メモリデバイスの製造方法を提供することにある。第2の目的は、隣接した磁気抵抗効果素子に悪影響を及ぼすことが少ない磁気抵抗効果素子を備えた磁気メモリデバイスの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気メモリデバイスの製造方法は、複数の書込専用線と、これら複数の書込専用線と交差するように延びる複数の書込読出兼用線と、磁化方向の固定された強磁性層と非磁性層とを含み積層面に垂直な方向に電流が流れるように構成された積層部分と、積層面に沿った方向を軸方向とするように積層部分を取り囲むと共に書込読出兼用線および書込専用線によって軸方向に沿って貫かれるように構成され、かつ、外部磁界によって磁化方向が変化し積層部分と共に積層体を構成する第1の感磁層を含む環状磁性層とを有する複数の磁気抵抗効果素子とを備えた磁気メモリデバイスを製造するための方法であり、以下の(A)〜(G)の各工程を含むようにしたものである。
(A)基体の上に、環状磁性層の一部をなす下部磁性層を形成する工程。
(B)下部磁性層の上に、第1の絶縁膜を介して積層面に沿った方向へ延在する書込専用線を形成する工程。
(C)書込専用線の上に、第2の絶縁膜を介して書込読出兼用線を、書込専用線および書込読出兼用線が互いに平行に延在する部分を含むように形成する工程。
(D)書込読出兼用線と、第2の絶縁膜と、書込専用線とを順次エッチングしてパターニングすることにより、書込専用線および書込読出兼用線が第2の絶縁膜を挟んで互いに平行に延在する部分を含む積層パターンを形成する積層パターン形成工程。
(E)積層パターンの側面を少なくとも覆うと共に下部磁性層と接するように、環状磁性層の一部をなす一対の中間磁性層を形成する工程。
(F)積層パターンの上面を露出させたのち、その上面の上に強磁性層と非磁性層とを順に積層することにより積層部分を形成する工程。
(G)積層部分における書込読出兼用線とは反対側の積層面と接し、かつ、一対の中間磁性層における上端と接するように第1の感磁層としての上部磁性層を設けることにより、積層体を形成すると共に積層部分および積層パターンを取り囲む環状磁性層を形成する工程。
積層パターン形成工程では、書込読出兼用線をマスクとして第2の絶縁膜および書込専用線を選択的にエッチングすることにより、積層パターンを自己整合的に形成する。
ここで、本発明における「外部磁界」とは、複数の導線に流れる電流によって生ずる磁界、または、環状磁性層に生ずる還流磁界を意味している。また、「環状磁性層」の「環状」とは、内部を貫く書込読出兼用線および書込専用線からみたときに、それぞれの周囲を磁気的かつ電気的に連続して完全に取り込み、書込読出兼用線および書込専用線を横切る方向の断面が閉じている状態を示す。したがって、環状磁性層は、磁気的かつ電気的に連続である限りにおいて絶縁体が含有されることを許容する。すなわち、電流が流れないような絶縁体は含まないものの、例えば製造工程において発生する程度の酸化膜は含んでもよい。また、「軸方向」とは、この環状磁性層単体に注目したときの開口方向、すなわち内部を貫く複数の導線の延在方向を指す。また、「書込読出兼用線および書込専用線によって貫かれるように」とは、環状磁性層によって取り囲まれた領域または空間を、書込読出兼用線および書込専用線が貫通している状態を示す。さらに、「書込専用線および書込読出兼用線が第2の絶縁膜を挟んで互いに平行」とは、製造上の誤差範囲±10°を含むものである。
【0019】
本発明の磁気メモリデバイスの製造方法では、上記工程により、積層部分における書込読出兼用線とは反対側の積層面のみと電気的に接するように、積層部分および積層パターンを取り囲むように設けられた環状磁性層が得られる。このため、書込読出兼用線に書込電流が流れることにより、各感磁層の効率的な磁化反転に寄与する閉磁路が形成されると共に、書込読出兼用線を介して各積層体に読出電流が供給される。
加えて、積層パターン形成工程では、書込読出兼用線をマスクとして第2の絶縁膜および書込専用線を選択的にエッチングすることにより、積層パターンを自己整合的に形成するようにしたので、アライメント精度の高い加工ができると共に、レジストパターンの形成工程およびその除去工程等を省略することができ、製造工程全体として簡略化を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
[第1の実施の形態]
まず、図1〜図7を参照して第1の実施の形態に係る磁気メモリデバイスの構成について説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態における磁気メモリデバイスの全体構成を表す概念図である。磁気メモリデバイスは、アドレスバッファ51と、データバッファ52と、制御ロジック部53と、記憶セル群54と、第1の駆動制御回路部56と、第2の駆動制御回路部58と、外部アドレス入力端子A0〜A20と、外部データ端子D0〜D7とを備えている。
【0023】
記憶セル群54は、一対のトンネル磁気抵抗効果素子(以下、TMR素子という。)を備えた記憶セル1が、互いに直交するワード線方向(X方向)およびビット線方向(Y方向)に多数、配列されたマトリックス構造を有している。記憶セル1は、磁気メモリデバイスにおいてデータを記憶する最小単位である。記憶セル1については後に詳述する。
【0024】
第1の駆動制御回路部56は、Y方向におけるアドレスデコーダ回路56A、センスアンプ回路56Bおよびカレントドライブ回路56Cを有し、第2の駆動制御回路部58は、X方向におけるアドレスデコーダ回路58A、定電流回路58Bおよびカレントドライブ回路58Cを有するものである。
【0025】
アドレスデコーダ回路56A,58Aは、入力されたアドレス信号に応じた後出のワードデコード線72およびビットデコード線71を選択するものである。センスアンプ回路56Bおよび定電流回路58Bは読出動作を行う際に駆動する回路であり、カレントドライブ回路56C,58Cは書込動作を行う際に駆動する回路である。
【0026】
センスアンプ回路56Bと記憶セル群54とは、読出動作の際にセンス電流が流れる複数のビットデコード線71(後出)によって接続されている。同様に、定電流回路58Bと、記憶セル群54とは、読出動作の際にセンス電流が流れる複数のワードデコード線72(後出)によって接続されている。
【0027】
カレントドライブ回路56Cと記憶セル群54とは、書込動作の際に必要となる書込ワード線6(後出)を介して接続されている。同様に、カレントドライブ回路58Cと記憶セル群54とは、書込動作の際に必要となる書込ワード線6(後出)を介して接続されている。
【0028】
アドレスバッファ51は、外部アドレス入力端子A0〜A20を備えると共に、Y方向アドレス線57,X方向アドレス線55を介して第1の駆動制御回路部56内のY方向アドレスデコーダ回路56A,第2の駆動制御回路部58内のX方向アドレスデコーダ回路58Aに接続されている。このアドレスバッファ51は、外部からのアドレス信号を外部アドレス入力端子A0〜A20から取り込み、内部に備えたバッファ増幅器(図示せず)によりY方向アドレスデコーダ回路56A,X方向アドレスデコーダ回路58Bにおいて必要となる電圧レベルまで増幅するものである。さらに、アドレスバッファ51は、その増幅したアドレス信号を2つに分け、Y方向アドレス線57を介してY方向アドレスデコーダ回路56Aに出力すると共に、X方向アドレス線55を介してX方向アドレスデコーダ回路58Aに出力するように機能する。
【0029】
データバッファ52は、入力バッファ52Aおよび出力バッファ52Bによって構成され、外部データ端子D0〜D7を備えると共に制御ロジック部53と接続されており、制御ロジック部53からの出力制御信号53Aによって動作するようになっている。入力バッファ52Aは、Y方向およびX方向書込用データバス61,60を介してそれぞれ第1の駆動制御回路部56内のY方向カレントドライブ回路56C,第2の駆動制御回路部58内のX方向カレントドライブ回路58Cに接続されており、記憶セル群54への書込動作を行う際には、外部データ端子D0〜D7の信号電圧を取り込んで、内部バッファ増幅器(図示せず)により必要となる電圧レベルまで増幅したのち、X方向書込用データバス60およびY方向書込用データバス61を介してX方向カレントドライブ回路58C,Y方向カレントドライブ回路56Cに伝達するように機能する。出力バッファ52Bは、Y方向読出用データバス62を介してセンスアンプ回路56Bに接続されており、記憶セル群54に記憶された情報信号を読み出す際には、内部に備えたバッファ増幅器(図示せず)によって、センスアンプ回路56Bから入力される情報信号を増幅したのち、外部データ端子D0〜D7に低インピーダンスで出力するように機能する。
【0030】
制御ロジック部53は、チップセレクト端子CSおよびライトイネーブル端子WEを備え、データバッファ52に接続されている。この制御ロジック部53は、複数の記憶セル群54のなかから読出および書込対象とするものを選択するチップセレクト端子CSからの信号電圧と、書込許可信号を出力するように機能するライトイネーブル端子WEからの信号電圧とを取り込み、データバッファ52に向けて出力制御信号53Aを出力するように機能する。
【0031】
次に、本実施の形態の磁気メモリデバイスにおける情報書込動作に係わる構成について説明する。
【0032】
図2は、記憶セル群54における書込動作に係わる要部平面構成を表す概念図である。図2に示したように、本実施の形態の磁気メモリデバイスは、複数の書込および読出兼用のビット線5a,5bと、この複数のビット線5a,5bとそれぞれ交差するように延びる複数の書込ワード線6とを含んでおり、ビット線5a,5bおよび書込ワード線6の交差する各領域に、これらビット線5および書込ワード線6が互いに平行に延在する平行部分10を有するように構成されている。具体的には、図2に示したように、書込ワード線6が矩形波状にX方向に沿って延在する一方で、ビット線5aとビット線5bとが交互に並んで直線状にY方向に沿って延在している。書込ワード線6における矩形波状の立ち上がり部分および立ち下がり部分が、ビット線5a,5bと共に複数の平行部分10を形成している。記憶セル1を構成するTMR素子120a,120bは、各平行部分10の少なくとも一部を囲むように、ビット線5a,5bと書込ワード線6との交差する各領域に設けられている。具体的には、TMR素子120aがビット線5aと書込ワード線6との交差領域に設けられており、TMR素子120bがビット線5bと書込ワード線6との交差領域に設けられている。ここで、交差する領域にTMR素子120a,120bが設けられているということは、交差点の隣にTMR素子120a,120bが設けられている場合も含んでいる。TMR素子120aおよびTMR素子120bは、いずれも、本発明の「磁気抵抗効果素子」に対応する一具体例である。
【0033】
ビット線5a,5bおよび書込ワード線6には、それぞれY方向カレントドライブ回路58C,X方向カレントドライブ回路56Cからの電流が流れるようになっている。ここで、ビット線5aを流れる電流とビット線5bを流れる電流とは、必ず互いに逆方向となっており、例えば、図2に矢印で示したようにビット線5aの電流方向を+Y方向(紙面下から上)となるようにした場合には、ビット線5bの電流方向が−Y方向(紙面上から下)となる。したがって、その場合に、書込ワード線6を流れる電流の方向を全体として+X方向(紙面左から右)とすると、TMR素子120aの内部を通過するビット線5aおよび書込ワード線6の電流方向が、互いに平行(同一方向)となる。一方の、TMR素子120bの内部を通過するビット線5bおよび書込ワード線6の電流方向についても、互いに平行となる。なお、以下、特に電流方向を区別する必要のない場合には、ビット線5a,5bを単にビット線5と示す。
【0034】
図3は、記憶セル群54の要部平面構成をより具体的に表すものである。図3に示したビット線5a,5b、書込ワード線6および記憶セル1は、図2と対応するものである。記憶セル1は、TMR素子120aおよびTMR素子120bにより構成され、Y方向に沿ったビット線5a,5bと書込ワード線6との平行部分10に配置されている。TMR素子120a,120bは、それぞれ感磁層を含む積層体S20(S20a,S20b)と環状磁性層4(4a,4b)とを備えており、平行部分10におけるビット線5a,5bおよび書込ワード線6の双方を流れる電流により生ずる磁界(すなわち、環状磁性層4においては外部磁界)によって感磁層の磁化方向が変化するようになっている。この場合、平行部分10におけるビット線5a,5bと書込ワード線6とはXY平面においてほぼ一致した位置に設けられているが、Z方向においては一定の間隔を有するように配置されており、互いに電気的に絶縁されている。
【0035】
各ビット線5の両端には、それぞれビット線引出電極42が設けられている。各ビット線引出電極42は、それぞれ一方がY方向カレントドライブ回路56Cに接続され、他方が最終的に接地されるように接続されている。同様に、各書込ワード線6の両端には、それぞれ書込ワード線引出電極41が設けられている。各書込ワード線引出電極41は、それぞれ一方がX方向カレントドライブ回路58Cに接続され、他方が最終的に接地されるように接続されている。
【0036】
図4は、記憶セル1の拡大斜視図である。書込専用線である書込ワード線6と書込読出兼用線であるビット線5a,5bとは、互いに平行に延びて環状磁性層4a,4bを貫いている。書込ワード線6、ビット線5a,5bおよび環状磁性層4a,4bは、絶縁膜7a,7bを介して互いに電気的に絶縁されている。積層体S20a,S20bの一部をなす積層部分20a,20bは、一方の面が環状磁性層4a,4bの内壁と電気的に接続すると共に、他方の面がビット線5a,5bと電気的に接続するように、環状磁性層4a,4bとビット線5a,5bとの間に配置されている。さらに、環状磁性層4a,4bは、図4では図示しないショットキーダイオード75a,75b(後出)を介してX方向に延在する読出ワード線12と電気的に接続されている。読出ワード線12は、ショットキーダイオード75a,75bを介して環状磁性層4a,4bと接続されているほかは、環状磁性層4、ビット線5a,5bあるいは書込ワード線6などとは直に接することなく、電気的に絶縁されている。このような構造により、ビット線5a,5bから積層部分20a,20bへ供給された電流を、環状磁性層4a,4bとショットキーダイオード75a,75bとを経由して読出ワード線12へ導くことができる。
【0037】
図5は、図3に示した記憶セル1におけるTMR素子120a,120bの、V−V切断線の矢視方向における断面構成を表すものである。
【0038】
図5に示したように、TMR素子120a,120bは、外部磁界によって磁化方向が変化する感磁層を含み、積層面に垂直な方向に電流が流れるように構成された積層体S20a,S20bと、積層面に沿った方向を軸方向とするように積層体S20a,S20bを取り囲むと共に、ビット線5a,5bおよび書込ワード線6によって軸方向に沿って貫かれるように構成された環状磁性層4a,4bとを含んで構成されている。
【0039】
積層体S20a,S20bは、積層部分20a,20bと、この積層部分20a,20bに対向すると共に環状磁性層4a,4bのうちの一部分をなしている接続部分14a,14bとによって構成されている。この接続部分14a,14bが、本発明における「感磁層」の一具体例に対応する。さらに積層体S20a,S20bは、環状磁性層4a,4b(接続部分14a,14b)の側から順に、酸化アルミニウム(Al2 O3 )等の絶縁材料からなるトンネルバリア層3a,3bと、強磁性材料により構成され磁化方向の固定された第1磁性層2a,2bとを含み、積層面に垂直な方向に電流が流れるように構成されている。ここで、トンネルバリア層3a,3bが本発明における「非磁性層」に対応する一具体例である。なお、図5(A)では、積層体S20a,S20bの構成を明らかにするため、その寸法を周囲よりも相対的に大きく誇張して表している。
【0040】
積層体S20a,S20bは、第1磁性層2a,2bと環状磁性層4a,4bの接続部分14a,14bとの間において積層面に垂直方向の電圧を印加すると、例えば第1磁性層2a,2bの電子がトンネルバリア層3a,3bを突き抜けて接続部分14a,14bに移動してトンネル電流が流れるようになっている。このトンネル電流は、トンネルバリア層3a,3bとの界面部分における第1磁性層2a,2bのスピンと接続部分14a,14bのスピンとの相対的な角度によって変化する。すなわち、第1磁性層2a,2bのスピンと接続部分14a,14bのスピンとが互いに平行な場合に抵抗値が最小となり、反平行のときに抵抗値が最大となる。これらの抵抗値を用いて、磁気抵抗変化率(MR比)が、式(1)のように定義される。
【0041】
(MR比)=dR/R ……(1)
【0042】
ここで、「dR」が、スピンが互いに平行である場合と反平行である場合との抵抗値の差であり、「R」が、スピンが互いに平行である場合における抵抗値である。
【0043】
トンネル電流に対する抵抗値(以下、トンネル抵抗Rtという。)は、トンネルバリア層3a,3bの膜厚Tに強く依存する。トンネル抵抗Rtは、低電圧領域では、式(2)に示したように、トンネルバリア層3a,3bの膜厚Tに対して指数関数的に増加する。
【0044】
Rt∝exp(2χT ),χ={8π2 m* (φ・Ef)0.5 }/h ……(2)
【0045】
ここで、「φ」はバリア高さ、「m* 」は電子の有効質量、「Ef」はフェルミエネルギー、hはプランク定数を表す。一般的に、TMR素子を用いたメモリ素子では、トランジスタなどの半導体デバイスとのマッチングを図るため、トンネル抵抗Rtは、数10kΩ・(μm)2 程度が適当とされる。しかし、磁気メモリデバイスにおける高密度化および動作の高速度化を図るためには、トンネル抵抗Rtは、10kΩ・(μm)2 以下、さらに好ましくは1kΩ・(μm)2 以下とすることが好ましい。したがって、上記のトンネル抵抗Rtを実現するために、トンネルバリア層3a,3bの厚みTを2nm以下、さらに好ましくは1.5nm以下とすることが望ましい。
【0046】
トンネルバリア層3a,3bの厚みTを薄くすることにより、トンネル抵抗Rtを低減することができる一方で、第1磁性層2a,2bおよび接続部分14a,14bとの接合界面の凹凸に起因するリーク電流が生じるのでMR比が低下してしまう。これを防止するため、トンネルバリア層3a,3bの厚みTは、リーク電流が流れない程度の厚みを有する必要があり、具体的には0.3nm以上の厚みであることが望ましい。
【0047】
図5に示した積層体S20a,S20bは、保磁力差型構造を有し、第1磁性層2a,2bの保磁力のほうが、接続部分14a,14bの保磁力よりも大きくなるように構成されていることが望ましい。具体的には、第1磁性層2a,2bの保磁力は、(50/4π)×103 A/mよりも大きいことが望ましく、特に(100/4π)×103 A/m以上であることが望ましい。こうすることにより、第1磁性層2a,2bにおける磁化方向が外部憂乱磁界等の不要な磁界の影響を受けるのを防止することができる。第1磁性層2a,2bは、例えば、5nmの厚みのコバルト鉄合金(CoFe)からなるものである。他に、単体のコバルト(Co)や、コバルト白金合金(CoPt)、ニッケル鉄コバルト合金(NiFeCo)等を第1磁性層2a,2bに適用することが可能である。また、第1磁性層2a,2bの磁化容易軸および接続部分14a,14bの磁化容易軸は、互いに平行であることが望ましい。このようにすることにより、それぞれの磁化方向が互いに平行または反平行となる状態で安定化するからである。
【0048】
環状磁性層4a,4bは、ビット線5a,5bおよび書込ワード線6における平行部分10の少なくとも一部を環状に取り囲むように延在しており、この平行部分10を流れる電流によって環状磁性層4a,4b内部に還流磁界が生ずるように構成されている。環状磁性層4a,4bのうちの積層部分20a,20bに隣接する接続部分14a,14bが、情報を記憶する記憶層として機能する。環状磁性層4a,4bは、例えば、ニッケル鉄合金(NiFe)からなり、接続部分14a,14bの厚みは20nm程度である。さらに接続部分14a,14bの保磁力は、(50/4π)×103 A/m以上(100/4π)×103 A/m以下の範囲内であり、かつ、第1磁性層2a,2bの保磁力よりも小さくなるように構成されていることが望ましい。(50/4π)×103 A/m未満の保磁力では、接続部分14a,14bにおける磁化方向が外部憂乱磁界等の不要な磁界により乱されることがあるからである。一方、(100/4π)×103 A/mを越えるような保磁力では、書込電流の増大に起因する発熱により、TMR素子120a,120b自体の劣化が生じてしまう可能性があるからである。さらに、接続部分14a,14bの保磁力が、第1磁性層2a,2bの保磁力と同等以上となると、書込電流が増大して磁化固定層としての第1磁性層2a,2bの磁化方向を変化させてしまい、記憶素子としてのTMR素子120a,120bにおける機能の劣化を招くからである。また、ビット線5a,5bおよび書込ワード線6による電流磁界を環状磁性層4a,4bに集中させるために、環状磁性層4a,4bの透磁率はより大きい方が好ましい。具体的には、2000以上であり、より好ましくは6000以上である。
【0049】
ビット線5a,5bおよび書込ワード線6は、いずれも、例えば、10nm厚のチタン(Ti)と、10nm厚の窒化チタン(TiN)と500nm厚のアルミニウム(Al)とが順に積層された構造を有し、絶縁膜7a,7bによって、互いに電気的に絶縁されている。ビット線5a,5bおよび書込ワード線6は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)およびタングステン(W)のうちの少なくとも1種からなるようにしてもよい。これらビット線5a,5bおよび書込ワード線6を用いたTMR素子120a,120bに対する、より具体的な書込動作については後述する。
【0050】
次に、情報読出動作に係わる構成について説明する。図6は、記憶セル群54における読出動作に係わる要部平面構成を表し、図3に対応するものである。
【0051】
図6に示したように、各記憶セル1は、XY平面における複数の読出ワード線12と複数のビット線5a,5bとの各交差点の近傍に1つずつ配設されている。ここで、読出ワード線12は、ショットキーダイオード75a,75bを介して各記憶セル1のTMR素子120a,120bにおける積層体S20a,S20bと電気的に接続している。一対のビット線5a,5bは、TMR素子120a,120bの各々に読出電流を供給するものであり、一方の読出ワード線12は、TMR素子120a,120bの各々に流れた読出電流を接地へと導くものである。各読出ワード線12の両端には、それぞれビット線引出電極43が設けられている。ここで、読出ワード線12が本発明の「読出専用線」に対応する一具体例である。
【0052】
図7(図7(A),図7(B))は、図6に示した記憶セル1の、VII−VII切断線における矢視方向の断面構成を表すものである。図7に示したように、記憶セル1は、整流素子として機能する一対のショットキーダイオード75a,75b(以下、単にダイオード75a,75bという。)が設けられた基体11の上に形成された一対のTMR素子120a,120bからなるものである。一対のTMR素子120a,120bは、それぞれダイオード75a,75bに対応する領域に形成されている。ここで、「整流素子」とは、電流を一方向のみに通過させ、逆方向の電流の通過を阻止する素子をいう。
【0053】
一対のダイオード75a,75bは、TMR素子120a,120bの側から順に導電層24a,24bとエピタキシャル層25と基板26とを有し、これら導電層24a,24bとエピタキシャル層25との間にそれぞれショットキー障壁を形成している。ダイオード75aおよびダイオード75bは、それぞれ環状磁性層4aおよび環状磁性層4bと接続している。基板26はn型シリコンウェハである。一般に、n型シリコンウェハには燐(P)の不純物拡散が施されており、基板26としては、燐の高濃度拡散によりn++型となっているものを用いる。これに対し、エピタキシャル層25は、燐が低濃度拡散されてn- 型となるようにする。このn- 型半導体であるエピタキシャル層25と金属からなる導電層24a,24bとを接触させることにより、バンドギャップが生じ、ショットキー障壁が形成される。さらに、一対のダイオード75a,75bは、接続層12Tを介して読出ワード線12と接続されている。
【0054】
次に、図8を参照して、本実施の形態の磁気メモリデバイスにおける読出動作に係わる回路構成について説明する。
【0055】
図8は、記憶セル群54とその読出回路からなる回路系の構成図である。この読出回路系は、記憶セル1が一対のTMR素子120a,120bからなる差動増幅型である。ここでは、各記憶セル1の情報の読み出しを、TMR素子120a,120bにおける積層体S20a,S20bそれぞれに流す読出電流(ビット線5a,5bから積層体S20a,S20bのそれぞれに流入し、共通の読出ワード線12に流出する電流)の差分値を出力として行うようになっている。
【0056】
図8において、記憶セル群54のビット列ごとの記憶セル1と、センスアンプ回路56Bを含む読出回路の一部とが、読出回路の繰り返し単位である単位読出回路80(…,80n,80n+1,…)を構成しており、ビット列方向に並列に配置されている。単位読出回路80nの各々は、Y方向アドレスデコーダ回路56Aにビットデコード線71(…,71n,71n+1,…)を介して接続され、出力バッファ52BにY方向読出用データバス62を介して接続されている。
【0057】
記憶セル群54には、X方向に延びる読出ワード線12(…,12m,12m+1,…)と、Y方向に延びる一対のビット線5a,5bとによりマトリクス状の配線がなされている。各記憶セル1は、一対のビット線5a,5bに挟まれた領域のうちの読出ワード線12との交差位置に配設されている。各記憶セル1における積層体S20a,S20bのそれぞれの一端が、ビット線5a,5bに接続され、それぞれの他端がダイオード75a,75bを介して共通の読出ワード線12に接続される。
【0058】
各読出ワード線12の一端は、それぞれ読出ワード線引出電極43を介して各読出スイッチ83(…,83m,83m+1,…)と接続され、さらに、共通の定電流回路58Bに接続されている。各読出スイッチ83は、X方向アドレスデコーダ回路58Aとそれぞれワードデコード線72(…,72m,72m+1,…)を介して接続されており、X方向アドレスデコーダ回路58Aからの選択信号が入力されると導通するように構成されている。定電流回路58Bは、読出ワード線12を流れる電流を一定化するように機能するものである。
【0059】
各ビット線5a,5bの一端は、ビット線引出電極42a,42bを介してそれぞれセンスアンプ回路56Bに接続されており、他端は最終的にそれぞれ接地されている。センスアンプ回路56Bは、単位読出回路80につき1つ設けられ、各単位読出回路80において一対のビット線5a,5bの間の電位差を取り込み、この電位差を増幅する機能を有するものである。各センスアンプ回路56Bは、それぞれ出力線82(…,82n,82n+1,…)に接続され、最終的にはY方向読出用データバス62により、出力バッファ52Bに接続されるようになっている。
【0060】
次に、本実施の形態の磁気メモリデバイスにおける動作について説明する。
【0061】
まず、図2および図7を参照して、記憶セル1における書込動作について説明する。図7は、TMR素子120a,120bの断面における書込電流方向と還流磁界方向(磁化方向)との関係を表している。図7において各磁性層に示した矢印は、その磁性層における磁化方向を示す。但し、環状磁性層4a,4bについては磁界方向も併せて示すものである。ここで、第1磁性層2a,2bは、+X方向に磁化が固定されている。
【0062】
図7(A)および図7(B)は、TMR素子120a,120bを通過する互いに平行なビット線5a,5bおよび書込ワード線6に、互いに同一な方向に書込電流を流した場合の状態を示している。特に、図7(A)は、図2に示した書込電流方向に対応している。ここでは、TMR素子120aは、紙面に垂直な方向に手前から奥へ向かって(+Y方向へ)書込電流が流れ、環状磁性層4aの内部を時計回り方向に還流磁界34aが発生する場合を示している。この場合は、感磁層としての接続部分14aの磁化方向が+X方向となる。一方、TMR素子120bは、ビット線5および書込ワード線6を流れる書込電流の方向がTMR素子120aとは全く逆の方向とした場合に対応する。すなわち、TMR素子120bは、紙面に垂直な方向に奥から手前へ向かって(−Y方向へ)書込電流が流れ、環状磁性層4bの内部を反時計回り方向に還流磁界34bが発生する場合を示している。この場合は、接続部分14bの磁化方向が−X方向となる。
【0063】
上記のように、環状磁性層4a,4bを貫くビット線5a,5bおよび書込ワード線6の双方に同一方向の電流が流れることによって所定方向の還流磁界34a,34bが生じ、それに伴ってTMR素子120a,120bにおける接続部分14a,14bの磁化方向が変化し、第1磁性層2a,2bの磁化方向に対して平行(同方向)となる状態と反平行(反対方向)となる状態とのいずれかを示すようになる。これを利用することにより記憶セル1に「0」または「1」の2値情報を記憶することができる。本発明における「磁化方向が互いに反平行」とは、互いの磁化方向、すなわち、各磁性層内の平均の磁化方向のなす相対角度が、厳密に180度である場合のほか、製造上生ずる誤差や完全に単軸化されなかったが故に生ずる程度の誤差等に起因して180度から所定角度だけ外れている場合も含む。また、「情報」とは、一般に磁気メモリデバイスへの入出力信号において「0」,「1」あるいは電流値や電圧値による「High」,「Low」等で表される2値情報をいう。
【0064】
例えば、図7(A)に示した状態、すなわち、TMR素子120aの接続部分14aが+X方向に磁化し、他方のTMR素子120bの接続部分14bが−X方向に磁化する状態に「0」を対応させた場合には、図7(A)とは反対の図7(B)の状態、すなわち、TMR素子120aの接続部分14aが−X方向に磁化し、他方のTMR素子120bの接続部分14bが+X方向に磁化する状態に「1」を対応させて記憶することができる。ここで、+X方向が、本発明における「第1の方向」に対応する一具体例であり、−X方向が、本発明における「第2の方向」に対応する一具体例である。したがって、図7(A)の状態が、本発明における「第1の状態」に対応する一具体例であり、図7(B)の状態が、本発明における「第2の状態」に対応する一具体例である。
【0065】
この場合、TMR素子120a,120bにおいては、第1磁性層2a,2bと接続部分14a,14bとの磁化方向が平行であれば大きなトンネル電流が流れる低抵抗状態となり、反平行であれば小さなトンネル電流しか流れない高抵抗状態となる。つまり、対をなすTMR素子120aおよびTMR素子120bは、必ず一方が低抵抗であり、他方が高抵抗となって情報を記憶するようになっている。なお、ビット線5a,5bと書込ワード線6とで互いに逆方向に書込電流が流れた場合、あるいは、どちらか一方のみに書込電流が流れた場合には各接続部分14a,14bの磁化方向は反転せず、データの書き換えは行われないようになっている。
【0066】
以上のように、本実施の形態の磁気メモリデバイスにおけるTMR素子120a,120bによれば、ビット線5a,5bと書込ワード線6との双方に同一方向の電流を流すことにより、ビット線5a,5bによって生じる電流磁界と書込ワード線6によって生じる電流磁界とが環状磁性層4a,4bの内部において同一方向となり、合成磁界を形成することができる。このため、環状磁性層を設けない場合や、ビット線と書込ワード線とが直交する場合などと比べて大きな磁束密度が得られるので、より効率的に電流磁界を利用することができ、環状磁性層4a,4bの接続部分14a,14bの磁化を反転させるために最低限必要な電流をより小さくすることができる。
【0067】
さらに、TMR素子120aにおけるビット線5aおよび書込ワード線6の書込電流方向と、TMR素子120bにおけるビット線5bおよび書込ワード線6の書込電流方向とを逆方向とするようにしたので、接続部分14aの磁化方向と接続部分14bの磁化方向とが互いに反平行となる。よって、これを利用することにより、「0」または「1」の2値情報を記憶することができる。
【0068】
加えて、TMR素子120a,120bでは、ビット線5a,5bおよび書込ワード線6によって軸方向に沿って貫かれるように構成された環状磁性層4a,4bが積層体S20a,S20bを取り囲んで配設され、積層体S20a,S20bが、その一方の面側において環状磁性層4a,4bと電気的に接続されていると共に、他方の面側においてビット線5a,5bと電気的に接続されるようにした。これにより、ビット線5a,5bを書込用と読出用との兼用線として利用することができる。よって、TMR素子120a,120bの形成領域を縮小でき、ひいては記憶セル1の形成領域を縮小できるので、記憶情報の大容量化に有利となる。
【0069】
次に、図1,図8および図9を参照して、磁気メモリデバイスにおける読出動作について説明する。
【0070】
まず、第1の駆動制御回路部56におけるアドレスデコーダ回路56Aにより、複数のビットデコード線71のうちの1つが選択され、対応するセンスアンプ回路56Bに制御信号が伝達される。この結果、ビット線5a,5bに読出電流が流れ、TMR素子120a,120bにおける積層体S20a,S20bの側に正の電位が与えられる。同様に第2の駆動制御回路部58におけるX方向アドレスデコーダ回路58Aにより、複数のワードデコード線72のうちの1つが選択され、対応する箇所の読出スイッチ83が駆動される。選択された読出スイッチ83は通電状態となり、対応する読出ワード線12に読出電流が流れ、TMR素子120a,120bにおける積層体S20a,S20bとは反対側に負の電位が与えられる。したがって、Y方向アドレスデコーダ回路56AおよびX方向アドレスデコーダ回路58Aによって選択された1つの記憶セル1に対し、読出に必要な読出電流を流すことができる。この読出電流に基づいて、感磁層としての接続部分14a,14bの磁化方向を検出し、記憶された情報を読み出すことができる。
【0071】
図9(A)および図9(B)は、記憶セル1の周辺部を回路図で表したものである。積層体S20a,S20bのそれぞれの第1磁性層2a,2bの磁化方向を白矢印で示し、接続部分14a,14bの磁化方向を黒矢印で示している。第1磁性層2a,2bの磁化方向は、いずれも、例えば左方向に固定されている。図9(A)は、積層体S20aにおいて第1磁性層2aと接続部分14aとが平行な磁化方向となり、一方の積層体S20bにおいて第1磁性層2a,2bと接続部分14bとが反平行な磁化方向となっている。この場合、積層体S20aが低抵抗状態となり、積層体S20bが高抵抗状態となり、例えば、「0」に対応している。一方、図9(B)の場合には、図9(A)の場合とは反対に積層体S20aが高抵抗状態となり、積層体S20bが低抵抗状態となっており、例えば、「1」に対応している。このような2値情報は、積層体S20aと積層体S20bとの抵抗値の大小を利用し、それぞれに流れる電流値の差分を検出することによって読み出すことができる。
【0072】
ここで、本実施の形態の磁気メモリデバイスの読出動作時の作用について、比較例と対比して説明する。図37は、本実施の形態の比較例としての記憶セル501を含む記憶セル群とその読出回路からなる回路系の構成図である。
【0073】
図37に示した比較例は、ビット線5a,5bからTMR素子120a,120bを通過して読出ワード線12に至る電流経路上に、ダイオード等の整流素子が設けられていない場合の例である。ここで、読出スイッチ83m を選択し記憶セル501m に記憶された情報を読み出そうとした場合、実線で示した電流経路Rを辿る読出電流が流れる。この電流経路Rが、正規の電流経路である。ところがこれと同時に、この比較例では、例えば記憶セル501m+1 を通過する経路Lを辿るような読出電流の回り込みが生じてしまう。具体的には、例えば、センスアンプ回路56Bからビット線5aへ流入した読出電流が、本来、読出対象として選択されていない記憶セル501m+1 のTMR素子120aに流入し、さらに読出ワード線12m+1 を介してTMR素子120bを通過する。こののち、ビット線5bをセンスアンプ回路56Bへ向かって逆流することによって記憶セル501m のTMR素子120bに向かう読出電流と合流してしまうのである。
【0074】
これに対し、本実施の形態の磁気メモリデバイスでは、TMR素子120a,120bに供給された読出電流の各電流経路上に配置するようにした。より具体的には、TMR素子120a,120bと読出ワード線12との間にそれぞれダイオード75a,75bを配置するようにした。ここで「電流経路」とは、読出電流が積層体S20a,S20bに流入するために辿り、積層体S20a,S20bを通過し、流出していく経路全体をいう。具体的には、図8に示したように、センスアンプ回路56Bから始まり、ビット線5a,5bを経てTMR素子120a,120bの積層体S20a,S20bに流入し、さらにダイオード75a,75bを経て合流したのち最終的に定電流回路58Bへ至る電流経路Rを指す。記憶セル1の近傍においては、図5に示したように、電流経路Rは、ビット線5a,5bから第1磁性層2a,2b、トンネルバリア層3a,3b、接続部分14a,14b(環状磁性層4a,4b)、導電層24a,24b、エピタキシャル層25、接続層12Tおよび読出ワード線12を順に辿るようになっている。整流素子としてのダイオード75a,75bは、上記の電流経路R上で、接地方向(読出ワード線12側)のみに向かうように電流を流す整流作用を有している。よって、読出対象ではない記憶セルからの不要な電流の回り込みを遮断することができる。すなわち、読出信号に対する雑音を低減することができ、安定した磁気情報の読み出しが可能となる。さらに、例えば一方のビット線5aからの読出電流が読出対象の磁気記憶セル内における一方の積層体S20aから他方の積層体S20bへ通過して他方のビット線5bにまで達してしまうことを阻止できる。
【0075】
さらに、本実施の形態の磁気メモリデバイスでは、一対のビット線5a,5bの各々から積層体S20a,S20bの各々に読出電流を供給し、この一対の読出電流値の差分に基づいて磁気記憶セルから情報を読み出すことができる。これにより、読出電流が差動出力されるので、各々のビット線5に生ずる雑音や、各TMR素子120a,120bごとの出力値に含まれるオフセット成分が相殺されて除去される。
【0076】
次に、上記のような構成を有する本実施の形態の磁気メモリデバイスの製造方法について説明する。
【0077】
本実施の形態の磁気メモリデバイスの製造方法は、ダイオード75a,75bが設けられた基体11の上に、環状磁性層4a,4bの一部をなす下部磁性層4Ba,4Bbを形成する工程と、この下部磁性層4Ba,4Bbの上に、絶縁膜7Aを介して書込ワード線6を形成する工程と、この書込ワード線6の上に、絶縁膜7Bを介してビット線5a,5bを、書込ワード線6およびビット線5a,5bが互いに平行に延在する部分を含むように形成する工程と、ビット線5a,5bと、絶縁膜7Bと、書込ワード線6とを順次エッチングしてパターニングすることにより、書込ワード線6およびビット線5a,5bが絶縁膜7Ba,7Bbを挟んで互いに平行に延在する部分を含む積層パターン19a,19bを形成する積層パターン形成工程と、積層パターン19a,19bの上に、積層体S20a,S20bの一部をなす積層部分20a,20bを形成する工程と、積層部分20a,20bにおけるビット線5a,5bとは反対側の積層面のみと電気的に接するように、積層部分20a,20bおよび積層パターン19a,19bを取り囲む上部磁性層を設けることにより環状磁性層4a,4bを形成する工程とを含むものである。以下、具体的に説明する。
【0078】
図10〜図26を参照して、磁気メモリデバイスのうちの、主に、TMR素子120a,120bの製造方法について、詳細に説明する。なお、図10〜図26は、図7に対応した断面図であり、その形成過程を表したものである。
【0079】
まず、図10に示したように、ダイオード75a,75bを埋設した基板11を用意し、ダイオード75a,75bにおける導電層24a,24bの上に下部磁性層4Ba,4Bbを選択的に形成する。具体的には、まず、i線ステッパ等により、下部磁性層4Ba,4Bbを形成する領域以外の領域を覆うように、選択的にレジストパターン(図示せず)を形成する。このレジストパターンを利用して、例えば、硫化鉄(FeSO4 )および硫酸ニッケル(NiSO4 )のめっき槽に浸漬し、通電することによりニッケル鉄合金(NiFe;原子比はNi:Fe=80:20)からなるめっき膜を形成し、レジストパターンをリフトオフすることにより、下部磁性層4Ba,4Bbの形成を完了する。
【0080】
下部磁性層4Ba,4Bbを形成したのち、図11に示したように、例えばTEOS(正珪酸四エチル;Si(OC2 H5 )4 )を用いて、CVD(Chemical Vapor Deposition )装置により全体を覆うように、例えば、酸化シリコン(SiO2 )からなる絶縁膜7Aを形成する。この絶縁膜7Aが、本発明の「第1の絶縁膜」に対応する一具体例である。
【0081】
続いて、スパッタ等により絶縁膜7Aの上に、例えばチタン(Ti)からなるめっき下地膜(図示せず)を形成する。こののち、図12に示したように、このめっき下地膜上に、下部磁性層4Ba,4Bbの形成領域において下部磁性層4Ba,4Bbの幅よりも狭くなるように選択的に書込ワード線6をそれぞれ形成する。具体的には、絶縁膜7Aの上のめっき下地膜に所定形状のレジストパターン(図示せず)を形成した後、めっき層に浸漬し、めっき下地膜を電極として利用しためっき処理を行い、例えば銅(Cu)からなる書込ワード線6を形成する。レジストパターンを除去したのち、絶縁膜7A上に露出した不要なめっき下地膜をイオンミリングにより除去する。
【0082】
次に、図13に示したように、CVD装置を用いて全体を覆うように、例えばSiO2 からなる絶縁膜7Bを形成したのち、CMP装置により絶縁膜7Bを研磨し、絶縁膜7Bの表面の平坦化をおこなう。ここで絶縁膜7Bが、本発明の「第2の絶縁膜」に対応する一具体例である。
【0083】
続いて、絶縁膜7Bの上に、スパッタ等により、例えばチタンからなるめっき下地膜を形成する。こののち、図14に示したように、このめっき下地膜の書込ワード線6に対応する領域を覆うように選択的にビット線5a,5bを形成する。具体的には、絶縁膜7Bの上に所定形状のレジストパターン(図示せず)を形成した後、めっき層に浸漬し、めっき下地膜を電極として利用しためっき処理を行い、例えば銅からなるビット線5を形成する。レジストパターンを除去したのち、絶縁膜7B上に露出した不要なめっき下地膜をイオンミリングにより除去する。
【0084】
次に、図15に示したように、このビット線5a,5bをマスクとして、自己整合的に積層パターン19a,19bを形成する。具体的には、反応性ガスとしてC4 F8 を用いたRIE(RIE:Reactive Ion Etching)およびイオンミリングにより、ビット線5a,5bによって保護されていない領域の絶縁膜7B、書込ワード線6および絶縁膜7Aを除去することにより積層パターン19a,19bを形成する。ここで、下部磁性層4Ba,4Bbが露出するまで絶縁膜7Aを除去することが重要である。
【0085】
このように、ビット線5a,5bをマスクとして、自己整合的に積層パターン19a,19bを形成することにより、ビット線5a,5bと同じ幅を有する書込ワード線6を高精度に形成することができる。さらに、レジストパターンの形成工程およびその除去工程等を省略することができ、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0086】
ビット線5a,5bおよび書込ワード線6の平行部分10における積層パターン19a,19bを形成したのち、図16に示したように、CVD装置等を用いて全体を覆うようにSiO2 などからなる絶縁膜7Cを形成する。
【0087】
次いで、図17に示したように、イオンミリング等により、積層パターン19a,19bの側面部分に接するように形成された部分を除く絶縁膜7Cを完全に除去して絶縁膜7Ca,7Cbを形成したのち、スパッタ等により、例えばNiFeからなるめっき下地膜を全面に亘って薄く形成する。こののち図18に示したように、下部磁性層4Ba,4Bbが形成されていない領域に対応するめっき下地膜の上に、フォトリソグラフィ等により、フォトレジスト層31Aを形成する。
【0088】
フォトレジスト層31Aを形成したのち、めっき層に浸漬し、めっき下地膜を電極として利用しためっき処理を行い、図19に示したように、例えばNiFeからなる中間磁性層4Sa,4Sbを形成する。次いで、フォトレジスト層31Aを除去したのち、露出した不要なめっき下地膜をイオンミリングにより除去する。さらに、図20に示したように、CVD装置等により全体を覆うように、例えばSiO2 からなる絶縁膜17Aを形成する。
【0089】
こののち、図21に示したように、CMP装置を用いて最終的にビット線5a,5bが露出するまで研磨し、ビット線5a,5bを含む平坦な面を形成する。さらに、この平坦面の上に、スパッタ等により第1磁性層2a,2bとアルミニウム(Al)層とを順に形成したのち、このAl層を酸素プラズマ等により酸化処理することでトンネルバリア層3を得る。さらに、このトンネルバリア層3の上に、スパッタ等を用いて、例えばNiFe層を形成したのち、このNiFe層上に、ビット線5a,5bに対応する一部の領域残すようにフォトレジスト層31Bを形成する。このフォトレジスト層31Bをマスクとしてイオンミリング等により選択的にエッチングすることにより、積層部分20a,20bが形成される。
【0090】
次に、図22に示したように、CVD装置などを用いて、酸化珪素(SiO2 )などからなる絶縁膜7Dを全面に亘って形成したのち、フォトレジスト層31Bを除去する。さらに、図23に示したように、中間磁性層4Sa,4Sbに対応する領域以外の領域を覆うようにフォトレジスト層31Cを選択的に形成したのち、C4 F8 を用いた反応性イオンエッチングによって中間磁性層4Sa,4Sbに対応する領域の絶縁膜7Dを除去する。ここで、エッチングすることにより積層部分20a,20bと接している絶縁膜7Da,7Dbと分離された絶縁膜7Dを、これ以降、便宜上、絶縁膜17Bと呼ぶこととする。
【0091】
次いで、フォトレジスト層31Cを除去したのち、図24に示したように、フォトリソグラフィなどにより、絶縁膜17Bを覆うように選択的にフォトレジスト層31Dを形成する。
【0092】
フォトレジスト層31Dを形成したのち、逆スパッタにより、積層部分20a,20bを覆っているNiFe層を除去したのち、スパッタ等により、図25に示したように、例えばNiFeからなる上側磁性層4Uを形成する。これにより、下部磁性層4Ba,4Bbと中間磁性層4Sa,4Sbと上側磁性層4Ua,4Ubとからなる環状磁性層4a,4bの形成が完了する。ここで、中間磁性層4Sa,4Sbおよび上側磁性層4Ua,4Ubが本発明の「上部磁性層」に対応する一具体例である。
【0093】
環状磁性層4a,4bの形成が完了したのち、フォトレジスト層31Dを除去し、絶縁膜17B上に露出した不要なめっき下地膜をイオンミリング等により除去する。最後に、図26に示したように、CVD装置等により全体を覆うように、例えばSiO2 からなる絶縁膜17Cを形成する。これにより、一応、TMR素子120a,120bの形成が完了する。
【0094】
こののち、書込ワード線6の各両端末に書込ワード線引出電極41を形成し、ビット線5a,5bの各両端末にビット線引出電極42を形成し、さらに読出ワード線12の各両端末に読出ワード線引出電極43を形成する。
【0095】
以上により、一対のTMR素子120a,120bからなる記憶セル1を含む記憶セル群54の形成が一応完了する。
【0096】
こののち、さらに、スパッタ装置やCVD装置等によりSiO2 または酸化アルミニウム(Al2 O3 )等の保護膜を形成する工程と、その保護膜を研磨して各引出電極41〜43を露出させる工程とを経ることにより、磁気メモリデバイスの製造が完了する。
【0097】
このように、本実施の形態の製造方法によれば、積層部分20a,20bおよび積層パターン19a,19bを取り囲むように環状磁性層4a,4bを形成するようにしたので、ビット線5a,5bを書込電流および読出電流の双方を流すことが可能な書込読出兼用線とすることができる。これにより、書込用のビット線と読出用のビット線とを別々に設ける場合よりもコンパクトな構成とすることができ、高密度化に有利となる。
【0098】
加えて、本実施の形態の製造方法によれば、ビット線5a,5bをマスクとして、自己整合的に積層パターン19a,19bを形成するようにしたので、アライメント精度の高い加工ができると共に、レジストパターンの形成工程およびその除去工程等を省略することができ、製造工程全体として簡略化を図ることができる。
【0099】
[第2の実施の形態]
次に、図27および図28を参照して、本発明の第2の実施の形態の磁気メモリデバイスについて説明する。
【0100】
図27は、本実施の形態の磁気メモリデバイスにおけるTMR素子121aの断面構成を表すものであり、上記第1の実施の形態における図5のTMR素子120aに対応している。図27では、図5に示した構成要素と実質的に同一の部分には同一の符号を付している。なお、TMR素子121bは、TMR素子121aと同様の断面構成を有するものであるので、ここでは説明を省略する。
【0101】
以下の説明では、本実施の形態の磁気メモリデバイスの構成について、主に、上記第1の実施の形態と異なる点について説明し、他の説明は適宜省略する。
【0102】
上記第1の実施の形態のTMR素子120aは、環状磁性層4aのうちの一部分を構成する接続部分14aが、感磁層として機能するようにしたものである。これに対し、本実施の形態のTMR素子121aは、互いに磁気的に交換結合するように構成された接続部分14aおよび第2磁性層8aからなる感磁層を含み、接続部分14aが、環状磁性層4aのうちの一部分を構成するようにしたものである。
【0103】
具体的には、図27に示したように、TMR素子121aは積層部分21aおよび接続部分14aからなる積層体S21aを有しており、積層部分21aが接続部分14aの側から順に第2磁性層8aと、トンネルバリア層3aと、第1磁性層2aとを有している。第2磁性層8aは、外部磁界によって磁化方向が変化するようになっており、上述したように、接続部分14aとともに感磁層として機能する。第2磁性層8aは、例えば、単体のコバルト(Co)、コバルト鉄合金(CoFe)、コバルト白金合金(CoPt)あるいはニッケル鉄コバルト合金(NiFeCo)からなる。ここで、接続部分14aが本発明における「第1の感磁部分」に対応する一具体例であり、第2磁性層8aが本発明における「第2の感磁部分」に対応する一具体例である。
【0104】
TMR素子121aは、感磁層を、第1の感磁部分である接続部分14aと、第2の感磁部分である第2磁性層8aとの2つの部分により構成するようにしたので、第2磁性層8aの磁化方向を安定化することができる。特に、第2磁性層8aが、接続部分14aよりも大きな保磁力を有することが望ましい。これにより、第2磁性層8aの磁化方向がより安定化するからである。したがって、この場合、接続部分14aの保磁力を、第1の実施の形態よりも小さく、例えば、(50/4π)×103 A/m未満とすることもできる。
【0105】
また、保磁力差型構造を有する積層体S21aは、第1磁性層2aの保磁力のほうが、第2磁性層8aの保磁力よりも大きくなるように構成されていることが望ましい。その場合、第1磁性層2aの保磁力は、(50/4π)×103 A/mよりも大きいことが望ましく、特に(100/4π)×103 A/m以上であることが望ましい。こうすることにより、第1磁性層2aにおける磁化方向が外部憂乱磁界等の不要な磁界の影響を受けるのを防止することができる。
【0106】
第1の実施の形態と同様に、接続部分14aの保磁力は、(100/4π)×103 A/m以下の範囲内において第1磁性層2aの保磁力よりも小さくなるように構成されていることが望ましい。(100/4π)×103 A/mを超えるような保磁力では、書込電流の増大に起因する発熱により、TMR素子121a自体の劣化が生じてしまう可能性があるからである。さらに、接続部分14aの保磁力が、第1磁性層2aの保磁力と同等以上となると、書込電流が増大して磁化固定層としての第1磁性層2aの磁化方向を変化させてしまい、記憶素子としてのTMR素子121aにおける機能の劣化を招くからである。
【0107】
次に、図28(A),(B)を参照して、記憶セル1を構成するTMR素子121a,121bにおける書込動作について具体的に説明する。図28(A),(B)は、TMR素子121a,121bの断面構成における書込電流方向と還流磁界方向(磁化方向)との関係を表すものであり、上記第1の実施の形態における図7(A),(B)に対応するものである。TMR素子121a,121bでは、接続部分14a,14bおよび第2磁性層8a,8bが情報を記憶する記憶層として機能する。すなわち、ビット線5a,5bと書込ワード線6とを流れる書込電流によって生ずる還流磁界34によって接続部分14a,14bおよび第2磁性層8a,8bの磁化方向が反転され、情報の記憶がなされる。
【0108】
図28(A),(B)は、TMR素子121a,121bを通過する互いに平行なビット線5a,5bおよび書込ワード線6に、互いに同一な方向に書込電流が流れる場合を示す。ここでは、第1磁性層2a,2bの磁化方向は、いずれも+X方向に固定されている。図28(A)は、TMR素子121aにおいて紙面に垂直な方向に手前から奥へ向かって(+Y方向へ)書込電流が流れ、環状磁性層4aの内部を時計回り方向に還流磁界34aが発生すると共に、TMR素子121bにおいて紙面に垂直な方向に奥から手前へ向かって(−Y方向へ)書込電流が流れ、環状磁性層4bの内部を反時計回り方向に還流磁界34bが発生する場合を示している。この場合は、接続部分14aおよび第2磁性層8aの磁化方向が+X方向となり、接続部分14bおよび第2磁性層8bの磁化方向が−X方向となる。一方、図28(B)は、ビット線5a,5bおよび書込ワード線6を流れる電流方向が図28(A)に示した状態とは全く逆の電流方向とした場合に対応する。すなわち、図28(B)は、TMR素子121aにおいて紙面に垂直な方向に奥から手前へ向かって(−Y方向へ)書込電流が流れ、環状磁性層4aの内部を反時計回り方向に還流磁界34aが発生すると共に、TMR素子121bにおいて紙面に垂直な方向に手前から奥へ向かって(+Y方向へ)書込電流が流れ、環状磁性層4bの内部を時計回り方向に還流磁界34bが発生する場合を示している。この場合は、接続部分14aおよび第2磁性層8aの磁化方向が−X方向となり、接続部分14bおよび第2磁性層8bの磁化方向が+X方向となる。
【0109】
図28(A),(B)から明らかなように、環状磁性層4a,4bを貫くビット線5a,5bおよび書込ワード線6の双方に同一方向の書込電流が流れると、接続部分14a,14bおよび第2磁性層8a,8bの磁化方向が反転し、2値情報を記録する。例えば、図28(A)の状態を「0」とした場合、図28(B)の状態を「1」とすることにより識別する。
【0110】
本実施の形態における磁気メモリデバイスを製造する際には、上記第1の実施の形態において説明した工程を経ることにより図21に示したように、ビット線5a,5bを含む平坦な面を形成したのち、ビット線5a,5bの上に以下の要領で積層部分21a,21bの形成を行う。まず、第1の実施の形態と同様に、i線ステッパ等により、積層部分21a,21b(第1磁性層2a,2b)を形成する領域以外の領域を覆うように、選択的にレジストパターンを形成する。こののち、スパッタ等により、例えばCoFe層からなる第1磁性層2a,2bを形成する。続いて、第1磁性層2a,2bの上にアルミニウム層を形成し、これを酸化処理することによりトンネルバリア層3a,3bを得る。さらに、このトンネルバリア層3a,3bの上に、例えばCoFeを用いてスパッタ等により第2磁性層8a,8bを形成することにより、積層部分21a,21bの形成を完了する。こののち、第1の実施の形態と同様の工程を経ることにより、積層体S21a,S21bを含むTMR素子121a,121bを備えた磁気メモリデバイスが完成する。
【0111】
以上のように、本実施の形態の磁気メモリデバイスにおけるTMR素子121a,121bによれば、上記第1の実施の形態における構成に加え、トンネルバリア層3a,3bと接続部分14a,14bとの間に第2磁性層8a,8bを設けるようにした。このため、接続部分14a,14bと第2磁性層8a,8bとが交換結合を形成し、感磁層としての第2磁性層8a,8bにおける磁化方向がより安定するので、記憶素子としての安定性がより向上する。さらに、接続部分14a,14bの保磁力をより小さく抑えることができるので、書込動作時における電流値を小さくすることによって発熱量を低減でき、磁気メモリデバイスとしての機能を十分に発揮することができる。
【0112】
[第3の実施の形態]
次に、図29を参照して、本発明の第3の実施の形態の磁気メモリデバイスについて説明する。
【0113】
図29は、本実施の形態の磁気メモリデバイスにおけるTMR素子122aの断面構成を表すものであり、図5および図27に対応している。図29では、図5および図27に示した構成要素と実質的に同一の部分には同一の符号を付している。
【0114】
なお、以下の説明では、本実施の形態の磁気メモリデバイスの構成およびその製造方法について、主に、上記第2の実施の形態と異なる点について説明し、他の説明は適宜省略する。また、TMR素子122bは、TMR素子122aと同様の構成を有しているので、ここでは説明を省略する。
【0115】
上記第2の実施の形態の磁気メモリデバイスにおけるTMR素子121aは、感磁層が環状磁性層4のうちの一部分を構成する接続部分14a,14bと、第2磁性層8a,8bとからなり、接続部分14a,14bと第2磁性層8a,8bとがそれぞれ互いに磁気的に交換結合するように構成したものである。
【0116】
これに対し、本実施の形態の磁気メモリデバイスにおけるTMR素子122aは、図29に示したように、TMR素子121aの構成に加えて、さらに接続部分14aと第2磁性層8aとの間に、これら接続部分14aと第2磁性層8aとをそれぞれ反強磁性結合させるための非磁性導電層9aを設けるようにしたものである。TMR素子122aは、積層部分22aと接続部分14aとからなる積層体S22aを備えている。積層部分22aは、接続部分14aの側から順に非磁性導電層9aと、第2磁性層8aと、トンネルバリア層3aと、第1磁性層2aとを有している。この非磁性導電層9aは、例えば、ルテニウム(Ru)や銅(Cu)などにより構成される。ここで、非磁性導電層9aが、本発明の「非磁性導電層」に対応する一具体例である。
【0117】
本実施の形態の磁気メモリデバイスにおけるTMR素子122aでは、接続部分14aと第2磁性層8aとがそれぞれ反強磁性結合することにより、接続部分14aの保磁力が(50/4π)×103 A/m未満であっても、接続部分14aにおける磁化方向が外部憂乱磁界等の不要な磁界により乱されるといった問題が生じなくなり、例えば、鉄(Fe)、NiFe、CoFe、NiFeCoおよびコバルト(Co)等により環状磁性層4a,4bを構成することができる。
【0118】
第2磁性層8aは、記録を保持する部分となり、反強磁性結合による異方性磁界により安定化される。第2磁性層8aの保磁力は、(100/4π)×103 A/m以下の範囲であり、第1磁性層2aの保磁力よりも小さくなるように構成されていることが望ましい。
【0119】
続いて、図30(A),(B)を参照して、記憶セル1を構成するTMR素子122a,122bにおける書込動作について具体的に説明する。図30(A),(B)は、TMR素子122a,122bの断面構成における書込電流方向と還流磁界方向(磁化方向)との関係を表すものであり、上記第1の実施の形態における図7(A),(B)に対応するものである。TMR素子122a,122bでは、接続部分14a,14bおよび第2磁性層8a,8bが情報を記憶する記憶層として機能する。
【0120】
図30(A),(B)は、TMR素子122a,122ba,122bを通過する互いに平行なビット線5a,5bおよび書込ワード線6に、互いに同一な方向に書込電流が流れる場合を示す。ここでは、第1磁性層2a,2bの磁化方向は、いずれも+X方向に固定されている。図30(A)は、TMR素子122aにおいて紙面に垂直な方向に手前から奥へ向かって(+Y方向へ)書込電流が流れ、ビット線5aを取り囲む部分の環状磁性層4aの内部を時計回り方向に還流磁界34aが発生すると共に、TMR素子122bにおいて紙面に垂直な方向に奥から手前へ向かって(−Y方向へ)書込電流が流れ、ビット線5bを取り囲む部分の環状磁性層4の内部を反時計回り方向に還流磁界34が発生する場合を示している。この場合は、第2磁性層8aの磁化方向が−X方向となり、第2磁性層8bの磁化方向が+X方向となる。一方、図30(B)は、ビット線5a,5bおよび書込ワード線6を流れる電流方向が図30(A)に示した状態とは全く逆の電流方向とした場合に対応する。すなわち、図30(B)は、TMR素子122aにおいて紙面に垂直な方向に奥から手前へ向かって(−Y方向へ)書込電流が流れ、ビット線5aを取り囲む部分の環状磁性層4aの内部を反時計回り方向に還流磁界34aが発生すると共に、TMR素子122bにおいて紙面に垂直な方向に手前から奥へ向かって(+Y方向へ)書込電流が流れ、ビット線5bを取り囲む部分の環状磁性層4bの内部を時計回り方向に還流磁界34bが発生する場合を示している。この場合は、第2磁性層8aの磁化方向が+X方向となり、第2磁性層8bの磁化方向が−X方向となる。
【0121】
このようにビット線5a,5bおよび書込ワード線6に、同一方向に電流が流れると、第2磁性層8a,8bの磁化方向は反転し、0または1を記録する。例えば、図30(A)の状態を0とした場合、図30(B)の状態を1として識別する。ここで、互いに逆方向に書込電流が流れた場合、あるいは、どちらか一方のみに書込電流が流れた場合には第2磁性層8a,8bの磁化方向は反転せず、データの書き換えは行われないようになっている。
【0122】
本実施の形態における磁気メモリデバイスを製造する際には、上記第1の実施の形態において説明した工程を経ることにより図21に示したように、ビット線5a,5bを含む平坦な面を形成したのち、ビット線5a,5bの上に以下の要領で積層部分22a,22bの形成を行う。まず、第1および第2の実施の形態と同様に、i線ステッパ等により、積層部分22a,22b(第1磁性層2a,2b)を形成する領域以外の領域を覆うように、選択的にレジストパターンを形成する。こののち、スパッタ等により、例えばCoFe層からなる第1磁性層2a,2bを形成する。続いて、第1磁性層2a,2bの上にアルミニウム層を形成し、これを酸化処理することによりトンネルバリア層3a,3bを得る。さらに、このトンネルバリア層3a,3bの上に、スパッタ等により、例えばCoFeからなる第2磁性層8a,8bとルテニウム(Ru)等の非磁性金属材料からなる非磁性導電層9a,9bとを順に形成することにより、積層部分22a,22bの形成を完了する。こののち、第1および第2の実施の形態と同様の工程を経ることにより、TMR素子122a,122bを備えた磁気メモリデバイスが完成する。
【0123】
以上のように、本実施の形態における磁気メモリデバイスでは、上記第2実施の形態の構成に加え、さらに、環状磁性層4a,4bの接続部分14a,14bと第2磁性層8a,8bとの間に非磁性導電層9a,9bを設けるようにした。こうすることにより、接続部分14a,14bと第2磁性層8a,8bとが強力な反強磁性結合を形成することができるので、外部憂乱磁界等による不要な磁界により感磁層としての接続部分14a,14bおよび第2磁性層8a,8bの磁化方向が乱されることなくより安定する。これに加え、上記構成により接続部分14a,14bの保磁力をより小さく抑えることができる。したがって、書込動作時において電流値を小さくすることによって発熱量を低減することが可能なうえ、接続部分14a,14bに含まれる金属元素等が第2磁性層8a,8bへ拡散して移動するのを、非磁性導電層9a,9bを設けることにより遮蔽することができるので、熱的安定性が向上する。これらの結果、より安定した書込が可能となる。
【0124】
【実施例】
さらに、本実施の形態における具体的な実施例について説明する。
【0125】
本実施例では、上記第1の実施の形態において説明した製造方法に基づき、図5に示した断面構造を有する記憶セル1をマトリクス状に複数個、設けた磁気メモリデバイスを作製した。これを、試料1とする。
【0126】
上記の試料1の磁気メモリデバイスにおけるTMR素子120aについて、MR変化率(MR比)、スイッチング電流および隣接セル反転電流の測定を行った。この結果を実施例として表1に示す。ここで数値の比較を行うため、図40に示したような、連続した環状磁性層を有しない構造の記憶セル101を備えた磁気メモリデバイスについても同様の測定を行い、比較例1として表1に併記する。さらに、図41に示したような、環状磁性層4aの外側の領域、すなわち、環状磁性層4aに取り囲まれていない領域に積層体S20aを有する記憶セル201を備えた磁気メモリデバイスについても同様の測定を行い、比較例2として表1に併記する。比較例1は、読出動作時の電流経路となりビット線5aと導電層24aとを電気的に連結する接続層113aを備えている。比較例2は、書込専用の書込ビット線115aと読出専用の読出ビット線13とを備えるように構成されている。なお、スイッチング電流および隣接セル反転電流については、いずれもビット線5a(書込ビット線115a)および書込ワード線6に、同一の大きさの書込電流を同時に流すようにして電流値を測定した。測定時の印加磁場は(500/4π)×103 A/mとした。
【0127】
【表1】
【0128】
表1に示したように、本実施例と比較例1,2とでは、MR変化率においては大差が見られなかったものの、スイッチング電流および隣接セル反転電流については、明らかな性能の向上が認められる。
【0129】
スイッチング電流とは、書込対象の記憶セルにおける磁化方向の反転をおこなうために必要な最小限の電流値である。このスイッチング電流については、本実施例が、比較例1の6.8mAに対して5分の1未満の1.2mAという小さな値を示した。これは、書込ワード線6およびビット線5によって貫かれるように環状磁性層4a,4bを設けたことにより、感磁層としての接続部分14a,14bの磁化反転を効率的に行うことができたので、小さな電流であっても書き込み操作が可能となったことを示す。比較例2と比較した場合にも、本実施例のほうが比較的小さなスイッチング電流となっていることから、環状磁性層4a,4bによって積層体S20a,S20bを取り囲むようにしたことによって、より効率的に接続部分14a,14bの磁化反転を行うことができ、より小さな電流であっても書き込み操作が可能となったことを示す。
【0130】
隣接セル反転電流とは、書込対象の記憶セルと隣接した記憶セルに印加された電流によって、本来、書込がなされるべきでない記憶セルの磁化方向が反転してしまう電流値を表す。表1に示したように、本実施例では、従来例よりも大きな書込電流を印加しても、隣接する記憶セルにおける磁化方向は反転しないことがわかった。これは、閉じた磁路を形成し、隣接する記憶セルに悪影響を及ぼす磁界の発生を抑制することができたことを示す。特に、比較例2と比べた場合にも本実施例のほうが比較的大きな隣接セル反転電流を示したことから、環状磁性層4a,4bによって積層体S20a,S20bを取り囲むようにしたことによって、隣接する記憶セルに悪影響を及ぼす磁界の発生をより確実に抑制することができたことを示す。
【0131】
以上説明したように、本実施例によれば、TMR素子120a,120bが、積層面に沿った方向を軸方向とするように積層体S20a,S20bを取り囲むと共にビット線5および書込ワード線6によって軸方向に沿って貫かれるように構成された環状磁性層4a,4b、を含むようにしたので、ビット線5と書込ワード線6の双方に電流を流すことによって閉じた磁路を形成することができ、TMR素子120a,120bの接続部分14a,14bの磁化の反転をより効率よく行うことができると共に、書込対象とする記憶セルに隣接した記憶セルに対して、磁気的な影響を低減することができることがわかった。
【0132】
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は、これらの実施の形態および変形例に限定されず、種々変形可能である。例えば、本実施の形態および各変形例では、逆流防止用の整流素子としてショットキーダイオードを用いるようにしたが、同じく整流作用を有する素子であるバイポーラトランジスタに置き換えることができる。
【0133】
図31は、TMR素子120a,120bと読出ワード線12a,12bとの間にバイポーラトランジスタ76a,76bを設けた場合の回路の要部構成を表している。図32に、バイポーラトランジスタ76a,76bの断面構造を示す。バイポーラトランジスタ76a,76bのベースBは、ワードデコード線72に接続されている。各コレクタCが接続層28を介してそれぞれ環状磁性層4a,4bに接続されており、各エミッタEが接続層27を介していずれも読出ワード線12に接続されている。
【0134】
図33は、このバイポーラトランジスタ76a,76bを設けた場合における読出回路の全体を示したものである。この場合、Y方向アドレスデコーダ回路56Aからの制御信号が例えば単位読出回路80nのセンスアンプ回路56Bに伝達されると、センスアンプ回路56Bがビット線5a,5bを通るように読出電流を発する。Y方向アドレスデコーダ回路56Aからの制御信号は同時に読出スイッチ83nにも伝達され、この読出スイッチ83nが導通状態となる。一方、X方向アドレスデコーダ回路58Aが記憶セル1mを選択し、ワードデコード線72mを通るように制御信号を発する。バイポーラトランジスタ76a,76bのそれぞれのベースBにX方向アドレスデコーダ回路58Aからの制御信号が伝達されると、コレクタCとエミッタEとの間がそれぞれ導通状態となる。この結果、読出電流が、記憶セル1mのTMR素子120a,120bを通過し、読出スイッチ83nを経由して最終的に定電流回路58Bへ流入する。ダイオード75a,75bと同様にバイポーラトランジスタ76a,76bも、一方向に電流を通過するように機能するので、図37に示したような読出電流の回り込みを回避することが可能である。
【0135】
また、逆流防止用の整流素子として、図34に示したように、MOSトランジスタ77a,77bを用いることができる。この場合、各ソースSがそれぞれTMR素子120a,120bに接続し、各ドレインDがいずれも読出ワード線12に接続しており、ワードデコード線72に接続されたゲートGが閉じることにより導通状態とすることができる。図35は、MOSトランジスタ77a,77bを設けた場合における読出回路の全体を示したものである。ゲートGを閉じることによって導通状態とする点を除き、図35に示した読出回路における読出動作は上記バイポーラトランジスタ76a,76bを用いた回路(図33)と同様である。
【0136】
また、本実施の形態では、ビット線と書込ワード線とが互いに平行部分をなす場合について説明したが、これに限定されず、互いに例えば90°をなすような場合であってもよい。ただし、平行部分を取り囲むように環状磁性層を形成する場合のほうが、感磁層の磁化反転がより効率的に行われるのでより好ましい。
【0137】
また、本実施の形態では、各記憶セルの情報の読み出しを、一対のTMR素子それぞれに流す読出電流の差分値を出力として行うようにしたが、これに限定されない。例えば、ある1つのTMR素子を通過する読出電流の値をそのまま出力させ、高抵抗状態にあるか低抵抗状態にあるかの検出をおこなうようにしてもよい。
【0138】
また、本実施の形態では、図7に示したように、各TMR素子における積層体が上側(整流素子とは反対側)に配置されるようにしたが、これに限定されない。例えば、図36に示したように、各TMR素子において、積層体を下側(整流素子に近い側)に配置するようにしてもよい。
【0143】
【発明の効果】
本発明の磁気メモリデバイスの製造方法によれば、基体の上に、環状磁性層の一部をなす下部磁性層を形成する工程と、下部磁性層の上に、第1の絶縁膜を介して書込専用線を形成する工程と、書込専用線の上に、第2の絶縁膜を介して書込読出兼用線を、書込専用線および書込読出兼用線が互いに平行に延在する部分を含むように形成する工程と、書込読出兼用線と、第2の絶縁膜と、書込専用線とを順次エッチングしてパターニングすることにより、書込専用線および書込読出兼用線が第2の絶縁膜を挟んで互いに平行に延在する部分を含む積層パターンを形成する積層パターン形成工程と、積層パターンの側面を少なくとも覆うと共に下部磁性層と接するように環状磁性層の一部をなす一対の中間磁性層を形成する工程と、積層パターンの上面を露出させたのち、その上面の上に強磁性層と非磁性層とを順に積層することにより積層部分を形成する工程と、その積層部分における書込読出兼用線とは反対側の積層面と接し、かつ、一対の中間磁性層における上端と接するように第1の感磁層としての上部磁性層を設けることにより、積層体を形成すると共に積層部分および積層パターンを取り囲む環状磁性層を形成する工程とを含むようにしたので、積層部分における書込読出兼用線とは反対側の積層面のみと電気的に接するように、積層部分および積層パターンを取り囲むように設けられた環状磁性層が得られる。このため、書込読出兼用線に書込電流を流すことによって各感磁層の効率的な磁化反転に寄与する閉磁路を形成でき、感磁層の磁化反転に必要な書込電流をより小さくすることができるうえ、書込読出兼用線を介して各積層体に読出電流を供給することもできる。これにより、よりコンパクトな構成とすることができ、高密度化に有利となる。
【0144】
さらに、積層パターン形成工程において、書込読出兼用線をマスクとして第2の絶縁膜および書込専用線を選択的にエッチングすることにより、積層パターンを自己整合的に形成するようにしたので、アライメント精度の高い加工が可能となり、製造工程全体としていっそうの簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る磁気メモリデバイスの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した磁気メモリデバイスの書込線の構成を示す平面図である。
【図3】図1に示した磁気メモリデバイスの記憶セル群の要部構成を示す部分平面図である。
【図4】図1に示した磁気メモリデバイスの記憶セル群の要部構成を示す要部斜視図である。
【図5】図3に示した記憶セルのV−V線に沿った切断面の構成を示す断面図である。
【図6】図1に示した磁気メモリデバイスの記憶セル群の要部構成を示す他の部分平面図である。
【図7】図6に示した記憶セルのVII−VII線に沿った切断面の構成を示す断面図である。
【図8】図1に示した磁気メモリデバイスの回路構成を示す回路図である。
【図9】図8に示した回路構成における部分拡大図である。
【図10】 図1に示した磁気メモリデバイスの製造方法における一工程を表す拡大断面図である。
【図11】図10に続く一工程を表す拡大断面図である。
【図12】図11に続く一工程を表す拡大断面図である。
【図13】図12に続く一工程を表す拡大断面図である。
【図14】図13に続く一工程を表す拡大断面図である。
【図15】図14に続く一工程を表す拡大断面図である。
【図16】図15に続く一工程を表す拡大断面図である。
【図17】図16に続く一工程を表す拡大断面図である。
【図18】図17に続く一工程を表す拡大断面図である。
【図19】図18に続く一工程を表す拡大断面図である。
【図20】図19に続く一工程を表す拡大断面図である。
【図21】図20に続く一工程を表す拡大断面図である。
【図22】図21に続く一工程を表す拡大断面図である。
【図23】図22に続く一工程を表す拡大断面図である。
【図24】図23に続く一工程を表す拡大断面図である。
【図25】図24に続く一工程を表す拡大断面図である。
【図26】図25に続く一工程を表す拡大断面図である。
【図27】本発明の第2の実施の形態に係る磁気メモリデバイスにおける磁気抵抗効果素子の断面構成を示す断面図である。
【図28】図27に示した磁気抵抗効果素子の断面構成における書込電流方向と還流磁界方向(磁化方向)との関係を表す説明図である。
【図29】本発明の第3の実施の形態に係る磁気メモリデバイスにおける磁気抵抗効果素子の断面構成を示す断面図である。
【図30】図29に示した磁気抵抗効果素子の断面構成における書込電流方向と還流磁界方向(磁化方向)との関係を表す説明図である。
【図31】図8に示した回路構成における整流素子の変形例を表す部分拡大図である。
【図32】図31に示した整流素子の変形例における断面構成を示す部分断面図である。
【図33】図31に示した整流素子の変形例における全体の回路構成を示す回路図である。
【図34】図8に示した回路構成における整流素子の他の変形例を表す部分拡大図である。
【図35】図34に示した整流素子の他の変形例における全体の回路構成を示す回路図である。
【図36】図1に示した磁気メモリデバイスにおける変形例としての記憶セルの断面構成を示す断面図である。
【図37】図8に示した回路構成に対応する比較例としての回路構成を示す回路図である。
【図38】従来例としての磁気メモリデバイスの構成を説明するための平面図である。
【図39】従来例としての磁気メモリデバイスの要部構成を説明するための断面図である。
【図40】比較例としての磁気メモリデバイスの要部構成を説明するための断面図である。
【図41】他の比較例としての磁気メモリデバイスの要部構成を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1…記憶セル、2…第1磁性層、3…トンネルバリア層、4…環状磁性層、5…ビット線、6…書込ワード線、7…絶縁膜、8…第2磁性層、9…非磁性導電層、10…平行部分、12…読出ワード線、14…接続部分、19…積層パターン、S20,S21,S22…積層体、41…書込ワード線引出電極、42…ビット線引出電極、43…読出ワード線引出電極、120a,120b…磁気抵抗効果(TMR)素子。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention provides an external magnetic fieldDepending on the magnetosensitive layerMagnetic memory device that records and reads information using changes in magnetization directionOfIt relates to a manufacturing method.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, volatile memories such as DRAM (Dynamic Rabdom Access Memory) and SRAM (Static RAM) have been used as general-purpose memories used in information processing apparatuses such as computers and communication devices. In these volatile memories, it is necessary to constantly supply current and perform refresh in order to retain the memory. Further, since all information is lost when the power is turned off, it is necessary to provide a non-volatile memory as a means for recording information in addition to these volatile memories. For example, a flash EEPROM or a magnetic hard disk device is used. It is done.
[0003]
In these nonvolatile memories, speeding up access is an important issue as information processing speeds up. Further, along with the rapid spread and high performance of portable information devices, development of information devices aiming at so-called ubiquitous computing that can perform information processing anywhere and anytime is rapidly progressing. As a key device that plays a central role in the development of such information equipment, there is a strong demand for the development of a nonvolatile memory that supports high-speed processing.
[0004]
As an effective technique for increasing the speed of the nonvolatile memory, a magnetic random access memory (hereinafter referred to as MRAM; Magnetic) in which magnetic memory elements for storing information according to the magnetization direction along the easy axis of the ferromagnetic layer are arranged in a matrix form. known as random access memory). In the MRAM, information is stored using a combination of magnetization directions in two ferromagnetic materials. On the other hand, reading of stored information is performed by detecting a resistance change (that is, a change in current or voltage) that occurs depending on whether the magnetization direction is parallel or antiparallel to a certain reference direction. In order to perform stable writing and reading in the MRAM, it is important that the rate of change in resistance is as large as possible because of the operation based on such a principle.
[0005]
The MRAM that is currently in practical use utilizes a giant magneto-resistive (GMR) effect. The GMR effect means that when two magnetic layers are arranged so that the easy magnetization directions of the respective layers are parallel to each other, the resistance value is minimum when the magnetization directions of the respective layers are parallel to the easy magnetization axis. This is a phenomenon that is maximum when antiparallel. As an MRAM using a GMR element that can obtain such a GMR effect (hereinafter referred to as GMR-MRAM), for example, a technique disclosed in
[0006]
The GMR-MRAM includes a coercive force difference type (pseudo spin valve type) and an exchange bias type (spin valve type). In the coercive force difference type MRAM, a GMR element has two ferromagnetic layers and a nonmagnetic layer sandwiched between them, and information writing and writing are performed using the coercive force difference between the two ferromagnetic layers. Reading is performed. Here, when the GMR element has a configuration of “nickel iron alloy (NiFe) / copper (Cu) / cobalt (Co)”, for example, the resistance change rate is a small value of about 6 to 8%. On the other hand, in an exchange bias type MRAM, a GMR element includes a fixed layer whose magnetization direction is fixed by antiferromagnetic coupling with an antiferromagnetic layer, a free layer whose magnetization direction is changed by an external magnetic field, and a gap between them. The non-magnetic layer is sandwiched, and information is written and read using the difference in magnetization direction between the fixed layer and the free layer. For example, when the configuration of the GMR element is “platinum manganese (PtMn) / cobalt iron (CoFe) / copper (Cu) / CoFe”, the resistance change rate is about 10%, which is larger than the coercivity difference type. However, it was insufficient to achieve further improvement in storage speed and access speed.
[0007]
In order to solve these points, an MRAM having a TMR element using a tunneling magneto-resistive (TMR) (hereinafter referred to as TMR-MRAM) has been proposed. The TMR effect is an effect that a tunnel current flowing through an insulating layer changes depending on a relative angle of a magnetization direction between two ferromagnetic layers sandwiching an extremely thin insulating layer (tunnel barrier layer). The resistance value is minimum when the magnetization directions of the two ferromagnetic layers are parallel to each other, and is maximum when the magnetization directions are antiparallel to each other. In the TMR-MRAM, when the TMR element has a configuration of “CoFe / aluminum oxide / CoFe”, for example, when the resistance change rate is as high as about 40% and the resistance value is large, it is combined with a semiconductor device such as a MOSFET. Easy to match. Therefore, a higher output can be easily obtained as compared with GMR-MRAM, and an improvement in storage capacity and access speed is expected. In TMR-MRAM, a method is known in which information is stored by changing the magnetization direction of a magnetic film of a TMR element in a predetermined direction by a current magnetic field generated by passing a current through a conducting wire. As a method of reading stored information, a method of detecting a change in resistance of a TMR element by flowing a current in a direction perpendicular to the tunnel barrier layer is known. As for TMR-MRAM, the technique disclosed in Patent Document 2 or Patent Document 3 is known.
[0008]
[Patent Document 1]
US Pat. No. 5,343,422
[Patent Document 2]
US Pat. No. 5,629,922
[Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 9-91949
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the MRAM using the TMR effect can achieve higher output than the MRAM using the GMR effect. However, even an MRAM using a TMR element exhibiting a resistance change rate of about 40% as described above has an output voltage of about several tens of mV, which is inconvenient for realizing a higher-density magnetic memory device. It is enough.
[0010]
FIG. 38 is a plan view for explaining a configuration of a conventional magnetic memory device using the TMR effect, and FIG. 39 shows a cross-sectional configuration of a main part of the conventional magnetic memory device corresponding to FIG. The
[0011]
Further, in the MRAM using the TMR effect, information is stored in each memory cell by changing the magnetization direction of the magnetic film by the induced magnetic field caused by the current flowing through the orthogonally arranged conducting wires, that is, the current magnetic field. However, since this current magnetic field is an open magnetic field (not magnetically confined in a specific region), the current magnetic field is low in efficiency, and there is a concern about an adverse effect on an adjacent storage cell.
[0012]
Furthermore, when the memory cells are further integrated to further increase the density of the magnetic memory device, the TMR element must be miniaturized, but the following problems are concerned. That is, the demagnetizing field increases as the aspect ratio (thickness / width in the in-plane direction) of each magnetic layer in the TMR element increases, and the magnetic field strength for changing the magnetization direction of the free layer increases. It is considered that a write current is required.
[0013]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in view of such problems, and a first object of the present invention is to achieve stable writing by efficiently using a magnetic field formed by currents flowing through a plurality of conductors, while having a compact configuration. Magnetoresistive effect elementMethod of manufacturing a magnetic memory device having a childIs to provide. The second purpose is to provide a magnetoresistive element that hardly adversely affects adjacent magnetoresistive elements.Method of manufacturing a magnetic memory device having a childIs to provide.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
A method of manufacturing a magnetic memory device according to the present invention includes a plurality of write-only lines, a plurality of write / read lines extending so as to intersect with the plurality of write-only lines, and a ferromagnetic layer having a fixed magnetization direction A non-magnetic layer and a non-magnetic layer configured to allow current to flow in a direction perpendicular to the stacking surface, and to surround the stacking portion so that the direction along the stacking surface is the axial direction, A plurality of annular magnetic layers including a first magnetosensitive layer that is configured to be penetrated along the axial direction by a write-only line, and whose magnetization direction is changed by an external magnetic field to form a stacked body together with the stacked portion This method includes the following steps (A) to (G).
(A) A step of forming a lower magnetic layer forming a part of the annular magnetic layer on the substrate.
(B) A step of forming a write-only line on the lower magnetic layer extending in a direction along the laminated surface via the first insulating film.
(C) A write / read line is formed on the write-only line through the second insulating film so as to include a portion in which the write-only line and the write / read line are extended in parallel to each other. Process.
(D) The write / read line, the second insulating film, and the write-only line are sequentially etched and patterned, so that the write-only line and the write / read line sandwich the second insulating film. A laminated pattern forming step of forming a laminated pattern including portions extending in parallel with each other.
(E) A step of forming a pair of intermediate magnetic layers forming a part of the annular magnetic layer so as to cover at least the side surface of the laminated pattern and be in contact with the lower magnetic layer.
(F) A step of forming a laminated portion by exposing the upper surface of the laminated pattern and then laminating a ferromagnetic layer and a nonmagnetic layer in that order on the upper surface.
(G) By providing the upper magnetic layer as the first magnetosensitive layer in contact with the laminated surface opposite to the write / read line in the laminated portion and in contact with the upper ends of the pair of intermediate magnetic layers, Forming a laminated body and forming an annular magnetic layer surrounding a laminated portion and a laminated pattern;
In the laminated pattern formation step, the laminated pattern is formed in a self-aligned manner by selectively etching the second insulating film and the write-only line using the write / read line as a mask.
Here, “external magnetic field” in the present invention means a magnetic field generated by a current flowing through a plurality of conductive wires, or a reflux magnetic field generated in an annular magnetic layer. Also, the “annular” of the “annular magnetic layer” penetrates the inside.Write-read shared line and write-only lineWhen entangled, the surroundings of each are completely and continuously taken in magnetically and electrically,Write-read shared line and write-only lineThe cross section of the direction which crosses is shown in the closed state. Therefore, the annular magnetic layer allows an insulator to be contained as long as it is magnetically and electrically continuous. That is, an insulator that does not flow current is not included, but an oxide film that is generated in the manufacturing process may be included. The “axial direction” refers to the opening direction when attention is paid to the annular magnetic layer alone, that is, the extending direction of a plurality of conductors penetrating the inside.The Also, “Write / read line and write-only line”`` To be penetrated by '' means a region or space surrounded by an annular magnetic layer.Write / read shared line and write dedicated lineShows the state of penetrating.Furthermore, “the write-only line and the write / read line are parallel to each other across the second insulating film” includes a manufacturing error range of ± 10 °.
[0019]
In the method for manufacturing a magnetic memory device of the present invention, the above steps are provided so as to surround the laminated portion and the laminated pattern so as to be in electrical contact with only the laminated surface on the opposite side to the write / read line in the laminated portion. An annular magnetic layer is obtained. Therefore, when a write current flows through the write / read line, a closed magnetic path that contributes to efficient magnetization reversal of each magnetosensitive layer is formed, and each stacked body is connected via the write / read line. A read current is supplied.
In addition, in the stacked pattern forming step, the stacked pattern is formed in a self-aligned manner by selectively etching the second insulating film and the write-only line using the write / read shared line as a mask. While processing with high alignment accuracy can be performed, a resist pattern forming process and a removing process thereof can be omitted, and the entire manufacturing process can be simplified.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0021]
[First Embodiment]
First, the configuration of the magnetic memory device according to the first embodiment will be described with reference to FIGS.
[0022]
FIG. 1 is a conceptual diagram showing the overall configuration of a magnetic memory device according to the present embodiment. The magnetic memory device includes an
[0023]
The
[0024]
The first drive
[0025]
The
[0026]
[0027]
The current drive circuit 56C and the
[0028]
The
[0029]
The
[0030]
The
[0031]
Next, the configuration related to the information writing operation in the magnetic memory device of the present embodiment will be described.
[0032]
FIG. 2 is a conceptual diagram showing a main part plane configuration related to the write operation in the
[0033]
Currents from the Y-direction
[0034]
FIG. 3 more specifically shows the planar configuration of the main part of the
[0035]
Bit
[0036]
FIG. 4 is an enlarged perspective view of the
[0037]
FIG. 5 illustrates a cross-sectional configuration of the
[0038]
As shown in FIG. 5, the
[0039]
The stacked bodies S20a and S20b are configured by
[0040]
When a voltage in the vertical direction is applied to the stacked surface between the first
[0041]
(MR ratio) = dR / R (1)
[0042]
Here, “dR” is the difference in resistance value between when the spins are parallel to each other and anti-parallel, and “R” is the resistance value when the spins are parallel to each other.
[0043]
The resistance value against the tunnel current (hereinafter referred to as tunnel resistance Rt) strongly depends on the film thickness T of the tunnel barrier layers 3a and 3b. In the low voltage region, the tunnel resistance Rt increases exponentially with respect to the film thickness T of the tunnel barrier layers 3a and 3b as shown in the equation (2).
[0044]
Rt∝exp (2χT), Χ = {8π2m*(Φ ・ Ef)0.5} / H (2)
[0045]
Where “φ” is the barrier height, “m”*"Represents the effective mass of electrons," Ef "represents Fermi energy, and h represents Planck's constant. In general, in a memory element using a TMR element, a tunnel resistance Rt is several tens kΩ · (μm) in order to match with a semiconductor device such as a transistor.2Degree is appropriate. However, in order to increase the density and increase the operation speed in the magnetic memory device, the tunnel resistance Rt is 10 kΩ · (μm).2Or less, more preferably 1 kΩ · (μm)2The following is preferable. Therefore, in order to realize the tunnel resistance Rt, it is desirable that the thickness T of the tunnel barrier layers 3a and 3b is 2 nm or less, more preferably 1.5 nm or less.
[0046]
By reducing the thickness T of the tunnel barrier layers 3a and 3b, the tunnel resistance Rt can be reduced, while leakage due to unevenness at the junction interface between the first
[0047]
The stacked bodies S20a and S20b shown in FIG. 5 have a coercivity difference structure, and are configured such that the coercivity of the first
[0048]
The annular
[0049]
Each of the
[0050]
Next, a configuration related to the information reading operation will be described. FIG. 6 shows a plan configuration of a main part related to a read operation in the
[0051]
As shown in FIG. 6, each
[0052]
7 (FIGS. 7A and 7B) shows a cross-sectional configuration of the
[0053]
The pair of
[0054]
Next, with reference to FIG. 8, a circuit configuration related to the read operation in the magnetic memory device of the present embodiment will be described.
[0055]
FIG. 8 is a configuration diagram of a circuit system including the
[0056]
In FIG. 8, unit cell read circuit 80 (..., 80 n, 80 n + 1,. Are arranged in parallel in the bit string direction. Each of unit read
[0057]
In the
[0058]
One end of each read
[0059]
One end of each
[0060]
Next, the operation in the magnetic memory device of the present embodiment will be described.
[0061]
First, the write operation in the
[0062]
FIGS. 7A and 7B show the case where the write currents flow in the same direction through the
[0063]
As described above, when currents in the same direction flow through both the
[0064]
For example, “0” is set to the state shown in FIG. 7A, that is, the
[0065]
In this case, in the
[0066]
As described above, according to the
[0067]
Further, the write current direction of
[0068]
In addition, in the
[0069]
Next, a read operation in the magnetic memory device will be described with reference to FIGS.
[0070]
First, one of the plurality of bit decode
[0071]
FIG. 9A and FIG. 9B are circuit diagrams showing the peripheral portion of the
[0072]
Here, the operation during the read operation of the magnetic memory device of the present embodiment will be described in comparison with a comparative example. FIG. 37 is a configuration diagram of a circuit system including a memory cell group including a
[0073]
The comparative example shown in FIG. 37 is an example in which a rectifying element such as a diode is not provided on the current path from the
[0074]
On the other hand, in the magnetic memory device of the present embodiment, it is arranged on each current path of the read current supplied to the
[0075]
Furthermore, in the magnetic memory device of the present embodiment, a read current is supplied from each of the pair of
[0076]
Next, a method for manufacturing the magnetic memory device of the present embodiment having the above configuration will be described.
[0077]
The method of manufacturing the magnetic memory device according to the present embodiment includes a step of forming lower magnetic layers 4Ba and 4Bb forming part of the annular
[0078]
With reference to FIGS. 10 to 26, a method for manufacturing
[0079]
First, as shown in FIG. 10, a
[0080]
After forming the lower magnetic layers 4Ba and 4Bb, as shown in FIG. 11, for example, TEOS (normal tetraethyl silicate; Si (OC2HFive)Four), For example, silicon oxide (SiO 2) so as to cover the whole with a CVD (Chemical Vapor Deposition) apparatus.27A is formed. This insulating
[0081]
Subsequently, a plating base film (not shown) made of, for example, titanium (Ti) is formed on the insulating
[0082]
Next, as shown in FIG. 13, for example, SiO is covered so as to cover the whole using a CVD apparatus.2After the insulating
[0083]
Subsequently, a plating base film made of, for example, titanium is formed on the insulating
[0084]
Next, as shown in FIG. 15,
[0085]
Thus, by forming the
[0086]
After the
[0087]
Next, as shown in FIG. 17, the insulating
[0088]
After the
[0089]
After that, as shown in FIG. 21, polishing is performed using a CMP apparatus until the
[0090]
Next, as shown in FIG. 22, using a CVD apparatus or the like, silicon oxide (SiO 22) Etc. are formed over the entire surface, and then the
[0091]
Next, after removing the photoresist layer 31C, as shown in FIG. 24, a
[0092]
After forming the
[0093]
After the formation of the annular
[0094]
Thereafter, write word
[0095]
Thus, the formation of the
[0096]
Thereafter, SiO 2 is further sputtered or CVD equipment.2Or aluminum oxide (Al2OThreeThe manufacturing of the magnetic memory device is completed through a step of forming a protective film such as) and a step of polishing the protective film to expose the
[0097]
As described above, according to the manufacturing method of the present embodiment, since the annular
[0098]
In addition, according to the manufacturing method of the present embodiment, since the
[0099]
[Second Embodiment]
Next, a magnetic memory device according to a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS.
[0100]
FIG. 27 shows a cross-sectional configuration of the
[0101]
In the following description, the configuration of the magnetic memory device according to the present embodiment will be described mainly with respect to differences from the first embodiment, and other descriptions will be omitted as appropriate.
[0102]
In the
[0103]
Specifically, as shown in FIG. 27, the
[0104]
In the
[0105]
The stacked body S21a having the coercive force difference type structure is desirably configured such that the coercive force of the first
[0106]
Similar to the first embodiment, the coercivity of the
[0107]
Next, with reference to FIGS. 28A and 28B, a write operation in the
[0108]
FIGS. 28A and 28B show a case where write currents flow in the same direction through mutually
[0109]
As apparent from FIGS. 28A and 28B, when a write current in the same direction flows through both the
[0110]
When manufacturing the magnetic memory device in the present embodiment, a flat surface including the
[0111]
As described above, according to the
[0112]
[Third Embodiment]
Next, with reference to FIG. 29, a magnetic memory device according to the third embodiment of the present invention will be described.
[0113]
FIG. 29 shows a cross-sectional configuration of the
[0114]
In the following description, the configuration of the magnetic memory device according to the present embodiment and the method for manufacturing the magnetic memory device will be described mainly with respect to differences from the second embodiment, and other descriptions will be omitted as appropriate. Further, since the
[0115]
The
[0116]
In contrast, as shown in FIG. 29, the
[0117]
In the
[0118]
The second
[0119]
Next, with reference to FIGS. 30A and 30B, a write operation in the
[0120]
30A and 30B show a case where write currents flow in the same direction in mutually
[0121]
When current flows in the same direction through the
[0122]
When manufacturing the magnetic memory device in the present embodiment, a flat surface including the
[0123]
As described above, in the magnetic memory device according to the present embodiment, in addition to the configuration of the second embodiment, the
[0124]
【Example】
Further, specific examples in this embodiment will be described.
[0125]
In this example, based on the manufacturing method described in the first embodiment, a magnetic memory device in which a plurality of
[0126]
With respect to the
[0127]
[Table 1]
[0128]
As shown in Table 1, although there was no significant difference in MR change rate between this example and Comparative Examples 1 and 2, there was a clear improvement in performance with respect to switching current and adjacent cell inversion current. It is done.
[0129]
The switching current is a minimum current value necessary for reversing the magnetization direction in the memory cell to be written. Regarding this switching current, this example showed a small value of 1.2 mA, which is less than one fifth with respect to 6.8 mA of Comparative Example 1. This is because, by providing the annular
[0130]
The adjacent cell inversion current represents a current value at which the magnetization direction of the memory cell that should not be written is reversed by the current applied to the memory cell adjacent to the memory cell to be written. As shown in Table 1, it was found that in this example, the magnetization direction in the adjacent memory cell was not reversed even when a larger write current was applied than in the conventional example. This indicates that a closed magnetic path is formed, and generation of a magnetic field that adversely affects adjacent memory cells can be suppressed. In particular, when compared with Comparative Example 2, the present example also showed a relatively large adjacent cell reversal current, so that the annular
[0131]
As described above, according to the present embodiment, the
[0132]
Although the present invention has been described with reference to some embodiments, the present invention is not limited to these embodiments and modifications, and various modifications can be made. For example, in this embodiment and each modification, a Schottky diode is used as a rectifying element for preventing backflow, but it can be replaced with a bipolar transistor that is also an element having a rectifying action.
[0133]
FIG. 31 shows a main configuration of a circuit when
[0134]
FIG. 33 shows the entire readout circuit when the
[0135]
Further, as shown in FIG. 34,
[0136]
In this embodiment, the case where the bit line and the write word line are parallel to each other has been described. However, the present invention is not limited to this. For example, the bit line and the write word line may be 90 ° to each other. However, the case where the annular magnetic layer is formed so as to surround the parallel portion is more preferable because the magnetization reversal of the magnetosensitive layer is more efficiently performed.
[0137]
Further, in the present embodiment, the reading of information in each memory cell is performed by using the difference value of the reading current passed through each of the pair of TMR elements as an output, but the present invention is not limited to this. For example, the value of the read current passing through a certain TMR element may be output as it is to detect whether it is in a high resistance state or a low resistance state.
[0138]
Further, in the present embodiment, as shown in FIG. 7, the laminated body in each TMR element is arranged on the upper side (the side opposite to the rectifying element), but the present invention is not limited to this. For example, as shown in FIG. 36, in each TMR element, the stacked body may be disposed on the lower side (side closer to the rectifying element).
[0143]
【The invention's effect】
According to the method of manufacturing a magnetic memory device of the present invention, a step of forming a lower magnetic layer that forms a part of an annular magnetic layer on a base, and a first insulating film on the lower magnetic layer A process for forming a write-only line, and a write / read line extending on the write-only line via a second insulating film, and the write-only line and the write / read line extending in parallel with each other The write-only line and the write / read line are formed by sequentially etching and patterning the step of forming the portion, the write / read line, the second insulating film, and the write-only line. A laminated pattern forming step of forming a laminated pattern including portions extending in parallel with each other across the second insulating film;Forming a pair of intermediate magnetic layers forming at least a part of the annular magnetic layer so as to cover at least the side surface of the laminated pattern and in contact with the lower magnetic layer; and exposing the upper surface of the laminated pattern; A step of forming a laminated portion by sequentially laminating a magnetic layer and a nonmagnetic layer; and a top surface of a pair of intermediate magnetic layers in contact with a laminated surface opposite to the write / read line in the laminated portion. Providing an upper magnetic layer as a first magnetosensitive layer so as to be in contact with each other, thereby forming a laminated body and forming an annular magnetic layer surrounding the laminated portion and the laminated pattern;Therefore, an annular magnetic layer provided so as to surround the laminated portion and the laminated pattern so as to be in electrical contact with only the laminated surface on the opposite side to the read / write line in the laminated portion is obtained. Therefore, a closed magnetic path that contributes to efficient magnetization reversal of each magnetosensitive layer can be formed by flowing a write current through the read / write line, and the write current required for magnetization reversal of the magnetosensitive layer can be made smaller. In addition, a read current can be supplied to each stacked body via the write / read line. Thereby, it can be set as a more compact structure and it becomes advantageous to densification.
[0144]
further,In the laminated pattern forming step, the laminated pattern is formed in a self-aligned manner by selectively etching the second insulating film and the write-only line using the write / read line as a mask.BecauseEnables processing with high alignment accuracyMadeAs a whole manufacturing processMoreSimplification can be achieved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing an overall configuration of a magnetic memory device according to a first embodiment of the invention.
2 is a plan view showing a configuration of a write line of the magnetic memory device shown in FIG. 1; FIG.
3 is a partial plan view showing the main configuration of a storage cell group of the magnetic memory device shown in FIG. 1;
4 is a main part perspective view showing a main part configuration of a memory cell group of the magnetic memory device shown in FIG. 1; FIG.
5 is a cross-sectional view showing a configuration of a cut surface along the line VV of the memory cell shown in FIG. 3;
6 is another partial plan view showing the main configuration of the memory cell group of the magnetic memory device shown in FIG. 1; FIG.
7 is a cross-sectional view showing a configuration of a cut surface along the line VII-VII of the memory cell shown in FIG. 6;
8 is a circuit diagram showing a circuit configuration of the magnetic memory device shown in FIG. 1. FIG.
9 is a partially enlarged view of the circuit configuration shown in FIG.
10 is an enlarged cross-sectional view showing a step in the method of manufacturing the magnetic memory device shown in FIG. 1. FIG.
FIG. 11 is an enlarged cross-sectional view illustrating a process subsequent to FIG.
12 is an enlarged cross-sectional view illustrating a process following FIG. 11. FIG.
13 is an enlarged cross-sectional view illustrating a process subsequent to FIG. 12. FIG.
14 is an enlarged cross-sectional view illustrating a process subsequent to FIG. 13. FIG.
15 is an enlarged cross-sectional view illustrating a process following FIG.
16 is an enlarged cross-sectional view illustrating a process following FIG.
FIG. 17 is an enlarged cross-sectional view illustrating a process following FIG.
FIG. 18 is an enlarged cross-sectional view illustrating a process subsequent to FIG.
FIG. 19 is an enlarged cross-sectional view illustrating a process subsequent to FIG.
20 is an enlarged cross-sectional view illustrating a process subsequent to FIG.
FIG. 21 is an enlarged cross-sectional view illustrating a process subsequent to FIG.
22 is an enlarged cross-sectional view illustrating a process subsequent to FIG. 21. FIG.
FIG. 23 is an enlarged cross-sectional view illustrating a process subsequent to FIG.
24 is an enlarged cross-sectional view illustrating a process subsequent to FIG. 23. FIG.
25 is an enlarged cross-sectional view illustrating a process subsequent to FIG. 24. FIG.
FIG. 26 is an enlarged cross-sectional view illustrating a process subsequent to FIG.
FIG. 27 is a cross-sectional view showing a cross-sectional structure of a magnetoresistive effect element in a magnetic memory device according to a second embodiment of the present invention.
28 is an explanatory diagram showing the relationship between the write current direction and the return magnetic field direction (magnetization direction) in the cross-sectional configuration of the magnetoresistive effect element shown in FIG. 27. FIG.
FIG. 29 is a cross-sectional view showing a cross-sectional configuration of a magnetoresistive effect element in a magnetic memory device according to a third embodiment of the present invention.
30 is an explanatory diagram showing the relationship between the write current direction and the return magnetic field direction (magnetization direction) in the cross-sectional configuration of the magnetoresistive effect element shown in FIG. 29;
31 is a partially enlarged view showing a modification of the rectifying element in the circuit configuration shown in FIG.
32 is a partial cross-sectional view showing a cross-sectional configuration in a modified example of the rectifying device shown in FIG. 31;
33 is a circuit diagram showing an overall circuit configuration in a modified example of the rectifying element shown in FIG. 31. FIG.
34 is a partially enlarged view showing another modification of the rectifying element in the circuit configuration shown in FIG.
35 is a circuit diagram showing an overall circuit configuration in another modification of the rectifying element shown in FIG. 34. FIG.
36 is a cross-sectional view showing a cross-sectional configuration of a memory cell as a modification of the magnetic memory device shown in FIG. 1;
FIG. 37 is a circuit diagram showing a circuit configuration as a comparative example corresponding to the circuit configuration shown in FIG. 8;
FIG. 38 is a plan view for explaining the configuration of a conventional magnetic memory device.
FIG. 39 is a cross-sectional view for explaining a main part configuration of a conventional magnetic memory device.
FIG. 40 is a cross-sectional view for explaining a main configuration of a magnetic memory device as a comparative example.
FIG. 41 is a cross-sectional view for explaining a main configuration of a magnetic memory device as another comparative example.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (5)
磁化方向の固定された強磁性層と非磁性層とを含み、積層面に垂直な方向に電流が流れるように構成された積層部分と、前記積層面に沿った方向を軸方向とするように前記積層部分を取り囲むと共に、前記書込読出兼用線および書込専用線によって前記軸方向に沿って貫かれるように構成され、かつ、外部磁界によって磁化方向が変化し前記積層部分と共に積層体を構成する第1の感磁層を含む環状磁性層とを有する複数の磁気抵抗効果素子と
を備えた磁気メモリデバイスを製造するための方法であって、
基体の上に、前記環状磁性層の一部をなす下部磁性層を形成する工程と、
前記下部磁性層の上に、第1の絶縁膜を介して前記積層面に沿った方向へ延在する前記書込専用線を形成する工程と、
前記書込専用線の上に、第2の絶縁膜を介して前記書込読出兼用線を、前記書込専用線および書込読出兼用線が互いに平行に延在する部分を含むように形成する工程と、
前記書込読出兼用線と、前記第2の絶縁膜と、前記書込専用線とを順次エッチングしてパターニングすることにより、前記書込専用線および書込読出兼用線が前記第2の絶縁膜を挟んで互いに平行に延在する部分を含む積層パターンを形成する積層パターン形成工程と、
前記積層パターンの側面を少なくとも覆うと共に前記下部磁性層と接するように、前記環状磁性層の一部をなす一対の中間磁性層を形成する工程と、
前記積層パターンの上面を露出させたのち、その上面の上に、前記強磁性層と前記非磁性層とを順に積層することにより、前記積層部分を形成する工程と、
前記積層部分における前記書込読出兼用線とは反対側の積層面と接し、かつ、前記一対の中間磁性層における上端と接するように前記第1の感磁層としての上部磁性層を設けることにより、前記積層体を形成すると共に前記積層部分および積層パターンを取り囲む前記環状磁性層を形成する工程と
を含み、
前記積層パターン形成工程において、前記書込読出兼用線をマスクとして前記第2の絶縁膜および前記書込専用線を選択的にエッチングすることにより、前記積層パターンを自己整合的に形成する
ことを特徴とする磁気メモリデバイスの製造方法。A plurality of write-only lines and a plurality of write / read lines extending so as to intersect the plurality of write-only lines;
A laminated portion including a ferromagnetic layer and a nonmagnetic layer whose magnetization directions are fixed and configured to allow a current to flow in a direction perpendicular to the laminated surface, and a direction along the laminated surface as an axial direction Surrounding the laminated portion and configured to be penetrated along the axial direction by the writing / reading line and the write-only line , and the magnetization direction is changed by an external magnetic field to form a laminated body together with the laminated portion A plurality of magnetoresistive elements having an annular magnetic layer including a first magnetosensitive layer, and a method for manufacturing a magnetic memory device comprising:
Forming a lower magnetic layer forming a part of the annular magnetic layer on a substrate;
Forming the write-only line on the lower magnetic layer , extending in a direction along the laminated surface via a first insulating film;
The write / read line is formed on the write-only line through a second insulating film so as to include a portion where the write-only line and the write / read line are extended in parallel to each other. Process,
By sequentially etching and patterning the write / read line, the second insulating film, and the write-only line, the write-only line and the write / read line are converted into the second insulating film. A laminated pattern forming step of forming a laminated pattern including portions extending in parallel with each other,
Forming a pair of intermediate magnetic layers forming a part of the annular magnetic layer so as to cover at least a side surface of the laminated pattern and be in contact with the lower magnetic layer;
Forming the laminated portion by exposing the upper surface of the laminated pattern and then laminating the ferromagnetic layer and the nonmagnetic layer in order on the upper surface ;
By providing an upper magnetic layer as the first magnetosensitive layer in contact with the laminated surface opposite to the write / read line in the laminated portion and in contact with the upper ends of the pair of intermediate magnetic layers , it looks including the step of forming the annular magnetic layer surrounding the laminated portion and the laminate pattern so as to form the laminate,
In the laminated pattern forming step, the laminated pattern is formed in a self-aligned manner by selectively etching the second insulating film and the write-only line using the write / read line as a mask. A method for manufacturing a magnetic memory device.
ことを特徴とする請求項1記載の磁気メモリデバイスの製造方法。The method of manufacturing a magnetic memory device according to claim 1.
ことを特徴とする請求項2記載の磁気メモリデバイスの製造方法。The method of manufacturing a magnetic memory device according to claim 2.
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の磁気メモリデバイスの製造方法。The method of manufacturing a magnetic memory device according to claim 2 or 3,
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の磁気メモリデバイスの製造方法。The method of manufacturing a magnetic memory device according to claim 1, wherein the magnetic memory device is manufactured as described above.
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