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JP4556591B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents
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Description

本発明は、複数の半導体レーザ素子の発光点を近接させることで光出力を増加させる半導体レーザ装置に関する。光通信や光測定、光ディスク、その他には露光装置等の光源に用いる半導体レーザ装置に関する。
半導体レーザ素子として、GaAs基板上にAlGaAs、InGaAlP、InGaAsP等の化合物半導体を積層したガリウム砒素(GaAs)系半導体レーザ素子が使用されてきた。また、より発振波長の短い窒化ガリウム(GaN)系半導体レーザ素子等の開発は着実に進展しており、量産化に近付きつつある。例えば、AlGaAs系780nmレーザ素子はCD規格、InGaAlP系650nmレーザ素子はDVD規格、InGaAlN系400nmレーザ素子は大容量記録装置に用いられる。
また半導体レーザ素子を用いて感光材料の露光を行う露光装置は、レーザプリンタ等の種々の用途に使用されている。レーザプリンタはR、G、Bのレーザ光源を備えており、画像処理部から入力された記録用画像データに応じて変調したレーザ光を銀塩感光材料である印画紙に照射して、走査露光によって印画紙に画像(潜像)を記録する。露光画質の向上には、レーザ光の波長自体を短くしてレーザ光のスポット径をできるだけ小さくすることが有効である。露光装置の具体例としては、感光材料を露光する画像露光装置である。
特開2002−118331号公報
特許文献1には異なる半導体からなる2つの半導体レーザ素子を用いて2波長の集積化を可能とする構成が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載がある集積型半導体レーザ装置は、LD1とLD2とは向かい合う構造をしているが、リッジ最上層であるキャップ層の更に上部にそれぞれのコンタクト層が存在しており、該コンタクト層同士が接合した構造となっている。そのため、LD1とLD2の発光点の距離は離れている。
またLD1とLD2を接合させる場合にも安定性の問題がある。その理由は、LD1とLD2の接合面にある半導体層は、LD1のコンタクト層にはGaN、LD2のコンタクト層にはGaAsが用いられており熱膨張係数や格子定数差が生じるからである。このコンタクト層同士の接合面積が全面にあるため、半導体レーザ素子に反りやクラックが生じる。これでは、個々の半導体レーザ装置ごとにLD1とLD2の発光点の距離が異なる。LD1とLD2との発光点の距離が離れていたり、又はLD1の発光点上部にLD2の発光点がないものは、1つのレンズで集光することも困難となる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、同一波長であって高出力、且つ信頼性の高い半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
また、複数の異なる波長のレーザ光を使用する際の装置構成を容易且つ信頼性の高いものとして半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
本発明の半導体レーザ装置は、第1の半導体レーザ素子と該第1の半導体レーザ素子上にある第2の半導体レーザ素子とのリッジストライプ部の上面同士が互いに向かい合ってなる半導体レーザ装置であって、前記第1の半導体レーザ素子は、リッジストライプ部の両側に電流狭窄層を有しており、該電流狭窄層にはリッジストライプ部から離れるに従って順に高さが異なる第1の領域と、第2の領域とを備えており、該第2の領域は前記リッジストライプ部の上面よりも高いことを特徴とするものである。
上記構成に示すように第1の半導体レーザ素子における電流狭窄層の第2の領域がリッジ部の上面よりも高いため、第1の半導体レーザ素子と第2の半導体レーザ素子との接合時には該第2の領域が直接の接触界面になるか、又は最近傍になる。この構成によって接合時に生じる半導体レーザ素子、特にリッジストライプ部へのダメージを第2の領域側に逃がすことができるため、不要なダメージをリッジストライプ部に与えることなく2つの半導体レーザ素子の発光点を近づけることができる。
また、第1の半導体レーザ素子は電流狭窄層を有することで第2の半導体レーザ素子と直接、又は共晶材料を介して接合する場合であっても半導体層の最上面が全面接合することはない。そのため、第1の半導体レーザ素子と第2の半導体レーザ素子との半導体層材質が異なる場合であっても、それらの格子定数差の影響を受けることなく2つの半導体レーザ素子の発光点を一定距離に保つことができる。
本発明の半導体レーザ装置は、前記第1の半導体レーザ素子における電流狭窄層の第1の領域は、前記リッジストライプ部の上面と略同じ高さであることが好ましい。これによって、第1の半導体レーザ素子のリッジストライプ部への応力は略同じ高さである電流狭窄層によって吸収される。そのため、リッジ部に与える応力を抑止して寿命特性の良好な半導体レーザ装置を形成することができる。また半導体レーザ装置の用途によってはリッジ部の幅に限りがある。光ディスク用途であればリッジ部の幅は1.0μm〜5.0μmである。このようなリッジ部の幅が狭い半導体レーザ素子を第1の半導体レーザ素子として用いる場合に上記構成であればリッジ部の欠けや割れを抑止するため有効である。
本発明の半導体レーザ装置において、前記第2の半導体レーザ素子のリッジストライプの幅は、前記第1の半導体レーザ素子におけるリッジストライプの幅よりも広いことが好ましい。このような構成であれば、第1の半導体レーザ素子と第2の半導体レーザ素子との界面に半田等の共晶材を介する場合であっても第2の半導体レーザ素子からの応力は第1の半導体レーザ素子のリッジ上面ではなく、該リッジ部の両端の電流狭窄層で接合時のダメージを吸収することができる。また、前記構成に示すように第2の半導体レーザ素子がワイドストライプであって、第1の半導体レーザ素子と第2の半導体レーザ素子との発振波長が同一波長である場合には、コリメートレンズでレーザ光を集光することで高出力半導体レーザ装置が得られる。
本発明の半導体レーザ装置において、前記第1の半導体レーザ素子の共振器は、第2の半導体レーザ素子の共振器よりも長いことが好ましい。特にInGaAlN系材料からなる半導体レーザ素子は、他の材料に比べて温度特性が良好であるから、共振器長を他の半導体レーザ素子に比べて長くすることが好ましい。そのため、InGaAlN系材料からなる半導体レーザ素子を第1の半導体レーザ素子として、他の材料からなる半導体レーザ素子を第2の半導体レーザ素子とする。
前記半導体レーザ装置において、前記第1の半導体レーザ素子の発光点と、前記第2の半導体レーザ素子の発光点との距離は、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。本発明の半導体レーザ素子はリッジ同士の間に共晶材料である半田以外には余分な構成を有しないため、発光点間の距離を上記範囲とすることができる。これによって、2つの半導体レーザ素子の発振波長を同一波長とすれば、レンズでの集光が容易となる。また、2つの半導体レーザ素子が異なる波長であっても、ピックアップを小型化することができる。
前記半導体レーザ装置において、前記第1の半導体レーザ素子と前記第2の半導体レーザ素子とは、共晶材を介して接合していることが好ましい。例えば、共晶材を介することでこの上にワイヤーボンディングすることができる。前記共晶材の具体例としては、Au、Ag、Sn等がある。該共晶材には光吸収効果を有する材料を用いることでリップル抑制効果を奏する。
前記半導体レーザ装置において、前記第1の半導体レーザ素子は、基板上に半導体層を有している。第1の半導体レーザ素子は下部に位置するため、支持基板を備えた構造とすることで、第2の半導体レーザ素子との接合時に発生するダメージが吸収されることになる。また前記基板には放熱性に優れたGaNやCu系合金、W系合金を用いる。
前記半導体層が窒化物半導体層から成る場合には、一般式をInAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)とする。また活性層は、n側窒化物半導体層とp側窒化物半導体層との間に挟まれた構成であって、少なくともInAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)から成る層を有しており、単一量子井戸構造、又は多重量子井戸構造とする。n側窒化物半導体層は少なくともn型不純物を含有したn型窒化物半導体層を有している。n型不純物としては、Si、Ge、O等のいずれかである。またp側窒化物半導体層には少なくともp型不純物を含有したp型窒化物半導体層を有している。p型不純物としては、Mg、Zn等である。
本発明の半導体レーザ装置は、ピックアップの小型化、再現性を向上した装置とすることができる。また、2つの半導体レーザ素子の発振波長が同一波長であれば、より高出力化を実現することができる。しかも、半導体層の材料が異なるものであったとしても、それぞれの半導体レーザ素子の寿命特性及び素子特性に優れた半導体レーザ装置を提供することができる。
実施の形態1.
図1は実施形態1に係る半導体レーザ装置10の構造を模式的に示す断面図である。この半導体レーザ装置は、図2に示す上下の半導体レーザ素子が共晶材30を介して接合したものである。第1の半導体レーザ素子100と第2の半導体レーザ素子200は窒化物半導体からなり、窒化物半導体基板の上面に形成されたものである。
本実施の形態における第1の半導体レーザ素子100は、図2に示すように窒化物半導体基板101の第1の主面上にn側窒化物半導体層120と、Inを含有する活性層130と、p側窒化物半導体層140と、前記p側窒化物半導体層にストライプ状のリッジ部と、前記p側窒化物半導体層上にp電極52とを備えており、また窒化物半導体基板の第2の主面にはn電極51を備えている対向電極構造の窒化物半導体レーザ素子であって、リッジ部の両側に電流狭窄層150を有しており、前記窒化物半導体基板101の第2の主面側にはn電極51を介してヒートシンクを備えている。ここで、前記窒化物半導体基板の第1の主面と第2の主面とはお互いが対向する主面である。前記半導体レーザ素子は、n側半導体層とp側半導体層とで、Inを含有する活性層を挟んだ分離光閉じ込め型構造であるSCH(Separate Confinement Heterostructure)構造とする。
また第2の半導体レーザ素子200は、図2に示すように前記第1の半導体レーザ素子の上部に形成される。また第1の半導体レーザ素子と同様に基板201上にn側窒化物半導体層220と、Inを含有する活性層230と、p側窒化物半導体層240と、前記p側窒化物半導体層にストライプ状のリッジ部と、前記p側窒化物半導体層上にp電極53とを備えた構造である。第2の半導体レーザ素子200の前記p電極は、共晶材30を介して前記第1の半導体レーザ素子と接合されている。また、前記基板201の第2の主面にはn電極54を介してワイヤーがボンディングされる。
前記共晶材30にはワイヤー130がボンディングされている。この共晶材は合金化された単一層であってもよく、また導電性材料からなる多層構造であってもよい。ここで、前記ワイヤー130は第1の半導体レーザ素子100のp電極52、及び第2の半導体レーザ素子200のp電極53と電気的に接合している。第1の半導体レーザ素子と第2の半導体レーザ素子は、それぞれ独立に駆動することができる。また本実施形態での2つの半導体レーザ素子は、発振波長を同一波長のレーザ素子とする。
以下、第1の半導体レーザ素子の製造方法について説明するが、本発明は以下に限定させるわけではない。
(第1の工程)
まず、窒化物半導体基板101を形成する。これは、窒化物半導体から成る単体基板、その他に窒化物半導体と異なる材料であるサファイアやSiC、GaAs等から成る支持基板を有するものであってもよい。該基板の主面は例えば(0001)面、(11−20)面、又は(1−100)面とする。尚、本明細書において、面指数を表す括弧内のバー(−)は、後ろの数字の上に付すべきバーを表すものとする。
前記基板の主面上に、気相成長法を利用してAlGa1−xN(0≦x≦1)から成るバッファ層を成長する(バッファ層は図示しない)。バッファ層の成長温度は900℃以下とする。尚、該バッファ層は省略可能である。前記基板の膜厚は50μm以上10mm以下とするが、好ましくは100μm以上1000μm以下とする。この窒化物半導体基板101にはオフ角を有する基板を用いても良い。窒化物半導体基板101の製法には、ELO法や選択成長法などを用いるMOCVD法やHVPE法、MBE法等の気相成長法、その他には超臨界流体中で結晶育成させる水熱合成法、高圧法、フラックス法、溶融法等がある。
窒化物半導体基板101は、例えば面内で第1の領域と第2の領域とが周期的に分布している。ELO法を用いて第1の領域と第2の領域とを交互にストライプ形成したものは、窒化物半導体の内部に発生する応力を緩和させる作用がはたらくため、該窒化物半導体を基板とすれば、該基板上に応力緩和層を形成することなく窒化物半導体層を膜厚5μm以上で積層することが可能となる。ストライプは、破線状に形成されているものを含む。
前記窒化物半導体基板の単位面積当たりの転位数が1×10/cm以下、好ましくは1×10/cm以下となる。これらの転位測定はCL観察やTEM観察等で行う。
前記窒化物半導体基板は、III族元素であるB、Ga、Al、In等と窒素との化合物であるGaN、AlN、その他に3元や4元の混晶化合物であるAlGaNやInAlGaNがある。該窒化物半導体基板は、n型不純物やp型不純物を含有するものが好ましい。n型不純物としては、Si、Ge、Se、S、O等である。n型不純物、又はp型不純物の不純物濃度は、1×1017cm−3〜1×1020cm−3である。また窒化物半導体基板の外周形状は特に限定されず、ウェハー状であっても、矩形状等であってもよい。ウェハー状である場合には、1インチ以上のサイズとする。
(第2の工程)
次に、オフ角を有する窒化物半導体基板の第1の主面上に窒化物半導体層10を成長させる。本実施形態では、以下の各層をMOCVD法により、減圧〜大気圧の条件で成長させる。前記窒化物半導体層10は、前記窒化物半導体基板の第1主面上にn側窒化物半導体層、活性層、p側窒化物半導体層の順で積層されている。尚、n側窒化物半導体層及びp側窒化物半導体層は多層膜である。
n側窒化物半導体層120としてはAlGa1−xN(0<x≦0.5)、好ましくはAlGa1−xN(0<x≦0.3)である。このAlを含有する第1のn側窒化物半導体層11はラテラル成長させて形成することが好ましい。ラテラル成長させる具体的な条件としては、反応炉内での成長温度を1000℃以上、圧力を600Torr以下とする。また、第1のn側窒化物半導体層11はクラッド層として機能させることもできる。膜厚は0.5〜5μmである。次に第2のn側窒化物半導体層12を形成する。該第2のn側窒化物半導体層は光ガイド層として機能するAlGa1−xN(0≦x≦0.3)である。膜厚は0.5〜5μmである。
次に活性層130は、少なくともInを含有している一般式InAlGa1−x−yN(0<x≦1、0≦y<1、0<x+y≦1)を有する。Al含有量を高くすることで紫外域の発光が可能となる。また長波長側の発光も可能であり360nm〜580nmまでが発光可能となる。また、活性層を量子井戸構造で形成すると発光効率が向上する。ここで、井戸層の組成はInの混晶が0<x≦0.5である。井戸層の膜厚としては、30〜200オングストロームであり、障壁層の膜厚としては、20〜300オングストロームである。前記井戸層と障壁層とのペアを2〜3回繰り返してなるものがしきい値を低下させて寿命特性を向上させるのに好ましい。
次に、活性層上にp側窒化物半導体層140を積層する。第1のp側窒化物半導体層16としてはp型不純物ドープAlGa1−xN(0≦x≦0.5)である。第1のp側窒化物半導体層16はp側電子閉じ込め層として機能する。次に第2のp側窒化物半導体層17としてAlGa1−xN(0≦x≦0.3)、第3のp側窒化物半導体層18としてp型不純物ドープAlGa1−xN(0≦x≦0.5)、第4のp側窒化物半導体層19としてp型不純物ドープAlGa1−xN(0≦x≦1)を順に形成する。また、これらの半導体層にInを混晶させてもよい。前記第1のp側窒化物半導体層16は省略可能である。前記各層の膜厚としては、30Å〜5μmである。また、前記各層は単一層構造、2層構造、又は組成比がお互いに異なる2層からなる超格子構造であっても構わない。
本実施形態に用いるn型不純物としてはSi、Ge、Sn、S、O、Ti、Zr、Cd等が挙げられ、またp型不純物としてはMgの他にBe、Zn、Mn、Ca、Sr等が挙げられる。n型不純物のドープ量は、1×1017/cm3〜5×1019/cm3であることが好ましい。n型不純物がこの範囲でドープされていると抵抗率を低くでき且つ結晶性を損なわない。またp型不純物のドープ量は、1×1019/cm3〜1×1021/cm3であることが好ましい。p型不純物がこの範囲でドープされていると結晶性を損なわない。不純物の濃度は1×1021/cm3よりも多いと窒化物半導体層の結晶性が悪くなって、逆に出力が低下する傾向がある。これは変調ドープの場合も同様である。前記基板や窒化物半導体層は有機金属化学気相成長(MOCVD)法、やハライド気相エピタキシャル成長(HVPE)法、分子線エピタキシー(MBE)法等の気相成長法を用いて成長させる。
(第3の工程)
窒化物半導体基板上に窒化物半導体層10を積層したウェハーを半導体成長装置の反応容器から取り出す。次に、n側窒化物半導体層をエッチングにより露出させる。n側窒化物半導体層の露出面は特に限定するのもではないが本実施形態では第1のn側窒化物半導体層まで露出する。これによって、応力緩和の効果があるが、該工程は省略することが可能である。エッチングにはRIE法を用いCl、CCl、BCl、SiClガス等によりエッチングする。
次に、前記p側窒化物半導体層にストライプ状のリッジ部20を形成する。p側半導体層の最上層である第4のp側窒化物半導体層19の表面にSiO等より成るマスクを形成する。このマスクのパターンはストライプ状のリッジ部を形成するためのパターン形状をしており、前記ストライプ状のリッジ部以外の領域をエッチングにより除去する。エッチングにはRIE法を用いCl2やCCl4、SiCl4、BClのような塩素系のガスによりエッチングする。導波路領域であるリッジ部の幅は1.0μm〜30.0μmとする。共振器の長さは300μm〜1000μmである。シングルモードのレーザ光とする場合のリッジ部の幅は1.0μm〜3.0μmとするのが好ましい。リッジ部の高さ(エッチングの深さ)は、少なくとも第3のp側窒化物半導体層18を露出する範囲であればよく、第1のp側窒化物半導体層16まで露出してもよい。大電流を流すことでリッジ以下では電流が急激に横方向に広がるため、リッジを形成するためのエッチング深さは第2のp側窒化物半導体層17まであるのが好ましい。
(第4の工程)
次に、前記リッジ部の側面に第1の領域と第2の領域とを有する電流狭窄層150を形成する。この電流狭窄層150とは半導体層よりも屈折率が小さく、絶縁性の材料から選ばれるものである。本実施形態では窒化物半導体層を用いているため電流狭窄層の具体例としては、ZrO、SiO、その他にはV、Nb、Hf、Ta、Al等の酸化物やAlNである。以下に前記電流狭窄層150の製造工程を示す。
まず、ストライプ状のリッジ部20の側面を第1のマスク21で保護する(図5a)。ここで第1のマスク21とp側半導体層の最上面である第4のp側窒化物半導体層との高さは略等しいものとする。次に前記リッジ部及び第1のマスクの表面にp電極層22を形成する(図5b)。該p電極層は後工程でエッチングストップ層として機能するため、p電極は多層構造とすることが好ましい。例えばNiとAuから成る2層構造であれば、まず第4のp側窒化物半導体層上にNiを50Å〜200Åの膜厚で形成し、次にAuを500Å〜3000Åの膜厚で形成する。より好ましくはp電極を3層構造とする。具体的にはNi/Au/Pt、又はNi/Au/Pdの順に形成する。最終層となるPtやPdは500Å〜5000Åである。p電極を形成した後、オーミックアニールを行う。詳細な条件としては、アニール温度を300℃以上、好ましくは500℃以上とする。またアニールを行う雰囲気を窒素及び/又は酸素を含有する条件とする。
次に、リフトオフによってリッジ部の両側にあるマスク及びその上にあるp電極層を除去することで、第4のp側窒化物半導体層の上にのみp電極層を残したp電極52を形成する(図5c)。p電極の形成方法は工程数が簡略化することが出来るセルフ・アライメント法を用いることが好ましい。
次に、露出したp側半導体層の上面とp電極を被覆するように電流狭窄層150を形成する(図5d)。次に、該電流狭窄層150に第2のマスク23を形成する(図5e)。第2のマスク23は開口部を有するパターン形状とする。この開口部から電流狭窄層を部分的にエッチングすることで電流狭窄層を所望の形状とし、その後、第2のマスクを除去する(図5f)。該電流狭窄層にはリッジストライプ部から順に第1の領域aと第2の領域bとを有し、更に第1の領域aと第2の領域bとの間には段差部cを形成する(図6)。第1の領域aは第2のマスク23間の開口部幅で調整されるが、第1の領域aは0.5μm以上30μm以下、好ましくは1.0μm以上10μm以下とする。これによって、リッジ部の幅が狭い場合であっても、半導体レーザ素子同士の接合時にリッジ部の劣化を抑止することができる。また第2の領域bは30μm以上、好ましくは50μm以上とする。これによって半導体レーザ素子同士の接合時に生じる衝撃を吸収することができる。
更に第1の領域aと第2の領域bとの段差となる段差部cは0.5μm以上30μm以下、好ましくは0.5μm以上10μm以下とする。これによって、半導体レーザ素子同士の接合時に生じる衝撃を前記電流狭窄層150で吸収することができる。段差部cが0.5μmより小さければリッジ部にかなりの衝撃を与えることになる。また、段差部cが上記範囲より大きくなると半導体レーザ素子の発光点間距離が遠くなり好ましくない。リッジ部の底面から電流狭窄層の上面までの高さdは、段差部cとリッジ部の高さや電極52によって決まるが、100μm以下とすればよい。
(第5の工程)
その後、前記窒化物半導体基板101の第2の主面にn電極51を形成する。窒化物半導体基板の第2の主面にn電極をCVDやスパッタ、蒸着等で形成する。該電極は、少なくともTi、Ni、Au、Pt、Al、Pd、W、Rh、Ag、Mo、V、Hfから成る群より選ばれる少なくとも1つを有する。また前記電極における多層構造の最上層はPtまたはAuであることで電極からの放熱性を向上させることが可能となり好ましい。n電極の膜厚としては10000Å以下、好ましくは6000Å以下とする。n電極を多層構造とする場合には、具体的には第1の層をV、又はTi、Mo、W、Hf等とする。ここで第1の層の膜厚は500Å以下とする。また第1の層をWとすれば300Å以下とすることが良好なオーミック特性を得ることができ好ましい。第1の層をVとすれば耐熱性が向上するため好ましい。ここで、Vの膜厚は50Å以上300Å以下、好ましくは70Å以上200Å以下とすることで良好なオーミック特性を得ることができる。
前記n電極51をTi/Alの順に形成する場合には、該n電極の膜厚は10000Å以下であって、例えば膜厚は100Å/5000Åとなる。またn電極としては窒化物半導体基板の第2の主面側からTi/Pt/Auの順に積層すれば膜厚は60Å/1000Å/3000Åである。またn電極を形成した後、300℃以上でアニールしてもよい。
前記n電極は、矩形状に形成される。n電極は前記第2の主面側に、後工程である窒化物半導体基板をバー化するためのスクライブ工程においてスクライブラインとなる領域を除く範囲にパターン形成される。更にメタライズ電極(省略可能)もn電極と同様のパターン形状でn電極上に形成されると、スクライブし易くなり劈開性が向上する。メタライズ電極としてはTi−Pt−Au−(Au/Sn)、Ti−Pt−Au−(Au/Si)、Ti−Pt−Au−(Au/Ge)、Ti−Pt−Au−In、Au/Sn、In、Au/Si、Au/Ge等を用いることができる。
(第6の工程)
n電極51を形成した後、ストライプ状のp電極52に垂直な方向であって、半導体層の共振面を形成するためにウェハーをバー状に分割する。ここで、共振面は、M面(1−100)やA面(11−20)とする。ウェハーをバー状に分割する方法としては、ブレードブレイク、ローラーブレイク、又はプレスブレイクがある。
ウェハーをバー状に分割した後、劈開により形成された共振面に反射ミラーを形成することもできる。反射ミラーはSiOやZrO、TiO、Al、Nb等から成る誘電体多層膜である。前記反射ミラーは、共振面の光反射側、及び/又は光出射面に形成する。その後、バー状となった窒化物半導体基板を電極のストライプ方向に平行に分割して窒化物半導体レーザ素子をチップ化する。半導体レーザ素子としてチップ化した後の形状は矩形状であって、該矩形状の共振器長は1000μm以下とする。以上より第1の半導体レーザ素子を形成する。
次に、第2の半導体レーザ素子の製造方法について説明する。本実施形態における第2の半導体レーザ素子は、以下に示す条件以外は第1の半導体レーザ素子と同様の製造方法で形成される。
第2の半導体レーザ素子のリッジ部幅は1.0μm〜30.0μmであって、好ましくは第1の半導体レーザ素子のリッジ部幅よりも幅が広いものとする。第2の半導体レーザ素子200における電流狭窄層160はリッジ側面及び窒化物半導体層の露出面に形成されていればよい(図2)。第2の半導体レーザ素子の共振器長は第1の半導体レーザ素子よりも共振器長が100μm程度短いものとする。例えば、第1の半導体レーザ素子の共振器長を700μmとすれば、第2の半導体レーザ素子の共振器長は600μmである。これによってワイヤーボンディングする領域を確保する。
次に、前記第1の半導体レーザ素子と前記第2の半導体レーザ素子とを用いた半導体レーザ装置の製造方法について順に説明する。
(第1工程)
第1の半導体レーザ素子100と第2の半導体レーザ素子200とは共晶材料を介して接合される。該共晶材料にはAuとSnとの合金、AgとSnとの合金、ビスマス系合金等を用いる。共晶温度は500℃以下として圧着で接合させる。また膜厚は1μm〜10μmである。
(第2工程)
次に第1の半導体レーザ素子の基板の第2主面に圧着によって共晶材を介してヒートシンク部材に設置する。ヒートシンク部材にはGaNやAlN等の窒化物、その他にはSiC、Cu、Al等を用いる。共晶材はAuとSnとの合金、AgとSnとの合金、ビスマス系合金等を用い、実装温度は500℃以下とする。
次に、第1の半導体レーザ素子の開口部にワイヤーボンディングを行う。また、第2の半導体レーザ素子のn電極側にもワイヤーボンディングを行う(図7)。また、第2の半導体レーザ素子の基板に凹凸を形成して空冷機能を持たせることもできる(図8)。
また本発明は半導体レーザ素子を1チップとする構成に限定されるものではなく、第1の半導体レーザ素子及び/又は第2の半導体レーザ素子をアレイ構造とすることもできる。リッジ部を有する半導体レーザ素子を複数備えたバー状の状態、又は複数のリッジ部を有する半導体素子をバー状の状態でリッジストライプ部の上面同士が向かい合って接合することは各リッジ部に接合時の衝撃が発生するが、本発明の電流狭窄層によってこのような衝撃を吸収して、各リッジ部に発生しやすいクラックを抑止することができる。ここで、複数とは2以上であれば、特に限定しない。
実施の形態2.
図3は実施形態2に係る半導体レーザ装置の構造を模式的に示す断面図である。この半導体レーザ装置は、図4に示す上下の半導体レーザ素子が共晶材30を介して接合したものである。第1の半導体レーザ素子300と第2の半導体レーザ素子400は窒化物半導体からなり、窒化物半導体基板の上面に形成されたものである。
第1の半導体レーザ素子300のリッジ部と略同一の高さに電流狭窄層150の第1の領域aあって、その横に第2の領域bがある。リッジ部と前記電流狭窄層の第1領域a上にはp電極52が形成されている。また、第2の半導体レーザ素子のp電極53はリッジ上部のみ形成されている場合やリッジ上部及び電流狭窄層上部に形成されている場合がある。その他の構成は実施の形態1と同様である。
本実施形態における第1の半導体レーザ素子の製造工程を以下に示す。半導体層にストライプ状のリッジ部を形成する。次に電流狭窄層をリッジ部の高さまで形成して最上層を平坦化する。次にp電極52をリッジ部及び第1の領域a上にパターン形成する。その後、電流狭窄層を再成長させて前記p電極より高い第2の領域bを形成する。この第1の半導体レーザ素子の前記p電極52は素子接合時の応力吸収層としても機能するため、半導体レーザ装置の寿命特性向上には好ましい。
実施形態3.
本実施形態は異なる発振波長をした2波長集積半導体レーザ装置である。第1の半導体レーザ素子をInAlGaN系400nm帯半導体レーザとする。第2の半導体レーザ素子をInGaAlP系650nm帯半導体レーザとする。半導体レーザ素子はそれぞれ独立に駆動することができる。
本実施形態における第2の半導体レーザ素子は次のように形成する。先ずGaAs基板上にn側InGaAlPクラッド層、InGaAlP光ガイド層、InGaAlP活性層、InGaAlP光ガイド層、p側InGaAlPクラッド層、p側InGaPコンタクト層を順次積層する。その他の構成や条件は実施形態1と同様とする。GaN系半導体は熱伝導性に優れているため、InGaAlP系650nm帯半導体レーザを前記第1の半導体レーザ素子の上に形成されていても、特に発熱の問題もなく良好に動作することができる。
本発明の半導体レーザ装置は、光ディスク用途、光通信システム、印刷機、バイオ関連の励起用光原、光通信システム、露光用途、測定等に利用することができる。特定波長に感度を有する物質に窒化物半導体レーザから得た光を照射することで、その物質の有無、または位置を検出することができるバイオ関連の励起用光原等である。
本発明の実施形態に係る半導体レーザ装置の模式的断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体レーザ素子の模式的断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体レーザ装置の模式的断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体レーザ素子の模式的断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体レーザ素子の一製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体レーザ素子の断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体レーザ装置の模式的側面図である。 本発明の実施形態に係る半導体レーザ装置の模式的側面図である。
符号の説明
30…共晶材、51…n電極、52…p電極、53…p電極、54…n電極、100…第1の半導体レーザ素子、101…基板、120…n側半導体層、130…活性層、140…p側半導体層、150…電流狭窄層、160…電流狭窄層、201…基板、220…n側半導体層、230…活性層、240…p側半導体層

Claims (7)

  1. 第1の半導体レーザ素子と該第1の半導体レーザ素子上にある第2の半導体レーザ素子とのリッジストライプ部の上面同士が互いに向かい合ってなる半導体レーザ装置であって、
    前記第1の半導体レーザ素子は、リッジストライプ部の両側に電流狭窄層を有しており、
    該電流狭窄層にはリッジストライプ部から離れるに従って順に高さが異なる第1の領域と、第2の領域とを備えており、該第2の領域は前記リッジストライプ部の上面よりも高い半導体レーザ装置。
  2. 前記第1の半導体レーザ素子における電流狭窄層の第1の領域は、前記リッジストライプ部の上面と略同じ高さである請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記第2の半導体レーザ素子におけるリッジストライプ部の幅は、前記第1の半導体レーザ素子におけるリッジストライプ部の幅よりも広い請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記第1の半導体レーザ素子の共振器は、第2の半導体レーザ素子の共振器よりも長い請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記第1の半導体レーザ素子の発光点と、前記第2の半導体レーザ素子の発光点との距離は、10μm以下である請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記第1の半導体レーザ素子と前記第2の半導体レーザ素子とは、共晶材を介して接合している請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記第1の半導体レーザ素子は、基板上に半導体層を有している請求項1乃至6に記載の半導体レーザ装置。

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