JP4556657B2 - 車両用操舵制御装置 - Google Patents
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Description
操向輪に転舵トルクを付加する転舵機構または、ハンドルに反力トルクを付加する反力機構の少なくともいずれか一方は、電源からの電力でトルクを発生する複数のトルク発生手段を有し、
前記複数のトルク発生手段のトルク発生量を制御するトルク制御手段と、
前記複数のトルク発生手段のそれぞれに対する前記電源からの電力供給を保持または遮断するように、前記複数のトルク発生手段に対応してそれぞれ設けられた複数の断接手段と、
前記複数の断接手段のうちの1つが遮断可能か否かを診断する遮断診断手段と、を備え、
前記トルク制御手段は、総トルク指令値を分割して前記複数のトルク発生手段のそれぞれに分配し、この分配したトルク指令値に基づき前記複数のトルク発生手段のそれぞれのトルク発生量を制御する手段であって、
前記遮断診断手段による診断時には、前記トルク制御手段は、前記複数の断接手段のうちの前記遮断診断手段が診断する断接手段に対応するトルク発生手段に分配するトルク指令値をゼロ相当にするとともに、前記遮断診断手段が診断しない断接手段に対応するトルク発生手段に分配するトルク指令値を前記遮断診断手段による診断開始前よりも増加することを特徴とする。
図1は実施例1の車両用操舵装置が適用されたステア・バイ・ワイヤシステムを示す全体構成図である。
転舵角度コントローラ15は、2つの転舵角度コントローラ15a,15bから構成されている。各転舵モータ5a,5bは、転舵軸10を駆動して、前輪4,4を転舵させる。転舵角度コントローラ15a,15bは上位システムである操舵コントローラ14から入力される目標転舵角指令値に従い、転舵モータ5a,5bの角度制御を行う。
[モータリレー診断ロジック]
以下、転舵角度コントローラ15において、転舵モータ5a,5bの目標転舵角指令値である総トルク指令値から分配指令値を算出してモータリレー診断指令を出すモータ駆動制御部をメインモータ駆動制御部と呼び、それ以外のモータ駆動制御部はサブモータ駆動制御部と呼ぶ。メインモータ駆動制御部になる条件としては、あらかじめ優先順位をモータ駆動制御部a、モータ駆動制御部bの順に決めておくが、メインモータ駆動制御部となる条件はこの限りではない。
図3は、実施例1の転舵角度コントローラ15で実行されるモータリレー診断制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
異常検出時には、異常と確定するまでの時間が存在する。ある一定以上の時間で異常状態であった場合に、異常確定とするのが通常である。この診断を確定するまでの時間は、正常であった時の操舵状態を保持することになるので、中立付近や保舵中ではモータリレー診断中にメインモータ駆動制御部の異常を検出した場合であっても、メイン切り替え時にトルク変動がほとんど発生しないため(1N以下)、車両挙動には影響が無く、安全な状況でのモータリレー診断が可能である。
トルク指令値=総トルク指令値/稼働可能なモータ数
または、
モータ駆動制御部a=総トルク指令値×分配率a
モータ駆動制御部b=総トルク指令値×分配率b
ΔT=ΔT0×G1×G2
ここで、
ΔT0:サブモータ駆動制御部のトルク指令値分配量/分配時間
サブモータ駆動制御部のトルク指令値分配量:サブモータ駆動制御部のトルク指令値−総トルク指令値/N(Nはモータ駆動制御部の数)
G1:ヨーレートに応じた補正ゲイン
G2:横Gに応じた補正ゲイン
である。
モータ駆動制御部aのトルク指令値=総トルク指令値×分配率a−ΣΔT
モータ駆動制御部bのトルク指令値=総トルク指令値×分配率b−ΣΔT
とする。
図3のフローチャートにおいて、ステップS1〜S4では、診断開始条件判定処理として、モータリレー診断を開始するために、車両挙動状態、操舵状態を確認する。そして、モータリレー診断を実施したとき、モータ駆動制御部において異常が発生した場合であっても、システムに対する影響が小さいと判断した場合に診断開始可能と判断する。なお、診断開始条件においては、以下の限りではない。
実施例1では、システム作動中にモータリレー診断を行うモータ駆動制御部のモータの駆動トルク指令値を、0[N/m]相当にすると共に、他のモータ駆動制御部で不足する総トルク指令値を補う方向で分配することで、転舵制御を継続しながら、モータリレー診断を行うことができる。
実施例1では、モータリレー診断を開始するタイミングを、車両挙動状態(ヨーレートや横G)、操舵状態(中立保舵)がある一定基準を満たした場合に診断可能と判断することで、モータリレー診断中に他モータ駆動制御部で異常が発生した場合でも、システムへの影響を抑制する。
実施例1では、トルク分配変化率ΔTを、車両挙動状態やトルク指令値分配量に応じて変更し、徐々に分配率を変更することで、車両挙動への影響を抑制すると共に、総トルク指令値を補う側のモータ駆動制御部のモータにかかる負荷を軽減する。
実施例1では、モータリレー診断モータ駆動制御部(サブモータ駆動制御部)がメインモータ駆動制御部と同様にシステムに対する角度制御演算を行い、トルク指令値を独自に算出し、モータリレー診断中にメインモータ駆動制御部が失陥した場合であっても、独自に算出したトルク指令値を用いることで通常制御を行う。
総トルク指令値の分配時、1つのモータに対してトルク指令値を50%から100%へと瞬間的に変化させることは、モータに対する負荷が増加する。図6のように、メインモータ駆動制御部となったモータ駆動制御部aは、総トルク指令値と車両挙動状態量(ヨーレートや横G等)と分配時間から求めた、トルク分配変化率ΔTに基づき、分配を開始するA点から徐々に分配率を変化させるような傾きを持たせることによって、モータに対する負荷を軽減させる。また、このときの傾きに対する時間は、車両挙動状態量(ヨーレートや横G等)によって可変とすることで、さらにモータ負荷を軽減させることが可能である。
実施例1の車両用操舵制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
図7は、実施例2の転舵角度コントローラ15を示す制御ブロック図であり、実施例2では、3つの転舵モータ5a,5b,5cを備え、転舵角度コントローラ15は、3つの転舵角度コントローラ15a,15b,15cから構成されている。また、実施例3では、各転舵モータ5a,5b,5cのモータ温度を検出するモータ温度センサ(温度検出手段)25a,25b,25cを備えている。
[モータリレー診断制御処理]
メイン切り替え時においては、1N以下のトルク変動が発生する可能性がある。車両挙動には影響しないもののハンドル1の中立状態や保舵中では、1N以下の場合でも運転者はハンドル1を通じ違和感を与える可能性があるが、操舵中では、1N以上のトルク変動が発生した場合でも、運転者は外乱相当で認識できないため、モータリレー診断中にメイン切り替えが発生した場合でも、違和感を与えることが無い。よって、操舵角速度が、保舵中で想定される値よりも大きいときには、診断を開始する。
トルク指令値=総トルク指令値/(稼働可能なモータ数)
または、
モータ駆動制御部a=総トルク指令値×分配率a
モータ駆動制御部b=総トルク指令値×分配率b
モータ駆動制御部c=総トルク指令値×分配率c
実施例2では、モータ駆動制御部を3つ設け、モータリレー診断モータ駆動制御部以外のモータ駆動制御部が異常となった場合でも、残りのモータ駆動制御部で総トルク指令値を分配することで、モータリレー診断は中断せずに、残りのモータ駆動制御部で転舵制御を継続する。
実施例2では、モータ発熱量に応じて分配量を決定することにより、モータに対しての負荷を軽減する。すなわち、各モータは車両における配置場所がそれぞれ異なる。そのため、モータの配置場所によっては定常状態でトルク指令値の分配量が均等であっても、モータの発熱量が異なる。そこで、モータの発熱状態によって、発熱量の多いモータに対しては少ない分配量で、発熱量が少ないモータに対しては多くの分配量として総トルク指令値の分配率を変更することで、モータリレー診断に伴うモータに対する負荷を軽減することが可能となる。
実施例2の車両用操舵制御装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
モータリレー診断中のモータ駆動制御部の転舵モータは、非作動状態であり、この状態で他方のモータが失陥した場合、操舵に影響を及ぼす。よって、実施例3では、診断中に作動しているモータが失陥した場合には、直ちに診断を中止し、失陥したモータのトルク発生量を、診断していたモータに分配し、転舵制御を継続することができる。
実施例3の車両用操舵制御装置にあっては、以下の効果が得られる。
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜3に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
2 操舵反力モータ
3 操舵部
4 前輪
5a,5b 転舵モータ
6 転舵部
7 操舵軸
8 操舵角センサ
9 トルクセンサ
10 転舵軸
11 ステアリングギア機構
12 タイロッド
13 操舵反力コントローラ
14 操舵コントローラ
15a,15b 転舵角度コントローラ
16a,16b 角度制御演算部
17a,17b 電流制御演算部
18a,18b モータリレー診断処理部
19 通信バスインターフェース
20a,20b 角度センサ
21a,21b 電流センサ
22a,22b モータドライバ
23 電源
24a,24b リレー
30 車速センサ
31 ヨーレートセンサ
32 横Gセンサ
Claims (8)
- 操向輪に転舵トルクを付加する転舵機構または、ハンドルに反力トルクを付加する反力機構の少なくともいずれか一方は、電源からの電力でトルクを発生する複数のトルク発生手段を有し、
前記複数のトルク発生手段のトルク発生量を制御するトルク制御手段と、
前記複数のトルク発生手段のそれぞれに対する前記電源からの電力供給を保持または遮断するように、前記複数のトルク発生手段に対応してそれぞれ設けられた複数の断接手段と、
前記複数の断接手段のうちの1つが遮断可能か否かを診断する遮断診断手段と、
を備え、
前記トルク制御手段は、総トルク指令値を分割して前記複数のトルク発生手段のそれぞれに分配し、この分配したトルク指令値に基づき前記複数のトルク発生手段のそれぞれのトルク発生量を制御する手段であって、
前記遮断診断手段による診断時には、前記トルク制御手段は、前記複数の断接手段のうちの前記遮断診断手段が診断する断接手段に対応するトルク発生手段に分配するトルク指令値をゼロ相当にするとともに、前記遮断診断手段が診断しない断接手段に対応するトルク発生手段に分配するトルク指令値を前記遮断診断手段による診断開始前よりも増加することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1に記載の車両用操舵制御装置において、
前記トルク制御手段は、前記複数の断接手段のうちの前記遮断診断手段が診断しない断接手段に対応するトルク発生手段に分配するトルク指令値を前記遮断診断手段による診断開始前よりも増加する量が大きいほど、その増加率を小さくすることを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車両用操舵制御装置において、
車両挙動状態量として車両のヨーレートまたは横加速度を検出する車両挙動状態量検出手段を備え、
前記トルク制御手段は、前記車両挙動状態量が大きいほど、前記複数の断接手段のうちの前記遮断診断手段が診断する断接手段に対応するトルク発生手段に分配するトルク指令値を前記遮断診断手段による診断開始前の値からゼロ相当に減少する際のトルク指令値の変化率を小さくするとともに、前記遮断診断手段が診断しない断接手段に対応するトルク発生手段に分配するトルク指令値を前記遮断診断手段による診断開始前の値から増加する際のトルク指令値の変化率を小さくすることを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
前記複数のトルク発生手段の温度をそれぞれ検出する温度検出手段を設け、
前記トルク制御手段は、前記複数の断接手段のうちの前記遮断診断手段が診断しない断接手段に対応するトルク発生手段の温度が低いほど、そのトルク発生手段に分配するトルク指令値を前記遮断診断手段による診断開始前よりも増加する量を大きくすることを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
前記トルク制御手段は、前記遮断診断手段による診断中、前記複数の断接手段のうちの前記遮断診断手段が診断していない断接手段に対応するトルク発生手段の少なくとも1つが失陥したとき、前記失陥したトルク発生手段に分配していたトルク指令値を、失陥していないトルク発生手段に分配することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
前記遮断診断手段による診断中、前記複数の断接手段のうちの前記遮断診断手段が診断していない断接手段に対応するトルク発生手段がすべて失陥したとき、前記遮断診断手段は診断を中止し、前記トルク制御手段は、前記失陥したトルク発生手段に分配していたトルク指令値を、前記遮断診断手段が診断していた断接手段に対応するトルク発生手段に分配することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
前記トルク制御手段が算出した、前記複数の断接手段のうちの前記遮断診断手段が診断しない断接手段に対応するトルク発生手段に分配するトルク指令値の前記増加後の値が所定値以上のとき、前記遮断診断手段は診断を行わないことを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
車両の旋回限界を判定する旋回限界判定手段を備え、
前記旋回限界にあるとき、前記遮断診断手段は診断を行わないことを特徴とする車両用操舵制御装置。
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