浴室内に温水ミストを発生させて浴室のミスト暖房を行うミスト式浴室暖房装置が知られている(特許文献1参照)。
図8は特許文献1に記載のミスト式浴室暖房装置の構成を表す図である。ミスト式浴室暖房装置は、浴室の壁にある混合水栓100の近傍に設置されたノズル・ユニット101により構成されている。ノズル・ユニット101には、上下に2本のミスト・ノズル102a,102bを備えている。ミスト・ノズル102a,102bは、ユニット配管103,三方弁104,分岐配管105,及び給湯配管106を経由して混合水栓100の出湯管107に接続されている。
三方弁104のもう一方の接続口には、排水管108が接続されている。三方弁104を操作して分岐配管105とユニット配管103とを連通させると、給湯管107から各ミスト・ノズル102a,102bに温水が供給され、ミスト・ノズル102a,102bから浴室内へ温水ミストが噴射される。この温水ミストにより、浴室内のミスト暖房が行われる。三方弁104を操作して排水管108とユニット配管103とを連通させると、温水ミストの噴射は停止する。
ノズル・ユニット101の内部には、三方弁の動作制御を行う制御回路109と、制御回路109に駆動電力を供給する電池110が内蔵されている。また、ノズル・ユニットの表面パネルには、赤外線信号を受信するための赤外線受光素子111が設けられている。使用者は、リモコン装置によってノズル・ユニット101の操作命令を入力する。操作命令は、赤外線信号として、リモコン装置から赤外線受光素子111に送られ受信される。そして、受信された操作命令は制御回路109に入力される。制御回路109は入力された操作命令に従って、三方弁104の操作を行う。このようにして、温水ミストの発停をリモコン装置によって遠隔操作することが可能とされている。
ところで、上述のミスト式浴室暖房装置のように電池駆動により動作する被制御装置を遠隔制御するための無線通信システムにおいては、被制御装置内に設けられる受端通信装置はできる限り小電力で駆動することが求められる。受端通信装置の電力消費が大きいと、電池が早期に消耗し、頻繁に電池交換を行う必要が生じるからである。そこで、無線通信システムの電力消費を抑える技術として、受信側の受端通信装置においては間歇的に受信素子に電力供給を行って受信素子における電力消費を低減する技術が知られている(特許文献2参照)。
図9は特許文献2に記載の無線通信システムの構成を表す図である。この無線通信システムは、本体機器と、本体機器を遠隔操作するリモコン装置とから構成されている。リモコン装置は送信部121を備えている。送信部121には赤外線発光素子121aが内蔵されており、赤外線により無線信号が発信される。本体機器は、受信部122、受信コントローラ123、マイコン124、及び電池125を備えている。受信部122は、赤外線受光素子122aを備えており、送信部121から送信される赤外線信号を受信することができる。
受信コントローラ123は、制限解除部126と受光制御部127とから構成されている。マイコン124は、スリープ状態とスリープ解除状態との2つの状態をとる。スリープ状態は、マイコン124の電源電圧を通常動作時よりも低下させた状態である。この状態では、消費電力が少なく省電力化が図られている。一方、スリープ解除状態は、通常動作時の状態である。受光制御部127は、マイコン124がスリープ状態の時に、赤外線受光素子122aの動作を制限する。制限解除部126は、赤外線受光素子122aによって操作信号を受信したときに、マイコン124のスリープ状態を解除するとともに、受光制御部127による赤外線受光素子122aの動作制限を解除する。電池125は、マイコン124がスリープ状態に入ったときに、受信コントローラ123と受光部122に駆動電力を供給する。
図10はリモコン装置から送出される信号と受光素子の動作を表すタイム・チャートである。リモコン装置の送信部121は、時間TcのインターバルIで、長さTa+Tbの操作信号Sを2回送信する。操作信号Sは、長さTaのマーク信号Mと、長さTbのデータ信号Dにより構成される。
一方、受光制御部127は、マイコン124がスリープ状態にあるとき、オン時Ton、オフ時Toffを1サイクルとして、受信部122を間歇的に動作させる。このとき、Ton=2Ta+Tb+Tc,Toff=Tb+Tcとしている。制限解除部126は、受信部122が動作しているときに、マーク信号Mを検出すると、赤外線受光素子122aの間歇動作を解除し、マイコン124をスリープ解除状態とする。これにより、マーク信号Mに引き続いてデータ信号Dを受信できる。
このように、赤外線受光素子122aに間歇的に電力供給をすることにより、電力消費を抑えて、電池が早期に消耗することを防止している。
特開平10−185223号公報
特開2000−28191号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載の無線通信システムを、特許文献1に記載の電池駆動するミスト式浴室暖房装置に適用する場合、電池により駆動される受端通信装置(ノズル・ユニット101)は、赤外線受光素子111に対する電力供給のデューティー比をあまり小さくすることができない。
すなわち、電力供給のデューティー比を小さくして、例えば、10秒に1回、10msecの時間だけ受光素子に電力供給を行うこととする。そうすると、上述の無線通信システムではリモコン装置から送信される操作信号の長さを非常に長くする必要が生じる。そうすると、今度は逆にリモコン装置における電力消費が大きくなる。また、使用者は、操作信号が受端通信装置に受信されるまでは、リモコン装置を受端通信装置に向けたままにしておく必要があり、極めて不便である。
また、リモコン装置から送信される操作信号の長さを100msecから1sec程度に短くした場合、使用者がリモコン装置を操作するタイミングと受端通信装置において赤外線受光素子111に対する電力供給が行われるタイミングとが合わない限り、受端通信装置は操作信号を受信することができない。従って、使用者は何度もリモコン装置を操作する必要があり、不便である。
従って、電力供給のデューティー比を大きくして、リモコン装置の操作性の向上を図る必要がある。そうすると、受端通信装置における赤外線受光素子による電力消費をあまり抑えることができないため、電池の消耗も早い。
そこで、本発明の目的は、受端通信装置における電力消費を極めて小さくすることができるとともに、送端通信装置から受端通信装置を操作する場合における入力操作に対する反応性がよく、使用者の操作性に優れた無線通信システム、並びにそれに使用する中継通信装置及び受端通信装置を提供することにある。
本発明に係る無線通信システムの第1の構成は、使用者により入力される操作指令を入力するための送端通信装置、前記操作指令を受信する受端通信装置、及び前記送端通信装置から無線伝送される操作指令を受信して前記受端通信装置に無線伝送する中継通信装置から構成される通信システムにおいて、前記中継通信装置は、操作指令を一時的に記憶する送信バッファと、前記送端通信装置から操作指令を受信した場合に、前記送信バッファの記憶データを当該操作指令に更新する送信バッファ更新部と、前記送信バッファ更新部により、前記送信バッファの記憶データが当該操作指令に更新されると、前記送信バッファに記憶された当該操作指令を前記受端通信装置に対し所定の時間間隔で繰り返し間歇送信する送信部と、を備えていることを特徴とする。
この構成により、使用者が送端通信装置を操作して操作指令を入力すると、その操作指令は中継通信装置の送信バッファに保存される。そして、中継通信装置は、受端通信装置に対して、送信バッファに保存された当該操作指令を所定の時間間隔で間歇送信し続ける。これにより、受端通信装置は操作指令を確実に受信することが可能である。また、使用者は一度送端通信装置を操作して操作指令を中継受信装置に入力すれば、その後その操作指令が受端通信装置に伝送される前に、操作指令の入力を止めても操作指令は確実に受端通信装置に伝送される。そのため、受端通信装置に操作指令が伝送されるまで送端通信装置から操作指令を入力し続けなくてもよくなる。
また、操作指令は中継通信装置から所定の時間間隔で間歇的に何度も送信されるので、受端通信装置における間歇受信の受信周期を従来よりも長くし、受信周期に対する受信時間の比(以下、「受信デューティー比」という。)を従来に比べ極めて小さくすることができる。従って、受端通信装置における電力消費を極めて小さくすることができる。
本発明に係る無線通信システムの第2の構成は、前記第1の構成において、前記送信バッファ更新部は、前記送端通信装置から操作指令を受信した場合に、前記送信バッファの記憶データを当該操作指令に対応する動作状態情報に更新することを特徴とする。
この構成によれば、受端通信装置の動作状態情報は中継通信装置が保持している。従って、送端通信装置から中継通信装置に送信する情報は、動作状態情報を選択する情報のみでよいため、伝送情報量は小さい。従って、短時間の信号でよいため、送端通信装置の記憶容量を小さくすることが可能となる。また、送端通信装置と中継通信装置間の通信時間が短く、無線通信の伝送誤りが生じにくい。従って、送端通信装置による操作の反応性が改善される。
本発明に係る無線通信システムの第3の構成は、前記第1又は2の構成において、前記受端通信装置は、前記中継通信装置からの伝送信号を間歇受信する受信部と、受信部により伝送信号を間歇受信する時間間隔(以下、「検出間隔」という。)を設定する検出間隔設定部と、検出間隔設定部により設定された検出間隔で、前記受信部により前記中継通信装置からの伝送信号を検出する伝送信号検出部と、前記検出間隔設定部に設定される検出間隔を変更する検出間隔変更部と、を備え、前記検出間隔変更部は、前記伝送信号検出部が伝送信号を継続して検出していない時間帯には検出間隔を停止時検出間隔Tsに設定し、前記伝送信号検出部が伝送信号を検出した場合には、前記検出時間を前記停止時検出間隔Tsよりも短い動作時検出間隔Taに変更することを特徴とする。
この構成によれば、中継通信装置からの伝送信号が検出されていない時間帯には、検出間隔変更部は、検出間隔を、動作時検出間隔Taよりも長い停止時検出間隔Tsに設定する。そして、中継通信装置からの伝送信号が検出された後に、検出間隔変更部は、検出間隔を動作時検出間隔Taに切り替える。このように中継通信装置からの伝送信号の有無によって検出間隔を切り替えることにより、受端通信装置において伝送信号の検出で消費される電力を節減することができる。従って、受端通信装置の電源に電池を使用する場合には、電池の消耗を抑え寿命を長くすることが可能となる。
本発明に係る無線通信システムの第4の構成は、前記第3の構成において、前記検出間隔変更部は、前記検出間隔設定部に設定された検出間隔が前記動作時検出間隔Taである場合において、前記伝送信号検出部が所定の回数だけ伝送信号を継続して検出しない場合には、検出間隔を前記停止時検出間隔Tsに切り替えることを特徴とする。
この構成によれば、伝送信号検出部が動作時検出間隔Taで伝送信号を検出している場合において、中継通信装置からの伝送信号が継続して所定の回数だけ検出されなければ、伝送信号検出部が伝送信号を検出する間隔が動作時検出間隔Taよりも長い停止時検出間隔Tsに再設定される。これにより、受端通信装置において伝送信号の検出で消費される電力を節減することができる。従って、受端通信装置の電源に電池を使用する場合には、電池の消耗時間を長くすることが可能となる。
本発明に係る無線通信システムの第5の構成は、前記第3又は4の構成において、前記検出間隔変更部は、前記伝送信号検出部が伝送信号として停止信号を検出してから所定の回数だけ継続して停止信号以外の伝送信号を検出しない場合には、検出間隔を前記停止時検出間隔Tsに切り替えることを特徴とする。
この構成によれば、伝送信号検出部が伝送信号として停止信号を検出してから所定の回数だけ継続して停止信号以外の伝送信号を検出しなければ、伝送信号検出部が伝送信号を検出する間隔が動作時検出間隔Taよりも長い停止時検出間隔Tsに再設定される。これにより、受端通信装置において伝送信号の検出で消費される電力を節減することができる。従って、受端通信装置の電源に電池を使用する場合には、電池の消耗を抑え寿命を長くすることが可能となる。
本発明に係る無線通信システムの第6の構成は、前記第3乃至5の何れか一の構成において、前記受端通信装置は、電源電圧を通常モード電圧Vaとそれよりも低い省電力モード電圧Vsとの間で切り替えを行う電源制御部を備えており、前記電源制御部は、前記検出間隔設定部に設定された検出間隔が前記動作時検出間隔Taの時には電源電圧を前記通常モード電圧Vaに設定し、電源電圧が前記通常モード電圧Vaの状態において、前記伝送信号検出部が停止信号を検出した時に、電源電圧を前記省電力モード電圧Vsに切り替える制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、通常モード電圧Vaの状態において、伝送信号検出部が停止信号を検出した時に、電源電圧が省電力モード電圧Vsに切り替えられる。これにより、無駄な電力消費を抑えることができる。
本発明に係る中継通信装置の第1の構成は、使用者により入力される操作指令を入力するための送端通信装置、前記操作指令を受信する受端通信装置、及び前記送端通信装置から無線伝送される操作指令を受信して前記受端通信装置に無線伝送する中継通信装置から構成される通信システムで使用される中継通信装置において、操作指令を一時的に記憶する送信バッファと、前記送端通信装置から操作指令を受信した場合に、前記送信バッファの記憶データを当該操作指令に更新する送信バッファ更新部と、前記送信バッファ更新部により、前記送信バッファの記憶データが当該操作指令に更新されると、前記送信バッファに記憶された当該操作指令を前記受端通信装置に対し所定の時間間隔で繰り返し間歇送信する送信部と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る中継通信装置の第2の構成は、前記第1の構成において、前記送信バッファ更新部は、前記送端通信装置から操作指令を受信した場合に、前記送信バッファの記憶データを当該操作指令に対応する動作状態情報に更新することを特徴とする。
本発明に係る受端通信装置の第1の構成は、使用者により入力される操作指令を入力するための送端通信装置、前記操作指令を受信する受端通信装置、及び前記送端通信装置から無線伝送される操作指令を受信して前記受端通信装置に無線伝送する中継通信装置から構成される通信システムで使用される受端通信装置において、前記中継通信装置からの伝送信号を間歇受信する受信部と、受信部により伝送信号を間歇受信する時間間隔(以下、「検出間隔」という。)を設定する検出間隔設定部と、検出間隔設定部により設定された検出間隔で、前記受信部により前記中継通信装置からの伝送信号を検出する伝送信号検出部と、前記検出間隔設定部に設定される検出間隔を変更する検出間隔変更部と、を備え、前記検出間隔変更部は、前記伝送信号検出部が伝送信号を継続して検出していない時間帯には検出間隔を停止時検出間隔Tsに設定し、前記伝送信号検出部が伝送信号を検出した場合には、前記検出時間を前記停止時検出間隔Tsよりも短い動作時検出間隔Taに変更することを特徴とする。
本発明に係る受端通信装置の第2の構成は、前記第1の構成において、前記検出間隔変更部は、前記検出間隔設定部に設定された検出間隔が前記動作時検出間隔Taである場合において、前記伝送信号検出部が所定の回数だけ伝送信号を継続して検出しない場合には、検出間隔を前記停止時検出間隔Tsに切り替えることを特徴とする。
本発明に係る受端通信装置の第3の構成は、前記第1又は2の構成において、前記検出間隔変更部は、前記伝送信号検出部が伝送信号として停止信号を検出してから所定の回数だけ継続して停止信号以外の伝送信号を検出しない場合には、検出間隔を前記停止時検出間隔Tsに切り替えることを特徴とする。
本発明に係る受端通信装置の第4の構成は、前記第1乃至3の何れか一の構成において、電源電圧を通常モード電圧Vaとそれよりも低い省電力モード電圧Vsとの間で切り替えを行う電源制御部を備えており、前記電源制御部は、前記検出間隔設定部に設定された検出間隔が前記動作時検出間隔Taの時には電源電圧を前記通常モード電圧Vaに設定し、電源電圧が前記通常モード電圧Vaの状態において、前記伝送信号検出部が停止信号を検出した時に、電源電圧を前記省電力モード電圧Vsに切り替える制御を行うことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、使用者が一度送端通信装置を操作して操作指令を中継受信装置に入力すれば、その後その操作指令が受端通信装置に伝送される前に操作指令の入力を止めても操作指令は確実に受端通信装置に伝送されるため、受端通信装置に操作指令が伝送されるまで送端通信装置から操作指令を入力し続けなくてもよい。従って、送端通信装置から受端通信装置を操作する場合における入力に対する反応性がよく、使用者の操作性が向上する。
また、操作指令は中継通信装置から所定の時間間隔で間歇的に何度も送信されるので、受端通信装置における間歇受信の受信周期を従来よりも長くし、受信デューティー比を従来に比べ極めて小さくすることができる。そのため、受端通信装置における電力消費を極めて小さくすることができる。従って、受端通信装置が電池駆動の場合、受端通信装置における電池の消耗を抑えて電池寿命を極めて長くすることが可能となる。
図1は本発明の実施例1に係る無線通信システムの構成を表す図である。本実施例に係る無線通信システムは、送端通信装置1、中継通信装置2、及び受端通信装置3の3つの部分から構成されている。そして、送端通信装置1と中継通信装置2とは赤外線無線通信が可能であり、中継通信装置2と受端通信装置3とは赤外線通信が可能である。
送端通信装置1は、入力装置4、及び送信部5を備えている。入力装置4は、使用者が操作指令を入力するための装置(スイッチ等)である。送信部5は、入力装置4から入力される操作指令を、赤外線信号により中継通信装置2に送信する。
中継通信装置2は、受信部6、送信バッファ更新部7、送信バッファ8、送信部9、送受信タイマー10、クロック生成器11、モード設定部12、モード切替スイッチ13、及びインバータ14を備えている。
受信部6は、送端通信装置1から送信されてくる赤外線信号を受信する。送信バッファ更新部7は、受信部6で受信された受信信号(操作指令)を送信バッファ8に保存する。なお、送信バッファ更新部7は、操作指令をそのまま送信バッファに保存する構成としてもよく、当該操作指令に対応する動作状態情報を送信バッファ8に保存する構成としてもよい。送信バッファ8は、操作指令又は動作状態情報(以下、まとめて「操作指令情報」という。)を一時的に記憶するバッファである。送信部9は、送信バッファに記憶された操作指令情報を受端通信装置3に対し所定の時間間隔で間歇送信する。
クロック生成器11は、一定の周期(Tp+Tu)のクロックを発生する。送受信タイマー10は、クロック生成器11が生成するクロックを計数し、一定の計数値に達すると長さTpのパルスを発生する。これにより、送受信タイマー10は、所定の時間間隔でパルスを発生する。送受信タイマー10の出力は、送信部9の電源切替制御端子に入力される。送信部9は、送受信タイマー10が発生するパルスがHレベル(1)のときに、赤外線送信を行う。また、送受信タイマー10が発生するパルスは、インバータ14により反転され、受信部6の電源切替端子に入力される。受信部6は、このインバータ14の出力がHレベル(1)の時(すなわち、送受信タイマー10が発生するパルスがLレベル(0)のとき)に、赤外線信号の受信を行う。
モード設定部12は、送信バッファ更新部7による受信信号の検出状態に基づいて、送受信モードの設定を行う。すなわち、モード設定部12は、モード切替スイッチ13に対して0/1の切り替え信号(以下、「モード切替信号」という。)を出力する。モード切替信号が1のとき、送受信タイマー10とクロック生成器11とが接続されて、送受信タイマー10にクロックが入力される。従って、クロック生成器11は周期Tp+Tuでパルスを発生し続ける。一方、モード切替信号が0のとき、送受信タイマー10とクロック生成器11とは切り離され、送受信タイマー10は停止する。
ここで、「送受信モード」とは、中継通信装置2が送受信動作を行う状態をいい、動作モードと待機モードがある。「動作モード」においては、中継通信装置2は時間Tuで受信部6が赤外線信号を受信し、時間Tpで送信部9が赤外線信号を送信するという動作を1周期とする周期的動作を繰り返す。また、「待機モード」においては、受信部6が継続して受信状態となり、送信部9が継続して停止状態となる。
受端通信装置3は、受信部15、伝送信号検出部16、受信タイマー17、メイン・クロック生成器18、サブ・クロック生成器19、検出間隔変更部20、検出間隔設定部21、クロック切替スイッチ22、クロック供給スイッチ23、及び電源制御部24を備えている。
受信部15は、中継通信装置2から送信される伝送信号(赤外線信号)を間歇受信する。伝送信号検出部16は、後述の検出間隔設定部21により設定された検出間隔で、受信部15により中継通信装置2から伝送される伝送信号を検出する。
メイン・クロック生成器18は、一定の周期のクロックを発生する。サブ・クロック生成器19は、メイン・クロック生成器18が発生するクロックを計数し、計数値が一定の値を超えたときに出力を反転させることで、メイン・クロックの整数倍の周期のサブ・クロックを生成する。本実施例においては、メイン・クロックの周期をTa、サブ・クロックの周期をTs=nTa(nは2以上の整数。)とする。
受信タイマー17は、メイン・クロック又はサブ・クロックの立ち上がりにおいて、所定の間隔Tr(<Ta)のパルスを出力する。これにより、受信タイマー17は、周期Ta又はTs(=nTa)で、幅Trのパルスを間歇的に出力する。伝送信号検出部16は、この受信タイマー17が出力するパルスがHレベルである時間に、受信部15に電力供給を行うことによって伝送信号を間歇的に検出する。以下では、周期Taを動作時検出間隔といい、周期Tsを停止時検出間隔ということとする。
検出間隔設定部21は、伝送信号検出部16の検出間隔を設定する。すなわち、検出間隔をTaに設定する場合には、検出間隔設定部21は0を出力する。これにより、メイン・クロック生成器18からサブ・クロック生成器19に対してクロック信号を供給するラインに設けられたクロック切替スイッチ22が遮断状態となり、メイン・クロックの供給が停止される。また、クロック供給スイッチ23を、メイン・クロック生成器18の出力ノードと受信タイマー17のクロック入力ノードとを接続する方向に切り替える。なお、クロック供給スイッチ23は、受信タイマー17のクロック入力ノードと、メイン・クロック生成器18の出力ノード又はサブ・クロック生成器19の出力ノードとの接続を切り替えるスイッチである。一方、検出間隔をTsに設定する場合には、検出間隔設定部21は1を出力する。
検出間隔変更部20は、検出間隔設定部21に設定される検出間隔を変更する。すなわち、検出間隔変更部20は、伝送信号検出部16が伝送信号を継続して検出していない時間帯には検出間隔を停止時検出間隔Tsに設定する。また、伝送信号検出部16が伝送信号を検出した場合には、検出時間を動作時検出間隔Taに変更する。さらに、検出間隔変更部20は、検出間隔設定部21に設定された検出間隔が動作時検出間隔Taである場合においては、伝送信号検出部16が所定の回数nだけ伝送信号を継続して検出しない場合には、検出間隔を停止時検出間隔Tsに切り替える。また、伝送信号検出部16が伝送信号として停止信号を検出してから所定の回数だけ継続して停止信号以外の伝送信号を検出しない場合にも、検出間隔を停止時検出間隔Tsに切り替える。ここで、「停止信号」とは、受端通信装置3が組み込まれた機器に対して、その機器の所定の動作を停止する指令信号をいう。
電源制御部24は、受端通信装置3の電源電圧を、通常モード電圧Vaとそれよりも低い省電力モード電圧Vsとの間で切り替えを行う。ここで、「通常モード電圧」とは、受端通信装置3が通常の動作を行っている状態(通常モード)における電圧をいう。「省電力モード電圧」とは、受端通信装置3が休止状態にある状態(省電力モード)における電圧をいう。
電源制御部24は、検出間隔設定部21に設定された検出間隔が動作時検出間隔Taの時には電源電圧を通常モード電圧Vaに設定する。また、電源電圧が通常モード電圧Vaの状態において、伝送信号検出部16が停止信号を検出した時に、電源電圧を前記省電力モード電圧Vsに切り替える。
実際にこのような無線通信システムが使用される系としては、例えば、図2のような系が想定される。図2は実施例1に係る無線通信システムをミスト式浴室暖房システムに適用した例を示す図である。
このミスト式浴室暖房システムは、リモコン装置31、浴室内壁の天井付近に設置された浴室暖房乾燥機32、及び浴室内の混合水栓34近傍の壁に設置されたミスト式浴室暖房装置33から構成されている。リモコン装置31と浴室暖房乾燥装置32との間は、赤外線無線チャネルにより接続されている。また、浴室暖房乾燥装置32とミスト式浴室暖房装置33との間も、赤外線無線チャネルにより接続されている。浴室暖房乾燥機32は、商用電源から電力供給されて動作する。また、ミスト式浴室暖房装置33は電池駆動である。
この系においては、リモコン装置31に送端通信装置1が内蔵される。浴室暖房乾燥機32に中継通信装置2が内蔵される。また、ミスト式浴室暖房装置33に受端通信装置3が内蔵される。
浴室暖房乾燥機32の表面パネルには、赤外線通信窓35が設けられている。この赤外線通信窓35を通して、リモコン装置31から送信される赤外線信号を受信し、また、ミスト式浴室暖房装置33に対して赤外線信号を送信する。
ミスト式浴室暖房装置33は、混合水栓34に温水を供給する給湯管34aに接続されている。この給湯管34aから温水が供給され、ミスト・ノズル36から温水ミストを浴室内に噴霧する。
ミスト式浴室暖房装置33における温水ミストの発停は、内蔵された電磁弁を開閉することにより行われる。この電磁弁の発停を、リモコン装置31から遠隔操作するのに、本実施例の無線通信システムが利用される。
次に、上述の如く構成された本実施例の無線通信システムにおいて、以下その動作を説明する。
図3は図1の中継通信装置の動作を表すフローチャート、図4は図1の受端通信装置の動作を表すフローチャート、図5は受端通信装置の状態遷移図、図6は送端通信装置から操作指令が送信されはじめたときの各通信装置の送受信タイミングを表すタイム・チャートである。
まず、中継通信装置2の動作を、図3を参照しながら説明する。最初に、電源がON状態となると、中継通信装置は待機モードとなる(S1)。すなわち、モード設定部12はモード切替スイッチ13に対して0を出力する。これにより、モード切替スイッチ13からは継続して0が出力される。そして、送信部9の電源切替端子には0、受信部6の電源切替端子には継続して1が入力される。これにより、送信部9は継続して停止状態となり、受信部6は継続して受信状態となる(図6の区間T1参照)。そして、送端通信装置1から伝送信号(操作指令)が受信されるまでは、待機モードの状態を維持する(S2)。
送端通信装置1から伝送信号(操作指令)を受信すると(S3)、送信バッファ更新部7は、その操作指令に応じて操作指令情報を送信バッファ8に格納する。そして、送信バッファ更新部7は、モード設定部12により動作モードに設定する(S5)。動作モードにおいては、モード設定部S12はモード切替スイッチ13に対して1を出力する。これにより、送受信タイマー10にはクロック生成器11から周期Tp+Tuのクロックが供給される。送受信タイマー10は、周期Tp+Tuで、幅Tpのパルスを継続的に繰り返して発生する(図6の区間T2参照)。
送受信タイマー10の出力が1(Hレベル)の場合(S6)、受信部6はOFF状態、送信部9はON状態となる(S7)。これにより、受信部6は受信を停止する。送信部9は、送信バッファ8に保存された操作指令情報を受端通信装置3に送信する(S8)。
一方、ステップS6において、送受信タイマー10の出力が0(Lレベル)の場合、受信部6はON状態、送信部9はOFF状態となる(S9)。これにより、送信部9は送信を停止する。受信部6は送端通信装置1からの伝送信号を受信可能な状態となる。
なお、以下では、送受信タイマー10の出力が1の区間を「送信ウィンドウ」といい、送受信タイマー10の出力が0の区間を「受信ウィンドウ」という(図6参照)。送信ウィンドウの長さはTpであり、受信ウィンドウの長さはTuである。
ここで、送端通信装置1からの伝送信号が検出されなければ(S10)、ステップS6に戻る。一方、送端通信装置1からの伝送信号を受信した場合(S10)、送信バッファ更新部7は、クロック生成器11に対して割込信号を出力する(S11)。クロック生成器11は、割込信号が入力された場合、クロックの出力を停止する。これにより、送受信タイマー10は継続して0を出力する。従って、受信部6は継続して受信可能な状態を維持し、送信部9は継続して送信停止状態となる。
次に、送信バッファ更新部7は、送端通信装置1からの伝送信号(操作指令)を全て受信するまで、受信部6で受信される操作指令を読み込む(S12)。なお、送端通信装置1からの伝送信号は、図6に示したように、長さTcomの伝送信号が、間隔Tintをおいて2回伝送される。また、伝送信号の長さTcomは、中継通信装置2の送信ウィンドウの長さTpよりも長く設定される。これにより、最初の伝送信号の先頭において受信部6が受信停止状態であっても、伝送信号が終了する前には必ず受信部6が受信可能状態となる。従って、送信バッファ更新部7は最初の伝送信号を検出することが可能である。そして、最初の伝送信号が検出された場合には、送信バッファ更新部7は割込信号を出力し、受信部6の受信状態を継続させる。これにより、送信バッファ更新部7は、2回目に送信される伝送信号(操作指令)を完全に読み込むことが可能である。
次に、送信バッファ更新部7は、受信した伝送信号(操作指令)を解析する(S13)。そして、この操作指令が、受端通信装置3に対する操作指令である場合には(S14)、操作指令情報を送信バッファ8に格納する(S15)。一方、この操作指令が、中継通信装置2に対するものであれば、その操作指令の指示に応じた処理を行う(S16)。
そして、最後に、送信バッファ更新部7は、割込信号の出力を停止する(S17)。そして、ステップS6に戻る。これにより、クロック生成器11は、再びクロックの出力を開始する。そして、受信部6及び送信部9は、交互に受信と送信を繰り返す動作を再開する。
次に、受端通信装置3の動作を、図4を参照しながら説明する。最初に、受端通信装置3の電源がON状態とされると、検出間隔変更部20は、内部変数として保持する未検出カウンタn1を0に設定する(S21)。また、同じく内部変数として保持する停止信号カウンタn2を0に設定する(S22)。
そして、電源制御部24は、受端通信装置3の電源電圧を省電力モード電圧Vsに設定する。検出間隔設定部21は検出間隔をTsに設定する(S23)。すなわち、検出間隔設定部21は、クロック切替スイッチ22及びクロック供給スイッチ23に対して、1(Hレベル)を出力する。これにより、メイン・クロック生成器18が出力する周期Taのクロックは、サブ・クロック生成器19に入力される。サブ・クロック生成器19は、周期Taのクロックに基づいて、それよりも長い周期Tsのクロックを生成して、受信タイマー17に出力する。受信タイマー17は、入力されるクロックと同じ周期で、時間幅Tr(<Ta)のパルスを出力する。そして、伝送信号検出部16は、受信タイマー17の出力が1(Hレベル)である時間幅Trだけ受信部15に給電して伝送信号を検出する。受信タイマー17の出力が0(Lレベル)である時間は、受信部15への給電を停止し電力消費を抑える。このようにして、検出間隔設定部21は周期Tsで、時間幅Trだけ伝送信号の検出を行う動作を繰り返すようになる(図5の状態1)。
なお、以下では検出間隔設定部21が伝送信号の検出を行う時間幅Trの区間を「検出ウィンドウ」という。
まず、伝送信号検出部16は、受信部15の給電を停止し、OFF状態とする(S24)。そして、受信タイマー17の出力が0(Lレベル)の間、この状態を維持する(S25)。受信タイマー17の出力が1(Hレベル)となると、伝送信号検出部16は、受信部15への給電を開始して、受信部15をON状態とする(S26)。
そして、伝送信号検出部16は伝送信号を受信したか否かを判定する(S27)。受信していない場合には、受信タイマー17の出力が1の間、ステップS27の判定を繰り返す(S28)。
ステップS27において伝送信号を検出した場合、検出間隔変更部20は、検出間隔設定部21の検出間隔の設定をTaに変更する(S29)。このとき、検出間隔設定部21は、クロック切替スイッチ22及びクロック供給スイッチ23に対して、0(Lレベル)を出力する。これにより、メイン・クロック生成器18が出力する周期Taのクロックは、受信タイマー17に入力される。受信タイマー17は、入力されるクロックと同じ周期で、時間幅Tr(<Ta)のパルスを出力する。そして、伝送信号検出部16は、受信タイマー17の出力が1(Hレベル)である時間幅Trだけ受信部15に給電して伝送信号を検出する。受信タイマー17の出力が0(Lレベル)である時間は、受信部15への給電を停止し電力消費を抑える。このようにして、検出間隔設定部21は周期Taで、時間幅Trだけ伝送信号の検出を行う動作を繰り返すようになる。
次に、伝送信号検出部16は、受信した伝送信号(操作指令情報)が停止信号か否かを判定する(S30)。ここで、停止信号の場合には、電源制御部24は、ステップS28に移行する。
ステップS30で、受信した伝送信号(操作指令情報)が停止信号ではない場合、電源制御部24は、現在省電力モードであるか否かを判定する(S31)。そして、省電力モードであれば、電源制御部24は、電源電圧を通常モード電圧Vaに設定する(S32)。これにより、図5の状態1から状態2に移行する。次いで、受端通信装置3は操作指令情報の解析と実行処理を行い(S33)、ステップS28に移行する。
ステップS28において、受信タイマー17の出力が0(Lレベル)であった場合、検出間隔変更部20は、現在の動作モードが通常モードであるか否かを判定する(S34)。現在、省電力モードである場合には、ステップS24に戻る。
ステップS34において、現在の動作モードが通常モードであった場合、検出間隔変更部20は、直前の検出ウィンドウにおいて伝送信号検出部16が伝送信号を検出したか否かを判定する(S35)。ここで、直前の検出ウィンドウにおいて伝送信号検出部16が伝送信号を検出しなかった場合、検出間隔変更部20は、未検出カウンタn1の値を1だけインクリメントする(S36)。そして、n1が所定の閾値n1max以下の場合には(S37)、ステップS24に戻る。一方、n1>n1maxの場合には、検出間隔変更部20は、検出間隔設定部21により検出間隔をTsに設定する(S38)。また、電源制御部24は、電源電圧を省電力モード電圧Vsに設定する(S39)。そして、ステップS24に戻る。これにより、受端通信装置3は、図5の状態2又は状態3から状態1に状態遷移する。
ステップS35において、直前の検出ウィンドウにおいて伝送信号検出部16が伝送信号を検出した場合、検出間隔変更部20は、未検出カウンタn1の値を0にリセットする(S40)。次いで、検出間隔変更部20は、直前の検出ウィンドウにおいて伝送信号検出部16が停止信号以外の操作指令情報を検出したか否かを判定する(S41)。ここで、停止信号以外の操作指令情報を検出した場合には、検出間隔変更部20は、停止信号カウンタn2を0にリセットして(S42)、ステップS24に戻る。
ステップS41において、直前の検出ウィンドウにおいて伝送信号検出部16が停止信号を検出した場合には、電源制御部24は、電源電圧を省電力モード電圧Vsに設定する(S43)。そして、検出間隔変更部20は、停止信号カウンタn2を1だけインクリメントする(S44)。これにより、受端通信装置3が図5の状態2にある場合には、状態3に状態遷移する。
次に、検出間隔変更部20は、n2が閾値n2maxよりも大きいか否かを判定する(S45)。ここで、n2が閾値n2max以下の場合、ステップS24に戻る。ステップS45において、n2が閾値n2maxよりも大きい場合、検出間隔設定部21は、検出間隔設定部21により検出間隔をTsに設定する(S46)。そして、ステップS24に戻る。これにより、受端通信装置3が図5の状態3にある場合には、状態1に状態遷移する。
上記動作により、各通信装置間の通信信号の授受は、図7のように行われる。図7は通信開始から通信終了までの各通信装置の送受信のタイミングを表すタイム・チャートである。使用者により送端通信装置1から操作指令が入力されると、この操作指令は中継通信装置2に送信され、送信バッファ8に保存される。そして、中継通信装置2は受端通信装置3に対して、この操作指令を、一定の周期Tu+Tpで継続して送信し続ける。これにより、使用者が送端通信装置1の操作を止めても、操作指令は受端通信装置に確実に伝送される。従って、使用者は操作指令が受端通信装置3に伝達するまで操作指令を入力し続ける必要はなく、操作性が向上する。
また、受端通信装置3は、操作指令が送信されていない間は、電源電圧を下げて受信間隔も長く(例えば、10秒に1回の割合で受信)して電力消費を抑え、一定周期で反復的に送信される操作指令を何れかのタイミングで受信すればよい。そして、操作指令が受信された場合には、電源電圧を上昇させて受信間隔を短くして、通常の動作状態に遷移すればよい。したがって、受端通信装置3の電力消費を極めて小さくすることが可能となる。