JP4564119B2 - Ivr−ct装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、IVR−CT装置に関し、特に、CT架台、X線撮影装置、及び寝台が相互に干渉を起こすことなく、各装置の協調的及び機能的な動作が可能であって、かつ安全面にも配慮されたIVR−CT装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来において、X線CT装置と略C字形状の支持器を備えたX線撮影装置とが組み合わされたIVR−CT装置が提案されている。ここにいうX線CT装置とは、よく知られているように、その周囲にX線発生源とX線検出器とが備えられた空洞部に、寝台上に載置された被検体を導入するとともに、前記したX線発生源とX線検出器とを空洞部H周囲で回転させつつ被検体に関する各方向のX線透過情報を読み取り、これに基づき断層像を再構成するものである。また、略C字形状の支持器(以下、Cアームという)を備えたX線撮影装置とは、当該支持器の一端及び他端に備えられたX線発生源とX線検出器とを利用してX線撮影を行うものであり、特に、被検体中の血管造影等の目的で利用される装置である。これは、一般には「アンギオ装置」とも呼称される(以下、この「アンギオ装置」なる用語を使用する)。この装置はまた、被検体中へのカテーテルの挿入作業等と併せ、医師による手術ないしは検査が行われつつ、これに並行してX線撮影をも同時に行うことを可能とする。このようなことから、IVR−CT装置におけるアンギオ装置は、「IVR(Interventinal Radiology )」と言う場合の実体的本義をなすところでもある。
【0003】
このようなIVR−CT装置においては、X線CT装置とアンギオ装置とを同一空間内で併存させて動作させることが可能となる。例えば、一方の装置により取得した被検体に関する情報に基づき、他方の装置におけるX線検査をどのように行うかを決定し、かつ比較的長い間をおかずに実行に移すことが可能であるという点に特徴がある。
【0004】
ところで、このような使用方法を採る場合、CT架台及びアンギオ装置(特にCアーム)の動静並びにこれらと寝台との相対位置関係に特に注意を払い、これらが相互に干渉し合うことのないよう、各装置を運用する必要がある。例えば、自走式CT架台を備えるIVR−CT装置においては、当該CT架台をパーク位置に退避させて初めて、アンギオ装置側を使用可能状態とする等の措置(モード設定)を予めとっておく必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のIVR−CT装置において、上記したようなモード設定、すなわち、「CT架台退避−アンギオ装置使用可能」なるモードと、これとは反対の、「CT架台(X線CT装置)使用可能−アンギオ装置(Cアーム)退避」なるモードとを交互に実施するというようなモード設定に基づく運転制御では、使い勝手が非常に悪いという問題点があった。このような運転態様では、X線CT装置とアンギオ装置とを併存させ、より機能的な診療あるいは検査を潜在的に可能とし、かつそれを目しているIVR−CT装置の本来の機能を、最大限生かしているとはいえない。
【0006】
また、モード設定という手段を用いずに、X線CT装置及びアンギオ装置の両者を、基本的に自由に動作させることも勿論可能ではあるが、従来においては、各装置がお互いの位置関係を認識するようなこと等はなかったから、両装置が干渉を起こさないようにする点につき、結局、ユーザに負担をかけることとなっていた。また、このような場合においては、ユーザの使い方次第で、両装置若しくはこれらと寝台とが容易に干渉することとなるし、寝台上の被検体を挟み込んでしまう虞も否定しきれない。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、X線CT装置におけるCT架台、アンギオ装置(特にそのCアーム)、及び寝台との位置関係を正確に把握して相互の干渉が起こらないようにし、各装置の機能的動作あるいはこれらの操作性向上を図るとともに、被検体に対する安全性をも確保可能なIVR−CT装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために以下の手段をとった。
【0009】
すなわち、請求項1記載のIVR−CT装置は、被検体を載置する寝台と、該寝台に対向しこれを挿入可能な空洞部を有するCT架台を備えたX線CT装置と、略C字形状となる支持器と該支持器の一端及び他端にそれぞれ対向するよう備えられるX線発生手段及びX線検出手段とを有するX線撮影装置とから構成されるIVR−CT装置において、前記CT架台の前記寝台に対する位置を変更するための動力源と、前記X線撮影装置を動作させるための動力源と、所定の座標系において定義される絶対座標値で以て前記CT架台の位置を検出する少なくとも一つの位置検出手段とを備え、前記CT架台及び前記X線撮影装置のそれぞれの動力源を制御するとともに、該位置検出手段の出力に基づき前記CT架台及び前記X線撮影装置の動静並びに前記CT架台、前記X線撮影装置及び前記寝台の相対位置関係を制御して互いに協調的に動作させる制御手段を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項2記載のIVR−CT装置は、請求項1記載の同装置において、前記CT架台の動力源は、前記寝台に対する前記CT架台の姿勢を変更し、前記位置検出手段は、前記CT架台の姿勢を前記絶対座標値で以て検出し、前記制御手段は、前記位置検出手段により検出された前記CT架台の位置及び姿勢に基づいて、前記CT架台及び前記X線撮影装置の動静並びに前記CT架台、前記X線撮影装置及び前記寝台の相対位置関係を制御して互いに協調的に動作させる、ことを特徴とする。
【0011】
さらに、請求項3記載のIVR−CT装置は、請求項1又は2記載の同装置において、前記CT架台は二以上の位置検出手段を備え、前記制御手段は該二以上の位置検出手段からの出力を各々対照しつつ、前記CT架台及び前記X線撮影装置の動静並びに前記CT架台、前記X線撮影装置及び前記寝台の相対位置関係を制御して互いに協調的に動作させることを特徴とする。
【0012】
加えて、請求項4記載のIVR−CT装置は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の同装置において、装置本体の電源遮断後、再び電源を投入する際に使用される前記絶対座標値は、電源遮断直前の値が当てられることを特徴とする。
【0013】
このような構成となるIVR−CT装置により、CT架台の状態、すなわちIVR−CT装置全体から見た場合のCT架台の位置、そのチルト角度等は、位置検出手段により、正確に把握することが可能となる。そして、このCT架台の状態把握により、当該架台とIVR−CT装置を構成するその他の装置との協調的な動作が可能となる。より具体的には、例えばCT架台とX線撮影装置の支持器とを、より接近させて使用すること等が可能となり、従来のように、一方の装置を利用する際に他方の装置を退避位置に移動させるといった手間が本発明においては必要ない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るIVR−CT装置の全体構成を示す概要図、図2はその平面図、そして図3はその側面図、をそれぞれ示している。図1から図3において、IVR−CT装置は、被検体Pを載置する寝台1と、この寝台1に対向しこれを挿入可能な空洞部Hを有するCT架台Gを備えたX線CT装置2と、前記寝台1を常態において側部より覆う略C字形状となる支持器(以下、Cアームという)3を有するX線撮影装置(以下、アンギオ装置という)4とを備えている。アンギオ装置4のCアーム3においては、その一端及び他端に、それぞれX線管球(X線発生手段)5と、例えばイメージ・インテンシファイア(I.I.)等により構成されるX線検出器(X線検出手段)6とが、各々対向するように備えられている。
【0015】
寝台1は、図1に示すように、脚1aと該脚1a上に設置された天板1bとにより構成されている。図1等において、脚1aは固定式となっている。したがって本実施形態における寝台1は、基本的に自身の場所を変更するような構成とはなっていない。また、脚1aは、上記CT架台G及びCアーム3の動作・移動 (後述)にとって、邪魔にならない場所に設けられることが好ましい。図1若しくは図3においては、この要請に従い、天板1bの最端部に沿うようにして、略直方体状となる脚1aが設けられていることが図示されている。
【0016】
なお、上では寝台1は基本的に固定されるとしたが、本発明はこの形態に特に限定されるものではない。例えば、天板1bにおいて、前後方向に動作可能な天板を別途設けるような形態としてもよいし、脚1aと共に寝台1そのものが並進動作可能であったり、上下動作が可能であるような形態としても勿論よい。
【0017】
X線CT装置2は、上記したCT架台Gの他、図1に示すように、表示装置2a、画像再構成装置(不図示)等を備えている。また、CT架台G内かつ前記空洞部Hの周囲には、図示しないX線発生装置とX線検出器とが、当該周囲の部位に沿って回転可能に備えられている。これらのうちX線検出器は、前記画像再構成装置に接続され、前者の出力に基づき後者が被検体Pに関する断層像を再構成する。当該再構成された断層像は表示装置2a上で表示される。
【0018】
また、CT架台Gは、図2において端的に示されているように、自身の空洞部H内に寝台1を導入あるいは導出することが可能な方向(前後方向)に、並進動作する。この前後方向の並進動作は、CT架台G内に設置されている図示しない動力源により実現される。
【0019】
CT架台Gは、上記前後方向の動作に加えて、図3中矢印A及びBによって示されているように、前後方向のチルト動作をすることが可能とされ、その姿勢が変更可能となっている。本実施形態においては、このチルト角度は、前後(図中矢印A及びB方向)それぞれ30度(計60度)の範囲で可能となっている。このことにより、被検体Pに関する、斜め方向に断層したX線画像を取得することができる。
【0020】
さらに、CT架台G内には、本実施形態において、アブソリュートエンコーダ(位置検出手段、以下、AEと略す)10が二組備えられている。これは、上記したCT架台G自身の前後方向の並進動作に係る動作量を、絶対座標値をもって認識するものである。
【0021】
このAE10の構成としては、例えば図4に示すようなものを用いるとよい。
この図において、AE10は、その表面において予め磁気目盛りが刻まれたロータ10a、該ロータ10a中心を貫くよう配設されたシャフト10b、そして前記ロータ10aの表面に沿うように設けられた検出ヘッド10cにより構成されている。シャフト10bには、CT架台Gの「並進運動」を、適当な機構により変換した「回転運動」が入力されるようになっている。ここに適当な機構とは、単純にはピニオンラック等を想定すればよい。
【0022】
このような構成となるAE10によれば、ロータ10aに予め刻まれた磁気目盛りのパターンに対応した或る所定の出力となる信号が、検出ヘッド10cから取得されることになる。つまり、CT架台Gの並進動作は、上記AE10の出力に基づき、IVR−CT装置全体から見たときのCT架台Gの絶対的な位置、すなわち絶対座標値で以て、認識することができることになる。
【0023】
なお、上にいう「絶対座標値」は、例えばIVR−CT装置の設置室における或る一点を原点として定め(所定の座標系)、そこからCT架台Gの位置を記述した場合の座標値ということである。図2においては、符号Oにより示されている点を原点とし、そこからCT架台Gの位置及び/又は姿勢、つまりその状態が、記述される。例えば並進動作に伴う架台Gの位置変化は、同図のX軸に沿った座標で記述される。なお、原点O自体の設定あるいは軸の設定は、基本的に自由であることはいうまでもない。
【0024】
また、AE10に係る上記の構成から、当該AE10により読み取られた「絶対座標値」は、IVR−CT装置本体の電源遮断後も保持されるようになっている。つまり、電源を遮断すればロータ10aの回転は停止するが、その停止した状態は、検出ヘッド10cに対してある所定の磁気目盛りパターンが対向した状態を現出することになるから、当該「ロータ10aの停止」ということが、そのまま「絶対座標値の保持」に対応することになる。このようであるから、本実施形態においては、再び電源を投入する際に使用される絶対座標値は、電源遮断直前の値が、それとして当てられることになる。
【0025】
なお、上記では磁気方式のAE10を例として説明したが、本発明はこの形態に限定されるものではない。例えば磁気方式ではなく、刷子式、光電式となるエンコーダを使用してもよい。また、CT架台Gの並進運動に係る動作量を適切に表現し得るならば、ロータリエンコーダあるいはリニアエンコーダの種別にこだわるものでもない。
【0026】
アンギオ装置4は、上述したCアーム3及びその両端に備えられているX線管球5及びX線検出器6の他、当該X線検出器6に接続される画像再構成装置(不図示)、表示装置4a等が備えられている。アンギオ装置4では、これらの構成により、被検体P中に対して、カテーテルを挿入する等の医師による手術ないしは検査を行いつつ、これと並行して血管造影等に係るX線撮影をも同時に行うことが可能である。
【0027】
Cアーム3は、当該アームを外側から覆うよう設けられる固定アーム3aと、接続部3bを介して接続されている。接続部3bは、固定アーム3aに対してCアーム3を、図1中矢印Cで示すようなスライド動作させることが可能な構成となっている。
【0028】
また、固定アーム3aは、その一端が、図1に示すように、天井に備えられた支点3cに対し、回転可能に取り付けられている。固定アーム3a及びCアーム3は、この支点3cにより、図1中矢印Dで示すような回転動作をする。
【0029】
さらに上記支点3cは、図1又は図2に示すように、天井面との間に基台3dを介して設置されている。そして当該基台3dは、レール3eに沿って図2中矢印Eに示す方向に移動する。以上の構成から、結局、Cアーム3は矢印Eの方向に並進動作することも可能となっている。
【0030】
なお、上記した図中矢印C,D,及びEに係る動作を実現するために、各々図示しない動力源が、該当する適当な箇所に備えられている。
【0031】
本実施形態に係るIVR−CT装置は、以上の構成に加え、CT架台GあるいはCアーム3に関して、適宜、インターロック装置(不図示)が備えられている。これは、CT架台GやCアーム3の動作範囲をある一定領域に画する目的や、これらの急激な動作を回避する目的を以て、設けられるものである。また、CT架台GとCアーム3両者の間で生じ得る、万一の衝突を回避する目的を有したインターロックも設けておくことが好ましい。ここに、インターロック装置として具体的なものを挙げておけば、周知のリミッタや接触センサ等を使用すればよい。ここで「リミッタ」とは、例えばCT架台GやCアーム3が動作することで、これらと接触したときに傾倒するバーを備え、当該バーの傾倒如何により制御信号の発信を決定するようなものである。
【0032】
以上の構成要素を備えるIVR−CT装置は、図5ブロック図に示すように、上記した寝台1、X線CT装置2、及びアンギオ装置4の動作等を制御するための制御装置(制御手段)Cが設けられている。より具体的には、CT架台Gに備えられた二組のAE10の入力に基づき、これらの入力を対比しつつ、当該CT架台G自身に備えられている前記動力源、並びにCアーム3に関する図1及び図2中矢印C,D,及びEに係る動作を実現する前記動力源、のON/OFFが当該制御装置Cにより司られる。また、寝台1が上記したように上下動作等が可能とされているのならば、図示しているように、当該動作を実現する動力源を制御するような構成としてもよい。なお、制御装置Cは、CT架台G、Cアーム3、及び寝台1の相対的な位置関係を常に把握しているものである。
【0033】
以下では、上記構成となるIVR−CT装置の作用ないし効果について説明する。なお、これより説明する作業手順は単なる一実施形態の提示ということを意味するのみであって、このように使用されなければならないということを意味するものではない。
【0034】
まず、寝台1上に被検体Pを載置する。なお、被検体Pに対しては、その際に、あるいは予め、造影剤の投与をなしておく他、必要に応じてカテーテル等の挿入を完了させておく。
【0035】
次に、アンギオ装置4によるX線撮影を開始する。このとき、Cアーム3は、当該被検体Pに関して撮影したい部位が、X線管球5及びX線検出器6により挟まれるような相対位置関係となるような所で位置決めされる。また、この位置決めは、図1及び図2に示した矢印C,D,及びEに沿ったCアーム3の動作を、制御装置Cにより調整することで行われる。いまの例では、Cアーム3の位置を、図1又は図3に示すように、X線管球5及びX線検出器6両者が被検体P及び寝台1を垂直に貫く鉛直線上に乗るようなものとして決定するものとする。後は、通常のX線撮影の手順に則る。
【0036】
このようにしてアンギオ装置4によるX線撮影が済んだら、次に、X線CT装置2による撮影に移る。本実施形態においては、寝台1は基本的に固定されているから、CT架台Gが被検体P及び寝台1方向に並進動作を行うことになる。そして、この並進動作によって、空洞部Hが被検体Pに関し撮影したい部位に位置するところまでCT架台Gを移動させたら、後は、上述したアンギオ装置4と同様、通常のX線撮影の手順に則って、CT再構成像を取得する。なお、この場合において、CT架台Gを徐々に移動させながら、空洞部H周囲に設けられているX線発生装置とX線検出器を回転させつつ撮影を実施する方法、すなわち、所謂「ヘリカルスキャン」の手法により再構成像を取得するようにしてよいのは勿論である。また、場合に応じて、CT架台Gの姿勢、つまりチルト角度を、撮影したい部位との関係において、適当なものとなるよう予め調整しておく。
【0037】
ところで、本実施形態においては、上記のようなCT撮影時、図3において示されているように、Cアーム3を退避位置(図2における二点鎖線参照)に移動させる必要がなく、その直前に行われたX線撮影時の位置にとどめておくことができる。これはCT架台Gに設けられていたAE10と、この出力を受ける制御装置Cの作用によるところである。すなわち、CT架台Gの上記並進動作は、常に、AE10により把握されかつ制御装置Cの監視下におかれており、その状態は、絶対座標値で以て認識されるところとなっている。したがって、制御装置Cが、AE10より出力されてくる絶対座標値に基づいて、Cアーム3とCT架台Gが干渉しそうな状態にあると判断する場合には、当該制御装置Cは、CT架台Gの上記動力源に働きかけてこれをOFFとする。つまり、CT架台Gは停止するから、Cアーム3と衝突するような事態は未然に防がれるのである。さらに、AE10から送られてくるCT架台Gに関する絶対座標値は、制御装置Cにおいて、寝台1との関係においても留意されるから、その動作あるいは静止は当該寝台1との相対位置関係に応じても決定される。
【0038】
このようにしてX線CT装置2によるCT撮影が完了したら、以降、適宜に応じてアンギオ装置4による再撮影を行ったり、あるいはもう一度X線CT装置2による撮影を行う等することになる。そして、このような際においても、AE10及び制御装置Cの作用により、一方の装置を稼働させるために、他方の装置を退避位置に移動させるような必要がないことは言うまでもない。
【0039】
なお、以上のような説明から明らかなように、上記制御装置Cの作用について、これを要約すると、AE10の出力に基づき、CT架台G及びアンギオ装置4の動静並びにこれらと寝台1との相対位置関係を制御するものである、といえよう。
【0040】
このように、本実施形態におけるIVR−CT装置によれば、X線CT装置2あるいはアンギオ装置4によるX線撮影時において、これらの装置がAE10及び制御装置Cの管理下にあることから、まず、相互に干渉し合うというような懸念がない。また、両装置の退避位置への移動を一々必要としないから、より機能的乃至機動的な診療あるいは検査を実施することができるし、かつ、その操作性も各段に向上している。さらに、CT架台Gの並進動作等によって、被検体Pを挟み込むような事態は発生しない。要すれば、本実施形態におけるIVR−CT装置は、X線CT装置2及びアンギオ装置4の協調的動作、機能的動作が可能であるとともに、被検体Pに関した安全性も確保されたものとなっているということが言える。
【0041】
また本実施形態におけるIVR−CT装置については、次のような効果を特に指摘することができる。すなわち、本実施形態においては、CT架台GにおけるAE10が二組設けられていたが、これによれば、両者から送られてくる二つの絶対座標値を常に対比し、それらの差等を考慮にいれつつ、CT架台G等の動静を決定することができる。例えば、常態においては一方のAE10出力のみを参照するが、二つのAE10の出力の差が大きくなったような場合には、それらの平均をとった値で以て制御を行う、等の処理を実施することが考えられる。
【0042】
また、AE10によるCT架台Gの状態把握は「絶対座標値」によっていたから、当該把握は、「IVR−CT装置全体」を視点としたものとして行われる。
つまり、常にIVR−CT装置全体を視点として、各装置の状態が把握され、これに基づいて、適正な制御を実施することができるのである。
【0043】
結局、本実施形態においては、上記した協調的動作、機能的動作、及び安全性確保に係る効果、をより確実に享受することができることになる。
【0044】
加えて、本実施形態において、AE10により読み取られた「絶対座標値」は、IVR−CT装置本体の電源遮断後も保持されるようになっていた。すなわち、本実施形態においては、再び電源を投入する際に使用される絶対座標値は、電源遮断直前の値が当てられることになるから、電源遮断ないし投入前後に関する操作の連続性を保つことができる。
【0045】
上記実施形態においては、X線CT装置2及びアンギオ装置4を「互いに協調的に動作させる形態」についての説明を行った。
【0046】
また、上記実施形態(特に作用効果の説明)では、専らCT架台Gの並進動作に注目した説明を行ったが、その他、上で言及した当該架台Gに関する「チルト角度」についても、これをAEが検出する絶対座標値で以て認識し、該絶対座標値に基づき、CT架台G及びアンギオ装置4等が相互に干渉を起こさないような制御を実現する態様としてよいのは勿論である。このような場合においては、CT架台Gに関する総合的な状態把握(並進動作及びチルト動作)がなされるから、より適切な制御が可能となろう。無論このような形態も、本発明の範囲内にあることは明らかである。
【0047】
さらに、上記実施形態におけるIVR−CT装置においては、アンギオ装置4におけるCアーム3が一体のみ備えられていたが、本発明は、Cアーム3が二体(以上)設けられるようなアンギオ装置を備えた、いわゆる「バイプレーシステム」と呼称されるIVR−CT装置に対しても、適用することが可能である。
【0048】
当該システムは、例えば図6及び図7に示すような構成となる。これらの図におけるIVR−CT装置においては、CT架台Gを備えたX線CT装置2が一組備えられる点では図1から図3と同様であるが、アンギオ装置4´には、Cアーム31とCアーム32の二組が設けられるような形態となっている。ただし、Cアーム31及び32そのものの構成としては、上記したCアーム3に係る構成と大きく変じることはない。また、このシステムにおける寝台1は、図6に示されているように、天板1a面と地面との平行関係を保つような回転動作が可能な構成となっている。これは、CT架台Gに対して挿入可能となる場合の位置付けの他に、当該位置付けに対して寝台1(ないしは被検体P)の方向が垂直となることを可能とする(図6参照)。
【0049】
このような場合においても、AE10及び制御装置Cの管理化において、X線CT装置と二体のCアーム31及び32とを協調的かつ機能的に動作させるという基本的思想に変更はないから、上記実施形態に関する記述を、当該バイプレーシステムに適合するよう当てはめることは困難なことではなく、その具体的な実施形態は容易に想到されよう。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のIVR−CT装置によれば、位置検出手段及び制御手段を設けることにより、X線CT装置とX線撮影装置とが互いに干渉することのない、両者の協調的動作を実現することができる。また、従来においては、一方の装置を利用する際には他方の装置を退避位置等に移動する必要があったところ、本発明によれば、そのような移動は必要ないから、より機能的な診療乃至検査を実施することができ、またその操作性は各段に向上する。さらに、本発明によれば、被検体に対するより安全性の高いIVR−CT装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るIVR−CT装置の全体構成を示す概要図である。
【図2】図1に示すIVR−CT装置の全体構成を示す平面図である。
【図3】図1に示すIVR−CT装置の全体構成を示す側面図である。
【図4】アブソリュートエンコーダの構成例を示す説明図である。
【図5】本実施形態に係る制御の概要を示すブロック図である。
【図6】図1から図3とは別形態となるIVR−CT装置の全体構成を示す平面図である。
【図7】図6に示すIVR−CT装置の全体構成を示す側面図である。
【符号の説明】
P 被検体
1 寝台
1a 脚
1b 天板
2 X線CT装置
2a 表示装置
G CT架台
H 空洞部
3 Cアーム(支持器)
3a 固定アーム
3b 接続部
3c 支点
3d 基台
3e レール
4 アンギオ装置(X線撮影装置)
4a 表示装置
5 X線管球(X線発生手段)
6 X線検出器(X線検出手段)
10 アブソリュートエンコーダ(位置検出手段)
C 制御装置(制御手段)
Claims (4)
- 被検体を載置する寝台と、該寝台に対向しこれを挿入可能な空洞部を有するCT架台を備えたX線CT装置と、略C字形状となる支持器と該支持器の一端及び他端にそれぞれ対向するよう備えられるX線発生手段及びX線検出手段とを有するX線撮影装置とから構成されるIVR−CT装置において、
前記CT架台の前記寝台に対する位置を変更するための動力源と、前記X線撮影装置を動作させるための動力源と、所定の座標系において定義される絶対座標値で以て前記CT架台の位置を検出する少なくとも一つの位置検出手段とを備え、
前記CT架台及び前記X線撮影装置のそれぞれの動力源を制御するとともに、該位置検出手段の出力に基づき前記CT架台及び前記X線撮影装置の動静並びに前記CT架台、前記X線撮影装置及び前記寝台の相対位置関係を制御して互いに協調的に動作させる制御手段を備えていることを特徴とするIVR−CT装置。 - 前記CT架台の動力源は、前記寝台に対する前記CT架台の姿勢を変更し、
前記位置検出手段は、前記CT架台の姿勢を前記絶対座標値で以て検出し、
前記制御手段は、前記位置検出手段により検出された前記CT架台の位置及び姿勢に基づいて、前記CT架台及び前記X線撮影装置の動静並びに前記CT架台、前記X線撮影装置及び前記寝台の相対位置関係を制御して互いに協調的に動作させる、
ことを特徴とする請求項1記載のIVR−CT装置。 - 前記CT架台は二以上の位置検出手段を備え、
前記制御手段は該二以上の位置検出手段からの出力を各々対照しつつ、前記CT架台及び前記X線撮影装置の動静並びに前記CT架台、前記X線撮影装置及び前記寝台の相対位置関係を制御して互いに協調的に動作させることを特徴とする請求項1又は2記載のIVR−CT装置。 - 装置本体の電源遮断後、再び電源を投入する際に使用される前記絶対座標値は、電源遮断直前の値が当てられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のIVR−CT装置。
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