以下、図面に従って本発明に係る電子カメラの好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の適用される第1実施形態に係るデジタル一眼レフカメラの全体構成を示すブロック図であり、交換レンズ100とカメラ本体200とから構成される。本実施形態では、交換レンズ100とカメラ本体200は別体で構成され、通信接点300にて電気的に接続されているが、交換レンズ100とカメラ本体200を一体に構成することも可能である。
交換レンズ100の内部には、焦点調節および焦点距離調節用のレンズ101、102と、開口量を調節するための絞り103が配置されている。レンズ101およびレンズ102はレンズ駆動機構107によって駆動され、絞り103は絞り駆動機構109によって駆動されるよう接続されている。交換レンズ100内には、焦点距離・絞り値情報等の交換レンズ固有の情報を記憶したレンズデータROM105が配置されている。これらのレンズデータROM105、レンズ駆動機構107、絞り駆動機構109はそれぞれレンズCPU111に接続されており、このレンズCPU111は通信接点300を介してカメラ本体200に接続されている。レンズCPU111は交換レンズ100内の制御を行うものであり、レンズ駆動機構107を制御してピント合わせや、ズーム駆動を行うとともに、絞り駆動機構109を制御して絞り値制御を行う。
カメラ本体200内には、被写体像を観察光学系に反射するためにレンズ光軸に対して45度傾いた位置と、被写体像を撮像素子(後述のCCD221)に導くために跳ね上がった位置との間で、回動可能な可動ミラー201が設けられている。この可動ミラー201の上方には、被写体像を結像するためのフォーカシングスクリーン205が配置され、このフォーカシングスクリーン205の上方には、被写体像を左右反転させるためのペンタプリズム207が配置されている。このペンタプリズム207の出射側(図1で右側)には被写体像観察用の接眼レンズ209が配置され、この脇であって被写体像の観察に邪魔にならない位置に測光センサ211が配置されている。この測光センサ211は後述するように被写体像を分割して測光する多分割測光素子で構成されている。
上述の可動ミラー201の中央付近はハーフミラーで構成されており、この可動ミラー201の背面には、ハーフミラー部で透過した被写体光をカメラ本体200の下部に反射するためのサブミラー203が設けられている。このサブミラー203は、可動ミラー201に対して回動可能であり、可動ミラー201が跳ね上がっているときには、ハーフミラー部を覆う位置に回動し、可動ミラー201が被写体像観察位置にあるときには、図示する如く可動ミラー201に対して垂直となる位置にある。この可動ミラー201はミラー駆動機構219によって駆動されている。また、サブミラー203の下方には測距用センサを含む測距回路217が配置されており、この回路は、レンズ101、102によって結像される被写体像の焦点ズレ量を測定するための回路である。
可動ミラー201の後方には、露光時間制御用のフォーカルプレーンタイプのシャッタ213が配置されており、このシャッタ213はシャッタ駆動機構215によって駆動制御される。シャッタ213の後方には撮像素子としてのCCD221が配置されており、レンズ101、102によって結像される被写体像を電気信号に光電変換する。なお、本実施形態では撮像素子としてCCDを用いているが、これに限らずMOS等の撮像素子を使用できることはいうまでもない。
CCD221はCCD駆動回路223に接続され、このCCD駆動回路223によってアナログデジタル変換(AD変換)がなされる。CCD駆動回路223はCCDインターフェース225を介して画像処理回路227に接続されている。この画像処理回路227は色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正といった各種の画像処理を行う。
画像処理回路227は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit 特定用途向け集積回路)271内のデータバス261に接続されている。このデータバス261には、画像処理回路227の他、後述するシーケンスコントローラ(以下、「ボディCPU」と称す)229、圧縮回路231、FLASH MEMORY制御回路233、SDRAM制御回路236、入出力回路239、通信回路241、記録媒体制御回路243、ビデオ信号出力回路247、スイッチ検出回路253が接続されている。
このデータバス261に接続されているボディCPU229は、この電子カメラのフローを制御するものである。またデータバス261に接続されている圧縮回路231は後述するSDRAM237に記憶された画像データ等をJPEGで圧縮するための回路である。なお、画像圧縮はJPEGに限らず、他の圧縮方法も適用できる。データバス261に接続されているFLASH
MEMORY制御回路233は、FLASH MEMORY235に接続され、このFLASH MEMORY235は、電子カメラのフローを制御するためのプログラムが記憶されており、ボディCPU229はこのFLASH MEMORY235に記憶されたプログラムに従って電子カメラの制御を行う。なお、FLASH MEMORY235は、電気的に書換可能な不揮発性メモリである。SDRAM237は、SDRAM制御回路236を介してデータバス261に接続されており、このSDRAM237は、画像処理回路227によって画像処理された画像情報または圧縮回路231によって圧縮された画像情報を一時的に記憶するためのメモリである。
上述の測光センサ211、シャッタ駆動機構215、測距回路217、ミラー駆動機構219に接続される入出力回路239は、データバス261を介してボディCPU229等の各回路とデータの入出力を制御する。レンズCPU111と通信接点を介して接続された通信回路241は、データバス261に接続され、ボディCPU229等とのデータのやりとりや制御命令の通信を行う。データバス261に接続された記録媒体制御回路243は、記録媒体245に接続され、この記録媒体245への画像データ等の記録の制御を行う。記録媒体245は、xDピクチャーカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)またはメモリスティック(登録商標)等の書換え可能な記録媒体で構成され、カメラ本体200に対して着脱自在となっている。
データバス261に接続されたビデオ信号出力回路247は液晶モニタ駆動回路249を介して液晶モニタ251に接続される。ビデオ信号出力回路247は、SDRAM237または記録媒体245に記憶された画像データを、液晶モニタ251に表示するためのビデオ信号に変換するための回路である。液晶モニタ251はカメラ本体200の背面に配置されるが、撮影者が観察できる位置であれば、背面に限らないし、また液晶に限らず他の表示装置でも構わない。シャッタレリーズ釦の第1ストロークや第2ストロークを検出するスイッチや、ズームレンズの駆動を指示するズームスイッチ、ブラケットモードを指示するブラケットモードスイッチ等の各種スイッチ355は、スイッチ検出回路253を介してデータバス261に接続されている。
本発明の第1実施形態における電子カメラの動作を説明する前に、白飛びまたは黒つぶれの検出について説明する。図2は、撮影対象である少女の頬と額の部分にそれぞれ白飛びが発生している写真の例である。図3は、この図2の写真のヒストグラムであり、横軸は被写体の明るさであり、縦軸は画素数である。この図3のヒストグラムを分析すると、高輝度に対応する横軸の右側の画素数が多くなっており、白飛びが発生していることが判断できる。
上述の測光センサ211は多分割測光素子で構成されており、第1実施形態では図4に示されるように、縦横それぞれ7分割され、全体で49分割されている。それぞれの測光出力BV1〜BV49は入出力回路239を介してボディCPU229に出力される。 これらの測光出力BV1〜BV49は、図5に示すように被写体像の各部分に対応している。上述のヒストグラムを分析すると、撮影した画像に白飛びが発生していることが判定でき、その画像中の白飛び部分の位置から、それに対応する多分割素子の領域及びその出力を検出することができる(図6の例ではBV30)。なお、最も白飛びが発生している部分の抽出方法としては、最高輝度値に対応する画素を抽出する方法や、所定輝度値以上の画素数の数または割合が最も多い領域を抽出する方法等、種々の方法がある。
以上、白飛びが発生している場合について説明したが、黒つぶれが発生している場合には、ヒストグラムにおいて低輝度に対応する画素数が多い場合であり、白飛びの場合と同様に、黒つぶれが発生している部分に対応する多分割測光素子の出力を選択することができる。
次に、本発明の第1実施形態の動作を図7乃至図9に示すフローチャートを用いて説明する。まず、各種スイッチ255の内のレリーズ釦(図示せず)が、撮影者によって半押し、即ち、第1レリーズがオンとなると、スイッチ検出回路253から検出信号がボディCPU229に送信され、図7に示される「撮影動作」のフローが開始される。撮影動作が開始されると、まず、測光センサ211の多分割測光素子から各測光値BV1〜BV49を読み込む(ST11)。次に、この各測光値に基づいて評価測光値BVaを演算し、さらにこの評価測光値BVaに基づいて露光量EVaを演算する(ST13)。評価測光値BVaは、各測光値BV1〜BV49に対して、被写体像のほぼ中央部に対応するBV17〜BV19、BV24〜BV26、BV31〜BV33の合計9個の測光値に重み付けした値である。露光量EVaは、評価測光値BVaにISO感度対応値SVを加算して求める。この露光量EVaは通常の撮影モードにおいて、適正露光を得ることのできる露光量に対応する。露光量EVaを演算するにあたっては、第1実施形態のように、評価測光値BVaを求めた後にISO感度対応値を加算して露光量を求めるほか、測光値に重み付けし、直接、露光量EVaを求めることもできる。なお、評価測光の演算方法はこの中央重点測光法に限らず、適宜、設計思想に従って変形できる。
次に、ボディCPU229は、測距回路217の出力に基づいてレンズ101、102のピントズレ量を演算し、このズレ量とレンズデータROMからの固有データ基づいてレンズ駆動量を演算し、この駆動量をレンズCPU111に送信し、レンズCPU111はレンズ駆動機構107を制御してレンズ101、102のピント合わせを行う(ST15)。この後、レリーズ釦が更に押し込まれた全押し状態、即ち、第2レリーズがオンとなったかどうかを、スイッチ検出回路253の出力に基づいて判定する。第2レリーズがオンとなっていない場合には、ステップST19に進み、レリーズ釦が第1レリーズオン状態で保持されているか否かを判定し、第1レリーズオン状態で保持されたままの場合には、ステップST17およびステップST19が繰り返される。一方、第1レリーズがオフ、即ち、レリーズ釦から撮影者の手が離れた場合には、ステップST33に進み、図7の撮影動作のフローから不図示のメインフローにリターンする。
ステップST17において、撮影者がレリーズ釦を全押しし、第2レリーズがオンとなったことを検出すると、ステップST21に進み、撮像を行う。この撮像では、まずステップST13で演算された露光量EVaに基づいて、ボディCPU229は絞り103の絞り開口値とシャッタ213のシャッタ開口時間を演算し、これに基づいて絞り103とシャッタ213は制御される。絞り103とシャッタ213によって決まる露光量で、CCD221上に結像された被写体像に対応する光電変換信号はCCD駆動回路223によって読み出される。なお、本第1実施形態では、露光量の制御は、絞り103とシャッタ213の制御によって行っているが、これに限らず、CCD等の撮像素子内部に設けられた電子シャッタや、撮像素子出力の増幅率の変更によっても行ってもよい。読み出された光電変換信号はCCDインターフェース225によってAD変換され、このデジタル化された画像信号は画像処理回路227によって前述の各種画像処理が行われた後、データバス261およびSDRAM制御回路236を介してSDRAM237に書き込まれる。
このステップST21の撮像が終了すると、スイッチ検出回路253の出力に基づいて、ブラケットモードか否かの判定を行う(ST23)。ブラケットモードが選択されていない場合には、ステップST31に進み、SDRAM237に記憶された画像データを、圧縮回路231にてJPEG方式等により圧縮を行った後、記録媒体制御回路243を介して記録媒体245に記録を行う。
一方、ブラケットモードが選択されている場合には、ステップST25に進み、ハイライトブラケットモードか否かをスイッチ検出回路253の出力に基づいて判定する。このハイライトブラケットモードは、白飛び部分に対応する多分割測光素子の輝度値(BV値)に基づく適正露光量と、ステップST13で演算された評価測光値BVaに基づく適正露光量EVaとの間で適宜、露光量を変化させて撮影を行うブラケット撮影を行うモードである。ステップST25で、ハイライトブラケットモードであると判定された場合には、ステップST27に進み、図8に示される「ハイライトブラケット」を実行する。
ステップST25にてハイライトブラケットモードではないと判定された場合には、他方のシャドーブラケットモードであることから、ステップST29に進み、図9に図示される「シャドーブラケット」を実行する。ここで、シャドーブラケットモードは、黒つぶれ部分に対応する多分割測光素子の輝度値(BV値)に基づく適正露光量と、ステップST13で演算された評価測光値BVaに基づく適正露光量EVaとの間で適宜、露光量を変化させて撮影を行うブラケット撮影を行うモードである。ステップST27、ST29にて、ハイライトブラケットまたはシャドーブラケットの実行が終了すると、上述のステップST31のメモリカードに画像データの実行をした後、ステップST33にてメインフローにリターンする。
次に、ステップST27の「ハイライトブラケット」のフローについて図8を用いて説明する。まず、ステップST41において、ヒストグラムを作成する。ここで、図3に示されるような低輝度から高輝度の全領域に亘ってヒストグラムを作成しても良いが、これに限らず、最高輝度の一点だけ、または高輝度側の領域についてのみヒストグラムを作成することでも十分である。次に、ステップST43に進み、ステップST41で作成したヒストグラムに基づいて、オーバー部分、即ち、白飛び部分があるか否かの判定を行う。この判定方法は、最高輝度値に対応する画素が存在するか否かを検出する方法や、所定輝度値以上の画素数の数が多い、または割合の高い領域が存在するか否かを検出する方法等、種々の方法があり、適宜、設計思想に応じて選択すれば良い。
オーバー部分があると判定された場合には、白飛び部分があることから、ハイライトブラケットモードでの撮影にあたっては、オーバー部分に対応する測光素子の出力に基づく適正露光量と、評価測光の結果に基づく適正露光量の間で、所定回数(本実施形態ではST21での撮像も含めて、n+1回)に亘って露光を繰り返す。このために、まず、画像データの中からオーバー部分の領域がどこにあるかを検索する(ST45)。オーバー部分が複数、存在する場合には、最高輝度に相当する部分を検索する。次に、測光センサ211の多分割測光素子の出力の中から、ステップST45で検索されたオーバー部分に対応する測光素子の出力に基づいてオーバー部分測光値BVsを検出する(ST47)。
次に、段階露光量の演算を行うために、ステップST13で求めた評価測光値BVaとステップST47で求めたオーバー部分測光値BVsの差を、ブラケット撮影モードでの撮影回数に応じた数nで除算した段階露光補正量ΔEVを演算する(ST49)。次に、撮影回数をカウントするためにm=1とし(ST51)、ブラケット撮影時の露光量EVの演算を行う(ST53)。この露光量EVは、評価測光値BVaに基づく適正露光量EVaと、ステップST49で求めた段階露光量ΔEVに段階数mの乗算値との差分であり、m=1の場合には、評価測光で適正露光となる露光量からΔEV分だけアンダー露光となる露光量であり、m=2の場合には、2・ΔEV分だけアンダー露光となる露光量であり、m=nの場合にはn・ΔEV分だけアンダー露光となると共にオーバー部分に対して適正露光となる。なお、露光回数nは液晶モニタ251等の表示手段に表示するようにしても良いことは勿論である。
ステップST53で演算された露光量に基づいて、ステップST55にて撮像が行われる。ここでの撮像は、露光量が異なる以外は図7のステップST21と同様の処理がなされる。ステップST55の撮像が終了すると、撮影回数をカウントするためのmに1が加算され(ST57)、第1レリーズがオン状態で保持されているか否かの判定がなされる(ST59)。保持されていなければ、即ち、撮影者がレリーズ釦から手を離した場合には、ステップST63に進み図7のステップのST31にリターンして、画像データを記録媒体245に記録する。従って、m=nに達する前に、撮影者がレリーズ釦から手を離すと、予め決められたn+1回のブラケット撮影がなされない場合であってもブラケット撮影は終了となる。一方、ステップST59において、第1レリーズがオン、即ち、保持されていると判定された場合には、ステップST61に進み、mがnに達したかを判定する。m=nに達するまで、ステップST53からステップST61を繰り返し、mがnに達するとステップST63を経てステップST31にリターンする。m=nとなると、ステップST21での撮影と併せてn+1回の撮影がなされる。
ステップST43に戻り、オーバー部分がないと判定されると、白飛びしている部分がないことから、通常のブラケット撮影を行う。まず、ステップST71にて、ΔEVに固定値として0.5を設定する。なお、この0.5は適宜、設計変更可能であり、また、ユーザによって変更可能とすることもできる。この後、オートブラケットの撮影回数をカウントするためのmを1に初期化する(ST73)。
次に、オートブラケット撮影における各段階での露光量を演算する(ST75)。ここでの演算は、ステップST13にて演算された評価測光値に基づく適正露光量EVaに、各露光ごとに露光補正量ΔEVを加算する。露光量演算が終了すると、この露光量に基づいて図7のステップST21と同様に撮像を行う。次に、ステップST41と同様に、ヒストグラムの作成を行い(ST79)、第1レリーズがオンか、即ち、レリーズ釦が半押しで保持されているか否かを判定し、オフの場合には、ステップST63を経てステップST31にて画像データの記録媒体245への書き込みを行う。一方、レリーズ釦の半押しが保持されていた場合には、ステップST83にて、ステップST79で作成したヒストグラムに基づいてオーバー部分があるか否かを判定し、オーバー部分がないと判定された場合には、撮影回数をカウントするためのmに1を加算(ST85)した後、ステップST75に戻り、露光量を0.5EV 増加させてブラケット撮影を続行する。
ステップST75からステップST83を繰り返すうちに、次第に露光量は増加していくので、ついには、ステップST83にてオーバー部分ありとの判定がなされ、ステップST63を経てステップST31にて画像データの記録媒体245への書き込みがなされる。このように、ハイライトブラケットの場合であって、最初にオーバー部分がないと判定されたときには、オーバー部分が発生するまでブラケット撮影が行われる。このため、全体として適正露光状態から、白飛びが生ずるまでの間で、段階的に露光を得ることができ、撮影意図に沿った写真を選択することができる。
次に、図7のステップST29の「シャドーブラケット」のフローについて、図9を用いて説明する。まず、ステップST41と同様にヒストグラムを作成し(ST91)、この作成されたヒストグラムに基づいてアンダー部分が存在するか否かについて判定する(ST93)。なお、ヒストグラムの作成にあたっては、図3に示されるような低輝度から高輝度の全領域に亘ってヒストグラムを作成しても良いが、これに限らず、最低輝度の一点だけ、または低輝度側の領域についてのみヒストグラムを作成することでも十分である。
ステップST93で、アンダー部分があると判定されると、黒つぶれの部分が存在するので、シャドーブラケット撮影にあたっては、アンダー部分に対応する測光素子の出力に基づく適正露光量と、評価測光の結果に基づく適正露光量の間で、所定回数(本実施形態ではn+1)に亘って撮像を繰り返す。基本的な方法はハイライトブラケットと同じであるが、その補正方向は逆となっている。まず、画像データの中からアンダー部分を検索する(ST95)。アンダー部分が複数、存在する場合には、最低輝度に相当する部分を検索する。なお、アンダー部分が複数ある場合の検索方法は種々あり、適宜選択できる。次に、測光センサ211の多分割測光素子の出力の中から、ステップST95で検索されたアンダー部分に対応する測光素子の出力に基づいて、アンダー部分に対応する測光領域のアンダー部分測光値BVsを検出する(ST97)。
次に、段階露光補正量の演算を行うために、ステップST13で求めた評価測光値BVaとステップST97で求めたアンダー部分測光値BVsの差を、ブラケット撮影モードでの撮影回数に応じた数nで除算した段階露光補正量ΔEVを演算する(ST99)。その後、撮影回数をカウントするためにm=1とし(ST101)、ブラケット撮影時の露光量EVの演算を行う(ST103)。この露光量EVは、評価測光値BVaに対して適正露光となる露光量EVaと、ステップST99で求めた段階露光補正量ΔEVに段階数mの乗算値との差分であり、m=1の場合には、評価測光で適正露光となる露光量からΔEV分だけオーバー露光となる露光量であり、m=2の場合には、2・ΔEV分だけオーバー露光となる露光量であり、m=nの場合にはn・ΔEV分だけオーバー露光となると共にアンダー部分に対して適正露光となる。
この後のステップST105からステップST113までは、図8のステップST55からステップST63と同様であるので、詳しくは説明しないが、撮影回数をカウントするためのmがnに達するまで露光量をΔEVずつ変えながら撮像を繰り返し、ブラケット撮影を行う。なお、ブラケット撮影中に撮影者がレリーズ釦から手を離すと撮影は終了する(ST109からST113、ST31を経てメインルーチンへ)。
ステップST93に戻り、アンダー部分がないと判定された場合には、通常のシャドーブラケット撮影を行う。まず、ステップST121にて、段階露光補正量ΔEVに固定値として0.5を設定する。なお、この0.5は、ステップST71で説明したのと同様、適宜、設計変更は可能であり、また、ユーザによって変更可能である。この後、オートブラケットの撮影回数をカウントするためのmを1に初期化する(ST123)。
次に、オートブラケット撮影における各段階での露光量を演算する(ST125)。ここでの演算は、ステップST13にて演算された評価測光値に基づく適正露光量EVaに、各露光ごとに段階露光補正量ΔEVを減算する。次のステップST127からステップST135は、図8のステップST77からステップST88とほぼ同様であるので、詳しい説明は省略する。ただし、図8のステップST83では「オーバー部分あり?」であるのに対して、図9のステップST133では「アンダー部分あり?」となっている点で異なっている。図8のハイライトブラケットでは、ステップST75にて露光量を段階的に増加させ、オーバー部分、即ち、白飛びが発生するまでブラケット撮影を行っているのに対して、図9のシャドーブラケットでは、ステップST123にて露光量を段階的に減少させ、ステップST133でアンダー部分、即ち、黒つぶれが発生したことを判定するまでブラケット撮影を行うようにしている。この通常のシャドーブラケット撮影は、撮影者がレリーズ釦から手を離したことを検出するか(ST131にてNoの場合)、または、段階露光を行いアンダー部分が生じたことを検出した場合まで行われ、この後、ステップST113を経てステップST31にて、画像データが記録媒体245に記録され、メインフローに戻り、オートブラケット撮影を終了する。
なお、本実施形態のステップST45において、オーバー部分が複数存在する場合には、その中から最高輝度値となる部分を検索したが、これに限らず、複数の中で、適宜、重み付けする等、オーバー部分の評価を行うようにしても良い。また、ステップST95において、アンダー部分が複数存在しても同様である。
以上のように、第1実施形態においては、多分割測光手段としての測光センサ211の測光値に基づいて、白飛びまたは黒つぶれの発生する部分の測光値に対して適正露光となる露光量と、測光センサ211の評価測光値に対して適正露光となる露光量との間で、段階露光を行うようにしたので、白飛びまたは黒つぶれのない写真を提供することができる。また、段階露光が所定の回数となるようにしたので、段階露光の回数が無限になることはなく、撮影に便利である。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、段階露光の際の露光差は、白飛びまたは黒つぶれに対する適正露光量と評価測光に対する適正露光量との露光量の差を所定数で除算した値であったので、撮影回数は一定するにすることができたが、段階露光補正量は一定とはならなかった。この第2実施形態においては、露光補正量を一定となるようにしたものである。
第2実施形態の構成は第1実施形態の構成と同様であり、またその作用は、図8および図9に示されるハイライトブラケットとシャドーブラケットのフローをそれぞれ図10および図11に置き換えた他は、第1実施形態と同様であるので、異なる部分のみ説明する。
まず、第1実施形態と同様にして、図10に示すハイライトブラケットのフローに入ると、ステップST41と同様にヒストグラムを作成し(ST201)、画像データにオーバー部分があるか否かの判定を行う(ST203)。ここで、オーバー部分があると判定されると、画像データ内のオーバー部分を検索し(ST205)、このオーバー部分に対応する測光領域の輝度値(BVs)を検出する(ST207)。ここまでは、第1実施形態と同様のフローである。続いて、露光補正量としてΔEVを0.5と設定する(ST209)。ここで、露光補正量ΔEVの数値は設計事項であり、適宜、変更でき、また、撮影者が任意に設定できるようにしてもよい。
次に、段階露光回数pを求め(ST211)、露光回数pを液晶モニタ251等により表示する(ST213)。これにより、撮影者はブラケット撮影時における段階露光の回数を認知することができる。続いて、オートブラケット撮影回数をカウントするためのmを1に初期化し(ST215)、露光量EVの演算を行う(ST217)。露光量EVは、評価測光に対して適正露光量となるEVaから段階露光のたびに露光補正量をΔEVずつ減少させていくものである。この露光量EVに基づいて、図8のステップST55と同様にして撮像を行う(ST219)。撮像が終了すると、残りの露光回数(p-m)を演算し、これを表示する(ST221)。この後は、第1実施形態と同様に、撮影回数に対応するmに1を加算し(ST223)、第1レリーズがオンしている間は、撮影回数に対応するmが段階露光回数pに達するまでブラケット撮影を続ける。撮影者がレリーズ釦から手を離すか、mがpに達すると、ステップST229を経て、ステップST31にて記録媒体245に画像データを記録し、メインフローにリターンし、ブラケット撮影を終了する。
ステップST203に戻り、オーバー部分がないと判定された場合には、通常のハイライトブラケットモードであり、ステップST209と同様に露光量の段差ΔBVを0.5に設定する(ST231)。続いて、オートブラケット撮影回数をカウントするためのmを1に初期化し(ST233)、露光量EVを求める(ST235)。露光量EVは測光センサ211の多分割測光の評価値に基づく適正露光EVaに対して、段階露光のたびに露光補正量をΔEVずつ増加させていくものである。この露光量EVに基づいて、ST55と同様にして撮像を行う(ST237)。撮像が終了すると、第1実施形態と同様に、再びヒストグラムの作成を行い(ST239)、第1レリーズがオンしている間は、ヒストグラムに基づいてオーバー部分があるか否かの判定を行い(ST243)、オーバー部分が発生していない間はブラケット撮影を続ける。撮影者がレリーズ釦から手を離すか、オーバー部分が発生すると、ステップST279を経て、ステップST31にて記録媒体245に画像データを記録し、ブラケット撮影を終了する。
次に、図11に示すシャドーブラケットのフローに入ると、図9のステップST91と同様にヒストグラムを作成し(ST251)、画像データにアンダー部分があるか否かの判定を行う(ST253)。判定の結果、アンダー部分があると判定されると、画像データ内のアンダー部分を検索し(ST255)、このアンダー部分に対応する測光領域の輝度値(BVs値)を検出する(ST257)。ここまでは、第1実施形態と同様のフローである。続いて、段階露光補正量に対応してΔEVを0.5と設定するが(ST259)、ハイライトブラケットの場合と同様、この数値は設計事項であり、適宜、変更でき、また、撮影者が任意に設定できるようにしてもよい。
次に、ハイライトブラケットの場合と同様、段階露光の回数pを求め(ST261)、これを液晶モニタ251等の表示手段に表示する(ST263)。オートブラケット撮影回数をカウントするためのmを1に初期化し(ST265)、露光量を演算する(ST267)。この露光量EVは測光センサ211の多分割測光の評価値に基づく適正露光EVaに対して、段階露光のたびに露光量をΔEVずつ増加させていくものである。この後のステップST269からステップST279は、ハイライトブラケットのフロー(ST219からST229)と同様であるので、詳しい説明は省略する。なお、本実施形態では、ステップST259とST281の段階露光補正量ΔEVは同一の値としたが、異なる値としても良いことは勿論である。
次に、ステップST253に戻り、ヒストグラムの分析の結果、アンダー部分がないと判定された場合には、ステップST259と同様に露光量の段差ΔEVを0.5に設定する(ST281)。続いて、オートブラケット撮影の回数をカウントするためのmを1に初期化し(ST233)、露光量EVを求める(ST285)。露光量EVは測光センサ211の多分割測光の評価値に基づく適正露光EVaに対して、段階露光のたびに露光量をΔEVずつ減少させていくものである。この露光量演算値EVに基づいて、ST55と同様にして撮像を行う(ST287)。撮像が終了すると、第1実施形態と同様に、再びヒストグラムの作成を行い(ST289)、第1レリーズがオンしている間は、ヒストグラムに基づいてアンダー部分があるか否かの判定を行い(ST293)、アンダー部分がある間はブラケット撮影を続ける。撮影者がレリーズ釦から手を離すか、アンダー部分が発生すると、ステップST279を経て、ステップST31にて記録媒体245に画像データを記録し、メインフローにリターンしてブラケット撮影を終了する。
以上のように、第2実施形態においては、測光センサ211の測光値に基づいて、白飛びまたは黒つぶれの発生する部分の測光値に対して適正露光となる露光量と、測光センサ211の評価測光値に対して適正露光となる露光量との間で、段階露光を行うようにしたので、確実に白飛びまたは黒つぶれのない写真を提供することができる。また、段階露光の露光差が一定であることから撮影者の意図に沿った写真を選択する際に便利であると共に、白飛び若しくは黒つぶれが生じている場合には、何回露光されるかを表示できるようにしたので、撮影にあたっても便利である。
以上、説明した実施形態では、デジタル一眼レフカメラに本発明を適用した例であったが、デジタル一眼レフカメラに限らず、例えば、通常のコンパクトデジタルカメラや携帯電話に内蔵されたデジタルカメラ等のブラケット撮影を行うことが可能な電子画像記録装置であれば、本発明を適用できる。また、本発明では、測光センサ211からの多分割測光値を用いて、評価測光値と、白飛び若しくは黒つぶれ部分に対応する測光値を求めていたが、これに限らず、CCD等の撮像素子の出力を演算して測光値としてもよい。